ソ フ トウ ェア産 業 の 地 方展 開 と東 京 集 中の 拮 抗 メ カ ニズ ム
吉 井
博
明
The Location
of Software
Industry
in Japan
Centralization
or Decentralization
Hiroaki
Yoshii
Software industry is changing its stance to choose location of new offices. Easiness of
recruiting talents for software technology in the local area has promoted
decentra-lization of software industry in this decade. On the other hand, there are rich
busi-ness oppotunities
to get profitable project of software development in Tokyo
Metor-opolitan area Software enterprises
have to decide locations of new offices
consider-ing these contradictory
factors. In this paper emphasis is put on the analysis of
loca-tion of software industry on the basis of mass-survey.
は じめ に 産 業 立 地 に 関 す る議 論 は,戦 後 の 重 工 業 化 過 程 で の工 場 立 地 の 問 題 に端 を発 し,そ の 後 過 疎 過 密 問 題 や公 害 対 策 との 関 連 を め ぐる 問 題 を経 て,1980年 代 以 降 は情 報 化 に 関 連 した 問 題 に焦 点 が あ て られ て き た 。 情 報 化 が 産 業 立 地 に及 ぼ す 影 響 は 多 様 で あ るが,コ ン ピ ュ ー タ と通 信 ネ ッ ト ワ ー ク の急 速 な発 達 に よ っ て,仕 事 をす る場 所 の 制 約 が 小 さ くな る の で は な い か,と い う仮 説 に 基 づ き,2つ の 流 れ の研 究 が な され て きた1-4)。 ひ とつ は,A.ト フ ラ ー の 「電 子 山 小 屋 」 に 代 表 さ れ る 考 え で,コ ン ピ ュー タ と 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク の 急 速 な発 達,加 え て 交 通 網(特 に空 路)の 発 達 が あ り,仕 事 をす る場 所 の 制 約 が 少 な く な る た め,事 業 所 や 個 人 事 業 主 は,地 価 や賃 貸 料 が 安 く自然 環 境 の 良 い 地 方 に 移 動 す る よ う にな る とい う考 え方 で あ る。 日本 にお い て は,住 宅 事 情 等 か ら在 宅勤 務 は無 理 と され,住 居 の 近 くの 共 用 事 業 所(サ テ ラ イ ト ・オ フ ィス)に 勤 務 す る 形 態 が 現 実 的 と考 え る人 も多 い 。 特 に,ソ フ ト ウ ェ ア産 業 の場 合,生 産 物 が 無 形 の情 報 で あ る た め,他 産 業 に 較 べ て 立 地 点 の 制 約 は少 な い こ と が 予 想 され,勤 務 す る 人 の 居 住 環 境 を中 心 に立 地 点 を選 べ るの で は な い か,と い う期 待 が あ る。 こ れ に 対 して,情 報 化 は 東 京 一 極 集 中 を加 速 す る と い う考 え 方 もあ る。 コ ン ピ ュー タ と通 信 ネ ッ トワ ー クの 急 速 な 発 達 は,こ れ まで 地 方 毎 に行 っ て い た 企 業 の資 金 や 情 報 の管 理 を一 ヶ所 に 集 中 して行 う こ と可 能 と した 。 また,日 本 企 業 の 多 くは,同 業 他 社 と単 に競 争 す る だ け で な く, 微 妙 な協 調 を行 っ て お り,ト ップ 同 士 の イ ン フ ォ ー マ ル な 情 報 交 換 が 不 可 欠 で あ る 。 さ ら に,官
民 の 相 互 依 存 関 係 も強 い 。 この こ とか ら,情 報 化 に よ っ て企 業(特 に本 社 機 能)の 東 京 一 極 集 中 が 一 層 加 速 され る。 こ う した 本 社 機 能 の 東 京 集 中 は,さ らに 関 連 企 業 や事 業 所 サ ー ビ ス 産 業 の 東 京 集 中 を呼 び お こす こ とに な る。 本 社 機 能 に誘 引 され る理 由 は,本 社 機 能 が もつ 意 思 決 定 権 限 に 起 因 す る と考 え られ るが,そ れ に 関連 す る も の と して コ ン ピ ュー タや 通 信 ネ ッ トワ ー ク で は得 ら れ な い 非 定 型 情 報 の 入 手 容 易 性 と い う要 因 が あ げ られ る 。 本 論 文 で は,こ の よ う な研 究 の 流 れ を受 けて,情 報 産 業 の 中核 で あ る ソ フ トウ ェ ア産 業 に 絞 っ て,そ の 立 地 動 向 と背 景 に あ る 要 因 の分 析 を行 う と共 に,地 方 都 市 にお い て ソフ トウ ェ ア 産 業 が 発 展 す る 可 能 性 を検 討 す る。 1.ソ フ トウ ェア産 業 の立 地 条 件 と動 向 ソ フ トウ ェ ア産 業 の立 地 に対 す る関 心 は,1980年 代 に 入 って か らの 第2次 情 報 化 ブ ー ム の 中 で テ ク ノ ポ リス 構 想 や テ レ トピ ア構 想 と い っ た地 域 振 興 策 が 国 か ら次 々 と出 さ れ る 中 で 高 ま っ た 。 2度 の オ イ ル シ ョ ック に も拘 らず 高 い 成 長 を続 け る ソ フ トウ ェ ア産 業 は,生 産 物 が無 形 の 情 報 で あ る こ と か ら消 費 地 で あ る大 都 市 か ら遠 く離 れ た 地 方 で も十 分 成 功 す る はず,と 考 え られ た の で あ る。 メ ー カ ー系 の ソフ トウ ェ ア企 業 が 地 方 展 開 を積 極 的 に 行 っ た こ と も,希 望 を もた せ る背 景 に な った 。 実 際,(社)平 和 経 済 計 画 会 議 の報 告 書5)が 明 ら か に した よ う に,ソ フ トウ ェ ア産 業 の 急 成 長 に着 目 したUタ ー ン起 業 家 に よ る企 業 の 設 立 や メ ー カ ー系 地 方 子 会 社 の 設 立 に よ って ,ソ フ ト ウ ェ ア 産 業 の 「東 京 集 中 傾 向 に変 化 が み ら れ,地 方 分 散 化 の 動 きが 強 ま りつ つ 」 あ っ た の で あ る5-7)。 そ の背 景 に は,ソ フ トウ ェ ア ・ク ラ イ シ ス と呼 ば れ る現 象 と地 方 に お け る豊 富 な 人 的資 源 の 存 在 と い う2つ の 要 因 が あ っ た 。 こ の よ う な ソ フ トウ ェ ア産 業 の 地 方 展 開 と ほ ぼ 同 じ文 脈 で 大 き な社 会 的 関心 を呼 ん だ の は,研 究 所 の(地 方)立 地 で あ っ た 。 日本 企 業 の 成 長 と共 に,研 究 開発 の 重 要 性 が 認 識 さ れ,こ れ ま で 本 社 あ るい は工 場 に 付 置 さ れ て い た研 究所 が 独 立 した り,新 設 され る よ うに な っ た か らで あ る 。 研 究 開 発 活 動 の ア ウ トプ ッ トも ソ フ トウ ェ ア産 業 と同 じ く情 報 とい う無 形 の もの で あ り,地 方 立 地 の 可 能 性 は十 分 あ るが,実 際 の 立 地 は,地 方 立 地 が ます ます 少 な くな っ て きて い る だ け で な く, そ れ ま で の 三 大 都 市 圏 集 中 か ら首 都 圏 一 点 集 中 に シ フ ト して きて き るの が 実 態 で あ っ た8)。 そ の 背 景 に は,学 術 誌 や 公 表 され る レポ ー トに の らな い 技 術 情 報=「 非 定 型 的 な差 別 的 情 報 」 の 入 手 が研 究 活動 に と っ て 最 も重 要 に な っ て きた,と い う事 情 が あ る8-9)。 こ の よ う な情 報 は対 面接 触 で な け れ ば得 られ な い た め に,首 都 圏 へ の 立 地 が 加 速 さ れ た,と い うの で あ る。 しか し, 研 究 所 立 地 の 場 合 は,同 じ首 都 圏 集 中 で も本 社 立 地(都 心3区 へ の 集 中)と か な り異 な り,地 理 的 に は あ る 程 度 拡 散 して い お り,東 京 都 と神 奈 川 県 を 中 心 に茨 城 県(筑 波),千 葉 県,埼 玉 県 に 分 散 立 地 さ れ て い る10-11)。 対 面 接 触 が 容 易 に行 え る よ うに,東 京 都 心 部 まで 片 道1∼2時 間程 度 の 所 に立 地 さ れ る ケ ー ス が 多 くな っ て い る の で あ る。 (1)ソ フ ト ウ ェ ア 産 業 の 立 地 条 件 ソ フ トウ ェ ア 産 業 は,ユ ー ザ ー の 要 求 条 件 に 合 う ソ フ ト ウ ェ ア(プ ロ グ ラ ム)を 開 発 し,販 売 す る こ と を 業 と し て お り,製 造 業 な ど の よ う な 物 的 制 約 条 件 に 拘 束 さ れ る こ と は な い が,逆 に 情 報 あ る い は コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に よ る 立 地 制 約 が 強 い 産 業 と い え よ う 。 特 に,i)ユ ー ザ ー の 要 求 条 件 を い か に 正 確 に,具 体 的 に 把 握 し,ソ フ ト ウ ェ ア に 組 み 込 む か,ii)ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 の
