Title
日本における福祉の指標に関する研究の動向
Author(s)
砂川, 亜紀美
Citation
沖縄キリスト教短期大学紀要 = JOURNAL of Okinawa
Christian Junior College(48): 147-160
Issue Date
2019-01-31
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/24660
沖縄キリスト教短期大学紀要第 48 号 (2019)
日本における福祉の指標に関する研究の動向
Trends of research on Well-being Index in Japan
砂川 亜紀美
Akimi Sunakawa
要 約 日本における福祉(well-being)の指標の研究をサーベイし、①用語の概念や定義を時系列に整理し、②福 祉の指標研究の動向を踏まえ、今後の方向性について整理することを目的した。Cinii を使用し、「福祉」「幸 福度」「豊かさ」のいずれかと「指標」のキーワードを AND でつなぎ検索を行い、抽出された文献は結果とし て 100 件であった。文献の中で、指標が目指す状態や目的である用語と、特に頻繁に使用されている「福祉 指標」「社会指標」「豊かさ指標」「幸福度指標」を、各用語別に時系列に整理した。その結果、各指標の目的は、 人々が幸せでより良い暮らし、望ましい状態であり、達成されるべき状態・水準であることを表しており、②「福 祉指標」―「社会指標」―「豊かさ指標」―「幸福度指標」へ変遷してきていることが明らかになった。その 概念や定義は、研究者間、学問領域間において強い関連性はみられず、独立した検討がなされていることが明 らかになった。 動向を踏まえ、福祉学領域においても地域社会の「好ましい」あり方や「住みよい」地域の判断基準について、 「数量的に地域レベルの福祉の充実度を理解する比較可能な指標(福祉度指標)」を検討していく方向性を得た。 I. 問題の所在と目的 日本においては 1950 年代初頭から、人びとの心身が良好な状態にあり、その人のもつ能力 を発揮できるような人間らしい生活のためにはいくら生活費があればよいのかという視点で、 生活費を算定する検討がなされてきた。1960 年に労働科学研究所が出版した「日本の生活水 準」では、人びとの生活水準は生活費増に伴ってどこまで向上するかを測定し、ある一定まで 上がるとそれ以上生活水準は向上せずに平坦化するとし、「あるべき生活費」の検討を行なっ ている。この頃には、必ずしも経済成長が国民の福祉水準の向上そのものではないことが指摘 され、経済指標だけでは本当の意味での幸せや豊かさを把握できないとの問題意識のもと、経 済指標に変わる福祉指標や社会指標についての研究に注目が集まった。70 年代に入ると、政 府の国民生活審議会調査部会で経済学者や社会学者を中心に、「社会指標(Social Indicators)」 作成に向けての取り組みが始まっている。1974 年に公表された「社会指標―よりよい暮らし への物さし」では、まず冒頭で「国民の福祉水準の向上は経済社会政策の究極の目的である。 福祉水準向上のためには、まず、現在の福祉水準がどのようなものであるかを測定することが 必要である。」とし、豊かな暮らしを定量化する試みがなされてきた。 このように、経済成長やそれを測定する指標だけでは測りきれない、人間の好ましいあり方 や社会の好ましい状態などの「豊かさ」や「幸福」などの抽象的な表現で表される状態を数値 化していくことに対して高い関心が示され、現在に至るまで研究が数多くなされている。 しかしながら、既存の研究の中で用いられている用語は、「生活水準」、「生活指標」、「社会 ― 147 ―沖縄キリスト教短期大学紀要第 48 号 (2019) 指標」、「福祉指標」、「豊かさ指標」など様々で、必ずしも統一されたものではなく、十分な整 理がされていないのが現状である。今後、地域や社会の福祉(well-being)の充実度を測定す る指標の研究を進めていくにあたり、基本的な用語の整理と動向の整理をする必要があるこ とから、本研究は、福祉学の立場から指標研究の方向性を検討するため、日本における福祉 (well-being)水準の計測を目的とした指標(以下、「福祉の指標」とする)の研究をサーベイし、 ①用語の概念や定義を時系列に整理し、②福祉の指標研究の動向を踏まえ、今後の方向性につ いて整理することを目的とする。 なお、これまで使用されてきた用語「福祉指標」と区別するために、本研究では地域や社会 の福祉(well-being)の状態・充実度を測る指標として「福祉の指標」と表すこととする。 II. 方法 レビューの対象は、地域や社会の「福祉の指標」研究が多分野に渡っていることから分野を 絞らないことを前提とし、国内の科学ジャーナル、大学紀要とした。