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大都市部における高齢者の家族・親族コミュニケーションに関する調査研究・序報 : 愛知県春日井市・高蔵寺ニュータウンにおける高齢夫婦への面接調査を中心に

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Academic year: 2021

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(1)大 都 市 部 に お け る 高 齢 者 の 家 族 ・親 族 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンに 関 す る調 査 研 究 ・序 報 一 愛知 県春 日井市 ・高蔵寺 ニ ュータ ウンにおけ る 高齢夫婦 への面接調査 を中心に 一 安 達 正 嗣. 1高. 齢 社 会 と 家族 ・親 族 コ ミュニ ケ ー シ ョン. わ が 国 の高 齢 化 率(65歳 99年 で は16.7%と. 以上 の 人 口比)は. 、1970年 に7%に. 達 し、94年 に は14%を. 越 して、. な って い る。 これ は 、諸 外 国 と くらべ て 最速 で あ る こ とは 、よ く知 られ た こ と. で あ る。 こ こ に至 っ てわ れ わ れ は 、 も はや 高 齢 化 の進 行 を 「老 人 問題 」 とい う特 殊 な社 会 現 象 と して論 じる時 代 か ら、 現 代 社 会 の なか で一 つ の常 態 と して冷 静 に 受 け とめ る新 しい時 代 へ 、 と移 りか わ って きて い る点 を 認 識 す る必 要 が あ る と言 え る で あ ろ う。 また ほ ぼ 同時 期 に 、 高 齢 者 の家 族 形 態 も大 き く変 化 して きて い る。 近 年 の傾 向 と して、 祖 父母 、 親 、 孫 が 一 緒 に 暮 らす 三 世 代 同居 世 帯 の割 合 が 急 減 して い るの に対 して 、夫 婦 暮 ら し世 帯 や ひ と り暮 ら し世 帯 の 割 合 の 急 増 が 生 じて い る。 つ ま り、 高 齢 者 と家 族 の ライ フ ス タ イル は 多 様 化 して い るの で あ る。 この 要 因 は 、1960・70年 代 に は 仕 事 を 求 め て大 都 市 に移 住 した 子 が 高 齢 の 親 を 郡 部 に取 り残 した こ とに よ る もの と言 わ れ て きた が 、 現 在 で は 、各 種 の意 識 調 査 の結 果 な どを み る と、 む しろ 高齢 者 みず か らに よ って 子家 族 と離 れ て暮 らす ライ フ ス タ イル が 選 択 され て い るば あ い も多 くな って い る と考 え られ る。 こ う した 高齢 化 な らび に 高齢 者 の家 族 形 態 の変 化 に対 して は、 一 人 の 高 齢 者 を 何 人 の 若 ・中 年 者 が支 え る こ とに な る か とい った 図式 を示 した り、将 来 の年 金 や 介 護 費 用 な どの増 大 が 明 らか に され た り して、 お もに悲 観 論 的 な論 調 が 目立 って い る。 もち ろん 筆 者 も、 国 家 財政 へ の圧 迫 、 国 民 負 担 の増 大 な どが予 測 され て お り、 軽 視 で き る 問題 とは決 して 考 え て い るわ け で は な い。 しか しなが ら、 都 市 化 や 産 業 化 の進 行 した 社 会 に お い て は、 ほ とん ど例 外 な く高齢 化が 生 じて お り、 否 定 的 に ば か り と らえ て い て は、 未 来 へ の 展 望 は開 け な い と思 わ れ るの で あ る。 い ま必 要 な こ と は、 過 度 な 危 機 感 を あ お る よ り、 冷 静 な眼 で 前 向 きに 高 齢 社 会 を と らえ な お して い く こ とで あ り、 そ して 高 齢 者 の視 点 に 立 っ て家 族 ・親 族 関 係 を 再 考 して み る こ とで あ る。 か つ て 人 生50年 ・60年 と言 わ れ てい た 時 代 に は、 末 子 が 成 年 に 達 す る まで に親 が亡 くな る こ と は 決 して まれ な こ とで は な か った 。 平 均 寿 命 の急 速 な 伸 長 に よ って 人 生80年 時代 をむ か え る と、 高 齢 の 親 あ るい は 高 齢 夫 婦 と して 暮 らす 期 間 は 大 幅 に 延 長 され て くる こ とに な る。 高 齢 期 の家 族 との 暮 ら しが 長 期 化 した こ とに よって 、 そ の 内容 自体 も変 化 して い る が 、子 や孫 な ど との関 係 に 関 して 模 範 とな る よ うな モデ ル は まだ 定 ま った もの は な く、 手探 りの 状 態 で あ る。 現 代 の高 齢 者 世 代 に と って 、 自分 た ち の 祖 父 母 や 親 の 暮 ら し方 は 、 あ ま り参考 に な らな くな っ て い る。 わ れ わ 95.

(2) れ は 、 高齢 期 に お い て子 や 孫 との 関 係 を どの よ うにつ く りな お せ ば よい の か とい う問題 に悩 む こ とに な るわ け で あ る。 言 い か えれ ば 、高 齢 者 自身 が 主 体 的 に 選択 で きる、 選 択 しな け れ ば な らな い新 しい 家 族 生 活 の 時 代 とな って き た の で あ る。 こ こで 必要 な の は、 成 人 子 に よ る老 親 に対 す る一 方 的 な 扶 養 とい っ た 「 家 族 のな か に 含 まれ た 高 齢 者」 で は な く、 「 個 と して の 高齢 者 に よる家 族 の再 構 築 」 とい う視 点 か ら考 え て い くこ とが 不 可 欠 とな る と思わ れ る。 この 「 個 と して の 高 齢 者 に よ る 家 族 の 再 構 築」 とは 、高 齢 者 の立 場 か ら家 族 関係 を とら えな お す こ とで あ り、筆 者 は そ うした 再 構 築 させ た 家族 を 「 高 齢 期 家 族」 と呼 ん で い る。(詳 し くは 、 拙 書 『高 齢 期 家 族 の 社 会 学 』 世 界 思 想 社 、 1999年 を参 照) 家 族 ・親 族 関 係 の 主体 的 な選 択 あ るい は 再 構 成 に と って 重 要 な 課 題 が 、 コ ミュニ ケ ー シ ョン の あ り方 で あ る。 現 代 の主 流 を しめ るサ ラ リーマ ン家庭 は 、 生 産 活 動 か ら離 れ て 消 費 の み の 場 に な っ てお り、 集 団 と して の共 同性 が 薄 れ るな か で 、個 人 化 が進 行 して い る。 個 人 間 の 関係 は家 族 に お いて も、 コ ミュニ ケ ー シ ョンに よ って維 持 され る側 面 が 強 く、 高齢 期 の家 族 生 活 の選 択 そ し て再 構成 に は 、 こ うした ことが 重 要 とな る。 こ う した高 齢 期 の家 族 ・親 族 関 係 の 再 構 築 に 関 す る 研 究 に お い て 、 コ ミュニ ケ ー シ ョン論 の 視 点 が重 要 で あ る こ とは 、す で に拙 稿(「 高 齢 期 の 家 族 関 係 」 中川 淳 編 『家 族 論 を 学 ぶ 人 の た め に』 世 界 思 想社 、1999年 、192−204頁)で 強 調 した と ころ で あ る。 本 稿 は 、 これ か ら の高 齢社 会 に お い て もと め られ る家 族 ・親 族 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン研 究 を お こ な うた め の序 報 と して 位 置 づ け られ 、愛 知 県 春 日井 市 に あ る高 蔵 寺 ニ ュ ー タ ウ ンの 高齢 夫婦 へ の 面接 調 査 の結 果 、 な らび に そ こか ら得 られ た 知 見 を整 理 して 、 今 後 の 研 究課 題 をみ い だ して い る。. 2調. 査地の概況 と集団面接調査の結果. (1)高 蔵 寺 ニ ュー タ ウ ンの 概 況 本 報 告 で は 、愛 知 県 春 日井 市 に あ る高 蔵寺 ニ ュー タ ウ ンの 高齢 夫 婦 へ の面 接 調査 を 通 じて 、 と くに 夫 婦 関 係 の あ り方 な らび に 家族 ・親 族 関 係 の あ り方 に と って必 要 とされ る コ ミュ ニ ケ ーシ ョ ン能 力 を 考 え て い くため の基 礎 作業 を お こな っ て い る。 千 里 ニ ュー タ ウン をは じめ とす る全 国 の大 都 市 周 辺 の 大 規 模 な ニ ュー タ ウ ンは、 す で に初 入 居 か ら30年 な い し40年 ほ どを 経 て お り、急 速 な 高 齢 化 の進 行 に と も な って 、 い わゆ る 「オ ー ル ドタ ウ ン化」 して きて い る と言 わ れ る。 若 中 年 期 に ニ ュ ータ ウ ンの 新 住 民 と して核 家 族(夫 婦 のみ 、 夫婦 と未 婚 子 な ど)で 初 期 に居 住 した人 び とは 、 す で に定 年 退 職 前 後 な らび に子 育 て 後 の空 巣 期 とい った 中高 年 期 を む か え て い る。 居 住 後 に 地 域社 会 と共 に 、 子 家族 との関 係 が 新 し く形 成 され て き た の で あ る。 地 域 の 変遷 につ れ て、 入居 者 とそ の家 族 は年 を重 ね て お り、 地 域 住 民 が そ ろ っ て 高齢 期 を 迎 え る こ とに な る。 最 近 に な って ニ ュ ータ ウ ンが注 目を 集 め て い るが、 都 市 郊 外 に お け る若 中 年 層 の 住 民 の か か え る家 族 病 理 的 な 現 象 を取 りあげ て い る研 究 が多 く、 高 齢 者 層 に対 す る研 究 は まだ 少 数 に と ど ま っ 96.

