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米中経済関係の発展と構造

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Academic year: 2021

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(1)米中経済関係の発展と構造 上野 秀 夫. `. はじめに. I 米中経済関係の進展 II 米中貿易の推移. . . . a• m 米国の対中投資と技術移転政策 W 米中経済関係の課題. はじめに. . .. , I . 米中関係は1972年 2月のニクソン米大統領訪中で急接近し, これにより米 ヽ. 中間の経済・貿易関係が再開された。経済・貿易関係は大きく進展し. とく. ‘ .. •. . .. ≪. に79年1月に国交正常化されてからは, 米中両国の貿易と技術協力は新しい 発展段階に入った。 もっとも, すべてが順調に推移 したという のではない。. .. 米国が実施している対中輪出製品および対中技術移 転の制限に対する中国側. , . . ,. の不満, 中国市場の開放をめぐる米国側 の不満など. 両国間の不 一致点も多 •'; つかの不一 致 いい また 一方, 外交面では対台湾政策, 対ソ認識などでいく. 点が浮き彫りされていた。しかし前者については米国も徐々に柔軟な政策に 転換しつつあり, また後者については84年1月の趙紫陽首相, 同年4月のレ ーガン米大統領による両国首脳の相互訪問が実現し, 不 一 致点の不拡大化を ..未定着の友好関係. ”. あるいは. 彎. . . '. 確認することで 両国関係の強化がはかられた。 両国関係は全体的にみて , 限定的友好関係. ”. にとど まりつつも. 一応. 安定軌道にのったといえよう 。 米中経済・通商 関係の進展はめざ まししい。とくに米中貿易は国交樹立し. ^ `. -1 (319)-.

(2) た1979年に中国側統計で24億5,16 0万ドルと前年比一挙に 2 倍半になり, こ の年から米国は日本, 香港に次いで中国の第3 の貿易相手国になった。 翌80 年さらに倍増 し, その後若干の減少傾向 がみえたものの86年の貿易総額は73 億3,621万ドルに達 した。 こう した貿易面での広 がりから 合弁事業など直接 投資の進展, 高度先端技術協力, エネルギ ー 協力など「実利」を重んじる両 国関係は年を追って緊密になった。 産業技術協カ・ニ重課税の回避と脱税防 止• 原子力平和利用協カ・科学技術情報協力の各協定, また応用科学・高エ ネルギ ー ・工場改造・航空産業・冶金工業・通信電子産業各分野での協力実 行覚書. さらには航空• 繊維・穀物など特定分野での取引協定など両国首脳 の相互訪問を通じて, 主な二国間経済協力協定の締結はほぽ終了した。 このよう に米中間の各種経済協力は大きく発展しており, とくに注目され るのは1980年代以後,. 従来の通常貿易 から 多様化方式 (合弁• 合作経営企. 業, 外資企業, 補償貿易委託加工貿易など)(1) • 技貿結合,. リ. ー. •. 複合的貿易 方式(エ貿結合. ス取り引きなど)へ重点を移していること, また上述の各. 種協力協定の締結にともなって単一的な通商活動から多機能の通商活動(技 術導入, 外資導入, 情報収集, 金融協力, 海外企業設立など)に重点を移し ていることに変化がみられる (2) 。「外国企業の投資奨励に関する規定」(1986 年10月)およびその他の渉外経済法, 実施細則 が公布され関連法規も整備さ れるにともなって, 米国の商・エ• 金融各業界は 対中投資に活発に乗り出 し, 双方の経済・貿易・技術協力はいちだんと積極化したのである。本稿で は, こうした状況下にある米中間の各種経済交流の動向 とその問題点をいく つかの側面から検討する。 (1) 孫侃正「放寛限制是進一歩拡大中美経済技術合作的関鍵」「中国対外貿易J (中 国対外貿易雑誌社) 1987年9期, 5頁。. (2) 「中美両国経済関係的新編章」『国際商報」(中国対外経済貿易部) 1987年2月28日 (第23期)。「在中美貿易, 投資法律討論会上 張勁夫談中美貿易, 投資法律問題」 「国際貿易」(中国対外経済貿易部国際貿易研究所) 1987年10期, 4期。 -2. (32 0)-.

(3) I. 米中経済関係の進展. 米中両国は1 97 9年 1 月, 30年の空白のあと国交 を正式 に樹立した。 正常化 の決定要因は, 中国側 では, 対ソ牽制策および経済近代化のための米国産業 技術• 金融力ヘの期待, 米国側 では, 日本・両欧諸国の対中接近をにらむ中 国市場への参入期待にあった。 それ以後, 両国首脳陣の相互訪問が活発化し, 同年 5月に懸案の資産凍結問題が解決されるとともに, 同年7 月には米中貿 易協定も締結された(資産凍結問題は, 1 950年 12月トル ー マン政権が米国国 内の銀行預金, 有価証券など7 ,650万ドルを凍結したのが発端で, 中国も米 国の企業や個人の資産 1億 9,6 9 0万ド)レ相当を没収した。 これが未解決のた め両国間の直接銀行取り引き, 船舶, 飛行機の直行便運航, 展覧会の相互開 催が不可能であった。 資産凍結解除協定では, 凍結資産の差額を中国が1980 年から 5年分割で支払う ことで解決した)。 さらに80年 1 月には 対中特恵待 遇が供与され,. 9 月には航空, 海運, 繊維, 領事の 4 協定, 10月には穀物協. 定が正式 に調印された。 国交 を樹立した米中両国は, これで関係正常化作業 を完成したことになり, 経済交流面で新たな発展期を迎えることになった。 米国の急激な対中接近が, ソ連のアフガニ スタン侵攻, 韓国など極東情勢 の不安定性を踏 まえたものであることは否定できなかった。 とくにソ連の勢 力拡大を警戒する米国が, 対ソ抑止力としての中国の存在を重視しはじめて きた背景がある。 対中国交樹立後, 米国はソ連への配慮から軍事関連品目の 輸出を避ける方針をとってきたが,. トラック, ヘ リ コプタ ー , レ ー ダ ー , 通. 信施設などの軍事関連製品とコンビュ ー タ ー , レ ー ザ ー 光線利用装置など軍 民両用の高度先端技術商 品を提供しはじめたのである。 一方経済協力につい ては, 中国の石油資源への関心を深めており, 1 97 9年 春よりいく つかの有力 企業がトンキン湾, 南海珠江沖などの石油探査協力契約に調印した。石炭で は炭鉱開発, 採炭機械製造での米国企業の参加, 水力発電では揚子江におけ -3. C 32 1)-.

(4) る発電ダム建設, 黄河の水力発電の立地調査・設計などへの参加, このほか 太陽熱, 地熱, 海洋エネルギ ー 開発などの共同プロジェクト推進が具体化し た。 このように米国は, 従来の対中方針を大幅に変更する姿蟄をみせたわけ で, ソ連に優先して中国に最恵国待遇を与えたことと相まって, 米中関係は 貿易面でもいっそう拡大する方向に進んだ (3) 0 1980年代に入ってからの両国間の経済関係はいちだんと深まっているが, 最近5年間の米中経済・産業交流の動向年表をつぎに作成した (4) 0 1983年 1 月 人民日報論文「米国はその横暴な態度を捨てるぺきだ」――米中繊維交渉が決 1月 1月. 裂。. 中国, 米国から ランドサット地上局の購入を決定。 中国, 米国から の綿花• 化織・大豆の輸入禁止措置を発表。. 2月. シュルツ 米国務長官と張愛滓国防部長, 軍事問題協議のグルー プ設置で合意。. 5月 5月. 米AMC, 中国とジ ー プ生産の合弁で調印。 米ベクト ル社, 中国とジュンガル石炭開発で企業化調査に調印。. 5月. 米中科学技術協力合同委員会第3回会議(北京)。 米中両国, 航空, 交通, 原 子物理, 生物医学で協力協定に調印。 米中商業・貿易合同委員会第 1回会議(北京)。 米国, 対中高度技術移転を緩. 3月 4月. 5月. 6月. 7月 7月 7月. 中国外交部, 米国の台湾向け武器売却の急増計画に抗議。 中国, 米国が女子テニス選手胡姉の亡命認可で抗議。 米中間の文化・スポ ー ツ 交流を停止。. 和へ。 米政府, 高度技術輸出で中国を準同盟国扱いにすることを決定。 米中, 原子力交渉で一 部合意(ワシントン)。 章文晋駐米大使, 米国の台湾向け兵器売却計画に強く抗議。 趙紫陽首相, 対米ソ関係の3 原則を公表, 覇権反対, 平和共存5 原則, 対話の 継続。. 7月 8月. 米中貿易協定の3 年延長で合意判明。 米オクシデンタル石油, 南海珠江口盆地の2鉱区を落札。. (3) 拙稿「中国と世界経済」「転形期の中国経済」(河地重蔵編) 世界思想社, 1981 年, 183- 184頁参照。 (4) 「中国通信J「資料日中経済」『人民日報J「経済日報」「国際商報」"China Busi­ ness Review"など中・日 ・ 米発行誌・紙資料による。. -4. C 322)-.

