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早出料請求権に関する諸問題(一)

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八論

1-一『奈良法学会雑誌』第4巻4号 (1992年3月〉

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早出料請求権に関する諸問題

民 次 はじめに 第一章早出料の意義(本号﹀ 第二章早出料の計算 第 一 節 序 説 第二節船積期間不算入日たる日曜・休日の早出日数への算入 第三節目曜・休日以外の船積期間不算入日 第三章早出料と運送品の一部不積 第 一 節 序 説 第二節運送品の一部不積に基づく船舶の発航 おわりに

(2)

第4巻 4号一一2

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め 海上物品運送の委託当事者である傭船者は、船積期間中、傭船契約上の権利として船積をすることができるの に対し、運送人は、同期間中、傭船契約上の債務の履行として船積港に船舶を碇泊させて船積を待ち受ける義務を負 う ( 商 法 七 四 一 条 一 項 、 七 回 二 条 、 国 際 海 上 物 品 運 送 法 ( 以 下 ﹁ 際 海 運 ﹂ と い う ) ニ

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条一項)。そして、船積期間(超過碇泊期 間の特約があれば、その期間)が終了すれば、船積が完了していないときでも、運送人は、もはや船積を待ち受ける 義務はなく、直ちに船舶を発航させることができる(商法七四四条一項、際海運二

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条 一 項 参 照 ) 。 、 も っ と も 、 船積期間 は傭船者の船積のために認められる期間であることから、同期間中に如何ような方法で船積を行うかは傭船者の自由 である。このため、運送人は、通常、船積が可能な限り早く完了することについて関心を持つにもかかわらず、船積 期間中に船積を迅速に行うよう傭船者に請求することはできない。しかしながら、実際には、船積が船積期間の終了 前に完了して、船舶が船積期間の終了前に発航できるようになる場合がしばしばある。このように、船積が船積期間 ﹁船積が船積期間の終了前に完了して、船舶がそ の期間の終了前に発航(いわゆる早出し)できた場合には、運送人は、船舶の早出日数に応じて傭船者に報酬を支払 の終了前に完了する場合に関し、運送人と傭船者とは特約をして、

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旨を合意することがある。このような特約がある場合に、船舶が早出しとなったときは、運送人は、傭船者に 約定の報酬を支払わなければならない。この報酬を早出料宮町田宮 RVBS ミ ・ 号 告 白 同 門 F ・

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甘 え 内 同 町 三 宮 岳 町 ) ( 2 ﹀ と い う 。 ところで、航海傭船契約における傭船料は一般に船舶の種類・噸数、海運市場における船舶の需給関係、航海 期間などによって決まり、その航海期間の一部を構成する船積期間の日数は原則として運送品の種類・数量、船舶の

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形態・噸数、船舶・港湾の荷役施設等を劃酌して決定され羽山船積期間がその合理的な日数より長い日数で特約され、 かつ早出料の特約がある場合には、船舶は容易に早出しとなり、早出料が傭船者に支払われることになるが、それは 傭船料の実質的軽減にほかならない。しかし、船積期間の日数が合理的な日数である場合には、早出料の支払いを特 約して船積が船積期間の終了前に完了することを奨励するのは、運送人および傭船者の双方にとって有益であるのみ 3官一卒出料請求権に関する諸問題付 ならず、船舶および港湾施設の有効・合理的な利用という国家経済的見地においても合目的的である。それゆえ、今 日ほとんどの航海傭船契約書式において早出料に関する条項が設けられており、その早出料の一日当たりの料率は、 通常あらかじめ特約される。その特約として、例えば、日本海運集会所が作成した

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七条は、﹁早 出料は、船積港又は陸揚港において節約した碇泊期間について、連続二四時間を一臼とする一日当り:::の割合で、 一日未満の分は按分で傭船者に対して支払う。﹂と定める。このように、早出料の一日当たりの料率は、具体的に特約 されるのが通常であるが、早出料を決定する基準としての早出日数の計算方法について、右の約款では何ら定めると ころがなく、また他の航海傭船契約書式の早出料約款においても同様である。このため、早出料の額の決定について 契約当事者聞に生ずる紛争は、連続日つまり暦(カレンダー)にしたがって早出日数を計算すべきか否かの争いにほ かならない。換言すれば、特約または船積港の慣習もしくは規則(例えば、商法七四一条三項)によって認められる船 題 積 と 期 な 間 る官不 。〉算 入 日 例 .:z. tま 日曜日、休日、不可抗力による船積不能の日など)を早出日数に算入すべきか否か、が問 また、早出料の支払いが特約される場合には、次のような問題も存在す抗日傭船者は、都合によって一部の運送品 の運送を取り止めたい場合に、船積期間の終了前でも運送人に対し運送口聞の一部不積のままで船舶の発航を請求する こ と が で き る が ( 商 法 七 四 三 条 一 項 、 際 海 運 二

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条一項)、この請求を受けた運送人が運送口聞の一部不積によって行うべき

