「災害時の食」 を学ぶワ ー ク シ ヨ ツ プの実践 と 評価
Practice and Evaluation of Workshops for Learning “Food at the Time of a Disaster''
小 林 裕 子*
前 田 ま どか* *
こ
山 本 真 子**
永
田 智 子***
KOBAYASHI Yuko
MAEDA Madoka
YAM AMOT0 Make
NAGATA Tomoko
本研究の日的は, 災害対策 を実践に結 びつけ る ための 2 つの課題, ①災害の備え には時間 と コ ス ト がかかる と 考え ら れ て い る , ②実践 に必要 な機会や情報が得 ら れて い な い, の解決のためには 「災害時 の食」 を テ ーマ と し たワ ー ク シ ョ ッ プ が有効かを検証す る こ と で あ る。 中学校家庭科で の 「災害時の食」 の授業実践で得 た知見 を基に, 大学生 ・ 院生や市民 を 対象 に 「災害時の食」 を テ ーマ と し たワ ーク シ ヨ ツ プ を開発, 実践 し た。 実践後のア ンケ ー ト の結果の分析か ら , 課題② の 「実践す る ために必要な機会や情報が得 ら れて い な い」 の解決には, ワ ーク シ ヨ ツ プの実践は一定の効果があ る こ と が 示唆 さ れた。 今後の課題は, 課題①の 「災害の備え には時間 と コ ス ト がかかる と い う 考え」 を変え, 「災害食」 が非常食 のよ う に特別 で 高価 な も ので な く , 日常食の延長で備え る も ので あ る と 理解 を促す, ア プロ ーチ を図 る こ と で あ る。 キ ーワ ー ド : 災害時の食, 災害食, ワ ー ク シ ヨ ツ プ, ロ ーリ ン グス ト ッ ク 法, 耐熱性 ポリ 袋調理
1 . 研究の背景 と 目的
1 .1 我 が国に おけ る災害時の食の課題 平成15年 3 月に ミ ュ ンヘ ン再保険会社が公表 し た 「世 界大都市 の自然災害 リ ス ク 指数」 に よ れば, 東京 ・ 横浜 は世界主要50都市の中で , 災害 リ ス ク が格段に高い と さ れてい る (内閣府2004) 。 世界的 に見 て も , 我が国が自 然災害大国で あ る こ と は明 ら かで あ り , そ れは近年の災 害 の多 発 か ら実感す る と こ ろ で も あ る。 さ ら に今後予 測 さ れ て い る南 海 ト ラ フ 地震 や首都直 下型 地震 な どの大 規 模災害 を想定 す れば, あ ら ゆる方面 にお い て災害対 策が 不可欠 で あ る こ と は間違い ない。 災害発生時 には衣食住 に関わ る全 て で問題が生 じ , そ の対 応が求 め ら れる。 中で も 生命や健康 の維持 に直結す る 「食」 の問題は毎回深刻 で あ り , 様々な問題が発生 し てい る。 ま し て, 前述のよ う な未曽有の大災害が発生す れば, 水, 電気, ガス な どの ラ イ フ ラ イ ンや道路の寸断 は避け ら れず, 食の公的 な対応が困難 と な る こ と も 想定 さ れて お り , 適切 な対応には共助 と 自助が欠かせない こ と が指摘 さ れてい る (山田 ら 2015) 。 こ のこ と か ら内 閣府では大災害 に備え , 各家庭で 1 週間分以上の食品 と 水 を備蓄す る こ と を提言 し てお り , その実践方法 と し て, 「ロ ーリ ングス ト ッ ク法」 を推奨 し てい る (内閣府2013) 。 「 ロ ー リ ン グス ト ッ ク 法」 と は日常的 に保存食品 を食べ なが ら , 消費 し た分 を買 い足す と い う 行為 を繰 り 返 し , 常 に家庭 に新 し い保存食品 を備蓄す る方法で あ り , 普段 か ら 食べ てい る も のが災害時の食卓 に並 ぶ安心感 を得 る と がで き る備蓄方法 と し て注目 さ れてい る。 