(5) 8月. 米バイオテック社, 中国と制癌剤の共同開発で合意と発表。. 8月. 米国際貿易委, 中国製プリント布地をダンビングと判定。. 9月. 中国, 米農産物の輸入規制をすでに解除(人民日報)。. 8月. 8月. 9月. 米中, 第2次繊維品貿易協定に細印。. エッソとシェ)レ, 南海珠江口盆地の2鉱区を落札。. 訪中のワインバ ー ガ ー 米国防長官, 張愛滓国防部長に―高度技術輸出のガイドラ インを提示。. 10月. 訪米の呉学謙外交部長, レ ー ガン大統領ら米政府首脳と会議。. 11月. 訪中のディ ー バ ー 米大統領補佐官, 呉学謙外交部長と会談。. 10月. 中国, 米軍のグレナダ侵攻を強く非難。. 11月. 中国, 繊維摩擦で米穀物の輸入再開拒否。. 11月. 米商務省. 電算機など7品目の対中輸出の解禁を発表。. 11月. 11月. 11月. 11月. 12月. 12月. 1984年 1月. 中国, 米上院外交委の「台湾の前途に関する決議」に抗議。. 人民日報論文, 米上下両院の 中華民国 ". を非熊。. ”. ‘. のアジア開発銀行残留を求める決議. 米国, 中国は唯 一の正統政府と強開。. 米フィリップスとベクテン社, 中国と珠江河口の油田開発で調印。. 米バイオジェン社, 中国とインタ. ー. フェロンで合弁覚書に調印と発表。. 米GE社. 中国と江西省彰沢県に原発建設で調印。. 趙紫阻首相訪米, 米中産業・技術協力協定と科学技術協力協定更新に調印。. 3月. 米中合同経済委員会第 4回会議(北京),. 4月. レ ー ガン大統領訪中, 米中原子力平和利用協定に仮謁印, 米中租税協定, 文化. 5月. 6月. 6月 7月. 7月. 8月. 9月. 米中租税協定に仮調印。. 中国側がココム規制の撤廃を要求,. 交流議定書, 産業科学技術管理協力議定書, 科学技術情報協力議定書および原 子力平和利用協力協定の5項目に謁印。. 米中通商合同委員会第2回会議(ワシソトン)。. 張愛滓国防部長訪米, ワインバ ー ガ ー 米国防長官と米中軍事協力で基本合意— 一対空ミサイル「ホ ー ク」,. 対戦車ミサイル「TOW」などの対中売却と野戦. 砲の改良など。. 中国外交部スポ ー クスマン, 大型軍用輸送機「Cl30」の台誘売却決定と米中原 子力協定の承認問題で米国を非難。 米中航空・宇宙産業分野での技術協力事業計画に調印。 米中統計協力議定書に調印。. レ ー マン米海軍長官, 米中海軍の軍事技術交流で合意。 第1回米中翌人会議(ニュ 討諾。. ー. ヨ. -5. ー. ク)一―—軍縮, 米中関係, 技術・経済協力を. C 323)-.

(6) 1 1月. 趙紫陽首相, 米国に台湾関係法の廃棄に代わり. 1つの中国と武器供給削減の 順守を提案。. 1985年 1 月 米政府筋, 駆逐艦装備数億ドルの対中売却と米艦の上海寄港で合意(84年) と 発表。 1月. ベッシ ー 米統合参謀議長が訪中. 楊得志総参謀長と会談。. 2月 4月. レー マン米海軍長官, 中国と米艦の寄港で原則的に合意と言明。 米中科学技術協力合同委員会第4回会議(ワシントン)—-石油化学エネルギ. 5月. ー協力議定書, 測量作図科学技術協力議定書に調印。 米中通商貿易合同委員会第3回会議(北京) ー一投資保護協定締結で合意, 企 業改造分野における技術協力に関する作業計画に調印。. 5月. 中国民航. 予約業務処理用の大型電算機賠入で米社と契約。. 6月. 山西省平朔鉱区安太堡露天掘り炭鉱の米中共同開発契約の調印。. 7月. 米中両国が原子力平和利用協定. 文化協定2カ年実施計画, 教育協力交流議定. 9月. 書漁業協定に調印。 米国防総省, 中国に弾薬製造設備技術など9,800万ドル相当を売却すると議会 に通告。. 12月 月 12. 米中原子力平和利用協定が発効。 ボルドリッジ商務長官, 高度技術を含む米製品の対中輸出許可審査基準の大幅 緩和方針発表。 これにより米国の対中輸出規制品目102から27C電算機, エレ クトロニクス機器. 半導体など) がはずされる。. 198 6年 1月. 覆門で米中原子力発電技術シンポジウム開催。. 1月. 米中両国海軍, 史上初の合同洋上演習。. 2月. 中国海洋石油総公司と米アモコ. 3月. 底石油共同探査• 開発契約に調印。 米ユナイテッド航空CUA)がパンアメリカン航空 から引き継いだ北京ー上海 ー. ・. オリエント. ・. ペトロリアム社が珠江河口の海. 東京路線を開設。. 4月. 米中両国, 害虫駆除•土壌保護など16項目の農業協力計画で協定に調印。. 4月. 胡耀邦総書記, 米人学者との会議で台湾の蒋政権を「合法政権」と認める。. 4月. 米テレサット 社, 中国に2通信衛星の打ち上げの委託で覚書に調印。. 5月. 米上院外交委員会,. 中国に対する航空機電子機器の売却を可決,. 総額5,500万. ドル。 5月. 米中合同経済委員会第6回会議(北京). 二重課税防止協定の早期発効などで. 5月. 米中通商貿易合同委員会(ワシントン),. 合意。. -6. 通信協力議定書,. C 324)-. 機械工業の技術協.

(7) 力作業計画, 有毒廃棄物処理と発電所ボイラ ー 改造の企業化調査に対する資金 援助で調印。. 7 月 中国で米国の資源探査衛星ランドサットの地上局が完成。. 7月 9月 10月 10月 10月. 中国,. ニ. ュー ヨ. ー. ク タイムズ紙のバ ー ンズ北京特派員を国外退去処分。. 韓叙駐米大使, 対中輸入制限法に不満を表明。 中国長城工業公司, 米ウェスタン ニ. ュ ー ジャ. ー. ジ. ー. ・. ユ ニ オン社と通信衛星打ち上げで調印。. 州に中国初の100劣出資の紙製品工場(日産110トン)。. 訪中のワインバーガ ー 米国防長官, 米海軍の3艦船が11月に青島寄港と発表。. 11月 米太平洋艦隊のミサイル巡洋艦など3隻が友好親善で青島入港, 米艦の中国寄 港は新中国成立以来初めて。. 11月 福建投資企業公司, シンガポ ー ルで 5,000万ドルのアジア 行, 米ファ. ー. ・. ドル建て債券を発. スト ・ シカゴ銀行, 野村証券, 東銀, 興銀など21 社と調印。. 11月 米中国際金融市場シンボジウム(北京), 中国人民銀行と ニ ュ ー ヨ ー ク証券取 引所, 金融専門家の育成で合意。. 11月 中国長城工業公司, 米パンナム ・ パシフィック ・ サテライト社から直接衛星放 送用衛星 1 個とその予備衛星 1 個の打ち上げを受注。. 11月 米国防総省, 中国の主力戦闘機 FB に搭載する 電子機器 5 億5,000万ド)レの売 却について調印と発表。. 12月 米中共同の人工衛星地上観測局が北京にオ ー プン。. 1987年. 1 月 米国防総省, レ ー ダ ー など6,200万ドルの対中売却で合意と議会に報告。. 3月 シュルツ米国務長官が訪中, 上海コミュ ニ ケの厳守による米中交流拡大で中国 首脳と一致。. 4 月 米中通商貿易合同委員会第 5 回会議(北京), 電子, 通信, 航空分野での 3 作 業計画と 2 資金供与協定に調印。. 4 月 米中投資商談会(ジカゴ), 20 件の投資協力趣意書に調印。 7 月 米中経済協カセミナ ー (武漢)。. 8 月 米中共同生産の大型ジェット旅客機,MD--82 1 番機, 上海飛行機製造工場で 中国民航管理局に引き渡し。 8月 米中貿易•投資・経済法会議(北京)。. 9 月 米オクシデンタル社と合作の中国最大の平朔安太堡露天掘り炭鉱が操業開始。 10月 中国銀行, ニ ュ ー ヨ ー ク金融市場で 2 億ドルの協調融資調達で米インダストリ アル ・ ジュレ ー ダー銀行など28行と調印。 10月 米政府, シルクワ ー ム ・ ミサイルのイラン向け輸出を中止しない中国に抗議, ハイテク部品の対中輸出計画を当面棚上げする報復策を決定。. 10月 中国外務省, 米国高度技術輸出緩和の中止に遺憾の意表明。 -7. (325)-.

