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日本食物繊維研究会第8回学術集会講演要旨

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日本 食 物 繊 維 研 究 会 誌Vo1.7 No.2(2003)

日本食物繊維研 究会第8回 学術集会講演 要 旨

会 期:平 成15年11月21日(金)∼22日(土) 会 場:阿 波 観 光 ホ テ ル 学 術 集 会 長:郡 英 明(株)大 塚 製 薬 工 場 Ⅰ.一 般 講 演 座 長:岸 田太 郎(愛 媛 大 学) 1  飼 料 中の ペ ク チ ン とお か ら食 物 繊 維 の 小 腸 粘 膜 の 消 化 酵 素 活 性 と形 態 に 及 ぼ す 影 響 ○ 小 貫 順 子1,岡 久 美 子1,福 田 加 奈 美1,池 上 幸 江1,山 本 恭 子1,青 江 誠 一 郎1,今 井 智 恵 子2,山 田 和 彦2 (大妻 女 子 大 学1,国 立 健 康 ・栄 養 研2) 2  ヒ トお よ び ラ ッ ト小 腸 粘 膜 二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 の 比 較 と そ の 特 徴 ○ 奥 恒 行,中 村 禎 子(県 立 長 崎 シ ー ボ ル ト大 ・栄 養 健 康),小 川 繁 晴(十 善 会 病 院), 貞 森 直 樹(県 立 長 崎 シ ー ボル ト大 ・看 護) 3  ヒ トに お け る マ ル チ トール 誘 発 下 痢 に 対 す る グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物 の 抑 制 効 果 ○ 中村 禎 子,奥 恒 行(県 立 長 崎 シ ー ボ ル ト大 ・栄 養 健 康) 4  乳 果 オ リゴ 糖 配 合 粉 末 飲 料 の 摂 取 が健 常 女 子 大 学 生 の 排 便 お よび 糞 便 内 菌 叢 に 及 ぼ す 影 響 ○ 宮 井 俊 治,秋 庭 正 典(H+Bラ イ フ サ イ エ ン ス),村 枝 陽 子,片 山(須 川)洋 子(福 岡 女 子 大 ・院), 山 下 亀 次 郎(筑 波 記 念 病 院) 座 長:青 江 誠 一 郎(大 妻 女 子 大 学) 5  ヒ トの 耐 糖 能 お よび 脂 肪 摂 取 後 の 血 清 中 性 脂 肪 上 昇 に及 ぼ す ポ リデ キ ス トロ ー ス摂 取 の 影 響 ○ 下 村 吉 治,長 崎 大,村 上 太 郎,松 尾 昌 幸,前 田憲(名 古 屋 工 業 大 学 大 学 院,工 学 研 究 科) 6  卵 巣 摘 出 ラ ッ トに お け る老 化 デ ン プ ンの 血 清 コ レス テ ロ ール 低 下 作 用 ○ 岸 田 太 郎,澤 内 裕 美,海 老 原 清(愛 媛 大 ・農) 7  高 脂 肪 ・タ ンパ ク質 食 に ワ カ メ投 与 の ラ ッ ト血 清 成 分 の 影 響 ○ 谷 政 八,小 林 恭 一*,新 庄 絹 代,池 田 涼 子,谷 洋 子,三 谷 勝 己 (仁 愛 短 大 ・生 活 科 学,福 井 県 食 品 加 工 研*) 座 長:岡 松 洋(大 塚 製 薬(株)) 8  市 販 食 物 繊 維 に よ る ラ ッ ト糞 便 へ の ダ イオ キ シ ン類 排 泄 促 進 作 用 の 検 討 ○ 斎 藤 高 雄,野 田恒 行,甲 田 哲 之,井 上 正 一 郎,岡 松 洋(大 塚 製 薬(株)大 津 栄 養 製 品 研 究 所) 9  有 機 塩 素 系 環 境 汚 染 物 質 の 体 内 蓄 積 に 関 す る 食 物 繊 維 の 影 響 ○ 齊 藤 木 綿 子,梅 木 美 樹,山 本 恭 子,堀 口 美 恵 子,青 江 誠 一 郎,池 上 幸 江 (大 妻 女 子 大 学) 10  高 脂 血 症,糖 尿 病,肝 臓 障 害 ラ ッ トに 及 ぼ す 機 能 性 食 品 素 材 の 影 響― 安 全 性 の 検 討― 〇 江 頭 祐 嘉 合,土 岐 理 津 子,野 口 武 昭,笹 原 祥 吾,真 田 宏 夫(千 葉 大 ・園 芸 ・食 品 栄 養) Ⅱ.特 別 講 演 座 長:池 田 義 雄((株)タ ニ タ体 重 科 学 研 究 所)

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Ⅲ.シ ン ポ ジ ウ ム:摂 食 ・嚥 下 障 害 の 介 護 食 品 ・食 事 の 具 備 す べ き 性 状 と 開 発 の 現 状 座 長:郡 英 明((株)大 塚 製 薬 工 場) 1.基 調 講 演 摂 食 ・嚥 下 障 害 の 生 理 と リハ ビ リテ ー シ ョ ンの 現 状 才 藤 栄 一(藤 田 保 健 衛 生 大 学) 2.シ ン ポ ジ ウ ム 1)摂 食 ・嚥 下 障 害 者 用 食 品 の 物 性 と お い し さ 畑 江 敬 子(お 茶 の 水 女 子 大 学) 2)高 齢 者 の 生 理 機 能 と介 護 用 食 品 の 開 発 濱 千 代 善 規(キ ユ ー ピ ー(株)研 究 所) 3)摂 食 ・嚥 下 障 害 者 の 介 護 と 食 事 金 谷 節 子(聖 隷 三 方 原 病 院) シ ン ポ ジ ウ ムⅡ:機 能 性 食 品 の 評 価 一 特 定 保 健 食 品 か らグ ロ ーバ ル ス タ ン ダ ー ドへ 一 座 長:池 上 幸 江(大 妻 女 子 大 学) 1.特 定 保 健 用 食 品 の 現 状 と食 物 繊 維 の 評 価 大 隈 一 裕(松 谷 化 学 工 業 株 式 会 社) 2.ト ク ホ の 評 価 法 の 現 状 と 問題 点 梶 本 修 身(大 阪 外 大 保 健 セ ン タ ー,(株)総 合 医 科 学 研 究 所) 3.ヨ ー ロ ッパ に お け る機 能 性 食 品PASSCLAIMプ ロ ジ ェ ク トを 中心 に 清 水 俊 雄(フ レス コ ・ジ ャパ ン) 4.コ ー デ ック ス に お け るグ ロ ー バ ル ス タ ン ダ ー ドへ の 展 開 浜 野 弘 昭(ダ ニ ス コ ジ ャパ ン(株)) 5.総 合 討 論 お こ と わ り 紙 面 の 都 合 上,講 演 要 旨集 の 図表 を割 愛 させ て い た だ き ま し た 。

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日本食 物 繊 維 研 究 会 誌Vol.7 No.2(2003) ● 一般講 演

1.飼

料 中 のペ ク チ ン とお か ら食 物繊 維 の小 腸 粘 膜 の

消 化 酵 素活 性 と形 態 に及 ぼす 影 響

○ 小 貫 順 子1,岡 久 美 子1,福 田 加 奈 美1,池 上 幸 江1,山 本 恭 子1,青 江 誠 一 郎1,今 井 智 恵 子2,山 田 和 彦2 (大 妻 女 子 大 学1,国 立 健 康 ・栄 養 研2) 【目 的 】  我 々 の こ れ ま で の 研 究 で,小 腸 粘 膜 の 消 化 酵 素 活 性 と形 態 に 対 して 食 物 繊 維 の 中 で 特 に,ペ ク チ ン と お か ら食 物 繊 維 が 影 響 を与 え る こ と が 分 か っ た 。 水 溶 性 で 粘 性 の あ る ペ ク チ ン で は 膵 臓 の 消 化 酵 素 の 活 性 を 高 め,十 二 指 腸 と空 腸 の 二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 を低 下 させ る こ と が 分 か り,一 方,不 溶 性 の お か ら食 物 繊 維 を与 え た ラ ッ トで は,十 二 指 腸 と空 腸 の 消 化 酵 素 活 性 を高 め る こ と が 分 か っ た 。 す な わ ち ペ ク チ ン と お か ら食 物 繊 維 で は,小 腸 粘 膜 の 二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 に対 す る影 響 は異 な っ て い た 。 こ の よ う な ペ ク チ ン と お か ら食 物 繊 維 の 違 い は,そ れ ぞ れ の 食 物 繊 維 に 固 有 の もの で あ る の か,小 腸 に 対 す る影 響 の 強 さ に基 づ く も の か は 明 らか で な い 。  そ こ で 本 研 究 で は,ペ ク チ ン と お か ら食 物 繊 維 の 飼 料 中 の レベ ル を 変 え て ラ ッ トに 投 与 す る こ と に よ り, 小 腸 粘 膜 の 消 化 酵 素 の 分 布 と,形 態 変 化 に 与 え る影 響 につ い て さ らに 検 討 した 。 【方 法 】  実 験 に は5週 齢 のSprague Dawley系 雄 ラ ッ ト1群6 匹 を 用 い,セ ル ロ ー ス5%を コ ン トロ ー ル と し,お か ら,ペ ク チ ンは 総 食 物 繊 維 と して 各2,5,10%を 含 む 飼 料 を20日 間 自 由 摂 取 させ,体 重 と飼 料 摂 取 量 を測 定 し た 。 お か ら は脱 脂,エ タ ノ ール に よ る洗 浄 等 の 前 処 理 を行 っ た 。 飼 料 の た ん ぱ く質,食 物 繊 維 含 量 は 同 じ に な る よ う に調 製 した 。  ラ ッ トは 解 剖 後,臓 器 重 量 を 測 定 し,小 腸 は 十 二 指 腸,空 腸,回 腸 の 部 位 別 粘 膜 を剥 離 採 取 し,二 糖 類 水 解 酵 素 活 性(マ ル ター ゼ,ス ク ラ ー ゼ,ラ ク タ ー ゼ, ト レハ ラ ー ゼ)を 測 定 し た 。 小 腸 の 各 部 位 の 一 部 に つ い て,ヘ マ トキ シ リ ン ・エ オ ジ ン染 色 して顕 微 鏡 観 察 を行 い,絨 毛 の 高 さ及 び ク リプ トの 深 さを 測 定 した 。 【結 果 】  各 群 間 に お い て 体 重 増 加 量 に 有 意 差 は 見 られ な か っ た 。 飼 料 中 の 食 物 繊 維 レベ ル と消 化 管 重 量 は ペ クチ ン 群 で は 正 の 相 関 が 認 め られ,お か ら群 で は 相 関 性 が 見 られ な か っ た 。  十 二 指 腸 に お い て は,ペ ク チ ン群,お か ら群 と も絨 毛 が 長 く な る に つ れ て 酵 素 活 性 も高 ま り,特 に お か ら 群 の 方 が 高 い酵 素 活 性 を示 して い た 。 空 腸 に お い て は, ペ クチ ンの 飼 料 中 レベ ル の 増 加 と と も に絨 毛 は 長 く な り,酵 素 活 性 も高 ま っ た 。 お か ら群 の 酵 素 活 性 は5, 10%群 が 同 等 に 高 か っ た が,絨 毛 は5%群 で 最 も長 く, 10%群 で 最 も短 か っ た 。 回 腸 に お い て は,ペ ク チ ン群 の 絨 毛 が5%群 で 最 も長 く,酵 素 活 性 は10%群 が 最 も 高 か っ た 。 お か ら群 で は ほ と ん ど影 響 が 見 られ な か っ た 。 【考 察 】  こ の 研 究 よ り,小 腸 粘 膜 の 吸 収 上 皮 細 胞 に 対 す る食 物 繊 維 の 影 響 が 粘 性 の あ る ペ ク チ ンの よ う な 水 溶 性 食 物 繊 維 と お か らの よ うな 不 溶 性 食 物 繊 維 で は 異 な る こ とが 分 か っ た 。 い ず れ の 場 合 で も,消 化 管 に 対 す る影 響 は 飼 料 中 の レベ ル が5%の 場 合 が生 体 に と っ て 好 ま しい の で は な い か と考 え ら れ る 。 人 の 食 生 活 で 考 え る と 両 方 の 食 物 繊 維 を 混 合 して 摂 取 して い るの で 両 方 の 作 用 が あ る と考 え られ るが,水 溶 性 と不 溶 性 の 割 合 は 後 者 が 多 い の で お か ら摂 取 時 の 様 な効 果 が 強 く 出 て い る もの と思 わ れ る。 今 後 は 食 物 繊 維 の 粘 性 と機 械 的 刺 激 の 作 用 機 構 の 相 違 を 明 確 に し,さ ら に血 中 コ レス テ ロ ー ル や 血 糖 値 低 下 な ど の 作 用 と の 関 連 も明 らか に す る こ と が 必 要 で あ る 。

