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児童の「伝え合う力」を育成する国語科の授業づくりに関する研究 : 多様な対話を活かした作文指導

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Academic year: 2021

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(1)児童のr伝え合う力」を育成する国語科の授業づくりに関する研究        一多様な対話を活かした作文指導一.                           教育実践高度化専攻                           小学校教員養成特別コース.                           P10052D 植村 聡 1 研究報告害の構成. ③我が国の言語文化に触れて感性や情緒をはぐ. 序 識 問題の所在と研究の目的及び方法.  くむこと. 第1章 「伝え合う力」と作文指導.  「的確に理解し,諭理的に思考し表現する能. 第2章 多様な対話を活かした作文指導. 力」だけではなく,r互いの立場や考えを尊重し. 第3章授業実践とその分析と検討. て伝え合う能力」も必要とされているのである。. 結 論 研究の成果と今後の課題. それは前述したように,通信技術などの発達に ともなって,社会的に異質な集団と交流する力. 2 研究の概要 (1)問題の所在と研究の目的. が求められているからである。.  そこで,本研究においては,作文指導を通し.  音声言語だけでなく,文字言語によっても即. て,児童のr伝え合う力」の育成を目指した授. 時に情報の交換や共有が不特定多数の人と行う. 業実践を行う。また,どのような授業や活動を. ことができる現代社会において,自分の考えや. 行ったときに,児童の「伝え合う力」に対する. 気持ちを相手に正確に伝えたり,受け取ったり. 意識が高まるのかを検証する。. することができる能力は欠かすことができない。. (2)研究の対象と方法. なぜなら,自分が知っている範囲の人間関係だ.  対象は兵庫県I町立丁小学校の第3学年34. けで情報のやり取りをするのであれば,その人. 名である。. 物の人となりがわかるため,相手の伝えたかっ.  研究の方法として,教師が意識的に多様な対. たことを推測し,善意の解釈をすることができ. 話の場をつくり授業実践を行う。また,書くこ. る。しかし,自分の全く知らない相手,場合に. との日常化を実践する中で,児童が生活の意識. よっては国境を越えるような不特定多数の入が. 化をすることができるように,多様な作文のテ. 相手であれば,善意を期待することはできない. ーマを用意する。. からである。.  そのような時代を反映して,平成20年の中. 3 研究の内容及ぴ成果. 央教育審議会答申では,r教育内容に関する主な.  「伝え合う力」には,心情的なものと技術的. 改善事項」の第1項目に「言語活動の充実」が. なものがあり,r『伝え合う力』としての積極的. 挙げられた。この「言語活動の充実」は今回の. な意欲」,「『伝え合うカ』としての情報受信能力」,. 学習指導要領の改訂において,各教科等を貫く. 「『伝え合う力』として情報発信能力」の3つ. 重要な改善の視点とされている。. のカテゴリーで構成されていることがわかった。.  つまり,「言語活動の充実」は各教科横断的に. 技術的なものには,言語による表現や理解だけ. 行い,特に国語科においては,次の3点を重視. ではなく,非言語的関与によるものも含まれる。. す尋ように指摘しているのである。. また,言語感覚を養うことが,情報発信能力を. ①的確に理解し,諭理的に思考し表現する能力. 高めることにつながることも明らかになった。. ②互いの立場や考えを尊重して伝え合う能力.  作文指導における対話の有効性については,.

(2) 児童との対話記録や質問カードの分析を行った。. る対話の有効性を確認することができた。しか. 分析から,児童は1対1の直接的対話や1対多. し,書くことの日常化を実践するために必要と. の間接的対話を通して,記憶をとらえ直してい. なる,年間を通したカリキュラムの作成には至. ることが明らかになった。そして,児童の書き. っていない。対話の質的向上も含め,年間のカ. 上げた作文から,作文指導における対話の有効. リキュラムの作成が求められる。また,1対多. 性が確認できた。. の間接的対話の方法についての検証が必要であ.  次に,どのような授業や活動を行ったときに,. る。本研究では,6名の班単位で1対多の間接. 児童のr伝え合う力」に対する意識が高まるの. 的対話を行ったが,学級全体で行ったほうが有. かを検証した。. 効な対話が行えたかもしれない。実践を続けな. ・書き手を主体として立ち上がらせる場の形成. がらさらに探究していきたい。.  がなされたとき.  「伝え合う力」の育成については,児童が「書.  実践では,ドッジボール大会の優勝というこ. きたい」と思う場をつくる方法について,先述. とによって,児童は相手に訴えかける熱意をも. の6つの視点を参考にしながら,実践を通して. つことができた。それは,教室の緊張感の高ま. 考えていきたい。. りによっても感じることができた。.  授業実践をする上でも課題がみられた。題材. ・宛名性を明確に意識させることができたとき. を吟味することなく,日々の実践が先行してし.  児童によって様々な視点で,受信者に最もア. まい,児童に還元すべき作文の返却が遅れ,1. ピールする形で表現することができた。. つの活動を有機的に次の活動へとつなげること.  また,本研究では,10の異なる作文のテーマ. ができなかった。今後は綿密な計画を立てた上. を用いて授業実践を行った。この実践を通して,. で実践を行うように心がけたい。. テーマの構成について,次の6つの視点が有効 であることが明らかになった。. ①以前に行った活動と同じ活動をテーマにする。. 〔参考文献〕. ・秋田喜代美r聴き合う関係から育つ対話カ:.  児童が比較する視点をもつようになる。. 教室の言葉の質を問う」『教育科学国語教育』. ②複数の活動を1つのテーマにする。. 53巻6号,明治図書,2011年。.  児童が選択する視点をもつようになる。. ・大西道雄『作文教育における創構指導の研. ③五感を意識したテーマにする。.  究』漢水仕,1997年。.  児童が工夫して表現しようとする。. ・河野順子『入門期のコミュニケーションの形. ④宛名性を明確にする。. 成過程と言語発達一実践的実証的研究一』漢.  児童が相手を意識して書こうとする。. 水仕,2009年。. ⑤新しい知識や発見をテーマにする。  児童が主体的に書こうとする。 ⑥テーマを決めない。.  児童が生活の意識化をするようになる。. リ11本信幹「『伝え合う力』とは何か」『日本語. 学』No.220,明治書院,2000年。 ・菅原論『戦後作文・綴り方教育の研究』漢水 仕,2004年。 ・ライチェン・ドミニク・S,サルガニク・ローラ・. 4 今後の課題. H(編著),立回慶裕(監訳)『キー・コンビ.  本研究では,対話を活かした作文指導を通し. チンシー一国際標準の学力をめざして一』明. て,児童の「伝え合う力」の育成を目指した授. 石書店,2007年。. 業実践を行った。分析の結果,作文指導におけ.        修学指導教員  河邊 昭子.

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