(8) オ リ エ ン ト 石油会社, 中 国海洋石油総公司 と 渤海湾で の石油探査再. 11 月. 米アモ コ. 11 月. 米中合同経済委員会第 7 回会議 ( ワ シ ン ト ン)。. 11 月. ・. 開 に 関す る 契約成立。 米大手銀行持ち株会社セ キ ュ リ テ ィ. ・. パ シ フ ィ ッ ク の子会社バ ン ク ・ オ プ ・ カ. ン ト ン, 辰門に支店開設, 中 国本土で の米銀子会社の支店新設は新中国成立以 来初めて。 ヤ イ タ ー 米通商代表, 中 国の対米繊維製品輸 出 に つ き 合意 と 発表。. 12 月. 11. 米 中 貿 易 の推 移. 米 国 が 中 国 へ の 貿易禁止措個 を解除 し た の は 1971年で あ っ た 。 そ し て 72年 2 月 の ニ ク ソ ン 米大統領 の 訪 中 に よ っ て再開 さ れ た 米 中 貿易 は , 予期 さ れ た よ り も は る か に急 速 に すす ん だ。 そ の 決定的 な要素は, 両 国 関 係 の 改善 と い う 状況変化 は も と よ り と し て, 中 国 に お け る 殷産物の 凶 作が 時間 的 に 一 致 し た と い う 点が あ る 。 す な わ ち 米国 の 大羅 の 農産物輸 出 が 貿易拡大 に 拍 車 を か けたのである. (5). 。 75-77年 に か け て は , 中 国 が 穀物輸入を手控 え た た め米 中. 貿易ば減少 し た も の の, 78年 に 入 っ て か ら 小麦な ど腹産物を再び大鼠 に 買 い つ け た。. そ の 結果,. 同 年 の 貿易額は 9 億9 , 177万 ド ル と な り , 国交樹立 し た. 79年 に は24億5, 160万 ド ル と 一 挙 に 2 倍半,. さ ら に 翌年 も 倍増 し た ( い ず れ. も 中 国対外経済貿易部統計) 。 70年代を通 し て の 米 国 の 対 中 輸 出 の 特徴 は , 農産物 4 品 目 す な わ ち 綿花, と う も ろ こ し , 小麦, 大豆が主要商品で対中輸 出 全体 の 約半分を 占 め た 。 し か し 70年代後半 に は , エ レ ク ト ロ ニ ク ス 関 係を 中 心 と す る 高度先端技術 商 品 や 工業製品, 化学品, 石 油 開 発 用 各種機材 も 急 速に伸びは じ め た。 1982-83年 に 米 国 の対 中 輸 出 が大幅 に縮小 し た 。 こ れ は 中 国 の調整政策の 影 唇 と と も に , 米 国 の 台 湾 へ の 武器輸 出 を 根底 に し た 不協 和 音 の 高 ま り , 米 (5) Alexander Eckstein, China's Economic Revolution, Cambridge u. p., 1977 , p. 267 . (石川 滋監訳 『 中 国 の経済革命」 東京大学出版会, 1980年, 331頁)。 -8. C 326 ) -.

(9) 中繊維交渉の難航 で 中 国 が 83 年 1 月 か ら 米国 産 の 小麦, 綿花, 大豆, 化学繊 維 の 輸入 を 中 止 す る な ど 一 時両国 の 経済関係が 冷却化 し た た め で あ っ た 。 し. か し 米国が, コ コ ム (COCOMーCoordinating Committee for Export Co n­. trol, 対共産囮 輸 出 統制委員会) の 承認 を 経て コ ン ビ ュ ー タ ー , 通信機器,. 半導体 な ど エ レ ク ト ロ ニ ク ス 関連 の 高度技術製品 の 対 中 輸 出 に あ た っ て 「共. 単位 : 10,000元. 米 中 貿 易 の 推 移 年. 1983 1984 1985 1986 1986(1-6) 1987(1-6). I. 出所). 総額(構成比). 886 ,008(10 . 3) 1 ,454 , 882(12 . 2) 2 , 189 , 905(10 . 6) 2 , 537,854( 9 . 8) 1 , 163 , 547(10 . 8) 1 ,215, 902( 9 .2). r 中国海関統計」. l. 中国の輸出 (構成比) 1 中国の輸入(構成比) 1. 546 ,277(13.0) 917,346(14 . 8) 1 , 497, 797(11 . 9) 1 , 622 , 753(10 . 8) 792 , 179(12 . 3) 678, 859( 9 . 7). 339 , 731(7 . 8) 537, 536(9 . 3) 692 , 107(8 . 6) 915, 102(8 . 5) 371 , 368(8 . 6) 537, 043(8 . 6). 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986. l 総 I. -206, 546 -379 , 810 -805 , 690 -707, 651 -420, 811 -141 , 816. 各期版に よ る 。. 単位 : 万 ド ル. 米 中 貿 易 の 推 移. 年. バ ラ ンス. 額 I. 1 , 288 26, 038 47, 571 47, 071 31 , 668 29 , 425 99, 177 245 , 160 481 , 284 588 , 832 533, 764 402 , 737 596, 309 702 ,496 733, 621. 中. 国. の. 輸. 出. 957 3 , 972 10, 286 12 , 888 1 5 , 604 17, 963 27, 067 59, 501 98,263 150 , 579 162, 089 170, 570 229 , 971 265,160 262 , 205. i. 中. 国. の. 輸. 331 22 , 066 37, 285 34, 183 16,064 11,462 72, 110 185, 659 383 , 021 438 , 253 371 , 675 232 , 167 366, 338 437 , 336 471 , 416. 注) 1972-80年は中 国対外経済貿易部統計。 1981 年以降 は 中 国海関統計。 出所) 「国際商報」 1987年 2 月 28 日 (第23期)。. -9. ( 327 ) -. 入.