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● 一般講 演

2.ヒ

トお よび ラ ツ ト小腸 粘 膜 二 糖類 水 解 酵 素活 性 の

比 較 とそ の特 徴

○ 奥 恒 行,中 村 禎 子(県 立 長 崎 シ ー ボ ル ト大 ・栄 養 健 康),小 川 繁 晴(十 善 会 病 院), 貞 森 直 樹(県 立 長 崎 シ ー ボ ル ト大 ・看 護) 【目 的 】  食 物 繊 維,難 消 化 性 オ リゴ 糖 や 糖 ア ル コ ール な ど の 難 消 化 性 糖 質 は ヒ トの 健 康 の 保 持 増 進 に寄 与 す る機 能 を 具 備 して お り,特 定 保 健 用 食 品 や 一 般 食 品 の 食 品 素 材 と して 広 く利 用 され て い る。 これ らの 二 糖 類 お よ び オ リ ゴ糖 の 消 化 性 お よ び 生 理 的 効 果 は,ラ ッ トや マ ウ ス な ど の 実 験 動 物 や 特 殊 な 細 胞 を用 い た 実 験 結 果 を ヒ トに 外 挿 して 評 価 して い る 。 しか し,難 消 化 性 糖 質 に 対 す る小 腸 二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 な らび に そ の 存 在 形 式,そ れ ら に 対 す る阻 害 物 質 の 作 用 機 序 な ど が ヒ トお よ び ラ ッ トで ど の よ う に異 な る か は ほ と ん ど明 らか で な い 。 本 研 究 の 目的 は,ヒ トな らび に ラ ッ トの 小 腸 粘 膜 二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 を 測 定 し て そ の 相 対 的 比 活 性 を 比 較 し,さ ら に,二 糖 類 水 解 酵 素 に対 す る 阻 害 物 質 の 効 果 や そ の機 序 を検 討 して,ラ ッ ト水 解 酵 素 活 性 測 定 値 か ら ヒ トに お け る糖 質 の 消 化 性 を外 挿 す る と き の 基 礎 資 料 を作 る こ とで あ る。 【方 法 】  ヒ ト小 腸 は 外 科 手 術 時 に 摘 出 した 組 織 小 片 を 用 い た 。 凍 結 保 存(-80℃)し て い た 組 織 片 を 解 凍 後, 0.9%NaClで 洗 浄 し,氷 冷 ガ ラ ス板 上 で ス ラ イ ドグ ラ ス を 用 い て 粘 膜 を 剥 離 し た 。 ラ ッ ト(Wistar系,雄, 約300g,5匹)小 腸 は,AIN93に 準 じた 組 成 の 飼 料 で3 週 間 飼 育 後,16時 間 絶 食 させ た ラ ッ トの 全 小 腸 を 用 い た 。 剥 離 し た ヒ トお よ び ラ ッ ト小 腸 粘 膜 に0.9%食 塩 水 を9倍 量 加 え,ポ リ トロ ン を用 い て10%ホ モ ジ ネ ー ト を調 製 し,そ れ を適 当 に 希 釈 して 二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 の 測 定 に 用 い た 。 ヒ ト小 腸 組 織 片 の 実 験 へ の 供 用 に あ っ た て は,県 立 長 崎 シ ー ボ ル ト大 学 お よび 当 該 病 院 の 倫 理 委 員 会 の 審 査 を 経 た 後,各 患 者 本 人 に 対 して 摘 出 した 小 腸 片 を研 究 に利 用 す る こ と につ い て の イ ン フ ォ ー ム ドコ ンセ ン トを行 っ た  二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 の 測 定 実 験 の 基 質(い ず れ も純 度99%以 上)に は,マ ル トー ス,イ ソ マ ル トー ス,ト レハ ロ ー ス(い ず れ も 林 原 生 物 化 学 研 究 所),ス ク ロ ー ス ,ラ ク トー ス(い ず れ も和 光 純 薬 工 業)を 使 用 し た 。 阻 害 物 質 に は,桑 葉 抽 出 物(ト ヨ タ マ 健 康 食 品) お よ びL-ア ラ ビ ノ ー ス を用 い た 。 桑 葉 抽 出 物 に つ い て は,解 凍 後,20,000×g(4℃)で30分 間 遠 心 分 離 し た 上 清 を 適 当 に 希 釈 し て 用 い た 。 二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 は グ ル コ ー ス オ キ シ ダ ー ゼ を 用 い るDahlqvistら の 方 法 を 一 部 改 変 し て 測 定 し,た ん ぱ く 質 濃 度 はBradfordら の 方 法 で 測 定 し た 。 酵 素 比 活 性 は μmoles hydrolyzed substrate/mg protein/hで 示 し た 。 【結 果 お よ び 考 察 】  ヒ ト小 腸 粘 膜5例 の 平 均 二 糖 類 水 解 酵 素 比 活 性(μ moles hydrolyzed substrate/mg protein/h)は,ス ク ラ

ー ゼ2 .94±1.99,マ ル タ ー ゼ13.31±5.41,イ ソ マ ル タ ー ゼ2 .72±1.60,ラ ク タ ー ゼ0.03±0.09,ト レ ハ ラ ー ゼ 0.49±0.52で,バ ラ ツ キ が 非 常 に 大 き か っ た 。 こ れ は 採 取 し た 小 腸 部 位 が 患 者 に よ っ て 異 な り,回 腸 や 空 腸 下 部 で あ っ た た め で あ る 。 特 に,回 腸 下 部 で は,ラ ク タ ー ゼ 活 性 は 検 出 限 界 以 下 で あ り,ま た ト レ ハ ラ ー ゼ 活 性 も 回 腸 下 部 で 非 常 に 低 か っ た 。  ス ク ラ ー ゼ 比 活 性 を1.0と し た 時,マ ル タ ー ゼ4.53, イ ソ マ ル タ ー ゼ0.93,ラ ク タ ー ゼ0.01,ト レ ハ ラ ー ゼ 0.17と な っ た 。 こ れ に 対 し て ラ ッ トで は,ス ク ラ ー ゼ 比 活 性 を1.0と し た 時,マ ル タ ー ゼ5.44,イ ソ マ ル タ ー ゼ1.80,ラ ク タ ー ゼ0.23,ト レ ハ ラ ー ゼ0.56と な り, 次 元 が1桁 や2桁 も 異 な る こ と は な か っ た 。 す な わ ち, ヒ ト と ラ ッ トに お け る 二 糖 類 水 解 酵 素 活 性 の 相 対 的 な 分 布 は き わ め て 類 似 し て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。   一 方 ,ヒ ト小 腸 二 糖 類 水 解 酵 素 に 対 す る 桑 葉 抽 出 物 の 阻 害 効 果 は,ス ク ラ ー ゼ,マ ル タ ー ゼ,イ ソ マ ル タ ー ゼ(パ ラ チ ナ ー ゼ)に 対 し て は ラ ッ トと 同 程 度 あ る い は や や 強 い 程 度 に 観 察 さ れ た 。 し か し,ラ ク タ ー ゼ と ト レ ハ ラ ー ゼ に 対 し て は,個 体 差 が 大 き く 一定 の 法 則 性 は 認 め ら れ な か っ た 。L-ア ラ ビ ノ ー ス は ヒ トな ら び に ラ ッ トニ 糖 類 水 解 酵 素 に 対 し て 類 似 し た 阻 害 効 果 を 示 し た が,桑 葉 抽 出 物 に 比 べ て 弱 い 阻 害 を 示 し た 。   以 上 の 結 果,ヒ トニ 糖 類 水 解 酵 素 活 性 は 小 腸 部 位 お よ び 個 体 に よ る 差 異 が 顕 著 で あ る こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た,ヒ ト小 腸 に お け る ス ク ラ ー ゼ,マ ル タ ー ゼ, イ ソ マ ル タ ー ゼ の 相 対 活 性 は ラ ッ トの そ れ と 類 似 し て い る が,ラ ク タ ー ゼ お よ び ト レ ハ ラ ー ゼ の 相 対 活 性 は ヒ トと ラ ッ トで 顕 著 に 異 な る こ と が 明 ら か に な っ た 。

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日本 食物 繊 維研 究 会誌Vol.7No.2(2003) ● 一般講 演

