1 解散直前喪失者等の交付 厚生年金基金(以下「解散基金」という。)から DB へ以下の前提で残余財産の交付を行う予定です。 ・解散基金の解散後速やかに DB を新設(解散日の翌日又は翌々日等) ・DB 発足日に仮交付にかかる交付申出を実施し、その後速やかに仮交付を実施 ・交付対象は、解散基金の加入員(経過措置政令第 41 条第 1 項第 2 号に基づき1/2以上の同意 を取得)および受給権者(経過措置政令第 41 条第 3 項に基づき同意を取得した者)とする。 ここで、同意取得について、DB 発足日の一定期間前(例:6ヵ月前)を基準日として、同時点の解散基 金の加入員および受給権者を対象に行った場合、上記基準日以降基金解散日までの間に新たに受 給権者となった者の同意取得の取扱いについて照会します。(加入員の同意は、基金解散日時点の 加入員を対象としても、1/2以上の同意を取得できている前提) 照会1:加入員の同意書に、基金解散日までの間に受給権者となった場合でも受給権者として DB に 交付することについて同意する旨を予め記載のうえ同意取得しておくことで、受給権者として の同意を改めて取得しない取扱いは問題ないでしょうか。 また、上記基準日以降基金解散日までの間には、新たに受給権者となる者の他、新規加入や退職・ 死亡等の異動が発生するが、交付申出の取扱いについて照会します。 照会2:仮交付実施前に行う交付申出は基準日時点の対象者で実施し、基準日以降基金解散日まで の間の異動の反映については、仮交付実施までに、もしくは仮交付実施後速やかに交付申出 書を差替える取扱いで問題ないでしょうか。 照会1、照会2ともに貴見のとおりの取扱い で差し支えない。 【補足】 残余財産の交付にあたり、事業主の同意、事業所毎に加入員の1/2以上の同意、および交付対象の受給権者の同意を取得したうえで、解散基金 から事業主等宛の交付申出が必要となります。なお、同意取得や交付申出の対象者を決める時点は、規約の定めに基づき解散認可日や(仮)交付 申出日等になります。 ただし実務上は、上記時点の一定期間前を実務上の基準日として同意の取得や交付申出書の作成を行い、別途、上記時点までの人員の異動を反 映させる取扱いとなります。 今回の回答により、加入員から受給権者に振り替わった者の同意については、予め加入員としての同意書に「基金解散日(上記基準日)までの間に 受給権者となった場合でも受給権者として DB に交付することについて同意する」等の内容を記載のうえ同意を取得することにより、改めて受給権者と しての同意取得を不要とする取扱いも可能となりました。
2 厚生年金基金から残余財産の交付を受けたDBの加入員期間の期間算入 解散した厚生年金基金の残余財産の交付を受けてDBを新設する際に、以下のように、解散日 からDBの設立までの期間が数日空くケースが考えられる。 <例> 平成27年9月28日 厚生年金基金解散認可 平成27年10月1日 DB設立認可 この場合において、経過措置政令第42条の規定に基づくDBの加入者期間に算入する期間とし て、平成27年9月分を含めることは可能か。 ※厚生年金基金の加入員期間は、加入員の資格を取得した日の属する月から加入員の資格 を喪失した日の属する月 法令上、このような取扱いはできない。 の前月 【補足】 解散日を月末の前日以前とすることにより、当月分の最低責任準備金の利息がかからなくなります。その際に、DB設立認可日を翌月1日とした場合、残 余財産の交付に基づいてDBの加入者期間に算入する期間として、解散月の1ヵ月分は含めることができません。 なお、上記の場合、解散月については、厚生年金基金の掛金の徴収を行わず、給付額の算定基礎として標準報酬の累計も行わないことから、DBの加入 者期間に算入しないことと整合性は取れていると言えます。
