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京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物

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(1)京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 京都府南部、木津川玉水橋付近 の河川堆積物. 鈴. 1は. 木. 一. 久*. じめ に. 木 津 川 は、 奈 良 県 、 三 重 県 の 山間 部 を 源 流 と し、 京 都 府 南 部 木 津 か ら は 山城 の 平 野 を 北 へ 流 れ る。 そ して 、 八 幡 で 宇 治 川 、 桂 川 と合 流 して 淀 川 とな り、 大 阪 湾 にそ そ ぐ。 木 津 川 は、 山城 の 平 野 で は ゆ る く蛇 行 しな が らい くつ もの ポ イ ン トバ ー を 形 成 して い るが 、 そ の う ちの 井 手 町 玉 水 橋 付 近 の ポ イ ン トバ ー は 形 が 良 く整 って い る こ とに 加 え 、 ほ ぼ 中央 に橋 が か け られ て お り、 河 川 地 形 や 堆 積 物 の 観 察 に都 合 が 良 い(第1図)。 玉 水 橋 付 近 で は、 現 在 の 木 津 川 の 流 路 は西 へ 振 って 流 れ て お り、 左 岸 の 植 生 を 多 く伴 うバ ー は側 方 侵 食 に よ り崖 を 作 って お り、 地 層 の 観 察 が 容 易 で あ る。 一 方 、 右 岸 側 に は広 い ポ イ ン ト バ ー が広 が り、 砂 礫 が 分 布 し、 さま ざ ま な堆 積 構 造 が 観 察 で き る(第2図)。 堤 防 に近 い と こ ろで は直 径20∼30cm、. か つ て は、 右 岸. 樹 齢10年 ∼20年 の樹 木 や 草 本 類 が 密 生 して い た が 、 現. 在 は伐 採 され て 見 通 しが 良 くな って い る。 さ らに、 調 査 範 囲 内 に国 土 交 通 省 飯 岡 量 水 標 が あ り、 河 川 水 位 や 流 量 に関 す る資 料 が 入 手 で き る。 この よ う に玉 水 橋 付 近 の 木 津 川 は河 川 の 堆 積 作 用 を研 究 す るの に好 条 件 を 備 え て い る。 本 論 で は、 ポ イ ン トバ ー の 堆 積 地 形 、 ベ ッ ドフ ォー ム、 表 面 粒 度 な ど につ いて 記 載 す る と と も に、 堆 積 物 の 重 な り、 す な わ ち地 層 か ら読 め る こ と、 な らび に空 中写 真 と して 残 され た 記 録 か ら読 め る こ と、 そ して これ らを 総 合 して 河 川 堆 積 物 の 堆 積 相 と形 成 史 につ いて 考 察 した い。. H右. 岸 ポ イ ン トバ ー の 地 形 と 堆 積 物 表 面 の 粒 度 ・堆 積 構 造. 右 岸 の ポ イ ン トバ ー は、 玉 水 橋 の直 下 で最 大 の 幅300m、. 長 さ は800mほ. どの半 月 形 を した. 地 形 的 な 高 ま りで あ る。 この ポ イ ン トバ ー は 内側(東 側)の 濃 い植 生 に覆 わ れ た 地 帯 と、 外 側 (西側)の 砂 礫 に覆 わ れ植 生 に乏 しい地 域 に大 別 され る(第3図)。. *近 畿大学教職教育部准教授. 15.

(2) 近畿大学教育論叢. 第1図. 第23巻 第2号(2012・3). 玉 水 橋 周 辺 の 木 津 川 河 床(2008年5月15日. 第2図. 撮 影 の 国 土 地 理 院 空 中 写 真 を も とに 作 成). 木 津 川 の 流 れ と河 床 地 形(玉 水 橋 か ら上 流 を 望 む). 16.

(3) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 第3図. 河 川 堆 積 物 の堆 積 地 形 ・ベ ッ ドフ ォー ム ・表 面 粒 度 。 大 数 字(1∼20)は 添 え 数 字 は 表 面 粒 度(大 きな 礫 上 位10個 の 長 径 平 均 値 、 単 位 はcm)。. 17. 柱 状 図 の位 置 、 ×印 と.

(4) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). ポ イ ン トバ ー 内側 の 植 生 に覆 わ れ た地 域 で は、幅40∼50mで. 、細 長 く伸 び る微 高 地 と窪 地 が. 帯 状 に配 列 して い る。 境 界 は、 場 所 に よ って 異 な る が、 数10cmか. ら2m程. 度 の 段 差 が あ る。. この よ うな 帯 状 配 列 は橋 の 下 周 辺 で は見 られ な いが 、 これ は橋 脚 工 事 の さ いの 人 工 改 変 に よ る もの で あ り、 本 来 的 に は橋 の 上 流 側 と下 流 側 で 帯 状 構 造 は連 続 して い る。 この よ うな 微 高 地 や 窪 地 の 帯 状 配 列 は ポ イ ン トバ ー の 成 長 に伴 って 形 成 され る河 畔 微 高 地 の 帯 状 配 列(ス. ク ロー ル. バ ー)の 性 格 を有 す る。 濃 い植 生 で 覆 わ れ て い る た め、 ポ イ ン トバ ー の 表 面 を 構 成 す る物 質 は ほ とん ど観 察 で きな いが 、わ ず か に橋 の下 で は、基 質 の少 な い大 礫 が分 布 して い る の が わ か る。 それ に対 し、 ポ イ ン トバ ー 外 側 の 砂 礫 が 分 布 す る地 帯 は、 現 在 も、 砂 礫 の 侵 食 、 運 搬 、 堆 積 が 行 わ れ て い る地 域 で あ り、 大 小 さ ま ざ まな 堆 積 構 造 が 観 察 で き る。 しか し、 この 地 域 も、 最 近 で は河 床 が 低 下 し、 洪 水 が 発 生 して も砂 で 覆 わ れ る こ とが 少 な くな った 影 響 で 、 周 辺 か ら植 生 が 侵 入 して きて い る。 大 局 的 に見 る と、 こ の砂 礫 地 帯 に も幅50∼60mで. 細 長 く伸 び る微 高. 地 の 列 が あ る。 ま た、 バ ンク沿 いで は植 生 に覆 わ れ た幅 の 狭 い微 高 地 が 伸 びて い る。 堆 積 物 の 表 面 に は さ ま ざ まな 大 き さの デ ュ ー ンが 形 成 され て い る。 大 きな もの は、 幅10m長 さ1mに. さ20m高. 達 す る。 流 れ が よ どみ や す い と こ ろで は、 小 さな リッ プル が 良 くみ られ る。. 砂 礫 の 分 布 す る地 帯 は、 ど こで もが 堆 積 の 場 と い う こ とで はな い。 ポ イ ン トバ ー の 表 面 に は 侵 食 に よ って え ぐ られ た楕 円形 の 窪 地 が い くつ も認 め られ る。 そ こで は粒 径 の 大 きな 礫 が 分 布 す る。 この 礫 層 は、 か つ て バ ー に堆 積 した 当時 は砂 の 基 質 に富 ん で いた と思 わ れ るが 、 現 在 で は基 質 の 砂 は流 され 、 大 きな 礫 は アー マー 化 して い る。 ポ イ ン トバ ー表 面 の 礫 の 粒 度 を33カ 所 で 測 定 した。 測 定 に あ た って は、そ の場 所 に1m四. 方. の グ リ ッ ドを設 定 し、 その 中か ら大 きな 礫 上 位10個 を 選 び 出 し、 その 長 径 を 測 定 した(第3図 の × 印 と添 え 数 字 、 単 位 はcm)。. ポ イ ン トバ ー表 面 の 砂 礫 の 粒 度 は大 局 的 に は 上 流 側 で大 き. い。 これ は上 流 側 で 流 れ の エ ネ ル ギ ー が 大 き く表 面 が 侵 食 され て い る こ と と調 和 的 で あ る。 以 上 述 べ たの は通 常 は離 水 した状 態 に あ る ポ イ ン トバ ー の 表 面 で あ る。 この ほか に流 路 中 に は、水 面 す れ す れ の バ ー も見 られ る(柱 状 図12∼16の 対 岸)。 こ こで は砂 が 流 れ 去 って アー マ ー 化 した透 か し礫 層 とな って お り、 礫 の イ ンプ リケ ー シ ョ ンが 著 しい。 大 きな 礫 上 位10個 の 長 径 平 均 は15.8cmで. 皿. あ り、 全 て の測 定 値 の な か で最 も大 き な もの で あ った。. 右 岸 ポ イ ン トバ ー を 構 成 す る 地 層 一 般 に右 岸 ポ イ ン トバ ー で は、 水 面 際 の 低 い と こ ろ に流 路 の 堆 積 物 を 構 成 す る砂 質 な 大 礫 層. 18.