文献収集の方法としては、 学術情報ナビゲータ Cinii を使用し、「福祉」、「幸福度」、「豊かさ」のいずれかと「指標」のキー ワードを AND でつなぎ検索した。主題、抄録、タイトル、本文に含まれているものを収集し た結果、合計 3,305 件が該当した。この中から、重複しているもの、学会口頭発表資料、コ ラムやエッセイ、一般雑誌・新聞への投稿などは除き、かつ、文脈から地域や社会を対象とし た「福祉の指標」について論じられている「原著論文」「論説」「研究報告」を対象とし、結果 として 100 件の研究が抽出された。 抽出された文献の中から、①地域や社会の福祉(well-being)の状態・充実度を測ることを 目的とし、本研究で用いる「福祉の指標」に該当すると考えられる「指標」の目的および名称 に用いられている主な用語を、その概念や基礎的定義を明示している文献から選定、要約し、 ②用語別で時系列に再整理し、その変遷から研究の動向と今後の方向性を分析した。 III. 結果と考察 1. 日本における「福祉の指標」研究の文献の分析 分析対象とする文献を刊行年代別に分けると、1970 年代は 31 件、80 年代7件、90 年代 10 件、 2000 年代 12 件、2010 年代が 40 件であった。 60 年代から 70 年代にかけて、国民の所得は必ずしも福祉の指標として適切なものではな く,それを補完するものとして非貨幣的な要因について指標が考案されるようになる。例えば、 経済審議会は、GNP を補完する形で「NNW(Net National Welfare、国民純福祉)」(1973) を発表し、また、国民生活審議会では、1974 年に「社会指標(SI:Social Indicators)」を、 1986 年に「国民生活指標(NSI:New Social Indicators)」を発表している。このような非貨 幣的な指標への注目の高まりを背景に、70 年代には「福祉の指標」に関する研究が盛んに行 われ始めた。80 年代になると一時減少し、その後徐々に増加傾向となる。2010 年代に入る と急増しており、2011 年に内閣府が「幸福度に関する研究会報告―幸福度指標試案―」公表 していることなど、個人の生活を取り巻く構造的な変化の把握や、多面的なアプローチの方法、 社会の多様な豊かさを把握するために行う、国の取り組みなどを背景に、これまでにない新た な豊かさ指標として「幸福度」に対する注目が一気に高まったと言える。(図1) ― 148 ―
砂川亜紀美 : 日本における福祉の指標に関する研究の動向 2. 用語の種類と使用状況 福祉の指標に関する既存の研究の中で用いられている用語は多岐にわたっており、目的とす る状態である用語としては「福祉(welfare)」、「ウェルビーイング」、「well-being」があげられ、 また、福祉水準を測ること目的にされている指標の名称のうち、特に頻繁に使用されていたの は「福祉指標」、「社会指標」、「豊かさ指標」、「幸福度指標」であった。 ① 目的を表す用語の整理 田中(1981b・1983)は、個人と社会の両次元にかかわる相互関連的カテゴリーであり、 社会において生活する人々の望ましい状態ないしその達成水準であるとしている。また、田中 (2005)は、単に基本的欲求を満たすことを意味するだけではなく、良き存在、人生を達成す る「機能(function)」とその「潜在能力(capability)」を福祉の本質と捉えている。さらに、 高尾(2018)は、人の幸福度に関する最も包括的な概念は「well-being」であるとしている。 指標の目的として取り上げられていた、「福祉(welfare)」、「ウェルビーイング」、「well-being」 などはそれぞれ異なる用語ではあるものの、いずれも、人々が幸せでより良い暮らし、望まし い状態であり、達成されるべき状態・水準であることを表している。(表1) 図1.刊行年代別分件数
㻌
図1 刊行年代別文献数 年代 年代 年代 年代 年代 表1 既往研究にみる「福祉」の概念・定義の変遷 著者(年) キーワード 概念・定義 田中 昇平 (E) 福祉 個人と社会の両次元にかかわる相互関連的カテゴリーであり、両次元 を媒介する資源に対する評定・評価によって具体化されるような価値 の充足状態である。 田中 昇平 福祉 (ZHOIDUH) 当該社会において生活する人々の望ましい状態ないしその達成水準。 田中 きよむ () 福祉 ZHOIDUH首尾良く食べて暮らしていけることを意味する)ではなく、 ZHOOEHLQJ(良き存在、人生)を使用し、ひとが達成する「機能 (IXQFWLRQ)」とその「潜在能力(FDSDELOLW\)」を福祉の本質と捉え る。 吉中 季子・ 清水池 義治 () 福祉 人々にとっての幸福。 金井 雅之 () ウェルビーイ ング ZHOIDUH(厚生、福祉)やKDSSLQHVV(幸福)の概念を含む最も包括的 な概念。 