読み物資料を用いた道徳授業の一考察 : 資料「手品師」を通して
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(2) 心情主義型の授業とは、主人公の気持ちを問う. 共感的活用の発間は、その効果が疑問視されて. ていく方法の授業である。これは読み物資料を用. いるが実践を通して十分効果的な発間であると. いた道徳の授業において一番多く行われている. 感じた。. 授業であり、「手品師」の授業でも一般的である. 批半1」的活用の発問により、児童はより深く思考. ことが調査から明らかになった。. することができたのではないかと考察する。それ. 主人公の気持ちを問うことで、多様な考え・感. は、児童の発言から明らかになったことである。. じ方を引き出すことができる心情主義の授業は. 手品師におけるr誠実」という価値を考えていく. 広く一般的に行われているのである。. 上で一般的な型の発間と異なる発問を使用して. (2)判断力育成型. 資料「手品師」の授業スタイルには、心情主義. 実践を行ったがその効果はあったと考察する。 (3)実践の課題. 型のものの他に判断力育成型のスタイルがある。. 実践の課題は、主に二つある。一つは、価値が. 道徳性を構成する諸要素には、道徳的心情・道徳. r誠実」ではなくr思いやり」に傾いてしまった. 的判断力・道徳的実践意欲と態度があるが、判断. ことである。もう一つは、資料における価値をど. 力育成型の授業では、道徳的判断力に焦点を当て. う扱うのかということである。. ている。判断力育成型の授業では、様々な行動の. 資料「手品師」における価値の内容項目は「誠. 可能性を考える過程を通して道徳的判断力を養. 実・明朗」である。それは、自分白身に関するこ. っていくことを日的とする。. とである。手品師の中にある誠実な心に迫ってい けるように発問を考えたが、結果を見ると児童の. 6.授業実践r手品師」の分析・考察 (1)実践について. 文献研究・学習指導案の分析を踏まえた上で 「手品師」の授業実践を行った。. 思考は親切・思いやりに傾いてしまった。. 資料「手品師」の価値は「誠実」である。その. ため、r誠実」という価値に向かって授業が組み 立てられることになる。そうすることは道徳の授. 実践では、中心発問に批判的活用の発問を取り. 業において本当によいことなのだろうかと実践. 入れた。中心発問は、rどうして大劇場に行かず. を通して感じたことである。. に男の子の方に行きましたか」である。この中心 発問を行うことで、手品師の中にある誠実な心に. 7.研究の成果と課題. 迫っていくというねらいを達成できると考えた. 本研究の目的は、読み物資料を用いた既存の道. のである。また、批判的活用の発問は「手品師」. 徳授業を明らかにし、その実効を確認することと、. の授業ではほとんど使用されない発問である。. それとは異なる授業を行い、効果を検証すること. 批判的活用の発間を中心発問に使用すること. であった。. で、従来の授業とは異なる反応が得られるのでは. それぞれの目的を達成するために文献研究・学. ないかと考え、実践で検証を行った。. 習指導案の分析・実践を行った。その過程で得ら. 中心発間に批判的活用の発間を取り入れたが、. れたことは大きな成果である。. 基本発間に共感的活用の発問も取り入れた。そう. しかし、目的を達成するための検証は不十分だ. することで共感的活用の気持ちを間う発間の効. と感じている。今後、実践を重ねていき、読み物. 果を確認できると考えたのである。. 資料を用いた道徳授業についてより深く考察し. (2)実践の成果. ていく必要がある。. 実践は、中心発間を批判的活用の発間で行い、 共感的活用の発間も取り入れた。. 修学指導教員 吉川 芳則.
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