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第4巻4号ー-4 諸処置(例えば、船積された運送品の積付変更、船舶の安全性を確保するための処置等)を終えた後、なお不使用の 船積期間がある場合、および船舶が運送品の一部不積のままで発航したならば、船積されなかった運送口問の陸揚が行 われないため、船積された運送口聞の陸揚が陸揚期間の終了前に完了して、陸揚期聞が節約された場合に、傭船者は、 その不使用船積期間および節約された陸揚期間の日数に応じて運送人に対し早出料を請求することができるか否か、 の問題がそれである。 そうした早出料に関する諸問題についての研究は、現在までのところ、わが国ではほとんど行われていないのが実 状である。しかしながら、早出料の特約は、今日、航海傭船契約における重要かっ不可欠の一要素になっており、そ して早出料に関する法律問題は運送人および傭船者双方の関心事になっている。そこで、本稿では、早出料請求権に まつわる諸問題を課題として取り上げ、必要に応じてドイツの判例・学説等をも紹介しながら、若干の考察・検討を 試みてみたい。以下、論述の順序として、まず、第一章では早出料の意義、次に、第二章では早出料の計算、最後に、 第三章では早出料と運送品の一部不積とについてそれぞれ論述する。 ( 1 ) 汽 船 マ リ ア ・ ロ セ ロ 号 航 海 傭 船 契 約 紛 議 仲 裁 判 断 ( 昭 和 三 七 年 一 二 月 一 一 一 一 日 裁 定 ・ 東 京 、 日 本 海 事 仲 裁 判 断 全 集 ( 続 ) 二 七六頁)は、碇泊期間並びに滞船料及び滞船期間が約定されているときは、船主は当該船舶を、碇泊期間中はもとより、約 定滞在期間中についても、原則として滞船料の支払を受け積地に滞泊せしめておくべきであり、僚船者の船積不準備だけで は 、 特 約 が な い 限 り 正 当 に 発 航 で き る と い う こ と に は な ら な い 、 と 裁 定 す る 。 小 町 谷 操 一 一 一 ﹁ 海 商 法 研 究 第 四 巻 ﹂ 一 四 六 頁 、 一 九 六 頁 参 照 。 陸揚に際しては、陸揚期間(超過碇泊期間の特約があれば、その期間)が終了してもなお陸揚が行われない場合には、運 送人は、運送品を供託してその引き渡し義務を免れることができる(商法七五四条、際海運二

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条一司君。田中誠二﹁海商 法 詳 論 ( 増 補 版 ) ﹂ 二 八 三 頁 参 照 。 ( 2 ) 早 出 料 の 他 に 早 手 仕 舞 料 の 語 句 も 使 用 さ れ て い る よ う で あ る ( 小 町 谷 操 三 ﹁ 海 商 法 要 義 中 巻 一 ﹂ 二 四 頁 ﹀ 。

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( 3 ﹀ ︿4 ) 田 中 ( 誠 ) ・ 二 七 四 頁 参 照 。 碇 泊 期 間 と は 、 船 積 期 間 と 陸 揚 期 間 と を 併 せ た 期 聞 を い う 。 ロ ン ド ン 会 議 ( 傭 船 契 約 碇 泊 期 間 ﹀ 定 義 集 六 条 参 照 。 村 田 治 美 ﹁ 体 系 海 商 法 ﹂ 一 八 六 頁 。 司 ﹃

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と七 条 の 早 出 料 約 款 等 が あ る 。 ( 6 ) 早 出 料 に 関 す る 法 律 問 題 は 船 積 期 間 と 陸 揚 期 間 と の 双 方 に ほ と ん ど 同 じ よ う に 発 生 す る た め 、 以 下 、 船 積 期 間 に つ い て 論 述 す る こ と は 、 別 段 の 記 述 が な い 限 り 、 陸 揚 期 間 に も 該 当 す る 。

第一章

5一一早出料請求権に関する諸問題臼 まず早出料請求権が発生する法的根拠について検討する。その法的根拠は、商法上の規 定にあるのではなく、むしろ実際的要請という法律的現実が認容されているところにあるとされている。この点は、 日本ばかりではなく、他の海運先進諸国においても同様といってよい。早出料について、わが商法には規定が置かれ 序 論 述 の 都 合 上 、 ていないが、海運の市況などの如何によっては船舶の早出しが常に運送人の利益につながるとは限らず、場合によっ ては、運送人は、早出料の支払いを回避するほうが得策で、船舶の早出しを希望しない場合さえある。この意味にお いて、早出料の法定は必ずしも海運実務の要請に合致するとはいえず、実際には具体的場合に応じて個々に契約当事 者聞で早出料の支払いが特約されるのが通常である。このように、早出料の支払いは特約により個々に合意されるの が実際であるため、早出料請求権その他早出料に関する権利・義務は、それに関する特約すなわち早出料約款の解釈 にまつほかない。しかし、早出料約款は具体的場合に応じて個々に合意されることから、それについて画一的・統一

(6)