高尾 真紀子 () ZHOOEHLQJ ZHOOEHLQJ(幸せ、健康、厚生、良好な状態)は幸福度に関する最も包 括的な概念である。 ― 149 ―沖縄キリスト教短期大学紀要第 48 号 (2019) ② 「福祉指標」の概念・定義 1970 年代、田中(1977)は経済学の立場から、「福祉指標」が政策レベルにおいて、社会 の状態や活動に関するより包括的対応と社会の逆機能への対応のためにも必要とされるもので あるとしている。より客観的なものであるためには、実物量指標や満足度指標を統合した何ら かの基準点方式に基づく指標を追求する必要があり、福祉指標の客観性と適正さを点検し保証 する一つの重要な条件はコンセンサスを得ることであるとし、福祉指標の可能性を示している。 一方、安藤(1978)は「福祉指標」と「社会指標」を特に明確に区別してはおらず、いず れも「一社会の全体的もしくは総合的な福祉水準を表示しようとする数量的指標」であり、「総 合的福祉水準指標」という概念そのものが実現不可能な目標を想定する誤った概念であるとし て、緊急の福祉問題を発見し認識を深めるための「福祉問題指標」について提案している。 富川(1979)は、量・質を兼ね備えた「真の豊かさ」を示す福祉指標は、非貨幣的・経済 的アプローチと、貨幣単位を用いずに物的原単位を用いた物理的・社会的アプローチと、加え て、客観的指標ではどうしても表せない面を主観的・心理的アプローチによって意識の面から 作成する方法を提案している。 1980 年代に入ると、田中(1981a)は、福祉指標に充足していなければならない3要件と して、以下の3つを示した。①「客観的指標」で成り立っていること、②「主観的指標」をも 想定ないし用意していること、③各構成要素の単位の共通化を可能にする尺度・基準と各要素 の優先順位・ウェイトづけの手続きが備わっていて、それらに基づき「客観的指標」に対する「主 観的指標」による「評価」がなされること。そして、福祉指標の目標は福祉の状態や水準の補 㻌 表1 既往研究にみる「福祉」の概念・定義の変遷 著者(年) キーワード 概念・定義 田中 昇平 (E) 福祉 個人と社会の両次元にかかわる相互関連的カテゴリーであり、両次元 を媒介する資源に対する評定・評価によって具体化されるような価値 の充足状態である。 田中 昇平 福祉 (ZHOIDUH) 当該社会において生活する人々の望ましい状態ないしその達成水準。 田中 きよむ () 福祉 ZHOIDUH首尾良く食べて暮らしていけることを意味する)ではなく、 ZHOOEHLQJ(良き存在、人生)を使用し、ひとが達成する「機能 (IXQFWLRQ)」とその「潜在能力(FDSDELOLW\)」を福祉の本質と捉え る。 吉中 季子・ 清水池 義治 () 福祉 人々にとっての幸福。 金井 雅之 () ウェルビーイ ング ZHOIDUH(厚生、福祉)やKDSSLQHVV(幸福)の概念を含む最も包括的 な概念。 高尾 真紀子 () ZHOOEHLQJ ZHOOEHLQJ(幸せ、健康、厚生、良好な状態)は幸福度に関する最も包 括的な概念である。 ― 150 ―
砂川亜紀美 : 日本における福祉の指標に関する研究の動向 足が究極的目標であり、それの並行的目標として社会の状態や水準の把握を目指すものである としている。同時期に綿貫(1983)は、社会指標論的な考えに基づき、健康・環境・安全といっ た各領域における福祉水準を「所得・富・雇用」「住居」「健康・医療」「環境」「安全」「教育」 の6つの福祉領域に分け、客観的指標のみを用いて、都道府県単位で分析を行っている。また、 新田(1988)は、人々の福祉に関する意識構造を近似的に表現している構成要素の設定の必 要とし、採用した福祉領域と個別指標の妥当性の検証と、個々の事例の類型化等において、因 子分析を用い、福祉領域や個別指標として「所得・消費」「住宅」「居住環境」「保健・医療」「教 育・文化」「労働」「家族病理」「安全」「連帯」の9つの領域の選定を行なっている。 貨幣指標から非貨幣指標への移り変わりとともに、福祉水準の向上に着目し、その可能性お よび人々の福祉に関する意識構造(主観的要素)を表現できるような客観的指標の要素につい ての検討がなされてきた。また一方では、福祉水準指標は概念そのものが実現不可能な概念で あるとして、改善するべき福祉問題を指標の要素とする「福祉問題指標」(安藤 1987)の提 案がなされるなど、いずれにしても人々の福祉水準をどのような視点で捉えるべきか、検討が なされてきた。(表2) このように、1970 年代から盛んに検討されてきた「福祉指標」であるが、1990 年代に入 ると「社会指標」に包含され用語としての使用は減少傾向となる。 㻌 表2 既往研究にみる「福祉指標」の概念・定義の変遷 著者(年) キーワード 概念・定義 田中 昇平 () 福祉指標 ①その源泉は基本的に行為者個々人の要求にあり、システムと仮定さ れた社会はその機能的要請にもとづいて欲求の充足を測るものであ る。