ま た, 従 来の非常食は緊急時に備え, 使わずに取 っ てお く 場合が 多 く , い ざ と い う 時に賞味期限が切 れてい る こ と や, 乾 パ ンな ど日頃食べ な れない食品への適応の難 し さ が課題 と 言 われてい る。 そ こ で室温で保存 で き る食品 や飲料 を 日常食の延長上で 「災害食」 と 考え, 保存 ・ 調理す る考 え方が 「 ロ ー リ ン グス ト ッ ク 法」 と 合 わせ広 が り を見せ て い る。 内閣府が2016年 2 月に行っ た 1 万人対象の災害に関す る WEB ア ン ケ ー ト に よ る と , 「 今 後 , あ な た が今 よ り も も っ と 防災 に つい て取 り 組 む場合 , どの よ う な こ と に 取 り 組 んで い き たい と 考え てい ます か。」 の間い に対 し , 最 も多 か っ た回答は 「自宅で で き る日頃の備え」 46% で あ っ た ( 内閣府2016) 。 一方 , 同 じ ア ンケ ー ト 調査 で 「災害への備え の重要度」 を尋 ねる と , 「災害への備えは 重要 だが, 災害への備え はほ と ん ど取 り 組めてい ない」 と の回答が51% で最 も多 く な る。 そ し て 「災害対策に取 り 組めてい ない理由」 を尋 ねる と , 上位の回答は 「時間 がない」 23%, 「 コ ス ト がかかる」 17%, 「機会がない」 14%, 「情報がない」 13% と 続 く 。 つま り , 国民の半数 は災害に対す る自宅での備え の重要性は感 じ つつ も実践 には な か な か結 びつかず, そ の原因 は, ①災害 の備え に は時間 と コ ス ト がかか る と 考え てい る こ と , ②実践す る た めに必要 な機会や情報が得 ら れて い ない こ と で あ る と 推察 さ れる。 こ れが, 災害対策 を実践に結 びつけ る ため の課題で あ り , 災害時の食の対策 を促進す る ための課題 で はな い か と 考え た。 1.2 「 災 害 時 の食」 を テ ー マ と し た ワ ー ク シ ョ ッ プの 可能性 前述の災害対 策 を実践 に結 びつけ る た めの 2 つの課題 の解 決の た め には, どの よ う な手立 て が有効 で あ る か を 検討 す る こ と は必要で あ り , 価値があ る。 小林 ・ 永田 (2016) は 「災害時の食」 の学習は, 災害 大国で あ る我が国におい て, 児童 ・ 生徒が積極的に学ぶ べ き内容 と 考え, 学校教育の 7 割 を占める教科に位置づ け た学習 が有効で あ る こ と を示 し た。 そ し て小 林 ・ 永田 (2017) で は中学校家庭科 で の 「災害時の食」 を扱 っ た * 三木市立自由が丘中学校 * * 兵庫 教育大学大学院 (修士課程) 教科教育実践開発専攻生活 ・ 健康 ・ 情報系 教育 コ ース 平成29年 6 月26 日受理 * * * 兵庫教育大学大学院教科教育実践開発専攻生活 ・ 健康 ・ 情報系教育 コ ース , 教育実践高度化専攻授業実践開発 コ ース 教授72 学校教育学研究, 2017, 第30巻 授業 を開発 し , 実践におい て検証 を試みた。 その結果, 開発 し た 「災害時の食」 の授業の有効性につい て一定の 評価 を得 てい る。 こ の授業 では, 「災害時の食」 への対 応策 と し て 「災害食」 や 「 ロ ー リ ン グス ト ッ ク 法」 を扱 い , 「災害時の食」 に対応す る調理実習 を実践 し てい る。 こ の授業実践で得 た知見 を, 学校教育以外の場に応用 し た ワ ー ク シ ョ ッ プ を実践す る こ と で , 2 つの課題の解決 に, 有効 な手立 て を検証で き る可能性があ る。
1.3 目的
本研 究 の目的 は, 「災害時の食」 を テ ーマ と し た ワ ー ク シ ョ ッ プ を 実 践 し , 実 践後 の ア ンケ ー ト の結果 に よ り 2 つの課題解決に有効 な手立 て に つい て検証す る こ と と した02 . 方法
