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親子で学ぶ 「災害時の食」 をテーマと した体験授業の実践と評価

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親子で学ぶ 「災害時の食」 を テ ーマ と し た体験授業の実践 と 評価

Practice and Evaluation of Experiential Workshop on the Theme of “Food at

the Time of a Disaster” that Parents and Children Loam Together

小 林 裕 子*

永 田 智 子**

KOBAYASHI Yuko

NAGATA Tomoko

本研究の目的は, 親子で学ぶ 「災害時の食」 を テ ーマ と し た体験授業が知識や実践への意欲の獲得 に と どま ら ず, 家庭 での実践へ結 びつけ る ために有効であ るか を検証す る こ と であ る。 中学校家庭科での授業実践及び, 大学生 ・ 大学院生や 市民 を対象 と し たワ ー ク シ ヨ ツプ実践で得 た知見 を基に, 中学生親子 を対象 と し た体験授業 を開発, 実践 し た。 実践前後 のア ンケ ー ト 結果及び自由記述感想, 授業 1 か月後のア ンケ ー ト 結果の分析から , 親子で学ぶ 「災害時の食」 を テ ーマ と し た体験授業は, 生徒のみに実践 し た授業に比べ家庭での実践に結 びつ く こ と に一定の効果があ る こ と が示唆 さ れた。 今 後の課題は, 希望 し た親子に限定 し た体験授業ではな く , ク ラ スや学年単位 な どで児童 ・ 生徒が親子で 「災害時の食」 に つい て学べ る機会や手立 て を検討す る こ と で あ る。 キーワ ー ド : 災害時の食, 親子学習, 体験授業, 実践 と 評価,

1 . 研究の背景と 目的

1 .1 「 災害時の食」 を テ ーマ と し た学 びの必要性 と 課題 我が国は, 地球全体 を覆う 十数枚の プレ ー ト のう ちの 4 枚が ひ し め く 場所 に位置 し てお り , 地震によ る被害 を 大き く 受けやすい地震列島であ る (文部科学省2004) 。 実際に世界 で発生す る マ グニ チ ュ ー ド 6 以上の地震の 2 割近 く が日本周辺 で起き てい る。 気象庁のデー タ ベ ース によ れば, 甚大 な被害 を及ぼ し た東日本大震災が発生 し た2011年以降2018年 4 月ま でに震度 5 以上の地震の発生 は150回 を超え てい る。 ま た最近では, 地震以外 に も台 風や豪雨災害の甚大化が顕著であり , 自然災害に対する 防災や減災の取 り 組みを一層強化す る と と も に, さ ら な る防 災教育 の充実 を は か る こ と は急務 で あ る と さ れ る