生 産 性 と信 頼 性 を い か に 向 上 させ るか,iii)一 定 期 間 内 に開 発 を完 了 させ る に は ど うす れ ば よ い か,iv)顧 客 の 確 保,の4点 が 重 要 で あ る。 これ ら の4点 を立 地 条 件 に 読 み 変 え る と,以 下 の6 つ に ま とめ られ よ う。 ① 顧 客 との 距 離 ソフ トウ ェ ア 産 業 の立 地 を規 定 す る 第1の 要 因 は,全 てのサ ー ビス業 に共通 な ものであ るが, 顧 客 との 距 離 で あ る。 ソ フ トウ ェ ア産 業 の 売 上 げ の 大 半 を 占 め る受 託 ソフ ト開 発 を考 え る と,顧 客 は 企 業 で あ り,一 定 規 模 以 上 の ソ フ ト開 発 に つ い て は,本 社 が 窓 口 に な り12),情 報 システ ム 部,EDP室 と い っ た 名 称 の部 門 が 発 注 と管 理 を行 うの が 一 般 的 で あ る 。 した が っ て,本 社 の 担 当 部 門 に対 す る営 業 活 動,受 託 後 の ソ フ ト開 発 の各 段 階 に お け る 調 整 ,そ の後 の運用 ・メ ンテ作 業 等 の た め に訪 問 や連 絡 が 必 要 で あ る。 そ れ ぞ れ の 活動 の た め に どの 程 度 の 頻 度 で相 手 先 を 訪 問 す る必 要 が あ るか に よ って,顧 客 企 業 か ら離 れ 得 る距 離 が 決 ま る 。 ソ フ ト開発 部 門 が 発 注 企 業 の担 当 部 門 と地 理 的 に どの 程 度 離 れ られ る か,は 受 託 す る ソ フ ト開 発 の工 程 に よ って か な り異 な る。 要 求 定 義 か ら基 本 設 計 まで の 上 流 工 程 の場 合 ,担 当部門 との調 整 頻 度 が 多 く,場 合 に よ って は連 日,少 な く と も週1回 は 必 要 で あ り,加 えて急拠打合せ を行 う こ と も少 な くな い 。 詳 細 設 計 ,プ ログ ラム設計,コ ーデ ィングとい った下流 工程 に入 る と,調 整 の 必 要 性 は減 少 し,月 に1∼2回 の 訪 問 と必 要 に応 じてFAXと 電 話 に よ る調 整 で や っ て 行 け る。 ま た,開 発 マ シ ー ン と オ ン ラ イ ンで 結 ぶ こ と に よ って 訪 問 頻 度 を減 らす こ と も可 能 で あ る。 テ ス 杢 段 階,特 に 運 用 テ ス ト に な る と,現 場 に は りつ け に な る こ と が 多 い 。 し た が っ て,結 合 テ ス ト や 運 用 テ ス トを除 く下 流 工 程 を中 心 に受 託 す る企 業 ,あ るいはそれ らの下流工程 を分担す る事 業 所 の 場 合 は,発 注 先 の担 当 部 門 と地 理 的 に離 れ て も業 務 に支 障 を きた す こ と は少 な い が ,上 流工 程 や 結 合,運 用 テ ス トを受 託 した所 は,頻 繁 な 行 き来 が 可 能 な範 囲 に 立 地 す る こ とが 要 求 さ れ る。 また,ノ ウハ ウや 技 術 力 の レベ ル も調 整 頻 度 を左 右 す る要 因 の ひ とつ で あ る。受託 サイ ドと発 注 サ イ ドの レベ ル が 共 に 高 けれ ば,調 整 頻 度 は か な り少 な くて す むが ,受 託サ イ ドか発 注サ イ ド の い ず れ か,あ るい は両 方 の レベ ル が低 け れ ば ,ム ダな打合 せ も増 えるこ とになる。受託 サ イ ド の レベ ル が 非 常 に 高 く,ほ と ん ど まか せ ら れ る状 態 に あ れ ば,地 理 的 に は か な り離 れ て い て も や っ て い け る こ と に な る。 必 要 な 訪 問 頻 度 に よ っ て適 切 な 立 地 形 態 も違 って くるが ,一 般的 には,次 の ような形態 が考 え られ る 。 i)顧 客 企 業 の近 くに立 地 ii)顧 客 企 業 の事 業 所 の 中 に 部 屋 を借 りる(一 種 の 派 遣 の よ うな 形) iii)要 求 定 義 と設 計 段 階 の み顧 客 事 業 所 の 中 に部 屋 を借 り,あ とは出張ベ ースで調整 iv)一 貫 して 出張 ベ ー スで 調 整 出 張 ベ ー ス で の 訪 問 を考 え る と,時 間短 縮 と 出張 コ ス トが 問 題 とな る。 ジ ェ ッ ト空 路 が あ る地 方 都 市 で あ れ ば,大 都 市 の 顧 客 の と こ ろ ま で 片 道3∼4時 間 で す む が ,出 張 コス トがか さむ とい う問題 が あ り,新 幹 線 沿 線 の 方 が この 点 は有 利 と な る 。 こ れ に対 して パ ッケ ー ジ ・ソ フ ト(ソ フ トウ ェ ア ・プ ロ ダ ク ト)の 開発 ・販 売 の場 合 は,事 情 が や や 異 な る 。 特 定 企 業 向 け の ソ フ ト開 発 で は な い の で ,開 発途 中で の顧客 との調整 はな く,ど の よ う な も の を 開 発 す る か を決 め る 時 ,あ るい は購 入 企業(一 般用 の ソフ トの場 合 は,コ ン ピ ュ ー タ ・メ ー カ ー が こ れ に当 た る)の 情 報 シ ス テ ム に合 わ せ るた め に調 整 す る時 だ け訪 問 す れ ば よ い。 し たが って,ソ フ ト開 発 部 門 の 人 々 が 顧 客 企 業 を訪 問 す る こ とは少 な くて 済 む。 勿 論,
営 業 部 門 は この 限 りで は な い。 一 方 ,情 報 処 理 サ ー ビ ス の場 合 は,デ ー タの 入 力 と処 理 結 果 の伝 送 さ えで きれ ば よ く,オ ン ラ イ ン処 理 が 十 分 可 能 で あ る。 この た め 立 地 制 約 は,デ ー タ通 信 料 金 と事 業 所 コ ス ト等 と の バ ラ ン ス か ら決 ま る こ とに な る。 バ ッチ 処 理 の場 合 は,デ ー タ(テ ー プ,デ ィ ス ク等)の 運 搬 所 要 時 間 が 問 題 とな る。 情 報 処 理 サ ー ビス を手 掛 け て い る企 業 の 多 くは,バ ッチ 処 理 とオ ン ラ イ ン処 理 の 両 方 のサ ー ビ ス を 行 って い る の で,デ ー タ通 信 料 金 の 制 約 とい う点 で 顧 客 企 業 との 地 理 的 距 離 が 問 題 とな る。 営 業 活 動 とい う観 点 か らみ て も(潜 在)顧 客,あ るい は 問屋(的 機 能 を果 た す コ ン ピ ュ ー タ ・ メ ー カ)と の距 離 が 重 要 とな る。 対 面 接 触 を頻 繁 に 行 う こ とに よ って,顧 客 の 抱 え て い る問 題 を 理 解 し,ソ フ トウ ェ ア に よ る解 決 策 を提 示 し,そ れ に対 す る顧 客 の 反 応 をみ る こ とが容 易 に な る か らで あ る 。 ② 関 連 企 業 と の距 離 ソ フ トウ ェ ア企 業 の立 地 を規 定 す る第2の 要 因 は,関 連 企 業 との距 離 で あ る。 最 近 の ソ フ ト開 発 の動 向 と して 大 規 模 化 と開 発 期 間 の 短 縮 が あ るが,こ れ に対 す る た め に1社 の み に よ る 開発 で は な く,数 社,場 合 に よ って は10社 以 上 に よ る共 同 開発 一 一 種 の ジ ョイ ン ト ・ベ ンチ ャ ー体 制一 が 不 可 避 とな る。 こ の た め,元 請 け あ る い は1次 下 請 け の ソ フ トウ ェ ア企 業 に と って 優 秀 な 人 材 を提 供 して くれ る協 力 企 業 が 是 非 と も必 要 で あ る。 一般 的 に大 都 市 圏 で は,こ の よ う な協 力 企 業 を確 保 す る こ とが で き る が,地 方 都 市 で は む ず か しい と言 わ れ て い る。 た とえ ば,Fメ ー カ は沼 津 に ソ フ トウ ェ ア部 門 を移 転 した が,質 の 高 い協 力 企 業 の 確 保 に 苦 労 して い る とい う 。 ま た,シ ス テ ム ・イ ンテ グ レ ー シ ョ ンそ の 他 ハ ー ドに絡 む ソ フ ト開 発 を 行 って い る企 業 の 場 合 は,製 品 も し くは 部 品 を提 供 して くれ る専 門 メ ー カ ー や 販 売 店 が 近 くに あ る こ とが 望 ま しい。 ③ 人 材 確 保 の 容 易 性 第3の 要 因 は,最 近 も っ と も重 視 され て い る 人 材 確 保 で あ る。 労 働 集 約 型 産 業 で あ り,労 働 生 産 性 格 差(個 人 に よ る 能 力 差)が 大 きい ソ フ トウ ェ ア産 業 に と っ て,優 秀 な人 材 を どれ だ け 集 め られ る か,が 企 業 の盛 衰 を大 き く左 右 す る。 ソ フ ト開 発 労 働 に つ い て3K的 イ メ ー ジ が 今 だ に 残 って い る こ と に加 え て,全 般 的 に人 手 不 足 が 深 刻 な状 況 下 に お い て,優 秀 な 人 材 を集 め る こ と は 大 変 難 しい 。 しか し,人 材 確 保 の 可 能 性 は,地 域 に よ り大 き く異 な る。 大 都 市,特 に東 京 へ の 人 口集 中 の 主 要 な 原 因 は,魅 力 的 な職 場 の 大 都 市 へ の 集 中で あ る が,大 都 市 に 移 住 した 地 方 出 身 者 の多 く は,大 都 市 で の住 居 環 境 の悪 化,通 勤 時 間 の 長 さ,親 か らの 要 請(親 が 子 ど も に戻 っ て くる こ と をす す め る)な ど に よ りUタ ー ン な い しはJタ ー ン を希 望 す る よ う に な る ・ した が っ て,人 材 確 保 に つ い て は,地 方 都 市 の 方 が か な り容 易 な状 況 に な っ て い る 。 大 都 市 の ソ フ トウ ェ ア企 業 に勤 務 して い るSEのU,Jタ ー ン希 望 に 対 処 す る た め の 地 方 展 開 も人 材 確 保 を 目指 し た もの で あ る。 優 秀 なSEがU,Jタ ー ン の た め に退 職 す る の を防 止 す る こ と を主 要 な狙 い と し,あ わ せ て地 元 の 人 材 確 保,仕 事 の確 保 を狙 っ た 地 方 展 開 も珍 し くは な い 。 ④ 事 業 所 の 立 地 関 連 コ ス ト 第4の 要 因 は,当 然 の こ とで あ るが,立 地 等 に要 す る コ ス トで あ る。 ソ フ トウ ェ ア産 業 の 場 合, 事 業 所 の用 地 取 得 費 や 賃 借 料,コ ン ピ ュ ー タの リー ス 料 が 中心 とな るが,工 場 の よ う に広 い 敷 地 や 大 規 模 な 施 設 は要 ら な い の で,比 較 的低 コ ス トで す む 。 少 な い 資 本 金 で や って い け る の は こ の た め で あ る。 そ の他 の コ ス トと して,人 材 確 保 の た め の 寮 や保 養 所 等 の コ ス トが あ り,か な りの 額 に達 す る こ と もあ る。
