石川県立美術館だより
第406号
平成29年8月1日発行■
脇田和
─かくれんぼ─
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石川のやきもの
青と赤
坂根克介 《料理人》これぞ暁斎!
ゴールドマン コレクション
夏休み親子で楽しむ美術館
アート de まんぷく
特別陳列
前田家の名宝Ⅰ
特別陳列
北陸ゆかりの画聖Ⅰ
◦ 行啓のご報告 ◦ 企画展Topics 燦めきの日本画 ◦ ミュージアムレポート ◦ 文化財現地見学予告 ◦ 8月の行事予定・ミュージアムウィーク 河鍋暁斎 《地獄太夫と一休》 ゴールドマン コレクション 画像提供:立命館大学アートリサーチセンター河かわ 鍋なべ 暁きょう 斎さい は 、 一 八 三 一 年 に 現 在 の 茨 城 県 古 河 市 に 藩 士 ・ 河 鍋 記 右 衛 門 の 次 男 と し て 生 ま れ 、 数 え 年 二 歳 で 家 族 と 共 に 江 戸 へ 移 り 、 一 八 八 九 年 に 亡 く な る ま で 、 江 戸 ・ 東 京 を 拠 点 に 活 躍 し ま し た 。 三 歳 の 時 、 母 の 故 郷 に 帰 る 道 す が ら 初 め て カ エ ル を 描 き 、 七 歳 で 当 時 の 代 表 的 浮 世 絵 師 ・ 国 芳 に 入 門 し た 暁 斎 は 、 十 歳 で 駿 河 台 狩 野 派 の 前 村 洞 和 、 つ い で そ の 当 主 ・ 狩 野 洞 白 陳 信 に 学 び 、 十 九 歳 の 若 さ で 修 業 を 終 え ま し た 。 そ し て 幕 末 か ら 明 治 維 新 、 文 明 開 化 と 時 代 が 大 き く 激 動 す る 中 、 「 狂 斎 」 等 の 画 号 で 動 植 物 か ら 様 々 な 階 層 の 人 々 、 仏 画 に 妖 怪 変 化 な ど あ ら ゆ る 対 象 を 、 時 に は 優 美 に 、 時 に は グ ロ テ ス ク に 、 諸 派 の 学 習 に 裏 打 ち さ れ た 多 彩 な 様 式 感 を 駆 使 し て 描 き ま し た 。 ま た 風 刺 精 神 も 旺 盛 で 、 一 八 七 〇 年 に 明 治 政 府 の 高 官 を 皮 肉 る 風 刺 画 を 描 い た か ど で 捕 え ら れ て い ま す 。 翌 年 正 月 に 放 免 さ れ て 号 を 「 暁 斎 」 と 改 め 、 絵 師 と し て の 活 動 を 再 開 し ま し た 。 そ の 後 、 フ ラ ン ス 人 実 業 家 エ ミ ー ル ・ ギ メ や 同 伴 の 画 家 フ ェ リ ッ ク ス ・ レ ガ メ と 交 流 す る な ど 、 ジ ャ ポ ニ ズ ム の 影 響 下 で 外 国 の 文 化 人 に 高 く 評 価 さ れ る と と も に 、 内 国 勧 業 博 覧 会 へ の 出 品 ・ 受 賞 に よ り 公 的 に も 評 価 さ れ ま し た 。 今 回 の 展 覧 会 は 、 世 界 有 数 の 包 括 的 で 質 の 高 い 暁 斎 コ レ ク シ ョ ン を 有 す る 、 イ ギ リ ス 在 住 の イ ス ラ エ ル ・ ゴ ー ル ド マ ン 氏 の 所 蔵 品 か ら 、 初 出 品 の 作 品 を 多 数 含 む 約 一 六 〇 点 を 選 ん で 、 近 年 人 気 が 高 ま っ て い る 暁 斎 の 世 界 を 紹 介 す る も の で す 。 ◆ 記 念 講 演 会 「 暁 斎 の 近 代 性 」 講 師 : 及 川 茂 氏 ( 本 展 監 修 、 日 本 女 子 大 学 名 誉 教 授 ) 日 時 : 七 月 三 〇 日 ( 日 ) 午 後 二 時 ~ 会 場 : 石 川 県 立 美 術 館 ホ ー ル ※ 先 着 二 〇 〇 名 。 開 場 は 三 〇 分 前 か ら 。 聴 講 に は 本 展 の 入 場 券 が 必 要 で す 。 ◆ 観 覧 料 一 般 高 校 ・ 大 学 生 小 中 学 生 個 人 一 、 二 〇 〇 円 九 〇 〇 円 六 〇 〇 円 前 売 り ・ 団 体 ( 二 〇 名 以 上 ) 一 、 〇 〇 〇 円 七 五 〇 円 五 〇 〇 円 ◆ お 問 い 合 わ せ 北 陸 中 日 新 聞 事 業 部 電 話 〇 七 六 - 二 三 三 - 四 六 四 二 ( 平 日 10 時 ~ 17 時 ) ◆ 前 売 り 券 取 り 扱 い 場 所 チ ケ ッ ト ぴ あ ( 7 6 8 - 3 3 5 ) 、 ロ ー ソ ン チ ケ ッ ト ( 5 4 3 5 3 ) 、 セ ブ ン チ ケ ッ ト 、 石 川 県 立 音 楽 堂 チ ケ ッ ト ボ ッ ク ス 、 香 林 坊 大 和 P G 、 ア ピ タ 松 任 テ ィ オ 、 金 沢 中 日 文 化 セ ン タ ー ( め い て つ ・ エ ム ザ 2 F ) 、 北 陸 中 日 新 聞 販 売 店 、 中 日 サ ー ビ ス セ ン タ ー ( 北 陸 中 日 新 聞 本 社 1 F ) ※ 県 立 美 術 館 友 の 会 会 員 は 団 体 料 金 。 身 体 障 が い 者 手 帳 、 療 育 手 帳 、 精 神 障 が い 者 保 健 福 祉 手 帳 の 交 付 を 受 け て い る 方 は 前 売 り 料 金 。 付 き 添 い 一 人 は 無 料 。 河鍋暁斎 《百鬼夜行図屏風》 右隻、ゴールドマン コレクション 画像提供:立命館大学アートリサーチセンター
これぞ暁斎!
ゴールドマン コレクション
第7・8・9展示室
7月29日(土)~ 8月27日(日) 会期中無休
主催:北陸中日新聞、石川テレビ放送、石川県立美術館 後援:ブリティッシュ・カウンシル、石川県、 金沢市、金沢市教育委員会、エフエム石川 協力:日本航空 協賛:東海東京証券今 回 は 前 田 家 十 六 代 ・ 利 為 の コ レ ク シ ョ ン で あ る 重 文 《 馬 郎 婦 観 音 像 》 を 展 示 し て 、 利 為 の 功 績 を 改 め て 称 揚 し た い と 思 い ま す 。 日 本 が 戦 争 に 突 入 し て ゆ く 厳 し い 時 代 に あ っ て も 、 前 田 家 が 所 蔵 す る 文 化 財 の 保 存 と 公 開 の た め に 尽 力 し た 利 為 の 姿 勢 は 、 前 田 育 徳 会 尊 經 閣 文 庫 分 館 の 原 点 と い う こ と が で き ま す 。 ま た 、 利 為 を と お し て 五 代 藩 主 ・ 綱 紀 が 体 現 し た 前 田 家 の 文 武 二 道 の 深 さ を 知 る こ と が で き 、 近 年 の 展 示 に そ の 成 果 が 反 映 さ れ ま し た 。 そ こ で 今 回 は 武 の 側 面 か ら も 作 品 を 選 び 、 綱 紀 が 所 用 し た 陣 羽 織 や 、 利 常 が 孫 の 綱 紀 の 武 運 長 久 を 祈 る た め に 加 越 領 内 に 居 住 す る 刀 工 二 十 二 人 に 命 じ て 作 ら せ て 高 岡 の 瑞 龍 寺 に 奉 納 し た 刀 の う ち 、 成 巽 閣 が 所 蔵 す る 長 次 の 一 口 の ほ か 、 鐙 、 鞍 、 刀 掛 を 合 わ せ て 展 示 し ま す 。 こ の 《 瑞 龍 寺 奉 納 刀 》 も 、 前 田 家 ゆ か り の 刀 剣 と し て ご 注 目 い た だ き た い と 思 い ま す 。
前田育徳会
尊經閣文庫分館
学芸員の眼
前田家の名宝Ⅰ
前 号 の 続 き と し て 、 今 回 は 国 宝 《 万 葉 集 ( 金 沢 万 葉 ) 》 か ら ご 紹 介 し ま す 。 本 文 は 一 面 八 行 書 き の 体 裁 を と り 、 万 葉 仮 名 と 平 仮 名 は 別 行 と し て 平 仮 名 は 一 首 二 行 で 書 か れ て い ま す 。 唐 紙 に 七 宝 繋 ぎ や 亀 甲 な ど の 様 々 な 文 様 を 刷 り だ し た 料 紙 は 、 中 国 か ら の 舶 載 品 を ま ね て 日 本 で 作 ら れ た も の と 考 え ら れ て い ま す 。 