(5) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. が 分 布 し、 その 上 に礫 混 じ りの 砂 層 や 逆 級 化 構 造 を な す 氾 濫 堆 積 物 が 重 な る。 地 層 の 逆 級 化 構 造 と は、 茨 城 県 桜 川 で発 見 され(伊 勢 屋1982)、 増 田 ・伊 勢 屋(1985)に. よ って 自然 堤 防 帯 に. お け る氾 濫 原 洪 水 堆 積 物 の 指 標 堆 積 構 造 と され た もの で あ る。 その 後 、 鈴 木(1993a、b)は 氾 濫 堆 積 物 の 逆 級 化 構 造 は 自然 堤 防 帯 に限 らず 扇 状 地 河 川 で も普 遍 的 に見 られ る構 造 で あ る こ と を明 らか に した。 ま た、 現 世 河 川 に お け る逆 級 化 構 造 の 累 重 様 式 や1枚 の 氾 濫 堆 積 層 の3次 元 形 態 な ど につ いて は、滋 賀 県 野 洲 川 や 木 津 川 の下 流域 で詳 し く研 究 され た(鈴 木1994、1995、 1998、2000、2002)。 ま た、逆 級 化 構 造 は大 阪 層 群 の 地 層 中 に も普 通 に見 られ る構造 で あ る こ と が わ か って い る(例 え ば城 陽 礫 層 研 究 グル ー プ1991、ShikiandSuzuki1995)。 右 岸 ポ イ ン トバ ー で は、 柱 状 図 番 号1∼10の. 地 点 で 地 層 の 観 察 を行 った(第4図)。. 柱 状図. が 作 成 で き るの は、 流 路 との 境 で バ ー が 崖 にな って い る と こ ろや 、 濃 い植 生 に覆 わ れ た 地 域 に お け る微 高 地 の 崖 な どで あ る。 広 く砂 礫 が 表 面 に露 出 して い る と こ ろで は壁 が 崩 れ や す く、 深 い穴 を掘 って 地 層 を観 察 す る事 は困 難 で あ っ た。 以 下 に各 地 点 の 特 徴 を 述 べ る。 柱 状 図1:こ. こで は水 面 か ら80cmく. らい ま で砂 質 な 中 礫 ∼ 大 礫 層 か らな るが 、 そ の う ち下. 半 部 は黄 褐 色 の明 る い色 調 、 上 半 部 は 暗褐 色 の色 調 を呈 す 。 そ の上 に20cmの. 極粗粒砂層が あ. り、 上 部 は4枚 の 逆 級 化 す る氾 濫 堆 積 層 か らな る。 植 生 を 伴 って い る が地 表 に 土 壌 層 は な く、 最 上 部 は現 在 の バ ー表 面 を 構 成 す る礫 混 じ りの 砂 層 で あ る。 柱 状 図2:こ. の 地 点 は濃 い植 生 を 伴 っ た微 高 地 の 縁 に あ た る と こ ろで あ り、 こ こで は一 番 下. に 砂 質 な 礫 層 が あ る。 礫 径 は 最 大 で も10cm程 20cmの. 度 で あ る。 こ の 上 に 、 薄 い 腐 植 層 を 挟 ん で. 厚 さの 砂 質 中礫 層 が あ り、 そ の 上 に5枚 の 明 瞭 な逆 級 化 構造 を 示 す 氾 濫 堆 積 層 が 重 な. る。 氾 濫 堆 積 層 の 上 面 付 近 に は長 径3∼5cmの 柱 状 図3:こ 部 に は70cmの. 礫 が 多 く含 ま れ る。. こ は広 く砂 礫 層 が 分 布 す るバ ー の 中で 植 生 に覆 わ れ た と こ ろで あ る。 露 頭 最 下 厚 さで 明 るい色 調 の 黄 褐 色 砂 質 大 礫 層 が あ り、 そ の上 に30cmの. 厚 さの 褐 色 砂. 質 大 礫 層 が 重 な る。 上 半 部 は逆 級 化 す る氾 濫 堆 積 層 が 多 くを 占 め る。 ほ ぼ 中位 の 地 層 か ら1987 年6月23日. 製 造 の 「ジ ン ジ ャー エ ー ル 」 の 空 き缶 が 産 出 して い る。. 柱 状 図4:こ. こ は帯 状 に延 び る微 高 地 の 頂 部 に あ た る。 こ こで は一 番 下 に砂 礫 層 が あ り、 比. 較 的 厚 い シル ト層 を 経 て 、 上 部 に は粗 粒 な 砂 層 が3枚 重 な る。 これ ら に は逆 級 化 構造 が 明 瞭 な もの も あれ ば不 明 瞭 な もの 、 あ る い は級 化 構 造 を 示 す もの も あ る。 柱 状 図5:こ. こ は濃 い植 生 に覆 わ れ た地 域 と砂 礫 の 地 域 との 境 界 で あ る。 主 と して 砂 質 中礫. 層 と礫 質 砂 層 の繰 り返 しよ り成 る が、 地 表 のす ぐ下 に は厚 さ10cmほ. 19. どの 土 壌 化 した シル ト層.

(6) 繍 卜OGQ隣 蕪 凹 葡Ψ (トり〇一凹 ●. ゜。 ). ①1987年6月23目 ②2001年4月 ㊥1978年1月6日. 第4図. 右 岸 ポ イ ン トバ ー の各 地 点 柱 状 図. 製造. 「 ジ ンジ ャ ーエ ール 」. 中旬 製 造 「サ ン トリー マ グ ナ ム ドライ 」 製造. 「 伊藤 ハ ムハ ンバ ー グ 」.

(7) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. が あ り、 その 上 を ご く最 近 の 洪 水 氾 濫 の 砂 が 覆 って い る。 な お、 こ こで は深 く掘 る こ とが で き な か っ た た め、 最 下 部 の 砂 礫 層 は観 察 で きて いな い。 柱 状 図6:バ. ンク沿 い の こ の地 点 で は、 水 面 か ら30cmほ. な る。 そ の上 に45cmの. ど まで は砂 質 な 中 礫 ∼ 大 礫 層 か ら. 厚 さの礫 混 じ り粗 粒 砂 が 重 な る。 こ の砂 の下 部10cmは. 黄灰 色の明 る. い色 調 で あ るが 中上 部 は褐 色 を 呈 す 。 さ らに その 上 位 に明 瞭 な 逆 級 化 構造 を な す 氾 濫 堆 積 層 が 2枚 重 な る。 地 表 下20cmは 柱 状 図7:少. 黒 色 で土 壌 化 が進 ん で い る。. し下 流 の この 地 点 で は水 面 か ら1mほ. ど は砂 質 な 中礫 ∼大 礫 層 か らな る。 そ. の 上 に1枚 の 逆 級 化 す る氾 濫 堆 積 層 と2枚 の 細 粒 砂 が 重 な る。 挟 在 す る シル ト層 は有 機 質 で あ り、 土 壌 化 が 進 ん で い る。 柱 状 図8:こ. こ は植 生 を 伴 う微 高 地 が 、 氾 濫 流 に よ って 、 細 長 く、 す り鉢 状 に深 くえ ぐられ. た と こ ろで あ る。 底 の 部 分 に は アー マー 化 した大 礫 が 分 布 す る。 礫 の 大 き さ は、 大 きな 礫 上 位 10個 の 長 径 平 均 値 で8.5cmで. あ っ た。 その 上 に氾 濫 堆 積 層 が7枚 重 な って い るが 、多 くは明 瞭. な 逆 級 化 構 造 を示 す 。 地 表 付 近 は土 壌 化 した シル トよ りな る。 柱 状 図9:バ. ン ク沿 い の この 地 点 で は、 水 面 か ら30cmま. で は砂 質 な 中 礫 ∼ 大 礫 層 よ りな. る。 その 上 に フ ォ ーセ ッ ト葉 理 を な す 中粒 ∼ 極 粗 粒 砂 層 が 重 な る。 さ ら にそ の 上 に正 級 化 した 砂 層 と2枚 の 明 瞭 な 逆 級 化 構 造 を 示 す 氾 濫 堆 積 層 が 重 な る。 表 層 は、 シル ト層 を 覆 って 堆 積 し た最 近 の 洪 水 の 氾 濫 砂 層 か らな る。 柱 状 図10:先 にの べ た柱 状 図9の す ぐ下 流 にあ た るが、 こち らの方 が、地 表 面 が か な り高 い。 水 面 か ら60cmま. で砂 質 な 中 礫 ∼ 大 礫 層 で あ るが 、 そ の上 に70cmの. 極 粗 粒 砂 が 重 な り、 さ ら. に その 上 に5枚 の 逆 級 化 した氾 濫 堆 積 層 が 観 察 され る。 この 露 頭 で は、1978年1月6日 「伊 藤 ハ ム ハ ンバ ー グ」 の パ ッケ ー ジ と2001年4月. 製造の. 中旬 製 造 の 「サ ン トリー マ グ ナ ム ドラ イ」. の アル ミ缶 が 産 出 して い る。. IV左. 岸 の バ ー を 構 成 す る地 層. 玉 水 橋 付 近 の 木 津 川 左 岸 に は、 樹 齢10∼20年 の 樹 木 や 草 本 類 に覆 わ れ た 細 長 いバ ー が 見 られ る。 左 岸 は木 津 川 の 側 方 侵 食 に よ り崖 を 形 成 して い る こ とが 多 く、 地 層 の 観 察 を 行 いや す い。. (1)全. 体の特徴. バ ン ク 沿 い の10地 点 で 地 層 の 観 察 を 行 っ た(第5図)。. 21. 右 岸 の ポ イ ン トバ ー と 同 様 、下 部 に 粗.

