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インドネシアで生産される日本企業のハイテク製品と、その技術移転の諸特徴

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イ ン ドネ シ ア で生 産 され る 日本 企 業 のハ イ テ ク製 品 と、

そ の技 術 移 転 の諸 特 徴

富 士 雄

High Technological

Products

of Japanese

Companies

made in

Indonesia

and some Features

of the Technological

Transfer

Fujio Sugiyama

1は じ め に 本 論 文 は 、 日本 企 業 が どの よ うな グ ロ ーバ ル経 営 戦 略 を展 開 して イ ン ドネ シ アへ 進 出 して きた か 、 工 場 操 業 後 どの よ う に して経 営 資 源 を移 転 して き たか 、 とい っ た現 地 にお け る 日本 企 業 の技 術 移 転 の 実 態 につ い て 分 析 す る 。 近 年 、 円 高 に よる 国 際 的 な コス ト条 件 の 変 化 、 イ ン ドネ シ ア 政 府 の外 資 優 遇 政 策 お よび 日本 企 業 の 経 営 資 源 の充 実等 に よ り、 イ ン ドネ シ アへ の 直 接 投 資 は増 加 しつ つ あ る。 そ う した 直 接 投 資 の 形 態 に よ る生 産 技 術 の移 転 は 、 低 コ ス トを利 用 した 生 産 お よび 供 給 の拠 点 作 りが 主 な 狙 い で あ る。 とは い え単 な る資 本 の 移 動 で は な く、 そ の本 質 的 か つ大 き な役 割 を果 た して い る部 分 は 、技 術 者 の派 遣 や 技 能 訓 練 とい っ た 、 こ れ まで 日本 企 業 に蓄 積 され た 入 的資 本 の 移 動 を伴 う もの で あ る。 直 接 投 資 に よ っ て 技 術 が 移 転 さ れ る場 合 、 技 術 は 市 場 を経 由 して 取 り引 き され る の で は な く、 企 業 組 織 内 で取 り引 き され る場 合 が ほ と ん ど で あ る。 そ の た め グ ロ ー バ ル に生 産 お よび 販 売 戦 略 を展 開 す る 日本 企 業 の技 術 移 転 に 関す る研 究 は 、 企 業 レベ ル で ケ ー ス ・ス タ デ ィ を積 み 重 ね る 方 が 密 度 の 濃 い 調 査 結 果 が 期 待 で き る。 そ こで 筆 者 は 、1999年5月 初 旬 に、 イ ン ドネ シ ア の ジ ャ カ ル タ 近 郊 とバ タ ム 島 の 現 地 日系 企 業 の 調査 を行 い 経 営 者 にイ ン タ ビ ュ ー を して きた 。 以 下 の 内 容 は 、 そ れ を基 に して筆 者 が 論 文 と して 体 裁 を 整 えた も の で あ る。 現 在 、 日本 企 業 に よ って イ ン ドネ シ ア に移 転 され る 技術 は、 日本 の 本 社 工 場 あ るい は ア ジ ア の 他 工 場 に お い て 、 あ る 程 度 の 期 間使 用 さ れ て い て 、 既 に完 成 あ る い は成 熟 した 内 容 の 容 易 に 移 転 で き る もの が 多 い 。 そ う した技 術 の 移 転 は 、 まず 現 地 に海 外 子 会 社 を設 立 して 、 工 場 や 生 産 設 備 の 設 置 工 事 を した後 、 生 産 プ ラ ン トに 関す る ハ ー ド面 で の 技 術 を移 転 し操 業 を開 始 す る 。 しか し、 現 地 で 生 産 が 本 格 化 す るの は 、従 業 員 へ の作 業 訓 練 や 生 産 プ ラ ン トの 操 作 、 修 理 お よ び改 善 な ど に 関 す る技 術 指 導 を通 じた、 ソ フ ト面 で の技 術 移 転 を 行 う段 階 以 降 で あ る 。 この 時 、 技 術 水 準 が 高 す ぎて 、 現 地 従 業 員 が ス ム ー ズ に内 容 を習 得 で きず 移 転 に支 障 を きた す 場 合 、 人 的 資 源 を 日本 の 本 社 か ら派 遣 す る こ とが 多 く見 ら れ る 。 こ の よ うな 基 準 で技 術 移 転 を 定 義 す る な らば 、 イ ン ド

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ネ シ アで 定 着 させ 本 格 的 に軌 道 に 乗 せ る に は相 当 長 期 間 を要 す る こ と に な る 。 移 転 した い 技 術 を容 易 に定 着 さ せ 得 る か否 か は、 第 一 に、 当 該 企 業 が 、 こ れ まで 何 回移 転 を経 験 した か 、 日本 で そ の技 術 が どの程 度 習 熟 され て い る か 、 現 地 で どの くら い 関 連 部 品 を調 達 で き る か 、 現 地 の 従 業 員 が 企 業 に定 着 して ど の程 度 の 技 術 を吸 収 して くれ るか とい った 経 済 的 要 因 に 左 右 され る 。 第 二 に、 そ れ 以 外 の 要 因 、 例 え ば 言 語 、 習慣 お よ び宗 教 の 違 い に よる 意 志 疎 通 の 困 難 さ も大 き く影 響 す る 。 勿 論 、 日本 企 業 が 技 術 移 転 を促 進 させ る た め に様 々 な努 力 を行 う の は、 海 外 子 会 社 工 場 で の 生 産 コス トを低 下 させ 、 そ の 後 高 い収 益 を 回収 し よ う と い うイ ン セ ン テ ィ ブ が 作 用 す る か らで あ る。 そ し て、 生 産 コス トの安 い 迂 回生 産 供 給 基 地 にお い て 、 親 会 社 は短 期 間 に一 定 レベ ル の 高 品 質 製 品 を生 産 しな け れ ば な ら な い。 そ こで 操 作 技 術 の み な らず 、 品 質 管 理 や 生 産 管 理 体 制 まで も全 て移 転 す る労 力 を要 求 され る。 イ ン ドネ シ ア へ の 投 資 環 境 にお い て 、 各 々企 業 レベ ル の グ ロー バ ル な 経 営 戦 略 を検 討 して み る と、 日本 企 業 の 場 合 、 欧 米 系 や 華 僑 系 資 本 に比 べ て 、 長 期 的 な 視 点 か らの 経 営 が特 徴 と して あ げ ら れ る。 例 え ば 企 業 内 で の 人 材 育 成 、 部 品 産 業 の 育 成 や 誘 致 、 内 部 留 保 か らの 投 資 等 に お い て 、 地 道 に伝 授 し推 進 す る こ とで経 営 上 の効 率 性 や 優 位 性 を確 保 し よ う とい う実 態 が見 られ る 。 さ らに 、 現 地 に お け る部 品 産 業 の集 積 は 、 そ の 品 質 や 納 期 の 確 保 お よび 調 達 コ ス トの 切 り下 げ とい う面 で も特 に 重 要 に な っ て くる。 イ ン ドネ シ ア は、 労 働 コス トに お い て 、 ア セ ア ン諸 国 の 中 で 圧 倒 的 な 競 争 力 を有 す る。 問題 は、 労 働 コス トと部 品 お よび 原 材 料 調 達 コス トを含 め た トー タ ル コス トで 本 当 に競 争 力 を持 つ か で あ る 。例 え ば 、 部 品 調 達 コス トを下 げ る た め に は 現 地 調 達 比 率 を上 げ る 必 要 が あ る。 しか し、 ロ ー カ ル の サ ポ ー テ ィ ン グ ・イ ン ダ ス トリ ーが 育 成 され て い な い 現 状 で は 、 日本 か らの 部 品産 業 の 誘 致 も し くは 自社 工 場 で の 部 品 の 内 製化 は不 可 欠 で あ る 。 つ ま り、 こ の よ う な現 地 で の サ ポ ー テ ィ ング ・イ ンダ ス トリ ー を確 保 で きて は じめ て 、 日本 企 業 に よ る イ ン ドネ シ ア で の 「世 界 市 場 向 け の最 適 輸 出拠 点 」 作 りは 進展 す る と考 え られ る 。 所 変 わ っ て 、 シ ンガ ポ ー ル に近 接 す る バ タム 島 は 、独 自 の経 済発 展 を達 成 して い て 、 日本 か ら の 輸 出 志 向 型 製 造 業 の 進 出 お よ び 部 品 産 業 の 集 積 が 顕 著 で あ る。 面 積 は シ ンガ ポ ー ル の 約3分 の 2で 、 そ の 南 東20kmに 位 置 す る 自 由 貿 易 区 域 バ タ ム 島 は 、 イ ン ドネ シ ア で 唯 一 の 全 島 保 税 地 区 に 指 定 さ れ て い る 。1990年8月 に、 シ ン ガ ポ ー ル 政 府 との 問 に締 結 され た 「リ ア ウ州 開発 構 想 に お け る経 済 協 力 合 意 」 を契 機 に 開発 に拍 車 が か か り、経 済 活 動 の 重 点 地 域 と して の 開発 が 本 格 化 す る 。 イ ン ドネ シ ア の バ タ ム、 シ ン ガ ポ ー ル 、 マ レー シ ア の ジ ョホ ー ル を ま と め て 「成 長 の 三 角 地 帯 」 と称 し、 こ の地 域 へ の 外 資 導 入 が 盛 ん に行 わ れ て き た。 そ の 成 功 の鍵 は、 情 報 、 金 融 、 物 流 お よび 販 売 な ど の総 合 的 な都 市 機 能 を持 つ シ ン ガ ポ ー ル と、 低 賃 金 労 働 力 を豊 富 に抱 え るバ タ ム や ジ ョホ ー ル が 一 体 化 し、 そ れ ら を拠 点 と して 生 産 され たハ イ テ ク製 品 を シ ン ガ ポ ー ル 経 由 で 輸 出 可 能 に した か らで あ る 。3ヶ 国 は 「成 長 の 三 角 地 帯 」 の 開 発 に あ た っ て 、 そ れ ぞ れ が 自 国 の 優 位 な 点 を他 国 に提 供 し、 欠 け て い る もの を相 互 に補 完 し なが ら地 域 全 体 で 開 発 効 果 を上 げ て き た 。 と こ ろ で 、 バ タ ム 島 の 中 心 部 ム カ クニ ン グ に 立 地 す るバ タ ミ ン ド工 業 団 地 は、1990年 の 設 立 以 来 、 シ ン ガ ポ ー ル とイ ン ドネ シ ア の 政 府 合 弁 事 業 で運 営 さ れ 、電 気 ・電 子 機 器 関連 企 業 を主 と し て 誘 致 し て きた 。1999年2月 現 在 、87社 の企 業 が 工 業 団 地 に 進 出 し、 そ の うち 日系 企 業 は44 社 に な っ て い る 。 そ れ 以 外 に 団 地 外 で単 独 稼 働 す る 日系 企 業 も多 く10数 社 に の ぼ る 。 工 業 団 地 は 、産 業 基 盤 が 充 実 して お り、独 自 の発 電 設 備 を は じめ 上 下 水 道 お よび4万 人 以 上 収 容 で き る従 業 員 宿 舎 ド ミ トリ ー が 完備 さ れ て い る 。 そ の 面 積320haの 工 業 団 地 内 で 、 現 在 約6万 人 の 労 働 者

