1.社会保険
〈問1〉 介護保険についてMさんがAさんに対して説明した以下の文章の空欄①~③に入る語句の組合 せとして最も適切なものは,次のうちどれか。 「介護保険の被保険者は,第1号被保険者と第2号被保険者に区分されます。第2号被保険者は, 市町村または特別区の区域内に住所を有する40 歳以上( ① )未満の公的医療保険加入者です。 介護保険の第2号被保険者は,保険者から( ② )要介護状態または要支援状態と認定された場 合に,保険給付を受けることができます。介護保険の介護給付または予防給付のサービスを受け た者は,原則として,実際にかかった費用(食費,居住費等を除く)の( ③ )を自己負担する ことになります」 1) ① 60 歳 ② 特定疾病による ③ 3割 2) ① 60 歳 ② 原因を問わず ③ 1割 3) ① 65 歳 ② 特定疾病による ③ 1割 〈問2〉 国民年金の保険料やその加入者に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。 1) 現在,妻Bの国民年金の保険料は,Aさんが加入している厚生年金保険から拠出金の形で支 払われているが,Aさんが退職して厚生年金保険の被保険者資格を失ったときには,原則として 妻Bに国民年金の保険料納付義務が生じることになる。 2) 子Cが,「学生納付特例制度」の適用を受けた場合,免除から5年以内にこの間の国民年金 の保険料を追納しなければ,当該期間は,老齢基礎年金の受給資格期間には算入されるが,年金 額には反映されない。 3) 現在,厚生年金保険の適用事業所に常時使用されているAさんは,国民年金の第2号被保険 者として国民年金に加入している。 〈問3〉 Aさんの定年退職後における公的医療保険制度に関する次の記述のうち,最も不適切 なものはどれか。 1) Aさんは,X社を退職した後も,何らかの公的医療保険制度に加入しなければならず,何ら 手続をしていないときであっても,法律上当然に国民健康保険に加入することになり,この場合, Aさんには退職日の翌日から保険料支払義務が発生する。 2) Aさんは,X社を退職すると,健康保険の被保険者の資格を失うが,所定の要件を満たせば,原則として退職後も引き続き2年間は退職時に加入していた健康保険の被保険者になることが できる。これを「任意継続被保険者制度」という。
3) Aさんは,国民健康保険に加入中であっても,原則として70歳になれば,被保険者資格を失 い,「後期高齢者医療制度」の被保険者となる。
2.金融商品と資金運用
〈設例〉 A氏は,今年会社を退職し,退職金として手取りで 2,000 万円を受け取った。これまで住 宅ローン等に追われ,大口の資金運用の経験はない。 そこで,会社勤めをしていたときに取引のあった甲銀行のFPであるM氏に相談すること にした。 〈問1〉 マーケット(金融市場)に関する次の記述の下線1)から 3)のうち,誤っているものは どれか。 景気が拡大基調になると,一般に金利は1) 上昇する。このため,債券価格は 2) 上昇する。 また,企業収益の拡大を通じて,株価に対しては3) 上昇要因といえる。 〈問2〉 次のA債とB債の利回り計算に関する記述の空欄①から③に適する語句等の組合せとして, 正しいものはどれか。なお,利回り計算は小数点第3 位を四捨五入するものとする。 (A債) (B債) ・クーポンレート:2.0% ・クーポンレート:3.0% ・購入価格 :98.0 円 ・購入価格 :102.0 円 ・償還期間:4 年 ・償還期間:2 年 A債の最終利回り(税引前)は( ① )%,B債の最終利回り(税引前)は( ② )% である。また,直接利回りは( ③ )債のほうが高い。 1) ①2.55 ②1.96 ③ B 2) ①2.45 ②1.86 ③ B 3) ①2.55 ②1.86 ③ A3.退職所得・給与所得
〈問1〉 勤続25 年の人が退職金として 2,000 万円受け取った場合,退職所得の金額はいくらになる でしょうか。 1) 850 万円 2) 1,000 万円 3) 425 万円 【退職所得控除額】 勤続年数 退職所得控除額 20 年以下 40 万円×勤続年数(最低 80 万円) 20 年超 800 万円+70 万円×(勤続年数-20 年)4.居住用不動産の譲渡の特例
〈設例〉 A氏は,現在居住中のA氏名義の自宅(居住用家屋およびその敷地)を平成30 年 11 月に 売却する予定である。自宅の取得費(家屋の減価償却費相当額控除後)は 5,000 万円であ り,売却の際に不動産会社へ支払う仲介手数料等は 250 万円と見込まれる。取得時期は家 屋およびその敷地とも昭和56 年である。この譲渡については,居住用財産の特別控除を受 けられるものとする。 〈問1〉 仮にA氏の自宅が 9,000 万円で売却できた場合の課税長期譲渡所得金額として正しいもの は,次のうちどれか。 1) 650 万円 2) 750 万円 3)3,650 万円2)2,000 万円×20%=400 万円 3)2,000 万円×39%=520 万円 〈問 3〉 仮にA氏の自宅売却額が取得費を下回った場合には,一定の要件のもとで「居住用財産の 買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」を利用することができるが,この制 度に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。 1) 譲渡の年の翌年 12 月 31 日までに一定の居住用財産を取得し,その取得の日からその 翌年 12 月 31 日までの間に居住する(または見込みである)ことが,適用要件の一つで ある。 2)この損益通算及び繰越控除は,住宅借入金等特別控除と併用して,適用を受けることが 可能である。 3)この譲渡損失は,譲渡の年の翌年以降 5 年間,各年分の総所得金額等から控除すること ができる。