(8) 皿玩 000大 16∵ り諄. 礫(透 か し礫) 砂質中礫. 團 匡]平. 斜交葉理 卜QQo瞭 怒. 溝 ゜砂 シル ト 土壌化 した褐色シル ト. 行葉理. i=. トり 湘Ψ. 3一. (卜OO一トり ゜。 ). 第5図. 左 岸 バ ン ク沿 い の各 地 点 柱 状 図 。 矢 印 は流 向(上 を北 と して表 示).

(9) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 粒 な 砂 礫 層 が あ り、 その 上 に砂 礫 層 や 砂 層 、 逆 級 化 を な す 砂 層 が 重 な る。 そ して 最 上 部 は土 壌 化 した厚 い褐 色 シル ト層 か らな る。 この 褐 色 シル ト層 の 存 在 は右 岸 ポ イ ン トバ ー の 地 域 に はな か っ た特 徴 で あ る。 以 下 、 各 地 点 の 特 徴 を 述 べ る。 柱 状 図11:こ. こで は一 番 下 に細 礫 ∼ 中礫 の 砂 質 礫 層 が あ り、 その 上 に逆 級 化 構 造 を 示 す8枚. の 堆 積 層 が 重 な る。 こ この 逆 級 化 に は、 シル ト質 細 粒 砂 か ら始 ま り中粒 ∼ 粗 粒 砂 に至 る もの の ほか に、 中粒 ∼ 粗 粒 砂 か ら始 ま り最 上 部 は砂 礫 層 に至 る もの もあ る。 砂 礫 層 に は直 径10cmほ どの 大 礫 を含 む もの が あ る。 な お、 こ こ は他 と比 べ 一 段 低 い と こ ろで あ り、 土 壌 化 した 褐 色 シ ル ト層 は見 られ な い。 柱 状 図12:水. 面 か ら50cmほ. どの と こ ろ に厚 さ10cmの. 大 礫 層 が あ る。 この礫 層 に は基 質 が. な く、 透 か し礫 層 とな って い る。 この 礫 層 中 の大 き な礫 上 位10個 の 長 径 平 均 は10.8cmで. あっ. た。 そ の上 に8枚 の 砂 層 、 砂 礫 層 が重 な る。 これ らの 中 に は 逆 級 化 を示 さ な い もの もあ る が、 先 に 述 べ た 柱 状 図11と 同 じ枚 数 で あ り、 お お む ね 対 応 す る と考 え られ る。 一 方 、 地 表 か ら 50cmは. 土 壌 化 した 褐色 シル ト層 で、 特 に最 上 部 の15cmは. 柔 らか な 暗褐 色 土 壌 とな って い る。. 褐 色 シル ト層 の ほ ぼ 中央 部 にわ ず か に砂 混 じ りの 部 分 が あ る。 柱 状 図13:こ さ10cmの cmの. こ は あ とで 述 べ る壁 面 ス ケ ッチの 左 端 に あ た る。 水 面 下 で あ るが 、 最 下 部 に厚. 柔 らか い青 色 粘 土 層 が挟 ま れ る。 そ の上 は マ サ状 の細 礫 層 で、まれ に こ の 中 に10数. 大 礫 が 含 ま れ る。 そ して 水 面 か ら60cmの. 大 き な礫 上 位10個 の長 径 平 均 は11.8cmで. と こ ろ に透 か し礫 層 が あ る。 こ の礫 層 中 の、. あ った。 これ ら粗 粒 な 堆 積 物 を覆 って何 枚 もの 氾 濫. 堆 積 層 が 重 な るが 、 詳 細 は壁 面 スケ ッチの 項 で 述 べ る。 柱 状 図14:こ の地 点 は壁 面 ス ケ ッチ の右 端 地 点 よ り6m下. 流 に あた る。 水 面 す れ す れ に大 礫. 層 が あ る。 その 上 に逆 級 化 した砂 礫 層 と斜 交 葉 理 の 発 達 した砂 礫 層 が あ り、 さ ら に上 に2枚 の 逆 級 化 した氾 濫 堆 積 層 が 見 られ る。 一 番 上 は土 壌 化 した褐 色 シル ト層 で あ るが 、 そ の 基 底 部 は 砂 質 で あ る。 柱 状 図15:水. 面 か ら40cmほ. どは砂 礫 層 か らな る。 薄 い砂 層4枚 を挟 ん で 、 そ の 上 に4層 の. 明 瞭 な逆 級 化 構 造 を 示 す 氾 濫 堆 積 層 が 重 な る。 こ れ らは 基 底 部 の シ ル ト質 細 粒 砂 か ら始 ま り、 しだ い に上 方 に粗 粒 化 し最 上 部 は極 粗 粒 砂 ∼ 細 礫 に達 して い る。 最 上 部 の45cmは. 土 壌 化 した. 褐 色 シル ト層 で あ る。 柱 状 図16:最. 下 部 の水 面 よ り60cmほ. どの高 さま で は、 大 礫 サ イ ズ の 透 か し礫 層 とマ サ 状 の. 細 礫 層 か らな る。 大 きな 礫 上 位10個 の 長 径 平 均 は10.7cmで. 23. あ った。 そ の上 に、厚 さ120cmほ.

(10) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). どの 洪 水 氾 濫 の 堆 積 物 が 重 な る。 こ こで は明 瞭 な 逆 級 化 構 造 は見 られ な いが 、 柱 状 図15と はす ぐ近 くで あ り粘 土 層 の 連 続 が 追 跡 で き る ほか 、 砂 層 の枚 数 もほ ぼ一 致 して い る。 地 表 下60cm ほ ど は土 壌 化 した褐 色 シル ト層 で あ り、 そ の基 底 部 に は10cmほ. どの 厚 さの 極 細 粒 砂 が 挟 まれ. る。 柱 状 図17:水. 面 下 に大 礫 か らな る粗 粒 な 堆 積 物 が 分 布 す る。 その 上 に斜 交 葉 理 が 発 達 した 中. 礫 ま じ りの砂 質 礫 層 が 重 な る。 斜 交 葉 理 が 示 す 流 向 はN10°Eで した氾 濫 堆 積 層 が6枚 認 め られ る。 地 表 下50cmほ. あ る。 そ して そ の上 に逆 級 化. どが褐 色 ∼ 暗 褐 色土 壌 化 した シル トで あ る. が 、 こ こで は砂 は挟 まれ て いな い。 柱 状 図18:水 面下 に大 礫層 が あ り、そ の上 に平 行 葉 理 や斜 交 葉 理 の発 達 した砂 礫 層 が重 な る。 斜 交 葉 理 か ら判 定 され る流 向 はN15∼20°Eで ト∼ 極 細 粒 砂 が 重 な る。1枚. あ る。 そ して そ の上 に30cmの. 厚 さ の砂 質 シル. ご と に識 別 はで きな いが 、 柱 状 図17に お け る6枚 の 逆 級 化 す る氾. 濫 堆 積 層 に お お むね 対 比 さ れ る。 地 表 下50cmが. 土 壌 化 した 褐色 シル ト層 で あ るが 、 こ こで は. 最 上 部 に極 細 粒 砂 が 挟 まれ る。 柱 状 図19:水 面 下 に大 礫 層 が あ り、 そ の上 に数 枚 の砂 質 な礫 層 が重 な る。斜 交 葉 理 はN15°W の 流 向 を示 す 。 地 表 下80cmほ 20cmは. どが土 壌 化 した 褐 色 シル ト層 で あ る が、 最 上 部20cmと. 最下部. 砂 混 じ り とな って い る。. 柱 状 図20:水. 面 付 近 に大 礫 層 が あ るが 、 他 と比 べ 礫 は小 さ めで あ る。 そ の 上 に は砂 礫 層 が 重. な って お り、流 向 はN30∼45°Wを. 示 す。 一 番上 の80cmほ. どが 土 壌 化 した 褐 色 シル トの 層 で. あ るが 、 この 中 に コ ン ク リー ト片 を 含 む 角 礫 混 じ りの シル トが 挟 まれ る。. (2)壁 面 で の 観 察 バ ンク沿 い の崖 を 削 って16mに. わ た る全 面 露 頭 を作 った(第6図)。. この過 程 で、 年 代 を 示. す"化 石"す な わ ち製 造 年 月 日の 記 載 され た食 品 パ ッケー ジが 多 数 発 見 され 、 堆 積 年 代 を 決 定 す る の に役 立 った(第7図)。. 地 層 の ス ケ ッチ にあ た って は、 まず 露 頭 面 に1m間. 打 ち、 そ の後 ハ ン ドレベ ル で水 面 か ら 目線 の高 さ(1.5m)を を基 準 点 と した(第6図. 隔 に ピ ンを. 測 定 して ピ ンを打 ち直 して、 これ. 中の ピ ン)。. 層 序 概 説:観 察 した地 層 の ス ケ ッチ を第8図 の 場 所 で あ り、 右 端(位 置16m)か. に示 す。 ス ケ ッチ の 左 端(位 置Om)は. ら右 へ(下 流 へ)6mの. 柱 状 図13. と こ ろが 柱 状 図14の 位 置 で あ る。. 柱 状 図 の記 載 で 述 べ た よ うに、 この 地 域 の河 川 堆 積 物 は、 下 位 か ら、 砂 礫 を主 とす る下 部 層 、. 24.