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が 働 い て る 。 2ね じ類 製 造 メ ー カ ーA社 イ ン ドネ シ ア エ 場(1999年5月6日 現 地 調 査) 2-(1)イ ン ドネ シア 進 出 の動 機 及 び 会 社 概 要 A社 は 、1985年 に イ ン ドネ シ ア で ね じ類 の 生 産 工 場 の 操 業 を 開 始 し、1992年 に現 在 の 工 場 が あ る マ ニ ス工 業 団 地(ジ ャ カ ル タ西 隣 の タ ンゲ ラ ン市 内)に 移 転 して き た 。1985年 当 時 は 、 代 理 店 経 由 で ね じを イ ン ドネ シ ア 国 内 に販 売 し て い た が 、 内需 の拡 大 が 予 測 され た の で ジ ャ カ ル タ 近 郊 に進 出 して きた 。進 出 当 初 、 日系 企 業 か らの発 注 は数 え る程 度 で あ っ た 。 しか し、 イ ン ドネ シ アで 精 密 ね じを作 れ る外 国企 業 はA社 の み で あ っ た の で 、 日系 企 業 か らの発 注 を独 占 的 に確 保 で き た 。1996年 ま で は 、 自動 車 産 業 が 好 調 で 日本 の サ ポ ー テ ィ ン グ ・イ ン ダ ス ト リー の 進 出 と 拡 大 ブ ー ム の な か 、3交 替 シ フ トで 機 械 を フ ル 稼 働 させ る状 態 で あ っ た 。 と こ ろ が 、1997年 の 通 貨 危 機 後 、 ヤ ン マ ー 、 ヤ マ ハ そ して ト ヨ タ等 の 自動 車 関 連 内需 志 向 型 ユ ー ザ ー か らの注 文 が 激 減 した 。 現 在 で は、 ソニ ー 、 エ プ ソ ン等 家 庭 電 化 製 品 お よ び音 響 機 器 関 連 の輸 出 志 向型 ユ ー ザ ー か ら の発 注 が 好 調 で あ る の に留 ま っ て い る 。 一 昨 年 に 比 べ 、 全 体 と して 生 産 は25%ダ ウ ン し た 。 そ の た め 、従 業 員 を100名 削 減 し、2交 替 シ フ トの 生 産 体 制 に移 行 して い る。 現 在 、従 業 員 は225 名 で 、 そ の う ち事 務 ス タ ッフ は60名 で あ る。 2-(2)技 術 移 転 の 方 法 ・状 況 工 場 内 に は、 日本 か ら輸 入 した 原 材 料 で あ る ス テ ン レ ス、 ア ル ミお よび鋼 材 を適 当 な長 さ に切 り、 ね じの頭 を作 るヘ ッ ダ ー とい う機 械 が61台 設 置 さ れ て い る 。 そ れ を、 ロ ー リ ン グ と い う機 械 が44台 設 置 さ れ て い て 、 擦 る よ う に ね じ切 りす る。 次 に、13台 設 置 あ る先 割 り機 に よ っ て ね じ先 を 割 る 。 そ して 、 ね じの 形 に 出 来 あ が っ た 製 品 を800度 の 温 度 で 焼 き入 れ 、400度 で 焼 き直 し、 洗 浄 後 メ ッキ を施 して選 別 、 出 荷 す る と い う工 程 に な っ て い る。 選 別 は 、 全 数 検 査 の た め ほ と ん ど人 手 に頼 るが 、 場 合 に よ っ て は 日本 か ら持 ち 込 ん だ2台 の 自動 選 別 機 を使 っ て い る 。 人 手 に よ る検 査 の 欠 点 と して 、異 物 混 入 を見 逃 しや す く、 自動 ね じ締 め 機 を使 う メ ー カ ー の 生 産 ラ イ ン を ス トッ プ させ る危 険 性 が あ る。 工 場 の 立 ち上 げ 時 に は 、 日本 か ら技 術 指 導 の ス タ ッフ を派 遣 した 。 毎 年 、2∼3名 を3ヶ 月 程 度 日本 で研 修 させ て お り、 ま た マ レ ー シ アや タイ の 関 連 工 場 へ 技 術 研 修 させ てい る 。 しか し、 日 本研 修 の 場 合 、 技 術 研 修 とい う よ り 日本 で の 高 い 給 与 を 目当 て に して行 くとい う側 面 が 強 い よ う だ 。1996年 まで は 、3交 替 シ フ トで機 械 を稼 働 させ て い た 。 日本 な らば1人10台 の 機 械 を 受 け持 つ と こ ろ、 イ ン ドネ シ ア で は1人4台 しか 操 作 出 来 ず 、 そ の た め多 くの労 働 者 を雇 わ ざ る を得 な か っ た 。 しか し現 在 で は 、通 貨 危 機 に よ る 内 需 不 振 とい う こ と もあ っ て 、2交 替 シ フ トの 生 産 体 制 に移 行 して い る。 そ の他 、 不 良 率 の 問 題 で 、 熱 処 理 とメ ッキ の 工 程 は 、 日本 人 の監 視 が な い と 不 良 品 が 出 や す い の た め4人 の 日本 人 ス タ ッ フ を常 駐 させ て い る が 、 不 良 率10%を 下 回 る こ とは な い 。 日本 人 ス タ ッ フ退 社 後 の 夜 間 は 、 ロ ー カ ル の ス ー パ ー バ イザ ー が コ ン トロ ー ル す る こ と に な る た め 、 不 良 率 は 更 に15%に な っ て しま う。 ま た 、作 業 標 準 は あ る もの の 、 ロ ー カ ル の ス タ ッ フ が勝 手 に変 更 す る とい っ た手 違 い も しば しば起 こ る。 今ISO9002取 得 の た め に 、販 売 、 製 造 お よ び デ ザ イ ン を含 め た体 系 的 なマ ニ ュ ア ル作 りに取 り組 ん で い る。 ね じを打 つ機 械 の 定 期 的 な

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オ ーバ ー ホ ー ル につ い て は、 ロ ー カ ル の ス タ ッ フの 手 に委 ね られ る よ う に な っ て きて お り、 また 、 一 般 的 な 技 術 移 転 も大 半 は既 に完 了 して い る 。 しか し、熱 処 理 炉 とメ ッ キ装 置 の オ ー バ ー ホ ー ル につ い て は 、 い ま だ 日本 か ら派 遣 され て きた技 術 者 に頼 ら ざ る を得 な い 状 況 で あ る 。 昨 年 ま で は 、 ア ス トラ ・グ ル ー プが36%の 株 主 で あ り、 ス タ ッフ レベ ル の 人 材 は ア ス トラ か ら 出 向 し て い た 。 そ の 矢 先 、 ア ス トラが 自動 車 と無 関 係 な株 を清 算 す る 方 向 へ 傾 い た た め 、A社 が そ の株 を買 収 し外 資100%企 業 に な っ た 。 そ の 結 果 、 親 会 社 の 意 向 だ け で投 資 を 決 め ら れ る よ う に な り経 営 も容 易 に な っ た 。 一 般 的 に 日本 企 業 は 、100%株 式 所 有 の 形 で工 場 を立 ち 上 げ る と い っ た直 接 投 資 を行 っ て 、 会 社 内 の ネ ッ トワ ー ク を利 用 して 技術 移 転 す る こ とを好 む と言 わ れ て い るQ A社 に お け る労 働 者 は 、 高 卒 以 上 の 人 材 を新 聞 や ロ コ ミ を通 じて 募 集 す るが 、 そ の 定 着 率 は 高 く10年 勤 続 者 が20人 も 出 て きた 。 ね じの 生 産 に は 、 職 人 的 気 質 が 要 求 され る た め 、 一 人 前 に な る の に10年 以 上 か か る とい わ れ て い る 。 今 の と こ ろ 、 人 員 を これ 以 上 増 や す つ も りは な く、 自 然 減 を補 充 す る だ け に留 ま って い る た め こ こ数 年 定 期 採 用 を して い な い 。 一 般 的 に、 イ ン ドネ シ ア 人 労 働 者 は機 械 い じ りが 好 きで作 業 の 飲 み込 み も早 い 。 労 働 者 の初 任 給 は 、食 事 手 当 と交 通 費 込 み で 、33万 ル ピ ア、 日本 円 に換 算 して 約5千3百 円程 度 で あ る。 ス タ ッ フ に つ い て は 、 内 部 昇 進 者 が 多 く、 そ の 平 均 給 与 は44万 ル ピ ア に な って い る 。従 業 員225名 の う ち 、 女 性 は40名 の み で残 りは 男 性 で あ る 。 ジ ョブ ・ロ ー テ ー シ ョ ン に つ い て は 、 大 き な配 置 転 換 は しな い が適 宜 行 っ て い る。 2-(3)技 術 移 転 上 の課 題 ・問 題 点 イ ン ドネ シ ア 人 ス タ ッ フ は、 日本 人技 術 者 か らOJTを 通 じて 取 得 した技 能 や 、社 外 研 修 お よび 日本 研 修 で 学 ん だ こ とを他 の ス タ ッフ に教 え よ う と しな い 。 そ れ は 、 自分 が 苦 労 して 身 に付 け た とい う知 的 熟 練 の 占有 意 識 の 強 さが 原 因 で あ る 。技 術 移 転 後 、 製 品 を効 率 よ く生 産 す る た め には 、 技 術 や 知 識 を個 人 の もの に す る の で は な く、 企 業 の 共 同資 産 と して共 有 す る方 が 望 ま しい 。 しか し、 集 団性 や チ ー ム ワ ー ク等 必 要 とす る 環 境 や 風 土 が 育 た な い た め 、技 術 の縦 横 へ の 広 が りが 見 られ な い 。 ま た 、 中 間管 理 職 の 人 材 の 育 成 不 足 に よ り、 彼 らの 指 導 力 を必 要 とす る オペ レー ター の 管 理 が 不 十 分 で あ る。 会 社 内 で の コ ミ ュニ ケ ー シ ョン は 、 共 通 言 語 で あ る イ ン ドネ シ ア語 で行 わ れ る が 、 日常 会 話 に お い て は 問 題 な い もの の 、経 営 サ イ ドの 要 望 や 、 労働 者 の志 気 を高 め動 機 付 け に よ っ て向 上 心 を 維 持 させ る と い っ た 意 図 を ロー カ ル の ス タ ッフ に全 て伝 え きれ ず に い る。 ま た 、 会 議 にお い て も 意 志 の疎 通 に 困難 を きたす こ とが あ る 。 タ ンゲ ラ ン地 区 は 、 繊 維 や お もち ゃ等 の 労 働 集 約 型 工 場 が 中 心 で 、低 賃 金 労 働 者 が 多 い 。 ゆ え に毎 年 、 労 働 争 議 は この 地 区 か ら勃 発 して い る。 そ の た め イ ン ドネ シ ア政 府 は 、外 国 企 業 に 対 す る 悪 評 を恐 れ て 、今 後 当 地 には 工 業 団 地 を建 設 しな い 方 針 に 決 め た。 よ っ て現 在 で は、 工 業 団 地 へ 通 じる道 路 の補 修 等 も、 既 存 の 企 業 で 出 さ ざ る を得 な い 。 実 際 、年 に2回 補修す る アス フ ァル トは薄 く、 道 路 の あ ち こ ち に窪 み も見 られ た 。 輸 入 税 に つ い て は 、 輸 出 す れ ば税 が 還 付 され る輸 出 ドロ ー バ ッ ク制 度 が 存 在 す る に もか か わ ら ず 、 請 求 して も還 元 され な い う え、 役 所 へ の 裏 金 が 要 求 さ れ る な どル ー ル が 不 透 明 で あ る 。 特 に 、 税 金 に関 す る解 釈 は 不 明 確 で あ り、 還 付 が 大 幅 に遅 れ る な ど問 題 点 が 多 い 。 こ の よ う に、 イ ン ド ネ シ アで は今 後 の 課 題 と して 、 法 令 の 曖 昧 さや 税 金 運 用 の恣 意 性 に 関 す る改 善 が 求 め ら れ る 。