(横田ら2012) 。

内閣府は平成26年度版防災白書 (2014) におい て, 「東日本大震災等 では, 行政が全 ての被災者 を迅速に支 援す る こ と が難 し い こ と , 行政自身が被災 し て機能が麻 痺 す る よ う な 場合 が あ る こ と が明確 に な っ た こ と か ら 「公助の限界」 , 首都直下地震, 南海 ト ラ フ 地震等の大規 模広 域災害時の被害 を少 な く す る ためには, 地域 コ ミ ュ ニ テ ィ に おけ る自助 ・ 共助 に よ る 「 ソ フ ト パワ ー」 を効 果的 に活用す る こ と が不可欠で あ る。」 と 述べ てい る。 同様に, 児童 ・ 生徒への防災教育におい て も , 「『生き る 力』 を育む防災教育の展開」 (文部科学省2013) で, 「危 険 を理解 ・ 予測 し , 自 ら の安全 を確保す る ための行動が でき るよ う にす る と と も に, 日常的な備えがで き る」 こ と を目標 と し て示 し てい る。 こ れは前述の 「自助」 に当 たる と考え ら れる。 片田 (2012) は東北地方太平洋沖地 震発生時に, 防災教育 を通 し て 「自助意識」 を培 っ てい たあ る地域では生存率 が99.8% で あ っ た と 述べ てい る。 こ れは自助 ・ 共助 によ る 「 ソ フ ト パワ ー」 の効果であ ろ う 。 ま た, 大災害によ る 「公助の限界」 が起こ っ た時, 防災教育 「食」 への対 応は, 他の備蓄品 と 違い賞味期限やア レ ル ギー, 乳児 ・ 高齢者対応等があ る ため, 質的 ・ 量的 な対 応は極 め て困 難 と な る こ と が指摘 さ れて い る (山田 ら 2015) 。 こ のこ と から内閣府では大災害に備え , 各家庭 で 1 週間分以上の食品 と 水 を備蓄す るこ と を提言 し てお り , その実践方法 と し て, 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 を 推奨し てい る (内閣府2013) 。 「ロ ーリ ングス ト ッ ク法」 と は日常的に保存食品 を食べながら , 消費 し た分 を買い 足すと いう 行為 を繰り 返し , 常に家庭に新 しい保存食品 を備蓄す る方法であ り , 普段から食べてい る も のが災害 時の食卓に並 ぶ安心感 を得 る こ と がで き る備蓄方法 と し て注目 さ れてい る。 ま た, 従来の非常食は緊急時に備え, 使わずに取 っ てお く 場合が多 く , い ざと い う 時に賞味期 限が切 れてい る こ と や, 乾パ ンな ど日頃食べな れない食 品への適応の難 し さ が課題 と 言われてい る。 そ こ で室温 で保存 で き る食品 や飲料 を日常食の延長上 で 「 災害

食」

(注) と 考え , 保存 ・ 調理す る考え方 が 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 と 合わせ広がり を見せてい る。 小林 ・ 永田 (2017) は中学校家庭科での 「災害時の食」 を扱 っ た授業 を開発 し , 実践におい て検証を試みた。 こ の授業では, 「災害時の食」 への対応策と し て 「災害食」 や 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 を扱 い, 「 災害時の食」 に 対応す る調理実習 を実践 し てい る。 その結果, 開発 し た 「災害時の食」 の授業の有効性につい て一定の評価 を得 てい る。 し かし同時に, 生徒が授業で得た 「災害時の食」 の実践への主体的 な意欲が, 備蓄の改善や, 「災害食」 の調理 と い っ た家庭での実践に結 びつい た生徒の割合が 少 ない こ と が課題 と し て残 っ た。 1.2 親子 で学 ぶ 「 災害時の食」 を テ ーマ と し た体 験授 業の可能性 生徒が家庭で 「災害時の食」 の学 びを実践す るために * 兵庫教育大学大学院博士課程先端課題実践開発専攻先端課題実践開発連合講座 平成30年 7 月 4 日受理 * * 兵庫教育大学大学院教科教育実践開発専攻生活 ・ 健康 ・ 情報系教育 コ ース, 教育実践高度化専攻授業実践開発 コ ース 教授

(2)

l l 8 学校教育学研究, 2018, 第31巻 は, 各家庭の家計の状況や日常生活で調理活動が可能で あ るか どう かの影響が大 き い。 そのため家族の理解 と 協 力 が不可欠 で あ る (小 林 ・ 永田2016) 。 ま た, 村上 ら (2015) が実施 し た防災教育に関す る ア ンケ ー ト 調査で は, 体験型の防災学習 を望む保護者が多 い こ と が示 さ れ てい る。 以上のこ と から , 「災害時の食」 の学 びが家庭での実 践に結 びつき に く い と い う 課題の解決には, 生徒 と 保護 者が共に 「災害時の食」 につい て学ぶ体験型の授業が有 効であ る可能性は大き い。 1.3 目的 以上の 「災害時の食」 の学 びの課題 と 防災学習 に対す る保護者のニ ーズ を踏ま え , 親子で学ぶ 「災害時の食」 を テ ーマ と し た体験授業 を実践 し , 実践前後のア ンケ ー ト 結果等 によ り , 親子での学 びは前述の課題解決に有効 な手立 てであ るのか を検証す る こ と を本研究の目的 と す る 。