(10) 産 圏」 扱いから 「非同盟友好国」 扱いにし ( P グル ー プ→ V グル ー プー後述 する), 制限を大幅に緩和する措置を講 じたこと, 米中繊維貿易 協定が 一 時 的にも調印されたことなどによって, 両国関係はふたたび好転しは じめた。 台湾への武器供与問題など米中関係の不協和音も貿易 取り引きへの表立った 阻害要因にはならなかった (6) 0 国交樹 立後においても 米中貿易 を規制する 要因の ひと つが コ コ ムであっ た。 コ コ ムは第2 次大戦後の国 際的側 面における米国の政策と相 まって発展 をみたのであり, 共産圏諸国に対する戦略物資の輸 出規制を目的として, 加 盟国間での輸 出 禁止の品目 リ スト(兵器 ・ 原子カ ・ 産業の各 リ スト) , いわ ゆ るコ コ ム. ・. リ ストを協識 ・ 決定 ・ 改訂するためにつくられた非公式 の協議機. 関である。 加盟国は NATO 加盟国の15カ 国とそれに日本の 計16 カ 国であ る。 1952年9月には朝鮮戦争の当事国となった中国に対す る 貿易 規制を行う 同様の下 部機関として, チ ン コ ム (CHINCOM. —China Committee) が設け. られ中国に対して特別の禁輸 リ スト, い わ ゆる チ ン コ ム ャイナ. ・. ・. リ ストあるいは チ. リ ストが作成されたが, 57年 5月, 対中国禁輸 リ ストの廃棄にとも. なって チ ン コ ムは事実上廃止され コ コ ムに統合された。 チ ャ イ ナ ・ リ ストが 存在していた時期においても. 中国は西欧諸国や日本から購入できない物資 の大部分を兵器や核分裂物資をふくめて ソ 連や東欧諸国から輸入することが できた。 したがって, この 時期においても禁輸の効果ははなはだし く 減少し ていたわけである 叫 コ コ ムは, 条約もし く は行政協定といった法的基盤を有する組織ではない から, その法定事項は国 際法上の法的 拘束力を持つ約定ではなく参加国の 自 (6) 河地重蔵• 藤本昭・上野秀夫 「変貌す る中国経済J 世界思想社, 1987年, 194195頁。 (7) 宮下忠雄• 上野秀夫 「中国経済の国際的 展開J ミ ネ ル ヴ ァ 書房, 1975年, 118195頁。 Larry M. Wortzel, "U. S. Technology Transfer Policies and the Modernization of China's Armed Forces", Asian Survey ( Univ. of California Press), Vol. XXII. No. 6, June 1987 . pp. 620 -622. -10 (328)-.

(11) 発的協力, 国際的 な 申 し合わせ, 紳士協定 に と ど ま る 。 し た が っ て加盟国は 対共産圏貿易取 り 引 き に 規制 ・ 禁止等の 大 き な 制約を課す法的根拠 を コ コ ム 合意 自 体 に 求め る こ と は で き ず, 米 国 の 場合 に 輸 出 管理法, 対敵通商法, 相 互防衛援助規制法等 の 国 内 経済法規 に 求めて き た の で あ る (8) 。 コ. コム. ・. リ ス ト そ の も の は , そ の 後 し だ い に 緩和 さ れて き た 。 む し ろ た と. え米 国が禁輸政策を採 っ た と し て も , 中 国 の軍事的, 経済的発展 を妨害す る 効果は い ま や, 米国 に協力す る 資本主義諸国 の 対共産圏禁輸措置の効果を こ えて は発揮さ れえ な い こ と と な っ た 。 米 国 の 対 中 国全面禁輸 の 政策 は こ ん に ち すで に形骸化 し た 。 コ コ ム ・ リ ス ト が輸 出 認 可 の 最終的判断基準 と し て の 決定的重要性を有 し て い る も の の , 米 国 の 対 中 輸 出 規制 の 大 幅 な 緩和 に と も な っ て, 今後,. コ コ. ム. ・. リ ス ト も 協議. ・. 決定 ・ 改訂が く り かえ さ れて い く で. あろ う 。 さ て米 中 貿 易 は 1984年 に 59 億 6 , 309万 ド ル と な り ,. 85年 に は 70億 ド ルの 大. 台 を 超 え た 。 こ れ は 中 国 が経済特区, 経済技術 開発 区 の 建設 や 国 内 企 業 の 設 備更新を促進す る た め, 高度先端技術製品, 自 動車,. ト ラ ッ ク , 石油 • 石炭. 開発用 な ど エ ネ ルギ ー 関連機器 の 輸入を大幅 に 拡大 し た 背景が あ る 。 こ こ か ら 商品構成 に 大 き な変化が生 じ , と く に米国 の 輸 出 品 で は非農産品が大幅 に 伸 び, 農産品 (小麦 な ど原料商品) の 激減が 目 立 っ た 。 非農産品 で は 各種機 械製品, 科学機器, 運輸設備 な ど 工業技術設備で あ り , こ れ ら の 輸 出 が農 産 品 を 上回 っ た の で あ る (9) 。 米 国 の 輸入 品 で は 原油 • 石油製品, 非鉄金属, 化 学品, 服装. ・. 衣類 な ど で輸入総額 の約半分を 占 め た 。 大別す る と 原 油 • 石油. 製品, 繊維製品, 化学工業製品. ・. 鉱産品. ・. 軽工業品 ・ エ芸品 ・ 食料品 ・ 食用. 油 • 野菜で 3 分 の 1 を 分 け 合 っ て お り , と り わ け 軽工業製品 の 場合, ド ル安,. (8) 横川新 「 コ コ ム体制の 現状 と 課題」 『 ジ ュ リ ス ト 」 (有斐閣), 1987年 10月 15 日 (No. 895), 5 頁。 (9) 朱友蘭 「努力促進中美経済貿易関係持続穏定発展」 『 中国対外貿易J 1987年 9 期, 4 頁。 -11. C 329 ) -.

(12) 円高の世界経済状況下に中国の対米輸出 の可能性は一層強 まっている (10). ゜. これらの商 品構成の変化は中国の 農業生産が好調なことと, 中国政府 の農業 支援こそ工業発展 の基礎という 農業への先進技術援助 の 反映である。 米国議会合 同経済委員会が1986年5月 公表した中国経済に関する報告書で は, 中国 の 輸出品の多様化は当面難しく, 中国の国産 化政策・外貨不足など から米国 の 対中輸出 の 伸びが 期待しにくいと 述 べているが (11) , 86年になっ て対米輸出は 繊維製品に加えて 農産物, その他軽工業品の 数量が全面的に 増 大してきている。 中国の近代 化 計画は資本財 需要を押しあ げており, それ を反映して米国の対中機械• 輸送機器輸出が急増 , 86年には米国の対中輸出 全体 の 半分以上を 占めた。 86年の中国の対米輸出は26億2,2 05万ド)レ, 中国 の対米輸入は 47億1,416万ドルで中国 の 対米貿易赤字が21億ド)レ近くになっ た。 逆に米商 務省の統計数字によると 同年の米中貿易は79億ドルに達 し, 17 億ドル の米困側 赤字という 。 こ の 数字のくい違いは, 中国が香港経由 の対米 輸出が米中貿易 の ほ ぼ半分を 占めているにもか か わらず, 香港経由 の中継輸 出を 最終仕 向け国への輸出として 取り扱わないとこ ろ に あるという. (1. 2). 。い. ずれにしても86年は, 米国が中国の対外貿易 のな かで輸出・輸入額および往 復額で第 3 位を 占めた。前年が輸入額で第 2 位, 輸出額, 往復額で第 3 位で あったから輸入相手国として 一歩後退している。 ここで 注目したい のは, 上述した米国 の 非農産品輸出 の大幅な 増 大であ り, こ のことは 日本 の対中輸出との 競合問題を引き起こしている のではない かという 点である。 たしかに 日 米両国は産業構造 の 同質性の ゆえに対立 ・争 剋を免がれない (13) 。 米国側 の ひと つ の 見解を 代表するも のとして, いささ か 古いが, 米国のアジア問頴専門 家 ウ ェ ル チ 氏 の 分 析があった。 まず米国に (10) 鹿素芳 「中国軽工業品対美 出 口 展望」 『中園対外貿易J 1987年9期. 7 頁。 (11) China's Economy Looks Toward The Year 200 0 . Vol. 2. Economic Open­ ness in Modernizing China. pp. 3 3 6-3 3 9. (12) 「月刊中国経済J (日 本貿易 振興会) 1987年10月, 65-66頁。 (13) 宮下忠雄 ・ 上野秀夫, 前掲書, 1 3 4頁。 -12. ( 330)-.

