An experimental intraradicular biofilm model
in the pig for evaluating irrigation
techniques.
著者
田中 利典
号
52
学位授与機関
Tohoku University
学位授与番号
歯博第889号
URL
http://hdl.handle.net/10097/00130043
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論 文 内 容 要 旨
【目的】 感染根管治療において,感染源除去のための機械的清掃と化学的清掃は不可欠である。しかし複雑 な根管系を機械的に清掃することは極めて難しく,化学的清掃,特に根管洗浄による流体力学的効果 の重要性が近年再認識されている。根管洗浄の研究報告では,透明根管模型や抜去歯を対象とした削 片除去・洗浄液の到達を観察したものや,数値流体力学によるシミュレーションが一般的で,根管内 バイオフィルムの除去については明らかにされていない。本研究では,我々が開発した根管内バイオ フィルムを形成するin vivo家畜ブタ感染根管モデルを用いて,各種根管洗浄法によるバイオフィルム 除去効果を検討した。 【材料および方法】 (1)根尖性歯周炎および根管内バイオフィルムの作製:2 ヶ月齢以上の家畜ブタ5頭を用いて左右 下顎第二乳臼歯の近遠心根を実験対象根管(n=20)とし,吸入麻酔および局所麻酔下で髄室開拡を行っ た。作業長確認後,Kファイルによる根管形成および6%次亜塩素酸ナトリウムによる根管洗浄を行い, 根管開放のまま2週間口腔内に暴露させた。その後根管系を低酸素状態にするため歯冠側を水硬性セメ ントとコンポジットレジンにて二重仮封し,4週間根管内バイオフィルムを成熟させた。 (2)各種根管洗浄:実験対象根管を4つの実験群(各群n=4)および根管洗浄なしの対照群(control: n=4)に分け,比較検討した。実験群の処置時はラバーダム防湿を行い,歯冠部を超音波スケーラー で歯面清掃後二重仮封を除去し,以下の根管洗浄を行った。根管洗浄後はコンポジットレジンにて歯 冠側を封鎖した。 ①30ゲージ洗浄針によるシリンジ洗浄(以下CNI),②シリンジ洗浄+超音波発生装置による撹拌(以 下PUI),③シリンジ洗浄+音波発生装置による撹拌(以下EA),④シリンジ洗浄+Er:YAGレーザー 氏 名(本籍) : 田た 中なか 利とし 典のり(東京都) 学 位 の 種 類 : 博 士 ( 歯 学 ) 学 位 記 番 号 : 歯 博 第 8 8 9 号 学位授与年月日 : 令和 2 年 3 月 25 日 学位授与の要件 : 学位規則第4条第1項該当 研 究 科 ・ 専 攻 : 東北大学大学院歯学研究科(博士課程)歯科学専攻学 位 論 文 題 目 : An experimental intraradicular biofilm model in the pig for evaluating irrigation techniques. (根管洗浄法評価のためのブタを用い た根管内バイオフィルムモデルの確立)
論 文 審 査 委 員 : (主査)教授 山 田 聡
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による撹拌(以下LAI)
(3)評価法:家畜ブタに全身麻酔を施したのち顎骨とともに歯牙を摘出した。歯根を近心根と遠心 根に分け,そのうちの1根については歯軸方向に割断し根管内面の状態をSEMにて観察した。各群残り の3根については,根管内の細菌感染を定量解析するために根管内細菌のDNAを抽出し,菌数を揃え たEnterococcus faecalisから抽出したDNAをreferenceとしたreal-time PCR法を実施し,ANOVAのの ちTukey-Kramer法にて比較検定した。合わせて対照群の根管内細菌叢解析も行なった。 【結果および考察】 ブタの根管内細菌叢はヒトと非常に類似していた。各群の根管内残存細菌数をreal-time PCR法で解 析すると,LAIは他の洗浄方法と比較して有意に高い細菌除去効果を示した。 SEM観察では,対照群 で根管内バイオフィルム形成が確認され,その除去には同じくLAIで最も高い効果が認められた。 こ れらの結果から,根管内バイオフィルム除去においてLAIのキャビテーション効果はPUIによるアコー スティックストリーミングよりも優れていることを解明した。 【結論】 根管内バイオフィルムに対するin vivoの根管洗浄では,LAIが有効であることが示唆された。