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文 化 的 な 問 題 点 と して は、 イ ス ラ ム の 断食(ラ マ ダ ン)の 時期 に、 不 良 品 の 割 合 が増 え基 準 達 成 率 も大 幅 に ダ ウ ン す る とい っ た 、 生 産 効 率 の 低 下 が み られ る こ とで あ る 。 しか し、 宗 教 に 関 し て は、 寛 容 に対 処 し一 時 期 の効 率 低 下 を甘 ん じつ つ 、 ロ ー カ ル に 同調 す る よ う努 め て い る。 通 貨 危 機 の影 響 につ い て は 、 ル ピ ア安 の 影 響 で 、 日本 か らの 輸 入 資 材 が 通 常 の2倍 の価 格 に な り、 逆 に輸 出 ね じ類 の 売 上 金 額 が2倍 以 上 に な っ た 。 しか し、 資 金 調 達 面 で の借 り入 れ が 存 在 す る た め 、 現 地 通 貨 ル ピア に よ る 返 済 は、 借 金 が2倍 以 上 に膨 ら む結 果 と な り相 当 苦 戦 して い る よ う で あ る。 3オ イ ル シ ー ル 製 造 メ ー カ ーB社 イ ン ドネ シ ア エ 場(1999年5月7日 現 地 調 査) 3-(1)イ ン ドシ ア進 出 の 動 機 及 び 会 社 概 要 B社 イ ン ドネ シ ア 工 場 は 、 ジ ャカ ル タの 東 側 に 隣 接 す る ブ カ シ 県 のMM2100工 業 団 地 に1996 年5月 に設 立 さ れ た 。B社 は、 自動 車 、 航 空 機 、 鉄 道 車 輌 お よ び産 業 機 械 等 に使 用 さ れ る 油 の 外 部 漏 れ防 止 の た め の密 封 装 置 オ イ ル シ ー ル を 主 に生 産 す る。 そ の 他 カ メ ラ等 の 密 封 装 置 リ ン グ も 生 産 す る。 オ イ ル シ ー ル の 月 産 は230万 個 に な る。 現 在 、 従 業 員 は240名 で 、 日本 人 ス タ ッフ4 名 が 常 駐 す る。 オ イ ル シー ル の製 造 工 程 で は 、 まず 最 初 に、 巻 か れ た鋼 板 を打 ち抜 くス タ ン ピ ング 工 程 で 出来 た 金 属 リ ン グ を洗 浄 した の ち接 着 剤 を塗 る 。 他 方 で は、 そ こへ はめ る た め の ゴ ム を輪 切 りに して 切 断 す る 。 こ の 両 工 程 で 出 来 た ゴ ム と金 属 管 を 、 ゴ ム成 形 機 械 を利 用 して ゴ ム を管 に は め 込 み 、 260度 の 温 度 で熱 処 理 して 余 分 な ゴ ム を切 り取 る 。 そ の 後 、 補 強 の た め の ス プ リ ン グ をは め込 み 仕 上 げ る 。 材 料 お よ び部 品 と も抜 き取 りで 検 査 し製 品 と して 出 荷 す る 。 B社 は 、1973年 に、 生 産 基 地 と し て シ ンガ ポ ー ル 工 場 で操 業 を 開始 して お り、既 に東 南 ア ジ ア で の 海外 生 産 経 験 を何 年 も持 っ て い た 。 シ ン ガ ポ ー ル に お け る賃 金 コス トの 高 騰 と、 政 府 の 高付 加 価 値 産 業 誘 致 へ の 政 策 転1奐に と もな い 、1988年 に低 賃 金 労 働 力 を 求 め 、 輸 出 志 向 型 生 産 拠 点 と して タ イ工 場 で 操 業 を 開 始 した 。 そ して 、1996年 に は 、 イ ン ドネ シ ア の 現 地 市 場 向 け 供 給 基 地 と して 、 ジ ャ カ ル タ近 郊 に工 場 を 設 立 す る 。   当 の オ イ ル シ ー ル は 、 多 品種 少 量 生 産 の た め 、 あ る程 度 の マ ー ケ ッ トが な い と採 算 が とれ な い 。 しか し、 現 地 の マ ー ケ ッ トは 、現 地 に進 出 しな い と確 保 で きな い た め、 タ イ や シ ン ガ ポ ー ル で生 産 してい た も の と同 じ製 品 を作 る つ も りで イ ン ドネ シ ア工 場 を 立 ち上 げ た 。 原 材 料 は 、 シ ン ガ ポ ー ル 経 由 で5割 を 日系 企 業 か ら、 そ の 他 を欧 米 系 か ら輸 入 して い る。 ア ジ ア の 通 貨 危 機 で は 、800万 ドル の借 入 金 が 、 為 替 差 損 に よ っ て2倍 の 返 済 額 に な る事 態 と な っ た。 イ ン ドネ シ ア に進 出 した 日本 企 業 が オ フ シ ョア ・マ ー ケ ッ トで借 り入 れ た り、 日本 の本 社 か ら貸 付 を受 け て ル ピ ア を運 用 し、 一 定 期 間後 に円 や ドル に再 換 算 して 返 済 す る 場 合 、 今 回 の 通 貨 危 機 の よ うな 、 ル ピ ア の 価 値 が 一 方 的 に下 落 す る状 況 にお い て は 、 海 外 子 会 社 が よ り多 くの ル ピア獲 得 を強 ら れ る 、 とい っ た外 貨 返 済 圧 力 に よ っ て 経 営 が 一 層 困 難 とな る。 しか し、B社 の 場 合 、 そ れ 以外 の 通 常 の 資 金 運 用 に お い て は 、 通 貨 安 は損 益 に大 きな 影 響 を与 え なか っ た 。 3-(2)技 術 移 転 の方 法 ・状 況 B社 イ ン ドネ シ ア 工 場 立 ち 上 げ に 際 し て は 、 同社 シ ン ガ ポ ー ル の子 会 社 工 場 か ら技 術 支 援 を受