(13) と っ て 不 利な 点 と しては, 米国の 企業は 中国貿易における 遅 参 者 (late comers) であること, 米国の高度の技術は米国政府が国防上の 理 由 から輸出 を ゆるさず中国側 にはこれを消化する能力がないこと, 農産品を除き米国で 生産 しう るものは日本でも生産できることなどをあ げている。ま た米国にと っ て有利な点と しては, 米国系子会社が世界に存在 していること, 中国は米 国の技術を高 く 評価 していること, 中国が輸入相手国の多様化 をはか っ てい ること, 米国政府の米中貿易に対する 障害の除去の努力が 期待されう る こ となどをあ げている (14) 0 このような か つての 分 析が米国の対中国貿易における競争者と してわが国 を念頭においたことはいう までもないが, こ んにち工業用機械 ・ 機器, 化 学 肥料をはじめ各種の対中輸出品目で日 中貿易に く い込み つつあることが指 摘 できる (15) 。しか し 現時点で 全体的に みていえることは, 中国貿易 をめ ぐ る わが国と米国の競合問題について, 大型 ジ ェ ッ ト 機,. 一. 部の大型コンビュ ー. タ ー などの機械類や農産物を除 く 米国製品は日本製品に比べて対中競争力が 乏 しいことなど を考慮した場合, 大勢と しては両国の競合は避けられよう 。 む し ろ 共同開発, 共 同融資等で協力できる側 面を見逃すべきでない だ ろう 。. 直. 米 国 の 対 中 投 資 と 技術移転政策. 中国は技術移 転による近代化 を対外開放政策の実行以来強 く 認識するよう にな った。 そこでは, 単に西側 先進工業国の技術を導入するのでな く , 外国 U4l Wilford H. Welch, "U. S. Oppotunities in the China Market" in Patrick M. Boarman, edit., Trade with China, 1974, pp. 86-87 . U5) Joe Won Lee and M. T. Vaziri, "The Trends and Patterns of U. S. -Chi­ nese Trade : Their implications for future U. S. Foreign Policy", Anant R. Negandhi, ed., Research in International Business and International Rela­ tions Vol. 2 . 1986-China's Trade with Industrialized Countries : Socio-Eco­ nomic and Political Perspectives, Jai Press Inc., 1986, pp. 77-79.. -13 C 331 ) -.

(14) か ら の 直接投資 の 吸収を通 し て の 各種 の先進技術の取得に も 力 点 を お く よ う に な っ た (16) 0 米 国 の 対 中 投資 は , 1979-86年, 投資項 目 数 と し て は香港 ・ 澳門 に 次 い で. 第 2 位で あ る が , 投資額 で は 第 1 位で あ る 。 86年 ま で の米国 の対中投資項 目. は 304<17' ' 投資契約額 は 27 億 500万 ド ルで あ る 。 外 国 の 対 中 投資が 項 目 数で. 9 , 189, 契約額で 199 億9 , 000万 ド ルで あ る か ら , 項 目 で 3 . 3%, 契約額で 13 . 5 %が米国 と い う こ と に な る 。 86年 1 年 間 の 米 国 の 投資項 目 , 契約額を み る と , 102 項 目 .. 5 億 2 , 700万 ド ルで あ り , こ れ は 外 国 の 対 中 投資 の な かで 項 目. が6 . 8%, 契約額が 1 5 . 8% を 占 め る こ と に な る 。 86 年 の 内訳 は 合弁企業81 (投資契約額 2 億6 , 300万 ド ル) ,. 合作経営企業16 C同 1 億 8 ,400万 ド ル) , 外. 資企業 2 C同 85万 ド ル) , 合作開発 4 C同6 , 800万 ド ル) で あ り , こ の 1 年間 で み る か ぎ り , 投資項 目 , 契約額 と も に香港 · 澳門 に 次 い で 第 2 位で あ る 。. そ し て 投資契約額 は前年 11 億 ド ルを下回 っ た が, 合弁企業 な ど の企業数で は. 前年比 2 倍以上 に ふ く れ た 。 投資額 の 減少 は お そ ら く , ホ テ ル合弁投資 に対 す る 中 国側 の 抑制, 石油価格下落 に よ る 米国企業の投資意欲の減退な ど と 考 え られる。 米中合弁事業 の 展 開 は , 経済分野 に お け る 米 中接近の深ま り を最 も 端的 に 示 し て い る 。 中 国 の 合弁企業設立 の な かで圧倒的 に 多 い の が香港企業 お よ び 在外華僑 と の 合弁で あ る が . そ れを除 く と 米国企業 と の合弁が最 も 多 い 。 米 国 の 対 中 投資分野 を み る と エ ネ ル ギ ー , 交通, 機械, 自 動車, 化学工業, 電 子工業, 軽工業, 食品, 繊維, 農業, 観光, 医薬, エ ン ジ ニ ア リ ン グ, サ ー ビ ス , 出 版, 石油探査, 石炭開発 な ど 多業種, 多部門 に わ た る が, 規模の面 で 目 立つ の は 海底石油探査, 大型炭鉱開発で あ る 。 投資地域は北京, 天津,. ⑯ Erik Baark, "New Technology Policy and Foreign Investment in China", in East Asia : Volume 4 International Review of Economic, Political and Social Development—, Campus/ Westview, 1987, p. 71 . U7l 1979-86年の米国の存華合資経営企業は 165社で あ る (『中国対外貿易」 1 987 年 9 期, 11-12 頁。 お よ び 1987年11 期, 46-47 頁)。. -—. -14 ( 332 )-.

(15) 上海, 福州 , 武漢, 広 州 , 深訓 な ど 約20都市 に及ぶ (18) 0 米国企業が対 中 投資を積極化 さ せ よ う と す る メ リ ッ ト は さ ま ざ ま 考え ら れ よ う 。 米国企業 に限 ら ず 一 般的 に, 外国企業の動機は, (1)発展途上国 の 安価 な 労働力 を利用 し て 国 際競争力 を強化 し よ う と す る 労働力志 向型, (2) 国 際市 場 に お け る 関 税障壁な ど の 貿易制限を 回 避す る た め に現地生産 に踏み切 る 市 場志向型. (3)資源保有 国 に 対す る 開発輸入な い し 第三国へ の 輸 出 を 目 的 と す る 資源志向型,. に類型化で き よ う. (19). 。 外国企業 と し て は 技術移転は あ る に. し て も , そ れ以上 に 中 国 の安価な労働力 を 利 用 し て 投下資本をで き る 限 り 短 期 間 で 回 収で き る う え に 中 国 市場へ も 参入 し う る と い う 利点が あ る (20) 。 国 際金融市場の為替 レ ー ト の 変動 に伴い, NICs ·ASEAN と の 取 り 引 き コ ス ト の高 さ , 政治的 リ ス ク の大 き さ 等か ら 比較 し て. で き る 限 り 少 な い 投資額で 0) 損失 の 回 避 と い う 面で も 米国企業の 投資適合地域 と し て の 中 国が考 え ら れ る こ と にな る 。 し か し 米 中 投資 に お け る 問 題 点 も 多 い 。 合弁事業設立 ・ 運営 の プ ロ セ ス で た と えば, フ ィ. ー. ジビリ ティ. ・. ス タ デ ィ の 困難 さ , 契約書 の 作成 · 登記資本. と 総投資額 ・ 工場建設 ・ 資金調達 • 技術移転 ・ 外貨バ ラ ン ス • 利益送金 ・ 合 弁期間 • 国 内市場開放な ど の諸問題, 土地使用料 ・ 開発費 の高 さ , 労務管理 ・ 賃金体系 ・ 価格決定 ・ 販売 な ど の 自 主権 の 限界性, 諸手続 き の 煩雑性な ど が 指 摘 さ れて い る 。 も っ と も , こ れ ら に つ い て は 関 連諸法規が整備充実 し て き た こ と で解決 さ れ た 問 題 も 少 な く な い 。 た と え ば 「外国企業の投資奨励 に 関 す る 規定」 (1986年10月 公布) は土地使用料 ・ 労務費用 の 引 き 下 げ, 減 免 U Bl 尚明 「中美両国金融合作前景広隈」 「中国対外貿易J 1987年 9 期, 8 頁。 米中貿 易全国委員会報告 「米国 の 中 国 に お け る 合弁企業の 発展状況」 (「国際貿易」 1987 年12月 8 日 ) 。 「北京週報J 1987年 6 月 2 日 , 19-20頁。 同12月 29 日 , 31-32頁。 「在中美貿易 投資法律討論会上 張勁夫談中美貿易. 投資法律問題」 r 国際貿易」 1987年10期, 4 頁。 U9l 李林 「中国の直接投資導入策につ いて」 『月 刊 中国経済」 ( 日 本貿易振興会) 1986 年 4 月 , 43頁。 ⑳ 河地重蔵 • 藤本昭 ・ 上野秀夫, 前掲書, 173頁。. -15. ( 333 )-.

