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IBM Watsonの医薬品・医療分野における活用事例

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Academic year: 2021

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「医療情報学会・人工知能学会 AIM 合同研究会資料 SIG-AIMED-002-02」

02-01

IBM Watson の医薬品・医療分野における活用事例

Application Examples of IBM Watson in Pharmaceutical Products and Medical Field

橋爪 康知

1

Yasutomo Hashizume

1 1

木村情報技術株式会社

1

Kimura Information Technology Co., Ltd.

Abstract: Kimura Information Technology (KIT) Co., Ltd. develops the business such as Web lecture

administration, the delivery service in the field that crossed medical care and ICT (Information and Communication Technology). The field of medical care has various environment, working people and required information. Therefore, KIT provides the service that utilized IBM Watson in the medical field. IBM Watson is “cognitive computing system” which IBM provides. In this paper, introduce cutting-edge application examples and possibility in our company of IBM Watson in pharmaceutical products and medical field.

1. 背景

木村情報技術株式会社(以下、弊社)では、「医療× ICT」の分野において、Web 講演会運営・配信サー ビスなどのビジネスを展開している。医療分野には、 図 1 に示すように、様々な「環境」「働く人」「必要 な情報」がある。具体的には、製薬企業や薬局など の「環境」、医師や薬剤師、 MR(医療情報担当者: Medical Representative)・MSL(Medical Science Liaison) などの「働く人」、創薬研究や文献・医薬品の情報な どの「必要な情報」である。図 2 に医薬品や医療関 連情報の一部を示す。これらの医薬品・医療関連情 報を活用することで、医療分野における情報提供や 業務の効率化を行うことができると考えた。 図 1: 医療分野における環境・働く人・情報 図 2: 医薬品・医療関連情報 そこで、弊社では、IBM 社のコグニティブ・コン ピューティング・システムである IBM Watson[1]およ び医療分野の情報を活用したサービスを提供してい る。2016 年 4 月には、AI 応用開発センターを開設し、 専任の開発者を配置している[2]。 したがって、本稿では、弊社での医薬品・医療分 野における IBM Watson の活用事例[3][4]を紹介する。

2. 医療分野での活用事例

図 2 で示した情報の多くは、構造の定義がされて おらず、規則性のない“非構造化データ”である。 弊社では、この“非構造化データ”を構造化し、コ ンピュータで扱いやすいデータへと変換し、IBM Watson を活用したサービスを展開している。ここで は、製薬企業コールセンター支援システムや教育支 援システムなど、弊社が提供している IBM Watson を活用した事例を紹介する。

(2)

02-02

2.1. 製薬企業コールセンター支援システム

製薬企業コールセンター支援システムは、図 3(a) のように、医師や薬剤師などのユーザーが音声によ り入力した質問に対して、質問の意味を理解し音声 で回答する。図 3(a)のシステムで提供する情報は主 に薬剤の情報であり、添付文書やインタビューフォ ームなどの情報を構造化して、IBM Watson に学習さ せたものである。 また、図 3(a)のシステムを利用し、図 3(b)に示す、 ユーザーがオペレーターを介して問い合わせを行う システムを開発することを構想している。ユーザー からの音声入力は、言い回しや使用する単語などが 多様である。そこで、オペレーターが復唱する内容 を IBM Watson へ音声で入力し、IBM Watson からの 回答をテキストで表示する。オペレーターは、表示 される IBM Watson の回答を確認しながら、ユーザ ーへ回答することで、コールセンターの業務効率化 が可能である。

(a) ユーザー対 IBM Watson

(b) ユーザー対オペレーター対 IBM Watson 図 3: 製薬企業コールセンター支援システム

2.2. 医療情報提供サービス

現在、日本国内で流通している医薬品の数は約 21,500 品目と非常に多い。また、効能・効果が同じ ような医薬品も複数あり、医師や薬剤師等が適切な 図 4: 医療情報提供サービス 医薬品を短時間で探索することは、非常に困難であ る。そこで、医薬品の効能・効果や用法・用量等が 記載されている添付文書の情報を IBM Watson に学 習させることで、図 4 に示す医療情報提供サービス を構築した。このシステムにより、より迅速に、適 切な医薬品の選択が可能となる。

2.3. 教育支援システム

弊社では、医師や薬剤師、看護師などの医療従事 者の、日々の学習ツールとして、図 5 に示す教育支 援システムも開発している。 2.1 項、2.2 項は、ユーザーからの質問に対して、 IBM Watson が情報を提供するシステムである。対し て 、 本 項 で 紹 介 す る 教 育 支 援 シ ス テ ム は 、 IBM Watson がユーザーに対して質問をする、e-Learning システムである。従来の e-Learning システムは、質 問に対して表示される選択肢からユーザーが回答す るものが主流である。そこに、IBM Watson を活用す ることにより、医師、薬剤師などのユーザーは、テ キストによる回答を行うことが可能となる。テキス トによる回答が可能なため、ユーザーはより具体的 な知識が必要となり、ユーザー自身の資質向上が可 能となり、業務の効率化につながる。 図 5: 教育支援システム

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02-03

3. 人工知能とビジネスモデル構築

IBM Watson に限らず、人工知能を利用したシステ ム開発には、人間による様々な作業が必要となる。 システムを作成する上で必要な情報データの入手、 アルゴリズムの構築、情報データの入力、人工知能 に入力するためのデータ作成、人工知能の教育、チ ューニングなどである。 これらの作業を通して、とても重要なことは、「最 終的には人間による作業・確認が不可欠」という点 である。人工知能に入力するためのデータ作成には、 作成するデータの内容に精通した人物が必要不可欠 となる。医療分野の情報を作成する場合は、医療に 精通した人物がデータを作成することで、より高い 精度のシステムを作成することが可能となる。 2.1 項や 2.3 項で述べたシステムは、元 MR の医療 に精通した人物がデータを作成し、IBM Watson に学 習させることにより、高精度な回答がなされるシス テムを実現している。よって、医療に精通した人物 とシステム開発者の意思の疎通が重要であり、人間 によるデータ作成が肝となると言える。

4. まとめ

本稿では、弊社での医薬品・医療分野における IBM Watson の活用事例を紹介した。弊社では、「製薬企 業コールセンターシステム」や「医療情報提供サー ビス」、「教育支援システム」などにより、「医療×IBM Watson」の分野でサービスを展開している。2.1~2.3 項で紹介したようなシステムの実現には、医療に精 通した人物によるデータ作成とシステム開発者の意 思疎通が最重要である。また、このデータ作成は、 新たな雇用を生み得る分野であると考えられる。 今後は、データ作成のノウハウ化や人材育成によ り、人工知能の教育・チューニングの請負拠点を作 る。また、IBM 社との協業により、製薬企業での専 門的な活用事例を多く持つことにより、医療分野で の人工知能活用提案企業としての第一人者を目指す。

参考文献

[1] IBM: IBM Watson(ワトソン) - Japan,

https://www.ibm.com/smarterplanet/jp/ja/ibmwatson/ [2] 木村情報技術株式会社: 佐賀市に AI 応用開発センタ ーを設立しました, https://www.k-idea.jp/news/160401_000721.html [3] 木村情報技術株式会社: IBM Watson 日本語版を活用 した医療分野における情報システムの構築, https://www.k-idea.jp/product/ibm_watson/ [4] 神崎洋治: 最新人工知能がよ~くわかる本, pp. 140-141, (2016)

参照

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