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有村俊秀編著「温暖化対策の新しい排出削減メカニズム -- 二国間クレジット制度を中心とした経済分析と展望」 (新刊紹介)

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Academic year: 2021

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全文

(1)

有村俊秀編著「温暖化対策の新しい排出削減メカニ

ズム -- 二国間クレジット制度を中心とした経済分

析と展望」 (新刊紹介)

著者

道田 悦代

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

239

ページ

52-52

発行年

2015-08

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00003146

(2)

アジ研ワールド・トレンド No.239(2015. 9)  

52

新刊

紹介

 道田悦代 

有村俊秀(編著)

『温暖化対策の新しい排出削減メカ

ニズム

――二国間クレジット制度を中心とした

経済分析と展望

』

日本評論社   二〇一五年   地球温暖化問題 は、対応策の必要 性と拡充が叫ばれ ながらも、問題の 深刻さが増してい る国際的課題のひ とつである。過去 には地球温暖化問 題は、先進国での 温室効果ガス排出が主な原因であった。 各国での対策の進展もみられるが、近 年の温室効果ガスの世界的増加には、 中国をはじめとする経済成長が著しい 開発途上国での増加が大きく寄与して おり、問題の解決には途上国での対策 が鍵を握っている。途上国では排出削 減の限界費用が相対的に低いことが多 いため、日本が途上国と協力して、地 球規模での温暖化ガスを削減に取り組 んでいくことは、日本にとって引き続 き重要な政策手段である。本書は、先 進国について分析した前書の続編とし て、途上国における温室効果ガスの排 出削減メカニズムに関する研究をまと めた本であり、複数の政策が経済と環 境に与える影響についての経済分析が 行われている。対象制度について、具 体的な品目や国に関する分析が行われ ており、本書が提 供するマクロ的な 視野は、日本政府 の政策立案・決定 だけでなく、企業 の戦略策定にも参 考になるだろう。   温室効果ガス排 出削減のメカニズ ムには、国内政策としての排出権取引 やエコカー減税等税制や補助金等の政 策も含むが、本書では主に国境を越え て排出削減を行う制度、とりわけ日本 と途上国間の制度に焦点を当てて分析 を行っている。具体的には、京都議定 書で導入された国連によるクリーン開 発 メ カ ニ ズ ム( Clean  Development   Mechanism : C D M )、 日 本 政 府 が 提 案 し て い る 二 国 間 ク レ ジ ッ ト 制 度 ( Joint  Crediting  Mechanism :JCM) 、 セ ク タ ー 別 ク レ ジ ッ ト・ メ カ ニ ズ ム ( Sectoral  Crediting  Mechanism : S C M )、 そ し て 森 林 保 全 に よ る 温 室 効 果 ガス削減をめざすREDDプラスの三 手段に焦点が当てられている。   第一章では、前記の各制度の概要と それぞれの違い、そして課題の比較が 行われており、本書の全体像が示され る。第二章では、日本が提案するJC Mの効果を、産業連関表を用いて分析 し て い る。 対 象 品 目 は、 工 業 炉、 洗 濯 機、 冷 蔵 庫、 照 明 機 器( L E D )、 ハ イ ブ リッド自動車、太陽光パネル、蓄電池、 ボイラ、鉄道車両の九品目とし、輸出 相手国として、タイ、ベトナム、イン ドネシア、インド、フィリピン、バン グラデシュ、モンゴル、スリランカ、 メキシコ、コロンビア、マレーシアの 一一カ国を選択している。これらの物 品の対象国に対する輸出増が、日本に 経済・雇用に与える効果、そして温室 効果ガス削減効果が示されている。相 手国で普及している機器と日本から輸 出される機器との性能の違いから、温 室効果ガスの削減量を推計した。加え て、環境省が支出する補助金額も計算 し、どのような物品をどの国に輸出す るのが効率的なのかが推計されている。   第三章は、地球環境ファシリティが 実施するCDMについて、どのような 国、プロジェクトを対象として実施し た場合に技術移転の確率が高まるのか についての先行研究レビューに続いて、 日本が関与したプロジェクトが技術移 転分析結果を提示している。技術移転 を設備の移転と知識の移転にわけたう えで、技術移転が行われやすい相手国 はどのような特徴があるのかについて 分析している。また、発展段階や国の 特徴を踏まえた技術移転の状況を明ら かにしている。   第四章では、JCMに実際にかかわ る企業が制度をどの程度認知している のか、参加の課題について企業調査の 結果を使って分析をしている。これに より、企業がJCMに参加する際には、 日本政府からの支援等が意思決定の際 に重視されていることなどが示されて いる。企業規模が大きいほど参加して いるという傾向があるが、中小企業も 参加できるような工夫が必要となると 議論されている。   第五章では、SCMについて、日本 が中国と制度を導入する場合、日本と その他アジアが導入する場合の影響を、 応用一般均衡モデルを使って分析した。 SCMを利用することで、日本と相手 国の厚生水準の変化が示されている。 第六章では、先進国が途上国政府に森 林保全と持続的管理を促すことで温室 効果ガス削減をめざすREDDプラス について議論を行っている。他の制度 と比較してどの程度競争力があるのか を、機会費用と取引費用に関する先行 研究のレビューを行って検討している。 また制度の実施候補国として、各国の 準備状況も示されている。   全章を通じて、日本が、今後途上国 で実施する可能性がある複数の政策手 段の何を選択していくのか、またどの ような国やセクターのプロジェクトを 実施することが問題解決に効果的であ り、日本経済に貢献するのかの議論に 有益な情報が盛り込まれている。本書 が研究者のみならず、実践的な意思決 定に利用されることが望まれる。 ( み ち だ   え つ よ / ア ジ ア 経 済 研 究 所 在バークレー海外調査員)

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行った. [地球温暖化ガス削減]

③ 新産業ビジョン岸和田本編の 24 ページ、25 ページについて、説明文の最終段落に経営 者の年齢別に分析した説明があり、本件が今回の新ビジョンの中で謳うデジタル化の