(11) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 第6図. 壁 面 スケ ッチ を 行 った 露 頭 全 景(ピ ンは 常 水位 か ら1.5mの 1m間 隔). 第7図. 堆 積 物 の 年 代 を示 す パ ッケ ー ジ 類 。 産 出 地 点 に ピ ンを 打 ち、 パ ー ケ ー ジを 洗 っ た の ち に 撮 影 。 ③ は1969年7月 ∼1984年9月 製造 の 「お に ぎ りせ ん べ い」 ④ は1975年 前 後 製 造 の 「サ ッポ ロー 番 塩 ラ ー メ ン」。 番 号 は 第8図 に 同 じ。 第8図5.5∼7.5m付 近 の写 真 。. 高さで、.

(12) 部 卜。G。隣 蕪 凹如 (卜。O話 ●. ゜。 ). り.b. ①1972年9月27目.   製造 「 イ シイの ビー フハンバー グ」. ②19?3年8月20日. 製造 「 マル ダイ ロー ス トポー ク」. ③1969年7月. 0. 謬灘 糊. ∼1984年9月. ⑥1977年8月. 「 おに ぎ りせんべ い」. 趨 マ勤 ∼1986年. 為 。。一」. ミ. 「 童話せん べい」. 第8図. 左 岸 バ ンク の 壁 面 ス ケ ッチ.

(13) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 逆 級 化 砂 層 を主 とす る 中部 層 、 土 壌 化 した褐 色 シル トか らな る上 部 層 に3分 され る。 下 部 層 は原 点 付 近 で は、 柱 状 図13で 述 べ た よ う に、 マサ 状 の 厚 い細 礫 層 とそ の 上 に重 な る大 礫 層 か らな る。 細 礫 層 は 細 礫 サ イ ズ か ら1cmぐ. らい の花 歯 岩 質 粒 子 か らな り、 シル トや 砂 の. 基 質 を ほ とん ど含 まな い。 そ の た め露 頭 面 が ザ ラザ ラ と崩 れ る。 大 礫 層 は、 礫 の 長 径 が20cm か ら10数cmで. 、 礫1つ 分 ぐ らいの 厚 さで 連 続 し、11m付. に尖 滅 す る。11∼16m付. 近 で30cm位. の 厚 さ にな った あ と急. 近 で は、 そ の下 に細 礫 層 が 分 布 し、 この 中 に は15∼20cmの. 大礫が含. まれ る こ とが あ る。 中部 層 はA∼Rの に対 しG∼J層 K、L、M層. 各 層 に区 分 され るが 、 下 位 のA∼F層. は全 体 に粘 土 質 で 粘 りが 強 い。 そ れ. は砂 質 で あ る。 いず れ も、下 流方 向 へ分 布 す る高 さが低 くな り、ま た薄 くな る。 は砂 礫 層 ∼ 礫 質 砂 層 で 、 低 い と こ ろを 埋 め る よ うな 形 態 で 分 布 す る。N∼R層. は. ほ ぼ 同 じ高 さ に断 続 的 に分 布 す る地 層 で あ る。 これ ら中部 層 の 詳 細 につ いて は次 節 で 述 べ る。 上 部 層 は土 壌 化 した シル ト層 で あ る。 全体 で60cmほ. ど の厚 さ が あ る が、 下 部 の40cmは. や. や 硬 い褐 色 シル ト層 か らな る。 この な か に はや や砂 質 な 部 分 が 断 片 的 に見 られ る こ とが あ る。 最 上 部 の20cmは. 柔 らか い 暗褐 色 の土 壌 か らな る。. 中 部 層 の 特 徴:A層 る。 しか し11∼18mの. は0∼10m付. 近 で は ご く薄 い シ ル ト質 細 粒 な逆 級 化 した 氾 濫 堆 積 層 で あ. と ころ で は最 大60cmの. 厚 さ で逆 級 化 した砂 層 が堆 積 して お り、バ ー の. 先 の くぼみ に堆 積 した形 態 を 示 す 。 こ こで は基 底 付 近 の シル ト質 細 粒 砂 か ら上 方 に しだ い に粗 粒 にな り、最 上 部 は極 粗 粒 砂 ∼ 細 礫 とな る。A層 の5m付 ル ダ イ ロ ー ス トポ ー ク」、 ま た、7m付. 近 か らは1973年8月20日. 近 か らは1972年9月27日. 製 造 の 「マ. 製 造 の 「イ シ イ の ビー フハ ン. バ ー グ」 の パ ッケー ジが 産 出 した。 B層 は0∼1m付. 近 に見 られ る、ご く薄 い氾 濫 堆 積 層 で あ る。C層. シル ト層 を は さん で お り2枚 の 氾 濫 堆 積 層 に区 分 で き るが 、0∼2m付 区 別 で きな くな る。 ま た、C・D層 か 上 位 のE層 やF層. は7mよ. とD層 は、3m付. 近で は. 近 で はや や 砂 質 とな り. り先 で は 細 粒 で 薄 くな り、C・D層. の 境 界 ばか り. と も区 別 で きな くな る。. E層 は シル ト質 細 粒 砂 か ら細 粒 砂 に至 る氾 濫 堆 積 層 で 、 上 流 側 に ゆ る く傾 斜 して 全 体 と して 泥 質 とな り、7m付. 近 か ら は上 下 の 地 層 と の境 界 面 は識 別 で き な くな る。7m付. 近 で基 底 部. か ら 「お に ぎ りせ ん べ い」 の パ ッケ ー ジが 産 出 した。 株 式 会 社 マ ス ヤ に 問 い合 わ せ た と こ ろ、 1969年7月. の 発 売 開 始 か ら社 名 変 更 に い た る1984年9月. まで の もの と判 明 した 。. F層 も シル ト質 細 粒 砂 か ら細 粒 砂 に至 る氾 濫 堆 積 層 で 、 上 流 側 に ゆ る く傾 斜 して 全 体 と して. 27.

(14) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). 泥 質 とな り、7m付. 近 か らは上 下 の 地 層 と識 別 が 困 難 にな る。6m付. 近 で基 底 部 か ら 「サ ッポ. ロー 番 塩 ラ ー メ ン」 の パ ッケー ジが 産 出 した。 サ ン ヨー 食 品 株 式 会 社 に よ る とパ ッケ ー ジの デ ザ イ ンか ら1975年 前 後 の 製 造 販 売 で あ る と い う。 G層 は厚 さ15cmほ. どで、 基 底 部 の シル ト層 か ら シル ト質 細粒 砂 を 経 て 中粒 砂 に至 る明 瞭 な. 逆 級 化 構 造 を示 す 。 構 造 的 に は、 下 位 のC∼F層 識 別 が 困 難 に な る。7m付. 近 のG層. 基 底 部 か ら は1975年11月11日. ニ ー」 の パ ッケ ー ジが 産 出 した。 な お、G層 H層 も厚 さ15cmほ. と 同様 に下 流 側 へ 薄 くな って い き、 他 の 層 と 製 造 「ニ ッポ ンハ ム ウ イ. よ り上 位 で は全 体 と して 砂 質 とな る。. どの地 層 で、 基 底 部 の シル ト層 か ら シル ト質 細 粒 砂 を 経 て 中粒 砂 に至 る. 明 瞭 な 逆 級 化 構 造 を 示 す 。 構 造 的 に は他 の 層 と 同様 に下 流 側 へ 低 くな り、泥 質 と な る。1m付 近 でH層 に へ こみ が見 られ る。1層 基 底 の シル ト層 が 厚 く このへ こみ を埋 め て お り、 へ こみ は 上 位 層 に よ る侵 食 で はな い こ とが わ か る。 へ こみ の 左 側 のH層. に は斜 交 葉 理 が 見 られ るが 、 へ. こみ の 形 態 は斜 交 葉 理 と調 和 的 で あ り、 へ こみ は堆 積 時 の ベ ッ ドフ ォー ムそ の もの を 表 して い る。 1層 は10cmほ. どの厚 さの、 基 底 部 の シル ト層 か ら中粒 砂 に至 る逆 級 化 した 氾 濫 堆 積 層 で あ. る。 こ の層 は6m付. 近 か ら下 流 側 に 傾 斜 して い くが 、8m付. 近 か らは薄 く泥 質 と な り下 位 の. 各 層 と区 別 で きな くな る。 J層 も同様 に、10cmほ 7m付. どの厚 さの、 中 粒 砂 に至 る逆 級 化 した 氾 濫 堆 積 層 で あ る。 この 層 は. 近 で や や急 に 下 流 側 に傾 斜 し、8m付. 近 か らは薄 く泥 質 と な り下 位 の 各 層 と区別 で き. な くな る。 K層 は9m付. 近 か ら下 流側 の低 い部 分 を 埋 積 す る砂 礫 層 で、全 体 に低 角 の 斜 交 葉 理 が 発 達 す. る。 砂 礫 層 中 に は倒 れ た茎 が 埋 ま って お り、 水 流 は壁 面 に平 行 に、 左 か ら右 で あ った こ とが わ か る。10∼11mの. 部 分 には、 局 所 的 に粘 土 質 の 塊 が あ り、地 層 の 連 続 は観 察 で きな い。 この よ. うな 粘 土 塊 は他 に も14m付. 近 と16m付. 近 に見 られ る。 いず れ も有 機 質 で 材 や 茎 の 破 片 を 多 く. 含 む こ とか ら、 近 くの バ ン クが 崩 れ て 粘 土 塊 とな って 流 れ 下 り、 この 場 所 に停 止 した もの とみ られ る。 粘 土 塊 と い う障 害 物 の 上 流 側 は水 流 に よ って え ぐ られ たが 、 そ の 後 砂 礫 に よ って 埋 め たれ た こ とが 斜 交 葉 理 の 形 態 か ら判 断 で き る。14m付. 近 で、 砂 礫 層 直 下 の シル ト層 か ら 「童 話. せ ん べ い」 の パ ッケー ジが 産 出 した。 亀 田製 菓 株 式 会 社 に よ る と、1977年8月. に販 売 を 開 始 し. た商 品 で 、1986年 に は別 の デザ イ ンにな って い る との こ とで あ っ た。 L層 は、 粘 土 層 を挟 ん でK層 の上 に重 な る基 質 の少 な い 中礫 混 じ りの細 礫 層 で、7∼8m付. 28.