(16) 税措置, 企業で得 た 利 潤 の 中 国 国 内 へ の再投資 の 奨励, 生 産 と 営業 の外部条 件 (関 係物資 の 輸 出 入を ふ く む) の保証な ど 投資企業 (製品 輸 出 企業 と 先進 技術企業) に優遇措置を与 え た も の で, 投資環境改善 に た い す る 中 国 の 意欲 を示す も の で あ っ た (21) 0 中 国 は 対外開放政策を 実施 し て以来,. 各種 の 技術 を積極的 に 導入 し て き. た 。 ま た 米国 も 対中技術輸 出 の 制限を徐々 に緩和 し て き た 。 中 国 に お け る 技 術導入あ る い は 技術移転 へ の 理解 は ,. 「特許あ る い は そ の 他 の 工業所有権の. 使用 許可, 特許技術 の譲渡 と 技術 サ. ビ ス の 提供を受 け る 」 こ と を指 し て お. ー. り , 一般 に は技術 ラ イ セ ン ス , 技術 コ ン サ ル テ ィ ン グ, 技術サ ー ビ ス , 合作 生産, そ れ に プ ラ ン ト 設備 な ど で あ り , 外 国 か ら生 産プ ロ セ ス 技術, 製品製 造技術, 経営管理 な ど の ソ フ ト ウ ェ ア技術を 取得す る こ と で あ る (22) 。 1981 年 か ら の推移を み る と , 中 国 の技術導入 は 最初 プ ラ ン ト 設 備 の 輸入主体の 単 ーの方式で あ っ た の が し だ い に抑制 さ れ, 次 い で 多種方式 に転換 し , 技術 ラ イ セ ン ス 方式に よ る 製品 の 生産工程, 製造技術, 管理技術 の 導入が重視 さ れ る よ う に な っ た 。 こ の 間 調 印 さ れ た 数千 の技術導入契約 に お い て は , 中 国 の 使用 し た 資金 は 大量 の 対外借款 (国際金融機関 , 政府借款,. 民間商業借款). や 中 国 国 内 の 国 家 ・ 地方保有外貨が 当 て ら れ た 。 中 国 の 技術導入契約件数, 契約金額 は年を追 っ て増 加 し て い る が, 1986年 に は契約件数744件, 契約金額 44 億 5 , 000万 ド ル と な り. (対外経済 貿易部発. 表値) , 1981-86年 の 契約総件数 2 , 141件, 契約総額 93億 8 , 900万 ド ル と な っ た 。 技術導入の相手先別 で は 米国 (26 . 5%) ,. 日 本 (24 . 7%) ,. 西 ドイ ツ. (22 . 0%) で 3 国 の 比重が き わ め て 高 い 。 1986年 に お け る 米 国 の 技術導入は 169件,. 6 億 5 , 700万 ド )レで あ っ た 。 こ う し た 状況 に合わせて技術移転契約を. (21) 同上 書, 175-176頁参照。 四 劉湖 「中国 の技術輸出入政策」 「 日 中経済協会会報」 1985年11月 , 15頁。 r現代 中国経済事典」 日 本語版, 日 本総研出版, 中 国社会科学出版社版, 1982年, 512頁。 「国際貿易J ( 日 本国際貿易促進協会) 1987年10月 27 日 。 -16. C 334 ) -.

(17) 直接の対象とするい く つかの法規もすでに制定された。 (1)「技術導入契約管 理条例」(1985年5月国務院公布・ 施行), (2)「技術導入契約認可規 則 」 (85 年1 0月対外経済貿易部公布 ・ 施行) , (3)技術導入に関する 地方政府による法 規,. (4)技術移転に関する国務院の 暫定規定が それであり (23) , それ ぞれの法. 規は技術導入の要件として先進性, 実用性, 顕著な経済的効果の 3 点を共通 してあ げている (24) 。 米中間の技術協力について注目すべきは軍事技術分野の交流が著しいこと である。 1983年6月の米政府による高度技術の対中輸出 規制緩和, 同年9月 の ワ イ ンバ ーガ ー 米国防長官の訪中で軍事協力の緊密化がはじ まった。 84年 6月張愛痒国防部長が訪来, ワ イ ンバ ー ガ ー 長官と米中軍事協力で基本合意 に達した。 そこでは地対空 ミ サ イ ル「 ホ ー ク」, 対戦車 ミ サ イ ル「TOW」な どの売却 (25) , 高性能砲弾, 兵器生産技術 (武器製造機械) などの改良につ いて合意された。 その後両国の軍要人の往来が活発になった。 1985年7月に 調印し 同年12月に発効した米中原子力平和利用協定にもとづいて原子力技術 の交流として航空宇 宙技術分野の交流が進展した。 ハ イ テク分野 とともに軍事技術分野の 交流は新しい 段階を迎えた。 ま ず P & W 社のガ スタ ー ビンエン ジンの共同設 計 · 製造売却があった。 また86 年1 1月米国防総省は中国の主力戦闘機 F8 に 塔載する電子機器 5億5, 0 0 0万 ドルの売却について 調印と発表した (26) 。 この 電子機器の売却は 規模が大き いだけでな く 最先端のエ レクト ロ ニク ス技術が加わっており, 86年1 0月の ワ イ ンバ ー ガ ー 長官の訪中, 米太平洋艦隊の ミ サ イ ル巡洋艦 3 隻の青島寄港な (23) Richard J. Goossen, Technology Transfer in the Peoples Republic of Chi­ na : Law and Practice, Martin us Nijhoff Publishers, 1987 . pp. 4 1 -44.. (24) 拙稿 「中国 に お け る技術導入政策の変化」 「世界経済研究年報」 近畿大学世界経 済研究所, 1987年9月, 25-27頁。 (2.5) Michel Chossudovsky, Towards Capitalist Restoration ? Chinese Socialism After Mao, Macmillan, 1986 . pp. 196- 197 . (26) Larry M. Wortzel, op. cit., p. 632. -17 (335)-.

(18) ど , こ れを契機に軍事協力が 一 層すすんだ。 1985-86年にかけて台湾問題をめぐる米中間の 紛糾のため両国の軍事交流 が や や停滞した 時期があった。 米国の 対台湾 武器輸出が 84年 7 億 740万 ド ル, 85年 6 億6 , 000万ドルにのぽり,. 胡耀邦総書 記 ( 当 時)は 「米国が長期. に わたり 非友好的な 姿勢を とることは 我慢できない」(27) と 抗議した。 「台 湾問題は長期に わたって中米関係の発展における重大な障害となっている。 中米国交正常化以来, 両国関係にい く つかの 曲折が現れたが, そのいずれも 台湾問題によるものである。 米国は台湾問題で 「 1 つの中国」 という 原 則 に 違反することが ある」(28) と発言したが. こんにち. 台湾への武器供与をは じめとする台湾問題での米中関係の不協和音も表立った 阻害要因になってい ない。. IV. 米 中 経 済 関 係 の 課題. 米中経済 · 貿易関係が両国の市場構造からみて, はかり知れぬほどの潜在 力を持つことはいう までもない。 しかし現状ではその 潜在力が十分に発揮さ れているとはいえない。 たとえ ば, 1986年の米中 貿易額が米国の輸出入総額 の 196強しか 占めておらず, 両国の人 口 , 資源, 市場潜在力, 生産能力など からみて発展の余地は 十分にある (29) といえよう 。 それでは米中交流の潜在 力を抑圧する要因は何か。 米中双 方とも相手国の政策にそれ ぞれ 阻害要因が あるとして交流拡大への改善努力を要望している。 たとえ ば米国議会合同経 済委員会の中国経済関係の報告書では, 米国企業の対中投資の慎重さは, 直 接投資吸収に関する中国国 内の法整備の遅れ, 投資保護協定締結の遅滞, 中 罰 Far Eastern Economic Review, 1985年7月 1 8日。. ⑳ 台湾問 題に関す る 楊尚昆・中央軍事委員会副主席の米国 での演説 ( 1987年5月) (「北京週報」 1987年 6 月 2 日 , 20 頁)。 因 「 国際貿易」(日本国際貿易促進協会) 1987年5月 12日 。 -18. C 336 ) -.

