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特性変動が生じる3自由度ヘリコプタのロバスト安定化

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Academic year: 2021

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特性変動が生じる

3

自由度 ヘリコプタのロバスト安定化

2009SE176 森川貴光 指導教員:高見勲

1

はじめに

本研究で使用する 3 自由度 ヘリコプタは非線形性の強 いダイナミクスを持つことから線形化誤差が生じる. 本 研究では, この問題を解決するために近似誤差によって生 じる特性変動に対してロバスト安定性を保証できる制御 器を設計する. また, 機体に重りを載せることで生じる特 性変動に対してもロバスト安定性を保証する.

2

制御対象とモデリング

本研究に用いる 3 自由度 ヘリコプタの簡略化した図を 図1に示す. 3 自由度 ヘリコプタは前後に2つのプロペ ラを持つタンデムローター型のヘリコプタであり, 支持 棒を介して土台に固定されている. 点 O を中心に垂直方 向をエレベーション方向, 水平方向をトラベリング方向と し, 前後のプロペラを操作することでエレベーション方向 の運動とトラベリング方向の運動を制御する. エレベー ションの角度 ϵ(t) [rad] とピッチングの角度 ρ(t) [rad] と トラベリングの角度 λ(t)[rad] を測定し, 前プロペラと後 プロペラの電圧 Vf(t)[V], Vb(t)[V] を操作することで ϵ(t), λ(t) を目標値に追従させる制御系を設計する. F Pitch axis b Front Rotor Ff Back Rotor Elevation axis Travel axis O A (t) λ Counter Weight L L L L a b h w Weight M M Mg f b Mw ε(t) (t) ρ 図 1 3DOF ヘリコプタの簡略図 3 自由度 ヘリコプタの非線形運動方程式をラグランジ ュの運動方程式を用いて導出する. 前後プロペラの質 量を Mf,Mb, カウンターウェイトの質量を Mw, 機体 重心に吊るす重りの質量を Mg, 土台中心から車体まで の距離を La, 機体重心からプロペラ中心までの距離を Lh, 土台中心からカウンターウェイト中心までの距離 を Lw, 土台から支持棒までの距離を Lbとし, 状態変数 x(t) を x(t)=[ϵ(t), ρ(t), λ(t), ˙ϵ(t), ˙ρ(t), ˙λ(t)]T, 入力 u(t) を u(t)=[Vf(t), Vb(t)]T とする. 導出した非線形運動方程式 を平衡点で線形化すると次の式が得られる. ¨ ϵ(t) =−(Mf + Mb+ Mw+ Mg)Lbg ϵ(t) +(Vf(t) + Vb(t))KfL2 a+ L2b −(Mf + Mb+ Mg)Lag− MwLwg (1) ¨ ρ(t) =(Vf(t)− Vb(t))KfLh (2) ¨ λ(t) =−(Vf(t) + Vb(t))KfL2 a+ L2b ρ(t) (3) Jϵ=(Mf + Mb+ Mg)(L2a+ L2b) + Mw(L2w+ L2b) (4) Jρ=(Mf + Mb)L2h (5) Jλ=(Mf + Mb)(L2a+ L 2 h) + MwL2w (6) ここで, Vf(t) + Vb(t) の微小変動を ∆Vf+ ∆Vb [V], 機体 を水平に保つ入力を Vf 0+ Vb0 [V] とすると Vf(t) + Vb(t) は以下のようになる Vf(t) + Vb(t) = Vf 0+ Vb0+ ∆Vf+ ∆Vb (7) (3) 式は双線形性があるので平衡点の周りで線形化すると 以下となる. ¨ λ(t) =−(Vf 0+ Vb0)KfL2 a+ L2b ρ(t) (8) (7) 式を考慮し, (1), (2), (8) 式より状態空間表現を (9) 式 のように示す. { ˙ x(t) = Ax(t) + Bu(t) y(t) = Cx(t) (9) また, A, B, C は次のようになる. A =          0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 a1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 a2 0 0 0 0          , B =          0 0 0 0 0 0 b1 b2 b3 b4 0 0          (10) C = [ I3 Ø3,3 ] (11) a1= (Mf + Mb+ Mw+ Mg)Lbg a2= (Vf 0+ Vb0)KfL2 a+ L2b b1= b2= KfL2 a+ L2b , b3=−b4= KfLh

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制御系設計

3.1 システムの拡大系 本 研 究 で は 出 力 を 目 標 値 に 追 従 さ せ る た め に 制 御 ループ内に積分器を付加した. 状態変数の拡大系 xe(t) を xe(t)=[ϵ(t), ρ(t), λ(t), ˙ϵ(t), ˙ρ(t), ˙λ(t),ϵdt,λdt]T

(2)