⑤ 創 業 者 の ゆ か りの地 第5の 要 因 は,全 く属 人 的 な要 因 で あ る が,特 に 地 方 の 独 立 系 ソ フ トウ ェ ア企 業 に多 くみ られ る創 業 者 の 出 身地 も し くは ゆ か りの 地 と い う場 合 で あ る。 企 業 家 精 神 に富 む地 方 出 身 の ス ピ ン ア ウ ト組 が1980年 前 後 の オ フ コ ン ・ブ ー ム に乗 って,地 元 で ソ フ トウ ェ ア企 業 を起 こ し た事 例 は 非 常 に多 い13)。1,000人 を越 え る従 業 員 を抱 え る ま で 成 長 した 松 本 の エ ム ・ケ ー ・シ ー は そ の 一例 で あ る。 ⑥ 地 元 自治 体 の誘 致 活 動 第6の 要 因 は,地 元 自治 体 の 誘 致 活 動 で あ る 。 メ ー カ ー系 の 地 方 子 会社 の 場 合 ,人 材確 保 を第 1の 要 因 とす る こ とが 多 い が,人 材 確 保 面 で は差 の な い複 数 の 候 補 地 が で て くれ ば,地 元 自治 体 の誘 致 活 動 に よ っ て決 め るケ ー ス もあ る,と 言 われ る。立地 のため の土 地の手当てや 人材情 報提 供 な どの 便 宜 が 多 少 と も得 られ る か らで あ る。 ⑦ そ の 他 そ の他 の 立 地 要 因 と して,ユ ーザ ー や資 本 系 列 か らの お 声 掛 か りが あ る。 製造 業 等 の ユ ー ザ ー が 進 出先 の 工 場 の ソ フ ト開発 や メ ン テ等 の た め に,協 力 を要 請 す る こ とが か な りあ るか ら で あ る。 以 上 述 べ た要 因 以 外 に,従 業 員 の 通 勤 の便,子 弟 の教 育 環 境,住 宅 コ ス ト,自 然 環境 な どがあ る。 (2)1970年 代 以 降 の 立 地 動 向 日 本 に お い て ソ フ ト ウ ェ ア 産 業 が 誕 生 し た の は1960年 代 に 入 っ て か ら で あ り,ア メ リ カ よ り約 10年 遅 れ て ス タ ー ト し た,と 言 わ れ る14)。1965年 以 降 ,全 国 各 地 で 受 託 計 算 サ ー ビ ス を 行 う "電 算 セ ン タ ー"と い う 名 称 の 企 業 や 第3セ ク タ ー が 次 々 と 設 立 さ れ た 。 しか し,受 託 ソ フ ト開 発 を 本 業 とす る ソ フ トウ ェ ア 産 業 の 設 立 が 本 格 化 し た の は,1970年 代 に 入 っ て か ら で あ っ た 。 コ ン ピ ュ ー タ 産 業 界 の 巨 人,IBMが ソ フ ト ウ ェ ア 価 格 の ハ ー ドか ら の 分 離(ア ン バ ン ド リ ン グ) を 実 施 した1970年 以 降,ア メ リ カ の ソ フ ト ウ ェ ア 産 業 が 急 成 長 した こ とが ,日 本 に も波 及 し た か ら で あ る 。 業 界 団 体 の(社)ソ フ ト ウ ェ ア 産 業 振 興 協 会 が 誕 生 し た の も1970年 で あ っ た 。 今 回 の 調 査 で も,1960年 代 に 設 立 さ れ た 企 業 が11%,70年 代 が30%,80年 代 が59%と な っ て お り,1970年 代 が ソ フ トウ ェ ア 産 業 の 黎 明 期 と 言 え よ う 。 し か し,設 立 間 も な い ソ フ ト ウ ェ ア 企 業 の 主 要 業 務 は,要 員 派 遣 と い う 所 が 多 く,ま た コ ン ピ ュ ー タ ・メ ー カ と の 関 係(下 請 け 的 性 格)が 強 い と い う 特 徴 が あ っ た。 ま た,ユ ー ザ の 多 く は 大 企 業 と官 庁 で あ っ た 。 こ の た め,立 地 点 は,本 社 が 集 中 し て い る 東 京 が 圧 倒 的 に 多 く,1970年 代 に 設 立 さ れ た 企 業 の 約6割 が 東 京 都 内 に 本 社 を 立 地 し て い る(図1)。 1980年 代 に 入 る と,富 士 通,日 本 電 気,日 立 の3社 を 中 心 に ソ フ ト ウ ェ ア 子 会 社 の 地 方 展 開 が 始 ま っ た 。 各 都 道 府 県 に 最 低1ヶ 所 の ソ フ ト ウ ェ ア 会 社 を 設 立 す る 方 針 を 打 ち 出 し た 富 士 通 は , 1983年3月 ま で に15の ソ フ トウ ェ ア 子 会 社 を 設 置 し ,現 在 で は,約80ま で 拡 張 し て い る 。 ま た, 日本 電 気 も ソ フ ト ウ ェ ア 専 門 の 分 身 会 社 を,1983年3月 ま で に14社 ,現 在 で は33社 を 設 置 して い る ・ 日 立 は 地 方 展 開 と い う よ り は,関 東 を 中 心 に,分 野 別 の ソ フ トウ ェ ア 子 会 社 を1983年3月 ま で に16社 を 設 立 し て い る 。 一 方,日 本IBMは,時 期 的 に は や や 遅 れ た が ,現 在,地 場 資 本 と の 合 弁 等 に よ り全 国 約50ヶ 所 に ソ フ ト ウ ェ ア 子 会 社 を 設 立 し て い る 。
〕15)
=804)
創立年
図1東 京都 内 への 本社立 地 の創立 年 に よる違 い こ の よ う に メ ー カ ーが,ほ とん どそ ろ っ て 地 方 子 会社 を設 立 した 背 景 に は,以 下 の よ う な事 情 が あ る 。 i)ソ フ トウ ェ ア ・ク ラ イ シ ス と呼 ば れ る ソ フ トに対 す る需 要 の 激 増 とそ れ に伴 う ソ フ トの商 品価 値 の 上 昇 ii)本 社 採 用 に す る と,社 内 にお け る部 門 間 バ ラ ン ス等 の た め ソ フ ト部 門 の 従 業 員 だ け を突 出 して 大 量 採 用 で きな い iii)地 方 立 地 に よ りuタ ー ン希 望 者 等,優 秀 な 人 材 を大 量 に採 用 で き る iv)本 社 内 の ソ フ ト技 術 者 の ポ ス ト確 保 1980年 代 後 半 に入 る と,東 京 等 の大 都 市 に本 社 を もつ 独 立 系 の ソ フ トウ ェ ア企 業 が 地 方 展 開 を 開 始 し,メ ー カ ー系 の 地 方 子 会 社 は,さ ら に そ の 支 店 を拡 充 す る形 で 地 方 へ の 一 層 の 定 着 を は か って い る 。 一 方 ,地 方 都 市 に立 地 した独 立 系 ソ フ トウ ェ ア企 業 に は,以 下 の4つ の タ イ プ が み られ る16)。 i)計 算 セ ン ター か らの 発 展 タイ プ:1960年 代 に か け て 地 元 中核 企 業 お よ び 地 方 公 共 団 体 の受 託 計 算 サ ー ビス を行 う た め に 設 立 さ れ,そ の後,受 託 ソ フ ト開発 に進 出 した タ イ プ 。 ii)オ フ コ ンか らの 発 展 タイ プ:1980年 前 後 に オ フ コ ン導 入 が,地 方 の 中 堅 企 業 ま で拡 が っ た 際 に,ソ フ ト開 発 及 び ハ ー ド販 売 の た め に設 立 され,そ の後 オ フ コ ン市 場 の 悪 化 か ら汎 用 機 ソ フ ト開発 等 に転 進 した タ イ プ。 iii)デ ー タ入 力,要 員 派 遣 か らの 発 展 タ イ プ:デ ー タ入 力 を主 業 務 と して 設 立 さ れ,そ の後 要 員 派 遣 に転 進 し,さ ら にOJTで レベ ル ア ップ した 技 術 力 を武 器 に 受 託 ソ フ ト開 発 業 務 に 進 出 した タ イ プ。 iv)要 員 派 遣 タ イ プ:要 員 派 遣 か らの 飛 躍 が で きず,こ の 領 域 に留 ま って い る タイ プ こ の よ う な地 方 ソ フ トウ ェ ア企 業 の創 設 者 は,ほ と ん ど一様 に地 元 出 身 者 で あ り,首 都 圏 の 大 企 業 ・情 報 処 理 部 門 か らの ス ピ ンア ウ ト組 や 地 元 産 業 の情 報 処 理 部 門 か らの ス ピ ン ア ウ ト組 が 多 い17)。計 算 セ ン タ ー か らの 発 展 タ イ プ の場 合 は,出 資 企 業 や 行 政 か らの 天 下 りで トッ プが くる こ と も少 な くな い。 今 回 の調 査 結 果(表1)か ら本 社 立 地 理 由 をみ る と,全 体 的 に は,「 交 通 の 便 が よか っ た か ら」 (30%)と 「取 引 先 や 関連 企 業 に近 か った か ら」(22%)が 多 い が,地 方 の独 立 系 企 業 の 場 合 は, 約 半 数 が 「創 業 者 の 出 身 地 ・ゆ か りの 地 だ っ た か ら」 をあ げ て お り,創 業 者 の 地 元 へ の 思 い入 れ が 歴 然 と して い る17)。大 都 市 圏 立 地 の 独 立 系 の 場 合 は,「 交 通 の便 が よ か っ た か ら」 とい う理 由が4割 以 上 と圧 倒 的 に 大 き な 要 因 に な っ て い る 。 ユ ー ザ 系,メ ー カ ー 系,独 立 系 の 子 会 社 の 場 合 は,当 然 ,「 親 会 社 に 近 か っ た か ら」 が 理 由 の ト ッ プ を 占 め る 。 