凍蔵家兎筋の組織学的研究
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(2) . )糟膿臨永長 如 ,,C)v。,.29,N。.・ 葺馬 擦醗鼎樵書室 。 。膿藁. 昭和53年9月. Sep t embe rl978. 凍蔵家兎筋の組織学的研究. 敬. 野. 高. 子. 北海道教育大学旭川分校家庭科教室. i IStudy of Frozen Rabb logica t M[uscles Histo Ke iko TAKANO i ive i fEduca ido Un t tyo l l i kawa Co on r s to ege Ho ry cs Labora I ne Economi ,Hokka ,Asah Asah ikawa070. Abstract. l l ica i to ing wass tud l iber s og ldamageto musc edbyhi l ef r eez i sbyf lnrabb t musc esstructura f 3 lcm in size) werefrozen and stored at - 5℃ or l es( dh it h i l th d Musc esam l. p soc em ca me o s . o d 70 days and -loand -25C forloo ays. an. ibers were l ef ibe usc rs wasobserved at - 50C.N[ The greatestdegreeofdamageto musclef i. l t an nner Part esa 1y Vacuo i i imin zeatthesamplesurface and had mar shedins Compressedandd iod o fstorage waslonger,the layer at which vacuolate muscle i benea thth s surface. Astheper. l ibe i ion t r sshowed a structural ef f iber . ln add s were seen advanced toward the interior , musc o ice f l f l i ibersby・ ion andsp l i t disturbance such as fragmentat . At 一1oc,the vacuoaton o musce. l dbeobserved, At - i l f myo f ibr ingo i dcoa l l i ia l scou l i,andd t rsen r I ssoc ona crysta s ,sarcoem ma sp t i b d t l t o f i i l t b ‐ s ion and coarsening of myo r s were par y no e , u the structural d i iat 25C,the d ssoc 0 idstainsin f in i tyforac turbance wa slessthanthatinthe musclesstored at -10 C.lncreaseinaf i f h t d i f i b l thin musce i ivesubstance Wi PAS‐pos ers t i i l br s myof ,an C anges n proper eso ,decreasein oC l ic a ids were greaterat - 5℃ and -10℃ than at -25 C nuc e 言. 緒. 食肉を凍蔵した場合は, まず筋組織間間隙に自由水による小形の数多い氷晶の形成が起こり, 凍 蔵期間が増すにつれて氷晶は小数・大形化し, 更に凍蔵を継続すれば組織内の結合水も氷結して, 組織を損傷するに 至る. この際, 筋肉蛋白質は水を奪われて, 不可逆的な変質を起こし, 部分的に 8 7 { ) } はロ ウ 様 硬 化 す る こ と も知 ら れて い る. (. 1 )筋線維の凍蔵中の損傷と保水性の 家兎肉は,食肉の中 でも保水性が高いことで知られている が,( 関係は調べられていない. 冷蔵家兎肉について調べた小島らは, 冷蔵処理をしても肉の結着力は 低 4 5ま た橋本は 食肉の保水力は一般的に結着力と平行して 現われると述 〉 ( 下しないと報告している。( , (29 ).
(3) . 高. 野 敬. 子. 2 )しかし凍蔵家兎肉については 藤巻ら{ 1 )の解凍肉の水和度の報告があるのみで 組織学 べて いる.{ , , 的に調べたものは未だ見当た らない.. 保水力の強い食肉の, 凍蔵処理に対する耐性を知 るために, 家兎肉凍蔵中の変化を組織学的に追. 跡 し た.. 材料と方法 oC - 殺直後の家兎(日本白色種) 後脚肉を l cm 角 に 切 り と り, 蓋 付 容 器 に 入 れ, - 5oC, -1o , 2庁Cの3段階に分けて, それぞれ凍蔵した. 凍蔵期間は最大で100 日 と し, 1, 5, 10 , 以 後 は 10 日目ごとに取り出して, 直ちに冷ホルマリン緩衝液で固定し, 試料とした ただし-50 Cの場合は . 70 日ま での期間とした 固定後は前報の鮭肉の場合と同様の手法 で包埋 薄切 染色・反応を行い . , , , 組織標本を作成した.. 横断面では-視野中の筋線維数の変化を, 縦断面では, 一視 野中の筋線維本数の変化を, 共に方 眼ミクロメーターを使用して計測した. また横断面の筋線維短径の変化と, 縦断面の一定単位長の. 横紋数の変化とは, 共にミクロメーターを使用して計測した . 結果と考察 1. 形態の変化. 試料とした兎腿肉の筋線維の太さは最大47” 最小5”であり,一 筋束内に含まれる20個の筋線維. 短 径 の 平 均 は, ほ ぼ 43gで あ っ た .. 横断面では不等辺の四角形を示すものが大部分 である. 矩形やてい形を示すものも認められ (図 版1-1) , また比較的細い筋線維には, 三角形や楕円形を示すものもみられる. 縦断面 では横紋が明瞭に認められる. 一定長 (1 6g) では8節を数え, 対照 では乱れはほとん どみ られない. コーンハイム氏野は, ラッテ筋や鮭筋よりも繊密 で, 細かい区分である (図版1-2) . 縦断面での筋線維核は長楕円形で, クロマチンに富む. 横断面では中が狭くなり, 核内物 質の位置. は明らかでない. 核は筋鞘に沿っ てその内側に存在し, 横断面では1個の筋線維に 4~ 5個認めら れるものが大部分 であ る. - 5o C凍蔵 -5℃の場合は, 1日処理 で筋線維内外に比較的大形の氷晶がみられる 筋線維内の氷晶数は . , 横断面 では1個ずつ である. 筋線維間間隙や筋束間間隙は僅 かに拡大するが, その度合はほぼ均等 である. 筋鞘は裂断する が, 上記の間隙の結合組織は保たれている 5日ま では組織構造の乱れに .. 大差がないので, この形のまま推移するものと思われる. ただし筋線維内氷晶の大形化, コーンハ イム氏野間の拡大, 筋鞘にかけての裂断, 歪曲変形などが強まり, 筋原線維はアゾカルミンGに濃 染し, 強い収縮を示す. 1 0日では筋原線維間間隙の不均等な拡大, 筋線維の部分的崩壊, 筋原線維 の順粒化などがみられ, 20日では, 筋東間間隙のアニリンBに染まる結合組織の, 脆性様裂断がみ ら れ る, 30 日では, ラッテ筋で顕著に認められた無構造部分が 僅かながらみられる 筋鞘内壁に , .. 添っ た, ア ゾカルミンGに染まる無構造部分を除いて, 筋原線維がアニリンBに染まり始めるのも,. ラ ッ テ 筋 の - 50C30 日のものとは異なっ ている しかし筋線維内外氷晶の大きさ が平均化すること .. により, コーンハイム氏野の不明瞭化, および横紋の不明瞭化などが起こり, 無構造部分が生ずる という過程は, ラ ッテ筋の場合と同様 である. 一定長の横紋数は20 日 で8, 9, 10 の 3 種 を 示 し, ) (3 0.
