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知覚感受する力を育てる小学校音楽科教育の研究~音楽の構成要素を軸とした学習展開の可能性~

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Academic year: 2021

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(1)知覚感受する力を育てる小学校音楽科教育の研究  ∼音楽の構成要素を軸とした学習展開の可能性∼ 教科・領域教育学専攻 芸術系(音楽)コース. M08194A 朝雲 知子. 適切に聴き取り、作曲家が表現しようとした感. 1.動機と目的.  本研究は、音楽の構成要素を軸とした学習展. 情を洞察することで、洞察の共有(音楽をとお. 開の可能性を広げることで、知覚感受する力を. して作曲者と感情を共有すること)が行われる。. 育て、音楽科教育をとおして音楽の本質に迫る. そして、これはこの知覚感受する過程を高め深. ことを目的とするものである。. めていくことで可能となると考える。.  知覚感受とは、リズム、メロディ、テンポな.  そこで、本論では、音楽内部の感情に触れる. どの音楽の構成要素を適切に聴き取り、それら. ために、知覚感受するカを育てる小学校音楽科. の要素が楽曲全体に及ぼす効果を感じ取ること. 教育の研究を行う。. である。この知覚感受する力を育てる学習過程 の重要性を音楽教育の申で哲学的に示したのは、. 2.論文構成. アメリカの音楽教育学者ベネット・リーマー. はじめに. (Beme廿.Reimer)である。1970年に出版され. 第1章 知覚感受の概念. た彼の著書“A Philosophy of Music Educati㎝”.  第1節 音楽科の教育的価値. にその方向性が示されている。また、これは、.  第2節 知覚感受の定義. 平成20年3月告示の新学習指導要領に新設さ. 第2章 音楽の構成要素を軸とした学習展開. れた〔共通事項〕の指導内容の一つでもある。.  第1節 音楽の構成要素.  また、音楽心理学者ジェームス・L・マーセ.  第2節学習展開の可能性. ル(James.L.Mursell)や、指揮者で作曲家のレ. 第3章 知覚感受する力を育てる楽曲分析. ナード・バーンスタイン(Leonard Bemstein)、.  第1節 分析の視点. リーマーなどの研究者が共通して述べているこ.  第2節 楽曲分析. とは、「音楽の本質とは、音楽をとおして感情に. 第4章 知覚感受する力を育てる. 迫ること」である。それは、客観的な音楽の構.           小学校音楽科の授業. 成要素を媒体として、作曲家が音楽に投入した.  第1節 知覚感受する力を育てる学習展開. 主観的な感情を味わうことであり、音楽科は、.  第2節 音楽の構成要素を軸とした学習展開. 曲の中に存在する感情をとおして「人間の感情」.  第3節学習展開の考察. を学ぶ教科であると言える。音楽の構成要素を. おわりに. 一376一.

(2) (4)G・マーラー作曲. 31論文の概要  第1章では、この音楽の教育的価値の理念に.   『交響曲第1番』より第3楽章. 基づいた知覚感受の概念をまとめた。. (5)M・ムソルグスキー作曲.  第1節では、音楽科の教育的価値を次の3点.   M・ラヴェル編曲. とし、学習のあり方を考察した。.   組曲『展覧会の絵』より抜粋.  (1)音楽の本質の理解.  (2)音楽に内在する感情の洞察による社会を.  第4章では、第3章で行った楽曲分析を生か.   生きる人間の感情の理解. し、次の(1)∼(5)の視点で学習展開を提案し.  (3)感情の洞察の発達に伴う音楽的成長と知. た。.   識技能の習得.  (1)音楽の中の感情を味わう。.  第2節では知覚感受の定義を行った。まず、.  (2)音楽の特定の構成要素を集中的に聴き取. リーマーの哲学的な見解による知覚感受の過程.   り、音楽全体の気分を感じ取る。. を考察し、次に、新学習指導要領に新設された.  (3)低学年は「音楽を聴く」習慣をつけ、「身. 〔共通事項〕に見られる知覚感受の定義づけを.   体で音楽を楽しむ」こと、中学年、高学年. 行い、最後に、本論文における知覚感受の定義.   はr感情の洞察」r洞察の共有」を目指す。. づけを行った。.  (4)鑑賞の能力を育て、表現へ発展させる。  (5)限定的な発聞方式で授業を進める。.  第2章では、音楽の構成要素を軸とした学習. 学習展開中の学習過程は次のとおり示した。. 展開の可能性について述べた。. ①イメージ②知覚③思考④感受.  第1節では、音楽の構成要素の意味づけを行. ⑤感情の洞察⑥洞察の共有⑦理解 以上の視点で、第1節は、知覚感受する力を育. い、第2節では、「音楽の理解」「音楽心理学」 「発達心理学」「授業の構想力」「鑑賞と表現領. てる具体の学習展開を提案し、第2節は、音楽. 域」のそれぞれの食度から、音楽へのより積極. の構成要素を軸とした学習展開を提案し、第3. 的な関わり方を考察し、学習展開の可能性を広. 節で考察を行った。. げるようにした。. 4.今後の課題  第3章では、以下の楽曲を、知覚感受するカ.  本研究では鑑賞、音楽づくりを中心に学習展. を育てる観点で分析を行った。. 開を提案したが、歌唱・器楽領域においても、.  (1)F・シューベルト作曲. 知覚感受するカを育てる中で、様々な感情に触.    ピアノ五重奏曲 『ます』より第4楽章. れる手立てを工夫したい。またこの提案授業を.  (2)C・サン=サーンス作曲. 本格的に実践し、考察し、改善し、再び実践し.    組曲『動物の謝肉祭』全曲. ていく中で、知覚感受する過程を高め、より深.  (3)L’アンダーソン作曲. く掘りさげていきたい。.    『ワルツィングキャット』. 主任指導教員 草野次郎. 一377一.

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