表1本 社 の立 地選 定理 由(SA) (単位%) 1.創 業 者 の 出 身 地, ゆか りの 地 2.親 会 社 に 近 か っ た 3.交通の便がよかった 4.取 引先 や関連 企 業に近か った 5.そ の 他 合 計(n) 全 体 13.9 21.6 29.6 21.6 13.3 1 100.0(804) 資 本 系 列 メ ー カ 系 ユ ー ザ 系 独 立 系 独 立 系 の子 会 社 5.9 4.6 17.1 10.1 35.3 53.8 2.0 43.4 17.6 12.3 36.2 13.1 23.5 12.3 24.3 13.1 17.7 17.0 20.4 20.3 100.0(68 100.0(65) 100.0(555) 100.0(99) 立 地 点 東 京 都 横浜市 ・川崎市 大 阪 府 名 古 屋 市 地 方 都 市 2.7 9.5 8.6 27.0 35.5 13.-0 2.4 17.2 13.5 19.3 39.6 23.8 36.2 .. 11.4 22.8 42.9 20.7 21.6 15.8 21.9 21.4 17.3 19.0 18.0 100.0(439) 100.0(42) 100.0(58) 100.0(37) 100.0(228) 地 方 の 独 立 系 47.8 5.1 14.7 16.9 15.5 100.0(136) 一 方,主 要 業 務 に よ る 本 社 立 地 の 違 い を み る と,図2に 示 し た よ う に,受 託 ソ フ ト開 発,特 に 応 用 ソ フ トの 一 括 受 託 を 主 要 業 務 とす る 所 は,大 都 市(東 京)比 率 が 高 く,ソ フ ト ・プ ロ ダ ク トや 計 算 サ ー ビ ス で は や や 低 く な っ て い る 。 都 市 立 地 比 率(全 体 比 率=71.6%) 京 立 地 比 率(全 体 比 率=54.6%) *大 都市=東 京都 、大 阪府、 名古屋 市、横 浜市、 川崎 市 図2主 要 業務 に よる大都 市(東 京)立 地 比率 の違 い この よ う な地 方 展 開 の 進 展 は事 業 所 の 立 地 動 向 に 明確 に 反 映 して い る 。 通 産 省 の特 サ ビ調 査 の
デ ー タ に基 づ き,立 地 動 向 を分 析 す る と,図3に 示 した よ う に,1980年 代 に 入 って 事 業 所 の 東 京 立 地 比 率 が か な り低 下 して きて い る こ とが わ か る 。 事 業 所 数 1,500 1,000
1974197919841989
墓墓
謬
出典:平成元年特サビ調査 図3情 報 サ ー ビス事業 所の創 立年 分布(1970年 以 降) この結 果,全 事 業 所 の うち 東 京 立 地 の事 業 所 比 率 は,1977年 の ピ ー ク(47.0%)か ら1987年 に は27.1%と20ポ イ ン トも低 下 して い る(図4)。 しか し,そ の 後,東 京 の 比 率 が(東 京 で 小 規 模 な事 業所 が 激 増 し た た め)逆 に増 加 し,36∼38%で 推 移 して い る 。 調 査 の捕 捉 率 の 問 題 が あ る た め,こ の 結 果 か ら70年 代 後 半 か らの地 方 展 開 が87年 で と ま り,再 び東 京 へ の 集 中が 始 ま っ た と速 断 す る こ と は で き な い が,事 業 所 数 か らみ て も,地 方 展 開 の進 行 に歯 止 め が か か っ た こ とが 伺 え よ う。 この こ と は本 社 立 地 の 東 京 比 率 をみ て も推 察 され る。 これ に対 して,図4の 売 上 高 比 率 と従 業 員 比 率 をみ る と,東 京 の 比 率 は ほ と ん ど一 定 と み な す こ とが で き る18)。 ん肌1% 20 1973 75 808590 *1出 典:平 成2年 特 サ ビ 調 査 *2契 約 相 手 先 地 域 別 で は 東 京 都 か ら の 発 注 は58.鰯 (1989年)年
図4情 報 サ ー ビス産 業 の東 京都 への集 中度 の変 化 こ の こ と は,地 方 にお け る事 業 所 数 の伸 び は東 京 を上 回 っ て い る が,東 京 で は1事 業 所 あ た り の従 業 員 数 お よ び 売 上 げ高 の増 加 が あ り,こ の 結 果,全 従 業 員 数 お よ び全 国 の 売 上 げ 高 に 占 め る 東 京 の比 率 は ほ ぼ 一 定 に保 た れ て い る もの と考 え られ る。(3)地域 間 に お け る ソ フ トウ ェ ア 業 務 の 流 れ ソ フ トウ ェ ア 開発 業 務 は,モ ノに 縛 られ る こ とが な く,か な り 自由 な 移 動 が 可 能 で あ る。 こ の 結 果,発 注 先 と業 務 を行 う発 注 元 と は離 れ る こ とが 可 能 で あ る。 そ こで,自 地 域 内(こ こで は 同 一 都 道 府 県 内)で の 発 注 率 及 び交 易 バ ラ ンス と い う指 標 を以 下 の よ う に定 義 して ,ソ フ トウェ ア 業 務 の モ ビ リテ ィ を見 る こ とに し よ う。 自地 域 内受 注 率=自 地 域 内事 業 所 か らの 受 注 額/地 域 内 ソ フ ト事 業 所 の全 受 注 額 交 易 バ ラ ンス=(地 域 内 ソ フ ト事 業 所 の 全 受 注 額 一 地 域 内事 業 所 の全 発 注 額)/(地 域 内 ソ フ ト事 業 所 の 全 受 注 額) 自地 域 内 受 注 率 は,当 該 地域(都 道 府 県)内 の 全 ソ フ ト事 業 所 の 売 上 高 の 中 で,自 地 域 内 の 全 産 業 等 か ら得 た 売 上 高 の比 率 を表 し,0∼1の 値 を と る。 こ れ に対 して交 易 バ ラ ン ス は,い わ ば 貿 易 収 支 をGNPで 割 った よ うな 指 標 に 対 応 し,1以 下 とな る。 特 サ ビ調 査 で は都 道 府 県 単 位 の 数 値 が 示 され て い る の で,そ れ か ら計 算 す る と,図5の よ うな 結 果 が 得 られ る。 自地 域 内 受 注 率 と交易 バ ラ ン ス に は,明 らか に逆 相 関が み られ,交 易 バ ラ ン スが 増 大 す れ ば, 自地 域 内受 注 率 は下 が る傾 向が み られ,逆 に 自地 域 内受 注 率 が 上 昇 す る と交 易 バ ラ ンス は減 少 し, さ らに マ イ ナ ス に転 じる こ とに な る。 自地 域 内 受 注 率 が 高 い と い う こ と は,地 域 内 に 十 分 な需 要 が あ り,他 地 域 の仕 事 を とる必 要 が な い こ と を示 して い るが,原 因 と して は,仕 事 が 多 す ぎて 地 域 内 で す べ て を処 理 で き な い場 合 と,ソ フ トウ ェ ア 産業 が 未 発 達 で あ る場 合 の2つ が 考 え られ る。 東 京 は 前 者 に あ た り,大 都 市 周 辺 の 埼 玉,奈 良,京 都,三 重,岐 阜,山 口 は後 者 にあ た る と解 釈 で きる 。 逆 に,自 地域 内 受 注 率 が低 い 所 は,地 域 内 の需 要 が 少 な く,需 要 の 多 い大 都 市 か ら多 くの 仕 事 が 流 入 した 結 果 で あ る 。 地 方 の ソ フ トウ ェ ア企 業 に よ る活 発女 営 業 活 動 に よ って 大 都 市 か らの 仕 事 の 流 入 が 増 加 す る場 合 と隣 接 す る 大都 市 か らの 莫 大 な仕 事 を こ なす た め ソ フ トウ ェ ア 関 連 の 事 業 所 が 次 々 に立 地 さ れ た た め に起 きる 場 合 とが あ る。 前 者 に あ た る のが 徳 島,福 井,鳥 取,滋 賀, 群 馬,北 海 道,長 野,沖 縄 等 で あ り,神 奈 川 は後 者 に あ た る。 そ れ で は,ソ フ トウ ェ ア産 業 の場 合,ど の 程 度 の距 離 を克 服 す る こ とが で きる の で あ ろ うか 。 全 国 の需 要 の6割 を 占め る東 京 と他 の 道 府 県 と の交 易 関係 か ら地 理 的 距 離 の 制 約 が どの 程 度 あ る か,検 討 して み る。 図6は 東 京 駅 か ら各 道 府 県 庁 所 在 地 まで の 距 離(鉄 道 の営 業 キ ロ 数)を 横 軸 に,全 受 注 額 の うち で 東 京 か らの 受 注 額 が 占 め る 比 率 を横 軸 に と った もので あ る が,こ れ に よ る と距 離 と共 に 比 率 が 下 が る傾 向 を示 す 部 分 とそ れ か ら明 らか に離 れ た 部 分 が み られ る。 滋 賀,徳 島,北 海 道,鹿 児 島,沖 縄 は,後 者 で あ り,言 わ ば"特 異 県"と み なす こ とが で き,東 京 へ の 依 存 度 が 非 常 に高 くな っ て い る。 距 離 の ハ ン デ ィ を ほ とん ど克服 して い る と言 え よ う。 そ の他 の 府 県 は,距 離 と の 関 係 が 一 様 な形(例 え ば距 離 に 反 比 例 す る と い った よ う に)に は な ら な い が, (物理 的)距 離 の 制 約 が あ る程 度 効 い て い る(た とえ ば,y≦40-r/50の 範 囲 に ほ とん ど の府 県 が 入 っ て い る)よ う に見 え る。 次 に,大 阪府 へ の 依 存 度 を み る と,比 率 が 高 い の は,兵 庫 の19%,奈 良11%,京 都10%,徳 島 9%と 極 く近 くの 府 県 まで しか拡 が っ て い ない 。 また,面 白 い こ と に,契 約 額 で み る と,大 阪 か ら流 出 す る総 額 の7割 ま でが 東 京 都 に な っ て い る 。 これ は,高 い 技術 力 を要 す る ソ フ ト開 発 が 東 京 に流 出 して い る こ とを示 して い る もの と考 え られ る。 これ ら を ま とめ る と次 の よ う に な ろ う。 1)地 域 に よ りソ フ トウ ェ ア 開発 力 に大 きな格 差 が あ る 。