(4) . 凍蔵家兎筋の組織学的研究. 第1表 兎筋の凍蔵における筋線維短径の変化 (”)2 0個の平均 日. 1. 5 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100. 数. 0. -5. 43 35 36 35 37 43 36 41 36 42 -. 温度 - -10. 43 60 58 58 61 58 60 64 75 76 68 67 71. 0 柵25 C -. 43 50 63 59 64 79 6ユ 65 66 65 71 74 110. 第2表. 兎筋の凍蔵における-視野中の 筋線維数の変化 (個)1 OXI 0 , 5か所の平均 1. 5 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100. 数. 0. -5. 84 11o llo ll9 109 123 135 123 115 113 -. 温度. - -10. 84 54 75 67 68 74 106 77 86 66 72 89 77. 0C. -25. 84 94 71 95 68 ,82 93 83 75 75 65 81 86. 日. 分節を暗示するが, 筋原線維の頭粒化が明らかなのは,30 日 の も の か ら であ る。 ラ ッ テ 筋 では 30 日 で筋線維短径が著しく小となり, コーンハイム氏野もほとんど失われるのに 対し, 兎筋では, 氷晶. によっ ていく らか変形するが, コーンハイム氏野の残存する部分が多い。 筋線維の短径にも大差は 0日のものに最も多く認めら れている。 Cでは5 みられない. 筋線維内外の頭粒状物の量は, -5o. 凍蔵初期の氷晶によって分離した筋原線維が, 凍蔵期間が長期化するにつれて, 横紋間に二次的 に形成される微細氷晶によっ て横紋間隙が離開し, あわせて起こる脱水乾燥によって分節し, 穎粒. 化するものと考えられる. -5℃処理の筋線維短径は,20 日 ま では ほ と ん ど変 化 しな い が, 30 日 で は明らかに大となる. 更に40 日 で 一 旦小 と な り, 50 日 で 再 び大 と な る。 こ の 現 象は, 50 日では二. 次的な細かい氷晶が筋原線維間に形成されるために 起こるものであろう. 60 日で短径が縮小するのは, 昇華による筋線維内氷晶数の減少や筋線維間氷晶の大形化などによ る組織の乱れを示している. なお横紋数は減少して, 横紋間の離開が進み, -視野中の筋線維数も 減少して, 筋線維間の空隙部が増える。 筋鞘寄りの無構造部以外の筋原線維は, アニリンBに染まっ て い た が, 70 日に至り, ほとん どがア ゾカルミンGにのみ染まるようになる. 筋原線維間に再 び氷 晶形成が起こると共に, 筋線維外氷晶の大形化によっ て, 筋原線維の 脱水と圧局の繰り返しが開始 されたためであろう。 最外層部の乾燥硬化が30 日, 40 日のものから特徴的に 認められる。 lcm 角 の試料全体がこの硬化した 膜でおおわれる形となるが, この最外層直下の組織の多孔化が,70 日 で は特に甚 だしい. なおこの最外層部の硬化部 分の中は, 処理日数の増加に伴なって拡大する。 これ ら の こ と か ら も, - 5o Cで長期の凍蔵をする場合は, 肉塊は大塊のままで処理することが望ましい といえよう. 一定長の横紋数は, 計測できる部位では増加し, 組織の乾燥濃縮, 即ち氷晶形成によ る脱水の繰り返しで, 甚だしい乾燥状態となる (第3表, 図版1-3, 4, 5) ,. ) (31.