筆 者 に つ い て は 、 長 く 平 安 時 代 末 の 歌 人 ・ 源 俊 頼 ( 一 〇 五 五 ~ 一 一 二 九 ) と さ れ て い ま し た が 、 現 在 は 筆 跡 の 比 較 か ら 能 書 家 と し て 知 ら れ た 藤 原 ( 世 尊 寺 ) 定 信 ( 一 〇 八 八 ~ 没 年 不 詳 ) と 考 え ら れ て い ま す 。 前 田 家 が 本 書 を 入 手 し た 時 期 は 明 確 で は あ り ま せ ん が 、 三 代 藩 主 ・ 利 常 の 時 代 と さ れ て い ま す 。 今 回 は 、 周 文 筆 と 伝 わ る 重 文 《 四 季 山 水 図 》 も 展 示 し て い ま す 。 本 作 は 、 「 秋 冬 山 水 図 」 と し て 指 定 さ れ て い ま す が 、 画 面 を 詳 し く 見 る と 右 隻 か ら 左 隻 に か け て 春 か ら 冬 の 時 間 の 推 移 が 描 か れ て い る こ と が わ か り ま す 。 本 作 に つ い て も 前 田 家 の 所 蔵 と な っ た 正 確 な 時 期 は 不 明 で す が 、 儒 教 や 禅 へ の 深 い 関 心 と と も に 大 名 家 に ふ さ わ し い 調 度 と し て 入 手 さ れ た も の で し ょ う 。 屏 風 で は 、 《 女 三 十 六 歌 仙 色 紙 雉 図 》 も 注 目 さ れ る 名 品 で す 。 八 条 宮 智 忠 親 王 に 輿 入 れ し た 利 常 の 四 女 ・ 富 姫 の 遺 愛 品 で 、 金 地 に 雉 の 家 族 と 躑 躅 な ど 春 か ら 夏 の 草 花 を 描 き 、 そ の 上 部 に 女 流 歌 人 三 十 六 人 の 歌 と 絵 姿 を 別 個 に か い た 色 紙 が 貼 ら れ て い ま す 。 屏 風 は 土 佐 派 の 画 家 が 手 掛 け た も の と 考 え ら れ ま す が 、 俵 屋 宗 達 の 後 継 者 で 、 利 常 が 注 目 し た 俵 屋 宗 雪 率 い る 俵 屋 の 作 と の 可 能 性 も 考 え ら れ ま す 。7月13日(木)~ 8月27日(日) 会期中無休
国宝《万葉集(金沢万葉)》 前田育徳会蔵 長次《瑞龍寺奉納刀》 成巽閣蔵特別陳列
美 術 の 中 の 食 べ 物 の 歴 史 を み て み る と 、 中 世 の ヨ ー ロ ッ パ で は キ リ ス ト 教 が 広 ま り 、 美 術 は そ の 教 え を 伝 え る と い う 役 割 か ら 、 食 べ 物 を 特 別 な 意 味 合 い を 込 め て 描 い て い ま し た 。 次 第 に 宗 教 画 の 一 部 と し て 描 か れ た 食 べ 物 や 器 物 も 、 周 り の 人 や 背 景 か ら 切 り 離 さ れ 、 食 べ 物 な ど そ の も の を テ ー マ と し て 描 か れ た 「 静 物 画 」 と い う ジ ャ ン ル が 生 ま れ ま す 。 そ の 後 も 、 ま だ ま だ 宗 教 画 や 歴 史 画 の 方 が 価 値 が 高 い 物 と し て 扱 わ れ る 時 代 が 続 い て い ま し た が 、 十 七 世 紀 の オ ラ ン ダ で 静 物 画 が 流 行 し 、 果 物 な ど の 食 材 は 欠 か せ な い モ チ ー フ は な っ て き ま し た 。 そ し て 、 十 九 世 紀 に は 、 あ り の ま ま の 姿 を 描 き 出 す こ と が 重 要 視 さ れ 、 私 た ち が よ く 目 に す る よ う な 静 物 画 は 、 よ う や く 長 い 年 月 を か け て 、 絵 の 中 の 脇 役 か ら 主 人 公 へ と 成 長 し て き た の で す 。 ジ ャ ン ル と し て 確 立 し た 静 物 画 は 、 十 九 世 紀 後 半 に な る と 、 セ ザ ン ヌ や ピ カ ソ と い っ た 近 代 の 巨 匠 た ち の 手 に よ っ て 、 新 し い 絵 画 表 現 の 実 験 場 と な っ て い き ま す 。 