=63 ,3% =74 ,4% 一100 (出 典)特 サ ビ 調 査(平 成 元 年 度) 図5都 道 府 県別交易 バ ラ ンスの 自地域 内受注 率 2)大 都 市 隣接 地 域(県)に は,ソ フ トウ ェ ア企 業 の 活 発 な進 出 に よ り大 きな 開 発 力 を もつ に 至 っ た 所 と,ほ と ん ど ソフ トウ ェ ア企 業 が 育 た ず,地 域 内 の需 要 さ え満 た せ ず,大 都 市 に 仕 事 が 流 出 して い る所,の2つ の タイ プ が あ る 。 3)大 都 市 か ら離 れ た 地 域(県)の 場 合 も,ソ フ トウ ェ ア開 発 力 に 大 き な格 差 が あ る。 格 差 を 生 む原 因 と して は,地 元(出 身)の ソ フ トウ ェ ア起 業 家 が 出 た か ,出 なか ったか とい う偶 然 的 要 因 が 最 も強 い が,そ れ を支 え る人 材 的 基 盤 の 整 備 状 況,さ ら に地 元 自治 体 の ソ フ ト ウ ェ ア 産 業 育 成 の 取 り組 み(誘 致 政 策 も含 む)が あ げ られ る。 4)大 都 市 か ら地 方 へ の 仕 事 の流 れ は,あ る程 度(物 理 的)距 離 の影 響 を受 け て い るが,ソ フ
so 50 40 30 20 10 0 0 500 i.00㎞ 1,500 図6東 京依存 度(道 府 県別)と 東京 か らの距離 の 関係
トウ ェ ア 開発 力 が 大 きけ れ ば,そ の ハ ンデ ィを 比 較 的 容 易 に乗 り越 え る こ とが で きる 。 5)ソ フ ト開発 の 種 類 に よ って 立 地 制 約 の 強 さ に違 い が あ り,受 託 ソ フ ト開発 で は 顧 客(大 都 市,特 に東 京)へ の近 接 性 が 強 く,ソ フ トプ ロ ダ ク トの 開発 で は,弱 い。 2.大 都 市 ソ フ トウ ェア企 業の 地 方展 開 の実 態 本 節 で は,今 回 の ア ンケ ー ト調 査15)の 中で,大 都 市 に 本社 を置 い て い る 企 業(576社)に 対 し て,地 方 展 開 の 実 態 や 意 向 等 を 質 問 した 結 果 を分 析 す る 。 (1)地方 展 開 の 現 状 と意 向 す で に述 べ た よ うに,ソ フ トウ ェ ア 企 業 の 本社 は大 都 市,と りわ け東 京 都,大 阪府,名 古 屋 市, 横 浜市,川 崎 市 の5都 道 府 市 に集 中 して お り,そ こ を拠 点 に他 の 地 域 へ の 進 出 が 活 発 に な さ れ て い る。 そ こ で,こ れ らの5都 道 府 市 に 本 社 を置 き,そ れ以外 の地域 に事業所 を設立す る こ とを便 宜 的 に 「地 方 晨 開 」 と呼 ぶ こ と にす る 。 この よ う な 地 方 展 開 は 実 際 に ど の程 度 な さ れ て い るの だ ろ うか 。 図7に 示 した よ う に, す で に 地 方 事 業 所 を設 立 して い る企 業 は41% に 達 して お り20),ま だ 設 立 して い な い が, 数 年 の うち に設 立 す る事 を考 えて い る企 業 も 23%あ る。 地 方 展 開 を考 え て い な い 企 業 は 36%と 少 な い 。 地 方 展 開 に最 も影 響 す る要 因 は,企 業 規 模 で あ り,従 業 員 数 が 多 い ほ ど,ま た年 間 売 上 げ高 が 多 い ほ ど地 方 展 開 が 活 発 で あ る 。 図8 図7地 方 事業 所の 設立状 況
[n=576]
の よ う に,従 業 員 数 が500人 以 上 の と こ ろ で は,す で に81%が 地 方 展 開 を 実 施 し,15%が 数 年 以 内 に地 方 展 開す る こ とを考 え て お り,ほ とん どの企 業 が 地 方 展 開 を実 施 す る こ と に な る 。 こ れ に 対 して,30∼49人 の 従 業 員 を抱 え る企 業 の 場 合 は,す で に地 方 展 開 して い る と こ ろ は,1/4で あ るが,こ こ数 年 の う ち に3社 に1社 が 地 方 展 開 を考 えて い る 。81地 方展 開実施済
ここ数 年 のうちに地 方 展 開 の 予 定∼29人3° ∼495° ∼491°1菊2°1勞5馳
従業員数
図8従 業 員規 模 に よ る地 方展 開の違 い本 社 所 在 地 との 関 連 を み る と,東 京 都,横 浜 市,川 崎 市 に本 社 を置 く企 業 の 地 方 展 開率 が 最 も 高 く,大 阪 府 が 次 に 高 い 。 名 古 屋 市 に本 社 を 置 く企 業 の 場 合,従 業 員 数 が や や少 な い こ と を反 映 し,地 方 展 開率 は低 くな っ て い る。 こ こ数 年 の うち に新 た に地 方 展 開 を考 え て い る企 業131社 を従 業 員 規 模 別 に み る と(図9),10 ∼29人 の 企 業 が38社,30∼49人 の 企 業 が24社 と,規 模 の小 さい 所 が 多 くな って い る。 地 方 展 開 は 大 手 ソ フ トウ ェ ア 企 業 か ら中 小 ソ フ トウ ェ ア 企 業 へ と ひ ろ が って きて い る の で あ る。 500人 以 上y,〆9人 以 下(2社) 200--499 図9こ こ数 年の うち に地 方展 開 を考 えて いる企 業 の従 業 員規模 別分布 ま た,資 本 系 列 に よ る違 い も,平 均 の企 業 規 模 が 大 きい メ ー カ ー 系 とユ ー ザ系 で は地 方 展 開率 が5割 前 後 あ るの に対 して,企 業 規 模 が 小 さい 独 立 系 は4割 弱 に な っ て い る。 しか し,こ こ 数 年 以 内 の 展 開 意 向 を み る と,東 京 ・横 浜 ・川 崎 に立 地 して い る独 立 系 ソフ ト ウ ェ ア企 業 で 高 くな って い る 。 ソ フ ト関連 売 上 げ の 中 で,東 京 都 内,大 阪 府 内 の 占 め る顧 客 の 比 率,つ ま り大 都 市依 存 度 との 関連 をみ る と,興 味 深 い こ とが わ か る。 この 大 都 市 依 存 度 が20∼59%の 企 業 の 地 方 展 開 が6割 前 後 と高 い の に対 して,そ れ 以 外 は 4割 弱 と低 い の で あ る 。 大 都 市 と地 方 都 市 の 両 方 に顧 客 を抱 え て い る 企 業 は,顧 客 との 関 係 上,地 方 展 開 を積 極 的 に行 う理 由 が あ る こ と を反 映 して い る と解 釈 で き よ う。 主 要 業 務 との 関 連 性 を み る と,従 業 員 規 模 が や や 大 きい 応 用 ソ フ トまた は基 本 ソ フ トの 一 括 受 託,デ ー タ入 力,機 器 販 売 等 を主 力 と して い る 企 業 の 地 方 展 開率 が 高 くな って い る 。 (2)地方 展 開 の 狙 い す で に地 方 展 開 を して い る企 業 の 狙 い は,図10に 示 し た よ うに,人 材 確 保 の容 易 性 ・可 能 性 が 圧 倒 的 に 大 き く,こ の 傾 向 は,企 業 規 模,本 社 所 在 地,資 本 系 列,主 要 業 務 の如 何 を問 わ ず 共 通 して い る 。 次 に,地 元 に お け る ソ フ ト開 発 受 託 の 可 能 性 と地 元 ユ ー ザ 企 業 へ の サ ー ビ ス 強 化 と い っ た 地 方 都 市 の ユ ーザ 対 応 お よ び社 内Uタ ー ン希 望 者 へ の 対 応 が あ げ られ る。 地 元 にお け る ソ フ ト開発 受 託 の可 能 性 を重 視 す るの は,独 立 系 で,ソ フ ト開 発 の 下 請 け を主 要 業 務 と して い る 所 に 多 くみ ら れ る。 逆 に,規 模 が 大 き い 所,強 力 なバ ッ ク を もつ メ ー カ ー 系 や ユ ー ザ 系 企 業,技 術 力 の 高 い 基 本 ソフ トー 括 受 託 を主 要 業 務 とす る所 は,余 り重 視 しな い 傾 向が あ る。 こ れ ら は,進 出企 業 の主 要 業 務 に よ っ て,地 方 都 市 で の受 託 に どの 程 度 期 待 す るか,が 異 な る こ とを 反 映 して い る。 社 内 にUタ ー ン希 望 者 が い る 点 を重 視 した 企 業 は,従 業 員 が100人 未 満 の小 回 りが き く独 立 系 で 下 請 け の ソ フ ト開発 を行 っ て い る所 に 多 くみ ら れ,優 秀 なUタ ー ン希 望 者 の 退 職 を 防 ぐた め, 地 方 展 開 をす る ケ ー スが か な りあ る こ と を示 して い る21)。 次 に 重 視 され て い るの が,進 出 先 の地 価,事 業 所 の 賃 貸 料 や 従 業 員 の 住 宅 確 保 の 容 易 性,通 勤 時 間 とい っ た コス ト関連 要 因 で あ る。 ソ フ トウ ェ ア 企 業 が 地 方 展 開 す る場 合,必 要 と さ れ る主 な