(3) て い る状 態 に あ る。 しか しな が ら、 ニ ュ ー タ ウ ンの 高齢 者 が 再構 築 す る家族 は 、 ま さに モ デ ル な き高齢 期 家 族 の パ イ オ ニ ア的存 在 で あ り、 そ こか ら学 ぶ もの は 大 きい と考 え る。 さ き に述 べ た よ うな研 究 目的 か らみ て 、 「個 と して の 高 齢 者」 と して 家族 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を どの よ うに お こな い な が ら、 モ デ ル な き高 齢 期 の家 族 ・親 族 の再 構 築 して い くか を 探 る た め に は 、 ニ ュー タ ウ ンは きわ め て適 切 で も っ と も興 味 深 い フ ィール ドで あ る と言 え る。 今後 の 団 塊 の 世 代 の つ くる高 齢 期 家 族 や 高 齢 社 会 全 体 を 考 え る うえ で も、 ニ ュ ー タ ウ ンを フ ィー ル ドに す る こ とは 重要 な 意 味 を も って い るの で あ る。 こ こで は 、名 古屋 市 郊 外 の愛 知 県 春 日井 市 に あ る 高蔵 寺 ニ ュー タ ウ ンを 調査 地 と して い る。 1960年 代 半 ば ごろ よ り、都 市 化 に よる大 都 市 へ の人 口集 中 か ら、 全 国 で 相 次 い で 大 都 市 周 辺 に 大 規 模 な住 宅 地 がベッド タ ウ ンと して建 設 され た 。JR名. 古 屋 駅 か ら普 通 電 車 で20分 ほ どの と こ. ろに あ る高 蔵 寺 ニ ュー タ ウ ン も、 そ の な か の ひ とつ で あ る。 東 京 の 多摩 ニ ュー タ ウ ンに先 駆 け て 、 大 阪 の 千 里 ニ ュ ー タ ウ ン とほ ぼ 同 時 期 で あ る60年 に 、 名 古屋 市 郊外 の春 日井 市 で高 蔵 寺 ニ ュ ー タ ウ ン計 画 が 住 宅 ・都 市 整 備 公 団(旧. 日本 住宅 公 団)に. よ って ス タ ー トした。 事 業 年 度 は、65年 度. か ら81年 度 で あ る。住 民 の実 際 の 入居 は 、68(昭 和43)年. か ら始 ま っ て お り、98(平. 成10)年. に、. 入 居 開始 か ら30年 を む か え て い る。 ニ ュー タ ウ ン内部 は 、藤 山 台、 岩 成 台 、 高 森 台 、 中 央 台 、 高 座 台、 石 尾 台、 押 沢 台 に分 か れ て い る。 また 、 ニ ュ ー タ ウ ン 内 の主 幹線 道 路 に よ って3つ の ゾ ー ンに 分 割 して、 中央 に シ ン ボル で あ る 「セ ン タ ー」 部 分 を つ くって い る。 そ こに は 、76年 に オ ー プ ン した シ ョ ッ ピン グセ ン タ ー 「サ ン マルシェ 」 が あ る。 現在 、 住宅 地 は約56%を. しめ て お り、. 集 合住 宅 を 中 心 に した 高 密度 ゾ ー ン と中 密度 ゾ ー ン、一 戸 建 て を 中心 に した低 密 度ゾーン を 組 み 合 わ せ 、変 化 と秩 序 の あ る町並 み を形 成 して い る。 1998年2月1日 現 在 、 総 面 積 は約702ha、 人 口は50,881人(男 は18,161世 帯 とな って お り、 表1の. 性25,009人. ・女25 ,872人)、 世 帯 数. よ うに、 高 齢 化 率 は 、90年 の4 .7%か ら95年 の7.1%へ. と、 と. りわ け90年 代 に 入 って か ら急 増 傾 向に あ り、 高 蔵 寺 も全 国 の ニ ュ ー タ ウ ン と同 じ く、 オ ー ル ドタ ウ ン化 の 道 へ と歩 ん で い る こ とを 明確 に 示 して い る。. 表1人. 口 と高齢 化率の推移 春 総. 数. 日. 井. 市. 高 齢 化 率(総. 高 蔵 寺 ニ ュー タ ウ ン 数). 総. 数. 高齢化率(総 数). 1980年. 244,199人. 5.3%(12,952人). 1985年. 256,990人. 6.5%(16,675人). 1990年. 266,599人. 8.0%(21,211人). 50,440人4.7%(2,364人). 1995年. 277,589人. 9.9%(27,461人). 51,312人7.1%(3,622人). 資 料 出 所:「 国 勢 調 査 」、 「 春 日井 市 統 計 書 」、 「 あ い ち の 町 丁 目 ・字 別 人 口」. (2)集 団 面 接 調 査 の 結 果 1998年3月. に 、 高蔵 寺 ニ ュ ー タ ウ ンの8人(女. 性1名. 、 男性7名)の. 中高 年 居 住 者 に対 す る集. 97.

