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フィンランドにおける教育に関する研究-現代社会に求められる「学力」をどう育成するか-

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Academic year: 2021

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(1)フィンランドにおける教育に関する研究 一現代社会に求められる「学力」をどう育成するか一        学校教育学専攻 教育コミュニケーションコース.           M07015J          山本真梨子. [論文構成]. [研究の目的コ.  近年、子どもたちのr学力低下」が問題視され. 序章 問題の所在と研究の目的. ている。2000年以降、3度に渡り実施されたPISA. 第1章 学力問題とPISA. 調査の結果を見ると、日本の子どもたちの学力は.  第1節 学力の辞書的定義. 低下傾向にあり、特に読解カの低下が著しい状況.  第2節 戦後における学力論争. である。しかし、こうした結果から、一概に日本.  第3節PISAからみる日本とフィンランドの. の子どもたちの学力が低下していると断言する.      学力. ことは出来るのか。PISAで測定されている学力.  第4節 DeSeCoが提示するこれからの学力. とは、自らがそれまでの経験を通して学んできた. 第2章 福祉国家フィンランド. ことを、将来、社会生活で直面する課題に活用す.  第1節 フィンランド共和国の概要. ることが出来るかどうかといった「リテラシー.  第2節 フィンランドの歴史と教育. (Literacy)」という学力観である。つまり、PISA.  第3節 フィンランドの教育制度. 調査の結果を通して注意しなければならないこ. 第3章 フィンランドにおける教育環境. とは、「学力低下」ではなく、世界における「学.  第1節 フィンランドの教師教育. 力の質」が変化しているということである。PISA.  第2節 フィンランドの読解指導. 調査の結果を見る限りでは、日本は未だこの世界. 第4章 フィンランドの学習理論とカリキュラム. における学力の変化に対応することは出来てい.  第1節 エーリア・エンケストロームの拡張的. ないと考えられる。一方、PISAで常に上位に位.      学習. 置しているフィンラ.ンドは、こうした変化に対応.  第2節フィンランドの「ナショナル・コア・. することが出来ていたのだと考えられる。.      カリキュラム」.  本研究では、こうしたPISAの調査結果を背景. 第5章 フィンランドの学校教育実践. として、フィンランドの教育を取り上げる。フィ.  第1節 異質生徒集団における非選別型の学校. ンランドの教育制度や教師教育、学習理論など、.      教育. フィンランドの教育の特徴を考察する。その中で.  第2節フィンランド・メソッド. も、従来の研究において十分に検討されていなか. 終章現代社会に求められるr学力」をどう育成. った学習理論について解明し、フィンランドの教.    するか. 育実践の根拠となる部分を探っていきたい。こう. 神論 活動理論を応用した教育実践・NSプロジ. した作業を通じて、フィンランドでは、どのよう.    ェクト. な「学力」が重視され、そうした「学力」がどの ようにして育成されているのかを明らかにする。. 一4一.

(2) 授業時間を増やさずに、指導方法の改善や図書館. [研究の概略コ.  第1章では、学力という概念について検討を行. の充実などによって、読解カ向上を達成したこと. っている。第1節では、教育学辞典を参考に、学. を明らかにしたが、読解力におけるジェンダーギ. 力の定義を明らかにし、第2節では、戦後60年. ャップの事実や社会におけるジェンダー不平等. 間の教育的背景を基に、戦後における学力論争と. 問題を示唆することも出来た。. 学力観の変遷について考察をした。第3節では、.  第4章では、フィンランドの学習理論とカリキ. 実際に過去に出題されたPISAとTIMSSの問題. ュラムについて考察している。第1節では、エー. を比較・分析しながら、PISAの学力観、及び、. リア・エンケストロームの拡張的学習を取り上げ. PISAにおける日本とフィンランドの学力を考察. た。この学習理論は、問題や課題そのものを創造. した。第4節では、0ECDによるDeSeCoプロ. する学びのことであり、こうした教育がフィンラ. ジェクトを取り上げた。このプロジェクトは、現. ンドの教育の土台となっていることを示した。第. 代社会に求められる新たな教育指標「キー・コン. 2節では、フィンランドのナショナル・コア・カ. ビチンシー」を開発しており、ここから、現代社. リキュラムを取り上げ、その教育目標・内容等を. 会に求められる学力観について考察をした。. 明らかにした。ここで、フィンランドでは言語教.  第2章では、フィンランドが、全ての国民に平. 育を重視していること、コミュニケーションカの. 等な教育機会を保障する福祉国家であることを. 育成を目指していることを示した。. 明らかにした。第1節では、フィンランドの文化.  第5章では、フィンランドの学校では、具体的. や伝統などを概観した。第2節では、フィンラン. にどのような教育が行われているのかというこ. ドの歴史を考察し、フィンランドがスウェーデン. とを考察した。第1節では、学習形態や教室環境. やロシアなど、他国民によって支配・選別されて. など、その学校教育について概観した。第2節で. きたという事実から、平等性を重視した国である. は、フィンランドの国語教科書を分析しながら、. ことを述べた。第3節では、フィンランドの教育. 北川達夫の「フィンランド・メソッド」を参考に、. 制度を取り上げている。就学前教育や第10学年. コミュニケーションカを養う教育方法について. といったシステムを設け、平等な教育機会を保障. 述べた。ここから、フィンランドの教育とは、「た. していることを述べたが、その一方で、基礎学校. ったひとつの正答」ではなく、その正答に至るま. と高等学校のシステムが大きく異なることから、. での「プロセス」を重視していることなどを明ら. 子どもたちに心理的負担を与えていることを課. かにした。. 題として示した。.  最後に、終章では、以上のような考察を踏まえ.  第3章では、フィンランドの教育環境について. て、フィンランドにおいて現代社会に求められる. 述べている。第1節では、フィンランドの教師教. r学力」がどのようにして育成されているのかに. 育を取り上げ、教師の専門・姓とその養成について. ついてまとめた。その結果、①平等な教育機会の. 考察した。実際に、ヘルシンキ大学の教員養成課. 保障、②落ちこぼれを防ぐ手立て、③充実した教. 程を分析すると、全ての講義を通して「調査研究. 師教育、④学ぶ意義を間う教育、⑤学び合い・教. 的思考」という専門1性が養われていることを明ら. え合いという点を指摘することが出来た。. かにすることが出来た。しかし、フィンランドの 教師は一定の社会階層に偏りがちで、新しい問題. 主任指導教員 渡邊隆信. への対応を失いがちであるという課題も示した。. 指導教員一渡邊隆信. 第2節では、フィンランドの読解指導を取り上げ、 「ルグ・スオミ」プロジェクトについて考察した。. 一5一.

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