2.1 ワ ー ク シ ョ ッ プ実施組織 有効 な手立 て を検証す る ために, 教員養成大学で あ る H 大学の学部生, 大学院生 と 「災害時の食」 の課題に取 り 組む課外活動 プロ ジ ェ ク ト を立 ち上げた。 メ ンバ ーは 大学院生 5 人、 学部生 4 人によ り 組織 した0 2.2 ワ ー ク シ ョ ッ プ案の開発 小林 ・ 永田 (2016) の実践内容を参考に, 1 時間程度 で実践可能な, 調理体験 を取り いれた災害食のワーク シ ヨ ツ プ を 開発 す る 。 2.3 ワ ー ク シ ョ ッ プの実践 ワ ー ク シ ヨ ツ プの適切 な実施内容 を検討 し , 以下の 3 種, ①H 大学学生 ・ 大学院生対象 「災害時の食」 を テ ー マ と し た ワ ー ク シ ョ ッ プの実施, ②H 大学大学祭で の災 害 食ワ ー ク シ ョ ッ プ と 試食会の実施 , ③M 市 J 地区自 主防災訓練で の災害食ワ ー ク シ ヨ ツ プと 試食会 を実施す る 。 2.4 ワ ー ク シ ョ ッ プの評価 各実施内容でそ れぞれ参加者に ア ンケ ー ト 調査 を行い, 実践の評価 を行 う 。 大学生 ・ 大学院生対象のワ ー ク シ ヨ ツ プでは, 事前事 後の両方 で ア ンケ ー ト 調査 を行 い, 事後に自由記述感想 を 求 め る。 残 り の 2 つ の ワ ー ク シ ョ ッ プで は事 後 の み ア ンケ ー ト 調査 と 自由記述感想 を実施す る。 自由記述感想 は, 記述内 容 に よ り 大 カ テ ゴ リ , 中 カ テ ゴ リ に分 け分析 す る こ と で ワ ー ク シ ヨ ツ プ後の参加者の変容 を質的 に明 ら かに す る。3 . 結果 と 考察
3.1 開発 し た ワ ー ク シ ョ ッ プ案 小林 ・ 永田 (2016) の中学校での実践内容 を踏まえ,1
時間程度のワ ー ク シ ョ ッ プ案 を開発 し た。 ワ ー ク シ ョ ッ プ案 の詳細は表 1 に示 す通 り で あ る。 ワ ー ク シ ョ ッ プの 日 標は 「災害食」 と 「 ロ ー リ ン グス ト ッ ク 法」 を理解す る こ と , 災害食調理 を体験す る こ と に よ り , 「 災害時の 食」 の備え の課題 を解決す る工夫 を知 る と し た。 ワ ー ク シ ョ ッ プは短時間 で 実施 す る た め, 事前準備 に よ り 作業工程 を減 ら し , 衛生面や安全面に十分配慮 し , 参加者の体調確認 と 調理前の手洗い指導 を実施 し た。 調 理実習中の加熱時間 を有効に活用 す る ため, ま ず調理体 験 か ら 実 施 す る 。 調 理 体 験 の 献 立 は , 小 林 ・ 永 田 (2016) で も 実践 し た, 保存 のき く 食品 を組み合わせ耐 熱性 ポリ 袋 で調理す る ツ ナ じ やが, わかめ ご飯 と す る。 耐熱性 ポリ 袋 を用い た調理は災害時 に停電 し た場合 で も , カ セ ツ ト コ ンロ な どの非常用熱源があ れば簡単 に短時間 で 調理 で き , 鍋や食器 を汚 さ ない こ と か ら 節水 に も な る 方法で あ る。 こ れら の方法は静岡赤十字病院 をは じ め, 消防や地方自治体の防災訓練な どで, 災害時に役立つ調 理方法 と し て紹介 さ れてお り , その中の炊飯方法 を実践 す る (静岡赤十字病院, ほか) 。 ま た食器やま な板 を ラ ッ プで覆い, 洗い物 を減 ら す節水体験 も 取 り い れる。 (小林 ・ 永田2016より引用)。
