BRZのボディ開発における
車体CAE活用事例(剛性、衝突)
抜粋版
2013年6月28日 富士重工業株式会社 スバル技術本部 CAE部 深町 12
本日の発表内容
21.スバルBRZの開発コンセプト
2.軽量・高剛性ボディの開発思想
3.ボディ開発へのCAEの活用事例
(最適化手法を用いた構造合理化)
4.ボディ開発へのCAEの活用事例
(歩行者保護とフード造形の両立)
3
BRZ
3
1.スバルBRZの
開発コンセプト
4
スバルBRZについて
「スバルBRZ」はトヨタ自動車株式会社と富士重工業
株式会社が、共同で造りあげた、新世代、新提案の
スポーツカーである。
その特徴は低重心、軽量、高剛性にあり、「誰もが安心
して気軽にクルマの愉しさを体感できるスポーツカー」
「乗用車として日常でも使えるクルマ」の源泉となっている。
4生産 開発 企画・意匠デザイン 販売(BRZ) 販売(86)
共同開発における役割分担
◆企画・意匠デザインはトヨタ、開発・生産はスバル
5 5“ Pure Handling Delight”
− 新しい次元の走りの愉しさ −
BRZ:
Boxer Rear-wheel drive Zenith
商品コンセプト
6
7
新開発アイテム for コンセプト
◆水平対向スポーツエンジン
環境対応、高効率、高回転、高出力、 コンパクト。2.0L、200PS◆縦置水平対向FRプラットフォーム
衝突安全Topレベル対応 低重心、軽量、高剛性、 0 50 100 150 200 0 2000 4000 6000 8000 Engine speed (rpm) T o r q u e ( N m ) 0 50 100 150 200 P o w e r( kW ) BRZ インプレッサ 78
BRZ
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2.軽量・高剛性ボディの
開発思想
9
設計思想
◆低重心、軽量・高剛性のための基本的な考え方
(1)キャビンセクション 超高張力鋼板を積極的に採 用し、低重心化。軽量化と 乗員保護を両立させる。 (0)低重心レイアウト パワーユニット、DP・フロア 等の下方配置。個別部品 の重心マネジメントにより重 心高460mmを達成させる。 (3)リヤセクション (2)に加え、フロントからの入力を 即座に伝達し応答性,追従性を高 めるため剛性不連続性を低減する。 9 (2)フロントセクション 各種入力(路面、PU、衝突、タイヤ) に対する要求強度、要求剛性を確 保、質量最小化構造を実現する。10
軽量・高剛性ボディ開発手法
基本骨格 補強部材 ◆CAE(最適化手法、静動剛性解析や衝突解析)で構造を具現化し、 実車での検証結果を基に、合理的な基本骨格、効率的な補強方法 を決定した。 BRZではアンダーカバー を樹脂→アルミ 補剛部材としても活用 骨格での対応が困難 質量効率が悪い部分 は補強部材を追加 1011
BRZ
113.ボディ開発へのCAEの
活用事例
(最適化手法を用いた
構造最適化の取り組み)
12
最適化手法の適用の背景
12◆従来の適用状況(弊社)
・目的:部品板厚の最適化(軽量化、コスト低減)
・適用ステージ:設計後期の車体骨格決定後
・制約条件:単制約での局所最適構造の導出
◆ BRZ開発での最適化手法適用の背景
・BRZ:車体骨格のほぼ全部品を新規設計する機会
・衝突安全、高剛性と軽量化の両立の追及
・CAE手法としてのチャレンジ(衝突荷重の考慮)
13
最適化手法の適用コンセプト
13◆ 初期骨格構想∼板厚選定までシームレスに活用
原図:シェルモデル0 設計空間:ソリッドモデル トポロジー最適化 シェルモデルⅠ トポメトリー最適化 シェルモデルⅡ 板厚最適化 骨格構造(ロードパス)の導出 分割、リンフォース範囲の導出 最終構造図面へ反映 特徴:最適な反力支持骨 格(ロードパス)の導出の ため、衝突荷重を考慮14
設計空間の設定とモデル化
14 ●設計変数とした部位 ・ボデコン ・サスクロ ・Ftバンパービーム ・ステアリングサポートビーム ●最適化外部品 ・Ft&Rr&QTRガラス ・サス モ デ ル は 、 BIW シ ェ ル か ら H.M.9.0の【Shrink wrap】機能 と【Tetramesh】機能を用いて 作成したSOLID要素モデルa)前面、側面、後面衝突 相当入力 b)捩り曲げ入力 a)前面、側面、後面衝突 相当入力 b)捩り曲げ入力 15
入力荷重
15骨格部材の断面通過力
骨格部材の断面通過力
を抽出し、荷重を線形化
(慣性リリーフ静解析)
静捩り、及び
静捩り、及び
静上下曲げ荷重
静上下曲げ荷重
(線形静解析)
(線形静解析)
+
16
トポロジー最適化結果
16 剛性荷重(静捻り+静上下曲げ)+衝突荷重(前突フルラップ+ 前突オフセット+側突+後突)を考慮したトポロジー最適化結果 一定密度以上の要素のみ表示 密度コンター図:赤色ほど重要な骨格 計算環境は、 OPTISTURUCT Ver9.0以降 (開発当時)17
トポロジー最適化の構造例