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け た 。 ま た 、工 場 建 設 中 に は、 そ の 子 会 社 工 場 が あ るバ タム 島(イ ン ドネ シ ア領)で 、 オ ペ レー タ ー70名 を3ヶ 月 間 研 修 させ 、10名 程 度 の ス タ ッ フ は 、 シ ン ガ ポ ー ル の子 会 社 で 訓 練 させ た 。 さ ら に、 イ ン ドネ シ ア 工 場 を設 立 す る とい う時 点 で 、 シ ン ガ ポ ー ル か ら20名 弱 の エ ンジ ニ ア等 が 工 場 へ 応 援 に 来 て 技 術 指 導 を行 っ た 。 そ の応 援 ス タ ッフ の 中 に、 イ ン ドネ シ ア 語 と共 通 点 の 多 い マ レー 語 を話 せ る人 間が い た の で 、 オ ペ レー ター に対 す る 指 導 が ス ム ー ズ に捗 っ た 。 さ らに 、 作 業 工程 の マ ニ ュ ア ル も、 シ ン ガ ポ ー ル か ら持 ち 込 ん だ英 語 版 を現 地 の ス タ ッ フが 一 部 イ ン ドネ シ ア 語 に翻 訳 して い た が 、 ど ち らか とい う と、 当 初 は作 業 をOJTあ る い は 実 地 訓 練 で 、 シ ン ガ ポ ー ル の ス タ ッ フか ら学 ぶ 状 況 で あ っ た。 現 在 は、 ロ ー カル ・ス タ ッ フ だ け で 生 産 可 能 に な っ た もの の 、 機 械 が 停 止 した 時 に は 、 シ ン ガ ポ ー ル の 技 術 者 に応 援 を頼 ん だ り、 また 、 治 具 に 関 す る改 良 につ い て は 、 日本 の福 島工 場 や シ ン ガ ポ ー ル の子 会社 へ の 照 会 が 必 要 とな る な ど完 全 に独 立 運 営 可 能 な段 階 に は至 っ て い な い 。 現 在 は、 正 しい 治 具 を正 しい使 い 方 で 生 産 す る よ う教 え て い る段 階 で あ る 。 以 上 の よ う に、 様 々 な 課 題 を抱 えつ つ もイ ン ドネ シ ア で は 、規 制 緩 和 や優 遇 措 置 に よ り、 外 国 企 業 を は じめ 、 日本 企 業 に とっ て 人 材 、 情 報 お よ び資 金 を誘 致 す る こ とが 容 易 に な りつ つ あ る 。 3-(3)人 材 の 募 集 ・育 成 お よ び 労 務 管理 オ ペ レ ー ター の募 集 に つ い て は 、 ブ カ シ県 の 労 働 省 に募 集 の届 出 と広 告 を 出 し て、 高 卒 以 上 と い う条 件 で 近 隣 か ら集 め て い る。 従 業 員 の男 女 比 率 は 女 性 が7割 と な っ て い る。 ス タ ッフ につ い て は 、新 聞広 告 を は じめ 労働 省 の広 告 や 大 学 へ の 掲 示 等 を通 じて イ ン ドネ シ ア全 土 か ら募 集 して い る。2、3名 の 募 集 に500名 以 上 が 応 募 して くる もの の 、 管 理 者 と して の 基 本 能 力 に欠 け て い る 者 が 多 い 。 課 長 ク ラス で は 、ISOやQCサ ー ク ル を経 験 した 日系 企 業 の 経 験 者 も多 く含 ま れ る 。 また 、 人 材 の 育 成 はOJT方 式 で 行 う もの の 、 中 間 管 理 職 の 人材 は、 採 用 後 見 当違 い で あ る こ とが 多 い 。 日本 人 ス タ ッ フ1人 が 何 百 名 とい う現 地 オ ペ レ ー ター を教 え て い た の で は大 変 な労 力 が か か る た め 、 まず ロー カ ル 中 間 管 理 層 に教 育 を施 し、 次 に彼 らが オペ レー タ ー に対 して 作 業 手 順 な どの 教 育 を行 え る よ う環 境 を 整 え て い る。 定 期 的 、計 画 的 な ジ ョブ ・ロ ー テ ー シ ョン は行 わ れ て い な い が 、 そ の都 度 職 場 内 の 配 置 転 換 は行 わ れ て い る 。 3-(4)今 後 の技 術 移 転 上 の 課 題 最 も深 刻 な問 題 は 、 ロ ー カ ル 中 間管 理 職 の 能 力 不 足 で あ る 。 日本 か ら派 遣 さ れ た工 場 現 場 で の 長 い 経 験 を有 す る ス タ ッ フが 、 現 地 オ ペ レー タ ー を教 え る 間 は順 調 で あ る 。 しか し、 そ の後 を引 き継 い だ ロ ー カ ル 中 間 管 理 職 が役 割 を代 行 す る状 況 に な る と、 最 低 限必 要 な 現 場 で の 知 識 や 、 部 下 を 指 導 した り部 下 の 才 能 を評 価 す る能 力 に欠 け て い る た め事 態 は難 航 す る。 技 術 移 転 を定 着 さ せ る た め に は 、 導 入 す る側 の熱 意 、 導 入 の た め の教 材(資 金)お よ び受 け 入 れ 側 の適 応 力 が 必 要 で あ る 。 に も拘 わ らず 、 そ れ ら を連 結 す る役 割 を担 う肝 心 の現 地 中 間管 理 層 の 人 材 が不 足 して い る こ と は致 命 的 で あ る 。 採 用 の段 階 で 優 秀 な人 材 が 見 つ か らな い 場 合 は 、彼 ら をOJT方 式 に よ り 企 業 内 で 訓 練 す る ほ か な い が 、 そ れ に は時 間 が か か る た め 即 戦 力 と して期 待 で き な い の が 状 況 で あ る 。

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4排 ガ ス規 制 用 触 媒 の 担 体 製 造 メ ー カ ーc社 の イ ン ドネ シ ア 工 場 (1999年5月7日 現 地 調 査) m(1)イ ン ドネ シア 進 出 の 動機 及 び会 社 概 要 C社 イ ン ドネ シ ア工 場 は、1997年7月 に、 本 社 セ ラ ミ ッ クス 事 業 部 の 商 品 を作 る た め 、 ジ ャ カ ル タ東 側 に隣 接 す る ブ カ シ県 東 ジ ャ カ ル タ工 業 団 地EJIPに 設 立 さ れ 、 現 在 も工 場 を拡 張 中 で あ る 。 同 工 場 の 製 品 は、 自動 車 排 ガ ス規 制 が 進 ん で い な い イ ン ドネ シ ア国 内 向 け で は な く、環 境 問 題 に厳 しい 日本 や 欧 米 へ100%輸 出 され る 。 従 業 員 は 、 日本 人 ス タ ッ フ6名 を含 め106名 で あ る 。 輸 出 志 向 で あ るが 、C社 の イ ン ドネ シ ア 進 出 目的 は、 他 企 業 に見 られ る よ う な低 賃 金 労 働 力 を期 待 し て で は な い の で 、 生 産 ラ イ ンは す べ て 機 械 化 お よび 自動 化 され て お り、 そ の た め現 在 建 設 中 の 第2生 産 ラ イ ンが 完 成 し て もせ い ぜ い140人 体 制 で 操 業 で き る仕 組 み に な っ て い る。 生 産 の動 向 は、 日本 と ア メ リカ の 自動 車 産 業 の 動 向 に左 右 さ れ るが 、 現 地 通 貨 の変 動 に よ る為 替 差 損 の 影 響 は ほ とん ど な い 。本 社 や 海 外 の 他 工 場 と同 品質 の 製 品 を 生 産 す る た め 、 共 通 の原 材 料 を使 用 し、 ドル建 て で 調 達 す る 。 た だ し梱 包 材 の み現 地 で調 達 して い る。 機 械 類 は 本社 工 場 と全 く同 じ もの を 日本 か ら 円建 て で 調 達 した 。 なお 輸 出 は す べ て ドル 建 て で 行 う 。現 在 は、 操 業 ま も な い た め 赤 字 で あ るが 、 通 貨 安 の 影 響 で ドル の借 り入 れ 資 金 が 現 地 通 貨 で3倍 の 価 値 とな り、 現 地 に お け る 人 件 費 等 の 固 定 費 を調 達 す るの に差 益 が発 生 した 。 C社 イ ン ドネ シ ア 工 場 設 立 の 理 由 は 、 環 境 問題 等 の 世 相 の あ お りを受 け 、 世 界 的 に排 ガ ス 規 制 用 触 媒 の担 体 に対 す る 需 要 の 拡 大 が予 想 さ れ た た め 、 日本 の本 社 工 場 、 ベ ル ギ ー、 ア メ リ カ の工 場 す べ て が フル 操 業 状 態 に あ る な か 、 な お新 工 場 建 設 の 必 要 に迫 られ た か らで あ る 。 さ ら に、 同 社 製 品 の セ ラ ミ ッ ク ス を焼 く窯 に必 要 な天 然 ガ ス の パ イ プ ラ イ ンがEJIP工 業 団 地 に 来 て い た た め 当 地 が 選 択 さ れ た 。 m(2)技 術 移 転 の 方 法 ・状 況 は じめ に 、機 械 類 を 日本 か ら持 ち込 み 、 同 じ く日本 か ら派 遣 さ れ た エ ン ジ ニ ア にそ れ ら を設 置 させ た 。 従 業 員 の 採 用 に つ い て は 、 同 社 の 製 品 を作 る にあ た っ て 、 イ ン ドネ シ ア にお け る他 社 で の仕 事 経 験 は 役 に立 た な い た め 、 未経 験 者 の み を採 用 す る方 針 を と っ て い る 。 そ れ は、 最 初 か ら 新 卒 者 を教 え る方 が 、 他 の社 風 に慣 れ た経 験 者 よ り、 他 社 で は見 られ な いC社 唯 一 の技 術 的 知 識 を早 く吸 収 して くれ るた め で あ る 。 製 造 工 程 は 、原 料 を調 合 して 練 り、 成 形 した 後 、 乾 燥 させ て 窯 で焼 くとい う順 序 に な っ て い る 。 しか し技 術 移 転 は 、 当 初 第 一期 と して窯 で 焼 く とい う生 産 工 程 か ら開 始 され た 。 そ れ 以 前 の工 程 で 作 られ る完 成 品 に必 要 な材 料 で 、 例 えば 壊 れ な い 乾 燥 品 な らば 、 日本 で 加 工 しイ ン ドネ シ ア へ 持 っ て き て利 用 して い た 。 最 初 の1年 間 で 、 ロ ー カ ル ・ス タ ッ フが 、 以 上 の 生 産 管 理 を学 習 しマ ス ター した 。 現在 で は 、全 工 程 す べ て の技 術 移 転 が 完 了 し、 粉 か ら焼 き工 程 まで 完 璧 に行 え る よ う に な っ た 。 この よ う に 、C社 の 技 術 移 転 は 、 製 造 工 程 をい くつ か に分 割 し、 海外 の 工 場 へ 段 階 的 に 移 転 す る とい う手 法 を取 っ て きた 。 まず 、 窯 で焼 く とい う工 程 か ら出 発 し、 次 に ロ ー カ ル ・ス タ ッ フ の 習 得 度 合 い に応 じて 前 段 階 の 工 程 を徐 々 に 移 転 して い っ た 。 立 ち上 げ の 当初 は 、 イ ン ドネ シ ア に 生 産 ラ イ ンが な か っ た ため 、 日本 にあ る本 社 工 場 で 研 修 さ