3.ヒ

トにお け るマ ル チ トール 誘 発 下痢 に対 す る

グ ア ーガ ム 酵 素分 解 物 の抑 制効 果

○ 中 村 禎 子,奥 恒 行(県 立 長 崎 シ ー ボ ル ト大 ・栄 養 健 康 学 科) 【目的 】  マ ル チ トー ル な ど の 難消 化 吸 収 性 甘 味 糖 質 は 砂 糖 代 替 甘 味 料 と して 広 く加 工 食 品 に 使 用 され て い る。 しか し,大 量 摂 取 す る と高 浸 透 圧 性 の 下 痢 を誘 発 す る た め, 加 工 食 品 へ 用 い る場 合 に は そ の 使 用 量 に留 意 す る 必 要 が あ る。 一 方,グ ア ー ガ ム な ど の 食 物 繊 維 は 流 動 食 摂 取 の 病 弱 者 に起 こ る 下 痢 の 予 防 や 乳 幼 児 に お け る非 コ レ ラ性 の 下 痢 を改 善 す る効 果 な ど が確 認 され て い る 。 そ れ ゆ え,グ ア ー ガ ム な ど の 食 物 繊 維 を マ ル チ トー ル な ど と組 み 合 わ せ て 同 時 に 摂 取 す る と,マ ル チ トー ル 摂 取 に よ っ て 誘 発 され る 高 浸 透 圧 性 下 痢 が抑 制 され る 可 能 性 が 考 え られ る 。 本 研 究 の 目的 は,マ ル チ トー ル な どの 糖 ア ル コ ー ル 摂 取 に よ る下 痢 誘 発 に対 す る グ ア ー ガ ム な ど の 食 物 繊 維 の 抑 制 効 果 を ヒ トに お い て 明 ら か に す る こ と で あ る 。 【被 験 者 ・実 験 方 法 】  被 験 者 は公 募 へ 応 募 して き た 学 生 の 中 か ら胃 腸 疾 患 の な い 者43人 を選 択 し た 。 試 験 の 途 中,試 験 物 質 摂 取 量 が 多 く,吐 き気 が す る な ど で 落 伍 した 者 や グ ア ー ガ ム を 加 え た試 験 物 質 が 摂 取 で き な い 者 な ど が い た た め に,最 終 的 に は34人 の デ ー タ を 解 析 に 用 い た 。 試 験 物 質 の 糖 ア ル コ ー ル と して マ ル チ トー ル(東 和 化 成), 食 物 繊 維 と して グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物(サ ン フ ァ イバ ーR ,太 陽 化 学)を 使 用 し た 。 マ ル チ トー ル 単 独 摂 取 に よ る下 痢 誘 発 性 を 観 察 す る場 合 の 摂 取 量 は10g,15g, 20g,25g,30g,35g,40gの8段 階 と し た 。 グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物 に 下 痢 抑 制 効 果 が あ る とす れ ば,マ ル チ トー ル ヘ グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物 を 添 加 した 場 合 で は マ ル チ トール 単 独 摂 取 レ ベ ル よ り も高 い レベ ル で 下 痢 を誘 発 す る もの と 考 え られ る の で,マ ル チ トー ル20g,25g, 30g,35g,40g,45gの6段 階 ヘ グ ア ー ガ ム酵 素 分 解 物5g ま た は109を 添 加 し た も の を 調 製 し た 。 これ らの 試 験 物 質 は 水 溶 液(100∼200ml)に して 食 後2時 間 以 降3時 間 まで の 間 に摂 取 す る こ と を原 則 と した 。  具 体 的 に は 以 下 の よ うに 摂 取 させ た 。(1)先ず 各 被 験 者 の マ ル チ トー ル ト単 独 摂 取 時 に よ る 最 少 下 痢 誘 発 量 を 観 察 す る た め に,マ ル チ トー ル 摂 取 量 を5gま た は 10gず つ 増 量 して 下 痢 を生 じ る まで 摂 取 させ た 。(2)そ れ ぞ れ の 被 験 者 に お い て 下 痢 を 誘 発 した マル チ トール 摂 取 レ ベ ル に グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物5gを 加 え た もの 加 し た もの を 摂 取 さ せ た 。(4)グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物 10g摂 取 で 下 痢 が 修 復 しな い と き は,そ の 時 点 で 実 験 を 中 止 し た。  便 の 状 態 は(1)コ ロ コ ロ 状(2)カ チ カ チ 状(3)バ ナ ナ 状(4) 半 練 り状(5)泥状(6)水 状 便 の6段 階 と し,泥 状 ま た は 水 状 便 が観 察 され た と き下 痢 と 判 断 した 。 こ の 他,腹 部 症 状,自 覚 症 状,身 体 状 況,排 便 状 況 も あ わ せ て 詳 細 に記 録 させ た 。 【結 果 な らび に 考 察 】 1)マ ル チ トール の 摂 取 量 と 下 痢 の 有 無 の 関 係;各 被 験 者 が 下 痢 を 誘 発 す る マ ル チ トール 摂 取 量 を 明 ら か に す る た め に,マ ル チ トー ル 摂 取 量 を 段 階 的 に 増 量 して 下 痢 が誘 発 され る ま で 摂 取 させ た 。 マ ル チ トー ル10g 摂 取 で は 誰 も 下 痢 を生 じ な か っ た が,15g摂 取 で 下 痢 を生 じた 者 は2人 で あ っ た(2/33×100=6%)。 感 受 性 が 低 い た め に マ ル チ トー ル45g摂 取 で も下 痢 を 生 じな か っ た 者 が33人 中5人(5/33×100=15%)い た 。 す な わ ち,難 消 化 性 で あ る マ ル チ トー ル の 下 痢 誘 発 性 は き わ め て個 体 差 が 大 き い こ と が 明 らか に な っ た 。 2)マ ル チ トー ル の 一 過 性 下 痢 に 対 す る最 大 無 作 用 量;下 痢 を した 被 験 者 の マ ル チ トー ル 摂 取 量 を そ の 体 重 で 除 して,下 痢 誘 発 時 の 体 重1kg当 た りの 摂 取 量 を 算 出 した と こ ろ,最 大 無 作 用 量 は0.349/kg体 重 と な っ た 。 ま た,被 験 者 の50%が 下 痢 と 誘 発 す る 摂 取 量 (ED50)は0.76g/kg体 重 と な っ た 。 3)グ ア ー ガ ム酵 素 分 解 物 の 下 痢 抑 制 効 果;グ ア ー ガ ム酵 素 分 解 物5g添 加 で 下 痢 が 止 ま っ た 被 験 者 は,マ ル チ トー ル 摂 取 で 下 痢 を 生 じた 被 験 者28人 の う ち10人 で,有 効 率 は35.7%(10/28×100=35.7)で あ っ た 。 ま た,グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物109添 加 で 下 痢 が 止 ま っ た 被 験 者 は,グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物5g添 加 で 下 痢 が 止 ま ら な か っ た 被 験 者18人 の う ち13人 で,有 効 率 は72.2% (13/18×100=72.2)で あ っ た 。 す な わ ち,グ ア ー ガ ム 酵 素 分 解 物59ま た は109添 加 で 下 痢 が 止 ま っ た 被 験:者 は,被 験 者28人 の う ち23人 で,有 効 率 は82.1%で あ っ た 。 下 痢 抑 制 効 果 の 無 か っ た 者 は5人 で,無 効 率 は 17.9%(5/28×100=17.9)で あ っ た 。  今 回 の 実 験 で は,被 験 者 は 健 康 な 若 い 女 性 の み で あ っ た の で,男 性 に お い て も同 様 な下 痢 抑 制 効 果 が あ る か ど うか は 明 か で な い が,グ ア ー ガ ム酵 素 分 解 物 に 下

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● 一般講 演

4.乳

果 オ リゴ糖 配 合 粉 末飲 料 の摂 取 が健 常 女 子 大学 生 の

排 便 お よび 糞 便 内菌 叢 に及 ぼす 影 響

○ 宮 井 俊 治,秋 庭 正 典(H+Bラ イ フ サ イ エ ン ス),村 枝 陽 子,片 山(須 川)洋 子(福 岡 女 子 大 ・院), 山 下 亀 次 郎(筑 波 記 念 病 院) 【目 的 】  乳 果 オ リゴ 糖(別 名:ラ ク トス ク ロ ー ス,以 下LSと 略 称 す る)は 特 定 保 健 用 食 品 な どの 素 材 と して 広 く用 い られ て い る が,従 来 の もの と比 較 して 高 純 度 で 甘 味 の 低 いLS製 品 が 開 発 され,茶 飲 料 や 味 噌 汁,惣 菜 と い っ た甘 味 の な い 食 品 へ の 応 用 が期 待 され る 。  本 試 験 で は,便 秘 の 自覚 を有 す る 健 常 女 子 大 学 生 に 高 純 度 のLSを 配 合 し た 粉 末 飲 料(お 茶 風 味)を2週 間 摂 取 させ,排 便 状 況 お よ び 糞 便 内 菌 叢 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 検 討 した 。 【方 法 】  本 試 験 は,福 岡 県 の 女 子 大 学 に 通 学 す る 健 常 女 子 学 生 を対 象 に 事 前 に ア ン ケ ー トを実 施 し,こ の う ち便 秘 傾 向 を 自覚 す る以 外 に は と く に 健 康 上 の 問 題 が な く, 本 試 験 の 趣 旨 を理 解 して 同 意 の 得 られ た42名(平 均 年 齢21.0±2.1歳)を 対 象 と して 実 施 した 。  試 験 飲 料 に は,LS-90P(:LS含 有 率90%以 上,(株)横 浜 国 際 バ イ オ 研 究 所 製)を1包 あ た りLSと して3.Og含 む よ う に 配 合 し た 分 包 形 態 の 粉 末 状 飲 料 を用 い,一 方, マ ル トデ キ ス トリ ン をLSと 置 き換 え た もの を対 照 飲 料 と し た 。 両 飲 料 は,お 湯 ま た は 水 約120mLに 溶 解 して 摂 取 させ た 。 試 験 期 間 は,1週 間 の 非 摂 取 期 間(観 察 期)を 設 け た 後,試 験 飲 料 ま た は 対 照 飲 料 の 摂 取 期 間 2週 間,休 止 期 間1週 間,そ して 対 照 飲 料 ま た は試 験 飲 料 の 摂 取 期 間2週 間 の 計6週 間 の 日程 と し,排 便 状 況 に 関 す る ア ン ケ ー ト調 査 を 行 っ た 。 本 試 験 は,ダ ブ ル ブ ラ イ ン ド ・ク ロ ス オ ーバ ー法 に よ り実 施 し,本 試 験 の 対 象 者 は無 作 為 にA群(21名),B群(21名)に 振 り分 け た 。 ま た 対 象 者 の うち 同 意 が得 られ た10名 に つ い て は,糞 便 内 菌 叢 の 分 析 も行 っ た 。  さ ら に,6週 間 の 試 験 終 了 後,1週 間 の 非 摂 取 期 間 を お い て,通 常 摂 取 量 の3倍 量(LSと して9.Og)を 対 象 者 全 員 に2週 間 摂 取 させ,排 便 状 況 お よ び 腹 部 症 状 に 及 ぼ す 影 響 を ア ンケ ー トに よ り調 査 した 。 【結 果 】  対 象 者 の うち 観 察 期 の 排 便 回 数 が週5回 以 下 の 便 秘 傾 向 者36名 に つ い て は,試 験 飲 料 を2週 間摂 取 す る こ とで,1週 間 あ た りの 排 便 回 数,排 便 日数 お よ び 排 便 量(鶏 卵Mサ イ ズ の 個 数 に 見 立 て て 換 算)は 対 照 飲 料 摂 取 期 の3.7±1.5回/週,3.3±1.2日/週 お よ び7.9±3.2 個/週 に 対 して4.5±1.8回/週,3.9±1.4日/週 お よ び 9.9±4.3個/週 と な り有 意 な 増 加 が認 め られ た(P<0.01)。 一 方 ,観 察 期 の 排 便 回 数 が 週5回 よ り多 い 非 便 秘 傾 向 者6名 に つ い て は,試 験 飲 料 期 間 と対 照 飲 料 期 間 と の 間 に 有 意 差 は な か っ た 。 な お 対 象 者 全 員(42名)に つ い て は,1週 間 あ た りの 排 便 回 数,排 便 日数 お よ び 排 便 量 は 対 照 飲 料 摂 取 期 の3.9±1.6回/週,3.5±1.2日/週 お よ び8.8±4.0個/週 に 対 して4.6±1.8回/週,4.0±1.3日/ 週 お よ び10.6±4.7個/週 と な り有 意 な増 加 が 認 め ら れ た(P<0.05)。 ま た,糞 便 内 菌 叢 の 分 析 で は,試 験 飲 料 の2週 間 摂 取 に よ り糞 便 中 の 総 嫌 気 性 菌 数 に 対 す る Bifidobacterium占 有 率 の 有 意 な 増 加 が 認 め ら れ た (p<0.05)。 便 性 状 ス コ ア(便 色,便 形 状,便 の 臭 い, 排 便 後 の 爽 快 感)に つ い て は,各 試 験 期 間 を通 して 有 意 差 は な か っ た 。  通 常 摂 取 量 の3倍 量 の 試 験 飲 料 を2週 間 摂 取 させ た 場 合 に は,試 験 飲 料 摂 取 期 に 比 べ 軟 便 化 が 認 め られ た が(p<0.01),腹 部 症 状 の 発 現 お よ び 下 痢 の 誘 発 は 軽 度 で あ っ た 。  本 飲 料 を摂 取 す る こ と に よ り,糞 便 内菌 叢 が 改 善 さ れ,排 便 回 数,排 便 日数 お よ び 排 便 量 が 増 加 す る こ と が 認 め られ た 。