②時間や空間を含む状況VLWXDWLRQ が変化するときには、これに対 応して変化するものである。 安藤 文四郎 () 福祉指標 (社会指標) 一社会の全体的もしくは総合的な福祉水準を表示しようとする数量的 指標。総合的福祉水準指標という観念。総合的な福祉水準指標は実現 不可能な目標を想定するものという結論を導き、「福祉問題指標」を 提案した。 富川 盛武 () 福祉指標 非貨幣的・経済的アプローチ、物理的・社会的アプローチ、主観的・ 心理的アプローチを含む包括概念である。 田中 昇平 (D) 福祉指標 ①貨幣的要素や非貨幣的な実物単位によって表示されるような「客観 的構成要素」で成り立っていること。②人々の当該社会における何ら かの「主観的満足パターン」をも想定ないし用意していること。③各 構成要素の単位の共通化を可能にする尺度・基準と各要素の優先順 位・ウェイトづけの手続きが備わっていて、それらに基づき「客観的 指標」に対する「主観的指標」による「評価」がなされること。 綿貫 伸一郎 () 福祉水準 福祉領域を「所得・富・雇用」「住居」「健康・医療」「環境」「安 全」「教育」の6つに設定した。 新田 功 () 福祉指標 人々の福祉に関する意識構造を近似的に表現していることが必要であ り、「所得・消費」「住宅」「居住環境」「保健・医療」「教育・文 化」「労働」「家族病理」「安全」「連帯」の9つの領域を設定し た。 ― 151 ―
沖縄キリスト教短期大学紀要第 48 号 (2019) ③ 「社会指標」の概念・定義 田中(1981a;1981b)は、社会状態やその水準を把握することが主目的であれば、それは 「(広義の)社会指標」であり、「福祉指標」のようなマクロな社会状態の説明変数になり得る「客 観的指標」を「(狭義)の社会指標」としている。また次第に、何らかの意味において「福祉」 を志向するような貨幣的指標や非貨幣的指標一般を「社会指標」と称するようになってきた社 会背景から、志向性を備えている指標を全て包括して「社会指標」と呼ぶとしている。また、 綿貫(1983)も国民の生活に対する主要な関心・欲求が、所得・消費といった経済的な領域から、 経済・環境・教育・安全などを含むより広い社会的な次元へ広がっており、社会指標が福祉水 準の指標として適切であるとしている。 社会指標の目的は「生活の質」または「福祉」を測定することであり、社会状態に対する総 合的な満足度もしくは効用として、「社会指標」は「福祉指標」を包含するものである(向井 2004)など、より社会全体、あるいは人々の目指す生活の多様性を踏まえた指標としては「福 祉指標」もまた「社会指標」の一つであるとの見解が広まり、これまで用いられてきた「福祉 指標」という用語は減少している。(表3) 80 年代頃から行われてきた国の取り組みや研究などでも、「福祉指標」に代わり「社会指標」 という用語が多用されるようになってきている。 㻌 表3 既往研究にみる「社会指標」の概念・定義の変遷 著者(年) キーワード 概念・定義 田中 昇平 (D) 社会指標 社会指標は厳密な意味における「福祉指標」とは異なり、福祉的・福 祉関連的指標である。主目的が社会状態やその水準の把握であるなら ば、「社会指標」とよぶのが妥当。(広義の社会指標) 社会状態は一定の評価手続きを経てはじめて福祉状態に意味的に変換 されるものであり、こうした変換の基準は主に客観的指標に求めら れ、マクロな社会状態の説明変数になり得る「客観的指標」が、社会 指標の中心である。(狭義の社会指標) 田中 昇平 (E) 社会指標 福祉志向性を備えている指標を全て包括して「社会指標」とする。基 本的に社会全体のレベル、すなわち社会の次元に立って、そこにおけ る福祉の状態や水準を認識したり制御したりする具体的な分析枠組あ るいは分析用具である。 綿貫 伸一郎 () 社会指標 非貨幣的な福祉の領域も測定しようとするものであり、国民の生活に 対する主要な関心・欲求が、所得・消費といった経済的な領域から、 経済・環境・教育・安全などを含むより広い社会的な次元へ広がって おり、社会指標が福祉水準の指標として適切であるとしている。 㻌 綿貫 伸一郎 () 福祉水準 福祉領域を「所得・富・雇用」「住居」「健康・医療」「環境」「安 全」「教育」の6つに設定した。 新田 功 () 福祉指標 人々の福祉に関する意識構造を近似的に表現していることが必要であ り、「所得・消費」「住宅」「居住環境」「保健・医療」「教育・文 化」「労働」「家族病理」「安全」「連帯」の9つの領域を設定し た。 ― 152 ―
砂川亜紀美 : 日本における福祉の指標に関する研究の動向
④ 「豊かさ指標」の概念・定義