(15) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 近 でJ層 を覆 う。 こ こで は い くぶ ん 侵 食 的 な境 界 を な して い る。11∼16mの K層 と の間 に は数cmの. 区 間 で は、 下 位 の. 明 瞭 な 粘 土 層 が 挟 ま れ る。. M層 は基 質 の 多 い シル ト質 の 細 礫 層 で 、 高 い側(図 の 左 側)に くな って 尖 滅 す る。6∼8m付. しだ い に細 粒 にな り、 また 薄. 近 で、M層 基 底 の シル ト質 砂 層 は 、J層 の 砂 の 部 分 とL層 の 細. 礫 の 部 分 の 両 方 を覆 って 連 続 す る。 N∼Rの. 各 層 は主 と して 下 流 側 に分 布 して い る。4∼8m区. す る の み とな り、1∼4m区. 間 で は細 粒 砂 が 断 続 的 に分 布. 間 で は 全 く堆 積 は見 られ な い。8m付. 近 では明瞭な逆級化 構造. を示 す が 、 全 体 的 に は礫 混 じ りの 砂 層 で あ る。. V空. 中 写 真 と洪 水 記 録 か ら読 み と る河 床 の 変 遷. 洪 水 に 関 して は 建 設 省 ・国 土 交 通 省 河 川 局(1963∼2010)の 2005年. ま で の 流 量 記 録 を ま と め た(第9、10図)。. 流 量 年 表 を も と に 、1961年. か ら. 作 成 に あ た って は、 最 も近 い量 水 標 は飯 岡. 量 水 標 で あ るが 、 欠 測 期 間 が あ る た め、 下 流 の 八 幡 量 水 標 の 記 録 を 用 いて い る。 図 で は 日平 均 で100m3/s以. 上 の 洪 水 を 示 し た が 、 日 平 均500m3/s以. 強 調 して い る 。 日 平 均500m3/s以 お り、 平 均 す れ ば 年1∼2回 常 時 の 流 量 は20m3/s程. 上 の大 きな 洪 水 に つ い て は網 を か けて. 上 の 洪 水 は 、1961年 か ら2005年. ま で の45年 間 に62回 発 生 して. の 率 で 発 生 す る 規 模 の 洪 水 で あ る 。 ま た 、 何 も 記 入 して い な い 平. 度 で あ る。. 木 津 川 の 常 水 位 は 季 節 に よ っ て 多 少 異 な る が 、流 路 の い ち ば ん 深 い と こ ろ で 水 深1∼2mで あ る 。 八 幡 量 水 標 で は 、 基 準 点 が 高 い と こ ろ に あ る た め 、 常 水 位 は 一4m程 る と 水 位 が 上 昇 す る が 、 水 防 団 待 機 水 位 は2.5m、. 氾 濫 注 意 水 位 は4.Omで. 長 期 に わ た っ て 公 表 さ れ て い る デ ー タ は 日 平 均 流 量(流. 量 年 表:印. 降 は 日 平 均 水 位 と 毎 時 水 位 な ど が ウ ェ ブ で 公 表 さ れ て い る(国 ス)。 そ れ ら を 比 較 す る と 、 お お む ね 日平 均 水 位1mで /s、1.Omで1,300m3/s、2mで1,700m3/sと. 流 量1,900m3/sの. ほ ど の 間 隔(最. 刷 物)で. あ る が1989年. 以. 土交通 省水文水 質デ ータベー. な る。 最 高 水 位 と 日平 均 水 位 の 関 係 は増 水 や 減 水 で あ る こ と が 多 い 。 し か し、 急. に 達 す る 事 も あ る 。 ち な み に1990年9月20日. 洪 水 に お い て 、 日平 均 水 位 は3.04m、. こ の 地 域 は 平 均5年. あ る。. 日 平 均 流 量500m3/s、Omで900m3. の 仕 方 に よ っ て 異 な る が 、 最 高 水 位 は 日 平 均 水 位 の1.6∼2.2倍 激 に 増 水 す る タ イ プ の 洪 水 で は4∼6倍. 度 で あ る。 雨 が 降. 短2年. 最 高 水 位 は4.95mで. 、 最 長12年)で. あ った 。. 国 土 地 理 院 に よ って 空 中写 真 が 撮. 影 さ れ て い る 。 そ れ らを 用 い て 河 床 地 形 の 判 読 を 行 っ た(第11∼13図)。. 29. 、 日平 均.

(16) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). 3 1. 2. 第9図. 木 津 川 の 洪 水(1961∼1982)。 八 幡 量 水 標 で の 値 で あ り、日平 均 流 量500m3/s以 上の洪水について は網 を か けて 示 した(建 設 省 ・国 土 交 通 省 河 川 局1963∼2010を も と に編 集)。. 30.

(17) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 4月5月6月. 1月2月3月 `. 7月8月9月10月11月12月. 書. 第10図. 木 津 川 の 洪 水(1983∼2005)。. 1晶1』lll8. 説 明 は 第9図. に 同 じ。.

(18) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). 1949年1・月24日 ノ. 識. 1961年5月22日/. 、. "1. 1963年10月. 12日. 1967年7月23日. ノ/ 9..1・. 第11図. 木 津 川 の 流 路 とバ ー の 変 遷(1949年. 、. ノ. ∼1967年)。 国 土 地 理 院 空 中 写 真 を も とに 作 成 。.

(19) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. ノ 1983年6月10日. 1979年9月11日. 第12図. 木 津 川 の 流 路 とバ ー の 変 遷(1971年. ∼1983年)。 国 土 地 理 院 空 中 写 真 を も とに 作 成 。. 33.

(20) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). "'. 第13図. 木 津 川 の 流 路 とバ ー の 変 遷(1988年. ∼2008年)。 国 土 地 理 院 空 中 写 真 を も とに 作 成 。. 34.