(5) . 高. 野. 敬. 子. oC凍 蔵 -1o. o -1o Cでは1日で, 氷晶による筋線維間間隙の離開がみられるのは, ラッテ筋の場合と同様であ るが, 筋線維内氷晶は筋鞘を破らない. しかも筋鞘近く の筋原線維間に, 小形楕円形の氷晶を形成 する点もラッテ筋とは異なる. 筋線維の歪みは小さく, 氷晶の数は-5o Cのものよりも多い. 5 日 でも氷晶の数は増加するが, 組織の構造を乱すほどではない. 10日では, 円形あるいは楕円形の氷 晶が角形に変わり, 大形化し, 数を減じてゆく が, やはり筋線維の歪みは小さい. 筋線維の短径は 1 日, 5 日, 10 日では大差がなく, ラッテ筋にみられたほ どの縮小はみられない 2 . 0 日, 30 日 で,. 筋束内の筋線維の小分けが起こる. 即ち筋線維間間隙の中が部分的に拡大するために, 筋線維は8 ~9個ずつ集合するようになる. これらの集合筋線維間の間隙は, 対照よりもせばまる.30 日 の 筋 線維内氷晶は再び数を減じ, 大形になる. このために縦断面では筋原線維が分離し, 横断面では角. 形の空隙となり, 筋鞘を破るものも認められる. アザン染色では, ア ゾカルミンGの染着度合が高. oC処 理 では 10 日 の も の か ら ア ゾ カ ル ミ ン G の 呈 色 増 を 示 し た が 兎 筋 では 30 ま る. ラ ッ テ 筋 -1o , ,. 日のものからである. 縦断面でも, 筋原線維間の氷晶は長楕円形を示すものが大部分である. この ため筋線維が縦裂することは少ない. 筋線維の長軸に平行してみられる長楕円形の氷晶は, 最初筋. 原線維間の狭い間隙に平板状をなし, 処理期間が長く なるに従って, 厚さ, 中, 長さを共に増して 筋原線維間を拡げ, 分離を起こすに至る. -50 Cの場合と同様に, 近くの小形氷晶や自由水を集め て, 筋線維外の大形氷晶を形成する. 筋線維内では自由水や結合水を奪っ て, 再び小形氷晶を形成 o するといった繰り返しが行われる. しかし-1o Cの場合は筋線維内氷晶が, -50 Cの場合よりも小 形にと どまっていることが,筋線維の損傷度合を軽度に抑えている要因 であると思われる,なおラッ oCの 場 合 は 1 日 目 の 氷 晶 は 兎 筋 と 類 似 し て い る が 30 日目 では氷晶が横方向にも成長し テ 筋 -1o , , , 筋線維をステッ プ状に断裂させていた. この特徴的な形は, 兎筋 では認められなかった (図版エ. ー6) . 部分的に横紋が不明瞭で, ア ゾカルミンGに濃染する無構造部分が,20 日か ら 認 め ら れ, 30 日で更にその量が増加している. 但しラッテ筋の場合よりは少ない. 筋鞘寄りの筋原線維がアゾカ ルミ ン G に 濃 染 し, 他 の 部 分 は ア ニ リ ン B と 共 染 して い る 点 は 似 て い る 以 後 50 日まで 筋線維短 . ,. o 径や横紋数などに, 僅小な差を示しつつ推移する. 筋原線維の頭粒化は, -1o Cでは50日から認め ら れ る.. 長楕円形氷晶が, 50 日 ま では 散 在 し て い た が, 60 日では大形化し (図版エー7) 且つ連続する , ようになる. 氷晶周辺の筋原線維は水を奪われると共に圧扇され ア ゾカルミンGに濃染して横紋 , 消失, 無構造化となるか, あるいは分節して頭粒物となる 横断面では, 筋線維内氷晶は円形及び . 四辺形化する傾向を示し, 筋鞘を破裂させ るものが増してくる 筋線維短径の増大と筋鞘部分の粗 . 髭化の進行が目立っ てくるのも60日目からである 筋線維間間隙は対照よりもせばまるが 筋東間 . , 間隙は離開する.60 日 では, 再 びコ ー ン ハ イ ム 氏 野 を 失 っ た 筋 線 維 が 大 部 分 と なる ア ニ リ ンB に .. 染まる結合組織は,20 日 目 で既 に ち ぎ れ 始 め て い た が,60 日以後では対照のそれよりも中を増して もつれあい, ち ぎれが甚 だしくなる. この拡がった筋東間間隙には, ア ゾカルミンG呈色の液状物 が,70 日 目 か ら 明 ら か に 認 め ら れ る 70 日目の筋線維内氷晶は 6 . , 0日のものよりも小形になると共. に, 数を増す. 80日目に至り大きさは再び平均化する 横断面では多孔状となり 縦断面では 「数 . , 珠玉のれん」 のように, 筋原線維を分離させる (図版1-8) ほとん どの筋原線維はア ゾカルミン .. Gに濃染して, 赤紫色ないし赤色を呈するようになる 青紫色は筋線維中央部分に僅かに残存する . のみとなる. 横紋は一定長 で10を数えるものが最も多くなり, 氷晶に圧された部分で8~9となっ たが, 筋原線維は対照に比べ て細くなる. 100 日 目 では, 60 日 でみられた像の繰り返し. , 即ち筋線維内氷晶の数の減少, 大形化, 筋線維の ( 32).
(6) . 凍蔵家兎筋の組織学的研究. 図版1 1, 兎後脚筋 対照 2, 兎後脚筋 対照 3, -5℃ 凍蔵1日 4, 一5℃ 凍蔵30日 5, -5o C 凍蔵60日 oC 凍蔵30日 6, -1o oC 凍蔵60日 7, -1o oC 凍蔵80日 8, -1o. 横断面 縦断面 縦断面 縦 断面 縦 断面 縦 断面 縦断面 縦断面 (33). 10×20 1OX40 1OX20 1OX20 10×20 1OX20 1OX20 1OX20. ア ザン染 色 ア ザン染色 PAS .H 反応 PAS .H 反応 PAS .H 反応 PAS .H 反応 PAS .H 反応 PAS .H 反応.