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日本 食 物 繊 維 研 究 会 誌Vol.7 No.2(2003) ●一般 講演

5.ヒ トの 耐糖 能 お よび 脂肪 摂 取 後 の血 清 中性 脂 肪 上 昇 に及 ぼす

ポ リデ キ ス トロー ス 摂取 の影 響

○ 下 村 吉 治,長 崎 大,村 上 太 郎,松 尾 昌 幸,前 田憲(名 古 屋 工 業 大 学 大 学 院,工 学 研 究 科) 【目 的 】  ポ リデ キ ス トロ ー ス(PD)は,水 溶 性 食 物 繊 維 と して 現 在 多 くの 食 品 の 製 造 に利 用 され て い る。 これ ま で に,PDは 一 般 的 な 食 物 繊 維 と 同 様 に,そ の 摂 取 に よ り排 便 を促 進 す る効 果 を 持 つ こ と が 明 らか に され て い る 。 しか しな が ら,ヒ トに お け る糖 お よ び 脂 肪 の 吸 収 に 及 ぼ す 影 響 は 十 分 に 検 討 され て い な い 。 そ こで, 本 研 究 で は,ヒ トに お け る グ ル コ ー ス お よび 澱 粉 の 消 化 吸 収 に対 す るPDの 同 時 摂 取 の 影 響 を 検 討 し,さ ら に チ ョコ レ ー トを 食 品 と して 用 い 脂 肪 摂 取 後 の 血 清 中 性 脂 肪(TG)上 昇 に対 す るPD摂 取 の 影 響 を検 討 した 。 【方 法 】 1.被 験 者  肥 満 お よ び 糖 尿 病 で な い 健 康 な20∼50歳 の 男 性 と女 性 で ボ ラ ン テ ィ ア と して 試 験 に 参 加 で き る者 を募 り, 耐 糖 能 試 験 で は10名 を,脂 肪 摂 取 試 験 で は5名 を被 験 者 と して 用 い た 。 本 試 験 は,ヘ ル シ ンキ 宣 言 の 精 神 に 則 り行 わ れ た 。 2.耐 糖 能 試 験  14gのPDと50gグ ル コ ー ス を 溶 解 し た100m1の 水 溶 液 を被 験 液 と した 。 夜 間 絶 食 を させ た被 験 者 に,コ ン トロ ール の 被 験 液 と してPDを 加 え な い 同 濃 度 の グ ル コ ー ス 溶 液 を 用 い た 。 澱 粉 の 消 化 吸 収 に 対 す 影 響 の 試 験 で は,グ ル コ ー ス の 代 わ りに50gの 糖 質 に 相 当 す る 食 パ ン を 摂 取 させ た 。 被 験 液 を 摂 取 後,2時 間 安 静 状 態 を 維 持 させ,そ の 間 間 欠 的 に 採 血 を行 っ た 。 血 漿 グ ル コ ー ス お よ び 血 清 イ ン ス リ ン濃 度 を 測 定 した 。 3.脂 肪 摂 取 後 の 血 清TG上 昇 に 対 す るPDの 同 時 摂 取 試 験  砂 糖 無 添 加 チ ョコ レ ー トと通 常 チ ョ コ レー ト(コ ン トロ ー ル)を 被 検 食 と して 用 い た 。 上 記 の 耐 糖 能 試 験 と同 様 の 条 件 に お い て,被 験 者 に46g砂 糖 無 添 加 チ ョ コ レ ー ト(35%(w/w)脂 肪,21%PD,19%ラ ク チ トー ル),46g通 常 チ ョコ レ ー ト(35%脂 肪,41%砂 糖), も し く は 通 常 チ ョ コ レ ー トに含 ま れ る 糖 質 と 同 量 の グ ル コ ー ス を200mlの 水 と と も に摂 取 させ,そ の 後150分 間 安 静 を保 た せ,そ の 間 間 欠 的 に 採 血 を行 っ た 。 【結 果 と考 察 】  50gの グ ル コ ー ス の み を摂 取 し た場 合(コ ン トロ ー ル)の 血 漿 グ ル コ ー ス 濃 度 は,摂 取 後 約45分 で ピ ー ク に 達 し,そ の ピ ー ク 値 の 平 均 値 は 約150mg/dlで あ っ た 。 一 方,PDを グ ル コ ー ス と 共 に 摂 取 し た場 合 の 血 漿 グ ル コ ー ス の 上 昇 で は,そ の ピ ー ク は コ ン トロ ー ル と 同 様 に 摂 取 後45分 に あ っ た が,ピ ー ク値 の 平 均 値 は 約140mg/dlで あ り,PDを 同 時 に摂 取 す る こ と に よ り 低 下 す る傾 向 に あ っ た 。 血 清 イ ン ス リ ン濃 度 の 変 化 も 血 糖 の 変 化 と ほ ぼ 同 様 で あ っ た 。 血 漿 グ ル コ ー ス と 血 清 イ ン ス リン濃 度 の 上 昇 曲 線 の 面 積(AUC)で は,両 AUCと も にPDの 同 時 摂 取 に よ り コ ン トロ ー ル よ り も 約25%程 度 の 低 値 を 示 し た 。 ま た,グ ル コ ー ス の 代 わ り にパ ン を 糖 質 源 と して 用 い た場 合 の 血 糖 と 血 清 イ ン ス リ ン 濃 度 の 変 化 に 対 して も,PDは グ ル コ ー ス の 場 合 と 同 様 の 作 用 を示 し た 。 これ らの 結 果 よ り,PDは 糖 質 摂 取 に よ る 血 糖 と血 清 イ ン ス リ ン濃 度 の 上 昇 を あ る 程 度 抑 制 す る作 用 を持 つ こ と が認 め られ た 。  通 常 チ ョ コ レー トも し く は そ れ に含 ま れ る 同 量 の グ ル コ ー ス を摂 取 させ た 場 合 に は 血 糖 と 血 清 イ ン ス リ ン 濃 度 は 上 昇 し,摂 取 後30分 で ピ ー ク を示 した 。 一 方, 砂 糖 無 添 加 チ ョコ レー トを 摂 取 させ た場 合 に は そ れ ら は ほ と ん ど 上 昇 し な か っ た 。 血 清TG濃 度 は,通 常 チ ョコ レ ー トを摂 取 した 場 合 に,摂 取30分 後 よ り漸 増 し, 150分 の 時 点 で も依 然 と して 上 昇 傾 向 を示 した 。 一 方, 砂 糖 無 添 加 チ ョ コ レ ー トを 摂 取 し た場 合 に は,血 清 TG濃 度 は 摂 取 後150分 の 時 点 で わ ず か に 上 昇 した の み で あ っ た 。 これ らの 結 果 よ り,PDを 含 む 砂 糖 無 添 加 チ ョ コ レ ー ト摂 取 で は,摂 取 後 の 血 清TG濃 度 の 上 昇 が 抑 制 され る こ とが 明 らか と な っ た 。

(8)

● 一般講 演

6.卵

巣 摘 出 ラッ トに お け る老 化 デ ン プ ンの

血 清 コ レス テ ロ ー ル 低 下 作 用

○ 岸 田 太 郎,澤 内 裕 美,海 老 原 清(愛 媛 大 ・農) 【目 的 】  レ ジ ス タ ン トス タ ー チ が 血 清 コ レス テ ロ ール 低 下 作 用 を もつ こ と が 多 数 報 告 され て い る 。 わ れ わ れ もハ イ ア ミ ロ ー ス コ ー ン ス タ ー チ(HAS)が 血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 低 下 作 用 を持 つ こ と を 報 告 して い る 。 老 化 デ ン プ ン(RetroS)も 代 表 的 な レ ジ ス タ ン トス タ ー チ の ひ と つ だ が,血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 濃 度 に 与 え る影 響 に つ い て は 知 見 が ほ と ん ど 無 い 。 本 研 究 は こ れ を検 討 す る こ と を 目的 と した 。 閉 経 後 女 性 は 血 清 コ レ ス テ ロ ール 濃 度 が 高 く,動 脈 硬 化 等 の 罹 患 率 が 高 い 。 本 研 究 で は こ の 動 物 実 験 モ デ ル で あ る卵 巣 摘 出 ラ ッ トを 用 い て,老 化 デ ン プ ンの 血 清 コ レス テ ロ ー ル 濃 度 に与 え る影 響 を 調 べ た 。 【方 法 】   Wistar系 リ タ イ ヤ ラ ッ トを 馴 化 後,卵 巣 摘 出 術 (OVX)ま た は 偽 手 術(Sham)を 施 し7日 間 回 復 後 実 験 に用 い た 。OVX-ラ ッ トお よ びSham-ラ ッ トに 表 に 示 し た飼 料 を 与 え,28日 間 飼 育 した 。 最 終 日直 前3日 間 の 糞 を集 め,凍 結 乾 燥 し た 。 最 終 日に は 解 剖 し,血 液, 肝 臓 を採 取 した 。  血 液 は 血 清 を 分 取 し,コ レ ス テ ロ ー ル の 濃 度 を,肝 臓 は 新 鮮 な ま ま ミ ク ロ ソ ー ム を調 整 し,コ レ ス テ ロ ー ル7α 水 酸 化 酵 素 活 性 を,ま たFolchの 方 法 で 脂 質 を 抽 出 し,遊 離 お よ び エ ス テ ル コ レ ス テ ロ ー ル を 測 定 し た 。 糞 は ク ロ ロ ホ ル ム:メ タ ノ ー ル=1:1で 抽 出 後,酵 素 法 で 胆 汁 酸 濃 度 を測 定 し た 。 デ ー タの 統 計 処 理 に は2元 分 散 分 析 を用 い た。 【結 果 お よ び 考 察 】   RetroSは 血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 濃 度 低 下 作 用 を 持 っ た 。 以 前 の 研 究 でHASの 摂 取 に よ り血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 低 下 作 用 が もた ら され た 際,同 時 に胆 汁 酸 排 泄 の 増 加 が 見 ら れ,コ レ ス テ ロ ー ル 低 下 の 機 構 と して 胆 汁 酸 合 成 ・排 泄 の 促 進 が推 測 され た 。 本 研 究 でRetroの 摂 取 もHASと 同 様 の コ レ ス テ ロ ール7α 水 酸 化 酵 素 活 性 の 上 昇 お よ び 糞 中 胆 汁 酸 排 泄 の 増 加 を も た ら し た 。 RetroSの コ レ ス テ ロ ー ル 低 下 作 用 も 胆 汁 酸 合 成 ・排 泄 の 促 進 と推 測 して い る 。   OVXが な ぜ 血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 濃 度 を低 下 させ るの か は ま だ 明 確 に な って い な い が,OVXに よ り コ レス テ ロ ー ル7α 水 酸 化 酵 素 活 性 が 低 下 す る こ と が い くつ か 報 告 され て お り,こ れ に よ りコ レ ス テ ロ ール の 体 外 排 泄 経 路 が 狭 ま り血 中 コ レス テ ロ ー ル 濃 度 が上 昇 す る可 能 性 が 示 唆 さ れ て い る。 今 回 の 実 験 で も有 意 差 は 無 か っ た もの の,そ の 傾 向 は 認 め ら れ た 。 ま た,OVXが VLDLの 分 泌 お よ びLDLへ の 変 換 を 促 進 す る こ と に よ り血 清LDLコ レス テ ロ ー ル 濃 度 を上 昇 させ る こ と が 知 られ て い る。 本 実 験 で は 調 べ て い な い が,以 前 の 実 験 で わ れ わ れ もOVXに よ る血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 濃 度 の 上 昇 が 主 にLDL画 分 の コ レ ス テ ロ ー ル の 増 加 に起 因 す る こ と を確 認 して い る 。RetroSはOVX-ラ ッ トで もSham ラ ッ トと同 様 に血 清 コ レス テ ロ ール 濃 度 低 下 作 用 を も た ら した 。OVXに よ る血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 濃 度 上 昇 や 肝 臓 の コ レス テ ロ ール7α 水 酸 化 酵 素 活 性 の 低 下 と は ま っ た く独 立 にRetroSが 血 清 コ レ ス テ ロ ール 低 下 作 用 もつ と 推 測 され た 。