2 . 方法

2.1 親子で学ぶ体験授業の開発 と 実践 小林 ・ 永田 (2017) の中学校家庭科での 「災害時の食」 の授業実践 と , 小林 ・ 前田 ら (2017) の大学生 ・ 大学院 生や市民 を対象 と し たワ ー ク シ ヨ ツプの実践で得 た知見 を基に, 調理体験 を取り いれ2 時間 (100分) で実践可 能な, 中学生と その保護者を対象 と し た 「災害時の食」 の体験授業 を開発, 実践する。 授業前後に生徒と保護者 に ア ンケ ー ト 調査 を行い, 実践の効果等 を評価す る。 事 後には自由記述感想 を求め, 参加者の気づ き や考え に ど の授業内容 ・ 活動が関係 し たのかを質的に明 ら かにす る。 自由記述感想に書かれてい たキーワ ー ド を抽出 し , 小林 ・ 前田 ら (2017) と同様の手法で カ テ ゴラ イ ズす る。 また, 体験授業 1 か月後に授業に参加 し た生徒にア ンケー ト 調 査 を行い, 家庭での 「災害時の食」 の実践の状況 を確認 する。 2.2 開発 し た親子で学ぶ体験授業案 体験授業案の詳細は表 1 に示す通り である。 体験授業 の目標は 「災害食」 と 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 を理解 す るこ と , 災害食調理を体験す るこ と によ り , 「災害時 の食」 の備え の課題 を解決す る工夫 を理解す る こ と と し た。 体験授業は衛生面や安全面に十分配慮 し , 参加者の体 調確認 と 調理前の手洗い指導 を徹底 し た。 調理実習中の 加熱時間 を有効に活用す るため, 自己紹介や事前ア ンケー ト の後に, まず調理体験から実施 し た。 調理体験には, 小林 ・ 永田 (2016) で も実践 し た耐熱性ポリ 袋を用いた。 耐熱性 ポリ 袋 を用い た調理は災害時に停電 し た場合で も , カ セ ツ ト コ ンロ な どの非常用熱源があ れば簡単 に短時間 で調理で き , 鍋や食器 を汚 さ ない こ と , 繰り 返 し 鍋の水 を使用 で き節水 に も な る方法 であ る。 ま た, 袋内調理で あ る ため, ひと つの鍋で味の異 な る複数の献立の調理が 可能 と な る。 こ れら の方法は静岡赤十字病院 をは じ め, 消防や地方自治体の防災訓練な どで, 災害時に役立つ調 理方法 と し て紹介 さ れてお り , 炊飯 と 調理 を こ の方法 を 実践 し た ( 静岡赤十字病院, ほか) 。 調理には常温で保 存のき く 食材のみを使用 し た。 今回は ツナ缶, に んじ ん, じ やがい も , たま ねぎの主な 4 食材は共通と し , 親子で 調味料 を変え , 生徒は 「 ツ ナ カ レ ー」 , 保護者は 「 ツ ナ じ やが」 を調理 し た。 限 ら れた食材で も , 工夫す る こ と で味 に変化 をつけ た調理が可能であ る こ と を体験 し た。 加熱中の約40分間 を有効に活用 し , プレ ゼ ンテ ー シ ョ ン ソ フ ト によ る 「災害時の食」 について学ぶ講義 を行 っ た。 「 災害時の食」 の課題 と は何 か を知 り , その解決方法の 一つ と し て 「災害食」 と 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 につ い て学習 し た。 「災害食」 にな り う るのは どんな食品か, 「災害食」 と 「非常食」 の違いは何か, 耐熱性 ポリ 袋の 安全基準につい て も確認 し た。 調理 し た 「災害食」 を試 食す る時 には, 調理時間や味, 自分で実践で き そ う かな ど を評価す る よ う に促 し た。 ま た, 「災害食」 を組み合 わせ て自分 な ら どのよ う な献立 を考え る かな どの工夫す る場面 も 設け た。 体験授業 の最後 には, 事後 ア ンケ ー ト と 自由記述感想の記入 を依頼 し た。