図10地 方 展 開 した ソ フ トウ ェ ア企 業 の狙 い 費 用 は事 業 所 の 賃 貸 料 も し くは購 入 す る用 地 費 と従 業 員 確 保 に不 可 欠 な住 宅 関 連 費 用 で あ り,こ れ ら を重 視 して い る の で あ る。 親 企 業 や 主要 ユ ーザ の 地 方 展 開へ の対 応 を重 視 した 所 は,約3割 で あ る が,ユ ーザ 系 の 所 や独 立 系 の 子 会 社 ・関 連 会 社 に 多 くみ られ る。 本 社 か らの 時 聞 距 離 や従 業 員 の子 弟 の教 育 環 境 を重 視 した企 業 は2割 弱 と少 な く,考 慮 した程 度 の所 が 多 い 。 また,地 元 自治 体 か らの 誘 致(熱 心 さ)を 重 視 した の は1割 で,ほ とん ど は考 慮 も して い な い。 後 述 す る よ う に,地 元 自治 体 の誘 致 活 動 が 不 活 発 な上,有 効 な 誘 致 対 策 の 提 示 が な い こ とが 主 な要 因 と考 え られ る。 こ こ 数 年 の うち に地 方 展 開 す る こ と を考 え て い る企 業 の 狙 い も,す で に展 開済みの所 とほ とん ど 同 じで,人 材 確 保 が 圧 倒 的 に多 く,社 内 のUタ ー ン希 望 者 対 応 と従 業 員 の 住 宅 確 保 が 続 い て い る。 地 元 で の ソ フ ト開発 受 託 をあ げ る企 業 は1/3に 留 ま っ て い る。 その他 の要 因は1割 前後 と低 い 。 立 地 決 定 に際 して 問題 に な る こ と は,当 然 の こ と なが ら事 業 の 採 算 性 の 見 通 しが 第1で , 人 材 確 保 の 見 通 しが次 に多 く,こ れ ら以 外 をあ げ る企 業 は少 な い 。 (3)地方 自治 体 の 誘 致 活 動 地 方 進 出 にあ た って 地 元 自治 体 か ら何 らか の 誘 致 活 動(便 宜 供 与)を 受 け た企 業 は,2割 に過 ぎず,大 半 は誘 致 活 動 を受 け て い な い 。 こ の う ち地 元 自治 体 か ら熱心 に誘 致 され た 企 業 は1割 と 少 な い 。 また,進 出企 業 が 受 け た便 宜 供 与 の 内 容 は,地 元 大 学,専 門 学 校,高 校 等 へ の 採 用 活 動 へ の 協 力 が 最 も多 く,工 業 団地等 の立地斡旋,Uタ ー ン希 望 者 リス トの 提 示 な ど と な っ て い る。 (4)地方 展 開 した ソ フ ト関 連 事 業 所 の 概 要 〔地 方 事 業 所 数 〕 地 方 展 開 して い る企 業 は,平 均2.4の 地 方 事 業 所 を持 って い る 。 ま た,ソ フ ト開 発 を行 っ て い
る 地 方 事 業 所 を もっ て い る企 業 は,地 方 展 開 企 業 の9割 に 達 し,平 均2.1の 地 方 事 業 所 が ソ フ ト 開発 に従 事 して い る 。 したが って,大 都 市 に本 社 を置 くソ フ トウ ェ ア企 業 の 地 方 事 業 所 の う ち8 割 が ソ フ ト開 発 を行 って い る こ とに な る 。 こ の よ う な地 方 事 業 所 の 数 は,企 業 規 模 に大 き く依 存 して お り,ソ フ ト開 発 を行 っ て い る地 方 事 業 所 の 数 は,30人 未 満 の 所 で1.1ヶ 所,30.v49人 の所 で1.3ヶ 所,50∼99人 で は1.6ヶ 所,100∼ 199人 で1.8ヶ 所,200∼499人 で2.4ヶ 所,500人 以 上 で は4.6ヶ 所 と急 増 して い る 。 こ の よ う に企 業 規模 と共 に 地 方 事 業 所 が 激 増 す る背 景 に は, 1)ソ フ ト開発 業 務 で は,製 造 業 の よ う な ス ケ ール メ リ ッ トが そ れ ほ ど働 か ず,1ヶ 所 に従 業 員 を集 中 させ る意 味 が あ ま りな い こ と(ソ フ ト開 発 の 内 容 に もよ る が,メ ン テ で は数 人,大 規 模 な ソ フ ト開 発 で は50人 程 度 が1ヶ 所 に 必 要 とい わ れ る) 2)ソ フ ト開 発 に と って も最 も重 要 な優 秀 な 人 材 の確 保 が 大 都 市 部 で 困 難 な だ け で は な く,ひ と つ の 地 方 都 市 で 大 量 に採 用 す る こ と も困 難 で あ る こ と 3)ソ フ ト開 発 業 務 の 分 業 化(特 に下 流 工 程 の切 り離 し)は 比 較 的 容 易 で あ り,東 京 に集 中 して い る業 務 の一 部 を分 離 し,地 方 事 業 所 で 処 理 す る こ とが 可 能 で あ る こ と 4)し た が っ て,進 出 先 で の 仕 事 の確 保 をそ れ ほ ど気 に しな くて も よ い こ と 5)し か し,一 定 量 の 仕 事 は 進 出先 で確 保 しな け れ ば な らな い の で,ひ とつ の 地 域 の事 業 所 規 模 をあ ま り大 き くはで きな い こ と な どが 考 え られ る。 〔最 新 設 立 の 地 方 ソ フ ト関連 事 業 所 の 概 要 〕 地 方 に立 地 され た ソフ ト開 発 を業 務 とす る 事 業 所 の うち で,最 近 設 立 され た もの に 限 る と以 下 の よ う な特 徴 が あ る 。 ① 設 立 時 期:1987年 前 後 が 最 も多 い ② 所 在 地:全 国 に広 く分 散 して い るが(表2),関 東(東 京 都,横 浜 市,川 崎 市 を 除 く),中 部 (名 古 屋 市 を 除 く),九 州,東 北 が や や 多 くな って い る 。 本 社 が 東 京 都,川 崎 市,横 浜 市 に あ る企 業 は全 国 に 広 く展 開 して い る が,名 古 屋 に 本社 を置 い て い る 企 業 は ほ とん どが 中 部 地 方 内 で の 展 開 に と ど ま って い る 。 また,大 阪府 に本 社 を置 い て い る 企 業 は,関 西, 西 日本,中 国,九 州 とい った 西 へ の 展 開 が 大 半 で あ る 。 表2最 近 設立 の ソ フ ト関連 地方 事業 所の 所在地 分布 (/〉 北 海道 東 北 関 東 (東京 都 ・ 横 浜 ・川 崎 を除 く) 中 部 (名 古 屋 市 を除 く) 関 西 (大 阪府 を 除 く) 中 国 ・ 四 国 九 州 ・ 沖縄 外 国 NA 合計 n 6.1 13.6 26.6 19.2 6.5 7.5 17.3 0.5 2.8 300.0 214 ③ 候 補 地 数:設 立 の 際 に,複 数 の候 補 地 か ら選 ん だ 所 は3割 に過 ぎず,1ヶ 所 しか 候 補 地 が な か った 所 が4割 と多 い 。 名 古 屋 市 や 大 阪 府 に本 社 をお く企 業 は,候 補 地 が1ヶ 所 しか な か った 所 が や や 多 くな っ て い る。 ④ 設 立 当 初 の 従 業 員 数:平 均8.5人 と非 常 に 少 な い 。設 立 当初 か ら50人 以 上 の従 業 員 を抱 え て い る地 方 事 業 所 は わず か3%に 過 ぎな い 。 また,従 業 員 数 の 多 い 企 業 ほ ど設 立 当 初 の地 方 事 業 所 の従 業 員 が 多 い 。 ⑤ 現 在 の 従 業 員 数:平 均26.4人 と設 立 当 初 の3.1倍 に な っ て お り,設 立 後 の4年 間 に 急 速 に拡
張 して い る。 しか し,そ れで も9人 以 下 の事 業 所 が 約4割 と最 も多 く,20人 以 上 は3割 に 過 ぎな い(図11)。 ⑥ 地 元 出 身 者 比 率:平 均 で8割 が 地 元 出 身 者 で あ り,地 元 出 身者 比 率 が 小 さい の は,大 都 市 近 郊(千 葉,埼 玉 な ど)の 場 合 に 限 られ る(図11)。 人 材 を求 め て 地 方 展 開 を し た の で あ る か ら,当 然 の 結 果 で あ る。 ⑦ ソ フ ト開 発 要 員 の 比 率:地 方 事 業 所 の全 従 業 員 の うち6割 以 上 が ソ フ ト開発 要 員 と い う と こ ろ が84%と 圧 倒 的 に多 い 。 こ の比 率 は ほ と ん ど規 模 に よ らな い 。 ⑧ ソ フ ト開 発 事 業 の ウ ェ イ トと 内 容:受 託 ソ フ ト開 発 の 占 め る ウ ェ イ トが 圧 倒 的 に 高 く, パ ッケ ー ジ ・ソ フ トの 比 率 は 少 な い。 ま た,受 託 ソフ トの内容 と して は,主 に アプ リ ケ ー シ ョ ン領 域 が7割 と多 く,基 本 ソ フ トは2割 強 と な っ て い る。
現在の従業員数
9人以下
嗣9人 X49人5D人 以上 勘≡ ≡壅≡≡ 驪覊羅齷蘯(平
均26人)
麟4∼7割蹴
猷地元出身者の比率
11 is 6了 6。(平 均8割)Cn=214)
図11地 方 ソ フ ト開発 事 業所 の従業 員数 と地元 出身者 の割合 ⑨ ソフ ト開発 の 発 注 元:主 な 発 注 元 が 大 都 市 か地 元 か を み る と,2極 分 化 して い る 。 大 都 市 か ら の発 注 が6割 以 上 あ る所 を 大都 市 依 存 型,地 元 道 府 県 か らの 発 注 が8割 以 上 あ る所 を 地 元 依 存 型 とす る と,大 都 市 依 存 型 が42%,地 元 依 存 型 が34%と な って い る 。 ⑩ ソ フ ト開 発 の 分 担 工 程:分 担 して い る 工 程 は,詳 細 設 計 か ら単 体 テ ス トまで の 下 流 工 程 が 多 く,要 求 定 義 分 析 は少 ない 。 こ れ は大 都 市 依 存 度 に よ って もか な り異 な る。 大 都 市 の本 社 と の共 同 開 発 が 多 い 所 で は,特 に上 流 と総 合 ・運 用 テ ス トを本 社 が,下 流 を 地 方 事 業 所 が,そ れ ぞ れ 分 担 す るケ ー ス が 多 くな っ て い る。 ⑪ ソ フ ト開 発 要 員 の 県 外 出張 頻 度:経 験 年 数4年 以 上 の ソ フ ト開 発 要 員 は,プ ロ ジ ェ ク トの 中 核 と して 活 躍 して い る こ とが 多 い が,こ れ らの要 員 が 業 務 上 の 打 合 せ ・会 議 の た め 県 外 (ほ と ん どは 委 託 先 ま た は 本 社 の あ る 大 都 市)に 出張 す る頻 度 を尋 ね た と こ ろ,平 均 し て 月1∼2回 とい う企 業 が 多 く,週1回 以 上 とい う の は1割 弱 と少 な か っ た。 し か し,1ヶ 月 以 上 の 長 期 出 張 者 が い る事 業 所 も1/4ほ どあ り,年 間 平 均4.5人 に 達 して い る 。 また,1年 以 上 の長 期 出 張 者 が い る企 業 は8%と 少 な い が,い る事 業 所 で は 平 均3.5人 が 該 当 して お り,ほ と ん ど転 勤 に近 い 状 態 の ソ フ ト開発 要 員 が い る こ と を 示 して い る 。 (5)地方 展 開 の メ リ ッ トと問 題 点 大都 市 ソ フ トウ ェ ア企 業 の 地 方 展 開 は,実 際 に どの よ うな メ リ ッ トを もた ら した ので あ ろ うか 。 また,ど ん な 問 題 を抱 え て い る の で あ ろ うか 。 メ リ ッ トに つ い て は,人 材 確 保 と仕 事 の確 保 の2 つ に つ い て 尋 ね たが,図12に 示 した よ う に,人 材 の 量 的確 保 はか な り達 成 さ れ て い る もの の ,質 の よい 人 材 の確 保 と い う点 で は必 ず し も十 分 とい う わ け で は な く,ソ フ ト開発 の仕 事 の確 保 とい う面 で は メ リ ッ トが 少 な か った よ うで あ る。非常に大きい 大きい やや大きい 多少あり なし 凱 1.人 材 の 量 的 確 保