1990 年代に入り、経済企画庁が発表する国民生活白書(1991 年版)の副題を「東京と地 方―ゆたかさへの多様な選択」とし、「生活の豊かさ指標」( 地域別豊かさ指標 ) を公表した。 1992 年には国民生活局がそれまで 1986 年から 1991 年まで続いていた「国民生活指標(NSI: New Social Indicators)」をさらに発展させ、国民の生活の豊かさを多面的に捉えるために「新 国民生活指標(PLI:Peoples Life Indicators)」、いわゆる「豊かさ指標」を公表した。8つの 活動領域(住む、費やす、働く、育てる、癒す、遊ぶ、学ぶ、交わる)を4つの生活評価軸(安全・ 安心、公正、自由、快適)で評価し、点数化し、都道府県別に集計するという形で、1999 年 まで毎年公表された。地域別の「豊かさ指標」は、抽象的な豊かさという概念を数値化すると いう点では評価されたが、早くから実感との乖離が指摘されており、妥当性の検証などを含め 「豊かさ」というキーワードが活発に用いられるようになった。
浜野(2000)は、新国民生活指標(PLI:People’s Life Indicators)への批判を、気候条件 や郷土愛など主観的な要素が含まれていないことが不満の一つではないかとの立場からの検証 を行い、144 のデータの中から貨幣的価値で測定できない「非貨幣的データ」を選び出し総 合的な比較を試みた結果、「心の豊かさ」は複雑で、単純データ比較では捉えられず、多面的 な尺度開発が必要であることの結論に至っている。大藪(2009)は、生活者の安心を考える 際の条件を「安全」、「公平」、「自由」の3つとし、これらの3つの条件が揃っている生活を、 安心な生活、豊かな生活であると定義している。西部ら(2012)は、北海道における「豊か さ指標」の開発の試みとして、「道民ニーズ調査」を基に基礎的な統計と住民に対する生活課 題別の満足度や重要度のデータを用い、地域の多元性を反映した「豊かさ指標」を検討している。 (表4) 㻌 表3 既往研究にみる「社会指標」の概念・定義の変遷 著者(年) キーワード 概念・定義 田中 昇平 (D) 社会指標 社会指標は厳密な意味における「福祉指標」とは異なり、福祉的・福 祉関連的指標である。主目的が社会状態やその水準の把握であるなら ば、「社会指標」とよぶのが妥当。(広義の社会指標) 社会状態は一定の評価手続きを経てはじめて福祉状態に意味的に変換 されるものであり、こうした変換の基準は主に客観的指標に求めら れ、マクロな社会状態の説明変数になり得る「客観的指標」が、社会 指標の中心である。(狭義の社会指標) 田中 昇平 (E) 社会指標 福祉志向性を備えている指標を全て包括して「社会指標」とする。基 本的に社会全体のレベル、すなわち社会の次元に立って、そこにおけ る福祉の状態や水準を認識したり制御したりする具体的な分析枠組あ るいは分析用具である。 綿貫 伸一郎 () 社会指標 非貨幣的な福祉の領域も測定しようとするものであり、国民の生活に 対する主要な関心・欲求が、所得・消費といった経済的な領域から、 経済・環境・教育・安全などを含むより広い社会的な次元へ広がって おり、社会指標が福祉水準の指標として適切であるとしている。 㻌 向井 信一 () 社会指標 地域の「豊かさ」を客観的に捉える指標。社会指標の目的は「生活の 質」または「福祉」を測定することであり、社会状態に対する総合的 な満足度もしくは効用。 ― 153 ―
沖縄キリスト教短期大学紀要第 48 号 (2019) ⑤ 「幸福度・幸福度指標」の概念・定義 近年、主観的幸福感など、人々の主観的な生活の評価や幸福感を中心に、哲学に始まり、医 学、公衆衛生、心理学、社会学、経済学など様々な分野で研究が行われている。内閣府が「幸 福度に関する調査」の結果「幸福度に関する研究会報告―幸福度指標試案―」(2011)を公表 していることなども一つの背景と言えよう。 百合本(2012)は個人が幸福度の要因に対する重要度の置き具合によって、幸福度の国別 順位が大きく変わることから、幸福度の順位は個人の主観的幸福感の順位ではなく、その人の 住んでいる国の「幸福インフラ」の順位と言えるとしている。そのことから、幸福度指標を幸 福度の形成要因となりうる「幸福インフラ」の指標化、定量化として捉え、その整備状態を比 較することによって、その国がどのような点に課題があるかを明らかにし、それを政策立案に 活用することは有用であるとしている。 また、幸福度指標を経済政策に応用する際に留意することについて、久米(2012)は想起、 順応、合理化の視点から、①幸福から連想する言葉や内容は人によって異なり、それが主観的 幸福度の違いをもたらす、②幸福度の尺度には限界があり、人々の幸福度の推移を統計的に把 握することは容易ではない、③ある種の世界観(信仰心など)は幸福度や所得に有意に影響す る、としている。 