(7) . 高. 図版1 1 9, -2庁C 凍蔵5日 10 0日 , -2庁C 凍蔵1 11 0日 , -2庁C 凍蔵3 o 12 -2 5 C 凍蔵 6 0 日 , o 13 5 C 凍蔵70日 , -2 14 0日 , -2庁C 凍蔵8 15 0日 , -2庁C 凍蔵8 oC 凍蔵100日 16 5 , -2. 野 敬. 縦断面 縦断面 縦断面 縦断面 縦断面 縦断面 縦断面 縦断面 (34). 子. 10×20 PAS .H 反応 10X20 PAS .H 反応 10×20 PAS .H 反応 10×20 PAS .H 反応. 10×20 PAS .H 反応 1OX20 PAS .H 反応 10×20 PAS .H 反応 10×20 PAS .H 反応.
(8) . 凍蔵家兎筋の組織学的研究. 変形, 筋原線維の分節や裂 断, 筋線維の頭粒化な どがみられる. また一方 では, 強度の脱水乾燥と 圧扇から無構造部分が増加し, ア ゾカルミンGに 濃染する筋線維が大部分となる.〈数多い小形氷晶 の形成> → 〈大形化=数の減少> → く数の増加〉 → 〈大形化> という繰り返しの波は, 一5℃凍蔵 のものに比べて小さい. この繰り返しの過程で, 最外層部分の厚みの増加と, 組織の脱水硬化によ o OO日間凍蔵の変化である。 CI る脆性化が進 行する. 以上が兎筋-1o -2庁C凍 蔵. oCの も の よ り も 筋 線 維 全 体 が ア ゾ カ ルミ ン G に 強く 染 -2庁Cでは 凍 蔵 の 初 期 で, - 5℃, -1o ,. まるのが特徴的である.20日の筋線維中央部の筋原線維が僅かにアニリンBに染まるのみで, 以後 は 100 日目のものに明らかな青色が認められるま で, 何れの処理日数でも主としてア ゾカ ルミンG 0CIO 日目まで 水洗い鮭筋では-2 0 に 染 ま っ て い る. ア ゾ カ ル ミ ン G の 呈 色 は, ラ ツ テ 筋 では -25 ,. oC5 日までであったのに対し 兎筋では色相の差で凍蔵中の構造密度の違いが示されている また , .. 0日目では10 日 の も の よ 0日目で最大, 3 凍蔵処理中に起こる筋線維短径の変化も, ラッテ筋 では1 りもむしろ縮小していた. 水洗い鮭筋では1日目で既に大きく拡大するが, 以後-旦減少し, 30 日 目では, 1日目と同程度に再び拡大していた. これに対し兎筋の短径では, 1日目に縮小する点で は ラ ッ テ 筋に 似 て い る が, 以 後 30 日 ま での 間 に 徐 々 に 拡 大 し,30 日目では顕著に大きくなっている. 点が異なる. しかし氷晶による筋線維の損傷は, 線条様の氷晶形成に伴なっ て起こる点で, 三者共 に類似 している. 凍蔵初期に, 横断面では細い亀裂様の氷晶がコーンハイム氏野間間 隙につくられ. るのがみられる. 縦断面では筋原線維間に, 長軸に平行に氷晶が形成され, いわゆる筋原線維の分 離を 起 こ して い る の が み ら れる.. 1日目では筋鞘は損傷を受けないが, 5日目からは, 分離した筋原線維の端々が, 破れた筋鞘か らはみ出し始める.10日目では, 氷晶は筋線維内外で, ほぼ均一な大きさになると共に数を減少す. るが, 筋鞘の裂け目は明らかに拡がり始める. 但し20日目では再び多数の小形氷晶がみられ, 筋鞘 周辺は粗髭化し, ア ゾカルミンGによっ て赤あるいは赤紫色となる. 筋線維中央部はアニリンBに 僅かに染まり, 同一の筋線維内で, 構造密度に差が生じていることを示すようになる。 30 日目では筋東間間隙が離開し, 筋線維間間隙はせ ばまり, 一視野中の筋線維数は,20 日 の も の. より増加する. 筋線維内の数多い細かな氷晶により筋線維の太さ が増し, 短径もまた, 20 日 のも の oC30 日 よりも拡大する.角形の筋線維が, 丸みを帯びてくるのは30 日 目 か ら であ る. ラ ッ テ 筋 -25. では, 横断面でコーンハイム氏野が全く失われたが, 兎筋では, 筋鞘寄りの一部を除き, 他の部分 oC あ る い は 水 洗い 鮭 筋 な どに 比 べ 硬 化 ・ 無 構 造 化 し た では 明 瞭に み ら れる. ま た - 5oC, -1o , ,. 部分も稀にみられるに過 ぎない. 鮭筋に比べ, 硬化部分が特に少ないのは, 自由水及び準自由水と なる水分の量の多少と関連しているものと思われる. 凍蔵によっ て起こる組織損傷の度合は, 上記. 含有水分のあり方とかかわりが深いことは既に知られているが, 含水量の 多い水洗い鮭筋よりも ラッテ筋において, 更にラッテ筋よりも兎筋において硬化度合が低いのは, 兎筋の保水力が極めて 強いことを示している. 筋束間の結合組織は, 30日では細かくちぎれて互いにもつれあい, 位置が 定 ま ら なく な っ て い る.. 40 日目では, 氷晶の少数・大形化, 筋線維間間隙の拡大, 短径の縮小などがみられ, 5 0日目では. 筋線維内氷晶の顕著な大形化がみられる. しかし 50 日目の場合は筋線維間間隙の縮小を伴ない, 筋 線維短径は40日目よりも大となる. 60日目では筋線維内氷晶の小形o平均化, 筋線維間間隙の拡 大, 筋線維短径の拡大, そして硬化筋原線維量の増加などがみられる. 筋鞘の粗髭化も50 日 の も の. よりも大となる。 70 日では筋線維内の氷晶数は減少するが, 大形と小形の氷晶が, 同一筋線維内に共存し始める. (35).