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2.質 の よ い 人 材 の 確 保 ','〃",""""""'""""'"儿 22 阯 鹽 2211Q 霾13.ソ フ ト開発の仕事 の確保 鷂簸G
20 JJ(n=214)
図12地 方 展 開 の メ リ ッ ト 一 方 ,抱 えて い る 問 題 点 と して は,地 方 ソ フ ト開発 市 場 の 伸 び,.'uみを あ げ る所 が 多 く,次 に地 方 ソ フ ト開 発 要 員 の技 術 力 の伸 び悩 み が あ げ られ て い る(図13)。 050 57 1.地元 ソ フ ト開 発 市 場 の 伸 び悩 み 12.地元 ソフ ト開発要員の技術力の伸び悩み
疂萇: 蔓 x 30 胃冨■ 1 3.地 元 ソ フ ト開 発 要 員 の モ ラ ー ル(士 気)低 下22
25(
n=214)
4.地 元 ソ フ ト開 発 要 員 の採 用 難 18 5.そ の 他 ・NA 図13地 方 展 開の 問題店(MA) 3.地 方 ソ フ トウ ェア企 業 の大 都 市 進 出 の 実態 本 節 で は,今 回 の ア ン ケ ー ト調 査 の 中で,地 方 都 市(東 京 都,大 阪 府,名 古 屋 市,横 浜 市,川 崎 市 以 外 の 都 市)に 本 社 を置 い て い る企 業(228社)に 対 して 大 都 市 進 出 の実 態 や 意 向 等 を 質 問 した結 果 を分 析 す る。 (1)大都 市 進 出 の 現 状 と意 向 近 年,大 都 市 に本 社 を置 い て い る ソ フ トウ ェ ア 企 業 が,地 方 展 開 を活 発 に行 っ て い る 一 方 で, 地 方 都 市 に 本社 を置 くソ フ トウ ェ ア企 業 が,大 都 市 に進 出 す る傾 向 も次 第 に顕 著 に な って きて い る 。 今 回 の ア ン ケ ー ト結 果 で も,す で に大 都 市(東 京 都,大 阪 府,名 古 屋 市 の3大 都 市)に 進 出 して い る企 業 が1/321),こ こ数 年 の うち に 進 出 す る こ と を考 え て い る企 業 が2割 に達 して お り,大 都 市 進 出 が 大 き な流 れ に な って い る こ と を示 して い る。 こ の 大 都 市 進 出 率 は,規 模 に よ る 違 い が 大 き く,大 規模 に な る程 高 くな る傾 向 が あ る。500人 以 上 の従 業 員 を抱 え る企 業 で は7割 が す で に進 出 して い る の に対 して,30人 未 満 の 企 業 で は2割 ヒ に も達 して い な い(図14)。 今 後 の 進 出 意 向 は 従 業 員 数 が30∼49入 と い った 小 さ な 企 業 で 多 く な っ て い る 。 ま た,大 阪 の 顧 客 比 率 が20∼59%の 企 業 の進 出 意 向 が6割 と高 くな っ て い る 。 資 本 系 列 で は,独 立系 が,ま た,主 要 業 務 で み る と,応 用 ソ フ ト開 発 の 一 括 受 託 の比 率 が 高 い (一定 程 度 以 上 の ソ フ ト開 発 力 を も っ て い る)企 業 が,高 い進 出 率 を示 して い る 。 資 本 系 列 か ら の受 注 が 容 易 な メ ー カ系 や ユ ーザ 系 と異 な り,独 立 系 は大 都 市 進 出 な しに は,大 都 市 か ら の継 続 的 な 仕 事 の 確 保 が むず か しい こ とが 背 景 に あ る と考 え られ る。 また,東 京 都 内 の顧 客 の 占 め る 割 合 で み る と,20∼39%の 企 業 一 東 京 都 内 の顧 客 を増 や す た め に 必 要 な ツ テが あ り,か つ メ リ ッ ト〔
大都市進 出〕
ゼ2ヶ 所以上
[n=228]
図14地 方 ソ フ トウ ェア企 業 の大都 市進 出の 現状 と意 向 も大 きい 所 一 の 進 出率 が6割 と高 くな って い る の が 注 目さ れ る 。 本 社 所 在 地 に よ る進 出 率 の違 い はノ亅丶さい 。 (2)大都 市 進 出 の 狙 い 地 方 の ソ フ トウ ェ ア企 業 が 大都 市 進 出 す る狙 い は,大 都 市 の ソフ トウ ェ ア企 業 が 地 方 展 開 す る 狙 い と全 く違 い,「 ソ フ ト開 発 の受 託 」 が 中心 で あ る(図15)。 特 に,応 用 ソ フ ト開 発 の 一 括 受 託 を主 要 業 務 とす る独 立 系 ソ フ トウ ェ ア企 業 で は,こ の傾 向 が 強 い 。 また,こ れ らの 進 出企 業 は,、 進 出以 前 か ら大 都 市 の 顧 客 か ら の ソ フ ト開 発 を受 託 して い る こ と もあ り,「 ソ フ ト開 発 途 中 で の 顧 客 との調 整 の 円滑 化 」 を 同時 に 狙 っ て い る 企 業 が 多 い 。 ソ フ ト開発 要 員 の確 保 を重 視 して 進 出 した企 業 は4割 弱 と予 想 以 上 に多 い が,潜 在 的Uタ ー ン希 望 者(若 い う ち は大 都 市 で 働 きた い が,将 来 は郷 里 に戻 りた い と考 え て い る 人)を タ ー ゲ ッ トに して い る もの と考 え られ る 。 ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ ダ ク ト等 の 販 売 拠 点 と して の 有 効 性 を重 視 した 企 業 は35%で あ る が,ソ フ トウ ェ ア ・プ ロ ダ ク トを主 要 業 務 と して い る企 業 の 場 合 は,ほ とん どが こ れ をあ げ て い る。 大 都 市 進 出 の ネ ック とな る地 価,ビ ル 賃 貸 料 を,進 出 に 際 して,重 視 した企 業 は4割 で 規 模 や非常に重視
覲
丶ANA 1.ソ フ ト開 発 の 受 託 可 能 性戮 嬲
2.ソフト開発途中での顧客との調整円滑化嫐 綴
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121814
巳 燃 嬲 笏1・ ≡≡三≡≡≡≡≡・≡・39 3.ソ フト開 発 要 員 の確 保3312415
4.ソ脇 ア・プ・ダクト鞴 灘 として酬 燃20≡ ≡1 19 3517 5.地 価 、 ビル 賃 貸 料 41125(n=74)
多少考慮/考慮した程度 考靂せず 図15大 都 市 進 出の際 、重視 した要 因(進 出済 企業)本 社 所 在 地 な どに は依 ら な い。 こ こ 数 年 の う ち に 大都 市 進 出 を考 えて い る 企 業 の狙 い も,す で に進 出 して いる企業 の狙 い とほ と ん ど同 じで,ソ フ ト開 発 の 受 託 が圧 倒 的 に 高 い。 (3)大都 市 進 出事 業 所 の 概 要 進 出 事 業 所 の 数 は,1ヶ 所 の 所 が 大 半 で,2ヶ 所 以 上 の所 は7%足 らず で あ る。 ま た ,立 地点 は 東 京 都 内 が8割 と圧 倒 的 に多 く,2割 が 大 阪府 内 で,そ の他 の 地 域 は ゼ ロ で あ っ た。 大 阪 府 内 の顧 客 比 率 が2割 以 上 あ る企 業 や,本 社 が 中部 よ り西 に あ る所 で 大 阪 立 地 が や や 多 くな っ て い る もの の,全 国 的 に東 京 志 向 が 強 く,東 京 に仕 事(発 注 先)が 集 中 して い る こ と を物 語 っ て い る。 大 都 市 に進 出 した 事 業 所 の概 要 を ま とめ る と次 の よ う に な る 。 ① 形 態:進 出事 業 所 の形 態 は,い ろ い ろ で 営 業 所,支 社,事 業 所 と い う名 称 を使 って い る所 が 多 い 。 ② 設 立 年:平 均 は1985年 ③ 従 業 員 数:設 立 当 初 は 平 均6.2人 と小 規 模 で あ っ たが,現 在 は約3倍 の17.8人 に増 え て い る。 ④ ソフ ト開発 業 務 と ソ フ ト開発 要 員:ソ フ ト開発 業 務 を行 っ て い る 事 業 所 は82%と 多 く,分 担 して い る 工 程 も幅 広 い 。 大 都 市 ソ フ トウ ェ ア企 業 の 地 方 事 業 所 と比 べ る と,上 流 の 要 求 定 義 ・分 析 と概 要 設 計 を分 担 して い る とこ ろ は,3割 も多 くな っ て い る 。 ま た, プ ロ グ ラ ム 設 計 や コ ー デ ィ ン グ は 地 方 事 業 所 よ り15%低 く,全 体 に上 流 工 程 に シ フ ト して い る こ とが わ か る。 ソ フ ト開 発 要 員 は平 均15。1人 で 全 従 業 員 の85%を 占 め,こ の う ち大 卒 の比 率 は約1/3と や や 高 い 。 こ の大 卒 比 率 は,企 業 に よ り違 い が 著 し く, 5割 以 上 の所 が28%も あ る 一 方 で,2割 未 満 の所 が23%も あ る(図16)。
(n=74)