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日本食 物 繊 維 研 究 会 誌Vo1.7 No.2(2003) ●一般 講演

7.高

脂 肪 ・タ ンパ ク 質 食 に ワ カ メ 投 与 の

ラ ツ ト血 清 成 分 の 影 響

○ 谷 政 八,小 林 恭 一 ★,新 庄 絹 代,池 田 涼 子,谷 洋 子, 三 谷 勝 己(仁 愛 短 大 ・生 活 科 学,福 井 県 食 品 加 工 研 ★) 【目的 】  福 井 県 の 代 表 的 な 海 藻 類 の 特 産 物 に 「粉 わ か め 」 「も み わ か め 」 が あ る 。 こ れ は,伝 統 的 に 天 日素 干 し した ワ カ メ を 細 か く して 簡 易 に加 工 した もの で あ る 。 地 域 的 に は,こ れ を食 卓 に 常 備 食 品 と して お り,本 県 の 疫 学 調 査 や,我 々 の ワ カ メ摂 取 実 態 調 査 に地 域 差 が 見 られ て い 近 年,我 々 の 食 生 活 が 高 脂 質 ・高 タ ン パ ク 質 食 傾 向 に あ る と指 摘 され る 中 で,ワ カ メ 摂 取 が 生 活 習 慣 病 予 防 の 一 つ と して 期 待 され る 。 ま た,褐 藻 類 の コ ン ブ,ワ カ メ メ カ ブ,モ ズ ク な ど に 含 まれ る フ コ イ ダ ンの 生 活 習 慣 病 予 防 を は じ め とす る生 理 機 能 が 注 目 され て い る 。  そ こで,我 々 は,ラ ッ トに 高 脂 質 ・タ ンパ ク質 食 と 本 県 産 ワ カ メ を与 え,天 然 ワ カ メの 持 つ 食 物 繊 維 を 含 む 機 能 成 分 の 生 理 的 特 性 を 不 溶 性 セ ル ロ ー ス と 比 較 し,そ の 機 能 性 に つ い て 検 討 を行 な っ て い る 。 今 回 は, 血 清,盲 腸 内 容 物 中 の成 分 変 化 に つ い て 報 告 す る 。 【方 法 】  実 験 飼 料 は,高 脂 質 ・高 タ ンパ ク 質 食 を基 本 に他 の 栄 養 素 を 配 合 し セ ル ロ ー ス 粉 末(CP)群,ワ カ メ 粉 末(WP-5)群,ワ カ メ 粉 末(WP-10)群 を そ れ ぞ れ 5%,5%,10%添 加 して 調 製 した 。 別 に理 想 食(対 照 群)を 調 製 した 。5週 齢 のSD系 の 雄 ラ ッ トを4群 に 分 け 予 備 飼 育 を し た 後,4週 間 実 験 食 餌 の 自 由 摂 取 方 法 お よ び 純 水 給 与 法 で 飼 育 し た 。 分 析 項 目 は,血 清 が 飼 育 終 了 時 に頚 動 脈 よ り採 血 して 遠 心 分 離 後 成 分 測 定 し た 。 盲 腸 内 容 物 はpH,短 鎖 脂 肪 酸 含 有 量 な ど測 定 し た 。 血 清 成 分 は 脂 質 化 合 物,窒 素 化 合 物,血 糖 量, ミネ ラル 類 な ど の 含 有 量 を 測 定 し た 。 【結 果 お よ び 考 察 】  本 県 産 の ワ カ メ成 分 の 分 析 値 は,五 訂 日本 食 品 成 分 表 よ り も食 物 繊 維 が 多 く,ミ ネ ラル 含 有 量 は や や 少 な く,他 の 成 分 量 に は 大 き な差 が な か っ た 。  実 験 飼 育 の 結 果 は 最 終 体 重,食 餌 摂 取 量,飼 料 効 率 な ど に ワ カ メ 群,CP群 と理 想 食(対 照 群)の 間 に 差 が 見 られ た 。 血 清 成 分 につ い て,ワ カ メ 群 は リ ン脂 質,中 性 脂 肪 は低 値,HDLコ レス テ ロ ー ル を 高 値 に し た 。WP-10群 は,総 コ レス テ ロ ー ル 量 を低 値 に した 。 血 糖 値 は,ワ カ メ 群 が 理 想 食 に 近 く,ま た,イ ン ス リ ン分 泌 はW P-10群 が 理 想 食 と 同 等 で あ っ た 。 高 エ ネ ル ギ ー 脂 質 食 に お い て,ワ カ メ は 脂 質 代 謝 に 関 与 して い る こ と が 確 認 で き た。  窒 素 化 合 物 につ い て,ワ カ メ群 はGOT,GPT活 性 を 高 値 に し,WP-5群 が ア ル ブ ミ ン 量 を高 値 に した 。 一 方,尿 素 窒 素,ク レア チ ニ ン,尿 酸 量 に は 影 響 を 与 え な か っ た 。  ミネ ラル 類 に つ い て,ワ カ メ群 はNa,K,P,Ca, Mg,Feを 有 意 に 高 値 に した 。 こ の こ と は,ワ カ メ 由 来 の ミ ネ ラル が 食 物 繊 維 の ミ ネ ラル 吸 収 阻 害 よ り も生 理 機 能 を 高 め て い る も の と考 え られ る 。  盲 腸 内 容 物 重 量 は,ワ カ メ 群 がCP群 よ り有 意 に 低 値 で あ っ た 。 ま た,pHはWP-5群 が 低 か っ た 。 盲 腸 内 容 物 の 短 鎖 脂 肪 酸 含 量 は,WP-5群,WP-10群 の 方 が CP群 よ り も乳 酸,酢 酸,プ ロ ピ オ ン酸,酪 酸 に 増 加 傾 向 が 見 られ た 。 ワ カ メ成 分 が盲 腸 内 で 発 酵 基 質 と し て利 用 され て い る と 推 定 され る 。 ま た,ワ カ メ は 糞 の 軟 度 化 を促 し,こ れ が 腸 内 圧 の 抑 制 に 寄 与 す る こ と で 大 腸 の 発 酵 を容 易 に し,ワ カ メ成 分 に よ る短 鎖 脂 肪 酸 の 産 生 に 役 立 ち,排 便 効 果 の 観 点 か ら も好 ま しい と考 え られ る 。 ワ カ メ 投 与 は 短 鎖 脂 肪 酸 産 生 を 増 加 さ せ, 腸 内 環 境 の 改 善 を 図 り,窒 素 化 合 物,脂 質 化 合 物 の 糞 中 へ の 排 泄 を促 し,血 清 中 の 中性 脂 質,コ レ ス テ ロ ー ル 生 成 の 抑 制 に 関 与 し,高 脂 質 ・タ ンパ ク 質 食 で あ っ て も 同 じ食 物 繊 維 レ ベ ル の セ ル ロ ー ス粉 末 と は異 な る こ と を 認 め た 。

(10)

