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巻頭言(岐阜聖徳学園大学看護学研究誌創刊号)

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Academic year: 2021

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岐阜聖徳学園大学看護学研究誌 創刊号 2016

岐阜聖徳学園大学看護学研究誌創刊に寄せて

                   看護学部長 

大見 サキエ

 幼子が「あれは、なあに?」、「これは、なあに?」と好奇心旺盛に指差して様々な質問をする 光景はよく見かけることです。さらに「なぜ、空は青いの?」に代表されるような「なぜ」、「ど うして」とその理由を知りたがり、周囲の大人を困らせることもあります。今でこそ、「なぜ空 が青いか」については、科学的見地から説明はできるでしょうが、過去には返答に窮したこと でしょう。科学が進んだ現代においては、研究の成果として様々な「なぜ?」が解明されつつあ ります。人は環境との相互作用によって生きています。周囲の様々な事象に興味・関心を持ち、 追究しようとする姿勢は、人間の素晴らしい才能といってよいでしょう。研究は「何?」、「な ぜ?」というささやかな興味・関心、疑問から始まり、分野によっては「どうしらよいか?」と 追究し続けて成果が表れてくるものです。  広辞苑を見ると研究とは「良く調べ考えて真理をきわめること」とありますが、南は看護研究 とは「疑問に答えたり、問題を解決したりするために、組織だった科学的方法を用いて行う系 統的な探究である」と定義しています。今日まで看護研究は看護実践のために科学的基盤を確 立する上で重要な役割を果たしてきました。ここ40 数年の看護研究の歴史をみると、様々な 分野の研究方法を取り入れて著しく発展してきました。経験上誰もがなんとなく知っている(つ もりの)看護の方法は、根拠を示しながら提示されるようになり、研究は看護の質向上に多大 な影響を与えてきました。例えば「褥瘡のケア」は「皮膚を清浄にした後、乾燥させて、湿潤さ せない」というのが大原則でしたが、皮膚の回復の機序が明らかになるにつれ、それは大きな 間違いであることが判明しました。その後は「皮膚を清浄にした後、乾燥させず、適度な保湿 を心掛ける」というように大転換したわけです。「当たり前=自明の理」と思われているケアの 原則をも見直し、研究することで日々看護の質は向上し続けています。従って看護研究を行う ことは、看護専門職の大きな責務でもあります。  さて、看護研究を進めるに当たり、帰納的方法か、演繹的方法かの枠組みを設定してから、 具体的な研究方法を選択します。その課題に合った研究方法を選択する必要があります。最近 では、帰納的質的研究方法が多数見受けられますが、どの研究手法か明記されずに結果を出し ている論文が多いように感じます。量的研究、質的研究のいずれにしても一つの研究方法をしっ かり学んだ上で取り組むことが、より研究成果の信頼性や妥当性を高め、ひいては看護の質向 上に貢献できると考えます。  医学は日進月歩、それに付随して、看護も同様です。この看護学研究誌の役割の一つは、多 くの研究者、特に若手研究者に研究発表の機会を提供し、研究意欲を高めることにあります。 今後、岐阜聖徳学園大学看護学研究誌が有意義なものとして継続、発展していくことを期待し ています。 -1-

巻 頭 言

参照

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