3 総合型 DB 制度における臨時拠出時の対応 1.厚生年金基金を解散し総合型 DB 制度(複数の事業主が加入する基金型 DB 制度)を発足させる 場合において、当初は資産が少なく、例えば想定外の脱退による大量の一時金取得が発生した 場合に、資産が枯渇する可能性があります。 総合型 DB においては、理事会・代議員会を即座に開催することは困難であり、臨時拠出を行うに あたって、徴収方法の決定に時間を要することや、実際の徴収に時間がかかることなどが想定さ れるため、事前に対応方法を規約に定めることにより、少しでもスムーズに臨時拠出を行うことを 検討しております。 (1)特例掛金の額の算出方法、徴収方法を予め規約に規定することは問題ないでしょうか。 (2)通常であれば、実際の拠出時に、具体的な特例掛金額を規定する規約変更を行いますが、予め (1)のとおり算出方法を規定していることをもって、規約変更を行わないことは問題ないでしょう か。 (3)上記(2)が不可(規約変更は必要)の場合、掛金額ではなく、掛金率を規定することでよろしいで しょうか。また、代議員会の議決は必須ではなく、理事長専決とすることは問題ないでしょうか。 2.上記1の対応を行ったとしても、一時金給付の支払いが通常よりは遅れることが見込まれるため、 予め規約の「支払日及び支払方法」の条に、次のただし書きを規定することは問題ないでしょう か。 一時金給付は、裁定の請求の手続が終了した後 1 月以内に支払う。ただし、第 78 条の積立金 の額が零となることが見込まれる場合に該当した場合にあっては、同条の規定により特例掛 金を徴収した後 1 月以内に支払う。 1. (1)差し支えない (2)具体的な特例掛金額を規定する規約変 更が必要。 (3)差し支えない。理事長専決処分について は、DB令第 12 条第 4 項に基づき、緊急 を要すると認められる場合は可能。 2. DB則第64条は積立金が零にならないよう に事前に措置するための規定であり、給付 の支給を遅らせることは不可。 【補足】 1.資産枯渇に伴う臨時拠出については、給付に影響を与えるため速やかな対応が求められますが、予め規約に算出方法、徴収方法を規定している 場合でも、実際に適用する掛金額や掛金率を規約に規定する必要があります。ただし、緊急を要すると認められる場合は理事長専決処分とするこ とが可能です。 2.資産枯渇が理由であっても、給付の支給を遅らせることを予め規定することはできません。
4 交付額を下回る給付の可否 厚生年金基金を解散し DB 制度を発足しますが、以下の給付設計とします。 ・一時金の支給要件を「加入者期間 3 年以上」(厚生年金基金加算部分と同様)とする。 ・DB法第 52 条から第 54 条に基づく給付制限を設ける。 交付の申出の対象となった解散基金加入員等(以下「交付対象者」という。)の給付設計についても、当 該内容を適用し、以下の取扱いとすることは問題ないでしょうか。 なお、制度全体では交付金を原資とした給付であり、労使の協議等は適切に行い、交付に係る同意取 得において当該内容を十分説明する前提です。 (1)交付対象者が加入者期間(厚生年金基金加入員期間を合算後)3 年未満で喪失した場合には、交 付額に基づく給付についても、給付を行わない。(給付なし) (2)DB法第 52 条から第 54 条に基づく給付制限に該当した場合に、交付額に基づく給付についても、給 付を行わない。(給付なし) (1)及び(2) 平成 26 年 12 月 11 日付事務連絡におい て、「残余財産の交付を受けた場合の給 付額が、交付を受けなかった場合と同額 又は下回るような設計は認められない」と あるのは、例えば、任意の時点で脱退し た者への給付額において、(交付を受けた 場合の給付額)>(交付を受けなかった場 合の給付額)、が成り立つことを求めてい るものではなく、残余財産を原資とした上 乗せ給付が行われることを要求したもの である。 詳細な給付設計については、労使の協議 等に基づき適切な手続きを経て決定して いただきたい。 【補足】 残余財産の交付を受けた者であっても、以下のような場合は給付を行わない給付設計が認められました。 (DB制度全体では交付金を原資とした給付であり、労使の協議等に基づき適切な手続きを経て決定する前提) ・加入者期間(厚生年金基金加入員期間を合算後)3 年未満で喪失した場合。 ・DB法第 52 条から第 54 条に基づく給付制限に該当した場合。