3 . 結果 と 考察

3.1 親子で学 ぶ体験授業の実践 2017年11月, M 市 J 中学校におい て親子で学ぶ 「災 害時の食」 を テーマ と し た体験授業 を実施 し た。 体験授 業は中学生が比較的親子で参加 し やすい, 土曜日の午前 中に設定 し た。 参加者は中学 1 年の生徒 と その保護者に 参加 を募り , 参加希望のあ っ た親子である。 参加者は保 護者14名, 生徒13名の合計27名であっ た。 保護者は全員 母親で, 年齢構成は30代 5 名, 40代 8 名, 50代 1 名であっ た。 3.2 親子で学ぶ体験授業の評価 (事前ア ンケ ー ト ) 事前ア ンケー ト の結果を表 2 に示 し た。 参加者27名中 「災害食」 と 「非常食」 の違い を知 つてい たのは生徒 2 名, 保護者 4 名で あ っ た。 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 を 知 つてい たのは生徒 1 名, 保護者 0 名であ っ た。 つま り , 参加者のほ と ん どが 「災害食」 や 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク 法」 につい て事前の知識がなか っ た。 ま た災害 に備え て 食品の備蓄 を し ていたのは生徒 3 名, 保護者 2 名, 同 じ く 水の備蓄 を し ていたのは生徒 1 名, 保護者は 2 名であっ た。 災害に備え て食料や水の備蓄 を日常的に行 っ てい る 参加者は, 極めて少数であ っ た。 し か し一方で, 同 じ ア ンケー ト で災害時に不安に感 じ るこ と (複数回答) を尋 ねる と , 「水や食料の確保」 と の回答が生徒 9 名, 保護 者13名, 合計22名と参加者の 8 割を上回る結果と なった。 こ れは 「家族の安否」 26名に次いで, 多い結果であ っ た。 備蓄の実践には結 びつい てい ないが, 災害時には 「水や 食料の確保」 が必要であ る こ と は認識で き てい る こ と が 分 か っ た。

(3)

表 1 開発 し た ワ ー ク シ ョ ッ プ案 参加者の活動 留意点 準備物 ・ 材料 導入

10 分

0 参加者 ・ メ ンバー自己紹介 0 事前ア ン ケー ト 記入 0 本日の流れの確認 ・ 調理体験 を行 う の で、 腹痛や熱な どの 体調確認 を必ず行 う ・ 事前に SNS 用の写 真撮影 と 掲載の許可 を取 る 事前ア ンケー g M 記具 実践

60 分

0 手洗い ・ 消毒 0 計量済みの無洗米が入 っ た耐熱性ポ リ 袋に分 量の水を加えて吸水 さ せる。

(袋は二重)