心理学者である内田(2012)は、「個人の幸福」に着眼した幸福度指標の適用だけでなく、 日本の陰陽思考や対人関係を重視するバランス志向的幸福感が存在するなどの、国や地域の文 㻌 表4 既往研究にみる「豊かさ指標」の概念・定義の変遷 著者(年) キーワード 概念・定義 浜野 崇好 () 生活の豊か さ指標 「心の豊かさ」は、きわめて「主観的」「多面的」で、かつ人々の意 識によって変わるという「不安定」な側面を持つ。単純データ比較で はなく、多面的な尺度開発が必要。 大藪 千穂 () 豊かな生活 指標 「生活の価値」を必要条件とし、必要条件が満たされている生活を 「豊かな生活」とし、その必要条件として「安全」、「公平」、「自 由」の3つを設定。 西部 忠・ 町野 和夫ほか () 豊かさ指標 基礎的な統計と住民に対する生活課題別の満足度や重要度のデータを 用いて、地域の生活課題の違いを統合指標に採用する項目の選択、総 合指標の計算に用いる各項目へのウェイトに反映させることで、地域 の多元性を反映する豊かさ指標開発の方向性を示した。 ― 154 ―
砂川亜紀美 : 日本における福祉の指標に関する研究の動向 化や風土に基づいた幸福概念である「文化的幸福観」の重要性を示した。さらに、福祉政策的 な視点での幸福度指標の検討のため、日本の特徴を福祉国家論の家族主義レジームの視点から 検討した清水池義治ら(2014)は、「幸福度」を人間の幸福の度合いを指標化したもので、対 象者の自己申告に基づく主観的指標に加え、「幸福度」を間接的に示すと考えられる客観的指 標も含むものであるとしている。同じく福祉学領域において長谷中らは、地域福祉計画評価の 指標開発に向けて、身体的・精神的健康度と幸福度の関連(長谷中ら 2014)、地域レベルに おけるソーシャル・キャピタルと幸福度の関連(長谷中ら 2015)、多元的な評価の中で事前 評価に位置づけられる地域診断に着目し等価所得と主観的健康感、主観的幸福感(幸福度)と の関連(長谷中ら 2016)を検証し、いずれも幸福度を測る指標として既存の主観的幸福感を 用いており、幸福度を測るための要素そのものについての検討は見られない。白石ら(2016) は幸福感を「人々の人生の positive な評価」、「肯定的な感情、関与、満足と価値を含む」、主 観的であいまいなものであるとし、幸福を検討する経済学の領域ではアンケート調査で回答者 に直接(現在の)主観的な幸福感を尋ねてその回答結果を幸福度とする方法とっているとして いる。 高 尾(2018) は、 幸 福 度 は ① 一 時 的 な 感 情 や 心 の 状 態 を 示 す 感 情 と し て の 幸 福 感 (Happiness)、②日常生活全般に関する評価としての生活満足感(Life Satisfaction)、③人生 の意味や目的としての幸福を示すエウダイモニア(Eudaimonia)の3つの側面を持つことから、 幸福度指標に生活満足度、人生満足度、主観的幸福度の3つを用いている。(表5) 「幸福度指標」の研究としては、幸福度をいかに測定するのか、その構成要素についての検 討が多くなされている。個人の幸福度を表す要素として主観的幸福感を用いる傾向が多いが、 客観的指標で表すための要素の検討もなされている。また、国や地域性から文化的な幸福観の 重要性にも着目する研究もあるが、しかしながら、人が捉える「幸福」の概念は多様で、かつ 人が「幸福」から連想する言葉や内容、世界観によっても違いをもたらすことなどが指摘され、 構成要素に統一した見解はみられない。 個人の幸福度の測定には限界があり、幸福度の形成要因となりうる客観的指標として「幸福 インフラ」の指標化の提案などもなされており、様々な視点から指標化、定量化に向けて研究 がなされている。 㻌 表5 既往研究にみる「幸福度・幸福度指標」の概念・定義の変遷 著者(年) キーワード 概念・定義 百合本 茂 () 幸福度 幸福度の順位は、個人の主観的幸福感の順位ではなく、その人の住んで いる国の「幸福インフラ」の順位である。幸福度の形成要因となりうる 「幸福インフラ」の指標化、定量化として捉えるもの。 久米 功一 () 幸福度指標 想起、順応、合理化の視点から、幸福度指標を経済政策に応用する際の 3つの留意点として、①幸福から連想する言葉や内容は人によって異な り、それが主観的幸福度の違いをもたらす、②幸福度の尺度には限界が あり、人々の幸福度の推移を統計的に把握することは容易ではない、③ ある種の世界観(信仰心など)は幸福度や所得に有意に影響する、とし ている。 内田 由紀子 () 幸福度指標 「文化的幸福」を捉えることが重要であることを指摘。「個人の幸福」 に着眼した幸福度指標の適用だけでなく、国や地域の文化や風土に基づ いた幸福概念である文化的幸福観、地域や社会全体の集合的幸福感を考 慮することが必要であるとした。 清水池 義治・ 吉中 季子 () 幸福度指標 「幸福度」を人間の幸福の度合いを指標化したものと定義。対象者の自 己申告に基づく主観的指標に加え、「幸福度」を間接的に示すと考えら れる客観的指標も含むもの。 ― 155 ―