第4巻4号一一6 的解釈を確立することなどは、困難といわざるをえない。 次に、早出料の支払いが特約されるその趣旨については、傭船者に早出料を与えて船積が船積期間終了前に完了す ることすなわち船積の早期完了を奨励することにあると解されてい訂 w そうした早出料の支払いを運送人が特約する のは、船積の早期完了によって船舶の早出しが実現されれば、運送人にとっては、節約された船積期間の日数に応じ て碇泊費用その他を節約することができるばかりでなく、その節約期事け次に予定する配船計画の着手を早めるこ とができて有利だからである。もっとも、早出料の特約は、船積の早期完了義務を傭船者に課したり、船舶の運送品 受取能力を超える運送品受取義務や通常の営業時間経過後の運送品の受取義務を運送人に課したりするものでないこ とは自明の理である。 ところで、実際に早出料の支払いが特約されるのは、船積期間の長さすなわち日数が傭船契約の締結時に確定して いるか、または事後にその日数を決定する旨の特約が傭船契約上に存在する場合に限られるのであって、そうでない 場合には、早出料の支払いは特約されない。例えば、﹁船舶の受け入れ可能な限り迅速に船積﹂

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色 町 田 匂 回 一 文 M F ・ 開 口 ・ 年のロンドン会議(傭船契約碇泊期間)定義集二九条は、﹁早出料﹂について、﹁八早出料

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とは、船舶が碇泊期間終了前に船積され、または陸揚されたとき、運送人が支払う金額である。﹂と定義すい幻 w ロ M O ロ 巾 山 、 一

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・ ∞ 。 ・ ( 5 ) 本稿では、船舶が早出しとなった時から船積期間の終了時までの期聞を仮に節約期間と呼ぶことにするが、この節約期間 は、節約された船積期間と、船舶の早出し時から船舶が碇泊すべきであった船積期間の終了時までの聞に含まれる船積期間 不算入日(第二章参照﹀とを併せた期間である。 ( 6 ) 山戸嘉一﹁碇泊期間と滞船料﹂一九三頁、小町谷・﹁海商法研究第四巻﹂一七

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頁 参 照 。 ︿7 ) 高橋正彦﹁標準航海傭船契約の研究﹂四七

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頁は、﹁碇泊期聞が確定されていない場合には、早出料は支払われないが、 これは傭船者の義務が、当時の事情下において、能う限り迅速に荷役を完了する、というにあるため、早出料の発生する余 地がないからである。﹂と述べる。日本海運集会所が作成した運送契約書(内航船用)六条二項は、﹁碇泊期間内に船積又 は揚荷が終了したときは、運送人は、未使用の碇泊期聞に対して表記の早出料を支払わなければならない。ただし、

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・ Q -D の場合は、この限りでない。﹂と定め、この C ・ Q-D につき、同集会所作成の航海傭船契約書︿一九六

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﹀七条一項 は、﹁八

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・ Q ・ D ﹀本船の積揚荷役作業は、積地又は揚地の慣習に従いできるだけ迅速に行われなければならない。﹂と

定める。ロンドン会議(傭船契約碇泊期間﹀定義集七条、大木一男﹁用船契約の実務的解説﹂二三九頁参照。︿相手関山口-t

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語 宮 田 町 若 山 門 邑 ・ ﹂ と 定 義 す る 。 田 中 ( 誠 ) ・ 二 七 四 頁 参 照 。 早出料請求権の発生要件 早出料請求権の発生要件は、早出料の特約が行われ(形式的要件)、 かっ約定数 量の運送品の船積が船積期間の終了前すなわち早期に完了して船舶の早出しという事実が存在すること(実質的要件﹀ で あ る 。 形式的要件船舶の早出し日数に応じて早出料が運送人から傭船者に対し支払われる旨の特約がなされている その特約は、明示の合意を要し、黙示の合意では足りないと解すべきである。それというのも、傭船契約の と 当事者たる傭船者が常に荷送人、船積人、荷受人等を兼ねるとは限らず、例えば、傭船者でない荷受人が運送品の陸 揚港到達後に傭船契約上の権利を取得する場合ハ際海運ニ

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条二項、商法五八三条一項﹀などに、早出料の支払いおよび その取得者につき契約当事者聞に争いが生じうる余地を残すべきではないからである。

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実質的要件約定数量の運送品の船積が船積期間の終了前すなわち早期に完了して船舶の早出しという事実が 存在すること早出料は船舶の早出しに対する報酬であり、早出料が支払われるのは、約定数量の運送品の船積が 船積期間の終了前に完了して、船舶の早出しという事実が存在することを要する、と解されている。したがって、船 積完了以外の事由、例えば、傭船者が運送品の一部不積(第三章参照﹀のままで運送人(実際には船長)に対し船舶の 発航を請求したことハ商法七四三条一項、際海運ニ

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条一項﹀により船舶が船積期間の終了前に発航した場合には、傭船

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9一一早出料請求権に関する諸問題日 者は、早出料の特約があるときにも、運送人に対し早出料の支払いを請求することはできない。もちろん、傭船者が 早出料請求権を取得するためには、船舶が船積の完了により船積期間の終了前に発航できるようになったことで足り、 船舶が掛積期間の終了前に実際に発航したか否かは、早出料請求権の発生に影響を与えないと解すべきであろ