図16ソ フ ト開発 要 員の 内の大卒 以上 の割 合 こ れ は,ソ フ ト開発 の 分 担 工 程 と密 接 に 関 連 して お り,上 流工程 を分担 してい る所 ほ ど大 卒 比 率 が 高 い傾 向 が み られ る。 ⑤ 地 元 出 身者 比 率(図17):大 都 市 事 業 所 従 業 員 の うち で 本 社 所 在 地(地 方)の 出 身 者 が 占 め る比 率 は,バ ラ ッ キ が 大 きい もの の,平 均 で6割 と非 常 に 高 い 。 こ れ は本 社 採 用 の Uタ ー ン希 望 者 を 「一 時 的 に」 大 都 市 に転 勤 させ て い る ケ ー ス が 多 い た め と考 え られ る。 地 元 出 身 者 比 率 が8割 以 上 の 所 が43%も あ る 一 方 で ,3割 以 下 の 所 も30%あ る こ と は大 都 市 事 業 所 の位 置 づ け に2つ の タ イ プ が あ る こ と を示 唆 して い る。 す な わ ち,自社 を あ くまで も地 方 の ソ フ トウ ェ ア企 業 と して 位 置 づ け,そ の 出先 と して 大 都 市 進 出事 業 所 を捉 え,地 元 出 身者 の ロ ー テ ー シ ョン(転 勤)で 事 業 所 活動 を続 け て い くや り方 と,自 社 を全 国 区 型 の企 業 へ と発 展 させ る こ とを考 え,大 都 市 進 出 事 業 所 をそ の 中心 と考 え,人 材 も地 元 出 身 者 に こ だ わ ら ない や り方,の2つ で あ る。 もち ろ ん,本 社 所 在 地 の大 都 市 か らの距 離 も多 少 は 影 響 して い る。 北 海 道 ・東 北 や 中 国 ・四 国 ・九 州 の ソ フ トウ ェ ア 企 業 の 場 合,3割 以 下 の 比 率 が40%弱 とや や 多 く な って い る か らで あ る。 また,従 業 員 規 模 に よ る違 い もあ り,大 規 模 に な る と地 元 出 身者 比 率 が 減 る傾 向 大 規 模 に な る と全 国 区型 企 業 志 向 が 増 え る た め が み られ る 。 (4)大 都 市 進 出 の メ リ ッ ト と 問 題 点 大 都 市 進 出 の メ リ ッ ト は,進 出 の 狙 い に 対 応 し て お り,ソ フ ト開 発 等 の 仕 事 の 確 保 お よ び 顧 客 と の 調 整 の 円 滑 化 に 関 し て,メ リ ッ ト が 大 き い と 評 価 し て い る 所 が7割 に 達 し て い る(図18)Qま た,ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ ダ ク ト等 の 販 売 の 伸 び に つ い て は,ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ ダ ク トの 開 発 ・販 売 を 主 要 業 務 と し て い る 企 業 を 中 心 に メ リ ッ トが 大 き い と評 価 選 8% :a
翌A
30%割 以 上 :鯔
≡ /4-7認 % 1≡≡≡≡:' ≡:° 図17大 都市 進 出事 業所従 業 員の 地 元 出身者 比率 さ れ て い る。 人材 の 確 保 に つ い て は狙 い と して い た 企 業 も少 な か っ た た め, す る企 業 も少 な い 。 メ リ ッ トが 大 き い とヒ
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↓
猷 1.ソ フ ト開 奔 等 の仕 事 が確 保 で きた鰈鑼驪驪 嬲轍ll鱒5
1 2.客 と の 調 整 が 円 滑 になり、評 価 が 上 がった欄鞴¥黐
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3.ソフトウェア・プロダクト等 の 販 売 が 伸 び た難灘 軅 碧22140
15;
4.人材 の 確 保 が で きた黝 舅1覇28143
15
t一 なし (n=74) 図18大 都 市 進 出 の メ リ ッ ト評 価 特 に,仕 事 確 保 の メ リ ッ トが 大 きい と評 価 して い る の は,応 用 ソ フ ト開 発 の一 括 受 託 を 主 要 業 務 と して い る企 業 や 中 国 ・四 国 ・九 州 に本 社 を置 く企 業 に 多 くな っ て い る。 また,東 京 や 大 阪 の顧 客 依 存 度 が 高 い企 業 ほ ど こ の メ リ ッ トを強 調 す る傾 向 が あ り,大 都 市 事 業 所 の 設 置 に よ って 大 都 市 で の 仕 事 確 保 に成 功 した結 果 とみ なす こ とが で きる 。 一 方,大 都 市 進 出 に伴 う問 題 点 に つ い て は,地 代,ビ ル 賃 貸 料 の 高 騰 が 最 も多 く(81%),付 随 す る従 業 員 の 住 宅,寮 の確 保 困 難 性(69%)と ソ フ ト開 発 要 員 の採 用 難(62%)の2つ が そ れ に続 い て い る。 進 出 した1985年 頃 に は,そ れ ほ ど深 刻 で は なか っ た これ らの要 因 が,1980年 代 末 か ら急 速 に 出 現 した こ とに よ る 。 本 社 と の 交 通 の 便(37%),ソ フ ト開 発 要 員 の 定 着 率 の 低 さ (23%),そ の 他 の 問 題 を あ げ る企 業 は,そ れ 程 多 くは な い 。(5)大都 市 進 出 の 総 合 評 価 東 京,大 阪 へ の 進 出 を 現 在 ど う 評 価 して い る か,と い え ば,図19の よ う に,大 成 功 と成 功 を あ わ せ て9割 以 上 に 達 し て い る 。 失 敗 と い う 評 価 は1%(1社 の み)で あ り ,「 ど ち ら と も 言 え な い 」 を あ わ せ て も16%と 少 な い 。 こ の よ う な 評 価 は,東 京 ・大 阪 の 顧 客 率 が 低 い と こ ろ や ソ フ ト ウ ェ ア ・プ ロ ダ ク ト等 の 開 発 ・販 売 を 主 要 業 務 と し て い る と こ ろ で 厂ど
(n=74)
図19大 都 市進 出の 総合評 価 ち ら と も言 え な い」 と い う評 価 が や や 多 くな って い る以 外 は,地 域 差 や 業 務 内 容 ,資 本系 列,従 業 員 規 模 に よ らな い 。 4.地 方 都 市 に お け る ソ フ トウ ェア企 業 の発 展 可 能性 と課 題 (1)大都 市 ソ フ トウ ェ ア企 業 の 地 方 展 開 が 地 元 ソ フ トウ ェ ア企 業 に 及 ぼ す影 響 の 認 識 大 都 市 ソ フ トウ ェ ア企 業 の地 方展 開 が 進 む 中 で,地 方 都 市 の ソフ トウ ェ ア企 業 は ど の よ うな 影 響 を受 け て い るの で あ ろ うか 。 まず,地 方 都 市 へ の 進 出状 況 を み る と,あ る程 度 の 規 模 の ソフ ト ウ ェ ア企 業 が 立 地 して い る地 方 都 市 で は,ほ とん ど大 都 市 か ら の進 出 が あ る。 地 方 都 市 の ソ フ ト ウ ェ ア企 業 の8割 以 上 が,大 都 市 か らの ソ フ トウ ェ ア企 業 の 進 出地 域 に 立 地 して お り,何 らかの 影 響 を受 け て い る。 大都 市 の ソフ トウ ェ ア企 業 の進 出 に よ る地 元 ソ フ トウ ェ ア企 業 に対 す る 影 響 と して は,人 材 難 , 採 用 難 の 加 速,地 元 ソ フ ト市 場 の奪 い合 い,下 請 け 化 とい った マ イ ナ ス面 と技 術 移 転 や ソ フ ト開 発 の仕 事 が 大都 市 か ら回 って くる,と い った プ ラ ス 面 が 考 え られ る。 こ れ らに つ い て の認 識 を 図 20で み る と,地 元 ソ フ トウ ェ ア企 業 は,マ イ ナ ス面,特 に 人材 難 採 用 難 の加 速 と地 元 ソ フ ト市 場 の奪 い 合 い,を あ げ る と こ ろが 多 い の に対 して,大 都 市 の ソ フ トウ ェ ア企 業 は,ソ フ ト開 発 の 仕 事 が 回 る こ とや技 術 移 転 とい っ た プ ラ ス 面 を強 調 し,マ イ ナ ス 面 は少 な い と考 えて い る こ とが わ か る 。 地 方 の ソ フ トウ ェ ア企 業 の こ う い っ た認 識 は,以 下 の 点 を 除 く と,規 模 や地 域 ,大 都市へ の顧 450 1.人 材 難 、 採 用 難 の 加 速 2.地 元 ソ フ ト市 場 の 奪 い合 い 3.ソ フ ト開 発 の 仕 事 が 回 ってくる 4.下 請 け 化 の 恐 れ 5.技 術 移 転 II 「1 1巳 薩 l l77 上 段:地 元 ソフ 112 35 116 121 164 下 段:大 都 市 ヨ55 L15 16 7]8 図20地 方 進 出が地元 ソ フ トウェア企 業 に及 ぼす影 響 の認識畑 萎
業
客 依 存 度 に よ らず 共 通 して い る。 ① 中 部 ・近 畿 地 方 の企 業 は,人 材 難 ・採 用 難 の加 速 を あ げ る所 が や や少 な い(66%)。 ② 関 東 ・甲信 越 地 方 の企 業 は,地 元 ソ フ ト市 場 の 奪 い合 い をあ げ る所 が 少 な い(16%)。 この 地 方 は東 京 とい う巨 大 需 要 地 に近 く,ソ フ ト需 要 が 豊 富 で あ る こ と を反 映 して い る, と考 え られ る。 ③ 大 都 市 の ソ フ ト開発 の 仕 事 が 回 って くる,と 考 え て い る の は,従 業 員 規 模 が50人 未 満 の と こ ろ に や や 多 い(27%)。 (2)地元 自治 体 の育 成 策 と そ の 評 価 地 元 自治 体 は,地 場 産 業 育 成 ・活性 化 の一 環 と して,あ る い は情 報 化 促 進 の一 環 と して,様 々 な ソ フ トウ ェ ア産 業 育 成 策 を うっ て い る。 地 方 の ソ フ トウ ェ ア企 業 は,こ の 育 成 策 を ど うみ て い る の で あ ろ うか 。 まず,地 元 自治 体 の 態 度 が 熱 心 か ど うか を尋 ね た と こ ろ,図21の よ う に,熱 心 と評 価 した 所 が 約 半 数,「 熱 心 で は な い 」 も し く は 「何 をや っ て い る か を知 らな い」 所 が 約 半 数 あ った 。 何 らか の対 策 を う っ て い る と認 識 して い る企 業 が 半 数 あ る,と い う こ とで あ るが,そ の う ち の 半 数 は 「や や 熱 心 」 とい う評 価 で あ り,「 非 常 に 熱 心 」 と い う認 識 を持 っ て い る企 業 は, 全 体 の1割 に も満 た な い 。