0 ツナ じ やが ・ ツナ カ レーの材料 を切 る。 0 役割分担 を決め, 親子で協力 し て作業す る。 0 耐熱性ポ リ 袋に, 切 っ た野菜 と ツナ を入れる 0 ツナ じ やがにはめんつゆ を薄めた煮汁, ツナ カ レーには刻んだ カ レールー と 水を加え る。 0 袋の空気を抜 き , し っ か り 袋口 を結ぶ (漏れ 防止のため袋は二重にす る) 0 た っ ぶ り 水 を入れた鍋に袋 を入れ、 ふた を し て加熱す る < 加熱の待ち時間 を活用 し て > パワーポイ ン ト によ る災害食講義 ・ 災害時の食の課題 と は ・ 災害食 ・ 口一 リ ン グス ト ッ ク 法 と は ・ 災害時に役立つ備蓄食品 と は ・ ア レルギーや介護食への対応 0 各自, 耐熱性ポ リ 袋炊飯 と ツナ じ やが ・ ツナ カ レーの袋 を取 り 出す。 袋口 を切 り , 器にかぶ せ る よ う に開 き、盛 り 付け る ・ 爪の中や手首ま で 手洗い し 、 アル コ ー ル消毒す る。 ・ 加熱時間 を有効に 使用する ため、 先に 調理体験か ら実施す る こ と を説明す る ・ けがややけ どに注 意す る よ う 声かけ を す る ・ 生徒が親任せにな ら な いよ う に声掛け をす る ・ 質問 し やすい雰囲 気を作る ・ 大切な内容はス ラ イ ド コ ピー を掲示 し て理解 し やすいよ う 配慮する ハ ン ド ソ ー プ

消毒薬

ペーパータ オル 吸水済み無洗米 じ やがい も にん じ ん た まねぎ ツナ缶 めんつゆ 力 レー ルウ 耐熱性ポ リ 袋 水 計量用力 ツ プ 大 さ じ 器 ト ン グ キ ツチ ンば さ み 力セ ッ ト コ ン 口 ボ ンベ 蓋つ き鍋 包丁 ま な板 パ ソ コ ン プ ロ ジ ェ ク タ ー ス ラ イ ド コ ピー ま と め

30 分

l

試食] 0 災害食の試食をす る 0 事後ア ンケー ト と 自由記述感想を記入す る 0 質疑応答 0 後片付け ・ 今ま での非常食 と の違いや、 日常食 と の比較 を し なが ら 試 食す る よ う 促す 割 り ば し 紙 コ ッ プ お茶 事後ア ンケー ト 筆記具

(4)

120 学校教育学研究, 2018, 第31巻 表 2 「災害時の食」 に関す る事前ア ンケ ー ト 結果 (人) N= 27 問 1 「災害食」 と 「非 常 食」 の 違 い を 知 っ て い ま す か 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) 知 つて い る 聞 い た こ と は あ る 知 ら な い 知 つて い る 聞 い た こ と は あ る 知 ら な い

2

1

10

4

2

8

問 2 「 ロ ー リ ン グ ス ト ッ ク 法」 を 知 つ て い ま す か 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) 知 つ て い る 聞 い た こ と は あ る 知 ら な い 知 つて い る 聞 い た こ と は あ る 知 ら な い

1

3

9

0

4

10

問 3 災 害 に 備 え 「 食 品」 の 備蓄 を し て い ま す か 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) は い わ か ら な い い い え は い わ か ら な い い い え

2

5

6

2

0

12

問 4 災害 に 備 え 「水」 の 備 蓄 を し て い ま す か 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) は い わ か ら な い い い え は い わ か ら な い い い え

2

4

7

2

0

12

問 5 災 害 が 起 こ っ た 時 に 不 安 に 思 う こ と は 何 で す か ( 複数回答 ) 生徒 (13 人) 家 族の安 否 自宅 の 状態 水や食 料の 確保 衣 類 の 備 え 避 難 場 所 ラ イ フ ラ イ ン