① ② ③ ①トップマウント横のトポロジー最適化結果 ②イニシャル構造(アッパーフレームを主体とし、 カウルサイド部は補助構造) ③最終構造(カウルサイド部を主体とし、 AピラーLWRからサイドシルへ荷重伝達) 17①ベースシェルモデル0 ③代表的な入力設定 ⑤シェルモデルⅡ ②ソリッドモデル化 ④最適なロードパス 【最終モデル】 シェルモデルⅡ
トポロジー最適化
目的:骨格構造
の導出
トポメトリー最適化
目的:分割、
REINF範囲の導出
最適化手法の適用フロー
18●SUS取り付け部剛性1Hz∼ 慣性リリーフ解析(FreeFree) ●骨格モード等価剛性 固有値解析 ●新指標 静ねじり&静横曲げ解析 ●P/U取り付け部剛性100Hz∼ 周波数応答解析 理想 最適化解析 目的関 数: 質量最小化 制約条件: 各代用特性値 全て の代用特性を加味した結果 剛性上の代用特性を全て満足す る超軽量車体 ① 19
トポメトリー(フリー寸法)最適化
19 トポメトリー最適化:部材の板厚寸法を要素ごとに導出する。 (板金部品での活用方法):得られた板厚分布を参考に、 部分補強や稜線拡大、稜線強化に活用。 車体の剛性特性に 関連する代用特性20
トポメトリー最適化の構造例
① ③ ② ④ ①房内トップマウント付近の トポメトリー最適化結果 ②配置した補強部材 (骨格の形状などより、板厚 UPでは困難、非効率) ③、④横剛性解析時の応力 分布 2021
最適化手法のまとめ
21【成果】
1.トポロジー最適化+トポメトリー最適化を用いた
剛性・衝突性能を両立する基本骨格検討手法
を構築
2.上記の最適化手法を、BRZのボディ開発に
おいて初期構想から設計検討に終始適用
軽量化効果:約10kg(概算値)
【課題】
◆トポロジー最適化結果を読み解く設計センスと、
構造を具現化&3D化する上で、活用には、設計
部門との連携が不可欠
22
BRZ
224.ボディ開発へのCAEの
活用事例
(歩行者保護と造形の
両立への取り組み)
23
ボディ開発での背反性能
23 車両(車体)重量 ルーフ高さ フード高さ フロントオーバハング 歩行者保護性能 前面衝突性能 ルーフ強度性能 車体剛性・NV性能 燃費・運動性能他 デザイン、パッケージン グ UP Down 着座位置スポーツカーらしい外観⇒「低いエンジンフードの実現」は
極めて重要⇔クラッシュストロークを要す歩行者保護性能
24
歩行者保護CAE活用プロセス
24 a)従来の歩行者保護解析 ◎データ1 ◎データ2 ◎データ3 ◎確定 過去開発車を基に精度検証 終盤のデザインデータを 基に性能改善検討 机上検討、過去開発車を基に造形要望 改善検討 衝突試験◎ b)本開発における歩行者保護解析 ◎データ1 ◎データ2 ◎データ3 ◎確定 データ1での性能改善検討,データへの造形要望 データ2での性能改善検討,データ3への造形要望 データ3での性能改善検討、 造形確定までフォロー 最終造形での性能確認、改善検討 継続的に造形要望 改善検討 衝突試験◎ 歩 行 者 性 能 達 成 デザイン 歩 行 者 性 能 達 成 CAE 設計 実験 デザイン 設計 実験 CAE 従来:造形確定後(設計自由度:小)の性能達成検討で活用 今回:初期段階から造形要望に活用、各時点の最新データを検証25
性能達成思想とCAE精度
25 stroke[mm] G インパクターG-S HOOD中央部 test CAEアルミ製フードにおける
CAE精度サーベイ例
限界設計上、ストローク
精度に課題あり
BRZでは、造形実現上、
底付きを許容した限界設計
頭部を模擬し たインパクター100 25 50 100 25 50 鋼板 上板 下板 圧縮用テストピース形状 圧縮試験方法略図 テストピース ロードセル 静的・動的に圧縮 26
マスチック接着剤モデルの改善
26 引張試験機で荷重負荷 せん断テストピース形状 せん断試験方法略図 アルミフードインナー アルミフードアウター せん断、圧縮の物性取得を行い(静的、動的)、接着 剤モデル改善を実施インパクターG-S HOOD中央部 stroke[mm] G stroke[mm] G インパクターG-S HU近傍 CAE new test CAE old CAE new CAE old test 27
接着剤モデルの精度改善効果
2728
房内部品反力の精度向上例
28 単品解析で、 設計標準値の 硬度を再現 ゴム部を 詳細に再現 ストラットマウント への底着き29
歩行者保護CAEのまとめ
29【成果】
1.カッコいい造形実現と歩行者保護性能の限界
を両立させる歩行者保護CAE運用プロセス構築
2.世界トップレベルの低いフード造形を実現
【課題】
◆ 今後も益々厳しくなる衝突安全、多性能の両立
30
おわりに
30 1990年代 2000年代 2010年代 商品力向上の為のCAE 設計効率化・検証の為のCAE 試験車削減・代替の為のCAE 性能開発の為のCAEスバルブランドステートメント
ConFidence in Motion
お客様に提供する価値「安心と愉しさ」
31
32 (1)SUBARU BRZ 開発プロジェクトチーム :スバルBRZの紹介 スバル技報 NO.39 p.67ー77 (2)宮田ほか:BRZのボティ開発におけるCAE事例 スバル技報 NO.39 p.97ー105 (3)荻原:小型スポーツカーBRZの開発 塑性加工学会 第301回シンポジウム