(4) 団 イ ン タ ビュ ー形 式 の座 談 会 を 開 い た 。 入居 か らい ま まで の 暮 ら しぶ りに つ い て 、 家 族 ・親 族 関 係 を 中 心 に た ず ね て い る。 単 純 に 一 般 化 す るわ け に は い か な い が 、 つ ぎ の よ うな い くつ か の 知 見 が 明 らか に な り、 高 齢 期 の家 族 コ ミ ュニ ケ ー シ ョン能 力 の研 究 に と って 仮説 とな り得 る可 能 性 の あ る も の で あ る。 ①. 子 が お らず 夫 婦 だ け で暮 ら して い るば あ いに は 、 積 極 的 に地 域 との か か わ りを も って い る こ と。. ②. 共働 きの娘 夫 婦 との 同居 の ば あ いに は、 幼 い とき に孫 育 て にか か わ る と、 生 活 時 間 の ズ レ もあ って 、 孫 は 成長 して か ら も父親 よ りも祖 父 の ほ う と頻 繁 に 交 流 す る こ と。. ③. しか し孫 との 生活 は 、成 長 す る につ れ て食 事 や テ レ ビ番 組 の違 い な ど と い う よ うに 、 世 代 間 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン ・ギ ャ ップ が大 き い こ とを 強 く意 識 させ られ る も の で あ る こと。. ④. ニ ュ ー タ ウ ンで も当初 は 、 い わゆ る 「 べ った り同居 」 とい った 生 活 の共 同型 が多 くみ られ た が 、 現 在 では 生 活 を 完 全 分離 した二 世 帯 住 宅 が ほ とん どで あ る こ と。. ⑤. 親 の住 む ニ ュ ー タ ウ ンの 一 戸建 て を 改築 して 、名 古屋 市 な どか ら子 家 族 が 同居 の ため に移 り住 ん で くる ば あい が 多 い こ と。全 体 的 に は高 齢 化 は進 行 して い るが 、 これ が地 域 に よっ て は高 齢 化 率 を鈍 化 させ るひ とつ の要 因 に な って い る こ と。. ⑥. 高齢 の親 を ニ ュー タ ウ ンに 呼 び よせ て 同居 した ば あ い 、新 しい居 住 者 に対 して地 域 が 比 較 的柔 軟 で あ る た めに 、 孤 独 に な らず に適 用 しや す い こ と。. ⑦. ニ ュー タ ウ ンに お いて も、 地 域 に 閉鎖 的 に な る夫 婦暮 ら しや一 人 暮 ら しの 高齢 者 が多 くみ られ 、 そ う した高 齢 者 の場 合 に は家 族 や親 族 との交 流 も少 な い こ と。. ⑧. 一 口に ニ ュー タ ウ ンと言 って も、 地域 で そ れ ぞ れ に個 性 が あ り、 近 隣 との つ きあ いだ け で な く、家 族 や 親 族 と のつ き あい に も影 響 を あ た え て い る 可能 性 の あ る こ と。. 3個. 別面接調査 の結果 と知見の整理. (1)ニ. ュー タ ウ ン の高 齢 夫 婦. 高 蔵 寺 ニ ュー タ ウ ンに居 住 す る高 齢 夫 婦 に対 して個 別 面接 調 査 を実 施 して い る。 これ は、 個 人 の生 活 史(と. くに ニ ュー タ ウ ン居 住 後)の な か に位 置 づ け な が ら、 現 在 の 家 族 ・親 族 コ ミュ ニ. ケ ー シ ョン状 況 を 明 らか にす るた め で あ る。 つ ま り、 高齢 者 の家 族 ・親 族 ・地 域 ネ ッ トワー クが 人生 の な か で どの よ うに形 成 され て きた の か 、 と くに 中年 期 か ら高齢 期 にか け て夫 婦 関係 が どの よ うに変 化 し再 構 築 され て い った のか 、 な ど とい った 問 題設 定 を して い る。 具 体 的 に は 、 お もに つ ぎ の よ うな質 問項 目を設 け る こ とに した 。 *調. 査 対象 者 の 生活 史 全 般 につ いて 。 と くに 高蔵 寺 ニ ュ ー タ ウ ンへ の入 居 の前 後 の状 況 、 こ. れ ま で の生 活 状 況 につ い て。 *生. 活 史 に お け る配 偶 者 、息 子 ・娘 、 孫 、 男 ・女 き ょ うだ い 、甥 ・姪 、実 親 ・義 理 の親 、 そ. の 他 の親 戚 との現 在 ま で のつ き あい(コ. ミュ ニ ケ ー シ ョン)の 状 況 につ い て。 また 、地 域 活. 動 や社 会活 動 の なか で、 そ れ ら が変 化 して きた か ど うか に つ い て。 98.

(5) 以下 で は 、3組 の 高齢 夫婦 に 対 す る個 別 面 接 調 査 の結 果 を 報 告 して い る 。 な お 、 年 齢 な ど は 2000年10月 現在 の もの で あ る 。. (A さ ん夫 婦:夫 婦 のみ の暮 ら し、夫76歳 ・妻71歳) 夫 婦 の プ ロフ ィー ル:夫 は1924(大. 正13)年. に 長 野 県 で、 妻 は29(昭. 和4)年. に 中 国大 陸 で 、. そ れ ぞれ 生 まれ て い る。 夫 の ほ うは、 官 庁 勤 め を 経 て 、 運 送 会 社 に 勤 め な お して か ら10年 前 に 定 年 退 職 で辞 め て い る。 妻 のほ うは、 朝 鮮 半 島 を 経 て 、41年 に 愛 知 県 に も ど って き て い る。68年 に 結 婚 に 名 古 屋 で 結 婚 し、 高 蔵 寺 ニ ュ ー タ ウ ンの な か で も初 期 に 建 設 され た藤 山 台 の集 合 住 宅 に 、 69年9月. か ら現 在 まで 住 ん で い る。 子 ど もは な く、 夫 婦 ふ た り暮 ら しで あ る。. 入 居 当 初 と現 在 の 地 域 の 状 況:入 居 した 当 時 の 周 りの 様 子 に つ い て妻 は 、 「 広 か った です よね 。 も うとに か くバ ス停 を 降 り立 った 時 に も、 本 当 に 何 て 言 うん です か。 言 葉 で言 うと、 時 期 か ら言 うと、 晩 秋 の 荒 野 って い うみ た い な 。 赤 土 の造 成 地 に な って ま してね 」 と述 べ てい る。 も よ りの バ ス停 は 、JR高. 蔵 寺 駅 か らの 終 点 とな って い た の で あ る。 松 坂 屋 ス トアが1軒 あ った が 、 品 物. が 悪 く品 数 も多 くな か った 。 そ の た め に 、 同 じ集 合 住 宅 な どの地 域 で暮 らす 人 び とが1970年 に 自 治 会 を つ く り、 そ の役 員 が 魚 や 野 菜 を産 地 で買 い 出 しを して青 空 市 場 で 売 り、 牛 乳 も 自治 会 の 女 性 部 の役 員 が各 戸 に 配 っ た り して い た との こ とで あ る。 電 話 も、 お金 を 出 し合 って 集 合住 宅 の10 軒 に1つ 設 置 した り、 中 日新 聞 の取 次 店 が 中継 所 に な っ て くれ た こ と も あ った 。 当 時 の入 居 者 た ち は、 ほ とん どが30歳 代 や40歳 代 で あ り、 自分 た ち で生 活 を つ くって い くとい う活 力 が あ っ た。 しか しな が ら、 店 が増 え て、 生 活 が便 利 に な るに つ れ て、 近 所 づ きあ い も少 な くな って きて い る。 現 在 で は、 高 蔵 寺 ニ ュー タ ウ ン の なか で も コ ミュ ニ テ ィ活 動 が 不 活発 な 地域 で あ る。 地 域 活 動 や 社 会 活 動:い. っぽ う老 人 会 は、1972年 に も っ と も早 く創 設 され た地 域 で もあ る。 小. 学 校 の 初 代 の校 長 が 中 心 に な っ て 「 み ど り会」 とい う老 人 会 を つ く った の が 、始 ま りで あ る。 自 治 会 で 支 援 す るた め に 、 夫 が55歳 に な った と きに 夫 婦 で参 加 して い る。 妻 が茶 道 の師 範 を して い た こ と も あ り、 そ の こ ろか ら現 在 まで 老 人 会 に は お茶 を た て た り教 え た りして きた 。 妻 は 、 華 道 の 師範 で もあ るの で 、 自宅 な らび に 東 部 市 民 セ ン タ ー(市 の公 民 館)な. どで30年 間 ほ ど教 え 続 け. て い る。 そ れ に つ い て妻 は 、 「3年 前 か らは 、 ニ ュ ー タ ウ ン全 体 の 老 人 会 の 女性 部 に 呼 びか け て 、 あ ち ら こち らか ら希 望す る人 が 集 ま って 、東 部 市 民 セ ンタ ー で月1回 老 人 会 女 性 部 の 生 け花 って い う、 そ れ は ボ ラ ンテ ィア で や って い るん です け どね 。 初 め は続 くか な と思 った ら、 け っ こ う皆 さん楽 しみ で 、『あな た も若返 った ね 、あ な た も若 返 ったね 』 っ て言 う ぐ らい、ほ ん と うに 来 られ た こ ろ よ りみ な さん …」. 、 「25人で始 め て、 い ま で も25人 を 保 って い るん で す ね 。 お 花 を い じ. る こ とだ け で は な くて、 や っ ぱ り女 性 だ もん です か ら、 ち ょっ と1枚 着 替 え て とか 、 あ の方 とか この方 の服 装 を 見 て刺 激 を受 け る と、初 め の ころ よ りみ ん な 、 服 装 で も派 手 に な って くる ん で す ね 。 あ あ、 あ の方 、 私 と同 じ ぐ らい の年 な のに 、 素 敵 な 格 好 して お か し くな い わ 、 じゃあ ち ょ っ と も う少 し派 手 に して も い いか し ら とか 思 う よ うで す 」、 さ らに 「 家 族 の なか で は 、 お ば あ ち ゃ 99.