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せ た 。研 修 期 間 は 、 総 数15人 の うち エ ン ジ ニ ア が1ヶ 月 、 スーパーバ イザ ーあ るいはチー ム リー ダ ー で 重 要 な 部 門 の作 業 に携 わ る 者 は3ヶ 月 で あ っ た 。 そ の後 、 工 場 が稼 働 す る と 同時 に 、 日本 か ら の 指 導 員 を3∼6ヶ 月 程 度 現 地 に 派 遣 した 。 しか し現 在 で は、 現 場 の 指 導 とい う形 で 日本 か らの 派 遣 は 行 わ れ て い ない に も拘 わ らず 、 日本 企 業 は 、技 術 進 歩 に つ い て い け るだ け の よ り高 度 な技 術 を現 地 の 従 業 員 に要 求 す る 。 だ が 、 イ ン ドネ シ ア にお け る教 育 制 度 は、 日本 企業が 要求す る技 術 水 準 を満 たす レベ ル に達 して い ない 。 そ こで 企 業 は 、質 の高 い労働 力 の不足 と技術 ギ ャ ッ プ を埋 め る 一 つ の 手 段 と して 、 雇 用 後 の 日本 研 修 を準 備 し、作 業 技 能 を習 得 させ る 手 段 を取 っ て い る 。 この よ う な研 修 は 、技 術 や 生 産 ノ ウハ ウ の 習 得 を は じめ 、労働倫 理の感受 、実体 験 として 「日本 の 工 場 で は従 業 員 が よ く働 く」 と い う認 識 、 リー ダ ー シ ップ の 養 成 お よ び帰 国 後 の マ ニ ュ ア ル 作 成 へ の取 り組 み に効 果 が 得 られ る 。 ロ ー カ ル ・ス タ ッ フへ の指 導 言 語 は 、原則 は英語 で、時 には 日本人が多少 の イ ン ドネ シア語 を 用 い る こ と もあ る 。 短 大 卒 以 上 の ス タ ッ フの採 用 時 に 、 英 語 で の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン能力 を必 須 と して い る 。 そ の 一例 と して 、 定期 的 な 品 質 会 議 の 場 で は、不 良品が発生 した場合、何 が起 こ り、 ど う対 応 した か 等 を英 語 で ミー テ ィ ン グ して い る。 イ ン ドネ シ ア 人 は 、元来 の性格か ら安易 に妥 協 して しま う所 が あ る の で 、5S(整 理 、整 頓 、 清 掃 、 清 潔 、 躾)を 徹 底 的 に実 施 して い る。 モ ノ作 りの成 形 ラ イ ン ま で は、2交 替 シ フ トで 操 業 して い る が、 そ の他 は1シ フ トを 敷 い て い る。 建 設 中 の 第2成 形 ラ イ ンが 完 成 す れ ば 、 他 の工 程 も2交 替 シ フ トに す る とい う。指 導マ ニ ュ ア ル は 、 ロ ー カル ス タ ッ フが 日本 研 修 か ら帰 国後 作 成 した もの が あ っ た が 、 自動車 産業で は ビ ッ グ3が 独 自 に 決 め た 品 質 水 準 を ク リア し な け れ ば な らな い とい う こ とで 、 去 年ISO9002を 取 得 し た 。 そ の 過 程 で 、作 業 標 準 を整 備 し、 一般 の オペ レー タ ー で も、 そ れ を見 て 簡 単 に作 業 で きる よ う に な っ た 。 工 程 を知 らずISOを 知 らな い 者 が 、仕 事 を しな が ら書 類 を作 成 し、ISO9002を 取得 す るの は大 変 で あ っ た が 、 完 成 後 は作 業 が 楽 に な っ た 。 m(3)人 材 の募 集 ・育 成 お よ び 労 務 管 理 オ ペ レー タ ー は 、原 則 と して 新 卒 を採 用 し1年 契 約 に す る。1年 間 様 子 を見 て 良 い 仕 事 を す る 人 材 は、1年 前 か ら と い う こ とで 正 社 員 扱 い に して い るが 、 駄 目 な人 材 は1年 契 約 を 更新 しな い 。 オ ペ レ ー タ ーへ の 面 接 お よ び 試 験 は 大 変 厳 し く、 毎 月15名 しか 採 用 しな い 。 本 当 に 良 い 人 材 と い え る オ ペ レー ター の み採 用 して い る の で 全 体 的 に レベ ル は 高 い 当 初 立 ち 上 げ の 時 に の み 、 人 材 募 集 に リ ク ル ー ト会 社 を利 用 して い た 。 しか しそ れ 以 降 は 、 新 聞 広 告 や 短 大 お よ び 大 学 の 掲 示 板 を利 用 し新 卒 者 を募 集 し て い る 。 ス ーパ ーバ イザ ー は 大 学 卒 、 チ ー ム リー ダ ー は短 期 大 学 卒 で 、 い ず れ も 日本 人 の社 長 が 面 接 し採 用 を決 定 す る。 ただ し、経 理、 物 流 お よび メ ン テ ナ ンス の み 大 卒3∼4年 の 経 験 者 を採 用 して い る 。 新 生 産 ラ イ ンが 完 成 す る と、 5ラ イ ン必 要 に な る の で 、 労働 者 の 中 か ら優 秀 な 人 材 を見 抜 い て チ ー ム リー ダ ー と して 内 部 昇 進 させ る 予 定 とい う。 イ ン ドネ シ アの 労 働 者 は 、 同 じ仕 事 に専 念 して い る方 が 能 率 が あ が るの で 、工員 の定期 的、計 画 的 な ジ ョブ ・ロ ー テ ー シ ョン は実 施 され な い 。 つ ま り、 製 造 部 門 間 の 移 動 を 通 じた多 能 工 化 は 行 わ な い 。 た だ し、 窯 の 出 し入 れ 作 業 の み 重 労 働 で あ る た め 、 適 当 な 時期 に移 動 させ る な ど配 慮 を怠 らな い 。 ス ーパ ーバ イ ザ ー や チ ー ム リ ー ダ ー の ク ラ ス は 、配置転換 を予定 してい る。 給 与 水 準 に つ い て は 、 高 卒 の 場 合 、1年 間 真 面 目 に働 い て い れ ば1ラ ン ク上 に 昇 進 さ せ て30% の 昇 給 を す る 。 短 大 卒 以 上 で は 、 優 秀 な者 と劣 位 者 を厳 格 に 区 分 して、給 与 差 を つ け て い る 。 定

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期 昇 給 につ い て は 、 昨 年 度 の4月 に44%の 物 価 上 昇 が あ っ た の で 、25%の 賃 金 上 昇 を 認 め た 。 ま た 、 ライ ン の完 成 時 お よ びISO取 得 時 に、 報 酬 の 意 味 を込 め て 、不 定 期 に賃 金 を引 き上 げ た。 遅 刻 と欠 勤 につ い て は 、 厳 し くす る 。6回 欠 勤 す れ ば 、 皆 勤 手 当 を支 給 しな い 。 ま た 、 有 給 休 暇 以 外 の 欠 勤 は 、真 面 目 に働 く者 に示 し をつ け る た め 、 医 師 の 診 断 書 が あ っ て も賃 金 を カ ッ トす る 。 そ の か わ り皆 勤 手 当 を厚 遇 して い る。 4-(4)今 後 の 技 術 移 転 上 の課 題 日本 で行 って い る製 品 の デ ザ イ ン を除 い て 、 現 地 で 管 理 さ れ る 納 期 、 生 産 管 理 お よび 品 質 管 理 等 で は 問 題 点 が 多 く、 これ らの 業 務 は 日本 人 が 担 当 せ ざ る を得 な い 状 況 で あ る 。 そ の た め 、100 名 の現 地 従 業 員 に対 して 、 日本 人 ス タ ッフ を6名 も配 置 しな け れ ば らな ず 、 コス ト高 の 要 因 に な っ て い る 。 通 常 の オ ペ レー シ ョン で は、 技 術 移 転 が 済 ん で い る もの の 、 異 常 時 に お け る対 応 は 、 未 だ ロー カ ル に すべ て を任 せ る こ とは で きず 、 トラ ブ ル の発 生 時 に は 、 各 部 門 に 配属 され て い る 日本 人 ス タ ッ フが対 応 して い る。 しか し、 ロ ー カル ス タ ッ フ に とっ て 、 過 去 に 蓄積 さ れ た経 験 が 不 足 して い る た め 、 異 常 時 に対 応 で き ない だ け で あ っ て 、 任 さ れ て い る仕 事 の 範 囲 と責 任 とい う レベ ル で は 、 日本 の本 社 で 採 用 され る大 卒 ス タ ッフ よ り能 力 的 に 上 で あ る。 とい う の も、 現 在 の 大 卒 後2∼3年 の 日本 人 ス タ ッ フで は 、 責任 を 持 た され オ ペ レ ー ター を使 う こ とは と て も出 来 な い か らで あ る 。 従 業 員 の 平 均 年 齢 は25才 で 、 現 場 に 限 っ て は 平 均22才 と非 常 に 若 い の で 、 今 後 の 人 材 の 成 長 に期 待 で きる 。 ほ と ん ど の オ ペ レー タ ー は イス ラ ム教 徒 で あ る の で 、 そ れ に見 合 った 配慮 を忘 れ ず 行 い 、 労働 生 産 性 の 維 持 に心 掛 け て い る。 例 え ば 、礼 拝 所 を確 保 し金 曜 日の お 祈 りに は 間 に合 う よ う10分 早 く昼 休 み を設 定 す る 、 あ る い は 、 ラ マ ダ ン時 期(断 食 月)に 、2交 替 シ フ ト目 の食 事 時 間 を変 更 し、 夕 方5時 の仕 事 開 始 後 、夜8時 に は 食 事 時 間 を 早 め に 設 定 し食 べ 物 を取 らせ る よ う努 め る 等 で あ る 。 5電 子 機 器 製 造 メ ー カ ーD社 の イ ン ドネ シ ア 工 場(1999年5月6日 現 地 調 査) 5-(1)イ ン ドシ ア 進 出 の 動 機 及 び 会 社 概 要 D社 イ ン ドネ シ ア 工 場 は、 ブ カ シ 県 の東 ジ ャ カ ル タ工 業 団 地EJIPに1992年2月 に設 立 さ れ た。 主 に工 業 用 と民 生 用 の リ レー 、 リ レ ー用 ソ ケ ッ トお よ び ス イ ッチ 等 を生 産 して い る。 これ ら 同工 場 に お け る生 産 品 は 、 テ レ ビ 、 ビ デ オお よ び エ ア コ ン等 の 家 電 製 品 や フ ァ ッ ク ス 、 コ ピ ー 等 の OA器 に は 欠 か せ な い コ ン ポ ー ネ ン トで あ り、 世 界 各 国 に輸 出 され て い る 。 輸 出 先 の 中 で も、 ヨー ロ ッパ とア メ リ カ 向 け が65%と 圧 倒 的 に 多 く、 次 い で 成 長 著 しい ア ジ ア 向 け が35%と な っ て い る。 同 工 場 は 、D社 ブ ラ ン ドの 最 終 製 品 を海 外 マ ー ケ ッ トへ 供 給 す る基 地 の 中 で 、 特 に 手 組 み作 業 に お い て、 世 界 ナ ンバ ー ワ ンの 低 コ ス ト製 品 を供 給 で きる 工 場 を 目指 して き た 。 現 在 同 工 場 は、 従 業 員 数1,200名 で 、 ス イ ッチ を月600万 個 、 リ レー を月200万 個 生 産 し、 週 に 1回 コ ン テ ナ で 出荷 す る。 しか し、 ピ ー ク時 点 か ら比 べ る と20%程 度 出荷 が 落 ち て い る 。 部 品 の 現 地 調 達 に つ い て は 、原 材 料 を 日本 か ら輸 入 して い る もの の 、加 工 後 の部 品 は100%現 地 で 調 達 で きる よ う に な っ た 。 金 型 プ レス と接 点(コ ン タ ク ト)は100%現 地 の 日系 企 業 か ら調 達 し、 プ ラ ス チ ッ ク成 形 と コ イ ル の 巻 線 は50%を 内 製 、 残 りの50%を 現 地 の 日系 企 業 に 外 注 して い る 。