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な ぜなら、傭船契約上の債務の履行として船積港に船舶を碇泊させて船積を待ち受ける、運送人の義務が船積の完了に よって終了したならば、運送人(実際には船長)は、航海準備を整え、遅滞なく船舶を発航させなければならないが、 船舶の具体的発航時期を決定し、それを実際に発航させるか否かは、運送人が決定すべきことだからである。 ハ1 ﹀ 例 え ば 、 早 出 料 の 特 約 に は 、 ﹁ 早 出 料 は 、 船 積 港 又 は 陸 揚 港 に お い て 節 約 さ れ た 碇 泊 期 聞 に つ い て 、 連 続 二 四 時 間 を 一 日 と す る 一 日 当 た り : : : の 割 合 で 、 一 日 未 満 の 分 は 按 分 で 、 傭 船 者 に 対 し て 支 払 う 。 船 積 港 に お け る : : : 早 出 料 は 、 : : : に お い て 清 算 し 、 陸 揚 港 に お け る : : : 早 出 料 は 、 : : : に お い て 清 算 す る 。 ﹂ ハ

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四 条 ﹀ の 約 款 が あ る 。 小 町 谷 ・ ﹁ 海 商 法 研 究 第 四 巻 ﹂ 一 二 四 頁 。 ( 2 ﹀ 山 戸 ・ 一 九 五 頁 以 下 、 石 井 ・ 二 二 八 頁 、 田 中 ハ 誠 ﹀ ・ 二 七 四 頁 、 村 田 ・ 一 八 六 頁 参 照 。 ︿ 包

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・ 早出料の法的性質について、早出料は、これを船積の早期完了に対して傭船者に支払わ れる約定の報酬である、と解されていハやこれに対し、ある見解によると、早出料とは日数節約割戻金とも称せられ るもので、碇泊期間の定めがある場合において、傭船者がその契約期聞を早めて荷役を完了したとき、船主がその節 約期間に対して支払う割戻金である、と解されていむ w ところで、船積の早期完了により節約された船積期間の日数に応じて支払われる早出料は、船積期間終了後の船舶 早出料の法的性質 の碇泊日数に応じて支払われる碇泊料(超過碇泊料ともいい、実務では滞船料ともいう。)と対比されることがしばし

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第4巻4号 10 ばある。それゆえ、碇泊料の法的性質について、それを損害賠償と解する説とそれを報酬と解する説(商法七四一条二 項参照)とがあることから、碇泊料の場合と同様に早出料の場合にもその法的性質について争いがあると考えられが ちである。しかし、早出料と碇泊料とでは、それらの発生する法的根拠を異にしていること、および早出料は傭船者 側に生じた経済的損失を填補する性質を有していないことから、早出料の法的性質は、これを船積の早期完了に基づ く傭船者側の損害賠償である、と解したりする余地はない。すなわち、碇泊料の場合には、その特約がないときにも、 船舶が超過碇泊すれば、その超過碇泊日数に応じて、運送人は法の規定 ( 商 法 七 四 一 条 二 項 、 七 五 二 条 二 項 、 際 海 運 二

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条一項)に基づいて傭船者に対

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碇泊料を請求することができるのに対し、早出料の場合には、その特約がないなら ば、傭船者は、船積が早期に完了しても、運送人に対し早出料を請求することはできない。また、碇泊料の法的性質 を損害賠償と解せずに、これを報酬と解するとしても、碇泊料が船舶の超過碇泊により運送人に生じた経済的損失を 填補する性質を有するものであることを否定することはできない。他方、船舶が早出しとなり、早出料が支払われる 場合には、船積の早期完了が奨励されて、その早期完了により傭船者が荷役人夫に支払ったりする一定の報奨金は別 として、傭船者の側に損失は発生していないのであるから、早出料の法的性質は、これを船積の早期完了に基づく傭 船者側の損失の賠償である、と解さなければならない理由はない。 ( 1 ) 田 中 ( 誠 ) ・ 二 七 四 頁 、 石 井 ・ 二 二 八 頁 、 村 田 ・ 一 八 六 頁 、 山 戸 ・ 一 九 三 頁 、 小 町 谷 ・ ﹁ 海 商 法 研 究 第 四 巻 ﹂ 一 九 九 頁 参 照 。 ドイツでは、早出料の法的性質について、早出料は、傭船期間の短縮による傭船料の一部返還とか、碇泊料の対立概念

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コ 一 三 六 頁 、 戸 田 ・ 一 七 五 頁 参 照 。 ( 5 ) ド イ ツ 連 邦 最 高 裁 判 所 ( 切 の 国 ) 一 九 八

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年 一 一 月 六 日 判 決 、 ︿ m g 何 回 申 ∞ N ∞

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・ 四 早出料請求権の取得者 11一一早出料請求権に関する諸問題付 早出料請求権を取得する者は、原則として傭船契約上の運送委託当事者たる傭船者である。ただ、傭船者 自身が荷受人を兼ねる場合には、早出料の取得者について問題はないのであるが、陸揚港において傭船者でない荷受 人が陸揚を行い、その陸揚の早期完了により船舶の早出しが実現した場合に、荷受人は、陸揚港における早出料の請 求権を取得することができるか否か。この点については、船荷証券(商法七六七条以下、際海運六条以下参照)が発行さ れない場合とそれが発行された場合(商法七六七条、際海運六条一項)とで差異がある。 付 序 船荷証券が発行されない場合 船荷証券が発行されない場合の荷受人の権利取得について、際海運二