5 交付前喪失者の取扱い 厚生年金基金を解散し総合型 DB 制度(キャッシュバランス制度)を発足させますが、残余財産の 交付対象者のうち交付前の喪失者の取扱いについて以下の通りとすることは問題ないでしょう か。 【前提】 ・平成 26 年 12 月 11 日付事務連絡参考資料のパターン1の方法とする。ただし「⑥残余財産交付 の申出」を DB 発足時に行う。 ・DB 発足時の仮想個人勘定残高は零とし、残余財産の交付時に各人の交付額を仮想個人勘定 残高へ加算する。 ・DB 制度の加入者期間(支給要件判定用)への厚生年金基金加入員期間の通算は DB 発足時 に行う。 ・「加入員であった者」は交付対象者としない。 【交付前の喪失者の取扱い】 (1)交付対象者の給付は「A:DB 発足後の拠出付与額に基づく給付」と「B:交付額に基づく給 付」から成り立つが、交付前の喪失者の給付を次の通りとする。 ・「A」の支給は喪失時に行い、「B」の支給は交付後に行う。 ・ただし、支給の繰下げ規定(※)を定め、交付前の喪失者の選択により「A」の支給を繰下 げ、交付後に「A+B」の支給を行うことを可能とする。 (※)交付対象者について、老齢給付金、脱退一時金(1 号及び 2 号)の支給繰下げを可能 とする規定を設ける。なお、繰下げ中に死亡した場合には、遺族給付金の繰下げは できないことから、死亡時に「A」の支給を行い、交付後に「B」の支給を行う。 (2)喪失時に支給の繰下げを選択せずに、交付前に「A」に基づく年金が支給開始された場合、 交付後に「A+B」に基づく年金額に改定する。 (3)(1)における交付後の「B」の支給および「A+B」の支給、(2)における交付後の「A+B」に 基づく年金額への改定について、DB 発足時の規約に予め規定する。 照会内容の取扱いを行うことに差し支えない。 【補足】 残余財産の交付を受ける前にDBを脱退(資格喪失)した者について、以下の給付設計(キャッシュバランス制度)が認められました。 A:DB 発足後の拠出付与額に基づく給付 : 資格喪失時に支給(支給繰下げを規定することにより、Bと同時に支給する選択肢を設けることは可能) B:交付額に基づく給付 : 交付後に支給
6 残余財産の交付を受けるDB制度での加入待期期間の設定について 厚生年金基金を解散し総合型 DB 制度を発足させ、残余財産の交付を行う予定です。 厚生年金基金では加算適用加入員の範囲として 3 年間の加入待期期間を設けており、これを理 由として、DB 制度についても同様に、3 年間の加入待期期間を設けることは認められるでしょう か。 なお、加入待期期間中の代替給付はこれまでと同様に設けない予定です。 (補足) ・基金解散時の加算適用者については、加算部分だけでなく基本部分の最低積立基準額が存在 するが、基本部分および加算部分にかかる分配金をすべて DB 制度へ交付する。 ・基金解散時の加算適用待期者については、加算部分の最低積立基準額が存在しないため、 DB 制度発足時の加入者とはせず、基本部分にかかる分配金をすべて支給し DB 制度への交付 の対象外とする。 差し支えない。 【補足】 DB制度において加入待期期間を設けるにあたっては、合理的な理由が求められるとともに、原則として加入待期期間中の代替給付を設ける必要があり ます。 ただし、厚生年金基金を解散し総合型 DB 制度を発足させ、残余財産の交付を行う場合は、「厚生年金基金の加算適用加入員の範囲として加入待期期間 を設けていたこと」は合理的な理由として認められ、その場合は加入待期期間中の代替給付は不要です。 すなわち、厚生年金基金の加算部分で 3 年の加入待期期間を設けていた場合は、残余財産の交付を受けたDB制度でも、それを引き継ぎ、代替給付なし で 3 年の加入待期期間を設けることが可能となりました。
