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光計測を工場で使うために

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Academic year: 2021

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113(1) 計量標準を支える光計測技術の進展

巻頭言

光計測を工場で使うために

高  増   潔

(東京大学大学院工学系研究科)  「光計測はデリケートで工場では使えない」という言葉は,かなり昔から現在にか けて種々の場所でいわれてきている.実際,工場の代表である自動車産業において, 光計測,特に干渉計測はほとんど使われずにきている.これは,光計測のロバスト性 に問題があり,外乱である振動,温度変動,空気ゆらぎ,ダストなどへの対応が,工 場での利用の鍵となる.これに対応した基礎的,応用的な研究開発が必要である.  このような状況の突破口としては,二つの状況が考えられる.まずは,計量標準 (トレーサビリティー)である.本特集でも示されるように,長さ,時間周波数をは じめ,多くの物理量において,光計測が最上位の国家標準となってきている.従来は 国家標準からいくつかの階層を経て,工場で使われる計測技術となり,より簡単でロ バストな計測である機械計測が工場における計測の中心となっていた.しかし,高精 度(小さい不確かさ)でトレーサビリティーを確立するには,直接的に光計測を行う ことが望ましい.次に,工場の計測において,より高速な計測の必要性が増加してい ることがあげられる.この分野における光計測では,干渉計を利用したもの,光切 断,縞投影,レーザーレーダー,画像計測などの多くの手法が実用化の段階にある.  この二つの状況をうまく結びつけることが,光計測を工場で使う条件となる.自動 車のボディー計測などの光計測,電子機器などで使われてきている画像を利用した三 次元計測などでは,従来トレーサビリティーは重視されず,高速性のみが重要な機能 として使われてきた.そのため,このような測定機器の工業標準はなく,温度補正, 校正方法などが確立されていない.しかし,寸法,座標測定に対しては,ISO での規 格(ISO 10360 シリーズ),JIS での規格化(JIS B 7441,非接触座標測定機の受入検査 及び定期検査)が進められている.  以上のように,光計測を工場などの一般環境で使うための要素として,ロバスト性 を高める基礎的および応用的な研究開発,光計測の高速性を生かした計測技術,計量 標準とそれを支える工業標準(ISO 規格および JIS 規格)の整備,の三つを指摘した. これらの要素における産学官の連携的な研究開発により,工場における光計測の導入 が進み,産業界における計測技術の高精度化が可能となると考えられる.

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