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条二項 仁) が﹁運送品カ到達地ニ達シタル後ハ荷受人ハ運送契約ニ因リテ生シタル荷送人ノ権利ヲ取得ス﹂と定める商法五八一一一 条一項を準用していることから、国際海上物品運送においては、荷受人の権利取得の問題が立法的に解決されている ので、国際海上物品運送における荷受人は、運送品が陸揚港に到達したときから傭船(運送)契約上の権利すなわち 早出料請求権を取得することになる(際海運ニ

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条 二 項 、 商 法 五 人 三 条 一 項 ) 。

(12)

第4巻 4号一一12 これに対し、船荷証券が発行されない場合の荷受人が園内海上物品運送においても運送品の陸揚港到達のときから 傭船契約上の権利を取得するか否かについては、海商編に特別の規定が設けられていないので、判例・学説は分かれ ていた。すなわち、海商編には、際海運二

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条二項のように、商法五八三条について定める規定がないことを根拠に して圏内海上物品運送における荷受人の権利取得を消極に解する説が存在しおしかし、今日では、商法五八三条一 項を圏内海上物品運送にも準用する説(通説・判例)、同条同項を圏内海上物品運送に適用する説、または運送契約 は荷受人たる第三者のためにする契約であるとする説の立場から、船荷証券が発行されない場合の荷受人が圏内海上 物品運送においても運送品の陸揚港到達のときから傭船契約上の権利を取得することを積極に解すべきであるとされ ている。こうした荷受人の権利取得を積極に解する説のうち、商法五八三条一項を圏内海上物品運送に適用する立場 に立って荷受人の権利取得を積極に解するいわゆる適用説によると、運送の性質から考えて圏内海上物品運送を国際 海上物品運送および陸上物品運送から区別すべき理由はなく、商法五八三条一項は物品運送に関する一般的規定とし て国内海上物品運送の場合の荷受人にも適用される、と解されている。この見解に従えば、船荷証券が発行されない 場合の荷受人は、圏内海上物品運送においても商法五八三条一項の定めにより運送品が陸揚港に到達したときから傭 船契約上の権利を取得するため、傭船契約上の権利である早出料請求権を取得することになる。 同船荷証券が発行された場合①船荷証券が発行された場合には、船荷証券の取得者は、その取得の時に荷受 人となり、同証券によって表彰される傭船契約上の権利を取得す一信それゆえ、船荷証券によって表彰される傭船契 約上の権利の中に早出料請求権が含まれていれば、船荷証券の正当な所持人である荷受人は、早出料請求権を取得す ることとなるが、しかし、早出料請求権は船荷証券に記載されるべき法定事項︿薦法七六九条、際海運七条参照﹀ではな く、また船荷証券によって表彰されるべき傭船契約上の権利の内容については、学説が分かれている。

(13)

②船荷証券によって表彰されるべき傭船契約上の権利について、通説は、船荷証券は傭船(運送)契約上の運送 品引渡請求権を表彰する有価証券である、と解している。これに対し、村田博士は、船荷証券が発行されない場合の 荷受人が運送品引渡請求権のみならず広く﹁運送契約ニ因リテ生シタル権利﹂(商法五八三条一項﹀を取得する以上、 船荷証券が発行された場合の荷受人つまり船荷証券所持人も同様に広く﹁運送契約一一因リテ生シタル権利﹂を取得し てしかるべきである。船荷証券には単に運送品引渡請求権のみならず、それを包含してより広範な権利である﹁運送 契約ニ因リテ生シタル権利﹂すなわち運送給付請求権が表彰されていなければならない、と述べておられ抗 w そ し て 、 この運送給付請求権について、運送契約は請負契約の性質を有し、運送人は、運送品の場所的移動という単一の給付 (運送給付)の履行のために、まず発送地で荷送人から運送品を受取ったうえ、これを保管・運送して到達地にいた り、そこで荷受人に運送品を引渡す等という一連の労務を行なわなければならないから、運送債権者はそうした運送 13一一早出料請求権に関する諸問題付 人に対しそれら各労務についてそれぞれ別個独立の請求権(債権)を有するというよりも、むしろそれら労務の結果 としての運送給付を請求する権利つまり運送給付請求権をただ一つ有するににぎない、と解しておられ一知 次には、これらの学説にいう﹁運送品引渡請求権﹂および﹁運送給付請求権﹂と早出料請求権との関係につい ③ て若干の検討を行い、私見を述べることにする。 ( イ ﹀ まず、通説のように、船荷証券は傭船契約上の運送品引渡請求権を表彰する有価証券であると解して、その ﹁運送品引渡請求権﹂は、運送人から荷受人へ運送品の占有を移転さぜることを求める権利(債権)だけでなく、よ り広い意義における﹁運送品の引き渡しに必要な一切の業務をなすことを請求する権利(債権)﹂(例えば、船舶の陸 揚施設が故障して、陸揚期間が中断した場合に、その修理を迅速に行うことを求める権利)を含むと解するとしても、 この﹁運送品引渡請求権﹂の中に陸揚の早期完了によって初めて生ずる早出料請求権は含まれていないと考えられる。

(14)