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ロ ー カ ル の 企 業 か ら調 達 す るの は梱 包材 の み にす ぎ な い イ ン ドネ シ ア に 進 出 して きた 理 由 は 、 ア ジ ア で操 業 が 早 か っ た マ レー シ ア工 場 以 外 に、 人 件 費 が 安 く労 働 集 約 的 な工 場 を 設 立 し た い と い うD社 本 社 側 の 経 営 戦 略 に よ る。1990年 前 後 に 、 マ レ ー シ ア の 労 働 人 口不 足 か ら生 じる生 産 の ボ トル ・ネ ッ クが 予 想 され る 中 で、 数 あ る候 補 地 の 中 か ら、 消 去 法 に よ り立 地 場 所 と して イ ン ドネ シ アが 選 択 され た 。 ち な み に、他 の候補地 であ った 中 国 と フ ィ リ ピ ン は 、 政 治 お よび 治 安 面 で 問題 が あ り、 また バ ンコ クは 交 通 渋 滞 の 問 題 が あ っ た 進 出 当 時 の1992年 は 、税 制 上 の 優 遇 措 置 が 少 な く、 外 資 系 企 業 の 進 出 著 しい タ イ や マ レ ー シ ア に比 べ る と・ 政府 の ビジ ネ ス ・イ ンセ ンテ ィ ブ が 皆 無 とい う不 利 な状 況 で あ っ た しか し、 操 業 前 に 、 イ ン ドネ シ ア 語 と共 通 点 が 多 い マ レー 語 圏 の マ レ ー シ アの 工 場 で、300人 の イ ン ドネ シ ア 従 業 員 を技 術 指 導 で き た の は 、訓練 コス トの面 で大 変有利 に作用 した。 よって、 工 場 の 立 ち上 げ は とて も順 調 に事 が 進 ん だ 。 現 時 点 で は 、 顧 客 が タ イ に多 い た め、 タイ 市 場 で 苦 戦 を強 い られ て い る が 、 近 い 将 来 、 日系企 業 の イ ン ドネ シ アへ の 進 出 に よ り、 シ ェ ア の 拡 大 が 期 待 で きそ う との こ と で あ った 。 部 品 を ほ とん ど 内製 化 して い る マ レ ー シ ア工 場 と比 べ る と、 イ ン ドネ シ ア工 場 は 、 まだ外 注部 品 が 多 い た め 、 多 少 品 質 的 に落 ち る確 率 は高 い 。 しか し今 や 、 同一 のD社 の ブ ラ ン ド製 品 と して 世 界 市 場 で 販 売 可 能 と な る まで 成 長 した 。 5-(2)技 術 移 転 の 方 法 ・状 況 技 術 移 転 後 の 状 況 につ い て 、 イ ン ドネ シ ア人 は、 何 事 に対 して も素 直 で吸 収 力 が あ る の で 、 も の作 りに は 最 適 な 国 民 で あ る と言 え る 。 生 産 ラ イ ンの オ ペ レー タ ー は95%が 女 性 で、 日本 の ア ッセ ン ブ リ ・ラ イ ンで は1交 替 勤 務(1シ フ ト)で 稼 働 す る と こ ろ を、 イ ン ドネ シ ア 工 場 で は2 シ フ トで こ な す こ とが 可 能 に な り、 そ の 分 必 要 と しな くな った 土 地 や建 物 を、 一 部 を売 却 す る こ とが で きた 。 最 初 の 工 場 立 ち 上 げ 時 に は 、 ロ ー カ ル の ス タ ッ フ を6ヶ 月 、 同 じ くロー カルのエ ンジニ ア を1 ∼2ヶ 月 間、 マ レー シ ア工 場 へ 研 修 に行 か せ 、 そ の 後 日本 人 技 術 者4∼5名 が 、3ヶ 月程 度 現 地 で 技 術 指 導 を行 い移 転 を徐 々 に進 め て い っ た 。 オペ レー タ ーが 作 業 す る の に必 要 な マ ニ ュ ア ル に つ い て は 、 マ レ ー シ ア と 日本 か ら、英語 で書 かれ た資料 が持 ち込 まれ、係長 ク ラス に よって イ ン ド ネ シ ア 語 に翻 訳 さ れ て作 成 さ れ た 。 イ ン ドネ シ ア人 は 、 も と も と手 先 が 器 用 な の で 、点検 を繰 り 返 しな が ら根 気 よ く教 え て い け ば 、 時 間 は か か るが 手 作 業 な ど で は い っ た ん覚 え て しま え ば、 き わ め て 高 い 熟 練 度 を示 す 。 ニ ュ ー モ デ ル を生 産 す る と き は、 当初 、生産機械 類 を 日本 か ら持 ち込 み、指導 も日本人技術 者 に頼 る 一 方 で あ っ たが 、操 業 開始4年 目 か らニ ュ ー モ デ ル を 生 産 す る た め の機 械 を現 地 で 作 れ る よ う に な っ た 。 イ ン ドネ シ ア の技 術 者 が2週 間 程 度 日本 研 修 に 行 き、 日本 人 と共 同 で 設 計 した り、 機 械 を一 緒 に 操 作 しな が らチ ェ ッ ク ・マ ニ ュ ア ル を作 成 して くる 。 そ して 、 イン ドネ シア工場 内 に あ る 機 械 の 設 計 ル ー ム で 、 ロ ー カ ル ス タ ッ フ 自身 が 、 見 よ う見 まね で 治 具 、パ ンチプ レス、検 査 器 等 の 専 用 機 械 を内 製、化 して い る 。 そ れ に よ って 、 日本 で 作 れ ば3,500万 円 もす る 機 械 が 、800 万 円程 で 製 作 可 能 に な っ た 。 た だ し、 検 査 用 の 高 級 設 備 な ど は、 日本 か ら購 入 して 、そ の修 理 、 保 守 お よび 指 導 を シ ン ガ ポ ー ル に あ る購 入 代 理 店 に委 ね ざ る を え な い 。 ま た 、部品の 内製工場 は、 日本 製 の機 械 を導 入 して ほ ぼ全 自動 化 され て い る。 そ の 他 、 金 型 や 必 要 な材 料 は 日系 企 業 に外 注 して い る。

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5-(3)人 材 の募 集 ・育 成 お よび 労 務 管 理 オペ レー タ ー の募 集 につ い て は 、 近 隣 か ら集 め る と、 両 親 と 同居 して い る た め 何 か と仕 事 へ の 集 中度 が 落 ち る の で 、 主 に 中部 ジ ャ ワ を 中心 と した 田 舎 の エ ー ジ ェ ン トを 通 じて集 め て い る 。豊 富 な 自然 環 境 と天 然 資 源 に恵 まれ た イ ン ドネ シ ア で は 、 人 々 は 「の ん び り」 した風 土 の 中 に育 ち 、 あ え て他 人 と競 争 して ま で あ くせ く働 か な く と も飢 え て死 ぬ 心 配 は な い 。 貧 困 層 が 多 い 田舎 で は な く都 市 部 か らオ ペ レ ー タ ー を募 集 す る と、 日本 人 が 意 図 す る とこ ろ が な か な か新 人 オペ レー タ ー に伝 わ らな い D社 で は最 低 限 高 卒 を採 用 の 条 件 との 方 針 を とっ て い る 。 エ ー ジ ェ ン トへ の 紹 介 料 は1人 当 た り3∼5千 円 か か る もの の 、 そ の 方 が 、 規 律 を 守 り残 業 に協 力 的 な労 働 者 を見 つ け られ る。 週13 時 間 まで とい う残 業 に対 す る法 的規 制 が あ る た め 、1日2時 間 の 残 業 が 限 度 で あ るが 、2シ フ トを 敷 い て い る の で 残 業 の必 要 は あ ま り ない 。 む し ろ平 日 よ り も土 曜 、 日曜 の 出勤 が 残 業 の メ イ ンで あ る。 ス タ ッ フの 募 集 に つ い て は、 新 聞広 告 を通 じて イ ン ドネ シ ア全 国 か ら広 く集 め られ る 。 主 に は オ ペ レー ター と 同 じ くジ ャ ワ 出 身 者 で あ る が 、 ス タ ッ フ に 関 して はス マ トラ出 身 者 も多 い 。 人 材 の 育 成 は 、OJT方 式 で 行 う の が 基 本 で あ る。 そ の 一 環 と して 、 従 業 員 の 仕 事 に対 す る イ ンセ ンテ ィ ブ 強化 を 目 的 と し、 日本 へ1ヶ 月程 度 の研 修 に行 か せ る 。 当 の ロ ー カル ス タ ッ フ は、 日本 の生 産 シ ス テ ム を見 学 して そ の高 度 な技 術 に 驚 い て帰 国 す る とい う。 定 期 的 、 計 画 的 な ジ ョブ ・ロ ー テ ー シ ョン は行 って い な い が 、 マ ネ ー ジ ャー ク ラ ス の 配 置 転 換 は行 っ て い る 。 設計 部 門 か ら製 造 部 門へ 配 置 転 換 す る こ と もあ る。 そ れ よ り下 の ス ー パ ー バ イ ザ ー や ラ イ ン リー ダー の ク ラ ス に な る と、 職 務 分 担 を専 門 的 に細 分 化 して個 人 の 領 域 を明 確 に して い る の で 、 ジ ョブ ・ロ ー テ ー シ ョ ンは行 っ て い な い 。 ま た 、 夜 問大 学 や 英 会 話 学 校 に行 く者 につ い て は 、 本 人 の や る気 を認 め 早 く昇 進 させ て い る。 従 業 員 数 に つ い て は 、1998年 の7月 に1,400名 ま で い っ た が 、 去 年 の12月 に1年 契 約 社 員 の200 名 を契 約 更 新 し なか っ た の で 、 現 在1,200名 の正 社 員 だ け に な っ た 。今 後 の生 産 増 に対 す る 労働 力 調 整 に つ い て は、 契 約 社 員 の増 員 で 対 応 す るつ も りで あ る。 5-(4)今 後 の技 術 移 転 上 の 課 題 イ ン ドネ シ ア で は、 人材 定 着 率 が 良 く、1,200人 い る従 業 員 の う ち、1ヶ 月 で 退 職 す る の は3∼ 4名 で あ る 。 そ の 理 由 は 、 隣 国 マ レ ー シ ア と比 較 して 、 人 口 が 多 い 割 に 求 職 が 少 な く、 そ れ ゆ え 失 業 率 が30%を こ え る現 実 を見 越 して 転 職 しな い か ら で あ る 。 定 着 率 の 高 さ に と もな う 平 均 年 齢 の上 昇 は賃 金 コス トの負 担 に な る もの の 、 技 術 移 転 に は好 都 合 で あ る 。 なぜ な ら、教 育 お よび 訓 練 した 技 能 が 、 企 業 内部 に確 実 に蓄 積 して い くか らで あ る。 同工 場 で は、 人 材 の 定 着 率 の 高 さ を確 認 して金 型 の 内 製 化 を始 め た。 技 術 移 転 に つ い て 、 当 初 は見 よ う見 ま ね で あ った もの の 、 ロ ー カ ル ス タ ッフ が機 械 を組 み 立 て られ る段 階 を早 期 に達 成 で きた し、 決 め られ た 範 囲 内 で は、 工 程 の 改 善 も任 せ られ つ つ あ る。 ま た 、 類 似 品 を作 る段 階 に お い て は既 に技 術 移 転 を完 了 して い る 。1994年 に は、 国 際 的 な 品 質 の 規 格 で あ るISO9002を 取 得 し、1997年 に はISO14001を 取 得 した 。 しか し、技 術 移 転 上 の 問 題 点 は、 顧 客 か らの 微 妙 な 形 状 の変 更 要 請 に対 して 、 自 ら新 しい ア イ デ ア を提 案 し、 応 じて い く こ と に課 題 が 残 る こ とで あ る。 ま た 、 顧 客 か らの ア イ デ ア や 要 望 を モ