(9) . 高. 野 敬. 子. oCの も の では ほ と ん ど認 め ら れ な か っ た こ と であ る ア ザ ン染 色 では 引 き 続 こ れは - 50C, -1o , . き 主 と し て ア ゾ カ ル ミ ン G に 染 ま る が, 稀 に ア ニ リ ン B の 不 均 一 な 呈 色 も み ら れる. 80 日 目 でも,. 横断面で円形氷晶と, 亀裂様氷晶が共存するが, 氷晶の大形化, 短径の拡大, 一視野中の筋線維数 の減少, 一定長 の横紋数の乱れなどが顕著になる.7 0 日 か ら 80 日目にかけて, 硬化部分は増加する. が, 水洗い鮭筋の30 日 ~80 日にみられる筋線維の頭粒化は, 兎筋ではほとん どみられない(図版1 1 -11 , 12 , 13 , 14). 90 日の横断面では, 小形の亀裂様氷晶による筋線維の断裂が再び認められる. 縦断面では中心部. が破砕した筋線維も見出されるが, 筋鞘周縁の硬化のためか, 破砕穎粒物は筋線維内に保たれ, 筋 線維外 では僅かしかみられない. 筋線維間間隙はかなりせばまる. 短径の拡大, 一視野中の筋線維. 数の増加などは, 傾向として 30 日 目, 80 日 目 の も の と 似 て い る が, 90 日 目 では, ア ゾ カ ルミ ン G に濃染する乾燥硬化部分と, アニリンBにも染まる脆性粗化部分とが, 同一の筋線維に共にみられ. るのが特徴である. 横紋数は9から10節を数え, ばらつきは少なくなるが, 計測不可能な個所も増 加する.. 100 日目 では, 横断面に氷晶の少数・大形化が認められるが, コーンハイム氏野は全く失われ, ア. ニリンBに び慢的に染まる筋線維がみられるようになる. 縦断面での一定長の横紋数は,90 日 の も. 1 のより乱れがみられ, 1 , 12 , 13などの単位を示し, 筋原線維の収縮を呈する個所もある. 筋東間 間隙や筋線維間間隙も更にせ ばまり,100日目では組織全体が強度に硬化する.ア ゾカルミンG呈色 の硬化部が, 横断面で筋鞘に偏るのは90日目までのものと同様であるが, 大形氷晶の周辺で, 赤紫 色の強い呈色を伴なう硬化部が増すのは,10 0日目である.硬化部は縦断面でもやはり筋鞘寄りに偏. 在すると共に, 長楕円形の大形氷晶の周縁部に, 硬化・密構造化した呈色がみられる. 但し, 一25 oCIOO 日目のもののような直線的な方向性をもつ氷晶とはならない 横 断面で円 ℃ の も の は, 一1o .. 形, 縦断面で長楕円形を示す氷晶は, その長軸が筋原線維間を縫うように, 湾曲して形成されるた o め である. -25 Cの長期凍蔵筋線維は, 筋線維外で形成される氷晶によって圧扇, 変形, 歪曲され ると共に, 筋鞘寄りの硬化部のために, 捻転するものと考えられる. そのために 鮭筋にみられた筋 線維の分断や, ステ ッ プ状崩 壊は, 兎筋-2庁CI OO日ではみられない. 氷晶が, 筋原線維の細い間隙 を縫うように長軸方向に伸 びてゆき, 部分的には筋線維を斜めに剥離させることもある. しかしゆ. 着に近いま でに接近し合っ ている隣接筋線維に支えられ, 形は充分に保っている. 頭粒化し, 崩壊 するものは見当たらない.なお硬化が,筋鞘寄りの筋原線維に明らかに増加する 60 日 目 の も の か ら,. 筋鞘の粗髭化は減少し,10 0日では, 凍蔵時最外層直下部分の筋線維の筋鞘に, 一部認められるに過 ぎなく な る.100 日目の最外層は, 甚だしい脱水収縮硬化により無構造部となるが, この最外層に連 o らなる筋東間間隙は, 大きく裂開する. 部分的には, -72 C30秒凍結のラッテ筋でみられたと同様 な大亀裂もみられた. 2. 組織化学的変化 - 5oC 凍 蔵 - 5oC. では, ヘマトキシリンに呈色する酸性物 質は, 5 日, 30 日 及 び50 日の順に段階的に減少 している. 特に内層部の50日目の減少は大きく, 筋線維核の破砕消失の甚 だしさを示している. こ. のことは,最大氷晶生成帯を少し下まわっ た凍蔵温度では,凍蔵初期には内層部に凍結の遅れがあっ 6 } 凍蔵時 圧局 収縮 硬化などによっ て, 組織の破損を大きくするといわれていることと一致する{ , , , . C では, て, 外層の筋線維内物質はよく 保たれ, 組織化学的物質の損失は「般に少ない. 特に-5o (36 ).