そ し て 、 今 日 に 至 る ま で 画 家 た ち は 、 い ろ い ろ な 材 料 を 使 っ て 様 々 な 表 現 方 法 を 考 え 出 し 、 食 べ 物 も 美 術 作 品 と し て 表 す よ う に な っ て き て お り 、 そ れ は 日 本 に お い て も 同 様 で す 。 食 べ 物 を 前 に し て 「 お い し そ う 」 と い う 言 葉 が 出 る よ う に 、 今 も 昔 も 私 た ち の 食 欲 と 視 覚 は 結 び つ い て お り 、 そ れ は 食 べ 物 が モ チ ー フ と し て 表 現 さ れ て き た 理 由 か も し れ ま せ ん 。 こ の よ う に 食 べ 物 は 重 要 な モ チ ー フ で あ り 続 け 、 食 と 美 術 の 関 係 は 、 時 代 や 社 会 を 反 映 し な が ら 変 化 し 、 そ の 長 い 歴 史 は こ れ か ら も 続 く こ と で し ょ う 。 八 月 五 日 か ら 長 谷 川 等 伯 ( 信 春 ) の 作 品 が 、 重 文 《 日 蓮 聖 人 像 》 か ら 重 文 《 三 十 番 神 像 》 ( 大 法 寺 蔵 ) に 替 わ り ま す 。 三 十 番 神 は 、 ひ と 月 三 十 日 を 一 日 ず つ 交 替 で 日 本 を 守 る 神 々 で 、 法 華 経 信 仰 者 を 守 護 す る 善 神 と し て 室 町 時 代 以 降 に 数 多 く 描 か れ ま し た 。 本 作 は 、 絹 本 に 縦 六 列 、 横 五 列 で 屏 風 を 背 に 座 る 神 々 を 鮮 や か な 彩 色 と 金 泥 に よ り 描 い て い ま す 。 展 示 で は ご 覧 に な り に く い か も し れ ま せ ん が 、 等 伯 は 画 中 の 屏 風 も 丹 念 に 描 き 、 そ の 中 に は 猿 や 楓 な ど 、 後 年 の 大 画 面 に よ る 名 作 に つ な が る モ テ ィ ー フ を 見 出 す こ と が で き ま す 。 画 面 の 墨 書 か ら 、 永 禄 九 年 ( 一 五 六 六 ) 等 伯 が 二 十 八 歳 の 時 に 描 い た こ と が わ か る ほ か 、 胡 粉 を 盛 り 上 げ て そ の 上 に 金 泥 を 塗 る と い う 京 都 か ら 広 ま っ た と さ れ る 手 法 が 用 い ら れ て い る こ と が 、 等 伯 は 若 年 時 か ら 能 登 と 京 都 を 往 復 し て 研 鑽 を 積 ん で い た こ と を 示 す な ど 、 等 伯 の 画 業 を 考 え る 上 で も 重 要 な 作 品 の 一 つ で す 。 前 号 で も ふ れ ま し た よ う に 、 等 伯 と 京 都 を 結 ぶ 法 華 宗 の ネ ッ ト ワ ー ク に は 絵 屋 の 俵 屋 が 深 く 関 わ っ て い ま す 。 画 工 と し て の 俵 屋 宗 達 と 、 等 伯 と の 接 点 を 否 定 す る こ と は で き ま せ ん 。 そ し て 、 宗 達 と ほ ぼ 同 世 代 と 推 定 さ れ る 岩 佐 又 兵 衛 が 、 京 都 で 等 伯 や 宗 達 そ し て 宗 雪 と 接 触 が あ っ た の か も 興 味 深 い と こ ろ で す 。 「 廻 国 道 之 記 」 に よ れ ば 、 又 兵 衛 は 豊 臣 秀 吉 が 主 宰 し た 「 北 野 大 茶 会 」 を 見 物 し て い ま す 。 父 ・ 荒 木 村 重 と 千 利 休 の 親 交 を 思 え ば 、 又 兵 衛 は 利 休 に 特 別 の 思 い を 抱 い て い た か も し れ ま せ ん 。 そ こ で 利 休 の 画 像 を 描 い て い る 等 伯 と の 接 点 も 考 え て み た い と こ ろ で す 。 田崎昭一郎 《稲穂蒔絵漆箱》 重文 長谷川等伯(信春) 《三十番神像》(部分)大法寺蔵