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ノ の 形 に す る とい う レベ ル に達 す る まで 、5年 は か か りそ うで あ る。 新 技 術 へ の 対 応 で は レベ ル ア ッ プ して きた が 、 新 製 品 の 開 発 や 、不 測 の事 態 へ の 対 応 な どの 面 で は 、 まだ ま だ力 不 足 で あ り、 今 後 は さ らに 一 歩 踏 み込 ん だ 技 術 移 転 が 求 め られ て い る。 今 後 の 課 題 と して 大 切 な の は 、 従 業 員 か ら 出 され る給 与 ア ッ プ要 求 に 、 どの 程 度 答 えて い くか で あ る 。 と い うの も、 世 界 市 場 にお け る 中 国 製 品 との コス ト競 争 を考 慮 しな け れ ば な ら ない か ら で あ る 。 高 卒 の初 任 給 は、 昨 年 度 ま で基 本 給 、 食 費 、 交 通 費 お よび ボ ー ナ ス の 合 計 で 、 一 人 当 た り45万 ル ピ ア(日 本 円 に換 算 して7,000円)で あ っ た もの が 、 今 年 の賃 金 改 定 で55万 ル ピ ア(約 8,000円)ま で 上 昇 した 。 近 年 イ ン ドネ シ ア政 府 も、 日本 を は じめ とす る 外 国 の 投 資 が 中 国 や ベ トナ ム な どの 投 資 ライ バ ル 国 に 「逃 げ る」 こ と に は 強 烈 な対 抗 意 識 を持 っ て お り、 外 資 導 入 の た め の 規 制 緩 和 を必 死 に行 っ て い る 。 EJIP工 業 団 地 に は 、NEC、 東 芝 、 エ プ ソ ン等 の 超 優 良 企 業 が 多 く立 地 す る た め 、 競 合 す る 企 業 間 で の 人 材 獲 得 合 戦 に 勝 ち残 る た め 、 賃 金 水 準 を10∼15%程 度 、 他 の 工 業 団 地 よ り高 く設 定 しな け れ ば な ら な い 。 同社 で は 、労 働 組 合 が あ る も の の 、 今 の とこ ろ 労働 争 議 の 経 験 は な い 。 し か し、 工 業 団 地 の 近 辺 で は 、 昼 の食 事 が まず い 、福 祉 手 当 が 不 十 分 、従 業 員 の送 迎 が な い等 の 労 働 条件 を理 由 に争 議 が 発 生 した。 こ う した 労 働 争 議 は、 組 合 が ない 企 業 で発 生 す る こ とが 多 い と い う。 イ ス ラム 教 へ の対 応 に つ い て 、 例 え ば 、 腕 を 出 す こ とを嫌 が る宗 派 の女 性 に は そ れ な りの作 業 服 を準 備 し、 お 祈 りの た め の礼 拝 所 を設 置 した り、 宗 教 行 事 が あ る 日 は欠 勤 を 認 め 、 ラ マ ダ ン (断 食)時 の シ フ トは 、 早 め の 出 勤 早 め の 帰 宅 を許 可 して い る 。 断 食 明 け の1週 間 か ら10日 間 は 、 会 社 の生 産 ラ イ ン をス トップ し、 ワ ー カ ー 達 の 帰 郷 にあ て る 。 そ の こ とで は 、 こ れ ま で顧 客 に迷 惑 を か け た こ とは な い と い う。 日系 企 業 は 、 イ ン ドネ シ ア人 の行 動 や 考 え方 に影 響 を 及 ぼ す 文 化 や 生 活 習 慣 に対 す る 理 解 を示 し、 現 地 との 調和 を 図 り なが ら節 度 を もっ た経 営 姿 勢 を 要 求 さ れ る。 6HDワ イ ヤ ー 加 工 組 立 メ ー カ ーE社 バ タ ム エ 場(1999年5月3日 現 地 調 査) 6-(1)バ タム 進 出 の 動機 及 び会 社 概 要 E社 は、1994年6月 に イ ン ドネ シ ア ・バ タム 島 で操 業 を 開 始 し、 ハ ー ドデ ィス ク装 置 用 ワ イ ヤ ーハ ー ネス の加 工 組 立 を して い る 。 当 初 、 同社 バ タ ム工 場 は、 シ ンガ ポ ー ル の巻 線 工 場 の分 工 場 的 な位 置 付 け で 稼 働 した が 、 現 在 で は オ ペ レー ター1,600名 、 ス タ ッフ97名(日 本 人6名)の 陣 容 に な っ た 。 オ ペ レー タ ー は2年 契 約 で 、 更 新 さ れ な い者 は 故 郷 へ 帰 る。 た だ し、 需 要 に生 産 が 追 い つ か ない 場 合 に は、 契 約 が 切 れ て も2∼3ヶ 月 程 会 社 に残 っ て も ら う こ と もあ る 。 同社 の バ タム 工 場 で は 、HDワ イ ヤ ーハ ー ネス 部 品 の基 本 材 料 で あ る ワ イ ヤ ー とチ ュ ー ブ を 日 本 か ら輸 入 して 、 チ ュ ー ブ の 中 に ワ イヤ ー を組 み 込 ん で 、 週 に2回 、3日 分 の 製 品 をIBMの タ イ 工 場 、 ハ ン ガ リ ー工 場 、 フ ィ リ ピ ン工 場 等 の 海 外 の顧 客 に 出 荷 して い る 。1998年10月 か ら 、 為 替 差 損 を 回 避 す る た め に、 原 材 料 の 調 達 も、 製 品 の輸 出 もす べ て 米 国 ドル建 て に して い る。1997 年1月 に は 、 従 業 員 数 は 最 高 の2,000名 に な っ た が 、1998年 に 一 部 の 製 品 の 売 り上 げ が 減 少 した た め 、 現 在 は1,600名 の オ ペ レー タ ー で稼 働 して い る 。 今 年 は生 産 が 回 復 基 調 で あ る た め 、 若 干 の 増 員 が 予 定 され て い る。 常 時800名 弱 の 女 性 オ ペ レー タ ー が 、2交 替 シ フ トで 昼 夜 機 械 を稼 働 させ て い る 。