12

8

9

3

4

1

保護者 (14 人) 家 族の安 否 自宅 の状態 水や食 料の 確保 衣 類 の 備 え 避 難 場 所 ラ イ フ ラ イ ン

14

10

13

6

5

6

3.3 親子で学ぶ体験授業の評価 (事後 ア ンケ ー ト) 体験授業終了後に行 っ た事後 ア ンケ ー ト の結果 を表 3 に示 し た。 体験授業 を終え て, 「災害食」 と 「非常食」 の違いは27名中26名, 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 につい ては25名が 「分かっ た」 と 回答 し た。 「「災害時の食」 の 学習 に興味が持 てま し たか」 の問いには26名が 「持 てた」 と 回答 し , 「今後, 家庭で 「災害食」 を調理 し ますか」 の問いには, 26人が 「調理す る」 と 回答 し た。 ま た 「今 後, 家庭で災害時の備えや対応について改善 し ますか」 の問い には24人が 「 はい」 , 2 名が 「 どち ら と も い え な い」 と 回答 し た。 授業直後の ア ンケ ー ト は, 評価が高 く な り やすい こ と を踏ま え て も , 参加者が 「災害時の食」 の学 びを肯定的 に と ら え , 実践や改善への強い意欲 を示 し た結果 と 言え る。 3.4 親子で学ぶ体験授業の評価 ( 自由記述 ア ンケ ー ト) 事後 ア ンケ ー ト の回答者中, 自由記述感想 を記入 し た のは19名であ っ た。 分析結果 を表 4 に示 し た。 大 カ テ ゴ リ の記述で最 も多 か っ たのは 「災害食調理」 17人であ っ た。 中 カ テ ゴ リ では 「家庭 で も ア レ ン ジ し て作 っ て みた い」 な ど 「調理実践への意欲」 が 6 人 と 最 も多 く , 次い で , 「 親子 で キ ャ ン プ な どの機会に も こ の調理 を実践 し たい」 な ど 「 親子 での調理実践への意欲」 が 4 人, 「子 ども と 共に調理 を体験 し , 必要性 を考え る こ と は大切だ と 感 じ た」 な ど 「親子 での調理実践への評価」 4 人 と い う 結果であ っ た。 続い て大 カ テ ゴリ 「 ロ ーリ ン グス ト ッ ク法」 が多 く , 「備蓄方法が参考にな っ たので, 早速実 践 し たい」 な ど 「備蓄実践への意欲」 4 人, 「備蓄の大 切 さ に気づ く こ と がで き た」 2 人と な っ た。 ま た大 カ テ ゴリ 「授業全般」 と し て, 「気づきが多 く 参加 し てよかっ た」 な ど 「授業参加への評価」 が 3 人と な っ た。 自由記 述感想か ら参加者は体験授業への参加 を通 し て, 「災害 時の食」 の学 びの機会 を好 意的 に と ら え,そ の有用性 を 評価 し てい る こ と , ま た親子での 「災害時の食」 の体験 授業の有用性や家庭での親子での調理実践の意欲が示 さ れた。 3.5 親子 で学 ぶ体験授業の評価 (授業 1 か月後生徒 ア ンケ ー ト ) 体験授業 1 か月後の生徒へのア ンケー ト は, 2017年12 月 に実施 し た。 ア ンケー ト に回答 し た生徒は, 体験授業 参加者13名中11 名であっ た。 今回の体験授業参加者は, 親子参加が基本であ っ たため, 1 か月後 ア ンケ ー ト は生 徒のみに実施 し , 家庭での実践状況 を確認 し た。

(5)

表 3 「災害時の食」 に関す る事前ア ンケ ー ト 結果 (人) N= 27 問 1 「災害食」 と 「非 常食」 の違 いが 分 か り ま し た か 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) 分 か っ た な ん と な く 分 か っ た 分 か ら な い 分 か っ た な ん と な く 分 か っ た 分 か ら な い

12

1

0

14

0

0

問 2 「 ロ ー リ ン グ ス ト ッ ク 法」 が 分か り ま し た か 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) 分 か っ た な ん と な く 分 か っ た 分 か ら な い 分 か っ た な ん と な く 分 か っ た 分 か ら な い

12

1

0

13

1

0

問 3 災 害 時 の 食 の 学 習 に 興 味 を 持 て ま し た か 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) 持 て た ど ち ら で も な い 持 て な か つ た 持 て た ど ち ら で も な い 持 て な か つ た

12

1

0

14

0

0

問 4 災 害 食 を 家 庭 で 調理 し ま す か 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) 調 理 す る ど ち ら で も な い 調 理 し な い 調 理 す る ど ち ら で も な い 調 理 し な い

