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IRUCAA@TDC : Nonlinear Dynamical Analysis of the Effect by Six Stimuli on Electroencephalogram

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Academic year: 2021

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(1)

Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

Nonlinear Dynamical Analysis of the Effect by Six

Stimuli on Electroencephalogram

Author(s)

川﨑, 広時

Journal

歯科学報, 109(6): 622-623

URL

http://hdl.handle.net/10130/1880

Right

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 非線形動的解析,いわゆるカオス解析は,脳の異なった部位から産生され,時系列組成からなるマルチス ケールシグナルである脳波の解析における具体的尺度として有効と考えられる。しかし,脳波(EEG)の非線 形解析は,次元となる尺度自体に意味を持たないため,演繹的手法では無理がある。但し,得られた EEG か ら,その尺度変化が示した総合的な意味を既存の事実と照合し説明していく帰納的手法は,刺激に対する脳機 能応答の本質を説明できる可能性が考えられる。本研究では,6種類の刺激に対する EEG の変化について, 相関次元(D2)によって得られた電極位別刺激前後の差の検討に加え,周波数帯域別 D2 の刺激前後の電極位別 変化を算出し,刺激に対する脳機能の応答の背景を帰納的手法にて追求した。 2.研 究 方 法 右利き成人20名(23∼30歳)を対象とし,脳波を座位・閉眼状態で採取した。脳波記録は日本光電 MME-3124を使用し,国際10−20システムに従い,単極 silver/silver chloride 電極で頭皮上の12か所(Fp1,Fp2,F 3,F4,T3,T4,P3,P4,01,02,Fz,Pz)の電極位で,匂い(spearmint oil:0.001ml),甘み(sucrose:5 g),ガム咀嚼(gum-base chewing)並びにそれらの組合せの計6種の刺激についてⅠ.電極設定後1分間休 息,Ⅱ.対照脳波を5分間採取,Ⅲ.3分間刺激,Ⅳ.1分間休息,Ⅴ.刺激後脳波を5分間採取,の流れで 脳波を採取した。採取条件は,1.Low cut filter が0.5Hz,2.High cut filter が30.0Hz とした。得られた 刺激前後の脳波記録から前後1分間を除いた3分間について,エポック自動抽出ソフトで分析資料となるエ ポックを抽出,D2を算出し,さらに各周波数帯域別(δ,θ,α,β)の周波数応答を持つバンドパス FIR フィ ルターにエポックを通過させ,得られた資料から周波数帯域別 D2 を算出した。次いで,刺激前後の各電極位 における電位水準の差を un-paired t test により,信頼区間95%で統計学的に分 析 し た。SPM(significant probability mapping)は,統計学的手法で得られた刺激前後の各周波数電極位の間の確率値(p-value)によって 図形化し,電位は,Coon s two Dimensional Interpol ration method により算出した。電極位別刺激別全体 D 2 の変化と各バンド別電極刺激別 D2 の変化との類似性は,数学的にそれぞれ12の電極における前後の差を12 次元ベクトルとみなし因子分析を行い,判定した。 氏 名(本 籍) かわ さき ひろ とき

(東京都) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 1744 号(乙第 725 号) 学 位 授 与 の 日 付 平成20年3月12日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項該当

学 位 論 文 題 目 Nonlinear Dynamical Analysis of the Effect by Six Stimuli on Electroencephalogram

掲 載 雑 誌 名 Journal of Clinical Neurophysiology 第26巻 1号 24∼38頁

2009年2月 論 文 審 査 委 員 (主査) 藥師寺 仁教授 (副査) 一戸 達也教授 佐野 司教授 松久保 隆教授 田﨑 雅和教授 歯科学報 Vol.109,No.6(2009) 622 ― 68 ―

(3)

3.研究成績および結論 周波数帯域別の分布変化において咀嚼運動ではα 波が増加し,他の3バンドは減少していた。しかし,他 の5刺激においては,共通してθ 波の増加が認められた。各6刺激後の変化の刺激間相互関係において各刺 激の影響力に優位性を認め,甘みが最も強く変化に反映し,匂い,咀嚼運動の順であった。 電極位別 D2 の各刺激前後の変化について,匂いでは,F3 のみが有意に減少し,Fp1,F4,T3,P3,P 4,01,Fz,Pz は有意に増加していた。咀嚼運動では,Fp1のみが有意に減少し,F3,F4,T4 は有意に増加 していた。甘みでは,すべての電極位で有意差を示さなかった。匂いと咀嚼運動の組合せでは,Fp1,P4, Pz が有意に減少し,甘みと咀嚼運動では,T4 が有意に減少し,Fp1 が有意に増加していた。匂いと甘みで は,T3,T4,P3 を除くすべての電極位で有意に増加していた。D2 は,刺激の組合せにより単一刺激の場合 とは全く異なった変化を示し,組合せの結果から,咀嚼運動は,D2 の減少と関係している可能性が示唆され た。さらに,周波数帯域別刺激別 D2 の変化では,6刺激すべてで明らかにθ 波が他の3バンドより全体の D2 の変化と類似した変化を示した。すなわち,今回の研究から,咀嚼運動時における脳波の非線形解析による複 雑性の変化は,健常者の安静時における脳の複雑性が高く維持され,刺激に際しθ 波に関連する認知・学習 を経て活動の選択がなされた後,目的とされる活動が達成されると複雑性は収束・減少するとした Steam s Theory に一致することが確認された。 論 文 審 査 の 要 旨 本研究は,右利き成人20名(23∼30歳)を対象とし,匂い,甘み,ガム咀嚼,並びにそれらの組合せの6種類 の刺激に対する座位・閉眼状態で採取した脳波(EEG)の変化について,相関次元(D2)によって得られた電極 位別刺激前後の差の検討に加え,δ 波,θ 波,α 波,β 波の各周波数帯域別 D2 の刺激前後の電極位別変化を算 出し,刺激に対する脳機能の応答の背景を帰納的手法によって検討した。 周波数帯域別の分布変化において咀嚼運動ではα 波が増加し,他の3バンドは減少していた。しかし,他 の5刺激においては,共通してθ 波の増加が認められた。各刺激後の変化の刺激間相互関係において各刺激 の影響力に優位性を認め,甘みが最も強く変化に反映し,次いで匂い,咀嚼運動の順であった。また,電極位 別各刺激前後の D2 は,刺激の組合せにより単一刺激の場合とは全く異なった変化を示し,咀嚼運動は,D2 の減少と関係している可能性が示唆された。さらに,周波数帯域別刺激別 D2 の変化では,6刺激すべてで明 らかにθ 波が他の3バンドより全体の D2の変化と類似した変化を示した。以上の結果から,咀嚼運動時に おける脳波の非線形解析による複雑性の変化は,健常者の安静時における脳の複雑性が高く維持され,刺激に 際しθ 波に関連する認知・学習を経て活動の選択がなされた後,目的とされる活動が達成されると複雑性は 収束・減少するとした Steam s Theory に一致することが確認された。 本審査委員会では1)D2 の意味,2)θ 波に着目した理由・根拠,3)脳波の採取時期,4)本研究に空 間分解能に優る f-MRI,MEG を用いなかった理由,などについての質疑がなされ,概ね妥当な回答が得られ た。また,論文の構成,英文表記,図表の記載法など,改善の指摘があり修正がなされた。本研究で得られた 知見は,歯科医学の進歩発展に寄与するところ大であり,学位授与に値するものと判定された。なお,英・独 2か国語につき試験を行った結果,合格と認定した。 歯科学報 Vol.109,No.6(2009) 623 ― 69 ―

参照

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