(6) ん 、 お ば あ ち ゃん って 呼 ば れ て も、 外 に 行 け ば 、 何 々 さ ん 、 で済 む もん ね 。 自分 よ りず っ と若 い 人 よ りも、 同 世 代 で 刺 激 しあ うほ うが 、 よ り効 果 的 で あ る よ うに思 え ます 。 少 しだ け しか離 れ て い な い 人 の服 装 を み る と、私 だ って とな るで し ょ う」 と述 べ て い る。 また 夫 は 、老 人 会 に つ い て つ ぎの よ うに述 べ て い る。 「老 人 会 に 入 る人 で 、男 性 は 少 な い。 い ま まで の 経歴 、い ろ い ろ残 って い ます か らね 。 そ れ か ら離 れ られ な い。 そ うな ん で す 。 一 緒 の趣 味 の講 座 な どだ と集 まれ る けれ ど も、老 人 会 だ と カ ッ コつ け て行 か な い。 そ れ で も、 比 較 的 、 個 人 住宅 の 男性 の ほ うが集 合 住 宅 に比 べ て 、 男性 同 士 の近 所 づ きあ い もあ って 出 て きま す ね 」。 地 域 にお け る 家 族 の状 況:妻. は 、民 生 委 員 を25年 間 、 続 け て い るの で 、集 合 住 宅 な どに おけ る. 家 族 状 況 を よ く把 握 して い る と して 、つ ぎ の よ うに述 べ て い る。「男 性 で は 、ひ と り暮 ら しは 少 な い です ね 。 ま あ圧 倒 的 に ひ と り暮 ら しは女 性 の ほ うが多 い わ ね 。民 生 委 員 を25年 間 や って い る も ん です か ら、 こ この ニ ュー タ ウ ンの い ろ ん な人 た ち の変 化 も 移 り変 わ りも す ご く よ くわ か りま す 」。 「 入 居 か ら当 分 の間 はね 、 な ん に も問題 の な い、 民 生委 員 の お役 してて もな ん に も問 題 の な い、事 の起 き な い とこ で した よね 。だ け ど、 こ こ10年 ぐら い は 目ま ぐ る し く、 と くに こ こ5年 ぐら い は い ろ い ろ な 問題 が多 発 で す ね 。 高 齢 者 が 増 えた っ て こ と もあ ります ね 。 ひ と り暮 ら しが 増 え て って い う こ とね 」。 「 女 性 の 場 合 、 子 どもた ち と一 緒 に い た けれ ども、 まあ い ろい ろ と折 り合 い が 悪 くて 自分 だ け こち らに 移 っ て きた とか 。 広 い個 人 住 宅 に い たけ れ ど も、 子 ど も も出 て い った の で 、 また 夫 も亡 くな った の で 、 集 合 住 宅 に 移 って きて 、 ひ と り暮 ら しを して い る とか」。 「 地域 で も、 入 居 の最 初 の うちは 家 族 同 士 で つ き あ うとか 、 な んか い ろ いろ とそ うい う雰 囲 気 が あ った ん で し ょ うけ ど、 だ ん だ ん い ろん な 人 が 増 え て くる と、 閉 鎖 的 にな って きま す よね 。 この家 族 の 中 に 、 あん ま り他 人 を 入 れ な い とか 」。 「ど こへ 住 ん で も、 自 分 が 隣 の こ と な ん か 知 らん わ っ て や って れ ば 、 お 互 いが そ うな っち ゃい ます け ど、 や っぱ り自分 か らお 隣 さん大 事 だ わ って気 持 ち で 接 す れ ば 、 人 間 同 士 だ か ら伝 わ って い くと思 うん で す ね 」。 自分 た ち の き ょうだ い な ど との 交 流:妻 の き ょ うだ い は3人. と も健 在 で あ り、 自分 が長 女 で、. 下 の3人 が 男 で あ る。 男 き ょ うだ い た ち は 、 す で に定 年 退 職 を して 名 古屋 市 内 で暮 ら して い る。 一 番 上 の弟 の ほ うは 、 子 ど も(姪)が. 小学 校1年. 生 の と きに 妻 を 亡 く して い る の で、 よ く手 伝 い. に通 った。 い ま で も、 そ の弟 の と ころ に は 毎月 の よ うに 行 って い る。 そ の姪 や2番. 目の弟 の 娘 は 、. 華 道 を 習 い に 、 毎 月 自宅 に通 っ て き て お り、子 育 て の相 談 を 受 け た り して交 流 が 盛 ん で あ る。 ま た 、 ニ ュー タ ウ ンに 入居 した ころ か ら8年 間 、 そ の弟 の と ころ に実 母 が 寝 た き りとな って い た の で 、毎 週1晩 泊 ま りで介 護 に行 っ て い た。 毎 年 き ょ うだ い とそ の家 族 で 集 ま って 、 両 親 の墓 まい りに行 った りも して い る。 夫 の ほ うは き ょ うだ い も な く、 そ の他 の親 戚 との 交 流 も ま った くな い 。 夫 婦 関 係 や 高 齢 期 の あ り方:子. ど もが い な い こと も あ る が 、夫 婦 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョンは頻 繁. に お こ なわ れ て い る。妻 に よれ ば 、 「 皆 さ んね 、夫 が 定 年 に な っち ゃ って 、 うち に い て も話 す こ と が な い だ とか 、 それ は全 然 な い うちは な いで す ね 。 だ か ら私 、 ふ っ と思 うの は 、 まず ど うかす る と ご飯 を 食 べ た 後 で しゃべ って て 、 夫 が 『お ま え と話 し と っ た ら 明 日の 朝 に な る。 寝 るぞ』 な ん て 言 うと き あ る ん です ね 。 だ か ら、 何 と決 め て 会 話 す るわ け じゃな い で す け ど、 まあ 野球 、 な ん 100.