第 4巻 4号一一14 それというのも、﹁運送品の引渡﹂とは、運送人の傭船契約上の債務を終了させるために、運送人から荷受人へ運送 品の占有を移転することをいい、﹁運送品引渡請求権﹂は﹁運送品の引渡﹂を求める権利であり、さらに﹁運送品引 渡請求権﹂が﹁運送品の引き渡しに必要な一切の業務をなすことを請求する権利﹂を包含するとしても、それは、運 送人に対して﹁運送品の引渡﹂のために必要な種々の業務を行うことを求めることができる権利にすぎない。つまり、 ﹁運送品引渡請求権﹂は、運送人に対し傭船契約上の債務(運送給付)の履行として運送品の場所的移動という給付 の一部である﹁運送品の引渡﹂の履行を求める権利つまり運送人に対し傭船契約上﹁なすべき債務﹂の 履行を求める権利である。一方、早出料請求権について言えば、陸揚を早期に完了させることは、運送人がなすべき 運送給付の履行上の債務ではなく、運送債権者である荷受人の傭船契約上の対応の問題であり、早出料請求権は運送 ( 運 送 給 付 ) 債権者である荷受人の﹁なした陸揚の早期完了﹂に基づいて発生する傭船契約上の権利である。したがって、通説の いう﹁運送品引渡請求権﹂とここにいうところの早出料請求権とでは、それらの性質および発生する根拠を異にして お日ド早出料請求権は船荷証券によって表彰される傭船契約上の権利である運送品引渡請求権には包含されない、と 言える。それゆえ、通説に従って、船荷証券は傭船契約上の運送品引渡請求権を表彰する有価証券であると解するな らば、船荷証券の正当な所持人は、別段の定めがない限り、船荷証券によって表彰される傭船契約上の運送品引渡請 求権には包含されない早出料請求権を取得していないことについて疑いのないところである。 次に、村田説によると、船荷証券には単に運送口問引渡請求権のみならず、それを包含してより広範な権利である ﹁運送契約一一因リテ生シタル権利﹂すなわち運送給付請求権が表彰されていなければならず、船荷証券が発行された 場合の荷受人つまり船荷証券の正当な所持人は﹁運送契約一一因リテ生シタル権利﹂すなわち運送給付請求権を取得す ることになり、その運送品給付請求権は、運送人に対し傭船契約上の債務の履行として運送品の場所的移動という給

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付(運送給付)の履行を請求する権利である、と解される。したがって、早出料請求権は、運送債権者たる荷受人の ﹁なした陸揚﹂が早期に完了したことに対し運送人から荷受人に支払われる報酬である早出料の支払いを請求する権 利であることから、運送人に対し運送給付の履行を求める運送給付請求権に包含されないことは明らかである。ちな みに、陸揚の場合の早出料請求権は、﹁運送契約一一因リテ生シタル権利﹂であるとしても、船荷証券が交付される (商法七六七条、際海運六条)当時においては、まだ債権として存在しておらず、将来﹁陸揚が早期に完了すれば、発 生する債権﹂にすぎない。けだし、そうだとすれば、船荷証券の正当な所持人は、原則として船荷証券によって表彰 される﹁運送契約一一因リテ生シタル権利﹂すなわち運送給付請求権に包含されない早出料請求権を取得していないこ とになるのは自明の理である。 ( ロ ) しかしながら、通説のように、船荷証券は傭船契約上の運送品引渡請求権を表彰する有価証券であると解し 15一一早出料請求権に関する諸問題H て、船荷証券の正当な所持人は、同証券上に早出料は荷受人に支払われるべき旨の定めがない限り、運送品引渡請求 権には包含されない早出料請求権を取得していないと結論したり、また、村田説に従って、船荷証券には単に運送品 引渡請求権のみならず、それを包含してより広範な権利である﹁運送契約一一因リテ生シタル権利﹂すなわち運送給付 請求権が表彰されていなければならないと解して、船荷証券の正当な所持人は、別段の定めがない限り、﹁運送契約 -一因リテ生シタル権利﹂すなわち運送給付請求権に包含されない早出料請求権を取得していないと結論したりしても、 それは船荷証券の正当な所持人が荷受人として陸揚の早期完了によって生ずる早出料請求権を取得することができな いことを意味することにはならない。次に、この点について一言述べることにする。 まず、早出料の支払いが特約されるのは、傭船者(荷受人が陸揚をする場合には、その荷受人)に早出料を与えて 船積(または陸揚)が船積期間(または陸揚期間)終了前に完了することすなわち船積(または陸揚)の早期完了を

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第4巻 4号一一16 奨励することにあると解されているので、実際に陸揚を実施する荷受人が陸揚の早期完了により早出料を取得できな い場合には、その荷受人が陸揚の早期完了のために努力するとは限らないのであるから、運送人が早出料の支払いを 特約する実際的意義は失われることになる。また、船荷証券が発行された場合に、船荷証券が商業証券(商法五

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一 条四号参照)として傭船者(荷送人﹀から正当な権利者である第三者に引き渡されれば、その後に船荷証券の正当な 所持人である荷受人が行う運送品の陸揚について、傭船者は、原則として、関与することがない。例えば、陸揚の際 に船舶が超過碇泊した場合の碇泊料に関しても、運送人は荷受人に対してこの碇泊料の支払いを請求することができ ( 商 法 七 五 三 条 一 項 、 際 海 運 二