● 一般 講演

8.市

販 食 物 繊維 に よ るラ ッ ト糞 便 へ の ダ イオ キ シ ン類

排 泄 促 進 作用 の検 討

○斎藤 高雄,野 田恒 行,甲 田哲之,井 上正 一郎,岡 松洋(大 塚製薬(株)大 津栄 養 製品研 究所) 【目的 】  ダ イ オ キ シ ン類 は,ポ リ塩 化 ジ ベ ン ゾ ダ イ オ キ シ ン (Polychlorinated dibenzo-p-dioxin: PCDD),ポ リ塩 化 ジ ベ ン ゾ フ ラ ン(Polychlorinated dibenzofuran: PCDF) 及 び コ プ ラ ナーPCB(Coplanar polychlorinated biphenyl: Co-PCB)か らな る222種 類 の 異 性 体 の 総 称 で あ り,ゴ ミ焼 却 等 に よ り生 成 す る 。 ダ イ オ キ シ ン類 は 実 験 動 物 に お い て 肝 臓 障 害,胸 腺 萎 縮,内 分 泌 障 害,催 奇 形 性 及 び 発 ガ ン 性 等 の 毒 性 を 示 す こ と が 報 告 され て お り, ヒ トで の 毒 性 の 発 現 が懸 念 され て い る 。 平 成13年 度 に お け る 日本 人 の ダ イ オ キ シ ン類1日 摂 取 量 は,1.63 pgTEQ/kg/dayで あ り,日 本 に お け る ダ イ オ キ シ ン類 耐 容1日 摂 取 量(一 生 涯 に わ た っ て 摂 取 して も健 康 に 悪 影 響 が な い と考 え られ る1日 の ダ イ オ キ シ ン類 摂 取 量)で あ る4PgTEQ/kg/dayを 下 回 っ て い る。 しか し, WHOが 最 終 的 に 目 指 す 同 摂 取 量 は,1pgTEQ/kg/day で あ る こ と か ら,更 な る摂 取 の 低 減 あ る い は排 泄 促 進 を 目指 す こ と が 望 まれ る。 食 物 繊 維 は,保 水 作 用,イ オ ン吸 着 作 用 及 び 拡 散 阻 害 作 用 を有 して お り,食 事 成 分 の 消 化 吸 収 を抑 制 して 糞 便 へ の 排 泄 を促 進 す る と考 え られ て い る 。 こ の こ と か ら,食 物 繊 維 に ダ イ オ キ シ ン類 の 糞 便 排 泄 促 進 作 用 の 発 現 が 期 待 され る 。 しか し な が ら,食 物 繊 維 の ダ イ オ キ シ ン類 排 泄 促 進 に 関 す る 報 告 は 極 め て 少 な い 。 そ こ で,我 々 は 異 な る物 理 化 学 的 性 質 を有 す る 市 販 の 食 物 繊 維5種 を ラ ッ トに摂 取 さ せ,そ の ダ イ オ キ シ ン類 排 泄 促 進 作 用 に つ い て 検 討 し た 。 【方 法 】  4週 齢 のSD雄 性 ラ ッ ト(Jc1:SD)をAIN93G飼 料 に て1週 間 の 予 備 飼 育 後,試 験 に 用 い た 。 ラ ッ トの 体 重 を基 に 群 分 け 後(n=3),試 験 食 を20日 間 給 餌 した 。 被 検 物 は,キ トサ ン,小 麦 ふ す ま,グ ァ ー ガ ム,ト ウ モ ロ コ シ フ ァ イバ ー及 び カ ロ ブ フ ァ イバ ー,計5種 類 の 市 販 食 物 繊 維 と した 。 試 験 食 は,AIN93Gを 対 照 食 と し,対 照 食 の コ ー ンス タ ー チ5%を 各 食 物 繊 維 に 置 換 した 。 試 験 食 給 餌15日 目に,3種 類 の ダ イ オ キ シ ン類 混 合 溶 液(1,2,3,7,8-PeCDD,2,3,4,7,8-PeCDF及 び 3,3'4,4',5-PeCBを 各 々40ng/ml含 む 混 合 溶 液)1mlを 強 制 経 口 投 与 し た 。 ダ イ オ キ シ ン類 投 与 直 後 か ら5日 分 の 糞 便 を 全 て 回 収 し た 。 ま た,試 験 食 給 餌20日 目 に, 肝 臓,腎 周 囲 脂 肪 組 織 及 び 精 巣 周 囲 脂 肪 組 織 を摘 出 し た 。 回 収 した 糞 便 は,ダ イ オ キ シ ン類 濃 度 及 び 脂 質 濃 度 を 測 定 に 供 した 。 【結 果 及 び 考 察 】  体 重 増 加 量 及 び 摂 餌 量 は,全 て の 試 験 食 群 間 に お い て 顕 著 な 差 を 認 め な か っ た 。 糞 便 重 量 は,キ トサ ン群 及 び カ ロ ブ フ ァ イバ ー 群 が 対 照 群 に 対 して 有 意 に 高 い 値 を示 し た 。 肝 臓 及 び 各 組 織 重 量 は,何 れ の 各 試 験 食 に つ い て も対 照 群 に 対 して 有 意 差 を 認 め な か っ た が, キ トサ ン群 及 び グ ァー ガ ム 群 は,対 照 群 に 対 し て低 い 値 で あ っ た 。 糞 便 中 の 脂 質 の 排 泄 量 は,キ トサ ン群 及 び グ ァー ガ ム 群 が 対 照 群 に 対 して 有 意 に 高 い値 を 示 し た 。 ま た,投 与 した3種 類 全 て の ダ イ オ キ シ ン類 の 糞 便 へ の 排 泄 量 は,キ トサ ン群 及 び グ ァ ー ガ ム 群 が 対 照 群 に 対 して 有 意 に 高 い 値 を 示 し た 。 特 に キ トサ ン群 の 1,2,3,7,8-PeCDD,2,3,4,7,8-PeCDF及 び3,3'4,4',5-PeCB の 糞 便 排 泄 量 は,対 照 群 に比 べ て,各 々22,31及 び63 倍 と極 め て 高 い値 を示 した 。 ま た,糞 便 中 の 脂 質 排 泄 量 と3種 類 全 て の ダ イ オ キ シ ン類 排 泄 量 と の 間 に そ れ ぞ れ 有 意 な 強 い 正 相 関 が認 め られ た 。  キ トサ ン及 び グ ァ ー ガ ム は,高 い 粘 性 の ゲ ル を 形 成 す る 水 溶 性 食 物 繊 維 で あ り,小 麦 ふ す ま,ト ウ モ ロ コ シ フ ァ イバ ー 及 び カ ロ ブ フ ァ イバ ー は,不 溶 性 食 物 繊 維 で あ る 。 本 試 験 に お い て 水 溶 性 食 物 繊 維 に の み ダ イ オ キ シ ン類 の 排 泄 促 進 作 用 が認 め られ た こ と か ら,食 物 繊 維 の 物 理 化 学 的 性 質 は ダ イ オ キ シ ン類 の 糞 便 へ の 排 泄 に 深 く関 与 して い る と考 え られ た 。 ま た,ダ イ オ キ シ ン類 の 糞 便 へ の 排 泄 は,脂 質 の 排 泄 に 伴 っ て 促 進 され る こ と が 示 唆 され た 。

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日本食 物 繊 維 研 究 会 誌Vo1,7No.2(2003) ● 一般講 演

9.有

機塩素系環境汚染物質 の体 内蓄積 に関す る

食物繊維の影響

○ 齊 藤 木 綿 子,梅 木 美 樹,山 本 恭 子,堀 口 美 恵 子,青 江 誠 一 郎,池 上 幸 江(大 妻 女 子 大 学) 【目 的 】  現 在,環 境 中 に は様 々 な 有 機 塩 素 系 環 境 汚 染 物 質 が 存 在 して い る。 そ れ ら は 脂 溶 性 で あ り,食 品 な ど を 通 じて 体 内 に 入 る と脂 肪 組 織 に 特 に 高 濃 度 に 蓄 積 す る こ と が 知 られ て い る 。 あ る種 の 有 機 塩 素 系 環 境 汚 染 物 質 の 代 謝 は,魚 油 や 粘 性 の あ る 食 物 繊 維 で 亢 進 す る こ と が 明 ら か に され て お り,そ の 体 内 動 態 は 脂 質 代 謝 や 脂 肪 組 織 量 と 関 係 して い る と推 測 され る 。 そ こ で,脂 質 代 謝 に影 響 す る こ と が報 告 さ れ て い る食 品 成 分 お よび 食 物 繊 維 に つ い て,有 機 塩 素 系 環 境 汚 染 物 質 の 体 内 蓄 積 の 影 響 を モ デ ル 化 合 物 と して ヘ キ サ ク ロ ロ ベ ン ゼ ン を用 い て 検 討 した 。 【方 法 】

 5週 齢 のSprague Dawley系 雄 ラ ッ トを 用 い,AIN-93G組 成 を 基 本 飼 料 と し,こ れ を コ ン トロー ル と した 。 有 機 塩 素 系 環 境 汚 染 物 質 は ヘ キ サ ク ロ ロ ベ ン ゼ ン (HCB)を 用 い,飼 料 中 濃 度 は100,ug/kg(0.1ppm)と した 。  実 験Ⅰ に は 脂 質 代 謝 に影 響 す る こ と が 報 告 され て い る 食 品 成 分 と して レ シ チ ン,ジ ア シル グ リ セ ロ ー ル, 大 豆 タ ンパ ク 質,食 物 繊 維 と して タ マ リ ン ドガ ム を用 い た 。 実 験 皿で は,実 験1の 結 果 を 受 け て 食 物 繊 維 を 用 い る こ と と し,グ ア ガ ム,タ マ リ ン ドガ ム,ア ル ギ ン酸 ナ ト リウ ム,キ トサ ン を用 い た 。 各 測 定 項 目 は 脂 肪 組 織 と臓 器(肝 臓,腎 臓)重 量,及 び 皮 下 脂 肪,後 腹 壁 脂 肪,副 睾 丸 周 辺 脂 肪 と臓 器,血 液 中 のHCB濃 度 をGC/MSで 分 析 し た 。 【結 果 】  実 験Ⅰ で は 脂 肪 組 織 や 肝 臓 に お い て 食 物 繊 維 で あ る タ マ リ ン ドガ ム が 他 の 食 品 成 分 に比 べ てHCBの 蓄 積 量 が 低 く,脂 肪 組 織 重 量 に つ い て も 同 様 の 傾 向 が 見 られ た 。 実 験Ⅱ で は,脂 肪 組 織 量 は コ ン トロ ー ル 群 で 高 く, 食 物 繊 維 群 で は い ず れ も有 意 に低 か っ た 。 脂 肪 組 織 中 のHCB蓄 積 量 は グ ア ガ ム群 で 特 に低 く,タ マ リ ン ドガ ム,ア ル ギ ン酸 ナ ト リウ ム,キ トサ ン群 は い ず れ も コ ン トロ ール 群 に比 べ て 有 意 に低 く な っ た 。 ま た 肝 臓 中 の 蓄 積 量 は コ ン トロ ール 群 で 高 く,食 物 繊 維 の4群 で い ず れ も有 意 に 低 く な っ た 。 血 液 中 で は 肝 臓 と 同 様, 食 物 繊 維 群 で 低 く,特 に キ トサ ン群 で 低 く な っ た 。 実 験IIの 結 果 か ら は 脂 肪 組 織 重 量 が増 加 す る に つ れ て, HCB蓄 積 量 も増 加 す る と い う正 の 相 関 が み られ た(p< 0.05)。 【考 察 】  実 験Ⅰ で は 脂 質 代 謝 に影 響 す る食 品 成 分 を 投 与 した 中 で,食 物 繊 維 で あ る タ マ リ ン ドガ ム が 最 もHCBの 蓄 積 を低 下 させ た こ と か ら,有 機 塩 素 系 環 境 汚 染 物 質 の 体 内 蓄 積 に は,食 物 繊 維 が影 響 す る こ と が 明 らか と な っ た。 さ らに 各 種 食 物 繊 維 を 与 え た実 験 皿の 結 果 よ り, セ ル ロ ー ス 以 外 の 食 物 繊 維 を与 え た群 でHCBの 体 内 蓄 積 が 低 下 す る こ と が 確 認 され た 。 ま た,食 物 繊 維 は そ の 種 類 に よ っ て 脂 肪 組 織 中 のHCB蓄 積 量 は 異 な る が, 脂 肪 組 織 重 量 とHCB蓄 積 量 も相 関 す る こ と が わ か っ た 。 こ れ は 食 物 繊 維 を 与 え る こ と に よ っ て,HCBの 消 化 管 か らの 吸 収 阻 害 だ け で な く脂 肪 組 織 重 量 が 低 下 し た場 合,脂 溶 性 で あ るHCBの 蓄 積 量 も低 下 した と推 測 され た 。

(12)