加熱 中 の時間 に は , プ レ ゼ ン テ ー 「災害時の食」 に関す る講義 を行 う 。 シ ョ ン ソ フ ト を 使 い 「災害時の食」 の課 題 と は何か を知 ら せ, その解決方法の一つ と し て 「災害 食」 と 「 ロ ーリ ングス ト ッ ク法」 を知 ら せ る。 「災害食」 に な り う るのは どんな食品か, 「災害食」 と 「非常食」 の違いは何か, 耐熱性 ポリ 袋の基準 につい て も確認す る。 調理 し た 「災害食」 を試食す る時には, 調理時間や味, 自分で実践で き そ う かな ど を評価す る よ う に促す c ま た, 「災害食」 を組み合わせ て自分 な ら どの よ う な献立 を考 え る か な どの工夫 す る 場面 も 設け る 。 ワ ー ク シ ョ ッ プの 最後には, 事後ア ンケ ー ト と 自由記述感想 を記入 さ せ る。 3.2 ワ ー ク シ ョ ッ プの実践 と 評価 ①H 大学学生 ・ 大学院生対象 「災害時の食」 を テ ーマ と し た ワ ー ク シ ョ ッ プの実践 と 評価 2016年10月, H 大学で ワ ーク シ ヨ ツ プを実施 し た。 参 加者は大学内 で参加者 を募 り , 応募のあ っ た学生 を対象 と し た。 ワ ー ク シ ョ ッ プは 4 回実施 し , 参加合計人数は 22人で あ っ た。 学生が参加 し やすい よ う に, 平日昼休 み の 1 時間 を利用 し て実施 し た。 事前 ア ンケ ー ト の結果, 参加者22人中, 「災害食」 と 「非常食」 の違い を知 つて い たのは 1 人, 「 ロ ー リ ン グス ト ッ ク 法」 を知 つて い たのは 2 名 で あ っ た。 つ ま り , 参 加者のほと ん どが 「災害食」 や 「ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 につい て事前の知識がなか っ た。 一方, 同 じ ア ンケ ー ト で災害時に不安に感 じ る こ と を尋ねる と 「水や食料の確 保」 と 17人が回答 し た。 し か し 「災害に備え食料 を備蓄 し てい る」 と 回答 し たのは 9 人で あ っ た。 ワ ー ク シ ョ ッ プ終了 後 に行 っ た事 後 ア ンケ ー ト の結果, 「災害食」 と 「非常食」 の違い , 「 ロ ー リ ン グス ト ッ ク法」 に つい て , 参加者22人全員が 「分かっ た」 と 回答 し た。 「「災害食」 の学習に興味が持 てま し たか」, 「今後, 「災害食」 を作 っ て みたい で す か」 の問い には, 22人全員 が 「 はい」 と 回 答 し た。 「自分が教師 と し て, 「災害食」 に関す る授業 を表 1 開発 し た ワ ー ク シ ョ ッ プ案
l
留意点
準備物 ・ 材料
・ 調理体験 を行 う の
で 、 腹痛や熱な どの
体調確認 を必ず行
う
・ 事前に SNS 用の写
真撮影 と 掲載の許
可 を取 る
事前ア ンケー ト
筆記具
4
実
0 分
l
・ 消毒
みの米の袋の空気を抜 き 、 口 を閉 じ る
二重)
やがの材料 を切 り 、 計量 を し 、 袋にめん
めた煮汁 と と も に入れ、 口 を閉 じ る (袋
れた鍋に袋 を入れ、 ふた を し て加熱す る
ち時間 を活用 し て ・ ・ ・
・ 人数が多い場合は
2 か所で手洗い を促
す
・ 加熱時間 を有効に
使用す る ため、 先に
調理体験か ら 実施
す る こ と を説明す
る
・ けがややけ どに注
意す る よ う 声かけ
をす る
・ 質問 し やす い雰囲
気 を作 る
・ 大切な内容はス ラ
イ ド コ ピー を掲示
し て理解 し やす い
よ う 配慮す る
解
ソ ー プ
消毒薬
ペーパー タ オ ル
吸水済み無洗米
じ やがい も
にん じ ん
た まね ぎ
ツナ缶
めんつゆ
耐熱性ポ リ 袋
水
計量用力 ツ プ
大 さ じ
ラ ッ プ
器
ト ン グ
キ ツチ ンば さ み
力セ ッ ト コ ン 口
ボ ン ベ
蓋つ き鍋
包丁
ま な板
パ ソ コ ン
プロ ジ ェ ク タ ー
ス ラ イ ド コ ピー
パワーポイ ン ト に よ る災害食講義l
の課題 と は
ー リ ングス ト ツク 法 と は
科書での災害時の食の扱い
学校での実践の紹介
]
やがの器に ラ ッ プ を貼 る