(7) か あ る と野 球 ばか りの話 しだ か ら。 老 後 に、 ふ た りで 漫 才 み た い な と きが あ りま して」。 「私 ど も、 も とも と子 ども が い な い もん です か ら、 常 に ふ た りで 対 話 して きて 、 そ うい うス タイ ル が も うで き ち ゃ っ て い るか ら。 子 ども が い た人 の よ うに 、 老 後 に あ らた め て 意 識 い な くて い い ん で す 。 だ か ら、結 局 、『子 ど もが い な くて寂 しい で し ょ う』 とか お っ しゃ るけ ど、 まあ 言 葉 の うえ で は 『そ うね 』 とか 言 うけ ど、 そ れ は や っぱ り、 持 って い た もの が な くな った と きの寂 し さだ と思 うのね 。 も と も と持 って い ない のに 、 わ か らな い で す よね」。 「夫 に 意識 して 気 をつ か う こ と もな い で す ね 。 夫 も定 年 に な って か らね 。 い ま まで 知 らな か った 私 の個 人 的 な お友 達 とのつ な が り とか つ き あ い も、 オ ー プ ンだ か ら、 よ く逆 に 、 い ま まで会 社 勤 め で わ か ら な か っ た の が 、 よ り私 の こ とが わ か って きた と思 うん で す よね 。 で 、 も う、 お友 達 との電 話 で の や りと りで も、 た ま に怒 っ た よ う な こ とを 言 って み た りで も、 全 部 聞 い て い る もん です か ら、私 の性 格 も、外 へ 向か っ て い る性 格 もみ ん な わ か っち ゃ って る」。 夫 は 、定 年 後 の 夫 婦 の あ り方 に つ い て 、つ ぎ の よ うに述 べ て い る。 「 定 年 ま で は、家 庭 じゃ な く て 、外 の こ とを や っ と った わ け で す。 平 日は仕 事 、休 日は 自治 会 。 定 年 して か ら、 自分 が 退 屈 せ ん よ うに 何 を し よ うと考 え た ん で す。 妻 は 、花 を教 え た り民 生 委 員 を した りで 、 外 の こ とを して い る の で 、 じ ゃあ 、僕 が家 庭 を み よ う と。 家 庭 の なか の こ とを や ってみ よ うとい うこ とで 、 そ れ ま で外 の こ とをや った か ら中 をや ろ う と切 り替 え る と、 お茶 入 れ か ら、 掃 除 、 洗 濯 、 買 い 物 、 植 木 、退 屈 な ん て もん じ ゃな い。 主 は家 庭 で、 外 の 自治 会 活 動 は 続 け て い ます 」。 「戸 棚 の もの を い じる と、 妻 は ど こに い ったか わ らな くて探 す っ て こ とも あ るけ ど。 そ れ で 、 お 互 い の 気 持 ち が わ か る よ うに な った よ。 そ れ が な き ゃ、 や らん わ ね 」。. (B さん 夫 婦 :夫 婦 の み の 暮 ら し、 夫72歳 ・妻82歳) 夫 婦 の プ ロ フ ィー ル :どち ら も名 古 屋 市 出身 で 、 夫 は72歳 、 妻 は82歳 で あ る 。夫 の ほ うは 、 働 きな が ら名 古 屋 市 内 の新 制 高 校 の 夜 間 部 を 卒 業 して 、 同 市 で 家 業 の 青 果 業 に就 き、1958年 に 結 婚 して 独 立 し店 を も ち、81年 に 椎 間 板 ヘ ル ニ アの た め に 廃 業 ・隠 退 して 高蔵 寺 ニ ュー タ ウ ンの 一 戸 建 て に 住 む こ とに な る。 隠 退 後 は 、 年 金 と預 貯 金 で 暮 ら して い る。 父 親 は61年 、母 親 は75年 に 、 そ れ ぞ れ 亡 くな って い る。 妻 の 詳 しい経 歴 は わ か らな い 。 子 ど もは い な い 。 入 居 当 初 と現 在 の 地 域 の 状 況 :名 古屋 市 の 中 心 部 か ら移 って きた 当 初 は 、最 果 て の 陸 の孤 島 に 来 た よ うに 思 え た 。近 所 に は 、 同 時 期 に新 し く移 って きた家 が3軒 あ り、 ま た ニ ュー タ ウン が で き る前 の 村 に5、6軒. の 家 が あ った 。 しば ら くの 間 は 、 名古 屋 市 内 で 買 いだ め を して暮 ら して い. た。 自然 が残 って い た の で 、 夫婦 と もに健 康 状態 は よ くな っ て い る。 名 古屋 で の友 人 や 知 人 との つ き あ い が 入居 後 の5、6年. ほ ど続 い て い た が 、来 る 人 も しだ い に な くな り、 近 所 の人 び と との. 交 流 が 中心 に な って い く。 入居 後2、3年. で夫 婦 と もに 、東 部 市 民 セ ンタ ーで お こな わ れ る歴 史. 的 な文 献 を読 む講 座 に通 い だ して 、友 人 が で き る よ うに な った 。 しか し夫 のほ うは 、1986年 に 民 生 委 員 に な っ て か らは 、講 座 か ら遠 ざか り、 そ ち ら の仕 事 が 中 心 に な る。 ほ とん どが 一 戸 建 て に 住 ん で い る地 域 の た め もあ り、家 庭 外 に対 して閉 鎖 的 な傾 向が 強 くみ られ る。 夫 婦 に 子 ど も が い 101.

