児童の「伝え合う力」を育成する国語科の授業づくりに関する研究 : 多様な対話を活かした作文指導
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(2) 児童との対話記録や質問カードの分析を行った。. る対話の有効性を確認することができた。しか. 分析から,児童は1対1の直接的対話や1対多. し,書くことの日常化を実践するために必要と. の間接的対話を通して,記憶をとらえ直してい. なる,年間を通したカリキュラムの作成には至. ることが明らかになった。そして,児童の書き. っていない。対話の質的向上も含め,年間のカ. 上げた作文から,作文指導における対話の有効. リキュラムの作成が求められる。また,1対多. 性が確認できた。. の間接的対話の方法についての検証が必要であ. 次に,どのような授業や活動を行ったときに,. る。本研究では,6名の班単位で1対多の間接. 児童のr伝え合う力」に対する意識が高まるの. 的対話を行ったが,学級全体で行ったほうが有. かを検証した。. 効な対話が行えたかもしれない。実践を続けな. ・書き手を主体として立ち上がらせる場の形成. がらさらに探究していきたい。. がなされたとき. 「伝え合う力」の育成については,児童が「書. 実践では,ドッジボール大会の優勝というこ. きたい」と思う場をつくる方法について,先述. とによって,児童は相手に訴えかける熱意をも. の6つの視点を参考にしながら,実践を通して. つことができた。それは,教室の緊張感の高ま. 考えていきたい。. りによっても感じることができた。. 授業実践をする上でも課題がみられた。題材. ・宛名性を明確に意識させることができたとき. を吟味することなく,日々の実践が先行してし. 児童によって様々な視点で,受信者に最もア. まい,児童に還元すべき作文の返却が遅れ,1. ピールする形で表現することができた。. つの活動を有機的に次の活動へとつなげること. また,本研究では,10の異なる作文のテーマ. ができなかった。今後は綿密な計画を立てた上. を用いて授業実践を行った。この実践を通して,. で実践を行うように心がけたい。. テーマの構成について,次の6つの視点が有効 であることが明らかになった。. ①以前に行った活動と同じ活動をテーマにする。. 〔参考文献〕. ・秋田喜代美r聴き合う関係から育つ対話カ:. 児童が比較する視点をもつようになる。. 教室の言葉の質を問う」『教育科学国語教育』. ②複数の活動を1つのテーマにする。. 53巻6号,明治図書,2011年。. 児童が選択する視点をもつようになる。. ・大西道雄『作文教育における創構指導の研. ③五感を意識したテーマにする。. 究』漢水仕,1997年。. 児童が工夫して表現しようとする。. ・河野順子『入門期のコミュニケーションの形. ④宛名性を明確にする。. 成過程と言語発達一実践的実証的研究一』漢. 児童が相手を意識して書こうとする。. 水仕,2009年。. ⑤新しい知識や発見をテーマにする。 児童が主体的に書こうとする。 ⑥テーマを決めない。. 児童が生活の意識化をするようになる。. リ11本信幹「『伝え合う力』とは何か」『日本語. 学』No.220,明治書院,2000年。 ・菅原論『戦後作文・綴り方教育の研究』漢水 仕,2004年。 ・ライチェン・ドミニク・S,サルガニク・ローラ・. 4 今後の課題. H(編著),立回慶裕(監訳)『キー・コンビ. 本研究では,対話を活かした作文指導を通し. チンシー一国際標準の学力をめざして一』明. て,児童の「伝え合う力」の育成を目指した授. 石書店,2007年。. 業実践を行った。分析の結果,作文指導におけ. 修学指導教員 河邊 昭子.
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