● 一般 講演

10.高

脂 血症,糖 尿 病,肝 臓 障害 ラ ッ トに及 ぼす

機 能性 食 品素 材 の影響― 安 全性 の検 討―

〇 江 頭 祐 嘉 合,土 岐 理 津 子,野 口武 昭,笹 原 祥 吾,真 田 宏 夫 (千 葉 大 ・園 芸 ・食 品 栄 養) 【目的 】  機 能 性 食 品 の 摂 取 は,健 常 者 よ り疾 病 に 罹 患 して い る 人,あ る い は半 健 康 状 態 の 人 の 方 が 多 い こ と が 予 想 され る。 そ の た め機 能 性 食 品 の 安 全 性 を考 え る場 合, 生 体 側 の 感 受 性 の 変 化 を 考 慮 す る 必 要 が あ る 。 実 際, 特 定 保 健 用 食 品 素 材 で あ る ラ ク チ ュ ロ ー ス は 健 常 者 で は 腸 管 か ら平 均1-1.5%程 度 しか 吸 収 され な い が,腸 粘 膜 障 害 時,細 菌 感 染 症,外 傷,動 脈 瘤 な ど で は 腸 管 の 透 過 性 が 著 し く亢 進 し,健 常 者 の10倍 以 上 の 吸 収 を 示 す とい う報 告 が あ る。 そ こで 本 研 究 で は,高 脂 血 症, 糖 尿 病,肝 臓 障 害 時 に お け る機 能 性 食 品 素 材 の 安 全 性 に つ い て 検 討 した 。 実 験 に 用 い る機 能 性 食 品 素 材 は, 特 定 保 健 用 食 品 素 材 に 広 く使 用 され て お りか つ ビ フ ィ ズ ス 菌 選 択 増 殖 因 子 活 性 を 有 す る フ ラ ク トオ リ ゴ 糖 (FO),イ ソ マ ル トオ リ ゴ 糖(IMO),ラ ク チ ュ ロ ー ス (LT)を 用 い た 。 さ らに 健 康 食 品 素 材 と して ア ガ リ ク ス (AG)を 用 い た 。 そ して こ れ らの 食 品 素 材 が 上 記 疾 病 を 増 悪 させ る か 否 か検 討 し た。 【方 法 】  実 験1:Sprague・Dawley系 雄 ラ ッ トを 予 備 飼 育 後, コ レ ス テ ロ ー ル1%,コ ー ル 酸 ナ トリ ウ ム0.25%,ラ ー ド9%を 含 む 食 餌 を ラ ッ トに10日 間 与 え た。10日 目 に尾 静 脈 採 血 を行 い,血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 値 が 等 し く な る よ うに5群(対 照 群,LT群,FO群,IMO群,AG 群)に 群 分 け した 。 群 分 け 後,そ れ ぞ れ の 機 能 性 食 品 素 材 を含 む 試 験 飼 料 を 自 由 摂 取 させ,10日 目 に解 剖 を 行 い,血 液,肝 臓 を 採 取 し成 分 の 分 析 に供 した 。  実 験2:Wistar系 雄 ラ ッ ト を 予 備 飼 育 後, streptozotocin水 溶 液 を調 製 し,ラ ッ トの 腹 腔 内 に 注 射 した 。 注 射 後16日 目 に ラ ッ トの 尾 静 脈 よ り採 血 し,血 糖 値 が 等 し く な る よ うに5群 に群 分 け し た 。群 分 け 後, 試 験 飼 料 を 自 由 摂 取 させ,10日 目 に解 剖 を行 い,血 液 を 採 取 し成 分 の 分 析 に 供 した 。  実 験3:Wistar系 雄 ラ ッ トにCE-2(日 本 ク レア(株) を33日 間 与 え,そ の 間 フ ェ ノバ ル ビ タ ー ル ナ トリ ウ ム 水 を 自 由 摂 取 させ る と 同 時 に 四 塩 化 炭 素 の オ リー ブ油 溶 液(50%(v/v)を 背 部 皮 下 に週2回(計10回/33日)注 射 して 肝 臓 障 害 ラ ッ トを 作 成 し た 。 血 中 の トラ ン ス ア ミナ ー ゼ 活 性 値 が 各 群 等 し く な る よ う に5群 に 分 け, 試 験 飼 料 を 自 由 摂 取 させ た 。10日 目 に 解 剖 を行 い,血 液 を 採 取 し成 分 の 分 析 に 供 し た。  実 験4:Wistar系 雄 ラ ッ トを予 備 飼 育 後,平 均 体 重 が等 し く な る よ うに 群 分 け し た 後,D-ガ ラ ク トサ ミ ン 塩 酸 塩 溶 液 を ラ ッ トの 腹 腔 内 に 注 射 した 。 ガ ラ ク トサ ミ ン注 射 後24時 間 目 に 各 試 験 サ ン プ ル を 単 回 経 口 投 与 し,そ の24時 間 後 に 血 液 を 採 取 し成 分 の 分 析 に供 した 。 【結 果 】  実 験1:飼 料 摂 取 量,肝 臓 重 量 は 各 群 間 に 有 意 な差 は 認 め ら れ な か っ た 。 血 清 総 コ レ ス テ ロ ー ル 値 はFO 群 とLT群 で や や 高 い 値 を 示 し た が 各 群 間 に 有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 血 清 トリグ リ セ リ ド値 はAG群 が 対 照 群 よ り有 意 に低 い 値 を 示 した(p<0.05)。  実 験2:体 重 増 加 量,肝 臓 重 量 比 に 有 意 な差 は認 め られ な か っ た 。 血 清 コ レ ス テ ロ ー ル 値 は,IMO群 は FO群 よ り有 意 に 低 い 値 を示 し た(P<0.05)が,FO群 と 対 照 群 の 間 に は 有 意 差 は み ら れ な か っ た 。 血 糖 値, A/G比,ク レ ア チ ニ ン濃 度 は 各 群 間 に 有 意 な 差 は 認 め られ な か っ た 。  実 験3:体 重 増 加 量,飼 料 効 率 に 有 意 な差 は認 め ら れ な か っ た 。 血 清 トラ ン ス ア ミナ ー ゼ 活 性 値 はAG群 で 低 い 傾 向 は示 した が,各 群 間 で 有 意 な 差 は 認 め られ な か っ た 。  実 験4:血 清 トラ ンス ア ミナ ー ゼ活 性 値 は,各 群 間 で 有 意 な差 は 認 め られ な か っ た 。  以 上 の 結 果 か ら,今 回 の 実 験 条 件 下 で は,こ れ らの 機 能 性 食 品 素 材 は 高 脂 血 症,糖 尿 病,肝 臓 障 害 を 増 悪 させ な い もの と思 わ れ る 。

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日本 食 物 繊 維 研 究 会誌Vo1.7 No.2(2003)

特別講演

Functional Foods: Nutrient Content Claims, Health Claims, and

Structure/Function Claims

Dr. Dennis T. Gardon (ƒm•[ƒXƒ_ƒRƒ^•B—§‘åŠw)

Health information is vitally important for individual decisions about long-term wellness. People want the best up to date knowledge to make better decisions about their health. While new and more powerful drugs are available for the prevention and treatment of diseases, we would all prefer alternatives to drugs, and in most cases, we believe that these remedies can be found in our food and diets. Long before the introduction of the term functional foods (FF), populations and cultures worldwide held the belief that foods, botanicals, and

various plant extracts contained special powers for better health, healing and medicinal properties. An international or U.S. definition for FF or nutraceuticals does not exist at this time. A useful working definition for FF is "foods or food ingredients that may provide a health benefit beyond the traditional nutrients it contains". Nutraceuticals have been defined as "naturally derived bioactive compounds that are found in foods, dietary supplements, and herbal products, and have health promoting, disease preventing, or medicinal properties". Japan has an expanding list of foods and food ingredients approved under the title Foods Approved for Specific Health Use (FOSHU). The science of functional foods is a rapidly growing topic among consumers, the food industry, nutritionists and health professionals, and regulatory agencies. The new

FF produced and marketed each day represents the fastest and largest aspect of growth within the food and related industries.

With the burst of new FF products, come an equal number of statements about the benefits these foods can provide for health. While some statements can be substantiated with extensive scientific experimentation, other claims are no more than a testimonial from a single individual. The communication of health information is a lucrative part of growth in the functional foods market. For these reasons health claims and messages must be regulated. In the U.S. there are regulations that allow "nutrient content claims"

, but most FF ingredients are not classified as nutrients. There are 14 "health claims" approved in the U.S. and 12 of these are based on the existence of extensive scientific data showing the relationship between a food and the prevention/treatment of a disease. Two health claims are based on authoritative statements and the U.S. is considering the use of qualified health claims. The U.S. Dietary Supplement Health and Education Act (DSHEA) allows for the use of "structure/function claims". However, these claims cannot be related to a disease. Numerous examples of functional foods and structure/function claims will be discussed.

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▲ シ ンポジ ウムⅠ

基調講演 摂食 ・嚥 下 障害 の 生理 と リハ ビ リテー シ ョンの現 状

才藤 栄 一(藤 田保 健衛 生大学) 1.食 べ る こ と は 高 齢 障 害 者 の 大 き な 喜 び で あ り,摂 食 ・嚥 下 障 害 へ の 対 応 は そ のQOLを 考 え る 上 で 欠 か せ な い 。 ま た,食 べ る 問 題 は 医 療 現 場 に と ど ま ら ず,多 くの 関 連 職 種 が 関 わ る が,他 の 日常 生 活 活 動 と違 って 医 学 的 危 険 が 大 きい 問 題 で あ る。 2.摂 食 ・嚥 下 障 害 と い う概 念 と そ の リハ ビ リ テ ー シ ョ ン に つ い て,陥 りや す い 二 分 法 的 罠,咽 頭 機 能 の 易 損 性,原 疾 患,加 齢 の 影 響,な ど を 通 して 考 察 す る 。 3.摂 食 ・嚥 下 障 害 の 原 疾 患 は,脳 卒 中 を筆 頭 に 中 枢 神 経 系 疾 患 が そ の 多 く を 占 め る 。 治 療 目標 は 安 全 か つ 最 良 の 摂 食 状 態 をつ く る こ と に あ る が,そ の 効 果 のEBMは 未 だ 不 十 分 で あ る 。 治 療 帰 結 は,摂 食 ・ 嚥 下 機 能,摂 食 状 態,医 学 的 安 定 性 で 評 価 す る必 要 が あ る 。 身 体 所 見 で は 機 能 的 評 価 が 必 要 で あ り, videofluorography,videoendoscopyが 有 用 な 手 段 と な る 。 プ ロ セ ス モ デ ル と い う新 しい 嚥 下 モ デ ル が 注 目 され て い る 。 4.対 応 は,代 償 的 手 法,訓 練,経 管 法,口 腔 ケ ア, 薬 物 療 法,外 科 的 治 療 か ら な る。 代 償 的 手 法 で は 体 位 ・肢 位 効 果,食 物 形 態 効 果 を勘 案 す る 。訓 練 は 間 接 訓 練 と 直 接 訓 練 か らな る新 しい ス キ ル の 学 習 で あ る 。 経 管 法 に は 工 夫 が 必 要 で あ る 。 間 欠 的 経 管 栄 養 法 は 我 が 国 で 発 達 し た 手 法 で あ る 。 口 腔 ケ ア は 摂 食 ・嚥 下 障 害 介 入 の 前 提 条 件 で あ る。

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日本 食 物 繊 維研 究 会誌Vo1.7 No,2(2003) ▲ シ ンポジ ウムⅠ