(8) な い こ とか ら、 子 ど も を通 じた つ な が りが な く、近 所 と のつ き あ い は ス ムー ズ に は いか なか っ た よ うで あ る。 妻 は、 「や は り(近 所 の)奥 様 が 、 ど うして もお 嫁 さ ん の こ とを 取 り上 げ られ る の で 、 私 に はわ か ら な い しね 。 知 らん ま ま に聞 い て もわ か ら な い し、 あ ん ま り聞 い て い い のか 悪 い の か と思 って …. 。 で 、 お嫁 さん と も親 し く します し、 奥 様 と も親 し くす る と、 聞 い て い る の. が い や な の よね 、気 が重 くな って くる の よね 」 と述 べ て い る。 また夫 も、 「 そ れ は あ ります ね 。 ど うして も、家族 の こ と、親 子 関 係 の こ と、子 ども さ ん に関 す る話題 が多 い です ね 。 そ うい うこ とに な る と、 われ わ れ の入 る余 地 が な い っ て い う …. 」 と述. べ て い る。地 域 で の つ き あ い につ い て も、夫 はつ ぎ の よ うに述 べ て い る。 「 町 内会 長 を しま した こ ろ は 、 ま だ初 期(1982年)で. 、 人家 も少 の うご ざ い ま して、 そ れ こそ和 気藹々 とお こな って いた. とい う記 憶 も あ ります が 、 い ま とは全 然 違 い ます ね 。 い まは ひ じ ょ うに難 しい面 を 抱 えて い て 、 町 内 会長 さ ん も大 分 困 っ て い る よ うです け ど、 ほ ん と うに 、 い ま の役 員 さ ん と会 って 話 して も、 あ の ころ は よか った ね 、 とな ん だ か おか しな 話 しです け れ ど。 あ の ころ は、 自宅 に 集 ま って も ら い 、一 緒 に ご飯 も食 べ られ て。 い ま はそ んな こ とも う絶 対 に で き な い です ね 。 うちは い まで も、 どな た が い ら して も、 上 が っ て とい う風 に して い る もん で ね 」。 地域 に お け る家 族 の 状 況 :夫 に よれ ば、 「周 りの ご家 庭 は 、確 か に た い へ ん な 面 も あ る ん で す け ど、 ま あ全 体 的 に み て、 うま くい っ て い るん じゃな い で す か 。 親 子 関 係 と言 い ます か 、 そ うい うこ と もい ろ い ろ と よ く聞 い た り見 た りす るん です が 。 べ つ に 、 ま あそ れ ほ ど深 刻 な 問題 は な い み た い です ね 。 そ こに 介 在 す る の はや っぱ り、 子 は カス ガイ と言 い ます か 、 そ れ ぞ れ の ご家庭 が うま くや っ て い ら っ しゃ る み た い です 。 そ うな る と、 わ れ わ れ の入 る余 地 がな い とい うこ とで す ね 。興 味 と対 象 が 違 って き ます か らね 。 せ い ぜ い子 ど も さん の 自慢 話 くら いで す ね」 で あ る。 地 域 活 動 や 社 会 活 動 :現 在 で も、 夫 は 地 域 活 動 に 熱 心 で あ る。 「コ ミュニ テ ィ に も 関 わ りま し た し、社 会 福 祉 協 議 会 が 地 区 で独 立 して 、2、3年. 前 か ら小 学校 単 位 でつ くろ うと して い ます 。. これ か ら は、 地 域 の こ とは 地 域 でや って い か な き ゃい け ませ ん 」。 「ま あ漫 然 と した活 動 で は い か ん もん です か ら、 市 の 社 協 の勧 め も あ って 、 ふ れ あ い 事業 とい う形 で 、 助 成 金 を も ら って ふ れ あ い事 業 をや って るん で す 。 あ とは、 単 発 的 な一 般 的 な こ とを 集 め た 会 費 の な か で 関連 した こ とを や って い るだ け で す け れ ど も。 目指 す と ころ は 、 介護 予 防 で す ね 。 高 齢 者 の 引 き こ も りを何 とか 解 消 し よ うと、 テ レビの 番 を して い る人 た ち を 引 っ張 り出 そ うって い うの が1つ の 眼 目で。40代 以上 の方 には ご協 力 い た だ い て い ます」。 「どち らか と言 え ば 、 後 か ら来 られ た 、 呼 び よせ られ て 来 られ た高 齢 者 の 方 の ほ うが どち らか とい うと、 引 っ込 み が ち で す ね 。 ひ と り暮 ら しの方 の ほ う が 、 ひ じ ょ うに積 極 的 、 む しろ、 も う1つ 飛 び 越 え て 、 も っ と も積 極 的 な の が 、 ひ と り暮 ら しの 方 。 また 、 女性 の ほ うが 積 極 的 で す ね 。 しか し、 奥 さん が旦 那 さん を つ れ て くる こ とは な い です 。 や は り夫 の プ ライ ドが 相 当 に 強 い ので は な い か と思 い ます 。 男 性 の ほ うが 引 き こ も りが ち で す ね」。 「まず 、 皆 さん と一 度 、 会 話 を して み ませ ん か 、井 戸 端 会 議 み た い な こ とをや りませ ん か 、 と。 そ の間 に 若 い 人 た ち が 、 町 内 の若 い 奥 さん た ち が お手 伝 い を して くれ るの で、 体 操 をや った り、歌 を 歌 って み ませ ん か 、 と い う。知 った 人 が 出 れ ば 、一 緒 に 行 こ うか 、 とい うの が多 い です 102.

(9) ね」。一 度 お い で に なれ ば 、け っ こ う楽 しん で 帰 って ゆ か れ ま して 、そ うなれ ば 、自分 か ら楽 しみ に して い た だ い て い る例 も あ ります 。 うち の地 区社 協 で は 、 ひ だ ま り交 流 会 と言 って お ります が 、 老 人 会 とは また 違 うか た ちで 、 協 力委 員 さん を募 集 してや って ます 」。 自分 た ち の き ょうだ い な ど との 交 流 :妻 は 、11人 き ょ うだ い の一 番 末 子 で 、 唯 一 の 女 性 で あ る。 上 の 兄 た ち は 戦 争 で 亡 くな って お り、名 古屋 市 の老 人 施 設 に99歳 にな る兄 が ひ と りだ け 健 在 で あ る。 き ょ うだ い た ち の 甥 や姪 とは 、盛 ん に交 流 を して お り、 よ く 自宅 に も訪 ね て きて くれ る。 そ の兄 の甥 とは 、一 緒 に 見舞 い に行 った り電 話 で連 絡 を と りあ った り して い る。 兄 自身 は 、 い まで も元気 で 、 書道 を した りして い る。 夫 の ほ うは、7人. き ょ うだ い あ った が 、 い まで は3人 健 在 で. あ る。夫 自身 は 、下 か ら2番 目で4男 に あた る。夫 に よれ ば 、「最 後 の 妹 が 名 古屋 に お ります もん で 、 そ こ とは よ く交 流 して る ん です が 、 上 の姉 は ち ょっ と遠 い と ころ に い ま す の で 、 も う耳 も遠 くて電 話 も うま く意 味 が通 らん とい うこ とで ち ょっ と足 が 遠 の い て い る ん です けれ ど も、 ま あ他 の き ょ うだ い の子 ど もた ち とは今 は あ ま り交 流 な い で す ね 。 や は り近 い こ と もあ っ て 、名 古 屋 の 妹 や そ の家 族 とは よ くつ き あ って い ます 」 で あ る。 夫 婦 関 係 や 高 齢 期 の あ り方 :夫 婦 は そ れ ほ ど話 しを しな い が 、 それ に よっ て うま く保 た れ て い る と して い る。 妻 は、 「 話 し く らい は 、 日常 の こ とを い ろ い ろ相 談 した りい ろ い ろ し ます けれ ど、 何 か 腹 が た つ と きな ん か あ って も、 全 然 相 手 に な らな い。 私 の場 合 は し ょ うが な い ね 。 け ん か す る相 手 が な くて …. 。 わ りと趣 味 が よ く似 て い る か ら、 そ うい う話 しをす る と2人 が 一 生 懸 命. に な っち ゃ って 。 な ん で もわ りに 、 つ ま らな い こ とが好 き な こ とが あ りま して 。 私 は 、 何 で も取 り込 ん で 、 す ぐに 興 味 が わ い ち ゃ うか ら、 そ の点 もあ るか も しれ ない け ど。取 り込 ん で い っち ゃ う。 こん な楽 しい こ とが あ る ん だ っ て。 そ れ は け んか す る暇 もな いん じゃな い です かね 。 あ る程 度 、折 れ て つ い て いか な い か ん とい うこ とです ね」、夫 は 「こち ら(妻)は. 文学 系 が 好 きで 、私 は. む しろ美 術 工 芸 の方 が好 き な も の で。 美 術 館 な どに は 、 一緒 に 行 って い ます 。 私 は 、椎 間板 ヘ ル ニ ア に な っ た こ とか ら、矯 正 に 良 い と い うので 、 能 を 勧 め られ ま して 。筋 肉 が強 くな って、 ヘ ル ニ ア も知 らず 知 らず に治 りま した 」、 とそ れ ぞれ に述 べ て い る。. (C さん 夫 婦 :夫 婦 の み の 暮 ら し、 夫68歳 ・妻67歳) 夫 婦 の プ ロ フ ィー ル :夫 は 滋 賀 県 出 身 で68歳 で あ り、妻 は名 古屋 市 出身 で67歳 で あ る。 夫 の ほ うは 、 教 員 を して いた 父 親 が35歳 で な くな った の で 、苦 学 生 と して大 学 を 卒 業 して 、 名 古 屋 の テ レビ局 に 勤 め て1993年 に 定 年 退 職 して い る。61年 に結 婚 して名 古 屋 市 に住 ん で い た が 、69年 に 高 蔵 寺 ニ ュ ー タ ウ ン の集 合 住 宅 に移 り、 さ らに81年 に一 戸 建 て を購 入 して転 居 した 。83年 に 夫 の 母 親 が 亡 くな る まで 、 同居 して い た 。娘 が2人 い て 、長 女 は95年 に就 職 と同 時 に 名 古 屋 市 に 移 って い る。次 女 は 同居 して い る。 どち ら も、未 婚 で あ る。 入居 当 初 と現 在 の 地域 の状 況 :高蔵 寺 ニ ュー タ ウ ンの集 合 住 宅 に引 っ越 して きた 当 時 は 、 買 い 物 な どの 生活 に 苦 労 した 。 生活 に慣 れ て きて、 ニ ュー タ ウ ンのな か に も商 店 が 増 加 しだ した ころ に一 戸 建 て に移 り住 ん だ の で 、 それ 以後 は不 便 は なか った 。 集 合 住 宅 の ころ に は 自治 活 動 も盛 ん 103.