(21) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 以 下 、 い くつ か の 時 期 に分 けて 河 床 変 遷 の 特 徴 を 述 べ る。. (1)河 床 が 多 量 の 砂 礫 で 覆 わ れ て いた 時 期 1949年 当 時 、 木 津 川 の 流 れ は左 岸 寄 り(西 側)に. あ り、 右 岸(東 側)に. バ ー が広 が り、 表 面 は多 量 の 砂 礫 で 覆 わ れ て い た(第11図)。. は大 きな ポイ ン ト. 特 に、 右 岸 で は、 堤 防 直 下 まで. 砂 礫 に お おわ れ て お り、 現 在 よ りも河 床 が 相 当高 か っ た こ とが 読 み 取 れ る。. (2)砂. 利 採 取 に よ る河 床 の 改 変. 昭 和 三 十 年 代 に 入 る と 、 高 度 経 済 成 長 と と も に 各 地 で コ ン ク リー トの 骨 材 と して 河 川 の 砂 利 が 採 取 さ れ る よ う に な っ た 。 こ こ 玉 水 橋 付 近 で は 、1961年 側 と 下 流 側 の2か. 所 で 採 取 が 始 ま っ て い る の が 分 か る 。 そ して 、1963年. て い く。 さ ら に1967年 1971年. の 写 真 で 、 右 岸 ポ イ ン トバ ー の 上 流 に はそ の 地 域 が 拡 大 し. で は 橋 の 近 く を の ぞ い て 広 い 範 囲 で 採 掘 が 進 み 、 河 床 が 低 下 して い る 。. に な る と 、 砂 利 採 取 の 面 積 は 縮 小 し た が 、 上 流 部 に 深 く長 い ト レ ン チ が 形 成 さ れ る に い. た っ て い る(第12図)。. な お 、 こ の 砂 利 採 取 は 井 出 町 の 地 域 で の み 許 可 さ れ て お り、 川 の 中 央. よ り西 側 の 京 田 辺 市 域 で は 一 応 自 然 の 状 態 で あ っ た 。 1961∼1971年. の10年 間 に 、 日 平 均500m3/s以. 上 の 大 き な 洪 水 は14回 ほ ど 発 生 し た が 、 ポ イ ン. トバ ー の 形 状 に 大 き な 変 化 は 見 られ な か っ た 。. (3)新. しい流 路 の 形 成 と旧 流 路 の 放 棄. 砂 利 採 取 の 期 間 を 通 じて 、 木 津 川 の 流 路 は 西 側 へ 大 き く振 っ て 流 れ て お り、 左 岸 側 が 側 方 侵 食 を 受 け て い た 。 しか しな が ら、1975年4月7日. の 写 真 で は、 砂 利 採 取 跡 の トレン チか ら ほぼ. 直 線 で 下 流 へ 流 れ る新 しい流 路 が 形 成 され 、 か つ て の 流 路 は埋 積 が 始 ま って い る こ とが 読 み 取 れ る(第12図)。 新 流 路 を 形 成 し た 洪 水 は い つ の こ と で あ っ た の か 。 洪 水 記 録 に よ る と 、1971年5月26日 降 、1975年4月7日. ま で に 発 生 し た 大 き な 洪 水 は 、1971年8月31日. 月13日 、 同 年9月17日. 、1974年7月11日. 、 同 年7月25日. に 、 放 棄 流 路 の 中 で 形 成 さ れ た 最 初 の 地 層 で あ るA層. 、 同 年9月27日. 以. 、1972年7. な ど で あ る 。 しか し、 後 で 述 べ る よ う は1974年7月. の 洪 水 に よ っ て 堆 積 した と. 考 え ら れ る の で 、 流 路 の 短 絡 事 件 は そ れ よ り前 の 可 能 性 が 高 い 。 お そ ら く流 量 の 大 き か っ た 1972年 の7月. 洪 水 か9月. 洪 水 の ど ち らか が 流 路 の 短 絡 事 件 を 引 き 起 こ した と 考 え ら れ る 。. 35.

(22) 近畿大学教育論叢. (4)流. 第23巻 第2号(2012・3). 路 の 移 動 と 新 し い ポ イ ン トバ ー の 形 成. 新 し い 流 路 は 、 形 成 直 後 か ら西 へ 振 り始 め 、1983年. にな る と、 右 岸 に は明 瞭 な 砂 州 が 形 成 さ. れ て き て い る 。 そ れ 以 降 、 流 路 が 左 岸 側 に 移 動 す る 傾 向 は 一 貫 して 継 続 し、1975年4月7日 時 半 月 形 で あ っ た か つ て の 砂 州 は 、1988年5月27日. 当. に は 三 日 月 形 に な り、2003年4月29日. には. ほ と ん ど 失 わ れ て し ま っ た 。 そ し て 、 新 し い ポ イ ン トバ ー が 西 へ 西 へ と成 長 し て い る(第13 図)。2011年5月. 現 在 、 バ ン ク は 柱 状 図11∼20の. こ の よ う な 流 路 の 移 動 を 第14図. 位 置 ま で後 退 して い る。. に示 す 。 図 に お い て 、 各 時 期 の 線 は流 路 の 左 岸 を 表 して い. る 。 ま た 、 図 中 の 矢 印 は 最 も 大 き く動 い た 場 所 を 示 して い る 。 そ の 場 所 は 、1975年 ま で を 見 る と 、 上 流 側(A)か. ら 始 ま り、 中 央 部(B)を. へ て 、 下 流 部(C)に. そ して 、 こ れ 以 上 下 流 側 で 移 動 で き な くな っ て 、 移 動 す る 場 所 は 上 流 部(D)に う に 見 え る 。 そ の 後 に つ い て も 同 様 で 、 大 き く移 動 す る 場 所 は 下 流 部(E)に 部(F)に. か ら1988年 移 って い る。. 戻 って い る よ 移 り、 再 び 上 流. 戻 っ て い る 。 移 動 の 幅 は 、 多 少 の ば らつ き は あ る が 、 全 体 と して は ほ ぼ 一 定 と み な. され る。 一方 (5年. 、 大 き な 洪 水 は 、Aの. 間)、Dで. 移 動 の さ い に6回(4年. 間)、Bで. 間)、Eで. 間)発. は6回(5年. は12回(10年. は5回(4年. 間)、Cで. は7回. 生 し て い る。 こ の よ う に 、 洪 水 の. 発 生 頻 度 と 流 路 の 移 動 幅 は お お む ね 一 致 して お り、 特 別 大 き な 洪 水 の さ い に 流 路 が 飛 躍 した の で は な く、 洪 水 の た び ご と に 護 岸 の 側 方 侵 食 が 進 ん だ も の と 考 え られ る 。 と こ ろ で 、 流 路 の 短 絡 事 件 以 降 、 放 棄 さ れ た 旧 流 路 は 埋 積 を 続 け て い っ た が 、1988年5月27 日 に は 柱 状 図11∼20の. 地 域 の ほ と ん ど は 安 定 し た 草 地 に 変 化 して い る 。1993年. にな る と、 旧流. 路 は 名 残 を 残 す 程 度 と な っ た 。 しか し、 現 在 で も 完 全 に 埋 め 立 て られ た わ け で は な く、 水 位 が 上 昇 す る と水 が 流 入 す る。. VI堆 (1)右. 積 物 の 形 成 史 岸 ポ イ ン トバ ー 地 域. こ こ で は 新 し い 流 路 が 形 成 さ れ て 以 降 の 堆 積 物 か らな る 。 しか し、 場 所 に よ っ て 多 様 で あ る た め 、 ポ イ ン トバ ー 全 体 を 一 つ の 層 序 表 に ま と め る こ と は 難 し い 。 そ こ で 、 い くつ か の 特 徴 的 な 地 域 ご と に分 けて 述 べ る。 柱 状 図1∼3の あ っ た が 、1961年. 地 域:年. 代 資 料 の あ る 柱 状 図3か. 以 降 は1983年. ら述 べ る 。 こ こ で は1949年. に は流 路 の 中で. まで 植 生 を 伴 うバ ー の 環 境 下 に おか れ て いた 。 と こ ろが 、 新 し. 36.

(23) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. 第14図. 木 津 川 の 流 路 変 遷 。 国 土 地 理 院 空 中 写 真 か ら読 み と った 各 時 期 の 流 路 の 左 岸 を 示 した もの 。. い 流 路 が こ の 地 に 達 す る と と も に 、 そ れ ま で の 堆 積 物 は 全 て 侵 食 さ れ た 。 そ して1988年 の 流 路 内 に バ ー が 形 成 さ れ 始 め た が 、1993年 礫 が1993年. に は ま た 流 路 に 戻 っ て い る 。 柱 状 図3最. にはこ. 下部の砂. 以 降 の も の だ と す る と、 そ の 上 の 砂 層 か ら 出 た ジ ン ジ ャ ー エ ー ル の 製 造 年 月 日. (1987年6月23日)が. 少 し古 い よ う に 思 わ れ る 。 一 度 ど こ か に 堆 積 した 後 に 洗 い 出 さ れ て こ の 地. に 再 堆 積 し た も の か も しれ な い 。 空 中 写 真 の 判 読 か ら は 、 ほ と ん ど の 氾 濫 堆 積 層 は2000年. 代以. 降 と推 定 され る。 柱 状 図2の 1988年. 場 所 は 、 新 流 路 の 形 成 に よ っ て1979年. ご ろ に は 流 路 内 に バ ー が で き 始 め 、1993年. 礫 は1988∼1990年. ∼1983年. 頃 に は流 路 の 中心 部 で あ っ た が、. に は離 水 した。 この よ うな こ とか ら下 部 の 砂. ご ろ の 流 路 の 堆 積 物 と 考 え られ る 。 そ れ 以 降 は こ の 場 所 は 洪 水 氾 濫 の た び に. 37.