(19) 国 向 け の 低利融資制度の 不備 な ど に あ る と 指摘 し て い る (30) 。 そ の ほ か, 中 国 側 の 高 関 税の是正 ・ 撤廃, 経済 ・ 貿易関係諸統計 の整備, 対米輸 出 品 の 多 様化, 中 国 国 内市場 の 一 層 の 開放な ど が あ げ ら れて い る (31) 0 こ れ に対 し て 中 国 の 対米要望 は , た と え ば張勁夫国務委員 に よ る 「米中 貿 易 • 投資 ・ 経済法会議」 (北京,. 1987年 8 月 ) で の 発言 (32) が そ の立場をつ. た え る も の で あ ろ う 。 す な わ ち 「米国 は 特恵関税面で 中 国 の 輸 出 に対す る 差 別を で き る だ け 取 り 除 き , 中 国 に発展途上国 と し て の特恵関 税 を 与 え て ほ し い」 「米国が対中技術移転面で規制 を ど れ だ け 弱 め る か は ,. 米国が対中経済. 関係の 重要性を ど れ だ け 理解す る か に かか っ て い る 」 な ど , 中 国 の 対米輸 出 の重要性を十分認識 し , そ の対中経済 · 貿易政策を さ ら に調整 し 対 中 技術移 転への規制を緩和す る よ う 呼 びか け た 。 結論的 に み て こ ん に ち の 米 中 経済関係 に は . 米中両国双方 の 国 内 関連法規 の是正 ・ 整備, 保護貿易主義, 対中技術移転 の促進, 投資保護協定締結交渉 の延期 な ど の 問題が存在す る 。 第 1 は 米 中 双方 の 国 内 関連法規の未整 備 に つ い て で あ る 。 中 国側 は , 米国 の 時代遅れ と も い え る 貿易立法が 両 国 間 貿易拡大を 抑制す る 要因 で あ る と し , こ の 通商 関連法規の否定的な 要素を除去すべ き と す る の で あ る 。 た と え ば米中 貿易協定の 最恵国条項 (「最恵国待遇の 相 互供与 に よ る 関 税 の 軽減 と 貿 易 の 円 滑化」 な ど) の米国議会の年 1 回 の審査が厳 し く こ の条項を米中海 運協定 に適用 し て い な い こ と , 反 ダ ン ビ ン グ法や GATT 未加盟を理 由 に 特 恵関税待遇 を 与 え な い な ど (33) で あ る 。 田 "China's Economy Looks Toward The Year 2000", Vol. 2 . Economic Open­ ness in Modernizing China, 1986, pp. 343-345 .. 価 米中通商貿易合同委員会 (1986年 5 月 ) に お け る ウ ィ ン ス ト ン ・ ロ ー ド駐中 国大 使の講演 ( 山崎一民 「米中経済 関係の 明暗」 「 中 国 を と り ま く 国際政治 ・ 経済関 係」 日 中経済協会, 1987年 4 月 , 123-124頁)。 図 「中国通信」 1987年 8 月 19 日 。. 図 葉其湘 • 中国対外経済貿易部国際貿易研究所主任の米中経済関係に 関 す る 寄稿論 文 (「国際貿易」 ( 日 本国際貿易促進協会) 1987年 5 月 12 日 )。 -19. ( 337 ) -.

(20) 中 国 の GATT 加盟に つ い て は 1986年 7 月 に 正式 に復帰を 申 請 し て お り , そ の 加盟実現は近づ い て い る 。. 一. 方企業活動 に 関 す る 中 国 国 内 の 法整備の遅. れ に つ い て は 米国企業側 に指摘 さ れ る と こ ろ で あ る 。 し か し 中 国 の 渉外経済 法 に つ い て は 外資関連基本法, 渉外税法. 徴免税規定. 税関法. 出 入国 関係 法, 外国為替管理法, 登記規定, 常駐代表機構 • 金融 ・ 労働 • 技術導入 • 土 地 な ど の 関連規定が整備 さ れて お り . と り わ け 「外国企業 の投資奨励 に 関 す る 規定」 が公布 さ れ, 関連法規 • 実施細則 が つ ぎ つ ぎ に公布 ・ 施行 さ れ る こ と に よ っ て解決 に 向 っ て い る 。 米国企業誘致な ど そ の 実質 的 効 果 は , 要 は 法 規, 条例 の運用次第 と な ろ う 。 第 2 は 米 国 の 保護貿易主義的傾 向 の 問 題で あ る 。 米 中 貿易 の 潜在力 を抑圧 す る 要因 と し て 中 国 側 は保護貿易主義を各所で非難 し て お り. (34). ,. 繊維 製品. を は じ め と す る 中 国 産品 に対す る 米国 の 市場開放を求めて い る 。 中 国 の 対米 主要輸 出 商 品 に つ い て の 各種 の 制 限 は 中 国側 の 大幅な 貿易赤字 と な っ て あ ら わ れ, 1980-86年 の 7 年間 の 中 国側 の 対米累計赤字は 136 億 ド ル に の ぽ っ た 。 繊維製品 に つ い て は ,. 「米中二国間貿易 の最重要な分野 で あ る が,. しかし中. 国 の対米繊維輸 出 量 は米 国 の 繊維輸入総量 の わず か な 部 分 を 占 め る に す ぎ な い 。 中 国 の 対米繊維輸 出 量 の 増 大が米国製繊維品 と の 競争 を 引 き 起 こ す こ と は 決 し て な い 。 競争は 中 国 の繊維品 と 米国 が そ の他の 国 か ら 輸入す る 繊維品 と の 間 で し か 生 じ な い」 (35) な ど と し て 規制緩和を呼 び か け た 。 87年 12 月 , 繊維輸 出 規制 に つ い て の 両国 間 合意が 発表 さ れ (36) , 中 国 の 対米繊維製品輸 出 を 向 こ う 4 年間, 前年比 3 % 増 に抑 え る こ と に な っ た 。 米国 の繊維製品輸 入 の う ち 14% が 中 国製品で 占 め ら れて お り , 86 年 の対米輸 出 は 前年比19% 増 ⑳ 「中美両国 経済関係的 新編章」 「国際商報」 1987年 2 月 28 日 ( 第23期)。 宋振起 「努力拡大対美国 的 出 口」 「国際貿易」 1987年 7 期, 22 頁。 「在中美貿易投資法律討 論会上 張勁夫談中美貿易, 投資法律問題」 『国際貿易」 1 987年10期, 5 頁。. 困 張勁夫国務委員に よ る 「米中貿易 • 投資 ・ 経済法会議」 (北京) で の発言 (「中国 通信J 1987年 8 月 19 日 。 因 「 日 本経済新聞J 1987年12月 21 日 。. -20. ( 338 ) -.

(21) の 高 い 伸 びを示 し て い た 。 米 中 経済関係拡大 の た め の 第 3 の課題 は , 対中技術輸 出 制限 の 緩和措置で あ る 。 米国 は技術輸 出 に対す る 統制 を し だ い に 緩和 し , 対 中 高級技術 の 輸 出 許可証の審査 ・ 認可 に 要す る 手続 き 時間 も 短縮化 ・ 簡素化 さ せ て い る 。 し か し 制限 緩和 は 緩慢で 加 え て コ コ ム の審査は依然 と し て の こ さ れて い る こ と は い う ま で も ない。 米 国 は 1979年 の 輸 出 管理法で安全保障上 の 輸 出 規制 を実施す る に 際 し て , 共産圏諸 国 を 一 律 に 規制対象 と し た 従来の方法を変更 し て , 相手国が米国 お よ び そ の友好国 ま た は敵対国 と い か な る 関 係 に あ る か に よ り 決定 さ れ る と し た 。 こ こ か ら 輸 出 許可を要す る 仕 向地域を グ)レ ー プ に 区分 し た 。 中 国 は , 72 年 ま で Z グル ー プ (北朝鮮,. ベ. ト ナ ム , カ ン ボ ジ ア) に 区分 さ れ, 輸 出 全面. 禁止措置が と ら れ た 。 し か し 79年 の 国交樹立 で 中 国 は , Y グル ー プ ( ソ 連, 東 ド イ ツ , プル ガ リ ア , チ ェ コ ス ロ バキ ア , ア ルバ ニ ア ) に編入さ れ非戦略 物資を輸入で き る よ う に な っ た 。 そ の 後 の 米 中 関 係 の 改善 に よ り , 1980年, カ ー タ ー 大統領は 中 国 を P グル ー プ国 に移行 ・ 編入 さ せ, 軍事用 に転用 可能 な民生 品 の 輸 出 を 認 め た 。 さ ら に レ ー ガ ン 政権 は ソ 連 よ り も 高度の技術輸出 を許可す る 方針を採 り , 83年11 月 大部 分 の 友好 国 お よ び非同盟国 と 同 じ V グ ル ー プ (西 ヨ. ー. ロ ッ パ,. ニ. ュ ー ジ ー ラ ン ド, オ ー ス ト ラ リ ア, ア ジ ア ・ ア フ. リ カ の 発展途上国) に編入 さ せ た (37) 0 ン, ィ エ ロ. ー. を 中 国 に対す る 輸 出 原則 と し た 。 コ ン ビ ュ. ー. 同 時 に米商務省 に よ る 先端技術製品 の 3 分類 ( グ リ ド) の う ち. ‘. グリ. ー. ン. ". ー. ,. レッ. タ. ー. コ. ン ト ロ ー ル機器, マ イ ク ロ 回 路, 電子機器, 録音設備, 半等体生産設備等で ・. 商務省 の 認可 の みで よ い 一般的水準の も の で あ る 。 ち な み に 国防総省 あ る い は 関 係機関 の 審査 ・ 認 可を要す る 。 攣 レ ッ ド. ". イ エロー. ". は. は 最先端技術. で米国 と 親密 な 同 盟国 で さ え譲渡さ れ な い 。 こ の よ う な 対 中 輸 出 規制 の 大 幅 罰 小原喜雄 「東西国間に お け る 技術移転問題の特質」 「 ジ ュ リ ス ト 」 (有斐閣), 1987 年10月 15 日 号 (No. 95), 25-26頁o Larry M. Wortzel, op. cit., p. 622 .. -21. ( 339 ) -.

