山梨大学教育学部紀要 第 27 号 2017 年度抜刷
英語の教員養成と教員採用試験
English Language Teacher Education and Teacher Employment Examination
古 家 貴 雄
英語の教員養成と教員採用試験
English Language Teacher Education and Teacher Employment Examination
古 家 貴 雄
*Takao FURUYA
1.はじめに 本論考では、主に英語の教員採用試験の在り方について議論をする。英語の教員採用試験を議論し、 ある程度、理想的な試験像を提言するということは、その前提として、どのような大学での英語の教員 養成があるべきかという問題も議論すべきである。したがって、本論考のテーマを英語の教員養成と教 員採用試験にした。 2.ある県の教員採用試験の状況 まず、テーマの議論の入口として、筆者がある程度理解しているさる県の英語の教員採用試験の現状 について簡略的に述べることにしたい。特に、中学校及び高等学校の英語の教員採用試験のケースを取 り上げる。 一次試験はペーパー試験で、その内容は、教職教養(教育原理・教育心理・教育法規)問題と一般教 養問題、それに英語の専門の問題である。一般教養問題の中には数問の英語の問題がある。また、英語 専門の問題の中身は、中学校、高等学校との間には違いがあるが、内容的には、発音の問題、アクセン トの問題、イディオムや表現の問題、英文読解・英作文・学習指導要領の外国語の内容を問う問題、英 語教育の専門用語に関する問題等が含まれる。中学校と高等学校の間に違いがあると述べたが、高等学 校の問題の方が読解や英作文の問題で量が多く、難易度も高い。 次に二次試験については、クレペリン検査や小論文試験があり、英語の専門については、実技試験が ある。その内容は、スピーキング・テストと英文を与えられ、それを音読し、さらに文章の内容につい て問われる試験である。その他、二次試験では、個人面接、集団討論、模擬授業等も行われる。近年では、 教師の仕事の内容が複雑化、多忙化していることが理由なのか、人物評価に関わる試験のウエイトが高 く、したがって、試験全体の中で、英語の専門的な知識や力量というよりも人物評価に直接関係する個 人・集団両面接の出来不出来が、採用の成否に深く関わる傾向にある。 さて、以上の教員採用試験の傾向を分析してみると、英語専門については、先にも述べた試験内容で あるが、英語教育関係の特長として、英語読解については、その文章が英語教育分野の文献から採られ ることが多く、また、英作文については、英語教育分野に関する条件英作文であるケースもあった(例: 生徒に英語のコミュニケーション能力をつけるためにどのような授業をしますか。英語で記述しなさ い)。また、学習指導要領については、必修単語の記述について述べなさい、などの出題がされた。次に、 二次試験で行われるスピーキング・テストについては、具体的に出されたものとしては、1つのテーマ が与えられて、それについて2分間スピーチさせるというものである。出題されるテーマは、近年、英 語教育関係のものが出ることは少なく、「尊敬する人物」等の一般的なテーマが多いようだ。 なお、個人面接について、教科指導についての個人の考えをかなり突っ込んで聞かれることもあるよ うだ。受験生の体験談では、中学生の導入期の指導法としてどのようなものが望ましいと考えるか、を 聞かれたケースもあったようだ。また、この採用試験で実施される「模擬授業」というのは、教科に関 * 教育実践創成講座山 梨 大 学 教 育 学 部 紀 要 平成29年 (2017年) 度 第 27 号 するものではなく、主に生徒指導に関するもの、例えば、掃除をしない生徒にどのような指導をします か、実際にここでやってみてください、というようなものが主であるということだ。 さて、以上の教員採用試験を踏まえての現時点での採用試験の傾向を述べてみると、以下の3点があ るように思われる。 ①英語専門の記述試験の方は、英語の基礎力を問い、また、英語の情報処理能力、さらには、英語教 育の理論的知識等を問う問題があり、バランスが取れている。 ②英語の4技能に関する総合力を実際の場面、つまり実技として試す試験があまり行われていない。 ③英語という教科の指導力・授業能力を試す試験がほとんど行われていない。 山梨県の教員採用試験については、英語教員の資質を正しく見るという点では、優れた部分と課題の 部分と両方存在する。物理的な問題があり、理想的な試験を行うことはもちろん難しいことではあると 思うのだが。 3.大学の教員養成に関する先行研究・教員養成への要望を述べた文献について 教員採用試験で採用する教師の能力、資質、力量等を測るのは難しいことである。この章では、大学 での英語の教員養成、そのシステムや方法について、その問題点を指摘した文献を取り上げ、その内容 について見ていきたい。
まずは、Freeman (1989, 1996) の提示した英語教員の pre-service teacher training における問題点がある。 彼は、教員養成において次の3点を指摘し、それは①実践から切り離された状況で、理論についてのみ 学ぶ機会が多い、②実践的なテクニックについてしばしば教授されるが、自分が行う行為の選択判断の 基準や前提となる情報や能力を発展させる教授にあまり注意が払われない、③カリキュラムや授業を作 り上げるプロセスについては、あまり注意が払われない、である。この中で②は特に重要で、授業中の 教師の判断や意思決定についてのトレーニングの機会がほとんどないのは問題であると述べているの である。また一方で、彼は、英語科教育学に関する学問的知識を持てば、良い授業や実践ができるとい う誤解が、教員養成担当者の側にあったとも述べている。 次にJohnson (1994) は、既存の外国語の教員養成プログラムの反省として、①基本的に、教員養成プ ログラムは学生が教育実習で授業を最初に行う時に対峙する様々な困難点を処理するのに、十分な準備 とはならない可能性が高い。また、②自己の外国語学習の経験の方がプログラムで習うことよりも、実 習で教える方法への影響力がしばしば大きい。③彼らが教員養成プログラムで習ったことにふれる時 は、ただ、様々な第二言語習得理論をどのように考えるかということや、それらの理論のどれに賛成す るかを問われた場合のみである、の3点を指摘している。つまり、教員養成プログラムで与えられるも のの多くは実践であまり役立たない理論的なものが多く、実践知に関わるものが少ないと言っているの である。 一方、Almarza (1996) は、指導法に関するコースは、学生が事前に獲得して持っている外国語教育に 関する知識を改善することに貢献したと、教員養成プログラムに肯定的な見解をしている。これなど は、外国語の教員養成プログラムが、知識を実践という文脈の中でどう再解釈したら良いかということ がわかるようになるのに貢献したということを意味しているのであろうか。
Freeman (1996) and Richards, et al. (1996) は、外国語の教員養成プログラムは、初心の教師に対して「教 える」という文脈に親しませ、教える外国語に関する知識をより深めるのに貢献した、さらに、これら のプログラムに参加した学生たちは、プログラムの終わり頃までには、“accuracy”, “eliciting”, “feedback”, “fluency”, “intonation”, “stress”, “target language” などの専門用語を内在化させ、自発的に正確に使用し、 しかも、これらの言葉を自分の経験との関係で捉え、独自の知識体系の中に組み込んだ、とこれも養成 プログラムを肯定的に捉えている。
ところで、Freeman (1989) は、外国語の教員養成に指導者が関わる2種類のスタンスを挙げている。1 つは、training で、これは指導者自身が、直接介入することによって、ある特定の期間、特定の段階に 分けて養成者に知識を与えるなどして指導を行い、教授の効果を改善させる方法である。別の言葉で言 えば、ある特定の教授上の問題点を独立させ、切り離して指摘し、改善のための技術や知識などの方策 を与えることによって、成果を出させる方法である。例として、教材の提示の仕方、宿題の出し方、な どが考えられる。つまり、training とはある程度決った方法や知識を与えることによって、授業を改善 させる直接的指導であり、現在の大学での英語の教員養成は多くはこの方法を取っているのではないだ ろうか。ただ、このやり方では、学んだ知識が実践知になりにくく、授業における判断力や意思決定力 を養うのは難しいと考えられるのである。もう1つは、development で、これは、指導者自身は間接的 にしか関わらないが、教授の全体的な側面の効果を上げることを目的とし、授業の状況に関する判断や 気づきや意識を通して授業の変化を生み出すことを誘導していく方法である。この方法は、自分の授業 の状況について反省する場を作ってあげる行為を指し、授業における問題点の洗い出しなども含まれ、 development の例として、問い掛けをする、個人的な経験を共有する、授業観察をする、などによって 行う演習がある。これなど、いわゆる学生自身によるreflection の機会を作ってあげることも含まれる。 2つの内、development の方が予測不可能で、間接的な指導になるが、それでも、予測できない授業中 の判断力の養成には威力を発揮する可能性がある。 最後の日本の有識者である菅 (2001) の英語の教員養成の考えを述べると、彼は、授業を英語で行え るような運営能力を身に付けさせることや実際に現場で行われている授業を数多く参観させたり、ビデ オで見せたりして、現在の現場でどのようなことが問題となり、また教員になった時に求められる能力 とは何かを学生に認識させることが望ましいと述べている。この意見は授業におけるリフレクションに より授業の実践知や勘を身に付けさせるのが教員養成で大切だと述べているわけで、これからすると、 過去の英語の教員養成で多かった英語教育や習得や指導の理論を与える授業では養成には不十分であ ると言えそうである。 3.学生の授業力を上げるために、大学の英語の教員養成で行いたい指導内容について では、ここからは、教員養成プログラムにおいて、学生にどのような教員としての力量を付けていき たいかについて論を進めることにする。なお、ここでは、英語の教科指導に問題を限定し、学生の英語 力の向上については、言及のスコープからは外すことを予め断っておきたい。 まず、現場が求める教師の資質の例を以下に3つ挙げてみたい。この3つは、毎年行っている山梨県 総合教育センターでの研修を通して得た教師からの声からである。それは、①英語のカリキュラムをあ る程度構成できる能力(年間指導計画から、個々の授業の目標まで、ある程度計画できる能力)、②生 徒のレベルに合った英語を操ることができる能力(英語を生徒のレベルに落とせる能力)、③教材や指 導のレベルを目の前の生徒の能力に適応させることができる能力である。特に、教師のプロフェッショ ナルとしては③が重要で、また身に付けることが難しく、ある程度の熟練を要する能力である。 次に、以上の章で述べた教員養成に関わる先行研究から得られる示唆として、教員養成プログラムに 盛り込む必要のある内容を以下に3つ挙げてみたい。その3つは、①教員養成の授業の中で、自分の 行った授業をビデオで見ながら、指導上の思考や判断を起こす活動を行うもの、②授業を行う際にどの 程度の認知的な要求(何に気を配るべきなのか)がされるのか、熟練した教師の授業を見て研究する機 会を与えるもの、③教員養成の学生の効果的な指導上の意思決定技能を訓練する内容、④指導上の個々 の問題を解決するために、それに適した知識を与えるだけでなく (training の内容 )、授業の質を総合的 に向上させるべく、自分の授業に関し、気づきや反省の機会を指導者が作ってあげるもの (development の内容 )、である。
山 梨 大 学 教 育 学 部 紀 要 平成29年 (2017年) 度 第 27 号 また、熟練した現場の教師たちから共通して感じられる特性からは、以下のような教員養成の授業が 必要だと思われる。それは、学生に授業の計画・実施・評価に関わる意思決定能力を付けてあげる内容 のものである。その理由としては、熟練した教師は、目の前の学習者の状況を分析し、彼らに合った指 導内容と指導方法を選択決定できる、また、授業構成の要素の選択決定の理由を明確に説明、あるいは 根拠づけることができるからである。ここで言う「教師の意思決定能力」の定義とは、「種々の指導の 内容や方法の選択の中から、ある情報をもとに自己の英語授業の方針を決定でき、しかも選択の根拠や 理由を説明できる能力」(古家, 1999,p.38)を指す。こういう能力を教師になる前の段階で学生に身 に付けさせることが理想ではあるが、しかし、この能力がとても重要である一方で、この能力は、「長 い時間をかけて、自己の授業の観察と反省の結果として発達する (Nunan and Lamb, 1996, p. 106)」もの である。よって、この能力をpre-service training の機会にどれだけ伸ばせるかは自ずと限定されるかも 知れない。いや、もしかするとかなり難しいことかもしれない。 さて、では、ここまでの議論を踏まえて、英語教師となるために養成の必要があると思われる知識・ 能力を以下にまとめておきたいと思う。それらは次のような内容である。 ①英語運用能力→学習者の英語のレベルに合わせられる能力 ②第二言語習得に関する基礎理論 ③教授法や指導方法に関する知識(授業実施上の基礎知識、例えば、板書や音読の方法、文法の指導 方法など) ④英語それ自身に関する知識(文法、語法、語彙の起源などの知識) ⑤授業を計画し、実施し、評価する能力 (授業構成や授業改善の方法なども含む) ⑥教材を分析したり、選択したり、導入したりする能力・技術 ⑦特殊なトピックスに関する知識(一部は②にも含まれる) (言語習得と年齢、障害者への英語教育、ESP、評価・テスティングなどに関する知識) 以上の知識を教員養成の機会に、いくつかの授業(コマ)を開講して、学生に付けてあげたいものだ が、現実として、教育職員免許法においては、これまでは、教科の指導法に関する科目(いわゆる英語 科教育法関係)は、どの学校段階の免許取得についても、最低2単位1科目取得すればよい(受けよう とする免許教科ごとに指導法の単位を修得しなければならない)、ということになっていて、制度的に は、大学においては、英語教育の科目を複数開講する必要がない(あるいは難しい)という状況も今な お存在する。これは残念なことである。免許法のこの度の改訂によって、今後状況は変わるのであろう か。結論として、最低でも英語科教育に関する教科書を使って、この分野の理論や知識を教える講義と、 授業の計画・実施・改善の過程を体験させる演習(模擬授業の実施を含む)との2つの側面が大学の教 員養成には必要であると思われる。 4.以上の議論を踏まえた上での、望ましい教員採用試験の在り方の提言 ここまで、現実の教員採用試験を踏まえ、大学の英語の教員養成課程でどのような内容が授業として 与えられ、どのような資質の形成が望まれるべきかを議論してきた。ここから、望ましい教員採用試験 の在り方の提言を行ってみたい。もちろん、試験ということでは、実際の試験の日程と担当者の数や配 置等に関して、物理的な問題もあり、完全に理想的な在り方というものは求められないと思われる。そ れを踏まえた上での試験に関する提案になる。 まず、英語専門の試験を、英語それ自身の能力を試す問題と英語教育に関する知識を問う問題とに完 全に分けて出題をする。前者は、英語の総合力を問うものや、読解や聴解、さらには作文の能力を問う 問題にする。で、ここには、英語教育の知識を問うものを一緒に入れない。あるいは、英語力と英語教
育の知識を同時に測ろうとするような問題の出し方はしない。後者は、英語教育の知識に関する問題に する。ここで英語教育関係の問い(英語教育関係の文献の読解問題や学習指導要領の内容を問う問題) を入れる。なお、前者の試験については、各種の英語技能試験の得点によって、免除されてもよいと思う。 次に、英語の運用能力を試す試験も今まで通り実施する。ここでは、スピーキングだけでなく、レシ テーションのテストも行うべきである。 次に、英語の指導方法に対する考え方や英語教育観について、個人面接の中で質問をする。例題とし ては次のようなものが考えられる。 ・生徒にコミュニケーション能力を付けるためにどのような指導をしますか(工夫をしますか)。 ・音読指導の意義について述べてください。 ・英語の授業において、教科に対する興味・関心づけと、教える内容の理解とどちらを重視(優先) しますか。 ・読みにおいて、内容理解をより促進する質問とは、どのようなものだと思いますか。 ・英語の綴りと音との対応の仕方を教えるのにどのような方法が考えられますか。 ・英作文におけるプロセスの段階について知っていることを述べてください。 ・生徒の知的レベルに合った活動とはどのようなものだと思いますか。 ・音読において、全体読みだけでなく、個人読みが必要な理由は何だと思いますか。 ・中学校、高等学校でCLIL 的な授業を行うとすれば、どのような授業が可能ですか。 ・パーフォーマンス評価を実施する場合、どのようなタスクを与え、どのような評価法を採用します か。 ・英語の小中連携において必要な連携とはどういうことだと思いますか。 ・英語という教科における「深い学び」とはどういうものをイメージしますか。 ・教師になって、あなたの行う英語教育について、特にどのようなことを重視して指導に当たりたい と思いますか。あるいはあなたの英語教育に関するモットーとは何ですか。それぞれ、その理由も 述べてください。 最後に英語に関する模擬授業を短時間でも良いのでさせる。これについては、現在、かなり工夫をし て行っている県も多く存在している模様である。模擬授業の課題の例としては、次のようなものが考え られる。 課題1:事前に教科書の一部を配布しておいて、どのように授業を展開させるかを試験官の前でデ モンストレーションしてもらう。 課題2:ある特定の文法項目を事前に指定しておいて、その導入方法を考えさせ、デモンストレーショ ンしてもらう。 課題3:英語の授業を数分間ビデオで見せ、それに対するコメントをさせたり、改善点を言わせる。 課題4:ある英語活動を配布し、実際の教室で行うことを想定し、それへの指示を英語でデモンス トレーションしてもらう。 課題5:ある特定の文法項目を事前に指定しておいて、それをパーフォーマンスさせる場合にどの ような文脈や場面を使うかを実際にデモンストレーションさせる。 課題6:ある英文テキストを与え、それのオーラル・イントロダクションを考えさせ、それを実演 させる。 5.おわりに では、本論考のまとめを行いたいと思う。まず、英語の教員養成において準備するべき授業内容とし て、次の内容が必要であると思う。まず、英語科教育の教科書を読ませてレポート発表させたり、教科
山 梨 大 学 教 育 学 部 紀 要 平成29年 (2017年) 度 第 27 号 書の内容を説明するだけの授業では、もはや学生は実際の授業を計画したり、実施できない。したがっ て、英語の理論的な知識の教授だけではなく、授業の構成のさせ方や指導方法、授業改善の方法などを ワークショップ的に体験させたり、実際に指導する機会が教員養成のカリキュラムの中に必要となる。 つまり、実践的な課題を与えて、それに取り組ませるなど、問題解決的な活動を行い、授業における判 断力を磨くなど、授業の実践知を身に付ける機会の増加が望まれる。 次に、現在の教員採用試験の状況については、物理的な制約はあると思われるが、まず、英語教育の 教員としての適格性を判断する試験として、量的、質的にもう少し改善される必要があるのではないか。 また、試験自体が、受験者に対して、試す能力の種類によってきちんと区分けされた構成になっている ことがより望ましいと思う。さらに、受験者の授業(能)力を問う試験(実技も含めて)がもう少し増 える傾向であって欲しい。 また、大学の教員養成の教育の実態と英語の教員採用や採用試験の実態について、お互いに情報交換 する場が、県の指導主事と大学の英語教員養成担当者の間で必要であると思う。つまり、教員採用試験 と教員養成の内容とがある程度一致している必要がある、ということである。 さらに、現場において、英語教員に必要な資質とは何かを、情報として、現場の教員から吸い上げて、 教員養成側にもらいたいものである。 総括として、教員採用試験の内容を急に変えるということは困難であると思われるので、徐々に改 善していくことが望ましいと思う。そのためにも、現場で要求される教師の能力と教員養成で育成され るべき能力との間の突き合わせがぜひとも必要になろう。 注)本論考は、2005 年の9月 18 日に玉川大学に於いて行われたJACET 第 44 回全国大会・シンポジウ ム「公立学校英語教員採用試験の現状と課題-採用試験は機能しているのか?-」で発表した内 容を修正し、改稿したものである。 〈引用文献〉
Almarza, G.G. (1996). Studying foreign language teachers’ knowledge growth. In D. Freeman & J. Richards (Eds.), Teacher
Learning in Language Teaching, 50-78. New York: Cambridge University Press.
Freeman, D. (1989). Teacher training, development and decision making: A model of teaching and related strategies for language teacher education. TESOL Quarterly, 23(1), 27-45.
Freeman, D. (1996). The “unstudied problem”: Research on teacher learning. In D. Freeman & J. Richards (Eds.), Teacher
Learning in Language Teaching, 351-378. New York: Cambridge University Press.
Johnson, K.E. (1994). The emerging beliefs and instructional practices of pre-service English as a second language teachers.
Teaching and Teacher Education, 10, 439-352.
Nunan, D., & C. Lamb. (1996). The Self-directed teacher. Cambridge University Press.
Richards, J.C., Ho, B., & C. Goblin. (1996). Learning to teach in RSA Cert. In D. Freeman & J. Richards (Eds.), Teacher
Learning in Language Teaching, 242-259. New York: Cambridge University Press.
菅 正隆 .(2001). 「大学の教員養成課程ではこういう指導をしてほしい-高校の場合-」 『英語教育』 第 50 巻第 3 号, 22-23. 大修館書店.
古家貴雄.(1999). 「より良き英語授業のための英語教師の情報ソース-これからの英語教育は情報戦である-」 『STEP’99 英語情報』 11・12 月号, 38-41.