フィンランドにおける教育に関する研究-現代社会に求められる「学力」をどう育成するか-
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(2) 授業時間を増やさずに、指導方法の改善や図書館. [研究の概略コ. 第1章では、学力という概念について検討を行. の充実などによって、読解カ向上を達成したこと. っている。第1節では、教育学辞典を参考に、学. を明らかにしたが、読解力におけるジェンダーギ. 力の定義を明らかにし、第2節では、戦後60年. ャップの事実や社会におけるジェンダー不平等. 間の教育的背景を基に、戦後における学力論争と. 問題を示唆することも出来た。. 学力観の変遷について考察をした。第3節では、. 第4章では、フィンランドの学習理論とカリキ. 実際に過去に出題されたPISAとTIMSSの問題. ュラムについて考察している。第1節では、エー. を比較・分析しながら、PISAの学力観、及び、. リア・エンケストロームの拡張的学習を取り上げ. PISAにおける日本とフィンランドの学力を考察. た。この学習理論は、問題や課題そのものを創造. した。第4節では、0ECDによるDeSeCoプロ. する学びのことであり、こうした教育がフィンラ. ジェクトを取り上げた。このプロジェクトは、現. ンドの教育の土台となっていることを示した。第. 代社会に求められる新たな教育指標「キー・コン. 2節では、フィンランドのナショナル・コア・カ. ビチンシー」を開発しており、ここから、現代社. リキュラムを取り上げ、その教育目標・内容等を. 会に求められる学力観について考察をした。. 明らかにした。ここで、フィンランドでは言語教. 第2章では、フィンランドが、全ての国民に平. 育を重視していること、コミュニケーションカの. 等な教育機会を保障する福祉国家であることを. 育成を目指していることを示した。. 明らかにした。第1節では、フィンランドの文化. 第5章では、フィンランドの学校では、具体的. や伝統などを概観した。第2節では、フィンラン. にどのような教育が行われているのかというこ. ドの歴史を考察し、フィンランドがスウェーデン. とを考察した。第1節では、学習形態や教室環境. やロシアなど、他国民によって支配・選別されて. など、その学校教育について概観した。第2節で. きたという事実から、平等性を重視した国である. は、フィンランドの国語教科書を分析しながら、. ことを述べた。第3節では、フィンランドの教育. 北川達夫の「フィンランド・メソッド」を参考に、. 制度を取り上げている。就学前教育や第10学年. コミュニケーションカを養う教育方法について. といったシステムを設け、平等な教育機会を保障. 述べた。ここから、フィンランドの教育とは、「た. していることを述べたが、その一方で、基礎学校. ったひとつの正答」ではなく、その正答に至るま. と高等学校のシステムが大きく異なることから、. での「プロセス」を重視していることなどを明ら. 子どもたちに心理的負担を与えていることを課. かにした。. 題として示した。. 最後に、終章では、以上のような考察を踏まえ. 第3章では、フィンランドの教育環境について. て、フィンランドにおいて現代社会に求められる. 述べている。第1節では、フィンランドの教師教. r学力」がどのようにして育成されているのかに. 育を取り上げ、教師の専門・姓とその養成について. ついてまとめた。その結果、①平等な教育機会の. 考察した。実際に、ヘルシンキ大学の教員養成課. 保障、②落ちこぼれを防ぐ手立て、③充実した教. 程を分析すると、全ての講義を通して「調査研究. 師教育、④学ぶ意義を間う教育、⑤学び合い・教. 的思考」という専門1性が養われていることを明ら. え合いという点を指摘することが出来た。. かにすることが出来た。しかし、フィンランドの 教師は一定の社会階層に偏りがちで、新しい問題. 主任指導教員 渡邊隆信. への対応を失いがちであるという課題も示した。. 指導教員一渡邊隆信. 第2節では、フィンランドの読解指導を取り上げ、 「ルグ・スオミ」プロジェクトについて考察した。. 一5一.
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