5.不動産の見方
〈設例1〉 A氏は,B市内のC駅から徒歩 5 分のところに下図のような駐車場を有している。その土 地に相続対策と安定収入の確保を目的として,平成 30 年にアパートを建築することにした。 アパートの建設費は 1 億円である。 第一種低層住居専用地域 建ぺい率 60% 指定容積率 200% ※容積率算定に関し,特定行政庁 が指定する区域ではない 〈問 1〉 最大限床面積をとってアパートを建築する場合,延べ面積を求める正しい計算式は,次の うちどれか(特定行政庁による緩和措置はないものとする)。 1)480 ㎡(300 ㎡×160%=480 ㎡) 2)600 ㎡(300 ㎡×200%=600 ㎡) 3)720 ㎡(300 ㎡×240%=720 ㎡) 〈問 2〉 アパートを平成 30 年 7 月から賃貸した場合,アパートの耐用年数を 27 年,償却方法は定 額法(償却率 0.038)としたときの平成 30 年分の償却額のうち,正しいものは次のうちど れか。 1)1 億円×0.038=380 万円 2)1 億円×0.038×6 /12=190 万円 3)1 億円×0.9×0.038×6 /12=171 万円 〈問 3〉6.相続税の計算
〈設例1〉 平成 30 年 5 月 14 日に死亡した被相続人A氏の親族関係図および相続財産は次のとおり であった。 各相続財産等の相続税評価額は次のとおりである。 ・上場株式 5,000 万円 ・割引金融債 5,000 万円 ・土地 2,000 万円(小規模宅地等の評価減の特例適用後) ・建物 1,000 万円 ・現金預金その他 1 億円 ・葬儀費用・債務 1,000 万円 なお,配偶者Bを受取人とする生命保険金5,000 万円が支給されている。 この生命保険の保険料負担者はA氏である。 〈問1〉 相続税の課税遺産総額の計算として,正しいものは次のうちどれか。 1) 5,000 万円+5,000 万円+2,000 万円+1,000 万円+1 億円+(5,000 万円-500 万円×5 人) -1,000 万円-(3,000 万円+600 万円×5 人) =1 億 8,500 万円 2) 5,000 万円+5,000 万円+2,000 万円+1,000 万円+1 億円+(5,000 万円-500 万円×4 人) -1,000 万円-(3,000 万円十 600 万円×5 人) =1 億 9,000 万円 3) 5,000 万円+5,000 万円+2,000 万円+1,000 万円+1 億円+(5,000 万円-500 万円×4 人) -1,000 万円-(3,000 万円+600 万円×4 人) =1 億 9,600 万円 〈問2〉 相続税の申告に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。 1) 相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下である場合は,原則として申告は不要となる。
2) 相続税の申告書の提出義務のある者は,相続の開始があったことを知った日の翌日から 6 カ月以内に申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
3)小規模宅地等の評価減の特例の適用を受けるときは,この適用を受けた結果として、た とえ納付すべき税額がなくとも申告が必要である。
6.相続税の計算
〈設例2〉 A氏は平成 30 年 5 月に死亡した。A氏の相続関係図・相続財産は,次のとおりである。 (相続財産,相続税評価額等) 宅 地 150,000 千円(小規模宅地等の評価減の特例適用後) 建 物 20,000 千円(相続税評価額) 生命保険金 50,000 千円(配偶者Bの受取金額。生命保険の契約者(保険料負担者と 被保険者はいずれも被相続人Aである) その他の財産 25,000 千円(相続税評価額) 計 245,000 千円 〈問 1〉 設例の場合の民法の規定による相続人の数と,相続税の計算上の相続人の数の組合せと して,次のうち正しいものはどれか。 1)民法の規定による相続人 4 人(B・C・H・I) 相続税計算上の相続人 5 人 (B・C・H・I・J) 2)民法の規定による相続人 5 人(B・C・H・I・L) 相続税計算上の相続人 5 人 (B・C・H・I・L) 3)民法の規定による相続人 4 人(B・C・H・I) 相続税計算上の相続人 4 人 (B・C・H・I) 被相続人A 配偶者B 配偶者D 長男C 配偶者G 次男F 長女J 配偶者K 孫E 孫H 孫I 孫L (平成30 年 7 月 相続放棄) (平成 30 年 5 月死亡) (平成10 年 12 月死亡)〈問 2〉 相続税における「配偶者の税額軽減」に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。 1) 被相続人との婚姻期間が 20 年以上である被相続人の配偶者でなければ,この規定の適 用を受けることはできない。 2) 配偶者の遺産取得額が,「相続税の課税価格の合計額に対する配偶者の法定相続分相 当額」までであれば,配偶者に相続税は課税されず,たとえそれを超えたとしても 170,000 千円までの財産の取得であれば,相続税は課税されない。 3) この規定の適用を受けるためには,相続税がかからない場合でも,一定の書類を添付 した相続税の申告書の提出が必要である。