(10) . 凍蔵家兎筋の組織学的研究. 染色・反応 ベマトキシリン 物. 質. エオシン アクロレインS P A S. 酸性物質 塩基性物質 蛋 白 質. . . 貯 , 掛. 排. 蔵. 5. 什. 冊. . . . . 数. 2 o 汁. +. 3 0 +. +. 4 0 +. +. 5 0 ↓. +. ↓. ふ. ↓. ↓. 0 6 7 0. グ リコ÷ ウウ. ア オレンジG 好性物. 什. ” + + + 什 十 + + ←. ザ. ン. アゾカ レ ノ ミンG アニリンB 好 性 物 好性 物. 州. -. +. H. . . . . . . +. +. . . . . . . +. H. 第3表 -5℃ における凍蔵兎筋線維の組織化学的変化(内層部). 処理日数の増加 に伴なって, 外層が比較的厚く形成されるため, 内容の流出が防がれているように 思われる.. エオシンに呈色する塩基性物 質は, 対照の筋線維では均一に染まるのに対し, 内層部の筋線維で は不均一である。 この不均一性は10 日, 20 日及 び60 日の順に段階的に強まり, 呈色度合も弱化す る. しかし蛋白質の反応は, 30 日 及 び70 日で減少し, エオシンの呈色変化とは異なる (第3表) 。 こ れは - 5 ℃ の場合は, 筋線維蛋白質のエオシン呈色性が 凍蔵によって失われてゆく ためと考え , られる。 即ち 「筋原線維の酸性化→蛋白質の変性」 と, みなすことができよう ラッ テ筋の-5o C 。 でも, 30 日で筋原線維の好ヘマトキシリン化が顕著にみられている .. 兎筋では多糖類の量は少なく, 対照では細かい顎粒状物として反応している 1日, 20 日, 30 日 . の筋東間間隙に液状の反応陽性物が少量みられる.60日目の外層部で増加するのは, 組織の収縮に 伴なう物 質の濃縮のためである。 -5℃ の多糖類穎粒物は, 内外層何れも, 主として筋線維内外の 氷晶の周縁に沿ってみられ, 筋実質内に保たれる量は極めて僅かである(図版1-3, 4, 5) 。 (37 ). -.
(11) . 高. 野 敬. 子. PAS. ア. ザ. エオシン. アクロレインS. 塩基性物質. 蛋白質. グ ウル リコ÷. オレンジG 好性物. ア がレ ミンG 好 性 物. . . . . . . . . . . 州. -. +. 措. 5 什. 十. 日. . . . . 1 。 ”. 十. 日. . . . . 0 + 数 2 3 0 +. ↓. 日. 一. +. ↓. +. ↓. 日. +. ↓. ↓. +. 4 0 +. ↓. 日. 十. 十. +. +. 5 0 +. ↓. 日. +. 」. ↓. +. 6 o 十. 十. 什. +. 」. 」. +. 7 0 十. 十. H. +. 」. ↓. +. 十. 十. 什. . . . . 9 0 +. ↓. 日. ↓. ↓. +. +. 十. 」. ←. . . . . 染色・反応 べマトキシリン 物. 貯 蔵. 日. 質. 酸性物質. 8o. 100. 第4表. アニリンB 好性 物. oC における凍蔵兎筋線維の組織化学的変化(内層部) -1o. ー1げC 凍蔵 -100C では, 酸性物 質は5 日 と 20 日で共に大きく減少するが, 以後は外層部, 内層部共にほと. んど変化しない. 但し 20 日のものから, 筋線維核内への他物質の侵入がみられる. 筋細胞核の破砕 は, - 5oC の も の ほ ど強く は な い が, 一10℃ でも, 20 日から核膜の損傷がみられる.. 塩基性物質は1日,20 日, 60 日, 90 日で, 外層部内層部共に変化がみられるが, 外層部での減少 が内層部ほ ど大きくないのは, -5℃ の場合と同様である. 小形多数の氷晶による筋線維の多孔化. や, 線条化が比較的強くみられる 時期には, 呈色が減少する. なお6 0日の筋原線維に, - 5oC の 20 日 及 び60 日にみられたと同様の染色性の変化が起こっ ている. 蛋白質の反応度合は, 外層部では1日と5 日 で減 少, 70 日 で増 加, 90 日で再び僅かに減少する. 内層部 では5 日 と 100 日に段階的な減少がみられる(第4表) . 1日と5日では筋線維内外の氷晶形 (38 ).