(24) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). 砂 層 が 堆 積 し地 形 的 な 高 ま りを 作 って い っ た。 先 に述 べ た柱 状 図3の 地 域 と は植 生 の 濃 さが 全 く違 うが 、 堆 積 物 の 重 な り方 は良 く似 て い る。 柱 状 図1の 場 所 は、 柱 状 図2・3の. 場 所 が 離 水 した後 も、 ご く最 近 まで 流 路 と して 存 在 した. こ とが 空 中写 真 か ら読 み 取 れ る。 この 場 所 にバ ー が 成 長 を 始 め るの は2003年 か らで あ り、 柱 状 図 最 下 部 の 砂 礫 は この 時 期 の もの と推 定 され る。 他 と比 較 して 、 氾 濫 堆 積 層 が 薄 いの は、 離 水 して か らの 時 間 の 短 さの 表 れ と いえ る。 柱 状 図4∼6の. 地 域:ポ. イ ン トバ ー は 内側 か ら外 側 へ 成 長 す るの で 、 柱 状 図4・5・6の. 配. 列 で は、 ポ イ ン トバ ー の 断 面 が 現 れ る。 す で に何 度 も述 べ て い る よ う に、1975年 まで に流 路 の 短 絡 が 生 じた。 一 番 内側 の 柱 状 図4の 場 所 は この 時 か ら流 路 の 環 境 にお か れ た 。 しか し1983年 にな る と流 路 は100mほ. ど西 へ 移 動 し、この場 所 は離 水 し、部 分 的 に植 生 を伴 うバ ー とな った。. そ して これ 以 降 現 在 まで 、 この 場 所 は洪 水 氾 濫 の た び に逆 級 化 構 造 を な す 砂 層 が 堆 積 し、 微 高 地 を形 成 して い っ た。 柱 状 図5の 場 所 は1983年 か ら流 路 にな っ た。1993年 の 空 中写 真 まで はそ の 状 態 が 継 続 して い るが 、1998年 ご ろ に は離 水 した と考 え られ る。 そ して 、2003年 に は この 場 所 は植 生 を 伴 うバ ー にな っ た。 柱 状 図6の 場 所 は、1993年 まで は古 いバ ー を 構 成 して い たが 、 その 後 、 側 方 侵 食 に よ って 流 路 に変 化 した。 そ の 時 期 は1998年 ご ろ と考 え られ る。 そ して さ ら に流 路 が 西 へ 移 動 した た め 2003年 に は この 場 所 も離 水 し、 氾 濫 の 堆 積 物 が 形 成 され る よ う にな った 。 この よ う に この 場 所 で は堆 積 期 間 が 短 いの で 、 地 層 の 厚 さ も小 さ くな って い る。 柱 状 図7∼10の. 地 域:こ の 地 域 は長 い こ と古 い ポ イ ン トバ ー の 末 端 部 を 構 成 して いた が 、 そ. れ らの 堆 積 物 は1983年 か ら1988年 まで の あ る時 に新 しい流 路 に よ り侵 食 され た 。 そ して 柱 状 図 8∼10の 地 域 は、1988年 以 降 は離 水 した環 境 にな っ た。 す で に述 べ た よ う に柱 状 図10の 中位 に 1978年1月6日. 製 造 の 「伊 藤 ハ ムハ ンバ ー グ」 が 含 まれ る。 この 日付 は空 中写 真 か ら読 め る地. 史 に比 して 少 し古 い よ う に見 え るの で 再 堆 積 で あ る可 能 性 が あ る。2001年4月. 中旬 製 造 の 「サ. ン トリー マ グ ナ ム」 は空 中写 真 か ら読 め る歴 史 を 補 強 す る良 い年 代 資 料 で あ る。 柱 状 図7の 場 所 は、1988年 ま で は お お む ね 同様 の 変 化 を して き た が、1993年 ご ろ に流 路 と な って お り、 それ まで の 氾 濫 堆 積 物 は再 び リセ ッ トされ た。 こ こで は柱 状 図8∼10と. 比べ流路. の 堆 積 物 が 厚 く、 氾 濫 堆 積 層 が 少 な くな って い るが 、 これ は この よ うな 歴 史 を 反 映 した もの と いえ る。. 38.

(25) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. (2)左 岸 バ ン ク沿 い 壁 面 調 査 地 域:こ. 年代. 層序区分. こで は第15図 に示 した よ うな 層 序 と形 成 史 が 組 み 立 て られ る。. 模 式柱状図. 年 代 を示 すパ ッケー ジ類. 堆積学的なできごと. 童 話 せ ん べ い1977∼1986. ニ ッ ポ ン ハ ム ウ ィ ニ ー1975.11。11 塩 ラ ー メ ン1975前. 後. お に ぎ りせ ん べ い1969∼1g84. マ ル ダ イ ロー ス トポ ー ク1973.8.20 イ シ イ の ビ ー フ ハ ン バ ー グ1972.9.2. 第15図. 左 岸 バ ン ク沿 い 壁 面 スケ ッチ の 地 域 にお ける 、 堆 積 物 の 層 序 と年 代 、 堆 積 学 的 な で き ご と. 下 部 層 は、 細 礫 や 大 礫 か らな り明 らか に流 路 の 堆 積 物 と考 え られ る もの で あ る。 そ の よ うな 流 路 の 堆 積 物 の 上 に、 砂 の デ ュー ンの よ うな 堆 積 物 が 重 な る こ とな く、 直 接 泥 質 な 氾 濫 堆 積 層 が 堆 積 して い る。 この よ うな 堆 積 環 境 の 急 変 の 原 因 と して 最 も考 え や す いの は流 路 の 移 動 で あ り、1971年 か ら1975年 まで の 間 の あ る時 に新 しい流 路 が 形 成 され た こ と はす で に述 べ た 通 りで あ る。 したが って 、 左 岸 バ ン ク沿 いで み られ る下 部 層 は、 右 岸 ポ イ ン トバ ー 地 域 が 盛 ん に砂 利 採 取 を受 けて い た時 代 の 堆 積 物 と い う こ と にな る。 流 路 の 変 更 以 後 、 粗 粒 な 堆 積 物 は新 流 路 を 流 れ る よ う にな っ た。 そ の 結 果 、 放 棄 流 路 は洪 水. 39.

(26) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). の た び に細 粒 な 砂 が 運 ばれ て きて 泥 質 な 氾 濫 堆 積 層 が 形 成 され て い った 。 放 棄 流 路 を 埋 めた 最 初 の 堆 積 物 で あ るA層. に は 、1973年8月20日. 出 す る 。 ま た 、 そ の 上 のG層. 製 造 の マ ル ダ イ ロ ー ス トポ ー ク の パ ッ ケ ー ジ が 産. か ら は1975年11月11日. 製 造 の ニ ッ ポ ンハ ム ウ イ ニ ー の パ ッケ ー ジ. が 出て い る。 1973年8月20日. 以 降 に 発 生 し た 洪 水 は1973年. に は み られ な い が 、1974年. に は7月7日(日. 均 流 量531m3/s)、7月11日(646m3/s)、7月25日(1,234m3/s)、8月26日(597m3/s)な 洪 水 が あ る 。1975年. どの. に は6月26日(395m3/s)、7月4日(431m3/s)8月7日(640m3/s)、8. 月18日(420m3/s)、8月23日(857m3/s)な. ど の 洪 水 が 発 生 し た 。 一 方 、1975年11月11日. で は 年 末 ま で 洪 水 は 全 くな い の で 、G層 9月9日. 平. の 堆 積 は1976年. 以 降 と い う こ と に な る 。G層. の 洪 水 に よ っ て 堆 積 し た 可 能 性 が 高 い と 考 え られ る 。A∼F層. 以降 は1976年. の 堆 積 は 、 上 述 した10. 回 の 洪 水 の ど れ か に 対 応 して い る の で あ ろ う 。 中 部 層 中 部 の 時 期 に な る と 堆 積 物 は 全 体 と して 砂 質 に な る が 、 放 棄 流 路 の 入 り 口 が 何 ら か の 原 因 で 広 が っ た りす る こ と に よ っ て 流 れ が 強 くな っ た こ と が 考 え られ る 。 そ の 後 洪 水 の た び に 放 棄 流 路 は 埋 め 立 て られ 、 細 長 い 微 高 地 が で き 植 生 で 覆 わ れ て い っ た が 、 ま だ 依 然 と して 低 い と こ ろ も 存 在 し た 。K、L、M層 はK層. は この よ うな 窪 地 を 埋 め た礫 質 な 堆 積 物 で あ る。 そ の う ちで. が 最 も 粗 粒 で あ り、K層. の 堆 積 は 、 ひ と き わ 大 き か っ た1982年8月2日. 洪水の可能性が. 高 い。 1983年 の 空 中 写 真 で は 、 壁 面 調 査 地 域 の 放 棄 流 路 は 堆 積 が 進 み 、 濃 い 植 生 を 伴 う 微 高 地 を 形 成 して い っ た こ と が 読 み 取 れ る 。N∼R層 積 物 で あ ろ う 。 ま た 、1988年. は、 洪 水 氾 濫 に よ って その よ うな 微 高 地 を 覆 った 堆. の 空 中写 真 で は この 地 域 は安 定 した草 地 にな った こ とが 示 され て. い る 。 上 部 層 を な す 褐 色 シ ル トは 何 回 も の 洪 水 の ド レー プ 堆 積 物 で あ り、 しだ い に 土 壌 化 して い っ た も の と 考 え られ る 。 左 岸 バ ン ク 沿 い 北 部 地 域:左. 岸 バ ン ク 沿 い の 地 域 の 中 で 、 柱 状 図11∼16の. 地 域 は 上 述 した 壁. 面 調 査 地 域 と お お む ね 同 様 な 形 成 史 が 考 え られ る 。 そ れ に 対 し、 柱 状 図17∼20の 葉 理 が 発 達 し た デ ュ ー ン堆 積 物 が 多 く含 ま れ る 。 こ れ は 、1979年. や1983年. 地 域 で は斜 交. の 空 中写 真 に見 られ. る よ う に 、 こ の 地 域 は 砂 礫 が デ ュ ー ン を 形 成 し や す い 環 境 で あ っ た こ と と 良 く対 応 して い る 。 しか し そ の よ う な 堆 積 環 境 も 、1988年. ご ろ に は一 部 を の ぞ いて 、 濃 い植 生 に覆 わ れ 褐 色 シル ト. の み が 堆 積 す る よ う な 環 境 に な っ て い っ た 。 な お 、 柱 状 図20で ま れ て い る が 、 こ れ は2002∼3年. は 褐 色 シ ル ト層 中 に 人 工 物 が 挟. の 新 玉 水 橋 建 設 に伴 う もの と考 え られ る。. 40.