沖縄キリスト教短期大学紀要第 48 号 (2019) 㻌 長谷中 崇志・ 高瀬 慎二 (・・ ) 幸福度 幸福度を測る指標として、主観的幸福感を用いている。 白石 小百合・ 白石 賢 () 幸福感 「人々の人生の SRVLWLYH な評価」、「肯定的な感情、関与、満足と価値 が含まれている。」幸福感は主観的であいまい。 幸福の経済学では、アンケート調査で回答者に直接(現在の)主観的な 幸福度 人々に幸福感について質問しその回答結果を幸福度としている。 高尾 真紀子 () 幸福度 ①一時的な感情や心の状態を示す感情としての幸福感(+DSSLQHVV)、 ②日常生活全般に関する評価としての生活満足感(/LIH6DWLVIDFWLRQ)、 ③人生の意味や目的としての幸福を示すエウダイモニア((XGDLPRQLD) の3つを含んでいるとされている。2(&' の定義を採用。 幸福度指標 生活満足度、人生満足度、主観的幸福度の3つを用いる。 㻌 表5 既往研究にみる「幸福度・幸福度指標」の概念・定義の変遷 著者(年) キーワード 概念・定義 百合本 茂 () 幸福度 幸福度の順位は、個人の主観的幸福感の順位ではなく、その人の住んで いる国の「幸福インフラ」の順位である。幸福度の形成要因となりうる 「幸福インフラ」の指標化、定量化として捉えるもの。 久米 功一 () 幸福度指標 想起、順応、合理化の視点から、幸福度指標を経済政策に応用する際の 3つの留意点として、①幸福から連想する言葉や内容は人によって異な り、それが主観的幸福度の違いをもたらす、②幸福度の尺度には限界が あり、人々の幸福度の推移を統計的に把握することは容易ではない、③ ある種の世界観(信仰心など)は幸福度や所得に有意に影響する、とし ている。 内田 由紀子 () 幸福度指標 「文化的幸福」を捉えることが重要であることを指摘。「個人の幸福」 に着眼した幸福度指標の適用だけでなく、国や地域の文化や風土に基づ いた幸福概念である文化的幸福観、地域や社会全体の集合的幸福感を考 慮することが必要であるとした。 清水池 義治・ 吉中 季子 () 幸福度指標 「幸福度」を人間の幸福の度合いを指標化したものと定義。対象者の自 己申告に基づく主観的指標に加え、「幸福度」を間接的に示すと考えら れる客観的指標も含むもの。 ― 156 ―
砂川亜紀美 : 日本における福祉の指標に関する研究の動向 IV. まとめ 1960 年代以降、所得水準が人びとの福祉水準と必ずしも一致せず、従来の経済指標だけで は、本当の意味での幸せや豊かさを把握できないとの問題意識のもと、経済指標に変わる福祉 指標や社会指標についての研究に注目が集まってきた。以降、人びとの幸せとより良い暮らし を目指し、「福祉(well-being)」を達成されるべき状態として、「福祉の指標」の研究は経済 学領域を中心に多くの学問領域でなされ、「福祉指標」「社会指標」「豊かさ指標」「幸福度指標」 など、多様なキーワードを用いながら、指標開発や研究がなされてきた。現在でも、様々な用 語を用い、概念や定義については必ずしも十分な整理がなされていないのが現状である。本研 究は、福祉学の立場から福祉(well-being)の充実度を測定する指標研究の方向性を検討する ために、日本における「福祉の指標」研究をサーベイし、①用語の概念や定義を時系列に整理 し、②福祉の指標研究の動向を踏まえ、今後の方向性について整理することを目的として検討 してきた。 その結果、①指標の目的として取り上げられていた、「福祉(welfare)」、「ウェルビーイン グ」、「well-being」などはそれぞれ異なる用語ではあるものの、いずれも、人々が幸せでより 良い暮らし、望ましい状態であり、達成されるべき状態・水準であることを表していることが 明らかになった。 ②目的としての状態「福祉(welfare)」「ウェルビーイング」「well-being」は大きく変わら ないままでありながらも指標そのものは「福祉指標」―「社会指標」―「豊かさ指標」―「幸 福度指標」へと姿を変え、名称を変えながら変遷してきている。1960 年代の貨幣指標から非 貨幣指標への移り変わりとともに、「福祉指標」との用語で福祉水準の指標化に向けての検討 が多く見られ、70 年代頃から、人々の目指す生活の多様性を踏まえた指標としては「福祉指 標」もまた「社会指標」の一つであるとの見解が広まり、「福祉指標」にかわり「社会指標」 という用語が多用されるようになっている。90 年代に入ると、国が次々に「豊かさ」を測る ための指標を発表したことも相まって、国民の生活の「豊かさ」を多面的に捉え、かつ「豊か さ」という抽象的な概念を数値化することへの関心が高まり「豊かさ指標」へと移行している。 