するとシステムの拡大系は次式となる. ˙ xe(t) = Aexe(t) + Beu(t) (12) Ae= [ A Ø6,2 −Ce Ø2,2 ] , Be= [ B Ø2,2 ] (13) Ce= [ 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 ] (14) 3.2 行列ポリトープ表現 モデリングの際, (8) 式のように入力 Vf(t) + Vb(t) を機 体を水平に保つ入力 Vf 0+ Vb0として近似を行った. しか し, 入力は定常値ではなく変動してしまい, Vf(t) + Vb(t) と Vf 0+ Vb0に誤差が生じてしまう. そこで今回は, 入力 Vf(t) + Vb(t) と Vf 0+ Vb0の誤差により生じる特性変動 に対してロバスト安定性を保証する. また, 車体重心に重 りを載せた場合に起こる特性変動に対してもロバスト安 定性を保証する. 入力 Vf 0+ Vb0の変動範囲を 10.4[V]≤ (Vf 0+ Vb0)≤ 44.0[V] とし, 行列ポリトープ集合 [2] を用 いて表すと以下になる.

Vf 0+ Vb0 ∈ [Vf 0,min+ Vb0,min, Vf 0,max+ Vb0,max]

= [10.4, 44.0] (15) また, 重りの質量 Mgの変動範囲を 0[kg]≤ Mg≤ 0.15[kg] とすると Mgは以下のように表される. Mg∈ [Mg,min, Mg,max] = [0, 0.15] (16) (15), (16) 式 の 行 列 ポ リ ト ー プ 集 合 を 用 い て シ ス テ ム 行 列 Ae の 端 点 を Ae0,Ae1,Ae2,Ae3, Be の 端 点 を Be0,Be1,Be2,Be3とする. 3.3 ロバスト LQ 制御 本研究は, 最適レギュレータ問題 [1] の可解条件を LMI 条件で表現し, 行列ポリトープ表現を用いることでロバス ト安定化制御器を設計する. (15) 式で与えられた状態方 程式に対し, 評価関数 J を J = 0 (x(t)TQx(t) + u(t)TRu(t))dt (17) と定義し, 評価関数 J の最小化を行う. 評価関数 J を最 小化する LMI 条件は以下のようになる.    He[AekX + BekY ] X YT X −Q−1 O Y O −R−1    ≺ 0 (18) (k = 0, 1, 2, 3) [ Z I I X ] ≻ 0, γ − trace(Z) > 0 (19) ただし, P = X−1< Z, Y = KX, J < γ また, 重み行列 Q, R を以下のように定める. Q = diag [ 10 1 10 10 1 10 100 0.6 ] (20) R = diag [ 0.1 0.1 ] (21) 状態フィードバック形式のコントローラを u(t) = Kx(t) とし, フィードバックゲイン K は K = Y X−1とする.

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シミュレーションと実験

ϵ(t) = 15[deg] かつ Mg = 0.00[kg] の場合, ϵ(t) = 15[deg] かつ Mg = 0.15[kg] の場合, ϵ(t) = −10[deg] かつ Mg = 0.00[kg] の場合, ϵ(t) = −10[deg] かつ Mg = 0.15[kg] の場合で, トラベリングを目標値 λ(t) = −120[deg] に追従させるシミュレーションと実験結果を図 2, 図 3 に, シミュレーションと実験結果の比較を図 4 に 示す. 0 5 10 15 20 25 30 35 40 −150 −100 −50 0 50 Time[s] Traveling angle[deg] Input Elevation=15[deg]Weight=0.00[kg] Elevation=15[deg]Weight=0.15[kg] Elevation=−10[deg]Weight=0.00[kg] Elevation=−10[deg]Weight=0.15[kg] 図 2 トラベリングのシミュレーション 0 5 10 15 20 25 30 35 40 −150 −100 −50 0 50 Time[s] Traveling angle[deg] Input Elevation=15[deg]Weight=0.00[kg] Elevation=15[deg]Weight=0.15[kg] Elevation=−10[deg]Weight=0.00[kg] Elevation=−10[deg]Weight=0.15[kg] 図 3 トラベリングの実験結果 0 10 20 30 40 −150 −100 −50 0 50 Time[s] Traveling angle[deg] Input Measure,Elevation=15[deg]Weight=0.00[kg] Simulation,Elevation=15[deg]Weight=0.00[kg] 図 4 トラベリングのシミュレーションと実験結果の比較 図 2, 図 3 より, 各場合において安定した応答を示し, 特 性変動に対するロバスト安定性を確認することができた. また, 図 4 より, シミュレーションと実験結果も十分一致 していることが確認できる.

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おわりに

行列ポリトープ表現を用いたロバスト LQ で特性変動 に対するロバスト安定性を実験で確認することができた. また, シミュレーションと実験結果が十分一致することか ら信頼できる数学モデルを導出したといえる.

参考文献

[1] 川田昌克 : MATLAB/Simulink による現代制御入門 森北出版, 東京, 2011. [2] 蛯原義雄:LMI によるシステム制御 森北出版, 東京, 2012.

参照

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