(27) 京都府南部、木津川玉水橋付近の河川堆積物. VIIお. わ りに. 木 津 川 玉 水 橋 付 近 の 河 川 堆 積 物 の 地 形 と地 質 の 調 査 を 行 っ た。 得 られ た 主 な 成 果 は以 下 の よ う に ま と め られ る。 (1)1949年. か ら1971年 ごろ ま で 、 木 津 川 は現 在 と 同様 に西 へ 大 き く振 っ た蛇 行 流 路 を持 ち、. 右 岸 に は大 きな ポ イ ン トバ ー が で きて い た。 この ポ イ ン トバ ー は昭 和 三 十 年 代 半 ばか ら砂 利 採 取 の 対 象 とな り、 河 床 は人 工 的 に深 く掘 り下 げ られ る結 果 とな っ た。 (2)1971年. か ら1975年 まで の 間 に(お そ ら く1972年 に)、砂 利 採 取 の トレン チを 利 用 す る形 で. 流 路 の 短 絡 が 生 じ、 これ まで の 西 へ 振 っ た流 路 は放 棄 され た。 放 棄 流 路 は、 そ の 後 の 洪 水 の た び に砂(一 部 砂 礫)で 埋 め られ て い った 。 この 堆 積 物 は、現 在 の左 岸 バ ン ク沿 い で観 察 で き る。 堆 積 物 は下 部 層 、 中部 層 、 上 部 層 に区 分 で き るが 、 この う ちの 下 部 層 は放 棄 以 前 の 活 動 的 な 流 路 の 時 期 の 砂 礫 か らな る。 中部 層 は放 棄 流 路 を 埋 め た堆 積 物 で あ り、 多 くは逆 級 化 堆 積 物 で あ るが 、 一 部 に は デ ュー ンを 形 成 して い た砂 礫 も見 られ る。 上 部 層 は放 棄 流 路 が 埋 積 され つ く し て か らの 堆 積 物 で あ り、 土 壌 化 した褐 色 シル トか らな る。 (3)短 絡 直 後 の 新 流 路 は右 岸 沿 い に ほ ぼ南 か ら北 へ 直 線 的 に流 れ て いた が 、 しだ い に西 へ 振 り始 め た。 その た め 旧 ポ イ ン トバ ー 堆 積 物 は側 方 侵 食 に よ り失 わ れ 、 代 わ って 東 側 か ら新 しい ポ イ ン トバ ーが 形 成 され て き た。 こ う して 堆 積 物 は リセ ッ トされ た。 (4)現 在 の 右 岸 ポ イ ン トバ ー は、 内側 の 濃 い植 生 を 伴 っ た地 帯 と外 側 の 砂 礫 分 布 地 域 に二 分 され るが 、 内側 は1983年 ご ろ に離 水 し安 定 化 した地 域 で あ る。 (5)現 在 の 右 岸 ポ イ ン トバ ー の う ち、 外 側 の 砂 礫 分 布 地 帯 は1983年 以 降 の 堆 積 物 で あ る。 一 般 に これ らの 堆 積 物 は、 下 部 に流 路 で あ っ た頃 の 砂 礫 が あ り、 その 上 に離 水 期 の デ ュー ン堆 積 物 、 そ して 上 部 に逆 級 化 を な す 氾 濫 堆 積 物 が 重 な って い る。 以 上 、 木 津 川 玉 水 橋 付 近 の 河 川 堆 積 物 の 形 成 史 を 述 べ たが 、 河 川 堆 積 物 は地 層 の 見 方 に関 す る理 科 教 育 に お いて 重 要 な 役 割 を 果 たす 。 河 川 で は掘 って 露 頭 を 作 りだ して 、 地 層 を 観 察 す る 事 が で き るか らで あ る。 ま た、 その さ い、 堆 積 物 中 に ゴ ミと して 入 って い る缶 や パ ッケ ー ジ類 か ら、 示 準 化 石 の 役 割 を 認 識 す る事 が で き る。 す な わ ち、 川 の 働 き に よ って 地 層 が 形 成 され る 事 が 実 感 で き る。 す で に実 教 出版 地 学1教 科 書 で は、 探 究 活 動 と して 「洪 水 堆 積 物 か ら地 層 の で き方 を探 る」 方 法 が紹 介 され て い る(大 森 ・森 本 ほか2006)。 今 後 、 本 論 で述 べ た よ うな 地 形 ・地 質 と空 中写 真 ・洪 水 記 録 な どを 総 合 した研 究 が 地 層 の で き方 や 河 川 環 境 の 変 遷 な どの 教 材 と して 活 用 され る こ とが 期 待 され る。 ま た、 部 活 動 の 研 究 テー マ と して も有 望 で あ る。. 41.

(28) 近畿大学教育論叢. 第23巻 第2号(2012・3). 文献 伊 勢 屋 ふ じ こ(1982)茨. 城 県,桜. 川 に お け る 逆 グ レー デ ィ ン グ を した 洪 水 堆 積 物 の 成 因.地. 理. 評55,597-613. 城 陽 礫 層 研 究 グ ル ー プ(1991)宇. 治 丘 陵 の 大 阪 層 群 に 見 ら れ る 逆 級 化 層 理.堆. 積学研究会 報. No.35,91-100. 建 設 省 ・国 土 交 通 省 河 川 局 編(1963∼2010)流. 量 年 表(昭. 国 土 交 通 省(2011)水. エ ブ サ イ トhttp://www1.river.go.jp/. 文 水 質 デ ー タ ベ ー ス.ウ. 増 田 富 士 雄 ・伊 勢 屋 ふ じ こ(1985)"逆 堆 積 物 の 示 相 堆 積 構 造.堆. 和46年 ∼ 平 成17年).日. グ レ ー デ ィ ン グ 構 造":自. 本 河 川 協 会.. 然 堤 防 帯 にお け る氾 濫 原 洪 水. 積 学 研 究 会 報Nos.22・23,108-116.. 大 森 昌 衛 ・森 本 雅 樹 ほ か(2006)地. 学1(高. 等 学 校 教 科 書).実. 教 出 版,pp.159.. TsunemasaShikiandKazuhisaSuzuki(1995)SedimentaryfaciesoftheEarlyPleistocene alluvialfansoftheUjiHills,nearKyoto,Japan.MemoirsoftheFacultyofScience, KyotoUniversity,SeriesGeologyandMineralogy.Vol.57,No.2,11-20. 鈴 木 一 久(1993a)滋 No.8,志. 賀 県 野 洲 川 の 現 世 網 状 河 川 堆 積 物 に 見 られ る 逆 級 化 層 理.月. 間地球号外. 岐 常 正 教 授 退 官 記 念 号,152-157.. 鈴 木 一 久(1993b)淀 究 会1993年. 川 水 系 各 河 川 の 逆 級 化 堆 積 物 一 自然 堤 防 帯 か ら源 流 部 ま で 一.堆. 積学研. 度 秋 季 研 究 集 会 要 旨 集.. 鈴 木 一 久(1994)1993年9月9日. 野 洲 川 洪 水 氾 濫 堆 積 物 の3次. 元 形 態 と 堆 積 構造:1回. の洪水. 氾 濫 で 形 成 さ れ た 複 数 の 逆 級 化 構 造 ユ ニ ッ ト.地 質 学 雑 誌100,867-875. 鈴 木 一 久(1995)滋. 賀 県 野 洲 川,現. 世 河 川 堆 積 物 の 堆 積 史 と 洪 水 氾 濫 堆 積 物 の 堆 積 機 構.地. 質. 学 雑 誌101,717-728. 鈴 木 一 久(1998)礫. 質 河 川 野 洲 川 の 氾 濫 堆 積 作 用.地. 鈴 木 一 久(2000)洪. 水氾濫の堆積学. 機 構.地. 球 科 学52,93-105.. 礫 質 河 川 野 洲 川 に お け る交 互 砂 州 堆 積 物 の 形 成 史 と堆 積. 団 研 専 報48.pp69.. 鈴 木 一 久(2002)川. の 堆 積 物 の し らべ か た 一 京 都 府 南 部,木. 学 運 動No.40,11-18.. 42. 津 川 を 例 に して 一.地. 学 教 育 と科.

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