(10) で あ った が 、一 戸 建 て に な って か らは 、地 域 活 動 は 不 活発 で あ る。 夫 は 、 い ま社 会 福 祉 協 議 会 に か か わ って コ ミュニ テ ィづ く りに参 加 して い る。 老 人会 も、む しろ20年 ぐ らい前 ま で は、60歳 代 が 中 心 とい うこ と もあ り、歩 こ う会 や ハ イ キ ング な どを して、 そ の活 動 は比 較 的 盛 ん で あ った が 、 最 近 は入 会 す る人 が 減 少 して い る。 社 協 が や ら なけ れ ば、 リー ダ ーの な り手 が いな い の で 、 困 っ て い る状 態 で あ る。 地 域 活 動 や 社 会 活 動 :夫 の ほ うは 、Bさ ん と同 じよ うに 介 護 予 防運 動 に も参 加 して い る。 「介 護 予 防 で 、 老 人 会 に 入 って い な い 人 を ど うや って 引 っぱ りだ して くる か が 問題 です 。 私 ど もは 、 70歳 以 上 の 人 に 無 理 や りお迎 え に 行 き ます よ って 連 れ て くる。 老 人会 で 、 毎月2回. は何 か イ ベ ン. トを して い ます か ら。 た ま た ま老 人会 の イ ベ ン トを 共催 す る よ うに して い ます と、 い ま ま で老 人 会 に 入 って い な か った 人 が 出 て き て、 近 所 の人 が老 人会 に入 っ てい る こ と を知 る。 そ して そ の 人 と話 しを す る。 それ で 、私 も入 ろ うか な と言 っ て 、老 人 会 に入 っ て くる。 そ うい うの が 去 年 か ら、 す ご く増 え て い る。 です か ら、 全 域 に70歳 以 上 で老 人 会 に 入 って い な い 人 にお 手 紙 を 出 して い ま す 」。 また 妻 は 、 「 隣 の人 は、 三 世 代 同 居 を して い ます が 、 息 子 夫 婦 が 共 働 きで 家 に い な い の で 、 そ の お ば あ さ んは 留 守 番 で家 を 出 るわ け に い か ん と言 って い ま した よ。 そ こで 、 た また ま引 っぱ り出 され て老 人 会 の会 合 に 出席 した の で す 。 近 所 の 知 り合 い の 人 が老 人 会 に 入 って い る とい うの を 聞 い て、 彼 女 も入 った の で す 。 わ た した ち の 世 代 は 、嫁 は姑 と同居 しま す よね 、 それ で嫁 は子 ど もの世 話 とか 家 事 な ん か を して 家 に い な け れ ば い け な い とい う意 識 が あ る ん です ね 。 それ で、 こ の彼 女 の場 合 で も 自分 が 留 守 番 を しな け れ ば い け な い とい う意 識 が あ る と思 うん です 。 そ れ で も この ご ろお 医 者 さん に 行 った 帰 りに そ この 喫茶 店 で み ん な とお茶 を 飲 ん で き たわ とか い って 喜 ん でみ え るん で す 。 だ か らそ うい う風 に外 に 出 る とい う こと はそ こで お友 達 が で き るん で す よ。 こ の ご ろお 医 者 さん で お友 達 が で きる み た い で喜 ん で み え ます よ」、 「 私 の と こ ろの 場 合 は 夫 の 母 が55歳 まで 働 い て い て 、私 た ち が結 婚 した ら母 が 出 る のが 好 きな 人 だ った ん で 、 私 に 『あ な た は うちに い って くだ さ い、 私 は外 に 出て き ます 』 と い うこ とを 言 わ れ ま した 。 引 っ越 して か ら母 は 緑 会 とい う老 人会 で と て も活 躍 しま して 、 名 古 屋 の教 会 に は 日曜 日、婦 人会 に金 曜 日行 くん です け どね 。私 の名 古 屋 の 実 家 に 両 親 が い ま した の で 、 そ こに 泊 ま る ん で す よね 。 そ ん な 風 に母 は し ょっち ゅ う外 に 出て 行 き ま した 。近 所 の 人 に お ば あ さん は お勤 め です か と聞か れ た こ とも あ り ま す 。80歳 に な って もひ と りで 外 に 出歩 い て い ま した 。学 校 の 先 生 で した か ら 活 動 的 な ん で す ね」 と述 べ てい る。 自分 た ちの 子 や き ょ うだ い な ど との交 流:夫 な って お り、 弟 が愛 知 県 内 に い る が 、年 に1回. の ほ うは、3人. き ょ うだ い で 、 姉 は す で に 亡 く. ぐ らい会 うか ど うか とい う よ うに 交 流 は あ ま りな. い。 「弟 と は、交 流 は な か った で す ね。弟 は 自由業 です か ら勤 務 時 間 が わ か んな い ん で す よね 。私 は釣 りが 好 きで近 くま で よ く行 くんで す 。 そ の 帰 りに よる こ とが あ りま した 。 む こ うか ら こち ら に くる こ とは な い です よ。 弟 の2人 の 息 子 と も、 結 婚 式 で 会 って 以 来 で す ね」。 「 私 は母 子 家 庭 で した ので 、 周 りの人 に 頼 っ て いか なけ れ ば な らな い 。 そ れ で 、叔 父 さ ん叔 母 さん に は お世 話 に な りま した。 就 職 活 動 で 横 浜 に い った と き、 泊 め て も ら った り、 そ うい うこ とが あ っ て、 私 が叔 父 104.