2000 年代に入ると「幸福度」の構成要素、測定方法、幸福度との関連指標などの「幸福度指標」 研究が多くなされているもの、まだ研究成果の蓄積段階というところであり、統一した見解は みられない。 また、指標の目的や指標そのものを表す用語についての概念や定義は、研究者間、学問領域 間において若干の関連性が見られるものもあるが、強い関連性はみられず、独立した検討がな 㻌 長谷中 崇志・ 高瀬 慎二 (・・ ) 幸福度 幸福度を測る指標として、主観的幸福感を用いている。 白石 小百合・ 白石 賢 () 幸福感 「人々の人生の SRVLWLYH な評価」、「肯定的な感情、関与、満足と価値 が含まれている。」幸福感は主観的であいまい。 幸福の経済学では、アンケート調査で回答者に直接(現在の)主観的な 幸福度 人々に幸福感について質問しその回答結果を幸福度としている。 高尾 真紀子 () 幸福度 ①一時的な感情や心の状態を示す感情としての幸福感(+DSSLQHVV)、 ②日常生活全般に関する評価としての生活満足感(/LIH6DWLVIDFWLRQ)、 ③人生の意味や目的としての幸福を示すエウダイモニア((XGDLPRQLD) の3つを含んでいるとされている。2(&' の定義を採用。 幸福度指標 生活満足度、人生満足度、主観的幸福度の3つを用いる。 ― 157 ―
沖縄キリスト教短期大学紀要第 48 号 (2019) されていることが明らかになった。用語の整理がなされないまま、測定・評価に用いられてい る場合もあり、今後は、明確な目的や定義の設定を行ない、その上で測定の方法や構成要素の 妥当性について検討される必要がある。 これらの動向を踏まえ、福祉学領域においても地域社会の「好ましい」あり方や「住みよい」 地域の判断基準について十分に検討する必要があり、「数量的に地域レベルの福祉の充実度を 理解する比較可能な指標(福祉度指標)」を検討していく方向性を得た。 V. 引用文献・参考文献 労働科学研究所編(1960)『日本の生活水準』労働科学研究所 . 宇佐美昇朗(1972)「新しい福祉指標を求めて -- 公害体制矛盾論と「くたばれ GNP」論への 一つの反論」『ソフィア』(上智大学)20(4),51-61. NNW 開発委員会報告(1973)『新しい福祉指標 NNW』経済審議会 NNW 開発委員会 大蔵 省印刷局 . 国民生活審議会調査部会編(1974)『社会指標―よりよい暮らしへの物さし』大蔵省印刷局 . 高田真治(1975)「社会福祉計画論序説 -3- 社会福祉計画と福祉指標」『関西学院大学社会学 部紀要(関西学院大学社会学部)30, 35-45. 田中昇平(1977)「福祉指標の必要性と可能性」『経済と経営』(札幌大学)7(3),45-83. 安藤文四郎(1978)「福祉指標と福祉問題」『現代社会学』アカデミア出版会 10, 34-57. 国民生活審議会生活の質委員会編(1979)『(新版)社会指標―よりよい暮らしへの物さし』 大蔵省印刷局 . 富川盛武(1979)「福祉指標に関する一考察 : 量・質を兼ね備えた「真の豊かさ」の測定をめ ざして」『沖縄国際大学商経学部商経論集』(沖縄国際大学)7(2),1-18. 田中昇平(1981a)「福祉指標論の方法論的考察」『経済と経営』(札幌大学)12(1), 23-49. 田中昇平(1981b)「福祉指標論の方法論的考察」『経済と経営』(札幌大学)12(3), 19-52. 新田功(1982)「国際連合における福祉指標の開発に関する一考察」『政経論叢』(明治大学政 治経済研究所)51(1), 51-85. 田中昇平(1983)「福祉の測定について : 北海道における社会指標への志向」『経済と経営』(札 幌大学)14(1), 1-30. 綿貫伸一郎(1983)「社会指標による福祉水準の地域間比較の試み」『大阪府立大學經濟研究』 (大阪府立大学)28(3), 34-54. 国民生活審議会総合政策部会調査委員会編(1986)『国民生活指標―NSI(New Social Indicators)―』大蔵省印刷局 . 新田功(1988)「福祉指標の作成における因子分析の利用について」『政経論叢』(明治大学政 治経済研究所)57(1), 101-143. 経済企画庁(1991)『国民生活白書 東京と地方―ゆたかさへの多様な選択』大蔵省印刷局 . 増田萬孝(1996)「人間開発と女性の開発参加」『帯広畜産大学学術研究報告』(帯広畜産大学) 19(4), 213-222. 広岡博之(1996)「豊かさや生活の質を計測する社会経済指標の検討」『重点領域研究総合的 地域研究成果報告書シリーズ : 総合的地域研究の手法確立 : 世界と地域の共存のパラダイム を求めて』文部省科学研究費補助金重点領域研究「総合的地域研究」総括班 21, 31-46. ― 158 ―
砂川亜紀美 : 日本における福祉の指標に関する研究の動向
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