(12) . 凍蔵家兎筋の組織学的研究. 成に伴なう構造の粗化のため,5 0日では多孔化のため, 筋線維内での蛋白質反応度が減少するもの と思われる. 筋東間間隙に液状・頭粒状の蛋白質陽性物の増加がみられるのは 50 日 か ら であ る.70 0日では筋線維が線条化することによって減少す 日では筋線維が収縮することによって増加 し, 10. る. 但し筋原線維そのものの蛋白質反応度は, 内層 では5 日 か ら 90 日まで大差はない. 筋鞘寄りの 硬化部では, 70日以後, ゆ着し合った筋原線維の束に, 強い陽性反応がみられる. 0 日, 90 日, 内層部では20 日, 30 日, 90 日でそれぞれ変化する, 内層部の 多糖類は外層部では2 陽性頭粒が, 処理日数の増加に伴ない, 筋線維内外の氷晶周縁にみられるようになるのは, 一5o C の 場 合 と 同 様 で あ る. し か しこ の 陽性 顎 粒 は, 一1ooC では 30 日目から, 筋線維核内にもみられる. ようになる. ラッテ肝細胞で, PAS陽性頭粒の 「核内浸樫」 が-1 00CIO 日で認められたのに比べ 3 ( ると ) , 兎筋の場合は多少遅れている。 多糖類陽性物は, 50日目では筋鞘寄りの筋原線維内に, 比 較的大形の頭粒としてとどまるが,10 0日目では内層の筋線維の線条化と, 筋原線維の収縮のため, 頭粒は濃縮し, 呈色反応も大となる (図版1-6, 7, 8) , -25oC 凍 蔵. -25℃ では, 酸性物質は2 0 日 か ら 40 日で僅かに減少し, 5 0日から 60 日で更に減少する, 筋線. 維核の崩壊がみられることから, これが原因と思われる, 70日の外層部で増加がみられるのは, 組 織の収縮に伴なう核物質濃縮のためであり,80 日 か ら 90 日の稀薄化は,核内の小形氷晶による核膨. 化のため, 核が空洞化し, 酸性物 質が更に減少するためである。 内層部では核内氷晶による核膨化 が5日からみられ, 核酸系物質は5日から減少している(図版1 1-9) .50日を超える凍蔵では, 核. は多孔化・崩壊し始めると共に, 核酸系物質も稀薄化する(図版1 1一1 2) .80日で部位による不均一 性 が み ら れ る が, 90 日以後は, 筋鞘寄りの, 硬化ゆ着した筋原線維内に 核酸系物質が 収縮した , , 形で保たれ, 変化は少なくなる。 -25℃ の凍蔵の初期に, 筋線維内の微細氷晶により, 筋線維の粗化が起こることに ついては既に. 述べたが, 塩基性物質の呈色は1日と30日で減少する. 但し徴密化した外層では, これよりも僅か に 遅 れて 30 日から減少する. 筋原線維の酸性化は4 0日以後にみられる. 内層 では塩基好性物が減 少し, 酸好性物が増加する状態で8 0日まで推移する. しかし 90 日以後では, 不均一な呈色を示す 筋線維は少なくなり, 筋鞘寄りの筋原線維の硬化部で, 比較的強い呈色をみるに過ぎない. 外層部. の 中 は - 5℃, -10℃ のものよりも狭いが, この部分での塩基好性物の呈色が強いの で 変性や流 ,. 失 は 起 こ っ て い な い も の と 考 え ら れる.. 蛋白質の反応陽性度は, ほぼ形態の変化に伴なっ て現われている 陽性度は1 00日間を通して, . 外層部 では増加し, 内層部では減少するが, その度合は-5℃ や-10℃ の も の に 比べ て 小さ い 外 . 層部の陽性度は,30 日, 70 日の順に段階的に減少する 何れも氷晶の大形・少数化による減少 であ . る。 すべての筋線維は外層, 内層の別なく, その筋鞘寄りの部分 で反応を強め 中心部では稀薄と , なる. 破れた筋鞘に囲まれる筋線維 でも同様である 但し筋原線維の反応度は 「横紋数の不均一化 . , → 筋原線維の伸張」 のために, 一10℃ の も の よ り も 弱 化 す る しか し 一25℃ では 一10℃ の も の .. ,. よりも大形氷晶が少なく 陽性物量は多い 1 . 00日目のもので反応度 が僅かに増加するのは, 組織の収 縮によ るため, 即ち横紋間の微細氷晶の形成が その周辺を一段と脱水し 濃縮するため であろう , , . 多糖類は処理日数が増すにつれて, 筋鞘寄りの部分 で濃厚となり 中心部で稀薄となる このこ , , と は - 5℃, 一10℃ の場合と同様である しかし周辺部と中心部間の量的差異は 上記二つの処理 . , 温度の場合ほ ど著しくはな い 氷晶の周縁に穎粒状陽性物がみられるのは同様 である 筋東間間隙 . . の液状陽性物の 量も少ない, 但し 50 日 か ら 90 日に至る内層部 では 筋線維によっ て 保持状態に , , 差が現われてくる 筋線維核内に陽性頭粒物がみられる1 00日目のものでは, 筋原線維横紋間の微 . (39).
(13) . 高. 染色,反応 べマトキシリン 物. 貯 蔵. 数. 質. エオシン. 野. アクロレインS. 敬. 子. ア. PAS. 酸性物質 塩基性物質 蛋 白 質 グリコ÷うン. ザ. ン. オレンジG 好性物. ア 刻し ミンG 好 性 物. アニリンB 好性物. . . . . . 冊. -. , 掛. . . . . . . 什. . . . . H. +. ・ o H. . . . . . . 什. H. 州L. H. -. . . 3 0 ”. +. ”. +. ↓. . . 4 0. 日. +. H. +. +. 什. +. 0 5. 一. . . . . . 6 0. 一. +. H. H‐. 十. . . o 7. H. . . 什. +. 8 0. 日. +. 十. . . 0 9. 十. +. t掛 日. ・oo. +. +. 5. 2 o. 第5表. t” ”. ‐H. H. + 十. . . oC における凍蔵兎筋線維の 組織化学的変化 (内層 部) -25. 2 1-9,10 細氷晶周縁, 即ち横紋のA帯と工帯の間にも陽性頭粒物がみられる (図版1 ,13 , , 11 ,1. 14 , 15 , 16).. 一. 般. 考. 察. 00日までの何れの処 兎 筋 を - 5 ℃, 一10℃, 一25℃ の三段階の 温度 でそれぞれ凍蔵した場合,1. 5 理日数でも, 」2 ,℃ のものが, 筋線維や核の損傷度が比較的小さく, 多糖類や核 酸系物質, 蛋白質 の保持量が最大 であっ た. 7 )の 場 合 は 処 理 温 度 は 兎 筋 と 同 様 に - 5oC -looC ,-25oC の三段階であるが, ラ ッ テ 筋 凍 蔵{ , , ,. 処理日数は 30 日 ま で であ っ た. しか し ラ ッ テ 筋 でも, -25oC のものの形態の損傷が最も小さく, (4 0).