(11) さ ん叔 母 さん の 家 を た ず ね る こ とが 多 か っ た の で 、叔 父 さん叔 母 さ ん の家 族が うちに 訪 ね て くる こ とが 多 い で す ね」。 妻 の ほ うは 、 き ょ うだ い との交 流 が盛 ん で あ る。11人 き ょ うだ い の6女 で あ った が 、 現 在 は 上 の うち3人 が亡 くな っ て 、女 き ょ うだ い5人 はそ ろ っ て健 在 とな っ て い る。 上 の姉 に あた る次 女 78歳 、4女72歳. 、5女69歳. との つ な が りは強 く、 今 年 は一 緒 に3泊5日. の国 内旅 行 を3回. して い. る。夫 に よれ ば 、 「今年 は 、私 が運 転 手 と して 高 山 、城 崎 の2回 につ い て行 って い ます 。 自分 もそ うだ が、 妻 の ほ う も男 同士 のつ き あ い は あ ま りな いん じゃ な い で し ょ うか 。 女 同 士 の つ きあ い は よ くあ る ん です が。 うち の弟 は生 涯 現 役 で 、 弟 夫 婦 だ け で旅 行 に 行 っ てい る ら しい で す。 逆 に う ち の女 房 は私 と2人 だ け で は行 きた くな い と。 お 姉 さ んた ち と一 緒 だ か ら行 くと。2女. と5女 は. 夫 を亡 く して い ます 。 私 も、 む しろ妻 の ほ うの き ょ うだ い の甥 や 姪 とは つ きあ い が あ ります 。 妻 の 一 番 上 の兄 の息 子 は 、 私 の テ レビ局 で アル バ イ トを して い ま した よ。 こち らか ら訪 ね てい く こ とは あ りませ んが ね 」 と して い る。い っぽ う妻 に よれ ば 、「男 き ょ うだ い の 場 合 、奥 さん 同士 違 和 感 が あ るみ た い です ね 。 一 番 上 と2番 目の 兄 た ち が一 緒 に 仕 事 を して い た ん で す よ。 そ れで2番 目の兄 が な くな っ た んで す 。 そ の後 、 奥 さん 同 士 の 交 流 は 疎 遠 に な りま した」 で あ る。 夫 婦 関 係 や 高 齢 期 の あ り方 :夫 は 、 「 僕 は、早 くに 父親 は 亡 くな って母 子 家 庭 だか ら、い まで も ひ と りで 何 が何 で も生 き て いか なけ れ ば な らな い と思 っ てい る。 で も、 男 は た い て い退 職 した 後 、 奥 さん べ っ た りで な い と、 生 き て いけ な い ん じゃな い で す か 。 男 は 、 ます ます 孤 立 化 してい る。 個 人 化 して い るけ ど、 高 齢 に な る とそ うい うわ け に は い か な い で し ょ う」、 ま た妻 は 、 「 私た ちの 世 代 は 、 き ょ うだ いが 多 い の で人 間 的 に 強 い で す ね 。 ち ょっ とや そ っ との こ と じゃ、怖 じ気 づ か な いで す ね 。 子 ど もが 少 な い と、 親 が 過 保 護 に な って しま い ます 」 と述 べ て い る。. (2)知 見 の整 理 以上 の個 別 面 接 調 査 の結 果 か ら得 られ た 知 見 に つ い て、 つ ぎに 整 理 して お きた い。 ①. 集 団面 接 の なか に も示 され て いた よ うに 、 子 の い な い夫 婦 は 地 域 に 対 して 開放 的 で あ り、 ボ ラ ンテ ィア活 動 や 文 化 活 動 な どを 活 発 に お こな っ て い る こ と。 子 の い な い ほ うが高 齢 期 の 婦関 係 を比 較 的 ス ム ー ズ にす す め られ る こ と。 また 、 そ の場 合 に は 、 き ょ うだ いや 甥 ・姪 夫 との交 流 も盛 ん で あ る こ と。. ②. 高 齢 の夫 婦 関係 の課 題 と して、 夫 が いか に 自分 な りの生 活 を 定 年 退 職 後 に 見 つ け だす の か とい うこ とが 、 あ らた め て浮 か び あ が っ て き て い る こ と。 会 社 か ら、 家庭 や 地 域 へ いか に 眼 を 向 け て 、退 職 後 の 生活 を再 構 築 す るか が、 夫 婦 関 係 を再 構 築 す る と きに も重 要 な 問題 とな る こ と。 そ の場 合 に は 、会 社 生活 の なか で適 応 して き た 自分 の役 職 、 仕 事 、 学歴 な どか らい か に脱 却 で きる か が カ ギ とな る こ と。. ③. い わ ゆ る呼 び よせ 高齢 者 の場 合 に は、 同居 した家 族 とは合 わ な い ため に 、 集 合 住 宅 で ひ と り暮 ら しを 選 ぶ事 例 が み られ る こ と。 しか しな が ら、 そ う したひ と り暮 ら し高 齢 者 が 引 き こ も って い る とは 限 らず 、地 域 活 動 な どに積 極 的 に参 加 して い る ケ ー ス も少 な か らず あ る こ と。 105.

(12) ④. 女 き ょ うだ い は 、男 き ょ うだ い に 比 べ て 交 流 が 活 発 で あ る こと。 これ は 、 夫 婦 関 係 に も少 な か らず 影 響 を お よぼ す も の で あ る こ と。. ⑤. と くに 女性 に とっ ては 、 家 族 の なか で の 役 割 に 基 づ い た行 動 だ け で な く、 家 庭 外 で の 社 会 活 動 が 生 きる た め の活 力 を あた え る こ と。. 4高. 齢 期 家 族 コ ミュニ ケ ー シ ョン研 究 に む け て. 現 在 の ニ ュ ー タ ウ ンに居 住 す る高 齢 者 の暮 ら しは、 また そ の 家族 ・親 族 コ ミ ュニ ケ ー シ ョン の あ り方 も、 都 市 部 の膨 大 な高 齢 者 予 備 軍 で あ る 団塊 の世 代(第 一次 ベ ビー ブ ー ム世 代)の 指 針 あ るい は 模 範 とな るで あ ろ う。 モ デ ル の な い高 齢 期 家 族 の視 点 か ら考 え る と、 今 回 の3例 の 面 接 調 査 に よ る予 備 的 な 研 究 の結 果 を基 礎 デ ー タ と して位 置 づ け なが ら、 さき の知 見 を 「問題 の 発 見 」 と して と ら えて 、 さ らに 家族 ・親 族 コ ミュニ ケ ー シ ョ ンの調 査 研 究 を追 究 して い く こ とが 重 要 と な る。 と くに 、 今 回 は 既 婚 子 と同居 して い る高 齢 者 、 な ら び にひ と り暮 ら しの高 齢 者 に つ い て 面 接 調査 が お こな え なか った こ とは 、 今後 の大 き な課 題 と して残 され て い る。 い っぽ う、 今 回 の 調 査 研 究 は 、 高 齢 期 の家 族 再構 築 の 課題 と して夫 婦 関係 や き ょ うだ い 関係 に お け る ジ ェ ンダ ー の視 点 が 重 要 で あ る こ とも示 唆 して い る と言 え る で あ ろ う。. 参 考 ・引 用 文 献 安 達 正 嗣 、1999、 『 高 齢 期 家 族 の 社 会 学』 世 界 思想 社 。 安 達 正 嗣 、1999、 「 高 齢 期 の 家 族 関 係」、 中川 淳編 『 家 族 論 を学 ぶ人 のた め に』 世 界 思 想 社 、192−204頁 。 中 日新 聞社 春 日井 支 局 、1998、 『ふ る さ と高蔵 寺 の 光 と影 :30歳 の ニ ュ ー タ ウン』 中 日新 聞社 。 福 原 正 弘 、1998、 『ニ ュー タ ウ ンは 今 :40年 目の 夢 と現 実 』 東 京 新 聞 出版 局。 住 宅 ・都 市 整 備 公 団 中部 支 社 、1998、 『卜ピカ :高蔵 寺 ニ ュー タ ウン入 居30周 年 記 念 特 集 』。 西 下 彰 俊 、1997、 『 高 蔵 寺 ニ ュー タ ウ ンに お け る中高 年 集 合 住 宅 者 の生 活 意識 調 査 』(財 団 法 人)名 古 屋 都 市 セ ン タ ー。. *こ. の調 査 研 究 は、1998年 度 か ら2000年 度 ま で の 日本 学 術 振 興 会 科 学 研 究費 補 助 金(萌 芽 的 研 究)・. 課. 題 番 号10871033「 大 都 市 部 の 高 齢 者 の 家族 ・親 族 コ ミ ュニ ケ ー シ ョンに 関す る社 会 学 的 研 究 」 の 一 部 と して実 施 した もの で あ る。. 106.

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参照

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