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同社 バ タ ム工 場 の 製 品(ワ イ ヤ ーハ ー ネ ス)が 市 場 に出 る まで 、 モ ー ター の 巻 線(マ グ ネ ッ ト ワ イ ヤ ー)を 製 造 す る 日本 の本 社 工 場 にお い て 、10年 程 度 の 開発 期 間 を必 要 と した 。 次 に、 そ の製 品 の 生 産 ラ イ ン を ど こへ 設 置 す る か とい う段 階 で 、 日本 で は試 作 段 階 の 製 品 を 、 い きな りバ タ ム で 生 産 す る の は危 険 で あ る とい う認 識 の も と、採 算 を無 視 して、 シ ン ガ ポ ー ル に試 験 的 な小 規 模 ラ イ ン工 場 を1992年 に 設 立 した 。 6-(2)技 術 移 転 の 方 法 ・状 況 E社 が シ ンガ ポ ー ル工 場 を立 ち 上 げ る に際 して 、 日本 の本 社 工 場 で サ ンプ ル を試 作 して い た の で 、 オペ レー タ ー とエ ン ジ ニ ア 約20名 を 、1ヶ 月 間 日本 へ 研 修 させ た 。1994年 の 時 点 で 、MRヘ ッ ド用 の ワ イ ヤ ー ハ ー ネ ス で顧 客 が 確 保 出 来 る こ と を確 信 し、 安 い 人件 費 で 大 量 に 労 働 力 を確 保 で き るバ タム 島 に工 場 を 移 管 し た。 バ タ ム工 場 の 立 ち上 げ 時 に は 、 マ レ ー系 の シ ン ガ ポ ー ル 人 が 、 イ ン ドネ シ ア 語 と共 通 点 の 多 い マ レ ー 語 で 、 オ ペ レ ー タ ー を指 導 して くれ た 。 日本 人 と ロ ー カ ル ・ス タ ッ フ との 会 話 は 英 語 で 行 っ て い るが 、 完 全 な意 志 疎 通 は 困 難 な場 合 が多 い 。 工 場 で は 、4本 の色 分 け され た 金 メ ッキ 線 を機 械 で ッ イ ス トさせ 、 女 性 オ ペ レー タ ー が 、 治 具 を利 用 し手 作 業 で チ ュ ー ブ に組 み 入 れ る。 そ こ に レー ザ ー 加 工 に よ る被 膜 カ ッ トを施 して 、 人 手 を使 っ た 全 数検 査 後 、MRヘ ッ ド用 ハ ー ネ ス 部 品 に仕 上 げ る と い う工 程 で あ る。MRヘ ッ ドの 製 造 に は、 自動 化 で きな い 部 分 が 多 くあ る た め 人 手 を必 要 とす る 。全 数 検 査 後 、 数 ミ ク ロ ンの ワ イ ヤ ーハ ー ネ ス に顧 客 か ら の ク レー ム が くる こ と もあ り、 そ う い う時 は 、 日本 の 本 社 に 連 絡 し て 、 製 品 上 どん な トラ ブ ル が あ っ た か を説 明 相 談 し、 日本 か ら技 術 者 を派 遣 して も らい 現 地 で 指 導 を 請 う。 また 、 新 製 品 の 導 入 時 に も同 様 に 、 日本 人 技 術 者 の 派 遣 が あ る。 ロ ー カ ル ・ス タ ッ フ は、 若 くて 経 験 の浅 い 者 が 多 い の で 、 日本 人 ス タ ッ フ と ロ ー カ ル の 若 い ス タ ッフ との 橋 渡 し役 と して の 、 ロ ー カ ル ・マ ネ ジ ャー の 役 割 が 重 要 に な っ て くる。 人 事 お よ び購 買 部 門 で は、 工 場 の 立 ち上 げ 時 か らロ ー カ ル が 担 っ て い た が 、 経 理 部 門 で 良 い 人 材 が見 つ か らず 、 当 初 シ ン ガ ポ ー ル の ス タ ッ フ が 担 当 して い た。 よ う や く1996年 に、 経 理 部 門 にお い て も良 い ロ ー カ ル ・マ ネ ジ ャ ーが 採 用 で きた 。 そ れ 以 外 に 、品質管理 と工場部 門 に2人 のロー カル ・マ ネジ ャ ー が い る が 、 特 に工 場 部 門 の マ ネ ジ ャー は よ うや く工 程 に つ い て理 解 して きた 程 度 で あ り、工 程 の改 善 とい っ た レベ ル ま で は 育 っ て い ない 。 今 は 、 日本 人 ス タ ッフ の 意 図 を理 解 させ る こ と を 優 先 課 題 に して い る段 階 で あ り、5S運 動(整 理 、 整 頓 、 清 掃 、清 潔 、躾)等 の 管 理 面 で の 指 導 を、 ロー カ ル が 出 来 る よ う に して い る 。 6-(3)人 材 の 募 集 、 育 成 及 び労 務 管 理 オ ペ レ ー ター の 募 集 は 、 当 初 リ クル ー ト会 社 を利 用 して い たが 、 コス トが か か る た め 、 現 在 は 労 働 省 の マ ンパ ワ ー ・オ フ ィス に 出 向 い て募 集 す る。 オ ペ レ ー タ ー は 全 員 高 卒 で 、 ス マ トラ 島 の 南 部 出 身 者 が 多 い。 バ タム 島 で 採 用 す る場 合 に は、 工 場 の 門前 に貼 り紙 を して募 集 す る。 た だ し、 バ タ ム とい う小 さ い 島 で 、 進 出 す る他 企 業 との 優 秀 な 人材 獲 得 競 争 は 激 し く、 オ ペ レ ー タ ー の 質 は 最 近 低 下 気 味 で あ る 。 新 人 研 修 は 、 まず 会 社 の 概 要 と製 品 知 識 を教 育 した 後 、10日 間 、 工 程 で の 作 業 訓 練 と品 質 検 査 を行 い 、 試 験 を して 、 工 程 に 従 事 させ る段 取 りに な っ て い る 。 最 初 は 15%ぐ ら い 出 す 不 良 率 も、4ヶ 月 後 に は2%程 度 の水 準 ま で 学 習 効 果 で 低 下 して くる 。 ジ ョブ ・ ロ ー テ ー シ ョン につ い て は 、2年 契 約 の オ ペ レー タ ー に 関 して は 、 基 本 的 に実 施 され ず 、 そ の 契 約 を更 新 した者 に つ い て も、単 機 能 主 義 で 熟 練 を あ げ させ る 。 しか し、 ス タ ッ フ ・レベ ル で は ジ

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ヨブ ・ロ ー テ ー シ ョ ン は行 わ れ て い る。 オペ レー タ ー の 人 材 定 着 率 は非 常 に 良 くて 、 契 約 期 間 中 に辞 め る こ と は ほ と ん ど な い 。 週40 時 間 を超 え て も残 業 に協 力 して くれ る う え 、全 員 女 性 で あ る の で 、 手 先 が 器 用 で何 で も根 気 よ く 作 業 して くれ る。 オペ レ ー タ ー の 月 給 は最 初 の3ヶ 月 は食 事 手 当 込 み で29万 ル ピ ア(日 本 円 で 約 4,600円)で あ る が 、 毎 日残 業 をす る の で2倍 程 度 の 額 に な る 。1年 後 の 月給 は32万5千 ル ピ ア に な る。 オ ペ レ ー ター の 労 働 コス トだ け を考 え る な ら ば 、 ア セ ア ン諸 国 内 で の 優 位 は 明 白で あ る 。 しか し、 大 卒 ス タ ッフ に な れ ば、 給 与 水 準 は 、120∼170万 ル ピア の サ ラ リ ー で 、 高 給 取 りの ス タ ッ フで は250万 ル ピ ア に な る。 高 専 卒 の ア シス タ ン トで は 、80∼160万 ル ピ ア で あ る。 この よ う に 、 イ ン ドネ シ アで は 、 学 歴 に よる 所 得 格 差 は 大 き い 。 6-(4)今 後 の 技 術 移 転 上 の 課 題 バ タム に工 場 を構 え る 日本 企 業 の ほ と ん どは 、 高 卒 を工 場 従 業 員 の応 募 資 格 とす る。 イ ン ドネ シ ア で の 就 学 率 は33%程 度 で 、 か つ若 い 世 代 の3人 に1人 は 高 校 教 育 を受 け て い る た め 、 総 人 口 か ら見 て 、 そ の供 給 は十 分 と見 て よ い 。 日本 企 業 で は、 給 与 水 準 も高 く福 利 厚 生 も充 実 して い る の で 転 職 す る者 が 少 ない 。 また 、 オペ レー タ ー の技 術 吸 収 力 は 高 い の で 、 マ ニ ュ ア ル 通 り に作 業 して くれ る と技 術 移 転 は早 く進 む。 しか し問 題 点 と し て、 時 々 マ ニ ュ ア ル か ら外 れ て 楽 な作 業 を しよ う とす る オ ペ レー タ ー に対 し、 ラ イ ン リ ー ダ ー や ア シ ス タ ン トが そ れ を注 意 せ ず 、 改 善 させ よ う と しな い こ とや 、 自 らの ミス を 隠 そ う とす る こ とで あ る 。 基 本 的 な理 解 力 が あ る の で 、2年 働 い た 優 秀 な 者 を ラ イ ン リ ー ダ ー に昇 進 させ て い る 。 ま た 、 労 働 生 産 性 を常 に 向 上 させ る た め 、 オ ペ レ ー ター を グ ル ー プ分 け し、 チ ー ム 問 で 競 争 を させ て 、毎 月 ご とに チ ー ム の採 点 を して 、 優 秀 なチ ー ム に は トロ フ ィ ー の授 与 と食 料 を配 給 した りす る。 治 具 の改 良 や 製 造 に つ い て 、 バ タ ム で は 未 だ 無 理 な た め 、 そ の 都 度 日本 か ら持 ち 込 ん で 対 応 し て い る。 レー ザ ー ・マ シ ー ンの検 査 は 日本 の メ ー カ ー に来 て も ら うが 、 巻 線 機 械 は ロー カ ル の 技 術 者 が 検 査 で き る。 しか し、 エ ン ジニ ア が 、 機 械 の 内 部 を知 りた い 好 奇 心 か ら機 械 を勝 手 に分 解 し、 故 障 させ るの で 困 る とい う話 もあ っ た 。 安 い 人 件 費 を求 め て バ タ ム に進 出 して きた が 、 物 流 コス トや在 庫 管 理 の 面 で 、 問題 は 多 い とい う。特 に 中 間 管 理 職 を採 用 す る の に苦 労 して い る。 優 秀 な人 材 が な か な か見 つ か らず 、 彼 ら を企 業 内 で 訓 練 す るの に時 間 が か か る が 、 採 用 後 の 定 着 率 は 高 い 。 国民 の9割 が イ ス ラ ム教 徒 で あ るの で 、 彼 らへ の 対 応 に は気 を使 っ て い る 。 金 曜 日 の礼 拝 に合 わせ て休 み 時 間 を設 定 した り、 ラ マ ダ ン に は 、 そ れ な りの 配 慮 を行 っ て い る も の の 、 断 食 期 に は 不 良 品 率 が 高 くな り、 品 質 管 理 上 の 問 題 に な っ て い る 。 7小 型 精 密 モ ー タ ー 製 造 メ ー カ ーF社 バ タ ム 工 場(1999年5月5日 現 地 調 査) 7-(1)バ タ ム 進 出 の 動 機 及 び 会 社 概 要 F社 バ タ ム 工 場 は 、1994年1月 に 、 小 型 精 密 モ ー タ ー の 製 造 販 売 会 社 で あ るF社 シ ン ガ ポ ー ル (1983年 設 立)の 子 会 社 と し て 設 立 さ れ た 。 従 業 員 は 、 ス タ ッ フ 部 門 の186名 を 含 む1,048名 で あ る 。 主 要 生 産 品 目 と し て 、 レ ー ザ ー プ リ ン タ ー や 複 写 機 等 に使 わ れ る ス テ ッ ピ ン グ モ ー タ ー を 月 産35∼40万 個 、 高 速 レ ー ザ ー プ リ ン タ ー 用 のDCフ ァ ン モ ー タ を 月 産35万 個 、 ジ ェ ネ ラ ル ・エ

参照

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