ツナ じ やがの袋 を取 り 出 し 、 器に
ラ ッ プ節水体験l
1
ま
5 刀
め
l
書食の試食 をす る
後ア ンケー ト と 自由記述感想 を記入す る
・ 今ま での非常食 と
の違いや、 日常食 と
の比較 をす る
割 り ば し
紙 コ ッ プ
お茶
事後 ア ンケー ト
筆記具
74 学校教育学研究, 2017, 第30巻 実践 し たい と 思い ま す か」 の問い には21 人が 「 はい」 , 1 名が 「 どち ら と も いえ ない」 と 回答 し た。 参加直後の ア ンケ ー ト は, 評価が高 く な り やすい こ と を踏ま え て も , 参加者全員 が 「災害食」 の学 びを肯定的に と ら え, 実践 への意欲 を示 し た結果 と 言え る。 ア ンケ ー ト の回答者中, 自由記述感想 を記入 し たのは 21人 で あ っ た。 自由記述感想 に書 か れて い た主 な内 容 を 抽出 し , カ テ ゴ ラ イ ズ し た。 分析結果 を表 2 に示 し た。 大 カ テ ゴ リ の記述で最 も多 か っ たのは 「 災害 食」 38人 で あ っ た。 中 カ テ ゴ リ で は 「災害食 を学 び、 体験 で き て よ か っ た」 な ど 「 機会や参 加への評価」 が 7 人と 最 も多 く , 次いで, 「災害食が思っ てい た よ り おい し く 驚い た」 な ど 「味への評価」 が 6 人 と い う 結果 で あ っ た。 「 現場 に戻 っ た ら小 学生 に指導 し たい」 等の 「指導の意欲」 が 6 人と 同数であ っ た。 次い で 「身近 な食品 で工夫す る大切 さ が分か っ た」 な ど 「知識の獲得」 , 「早速お昼に ポリ 袋炊飯 を し ます」 な ど 「調理実践の意欲」 , 「災害食は非常時に必ず役に立つ」 な ど 「有用性」 の記述が 5 人 と 同数 と い う 結果であ っ た0 自由 記述か ら 参加者は ワ ー ク シ ョ ッ プへの参加 の機会 を 好 意的 に と ら え て い る こ と , 「災害食」 の有用性や調理 の実践の意欲が示 さ れた(-) ②H 大学大学禁 での 「災害時の食」 を テ ーマ と し たワ ー ク シ ョ ッ プと 試食会の実践 と 評価 2016年11月 H 大学大学祭 に て災害食 ワ ー ク シ ョ ッ プ を実施 し た。 参加者は地域住民が大半 を占め, 幅広い年 齢層 の参加があ っ た。 開発 し たワ ー ク シ ヨ ツ プ案 を基 に, 大会場で公開型のワ ー ク シ ヨ ツプ を実施 し た。 前面の大 ス ク リ ー ン に プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン ソ フ ト の内 容 を 映 し な が ら 講義 を行い, 参加者 2 人が公開調理体験 を行 っ た。 随時, 会場への出入 り が多 く な る こ と が予想 さ れる ため, い つ来場 し て も 短時間 で ワ ー ク シ ヨ ツ プの要点 を理解で き る よ う に, 災害食 と その調理方法等 を紹介 し た動画 を 作成 し , エ ン ド レ ス再生 し た。 会場内には, 常温で保存 で き る食材 と 耐熱性 ポリ 袋、 カ セ ツ ト コ ンロ で調理 し た 温かい災害食 「 ツ ナ じ やが」 と 「 炊 き 立 て ご飯」 150食 を提供 す る コ ーナ ー と , 動画の視聴 と 試食がで き る席 を 設け た。 廊下側の壁面では ポス タ ー展示に よ る 「災害食」 や 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク 法」 の説明, 栄養成分分析の結 果 を紹介 し た。 参加者には家庭で調理が再現で き る よ う に, ツ ナ じ やが と 炊飯の レ シ ピ と 耐熱性 ポリ 袋 を配布 し た。 事後 ア ンケ ー ト に回答 し たのは97人 (男性39人, 女性 58人) で あ っ た。 ア ンケ ー ト では, 実施 し た 「展示 ・ 動 画」 , 「災害食の味」 , 「災害の備えへの意識の変化」 につ 表 2 H 大学学生 ・ 大学院生対象ワ ーク シ ョ ッ プ参加者 自由記述感想分析結果