(14) . 凍蔵家兎筋の組織学的研究. 物質の保持度は高かった。 但し同一の凍蔵処理をした兎筋に比べると, ラッテ筋の損傷度の方がよ り高く, 保持量も少ない傾向がみられる. 8 )処理温度は-20o 水洗い 鮭筋凍蔵( C の み で, 処 理 日 数 は 103 日 ま で であ っ た が, 兎 筋 -25 ℃ 100 日} 束蔵のものに比べて, 筋線維の硬化・横紋消失の度合が強く, 核の損傷度もまた大 であっ た. 組 織内の物質の保持度もかなり低く, むしろ兎筋-1 0℃ の同一日数凍蔵のものと近似していた。. 凍蔵筋では, 一般に組織内の氷晶の大形 o 少数化によって形態的な損傷が大きく なるも の であ 3 6 ) ( ) 兎筋の氷晶には 同一日数凍蔵のラッテ筋のそれに比べ 何れも小形で 且つ数が多い傾向 る( , 。 , , がみられる. またラッテ筋や, 水洗い鮭筋よりも, 大形氷晶の形成が遅れるということは, 組織水. の組織内氷結が長い期間持続していることを示している. 特に一25℃ では, 筋線維外氷晶の大形化 により, 筋線維間間隙の拡大と筋線維短径 の拡大とが, 相伴なって起こるのは, 兎筋特有のもので あ る.. 兎筋にみられる以上のような凍蔵耐性 の強さは, 兎筋の保水力が極めて高いことに原因するもの と思われる。 食肉の保水力は, その食肉の水和度を知ることで示され, 水和度は遊離水分量を測定 1 〉 保水力が高いこと で知られる兎筋では 当然遊離水分量が少ない このため 兎 して算出される( 。 , . ,. 筋の凍蔵時における組織内氷晶の大形化は, 他の食肉よりも遅く起こり, 組織の損傷や物質の流出 も比較的軽度にとどまるものと結論す ることができよう。 また凍蔵温度が低下するほ ど, 氷晶の大 形 化 も 遅 れ る こ と か ら, -25oC では, - 5℃ や -100C のものに比べ, 損傷も流出も軽度にと どま. るものと考えられる。. 要. 約. 家兎肉 lcm 角 大 の も の を, - 5℃ で70 日, 一10℃, -25℃ で, それぞれ100日間凍蔵し, 凍 蔵中の形態と物質の変化を調べた. ① - 5oC では, 70 日で既に筋線維の最大の損傷が認められた . ② -looC では, 100 日で筋線維の部分崩壊願粒化が認められた . ③ -250CIOO 日では, 筋原線維の分離 粗化 収縮硬化などが部分的に認められたが -5℃ - , , , ,. 10℃ のものよりも軽度であっ た .. ④筋線維核の損傷度及び核酸系物質の変化は, -5o Cで最大である. -10℃, ‐25℃ では比較的 正常な形態が保持され, 特に-25o C では, 100 日目でも, 核酸系物質が濃縮した状態 でよく保たれ て い た.. ⑤家兎肉組織の損傷度合や, 物質の減少は, 同一日数処理のラッテ筋や鮭ルイ べと比較して, か なり低くと どまり, 兎筋特有の形態を保持していた. この論文の校閲をしていただいた北海道教育大学生物学科佐藤正三教授に深謝の意を表する。 文. 献. 1) 藤巻正生, 倉林広子 (1 ) 肉の自己分解に関する化学的研究第8報, 肉の熟成が肉蛋白質の水和に及ぼす影 9 5 8 響について, 農芸化学会誌, 3 2の1 0 , P 775~778 2) 橋本吉雄:畜肉の科学と製造, 養賢堂, 東京 (1 9 67 ) P39~4 1 3) 市 川 収 (1966) コー ル ドチ ェ ー ンに 関 連 す る 形 態 学, ニ ュ ーフー ドイ ン ダス トリ ー 8の11 P 48~58 , ,. 4) 小島正秋, 世良尚, 安藤則秀 (1 ) 肉の結着力に関する研究第一報, 宮崎大学農学部研究時報, 4の14 9 58 2 5) 小島正秋, 世良尚, 安藤則秀(1 9 58 )肉の結着力に関する研究第二報, 宮崎大学農学部研究時報, 4の1 4 52 8~1 (41 ).
(15) . 高. 野. 敬. 子. 68)21 4 5~2 4 9 9 6) 加藤舜郎:食肉の低温処理, 養賢堂, 東京 (1 , 24 6 9) 冷凍ラッテ筋肉の形態学的ならびに組織化学的研究, 北海道教育大学紀要二部C,19の2, 7) 高野敬子(19 P 90~98. ) ルイべの組織学的研究, 北海道教育大学紀要二部C, 26の1, P I ~11 975 8) 高野敬子 (1. 2) (4.
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