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水素水はラット下部尿路閉塞モデルにおける膀胱機能改善効果を示す

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Academic year: 2021

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水素水はラット下部尿路閉塞モデルにおける膀胱機

能改善効果を示す

著者

清水 真次朗

著者(英)

Shimizu Shinjiro

学位名

博士(医学)

学位授与機関

川崎医科大学

学位授与年度

平成30年度

学位授与年月日

2019-03-14

学位授与番号

35303甲第673号

URL

http://doi.org/10.15111/00001946

(2)

氏 名 ( 本 籍 ) 学 位 の 種 類 学 位 授 与 番 号 学 位 授 与 日 付 学 位 授 与 の 要 件 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 清水し み ず 真次朗し ん じ ろ う ( 岡山県 ) 博士(医学) 甲 第 673 号 平成31 年 3 月 14 日 学位規則第4 条第 1 項該当 水素水はラット下部尿路閉塞モデルにおける膀胱機能改善効果を示す 教授 毛利 聡 教授 岡本 安雄 教授 宇野 昌明 論文の内容の要旨・論文審査の結果の報告 膀胱の血流障害が原因となる下部尿路症状の改善を目的として、水素水の治療法としての可能性 を19 ゲージ針によるラット下部尿路部分閉塞(bladder outlet obstruction: BOO)モデルを用い て検討した。実験は尿道露出まで行うSham 群、BOO モデルで通常の飲水を行う BOO H2(-)群、 BOO モデルで飲水にて水素を摂取する BOO H2(+)群の 3 グループに対して、術後 4 週間後に膀胱 内圧測定、組織学的、生化学的検討を行った。BOO H2(-)群では排尿時の膀胱内圧が上昇したが、 BOO H2(+)群では Sham 群と同等であった。また、BOO 両群で排尿筋過活動が観察され、BOO H2(-)群は BOO H2(+)群より有意に多数の排尿筋過活動が起こっていた。膀胱重量は BOO 両群で Sham 群より増加していたが、筋層は菲薄化し、膀胱筋層部の膠原線維比率は BOO H2(-)群で他 2 群に比べ有意に増加した。酸化ストレスを定量的に示す8-OHdG による検討では、BOO H2(-)群で はBOO H2(+)群よりも有意に高値で、水素水による抗酸化作用が示唆された。8-OHdG 発現部位 の検討ではBOO H2(-)群の筋層部が最も著明であった。酸化ストレスによる炎症変化を検討するた めに、10 種類のサイトカイン/ケモカインを定量し、BOO H2(-)群にて TNF-αの著明な亢進を膀胱 上皮粘膜下間質と筋層に認めた。一方、BOO H2(+)群では間質のみに発現し、筋層での発現は抑制 されていた。 これらの知見は高齢化と共に増加する下部尿路疾患の治療開発の一助となり得る。また、TNF-αの慢性炎症バイオマーカや新規治療ターゲットとしての可能性を報告した点において新規性・臨 床医学的な価値が認められる。今後の臨床応用に向けて基盤となる情報の提供によって医学に対す る貢献が出来たと考え、学位論文としての水準を満たしていると判断した。

(3)

学位審査会(最終試験)の結果の要旨 発表では研究の背景、目的、結果が端的に示され、排尿機能障害に関する泌尿器科学的な情報か ら疫学まで幅広い視点の説明がなされた。口述も明瞭で適切な速さであり研究の内容を理解しやす く、本研究によって得られた知見が明確に伝えられた。審査委員からはBOO モデル作成にあたり 雌ラットを用いる理由や臨床的な病態との対応などの実験に関する質問や、酸化ストレスマーカー としての 8-OHdG の問題点や膀胱内圧測定の結果に関する解釈についての質問がなされたが、こ れらの問いに対して文献的な情報や自ら行った実験結果に基づいて適切に回答した。また、実験結 果のみならず、膀胱の虚血・再灌流によって惹起される酸化ストレスと生体機能に関する説明や水 素分子の抗酸化効果や抗アポトーシス効果について活性酸素:ヒドロキシラジカルとの関係の説明 があり、単に現象としての治療効果では無く分子メカニズムにも言及して今後の臨床応用への目的 意識が感じられた。また、水素水の治療効果に加えて炎症反応の結果膀胱組織で TNF-αが上昇し ていることを報告し、新規診断法としての可能性も報告された。 これら学位審査における発表から、申請者自らが真摯な態度で研究に取り組み、大学院生として の研究活動を通じて論理的な思考と説得力のあるコミュニケーション能力を習得できたこと、卒業 後従事してきた泌尿器科医として経験してきた下部尿路疾患を具体的な研究対象として分子・細 胞・臓器までマルチスケールで階層的な知識を獲得出来たこと、そして研究を通じて得られた能力 を生かして今後の臨床の場へのフィードバックすることの重要性を理解し実行しようとする十分 な意志が感じられた。併せて研究倫理の視点からも瑕疵なく当該研究が行われたことも確認し、最 終試験の発表として合格とした。

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