12

1

0

14

0

0

問 5 今後, 家庭 で 災害 時 の 備 え や 対 応 に つ い て 改 善 し ま すか 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) は い ど ち ら で も な い い い え は い ど ち ら で も な い い い え

11

1

1

13

1

0

問 6 災 害 時 の 食 の 授 業 は 必 要 だ と 思 い ま すか 生徒 (13 人) 保護者 (14 人) は い ど ち ら で も な い い い え は い ど ち ら で も な い い い え

13

0

0

14

0

0

ア ンケ ー ト の結果 を表 5 に示 し た。 「体験授業後, 家 庭で災害食の調理 を実践 し ま し たか」 の問い に 「実践 し た」 と回答 し た生徒は, 11名中 6 名 (54.5%) であ っ た。 「体験授業後, 家庭で備蓄の改善 を し ま し たか」 の問い に 「改善 し た」 と回答 し た生徒は, 11名中 8 名 (72.7%) と どち ら も回答者の半数を超え た。 小林 ・ 永田 (2017) が中学生を対象に実施 し た 「災害時の食」 の授業での 1 か月 後 ア ン ケ ー ト で は , 同 じ 問 い への回答 は そ れぞ れ 6.6% と 10.5% と い う 結果であ っ た。 こ のこ と から , 親子 で学ぶ 「災害時の食」 を テーマ と し た体験授業は, 生徒 のみが同様の学習 を学校の授業で受け た時と比較 し , 家 庭での実践に結 びつ く こ と に, 一定の効果があ る こ と が 示唆 さ れた。

4 . ま と めと 今後の課題

本研究の目的は, 生徒が授業で得た 「災害時の食」 の 実践への主体的 な意欲が, 備蓄の改善や 「災害食」 の調 理 と い っ た家庭での実践に結 びつ き に く い と い う 課題の 解決のために, 親子での体験授業が有効であ るかを検証 す る こ と で あ る。 実践前後のア ンケ ー ト 結果及 び自由記 述感想, 授業 1 か月後のア ンケ ー ト 結果の分析から , 親 子で学ぶ 「災害時の食」 を テーマ と し た体験授業は, 生 徒のみに実践 し た授業 に比べ家庭での実践に結 びつ く こ と に, 一定の効果があ る こ と が示唆 さ れた。 今後の課題 は, 希望 し た親子に限定 し た実践ではな く , ク ラ スや学 年単位な どで児童 ・ 生徒が親子 で 「災害時の食」 につい て学べ る機会や手立 て を検討 し , 実践 を試みる こ と であ る。 注 「災害食」 の定義は, 日本災害食学会 (2015) によ る と 以下の① ~ ③ と さ れてい る。 ① 「い つ も のよ う に食べ る こ と がで き ない時の食のあり 方」 と い う 意味 で災害食 を考え, 避難所や自宅で被災生活をする高齢者や乳幼児, 障害者や疾病患者 な ど日常の社会におい て も特定の食事 を必要 と す る人々, さ ら に救援活動に従事す る人々な ど, 被災地で生活, 活動す るすべての人々に必要な食 をいう 。 ②日常食の延長線上にあり , 室温で保存で き る食品及び

(6)

122 学校教育学研究, 2018, 第31巻 表 4 体験授業参加者 自由記述感想分析結果 (複数回答) (人) N= 19 大 カ テ ゴ リ 中カ テ ゴ リ 自由記述の具体 人

%

災害食調理 調理実践への意欲 ・ 家で も 作 っ てみた い ・ 家庭 で も ア レ ン ジ し て 作 っ てみ た い ・ 災害時に も 慌てずに調理 を し た い ・ 日頃か ら 調理の経験 を し て い く こ と が大 切だ と 感 じ た