(22) な緩和によって, 1980年に入って か らの米国技術デ- 夕 の対 中 輸 出 許可件数. . . . 、 ,f.. は 激増 如 てい . �i dい ,1 し か し 中国に と ら ての不満はi 実際上他の グル ー プ国家 ..'•. .. . .. ヽ な . 鼻 ’ 、 “ いない ヽ と 同 じ待遇Iii'.; � -tr と い う 点で あ る 。 中国に だ け 米国 の国家安全管理 ,: の 留保 と コ コ ムの審査 ・ 認可が必要 と さ れ る 不満が残 さヽれて い る 。'. ー .,. .. r , , ヽ 米中間の 阻害 要因の 第 4·の課題 は 投資保護 1 協定交 渉遅延 に ついて で あ. ` `. ,. る (38) 。中国国 内の 関連法規の 整備充実 と ともに,. 巨額の投資 を す る 外国企. I•"~ ( . , • . . 'I •’ け ヽ 租税協定 と 投資保 業 た どっ て は 自国政府 と 中 国 との二国間の協定, と りわ ' 疇. , . ,, C ' . • I,. .ヽ .. ヽ. ,. ・. 、 “ こ '"1. . .~.. 護協定の締結ほ, 投資環境を改善す る 意味で不可欠で あ る 。: そのなかで投資 亀`亀. ". 保護協定比: '良間企業® 海外投資 リ ス ク を 回 避ず る と. と を 目的 と した取 り 決 亀ふ. •. ’ ・ . 、 , ・"l . :あ し、の投資額の補償を 切で海外か ら 進 出 し だ企巣の財雀保全ゃ国有化す るば .,. i. ヽ. 義務ウけ る こ と tどな る 。 中国側 は すでに茜 ド イ ツ , フ ラ ン 反な ど 10数 力 国 と ヽ. ~. 協歪沿結ん で お り ,」、 主な協足内容ほ? 投資 と 投資者の範囲の確定, 締約国間. . . .. . ., . . . , .. も受伍. 送釜等に かんず. . .. ’ ヽ . . \ 投資財産・収益にf g 最意国符遇, i\f ,:i 不断の保 .,. f. 霞 保証, '収用 • 国有�E等の措置を と る ための条件, 投資母国によ る 投資保 ‘ ‘ ’ ヽ. , ・ ヽ. - い 証に も とづ< 請求権の代位の承認な ど で あ る 。 : . 、 』 . •. ,;, .·. '· · :'. •/. ( 丑 ; f,;. 一 ら . .· ... . . . . ¥ . し か し そ の 内容を み る と , 締約国のいずれにも外国の進出企業 と 自 国の企. . .. .~·. r`. '. 、ヽ. 業 と を 同 等 I?: 扱う• 「 内 国民待遇」 条項が盛 り 込 ま れていない。 ま た締約国の \ ' 下- . --- . . , . . . , ,• 、 . . .. ¥ .' 一方が締約相手国の投資者の投資を 収用 す る か国有化す る ば あい , 資本主義 ¥. , I :} I. .. · ー. 、-. '. . - ノ , , .. ,s _. ヽ. ;. r. I. 諸国が主 張 し てきた 「迅速, 十分, 効果的」 という 言葉を使用 し ての補償原. -、. ヽ .- ~ - i'. . .. ヽ ’. ゞ•. 則 を と って いな い o 中国 と • し て は, 1n4年の国連総会で採択さ れた 「各国の .~、.. . . . ! ' . .. ・ヽ. 経済的 よ び義務に 関 す るJ•憲章」 に あ る 「適 切な補 償 を与 え る 」 と の規 , 、• 権利お I、 l ' . . .ヘI ' " ··/:ふ,•. I ヽ ,>・ ム 定に も と づ � \て おり · - そ こか ら 「 迅 遮 十分, 効果的」 と の言葉を艇わず, 鴫.. 』. 9. 「法律毛続きにも と, づ い て補償 を 与え る 」 「 その補償額は収用 さ れ る 時点 の 投 _ . 、. “. .. .. . ・ ゜. 資の価値に相 移動でき る ぺきもので不 , 当 文べ 告 で あ り ,`ー• 実際に兌換 し 自 由 に,I e、 ..:投資法律討論会上 ヽ ·; c;(蜀 .ri呻美貿易, 易」 .19切年10:Wh . $:頁訟1 々 ,;· ·..·. 張勁夫談中美貿易 隻 ' 投資法律問題J • 『国際 貿 ヽ々 .. •. '.· .. . ... •.. ●. •. ',. .. •. .:....'. .. -22 . :( 340, )-. •.

(23) 当 に遅延 し て は な ら な い」 (39) な ど と 規定 し て い る 。 そ の他,. 投資 に かん す. る 資本 と 収益等の移転, 投資者 と 投資導入国政府 と の 間 で の 投資 関 係 の 紛争 解決な ど こ れ ま で 締結 さ れ た 政府間協定 ( ス ウ ェ ー デ ン , }レ ー マ ニ ア , 西 ド ィ ッ, フ ラ ンス,. ベ ル ギー. ・ ル ク セ ン プ ル グ経済連合, フ ィ ン ラ ン ド , ノ ル. ウ ェ イ , ォ ー ス ト リ ア , タ イ , イ タ リ ア , デ ン マ ー ク , オ ラ ン ダ, ク ウ ェ. ー. ト , ス リ ラ ン カ , ィ ギ リ ス , シ ン ガ ポ ー ル) に は 問 題点 が 多 い (40) 0 米国政府 と は すで に, 投資保険協定, 二重課税防止 お よ び脱税防止 に 関 す る 協定 は 調 印 さ れて い る が, 交渉が遅延 し て い る 本協 定 の 締約が急がれて い る 。 し か し , 以上みて き た よ う に, 近年米国 が処置 し た 対 中 経済貿易関係の 改善措置, た と え ば コ コ ム 加盟 国 の 対 中 技術移転審査手続 き 簡 略化 , 対 中 援 助法の な かの 対 中 援助禁止条項の廃棄, レ ー ガ ン 大統領 に よ る 議会が採択 し た 保護主義的 な繊維製品輸入法の拒否 な ど に よ っ て, 米中経済 · 貿 易 関 係 は 今後い っ そ う 拡大 し て い く も の と 考 え ら れ る 。. 潤 張沢予 「国際投資保護協定について一一顧明 ・ 国務院副秘書長に き く 」 「北京週 報」 1984年 7 月 17 日 , 19頁。. (絹 河地重蔵 • 藤本昭 • 上野秀夫, 前掲書, 182-183頁。 岳海濤 「中国投資の ABC 法律上の 問題」 r北京週報J 1987年 5 月 26 日 , 29頁。. -23 ( 341 ) -.

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参照

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