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条一項)、荷受人が碇泊料の支払義務を負担した後は、その第一次的な支払義務者は荷 受人であり、傭船者(荷送人)は第二次的な支払義務者となるにすぎない さらに言えば、船荷 ( 商 法 七 五 人 条 参 照 ) 。 証券が発行された場合の傭船者(荷送人)が傭船者︿荷送人)として運送給付請求権(例えば、運送人に対し船荷証 券所持人宛に運送品を引き渡すように指図したりする権利)や運送品処分齢﹀(例えば、一通しか発行されていない船 荷証券について荷送人が運送人に対し、その所持人からの請求があれば、これを複本に切り換えてくれというように 指図する場合の処分権)を有するとしても、運送口聞が陸揚港に到達した後に、船荷証券の正当な所持人が荷受人とし て運送品の引き渡しを請求してその運送品を受け取り、そして陸揚の早期完了により早出料請求権が生じたときは、 船荷証券の正当な所持人である荷受人は、船荷証券が発行されない場儲げ荷受人と同様に(商法五八三条一項参照﹀、 高法五八三条一項にいうところの荷受人として﹁運送契約ニ因リテ生シタル権利﹂ ( 商 法 五 八 三 条 一 項 ) す な わ ち 傭 船 契約上の権利である早出料請求権を取得することができる、と解しうる。 こうした点を鑑みると、船荷証券の正当な所持人が荷受人として運送品を受け取った後にも、陸揚の完了後に生ず る早出料請求権が船荷証券によって表彰される傭船契約上の運送品引渡請求権または運送給付請求権の中に含まれて

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いないことを根拠にして、なお早出料請求権については傭船者だけがこれを行使できると解することは、早出料を与 えて陸揚の早期完了を奨励する特約の趣旨および商法における筒易迅速主義の原則に合致しないと考えられる。した がって、船荷証券が発行された場合にも、陸揚の早期完了によって生ずる早出料請求権については、別段の定めがな い限り、荷受人がこれを取得する、と解すべきである。 ( 1 ﹀ 17一一早出料請求権に関する諸問題付 例えば、船積期間と陸揚期間との各日数を別々に約定せず、両期間の合計日数のみを約定する場合ハ合算期間、の

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白 自 丹 -N 色丹)、または雨期間の日数を融通・通算し合う旨を約定する場合(通算期間、岳町円

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-由民自るには、早出日数の算 出は通常陸揚の完了後に行われ、早出料請求権を取得する者は、原則として傭船契約の運送委託当事者たる傭船者であるが、 しかし傭船者でない荷受人が陸揚を行い、それの早期完了により船舶の早出しが実現することがある。 ドイツでは、この問題について、通説は、荷受人が早出料請求権を取得するためには、船荷証券に早出料は荷受人に支払 われる旨の特約、または傭船契約が船荷証券に引用されていることを要する、と解しているのに対し、傭船契約を締結した 傭船者だけが早出料請求権を取得するとして、運送人は、荷受人に対しては早出料の支払いを拒絶できるとする見解も見受 け ら れ る ( 司 門 出 回 5 8 ロ ¥ 河 印

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・ ロ ∞ ) 。 ( 2 ) 村田治美﹁荷受人の地位﹂(海事判例百選増補版 2 0 ・

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月 ) 九 五 頁 参 照 。 ( 3 ﹀ 小 町 谷 ・ ﹁ 海 商 法 要 義 中 巻 一 ﹂ 一 一 一

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頁、大審院大正一三年五月三

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目、民集三巻七号二五三頁、村田・﹁荷受人の地位﹂ 九四頁、石井照久・鴻常夫﹁海荷法・保険法﹂(昭和五九年)七七頁、石井・二三八頁参照。 ( 4 ﹀村田・一五七頁。 ( 5 ) 問 中 ( 誠 ) ・ 三 一 一

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頁は、その理由として﹁運送契約が第三者のためにする契約を含むこと、遠隔の地の荷受人に権利を 与えることは、運送契約の目的をよく達し、その立法趣旨に適し、運送契約中に当然内在すると考えられること、ならびに 第七五二条ないし第七五四条の規定が荷受人の権利を予定したと認められること﹂を挙げている。 ( 6 ) 村悶・一五七頁は、﹁商法五八三条一項の規定は法形式的には陸上運送法規に属するが、実はまさしく運送法総則に属す

(18)

第4巻4号一一18 る規定と解されるから、物日開運送に関する一般的規定として園内海上物品運送の荷受人にも適用されるべく、従って、その 荷受人は同条項の定めに従い、別段の意思表示をしなくても運送品の陸揚港到達の時に運送契約上の権利すなわち運送給付 請求権を取得すると解すべきである。﹂と述べる。 ( 7 ﹀石井・二三人真、田中(誠)・三九四頁、村田・一五五頁、川又良也﹁判例コンメンタール一三下・商法 E 下、保険・海 商・有限会社法﹂八七二頁等参照。 ( 8 ) 石井・二七二頁、戸田・=ニ

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頁、村田治美﹁基本法コンメンタ l ル︹第三版︺商法総則・商行為法﹂一六

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頁、竹井康 ﹁ 海 商 法 ﹂ 二 九

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頁、重田晴生﹁船荷証券﹂(現代商法 N 保険・海商法)一二九五頁、川又・八七二頁、小町谷・﹁海商法要義 中 巻 ご 一