(複数回答) (人) N= 21
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-い て, そ れぞれ 4 件法で尋ねた。 結果 を表 3 に示 し た。 表 3 H 大学大学祭ワークシ ョ ッ プ参加者 アンケ ート結果
( 4 件法)
N=97
質問項目 、 r 均値 標準1l
_ 展示 ・ 動画の分か り やす さ 3.491
0.61 食 した感想 3.621
0.60 に備 え る意 の変化 3.311
0.60 各質問 と も , 事後の評価は高 く 特に 「災害食」 の味の 評価は , 平均 が3.6 と 最 も 高い結果 で あ っ た。 次 い で , 展示 ・ 評 価 へ の 評価 が3.5 と い う 結果 で あ っ た。 こ の 「災害食」 のワ ーク シ ヨ ツプに参加 し , 災害に備え る意 識の変化があ っ たかの回答は, 平均3.3 と い う 結果で あ っ た。 こ の結果か ら ア ンケ ー ト に回答 し た参加者の大半が, こ のワ ー ク シ ョ ッ プ を好 意的 に評価 し てい る と 言え る。 本 ワ ー ク シ ヨ ツ プで紹介 し た内容で興味 を持 っ た内容 を尋ねた結果 を表 4 に示 し た。 「 ポリ 袋炊飯」 が58人 と 最 も多 い結果 と な っ た。 次い で 「災害食」 44人, 「 ツ ナ じ やが」 43人 で あ っ た。 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク 法」 は13 人 と 少 ない結果 と な っ た。 今後の活動内容 を考え る上で の課題 と な っ た0 表 4 H 大学大学祭ワークシ ョ ップ参加者 興味を持った内容(複数回答) (人)
N=97
内容 l ・ l l ツ ナ じ やが 二1 . 人 441
43%
45.4
1
44.3
ア ンケ ー ト の回答者中, 自由記述感想 を記入 し たのは 63人で あ っ た。 自由記述感想 に書かれてい た主 な内容 を 抽出 し , カ テ ゴラ イ ズ し た。 分析結果 を表 5 に示 し た。 最 も多 い大 カ テ ゴリ の記述 は 「災害食」 49人で あ っ た。 中 カ テ ゴリ では 「災害食 を 知 る機会 に恵 ま れて よ か っ た」 な ど 「 機会や参加への評 価」 が15人 と 最 も多 く , 次い で , 「災害食が と て も おい 表 5 H大学大学祭ワ ーク シ ョ ッ プ参加者 自由記述感想分析結果(複数回答) (人) N= 63
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●J ;i76 学校教育学研究, 2017, 第30巻 し く びっ く り し た」 な ど 「味への評価」 が13人 と い う 結 果 で あ っ た。 ま た, 「災害食は非常食 よ り も 理に適 っ て い る」 等の 「有用性の評価」 10人, 「家 で子 ど も と 作 っ て みま す」 な ど 「実践への意志」 9 人 と 続い た。 続い て 大 カ テ ゴ リ で は 「備え」 12人, 「耐熱性 ポリ 袋」 9 人の 順 と な っ た。 「備 え」 では 「災害時の食の備え の大切 さ を実感 し ま し た」 な ど, 備え の 「必要性」 の記述が 8 人, 次いで 「実践への意志」 が 4 人であ っ た。 ま た 「耐熱性 ポリ 袋」 では 「耐熱性 ポリ 袋 を家に備え ます」 な ど 「実 践の意志」 が 5 人、 次い で 「興味 ・ 関心」 を示 す記述が 4 人で あ っ た。 