6

31.6

親 子 で の 調 理実 践 への意欲 ・ 親子で キ ャ ン プ な どの機会に も こ の調理 を実践 し た い ・ 家 で も 母 と 一緒に調理 し た い ・ 家庭で子 ど も と 再チ ャ レ ン ジ し た い

4

21. 1

親子 で の調理実践 への評価 ・ 子 ど も と 調理 し なが ら 学べて本当に よ か っ た ・ 子 ど も と 共に調理 を体験 し 必要性 を考 え る こ と は大切だ と 感 じ た。 ・ 親子で も っ と た く さ んの人に体験 し てほ し い

4

21.1

味への評価 ・ 家の カ レー と 変わ ら ずおい し い ・ 味は想像 し て いた よ り ご飯 も カ レー も おい し か っ た ・ と て も お い し く 調理がで き ビ ツク リ し た

3

15. 8

口一 リ ン グ ス ト ッ ク 法 備蓄実践への意欲 ・ 備蓄方法が と て も 参考に な っ たの で、 早速実践 し た い ・ 日頃か ら 備蓄 を実践す る こ と に し た い ・ 備 え を見直 し 災害に向 き 合いた い

4

21.1

備蓄の必要性 ・ 備蓄の大切 さ に 気づ く こ と がで き た ・ わが家には備蓄が足 り な い。 ち やん と 考 え な ければ と 感 じ た

2

10.5

授業全般 授業参加への評価 ・ 大変勉強に な っ た ・ 気づ きが多 く 参加 し て よ か っ た ・ 楽 し く 大切な こ と を学べて よ か っ た

3

15.8

表 5 体験授業 1 力月ア ンケ ー ト 結果 (人) 問 1 体 験 授 業 後 , 家 庭 で 災 害 食 の 調 理 を 実 践 し ま し た か 生徒 (11 人) 実 践 し た 分 か ら な い 実 践 し て い な い

6

1

4

問 2

体 験 授 業 後 , 家 庭 で 備 蓄 の改 善 を し ま し た か 改善 し た 分 か ら な い 改 善 し て い な い

8

0

3

問 3

体 験 授 業 後 , 防 災 に つ い て 家 族 で 話 し 合 い ま し た か 話 し 合 っ た 分 か ら な い 話 し 合 っ て い な い

8

0

3

(7)

飲料はすべて災害食と なり う る。 ③加工食品 (飲料を含 む) 及び災害時に限定 さ れた熱源, 水によ り 可能 と な る 調理の工夫 も含 め る。 謝辞 本研究の体験授業実施にあたり多大な ご協力 を賜り ま し た, M 市 J 中学校の生徒 ・ 保護者の皆様, J 中学校の 先生方に深 く 感謝申 し上げます。

参考文献

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33-42.

表 1  開発 し た ワ ー ク シ ョ ッ プ案 参加者の活動  留意点  準備物 ・ 材料  導入  10 分  0 参加者 ・ メ ンバー自己紹介  0 事前ア ン ケー ト 記入  0 本日の流れの確認  ・ 調理体験 を行 う の で、 腹痛や熱な どの 体調確認 を必ず行 う ・ 事前にSNS用の写  真撮影 と 掲載の許可  を取 る  事前ア ンケー gM記具  実践  60 分  0 手洗い ・ 消毒 0 計量済みの無洗米が入 っ た耐熱性ポ リ 袋に分 量の水を加えて吸水 さ せる。 
表 3  「災害時の食」  に関す る事前ア ンケ ー ト 結果 (人 )  N= 27  問 1  「災害食」 と 「非  常食」 の違 いが 分  か り ま し た か  生徒 (13 人)  保護者 (14 人) 分 か っ た な ん と な く 分 か っ た 分 か ら な い 分 か っ た な ん と な く 分 か っ た  分 か ら な い  12  1  0  14  0  0  問 2  「 ロ ー リ ン グ ス ト ッ ク 法」 が 分か  り ま し た か  生徒 (13

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