1.摂

食 ・嚥 下 障害 者用 食 品 の物 性 とお い し さ

畑江 敬 子(お 茶 の水女 子大学) 1.物 性 とお い し さ お い しい 食 物 は,生 活 に 潤 い を与 え,生 活 の 楽 しみ と な る。 特 に高 齢 者 に と っ て は,一 層 重 要 で あ る 。 食 物 の お い し さは,食 物 に 由 来 す る要 因 と,そ れ を食 べ る 人 に 由 来 す る 要 因 に よ っ て 決 め られ る 。 食 物 に 由 来 す る要 因 に は,外 観(色 や 形,盛 り付 け 等),味,香 り,テ ク ス チ ャ ー,温 度,時 に は 音 が あ る。  この テ ク ス チ ャ ー は 食 物 の物 性 に よ って 決 定 され る 人 間 が う け と る 感 覚 で あ る 。 た と え ば,噛 み こ た え, 粘 り,も ろ さ,の ど ご しな ど で あ る。 この よ う な テ ク ス チ ャ ー は 食 物 の 構 成 成 分 と そ の 組 成,組 織 構 造 な ど が もた らす 感 覚 で あ る 。 た と えば,脂 質 の 多 い 肉 は 軟 ら か く,脂 質 の 少 な い 肉 は硬 い 。 きめ の 細 か い ス ポ ン ジ ケ ー キ は 口 当 た り が よ い が,き め の 粗 い ス ポ ン ジ ケ ー キ は 口 当 た り が よ くな い。 か とい っ て 気 泡 が 小 さ く つ ま っ て い る と こ れ もお い し く な い 。 食 物 も お い し さに,味 お よ び 香 り と テ ク ス チ ャ ー と, ど ち らの 比 重 が 大 きい か につ い て は,こ れ ま で に 報 告 が あ り,食 物 に よ っ て 異 な っ て い る。 テ ク ス チ ャ ー の 比 重 が 大 き い 食 物 に は,白 飯,卵 豆 腐,ク ッ キ ー な ど が あ っ た 。 これ らの 食 物 は 味 や 香 り も も ち ろん 重 要 で あ る が,そ れ よ り も適 度 な 硬 さ や ね ば り,な め らか な 舌 触 り,さ く さ く した 脆 い 感 じ,な ど が お い し さに 影 響 を 与 え て い る 。  特 に 日本 人 は 白飯 の お い し さ に は,炊 き た て の あ た た か い,つ や の あ る飯 で,ほ の か に う ま味 と 香 りが あ る と 同 時 に,テ ク ス チ ャ ー に 非 常 に 俊 感 で,硬 す ぎず 軟 らか す ぎず,適 度 な粘 りが あ る 白飯 を好 む 。 こ れ は 世 界 中 で も特 殊 とい っ て も い い ほ ど で あ る。  人 間 の 感 覚 で あ る テ ク ス チ ャ ー を機 械 測 定 に よ っ て 数 値 と して 測 定 す る こ と が しば しば 行 わ れ る。 こ うす る と共 通 の 理 解 が得 られ る か らで あ る。  測 定 機 器 に は,食 物 の 基 本 的 な 粘 性,弾 性,粘 弾 性 を 測 定 す る機 器 と,人 間 の 感 覚 を 説 明 しや す い経 験 的 な測 定 機 器 が あ る 。 2.高 齢 者 の ロ 腔 内 感 覚 と テ ク ス チ ャ ー  加 齢 と と も に,種 々 の 身 体 的 な 変 化 が 起 こ る 。 歯 の 欠 損 が 多 くな り,唾 液 の 分 泌 が 減 り,消 化 酵 素 の 活 性 も低 下 す る 。 疾 病 に よ る薬 剤 の 服 用 の 機 会 が 増 加 す る と,そ れ に 伴 い 口 腔 内 の 感 覚 が 変 化 す る こ と が あ る 。  筆 者 の研 究 室 で は,65才 以 上 の 高 齢 者 と20才 前 後 の 若 年 者 の 微 粒 子 に 対 す る 「ざ らつ き」 の 感 覚 を比 較 し た 。 若 年 者 は微 粒 子 の 大 き さの 違 い が 「ざ らつ き」 を 感 じる と い う 人 数 割 り合 い に 反 映 した が,高 齢 者 は 微 粒 子 の 大 き さに は 影 響 され ず 微 粒 子 の 濃 度 が 高 くな る と 「ざ らつ き」 を感 じ る と い う 人 数 割 り合 い が 増 加 し た 。  さ らに,高 齢 者 は 若 年 者 に 比 べ,6割 の 物 性 の 異 な る食 品 に 対 し,飲 み込 む まで の 咀 嚼 回 数 を変 えて い た 。 硬 い 食 品,水 分 の す くな い パ サ パ サ した 食 品 に は 咀 嚼 回 数 を 多 く,軟 らか い 食 品 に は 咀 嚼 回 数 を 少 な く して 対 応 し,若 年 者 よ り,物 性 の 違 い に敏 感 で あ っ た 。 米 に 対 す る 加 水 量 を か え て,硬 さ,粘 り,凝 集 性 の 異 な る 自飯 を 調 製 し,高 齢 者 と 若 年 者 に 好 み を 聞 い た と こ ろ,若 年 者 は 通 常 い わ れ て い る1.5倍 加 水 の 飯 を 好 ん だ が,高 齢 者 は そ れ よ り軟 ら か く,凝 集 性 も小 さ い1.8倍 加 水 の 飯 を こ の ん だ 。 3.咀 嚼 ・嚥 下 障 害 者 用 食 品 の 物 性  咀 嚼 ・嚥 下 障 害 者 は そ れ ぞ れ の 個 人 的 な 状 態 が 大 き く異 な るの で そ れ ぞ れ に対 応 しな け れ ば な らな い と い う苦 労 が あ る 。  厚 生 省 で は,特 殊 栄 養 食 品 の 中 の 特 別 用 途 食 品 と し て,特 別 保 健 用 食 品,病 者 用 食 品,妊 産 婦 授 乳 婦 用 粉 乳,乳 児 用 調 製 粉 乳 とな らん で,高 齢 者 用 食 品 の 規 格 基 準 を,平 成6年 に 公 布 した 。 咀 嚼 困 難 者 用 食 品 は5 種 の タ イ プ,咀 嚼 ・嚥 下 困 難 者 用 食 品 は4種 の タ イ プ に わ か れ て い る 。 こ の 基 準 は 平 成10年5月 に改 正 され, 厚 生 省 生 活 衛 生 局 新 開 発 食 品 保 健 対 策 室 か ら公 布 され た 。 高 齢 者 用 食 品 の 試 験 方 法 に よ る,固 形 物 の 比 率,

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▲ シン ポジ ウムⅠ

2.高

齢 者 の 生理 機 能 と介護 用 食 品 の開 発

濱 千 代 善 規(キ ユ ー ピ ー(株)研 究 所) は じめ に  近 年 の健康 志 向の高 ま りによ る加 工 食品 の多様 化 は 目を見張 る もの が あ る。本 学術 集会 で は,高 齢者 の生 理機 能 につ いて解 説 す る とと もに,食 べ る こと飲 み込 む こ とが困難 とな った高 齢者 の ための 「介 護 用 食 品」 の 開発経 緯 につ いて述 べ る。 1.高 齢者 を取 り巻 く環 境 と社 会福祉  日本 が世 界屈 指 の長 寿国 で あ るこ とは,知 る人 も多 い。 平均 寿命 の伸 び は 日本 に限 っ た ことで はな く,先 進各 国共 通 の現象 で あ る。 この 中で 日本 が特 徴 的な こ とは,こ こ数十年 で の高齢 化 の速度 が他 国 と比 べ,極 めて急速 な点 にあ る。 それ によ って生 じる社 会 問題 は よ り深刻 で ある。介 護保険 の導 入 に よ りわ が国 の社 会 福祉 制 度 は大 きな転換 期 を迎 えた。高齢 者 問題 に おけ る企 業 の社会 的責任 も大 きい と考 える。 2.加 齢 と摂 食障 害  老化 によ る身体 的機 能 低下 は,食 生 活 に与 える影 響 も大 きい。咀 嚼,嚥 下 障害 や消 化 吸収障 害 は もちろん, 視 力 や運 動 機 能 の低 下 も買 い物 や調理 の妨 げ とな り, 独 居 や高齢 者 のみ の世帯 にお いて は健 全 な食生 活 の阻 害 要 因 とな る。 また に脳 卒 中 に代表 され る脳 血管疾 患 は,四 肢 の麻痺 に加 え重篤 な摂 食障 害 を惹起 す る。摂 食機 能 の低 下 に も関 わ らず,専 門家 の指 導 や調理 補助 がない状 態 で 日常 食事 を続 け るこ とは誤 嚥性 肺 炎 を発 症 す る恐 れ よ り,極 めて 危険 な行 為で あ り,早 急 に適 正 な対処 を要 す る。 3.介 護食 品に求 め られ る機 能  介護 食 品 とは特 に明 確 に定義 され る もので ない 。今 回 は,先 に述 べ た摂 食 障害 を伴 う高 齢者 の食 事 に的 を 絞 って,こ れ に求 め られ る機 能 につ いて述 べ る。 (1)栄 養機 能  第6次 日本人 の栄養 所要 量 によ ると,高 齢 者 のエ ネ ル ギ ー所要 量 は20代 の成人 に比較 す る と,そ の6割 程 度 で あ る 。 こ れ は高 齢 に な る に 従 い 食 事 量 が 低 減 す る こ と で 容 易 に推 察 で き る 。 驚 く こ と は 双 方 に 要 求 され る栄 養 素 の 所 要 量,つ ま りた ん ぱ く 質,ビ タ ミ ン類 , カ ル シ ウ ム や 鉄 等 の ミネ ラル 類 の 量 に ほ と ん ど 差 異 が な い 。 高 齢 者 が い か に栄 養 密 度 の 高 い 食 事 を心 が け な け れ ば 充 足 は 難 し い と 考 え る。 (2)物 性 機 能  咀 嚼 嚥 下 障 害 を 伴 う高 齢 者 に と っ て 誤 嚥 性 肺 炎 を起 こ さ な い た め の 最 も重 要 な 手 段 は,食 品 を食 べ や す く 飲 み 込 み や す い 物 性 に調 理 す る こ と で あ る 。  食 物 を飲 み 込 む に は まず 食 塊 を形 成 し な け れ ば な ら な い 。 こ れ に は 十 分 な咀 嚼 力 と唾 液 の 分 泌,正 常 な舌 の 運 動 機 能 が 必 要 と な る。 しか し これ ら に 障 害 の あ る 高 齢 者 に は あ らか じ め 食 塊 に 近 い 食 形 態 に 調 製 す る 必 要 が あ る 。 食 塊 に 近 い 食 形 態 と は,や わ らか く,ま と ま り感 が あ り,均 質 で,咽 頭 部 へ の 送 り込 み に 優 れ た 滑 らか な 物 性 を持 つ 食 品 で あ る 。 咀 嚼,嚥 下 等 摂 食 機 能 の低 下 した 高 齢 者 の 食 品 に は この よ うな 物 性 を 付 与 す る必 要 が あ る 。 4.摂 食 機 能 が 低 下 し た高 齢 者 の た め の 食 事 の 工 夫  摂 食 嚥 下 機 能 が 低 下 した 高 齢 者 に と っ て,通 常 我 々 が 食 べ て い る食 事 で は 食 べ に く く,誤 嚥 性 肺 炎 を 発 症 す る危 険 性 が あ る こ と に つ い て 述 べ た 。 で は,こ の よ う な 方 の た め に は ど の よ う な 食 事 の 工 夫 を 要 す る の か 。  食 塊 に 近 い物 性 と は ペ ー ス ト食 や ミキ サ ー食 を 思 い 浮 か べ る こ と も あ ろ うが,そ れ で は 食 欲 が わ か な い 食 事 と な っ て し ま う。 食 べ た い と 思 う刺 激,例 え ば美 味 しそ うな 色 合 い や 香 り,楽 しい 食 卓 や 会 話 は嚥 下 反 射 を亢 進 させ,誤 嚥 を防 ぐ 。 従 っ て 形 あ る 食 事 で しか も 食 べ や す い 調 理 の 工 夫 が 必 要 とな る 。  栄 養 の 付 与 も重 要 な 要 素 で あ る 。 繊 維 質 の もの や, 畜 肉 類 を敬 遠 す る こ と に よ り,ま す ま す 重 要 な た ん ぱ く質,食 物 繊 維,ミ ネ ラ ル 類 の 摂 取 量 は低 下 す る 。  摂 食 機 能 の 低 下 した 高 齢 者 に と っ て,物 性 と栄 養 の

参照

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