自由記述か ら, 参加者が 「災害食」 を知 る機会と し て, 本 ワ ー ク シ ョ ッ プ を 評価 し て い る こ と , 「 災害食」 のお い し さ や有用性 を肯定的 に評価 し てい る こ と が示 さ れた。 ま た, 「災害食」 や耐熱性 ポリ 袋調理, 家庭で の備え の 実践の意志 も示 さ れた。 ③M 市 J 地区自主防災訓練 での 「 災害時の食」 を テ ー マ と し た ワ ー ク シ ョ ッ プの実践 と 評価 2017年 1 月, 「災害食」 ワー ク シ ヨ ツプ を実施 し た。 M 市 J 地区の自主防災訓練は約800人の参加があ る県内 で も 有数の訓練で あ る。 地元 の中学校か ら 3 名がボ ラ ン テ ィ ア と し て参加 し , 共に活動 し た。 メ ンバーの内大学 生 4 人が主に中学生の活動の指導、 サポー ト を担当 し交 流 を図 っ た。 公園で の活動 で あ っ た ため, 災害食の説明 には動画で は な く , ポス タ ー を使 い 参加 者 には ワ ー ク シ ョ ッ プに使 用 し た プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン ソ フ ト の ス ラ イ ド コ ピ ー を手 元資料 と し て配布 し た。 質疑応答の後, 調理 し た温かい 災害食 「 ツナ じ やが」 と 「炊 き立 て ご飯」 50食 を提供 し た。 事後 ア ンケ ー ト に回答 し たのは25人で あ っ た。 大学祭 と 同 じ内容の質問に対 し , 4 件法で回答を得た。 ア ンケー ト 結果 を表 6 に示 し た。 3 項目中 「災害に備え る意識の 変化」 が最 も 高い平均値3.9 と い う 結果 と な っ た。 3 つ の項目共に大学祭 よ り も高い評価 と な り , 防災訓練に自 主的 に参加 し た人が対象 で あ る ため, 防災意識の高 さ が 影響 し てい る と 考え ら れる。 表 6 M 市 J 地区ワーク シ ョ ッ プ参加者 ア ンケ ー ト結果
( 4 件法)
N=25
質問項目 、 均値l
標準1 _ , 展示の分か りやす さ 3.801
0.40 食 し た感想 3.721
0.45 に備 え る意 の変化 3.921
0.39 ワ ーク シ ョ ッ プで紹介 し た内容で興味 を持 っ た内容 t こ つい て尋 ねた結果 を表 7 に示 し た。 「 ポリ 袋炊飯」 が23 人 と 最 も多 い結果 と な っ た。 次い で 「 ツナ じ やが」 19人, 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 11人であ っ た。 「災害食」 は 8 人 と 少 ない結果 と な っ た。 大学祭 と は違 う 結果 と な っ た。 参加者が全員女性で, 主婦層がほ と ん どで あ っ た こ と か ら , 調理に関す る項日 に興味が高か っ た と 推察 さ れる。 表 7 M 市 J 地区ワークシ ョ ッ プ参加者 興味を持った内容(複数回答) (人)
N=25
内容 ll ・ l l ツ ナ じ やが 人 81
19 % 32.01
76.0 表 8 M 市 J 地区 ワ ー ク シ ョ ッ プ参加者 自由記述感想分析結果(複数回答) (人) N= 23
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ア ンケ ー ト の回答者中, 自由記述感想 を記入 し たのは 23人で あ っ た。 自由記述感想 に書かれてい た主 な内容 を 抽出 し , カ テ ゴ ラ イ ズ し た。 分析結果 を表 8 に示 し た。 こ のイ ベ ン ト で の自由記述 の大 カ テ ゴ リ は 「災害 食」 のみで あ っ た。 中 カ テ ゴリ は 「味 への評価」 が 9 人 と 最 も多 く , 次い で 「調理実践への意欲」 8 人 と な っ た。 自分で新 た な献立 を考え実践 し たい と い う 感想が 3 件あ っ た こ と が特徴的 で あ っ た(: