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第5回アジア養蜂研究協会大会・第7回熱帯養蜂会議合同大会報告

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Academic year: 2021

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ミツバチ科学 (2000)21(3):136-140

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回 ア ジア養蜂研究協会大

会 ・第

7回熱帯養蜂会議合同

大会報告

佐 々木正 己 ・中村

2000年3月19-25日にチ ェ ンマ イ (タイ 王国) に開かれた表記の合同大会 に出席 したの で, その概要 を報告 したい. 熱帯養蜂会議 は2年 に一度熱帯地 域 の養蜂 をテーマに した国際 ミツバチ研究 協会主催の会 議 で,第 1回の ロン ドン以降,イ ン ド,ケニア, エジプ ト, トリニダー ドトバ ゴ, コスタ リカと 熱帯地域 で開催を続 け,次の第7番 目の開催国 と して タイを選定 していた. アジア養蜂研究協 会が同 じ年 に別の開催地 や時期 に独 自に大会を 開 くよ りも合同の大会 とす ることに意義がある ということで, タイ王国の古都 チェンマイ市で の合同開催 とい うことに相成 った. ア ジア養蜂 研究協 会 と して は第 1回大会 をバ ンコクで開 催 してお り, イ ン ドネ シア,ベ トナム, ネパ ー ルを間に挟んで2度 目のタイでの開催 となった. 事前活動 今回 この大会を タイで開催す るにあた って, 大会事務局長 を務めたチ ュラロンコー ン大学 の SiriwatWongsiri教授 が諸方面 での協力 を求 め る事前活動 のために1999年 12月に釆 ET. Wongsiri教授の旧知の (樵) クイ ンビーガ-∴.・e: 図 1 中曽根文部大臣を表敬 図2 市内のあちこち売 られているオオ ミツバチの -チ ミツと巣をバナナの皮に包んで焼いたもの デ ン小 田社長 の取 り計 らいで,中川元農水大 臣,農水省,および中曽根文部大臣 (当時) を 文部省 に表敬訪問 した (図1).Wongsiri教授 は, さらに各養蜂業界団体を訪問 し,大会およ びェキスポへの参加を呼 びかけた. 開催 地 , チ ェ ンマ イ 大会開催地 とな ったチェ ンマイ市 は, タイの 北部

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「北のバ ラ」とも呼ばれ る古都で,日本か らの観光客 も多い, タイで も有数の観光地であ る.暑 いバ ンコクを離れて避暑 に訪れるタイ人 もいるはどのやや涼 しい気候が幸 い して,周辺 地 を含め タイではセイ ヨウ ミツパテを用 いた養 蜂の中心地的な地域である.野生の ミツパテ も 多 く,特 にオオ ミツバチは-チ ミツや巣が市内 で売 られているのがよ く見 られる (図2).観光 地 であ り,宿泊施設,会場 に問題がなし、こと, 物価がバ ンコクよ りも安 いこと,市内の交通 は 一方通行が多 いもののバ ンコクのよ うな交通渋 滞 はな く,予定通 りにもの ごとが進行可能であ る点,ミツバチが豊富で,北部 タイ養蜂協会 も, 全国で最 も結束力があ り,種 々の活動 も盛んな ど, こうした点を挙げて いけば今回の開催地 に 最 もふ さわ しか った. ワー クシ ョップ ア ジア養蜂研究 協会大会では,会議 に併催で ワークショップを開 くのが定着 しつつあるが, 今回 も最初 はい くつかのテーマの ワークショッ プを開催の予定であ った. しか し,準備が思 う

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137 図3地元タイの参加者を集めたワークショップ よ うに進 まず,結果 として タイの養蜂家を主 な 対象 とした勉強会形式の ワークショップとな っ た. それで も講演者 は,内外の普及経験者 や研 究者 を集 め,全3部構成で形 は整 った ものにな っていた. 会場 とな ったナコ ンビンホテルは,大会主会 場の ロータスホテルとは市 の対角線上反対側 に あた り, また視聴覚機器 に一部不備があ って, その点では不満の声 もあ ったか, タイの養蜂家 や政府関係者 など,予想 を超 え る

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名近 くが 出席 して, タイ ら しいス タイルの会議 とな っ た.中村 は第 1部 で 日本 の養蜂事情 について, 特 に生産物の自給状況などを報告 (図 3) し, タイの養蜂家が輸出先 と して考え得 る市場であ ることを説明 した.先端技術 に関する第3部で は農水省畜産試験場 の天野博士が講演. いずれ もタイ語の通訳がつ いた (発表者が タイ語 で話 し,英語で簡単 に通訳 されることもあった) こ ともあ って,参加者か ら熱心 な質問が相次いだ 本 会 議 大会 は 35か国, 216名の国外参加者 に, 覗 地 タイの国内参加者 を加 え ると

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余名 とい うこの会議 と してはかな り大規模 な ものであっ た.会場 となった ロータスホテルには多 くの参 加者が宿泊 してお り,その分,早朝か ら出席者 が多 く, いずれの シンポジウムも盛会であ った 大 会 はまず

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博士 によ る 基調講 演 「ア ジア各地 の ミツバ チ と養蜂 の歴 史」で始 まった (図 4).佐 々木 は玉川大学の卒 業式 を終えてか らの参加 とな ったため聞 けなか ったが

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博士 は最近,同様の観点か らの 図4

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博士 の講演 世界規模 の

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ペー ジか らな る大著 を発表 さ れたばか りで, いっ もなが らそのスケールの大 きさには圧倒 される.学術発表 は,1)養蜂生産 物 と ミツバチ治療,2)- ナバチの多様性,3) ミツバチ生物学,4)熱帯 ハナバチの管理,5) 病気 と治療,6)ポ リネー ション,7)保護 と生 態系管理,8) ミツバチ遺伝学の進歩,9)植物 保護 とその影響,10)国際交流 と養蜂の持続的 発達, の10の シンポジウムに分かれ, さらに その中に,基調的講演,一般 口頭発表, ポスタ ー発表が含 まれ る. 佐 々木 は, カ リフォルニア大学の

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教授 とともに ミツバチ生物学部門の進行 ととりまと めに当た ったため,他の部門の発表 はほとんど 聞 くことが出来なか ったが,合同大会 というこ ともあ って,全体 に過去4回のア ジア養蜂研究 協会大会 に対 して発表数 の上では圧倒的に大 き い,充実 した会議 とな った. ただ, ここで, ち ょっと舞台裏事情を披露す ると,熱帯養蜂会議の主催者であるイギ リスに 本部 をお くEg際 ミツバチ研究協会 と現地 タイの チュラロンコー ン大学 の連携が必ず しもスムー スでな く, プログラムの編成が直前 まで決 ま ら ない一幕があった. アジア養蜂研究協会事務局 (玉川大)スタッフの中村,榎本組のイ ンターネ ッ トをフル活用 した遠隔操作 ともいえるウル ト ラC級 の応援 が なければ, ど うな って いたの か, という感 じであ った.一方,玉川大で博士 の学位 を取得 した

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さん (現 チ ュラ ロンコー ン大講師)が現地実行委員の中心的役 割 を担 って大活躍 して くれていたのは頼 もしい 限 りであ った.玉川か らの もの も含め,5分 に

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138 図5 発表す る松香教授 1通 はどのペースで届 く電子 メールに埋 もれな が らの奮闘 という感 じだ ったよ うだが,過去の 大会の準備事情か らす ると,通信手段が各段 に 便利 になった分,当事者 はただただ忙 しくなっ ただけという実感 もある. 実際,渡 されたプログラムではどの発表がい つ どこで行われているか不明で,当 日張 り出さ れ るプ ログ ラムに眼 を通 す必要 が あ った. た だ, これ も今 まではともす るとただの進行役で あった シンポジウムの世話役が,大変有機的に 会議 に参加す るとい う形 にもな り,怪我の功名 ではないが,各 シンポジウムの世話役 を買 って 出ていただいた方 には充実 した会議 だ ったので はないか とも思えた. さて, ミツパテ生物学部門では, アジアでは 足跡の大 きいポーラン ドのWoykeや グラーツ 大学 のKastbergerの オ オ ミツバ チ関係 の報 普,次回 ア ピモ ンデ ィア開催国南 アフ リカ共和 国のHepburnによる飛行 メカニズムの発表, pengの卵内への精子 の侵入 プ ロセスに関す る 精細 な観察報告, ミシガ ン大 のHuangが雲南 農科大 のKuang教授 らと発表 した トウヨウ ミ ツバチの

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と分業 の報告 などが 目をひいた. 日本か らは蚕糸昆虫農技研 (さきがけ21)の笹 川博士 による 「ニホ ンミツバチによる ミツバチ ヘギイタダニの認識物質」,筑波大 の松 山博士 による 「アジア産 ミツバチおよびマルハナバチ の大顎腺成分」,佐 々木 らによる 「ニホ ン ミツバ チのオオスズメバチに対 する発熱蜂球 による防 衛行動 のサーモグラフィーによる解析」の発表 があ った. その他 の シンポ ジウムでの 日本 か らの発表 は,玉川大松香教授 (研究協会会長)のア ジア の ミツバチ生産物 に関す る招待講演 (図 5),や はり松香 らによる中国およびブラジル産 プロポ リスの比較,同 ミツパテ科学研究施設の吉田主 任 による同所的に生息す る在来種 ニホ ンミツバ チと導入種 セイ ヨウ ミツバチの関係の解析,同 中村 による巣箱 デザイ ンと巣内微気象の関係の 解析か北大高橋氏によるサベ ミツバチと トウヨ ウ ミツバチの研究用

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プ ライマーについて の発表などであった.畜産試験場の木村博士 は トランス ジェニ ック ミツパテ作 りの現状 につい て報告 した. トランス ジェニ ック (遺伝子組み 替え)昆虫については, ショウジョウバ ェ以外 では困難 な状況が長 く続 いて釆 たが,1999年 に至 り, カイ コで相次 いで成功例 が報告 され た. ミツバチで もごく近 々現実の ものになる可 能性が出て きた. BeeWorld Expo 2000 先行開幕 した同時開催 の ビーワール ドエキス ポ2000は, ロータスホテルか らショッピング モールに通 じる展示 スペースを,美 しいランの 花で飾 りつけた会場で行 われた.3月 とい う時 期的な問題 もあ って, 日本か らは (秩) クイ ン ビーガーデ ン (図 6)と (秩)健康生活 グループ 友愛 の2社 に玉川大学 ミツバ チ科学 研究施設 の計3ブースのみの出展であった. タイの養蜂関連企業 など計 32ブースが参加 したが,企業以外に関連省庁やプ ロジェク トも 出展 していた.特 に, タイ王室の傘下 にあるロ ーヤルチ ッ トラタプ ロジェク トも出展. このプ ロジェク トはタイ各地 で農業,手工業関係 の技 図6 クインビーガーデンのブース

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139 図7 表彰盾 を手 に した 末次 さん (後 日,玉川大学で) 術普及を行 っているところで, ミツバチ関係の 事業ではハチ ミツ生産 とろうそ く製造が以前か ら有名である.国民 に人気のある王室関係 とい うことで,一般 の見学者 の多 くが このプロジェ ク トの ブースに足を止 めて熱心 に見学 していた エキスポの初 日には タイ王室顧問で もあるタ ニ ン元首相か ら, アジアの養蜂発展 に貢献 した 人 々の表彰が行われ, 日本人では,故岡田一次 教授 と, ア ジア養蜂研究協会の活動 に深 い関心 を寄せていただ き,大会の都度 ご協力 いただい ている末次晃氏 (図 7) が記念の盾を受 け取 っ た (いずれ も代理出席). この表彰式 に続 いて, タニ ン元首相がェキスポ会場 を巡幸 され,各 ブ ースで熱心 に説明を受 け られていた.初 日の来 場者 にはタイの-チ ミツを使 った飲料水や-チ ミツワイ ンがふ るまわれた. また今回の会議 に 合 わせて タイの在来種 ミツパテ 4種 の記念切 手 も発行 され,会場 内で販売 された. さらにハ チ ミツの コンテス トなど も行われた. なお,今回のエキスポでは (秩) クイ ンビー ガーデ ンの小田社長が委員 と して参画 事前の 会場視察などに もご尽力 いただいた. ア ジア養 蜂 研 究 協 会 ミー テ ィ ング ア ジア養蜂研究協会 は大会期間中恒例の役員 および会員 ミーテ ィングを開催 した.役員人事 の他,刊行 にこぎつけたネパ ールの会議録およ び, 機関誌 となる

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につい ての報告 と今後 の出版計画,会費の問題 などが 討議 された. 次期開催国の選定では,トル コ,フィリピン, イ ン ドの3か国が立候補 し,最終的に種 々の条 件を鑑みて,2年後 の第 6回大会開催地 はイ ン 図8 ロシアリャザン研究所のエシュコフ博士 ド,バ ンガロール と決定 した. また この会議 には初参加 となるロシアの リャ ザ ン研究所のエ シュコフ博士が特別 に発言 を求 め,ユーラシア養蜂協会の発足を訴えた (図 8) 大 会 参 加 ツ アー 今回 もアジア養蜂研究協会では会議の参加 ツ アーを企画.多 くの方 に参加 していただいた. ツアーはタイ北部 のチェ ンライに入 り, ミャン マー国境 に当たるメーサイを訪れ,その後,会 読, エキスポに合流す るという日程であ った. またチェンマイ市内で も観光の他 に, チェンマ イ大学や農業省の養蜂 セ ンター (図 9),タイで 最大規模の養蜂企業の見学 を実施, この時 は学 生 スタッフツアーと合流 させていただいた.会 議後バ ンコクを経由 して帰国の途 についた.短 い日程であ ったが, タイで最 も養蜂の盛んなチ ェ ンマイを堪能 していただいたと思 う. 会議の 日程が 日本の事情で決 まるものではな いので時期の ご希望 には添えないが,今後 も大 会 ごとにツアーを企画す るので,参加 していた だけるよ うであれば幸 いである. 図9 農水省養蜂センターで説明に聞き入る

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