7 解散厚生年金基金残余財産交付にあたり、DB 加入資格がない者の取扱いについて 解散厚生年金基金残余財産の交付にあたり、解散厚生年金基金規約においては、経過措置政令第 40 条の定めによらず、改正法附則第 35 条第 1 項により設立事業所単位で交付する旨規定している場合で あって、交付先の DB 制度において加入者の範囲を「勤続 3 年以上の正社員」と規定している場合、勤続 3 年未満の正社員については、以下の取扱いをすることは可能でしょうか。 【勤続 3 年未満の正社員の取扱い】 受給待期者として全員の個別同意を取り付け、残余財産交付を受けた後、DB 加入者の資格を取得した 時点で当該交付額相当額を資格取得時仮想個人勘定残高とし(キャッシュバランスプランを想定)、あわ せて、厚生年金基金加入員期間を加入者期間に通算。 個別同意を得た場合は必ず一定の給付 を行うことを前提とした上で、加入者となっ た場合の取扱いも含めて説明した上での 同意を得ているのであれば、可能。 【補足】 加入待期期間を設けているDB制度へ残余財産を交付する場合において、加入資格未達者について以下の給付設計が認められました。 ・一旦は受給待期者として全員の個別同意を取得したうえでDB制度に残余財産を交付 (個別同意を得た場合は必ず一定の給付を行うことを前提とした上で、加入者となった場合の取扱いも含めて説明した上で同意を取得) ・加入資格取得時に、当該交付額相当額を資格取得時仮想個人勘定残高とし(キャッシュバランスプランを想定)、あわせて、厚生年金基金加入員 期間を加入者期間に通算。 すなわち、残余財産の交付を受けたDB制度の加入待期期間が 3 年である場合、加入者期間 3 年未満の者は、「受給待期者」として個別同意を取得 しておくことで、加入者期間が 3 年に達したときにDB制度に加入させることが可能となりました。
8 解散存続厚生年金基金の残余財産を確定給付企業年金へ交付する場合における確定給付企業年金規約変更の取扱いについて (照会事項①) 解散存続厚生年金基金の残余財産を確定給付企業年金の資産管理運用機関等へ交付する場合にあ っては、確定給付企業年金規約の変更承認(基金型にあっては「認可」。以下同じ。)申請が必要となっ ているが、平成 26 年 12 月 11 日付事務連絡「解散存続厚生年金基金の残余財産を他の制度へ交付又 は移換する際の取扱いについて」別添2に示された残余財産の交付を受ける場合の規約例(以下「規約 例」という。)に基づき、規約変更の承認を受けた後、新たに他の解散存続厚生年金基金の残余財産の 交付を受けることとなり、別表(a)に「解散した厚生年金基金」を追加する必要がある場合は、当該規約 変更は、「承認申請」、「届出」のいずれになりますでしょうか。 (照会事項②) 別表(a)に記載済みの解散存続厚生年金基金から残余財産の交付を受けることについて事業所から申 出があり、規約例に基づき、附則別表第△に事業所名を追加する場合は、当該規約変更は、「承認申 請」、「届出」のいずれになりますでしょうか。 DB則第7条のいずれにも該当しないこと から、承認又は認可が必要 【補足】 DB制度において、以下の場合における規約変更手続きは「届出」ではなく、「認可申請(※)」になります。 (※)規約型DBの場合は「承認申請」 ・残余財産の交付元厚生年金基金の一覧に、新たな厚生年金基金を追加する場合 ・残余財産の交付先DB実施事業所の一覧に、新たなDB実施事業所を追加する場合