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二 頁 、 山 戸 嘉 一 ﹁ 海 事 国 際 私 法 論 ﹂ 一 一 二 三 一 貝 、 水 口 吉 蔵 ﹁ 陸 上 物 品 運 送 論 ﹂ 三 四

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頁。西島・一二五頁は、﹁船 荷証券は、有因証券の故に、権利の証明(運送品引渡請求権)と、権利行使資格(運送品引渡請求資格﹀の、二つの使命を 持 つ 有 価 証 券 で あ る 。 ﹂ と 述 べ る 。 ( 9 ) 村田治美﹁運送法の研究﹂四九頁。 (叩)村田・﹁運送法の研究﹂四四頁、四五頁。 (日)運送品の引渡とその陸揚との関係について、田中ハ誠)・二八二頁は、﹁引渡は通常積荷の陸揚と一致するが、必ずしも そうではなく、ときに前後する。﹂と述べ、村田・一九七頁は、運送品の引渡とは、運送人から荷受人に運送品の占有を移 転することをいい、それにより運送人は運送品占有権を失う。しかし、運送人が運送人以外資格(例えば、荷受人との寄託 詔翁により運送人が受寄者として運送品の保管を引受ける場合)においても引続き運送品を占有することがあっても、ここ にいう運送品の引渡は行われる。運送ロ聞の引渡は運送品の占有移転であって、運送ロ聞の場所的移動である陸揚とは観念的に 異なる、と述べる。石井・二三七頁、水口・一五五頁参照。 ハ ロ ) 本 号 六 頁 参 照 。 (日)村田・﹁運送法の研究﹂ニ

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四 頁 。 ハ M ) 村 田 ・ ﹁ 運 送 法 の 研 究 ﹂ 一 一 一 七 頁 。 (はむ鈴木・四七頁、村田・一五七頁。

(19)

早 出 料 の 額 早 出 料 の 額 は 、 通 常 こ れ を 傭 船 契 約 で 具 体 的 に 定 め 、 一 般 に 碇 泊 料 の 半 額 と さ れ て い 沼 早 出 料を碇泊料の半額とするのは、現在、世界的にほぼ共通の現象であるが、まれには碇泊料の三分の一とする約款も見 うけられる。また、早出料の支払い自体の特約は存在するが、その額についての約定がない場合には、早出料の額は、 船舶の早出しにより運送人が節約した費用(例えば、岸壁使用料、船員の給養費等)、次に予定する配船計画の早期 実施により運送人が取得する運送賃などを割酌して決定される、と解すべきであお w 五 なお、船積が複数の船積港において実施される場合には、船積期間がその全部を一括して単一の船積期間として取 り扱われる限り、早出料の額の決定についても、各船積港における船積は、その全部を一括して単一の船積として取 り扱われる。 19一一早出料請求権に関する諸問題付 ( 1 ) 早出料と碇泊料との間に相当額の差異があることについて、高橋・﹁標準航海傭船契約の研究﹂四七三良は、﹁早出料の制 度は傭船者又はそのステベが蒙る余分の費用を補償するところに成立の根拠を有するのみならず、早出の結果節約された日 数 が そ の 億 船 主 に と っ て 利 用 で き る と は 限 ら な い か ら で あ る 。 ﹂ と 述 べ る 。 浜 谷 源 蔵 ﹁ 船 荷 証 券 と 傭 船 契 約 書 ( 改 訂 増 補 版 ﹀ ﹂ 一一五頁、谷川久﹁万国海法会リオ会議について伺﹂海法会誌復刊二二号六五頁参照。 ω 口 町 田 M M ? k r -u E F 白 5 ・ ﹀ ロ 8 ・ 5NC 叩 目 白 斗 図 。 切 U H V 円 出 由 自 由 ロ ロ ¥ 悶 釦 - u p ﹀ ロ H H M -H W H N ロ府間ミ国の切 U 4 ・ 国 主 回

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第4巻4号一一20 積の早期完了により運送人が節約した碇泊費用・船員の給料・食料代その他の費用、他に取得しうべき運送賃等を磁酌して 決定されなければならない。村田・一八六頁参照。 ( 4 ) ︿ M U -M 同 ,

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五 頁 参 照 。 . ...

早出料請求権の時効 早出料請求権は一年の短期時効によって消滅する、と解すべきである。 商法は、法律関係の終結について取引の簡易迅速主義の立場から、各種の請求権の消滅時効期聞を特に短くしてい る場合が多い(商法五二二条、五六六条、六二六条、七八六条参照)。それは海上物品運送の場合(商法七六五条、七六六条、 七九八条、八一四条、際海運二

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条一項参照)も同様である。したがって、早出料請求権の消滅時効期間は、海上物品運 送における他の請求権の消滅時効期間(商法七六五条、八四七条等参照)と同様に一年とすべきであって、民法の一般 原則(民法一六六条以下参照)によるとすべきではない。けだし、そうでなければ、早出料請求権だけが海上物品運 送における他の請求権よりも保護されることになるが、これは、商法における簡易迅速主義の原則にも反する結果に な る 。 ( 1 ) 田 中 ( 誠

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一 二 四 一 頁 参 照 。

参照

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