7月13日(木)~ 8月27日(日) 会期中無休
第6展示室
7月13日(木)~ 8月27日(日) 会期中無休
第2展示室
夏休み 親子で楽しむ美術館
アート de まんぷく
北陸ゆかりの画聖Ⅰ
後援:北國新聞社脇 田 作 品 に は 、 窓 の 奥 に 人 影 や 顔 が う か が え る 構 図 が よ く 見 ら れ ま す 。 今 回 の 展 示 で は 《 窓 ( ベ ニ ス ) 》 、 《 裏 町 の 居 酒 屋 》 、 《 窓 際 の 瓜 》 、 《 緑 の 壁 》 、 《 双 鳩 》 、 《 宵 》 が そ う で す し 、 四 角 の 中 に 顔 が 描 か れ る 《 二 組 の 家 族 》 、 《 S 子 の ペ ッ ト 》 、 《 二 つ の 顔 》 、 《 時 計 》 な ど は そ の バ リ エ ー シ ョ ン と い え る で し ょ う 。 つ ま り 、 四 角 形 と 人 、 鳥 と の 組 み 合 わ せ が 、 脇 田 作 品 の 大 き な 特 徴 な の で す 。 別 々 の 空 間 を 組 み 合 わ せ て 、 し か も 多 く は 一 見 無 頓 着 な よ う に 、 た と え ば 箱 の 中 に お も ち ゃ が 散 ら ば っ て 入 れ て あ る よ う に 、 描 か れ ま す 。 一 点 透 視 図 法 や 遠 近 法 な ど と い っ た 西 洋 的 視 点 は あ り ま せ ん 。 明 治 以 前 の 日 本 の 絵 画 空 間 、 絵 巻 や 洛 中 洛 外 図 、 あ る い は 曼 荼 羅 な ど の モ テ ィ ー フ の 並 列 配 置 が 、 柔 ら か な 色 調 と 相 ま っ て 、 ほ の ぼ の と し た 情 感 を 醸 し 出 す の で す 。 さ て 、 前 回 の だ よ り で は 、 脇 田 作 品 を ( 一 財 ) 脇 田 美 術 館 よ り ご 寄 附 い た だ い た と 述 べ ま し た が 、 そ の ご 縁 で 当 館 と 軽 井 沢 の 脇 田 美 術 館 で は 相 互 サ ー ビ ス を 行 っ て い ま す 。 現 在 、 脇 田 美 術 館 で は 「 脇 田 和 展 鳥 と 、 慈 し む も の た ち と 」 ( ~ 十 月 二 十 八 日 ( 土 ) ) を 開 催 し て い ま す 。 当 館 の 友 の 会 会 員 カ ー ド や コ レ ク シ ョ ン 展 ・ 企 画 展 有 料 観 覧 券 の 半 券 を 脇 田 美 術 館 で 提 示 さ れ ま す と 各 種 の 優 待 サ ー ビ ス を 利 用 で き ま す 。 ま た 脇 田 美 術 館 で の 有 料 観 覧 券 の 半 券 を 当 館 で 提 示 い た だ く と 観 覧 料 が 団 体 料 金 と な り ま す 。 先 月 に 引 き 続 き 第 五 展 示 室 で は 、 近 現 代 陶 芸 作 品 の 「 青 と 赤 」 と い う テ ー マ で 展 示 を お こ な っ て い ま す 。 出 品 作 家 を 何 人 か ご 紹 介 し ま し ょ う 。 本 特 集 の 「 青 」 の 作 品 の 中 で も 《 彩 釉 》 人 間 国 宝 の 三 代 德 田 八 十 吉 は 、 美 し い グ ラ デ ー シ ョ ン の 作 品 と と も に 一 般 の 方 に も よ く 知 ら れ て い る 作 家 の 一 人 で す 。 今 回 、 德 田 に 師 事 し た 二 作 家 、 宮 西 篤 士 と 田 島 正 仁 の 作 品 も ご 覧 い た だ け ま す 。 ま た 「 赤 」 の パ ー ト で は 、 精 緻 な 赤 絵 が 評 価 さ れ て い る 福 島 武 山 の 作 品 と と も に 、 福 島 に 師 事 し た 見 附 正 康 の 作 品 も 展 示 し ま す 。 師 に 学 ん だ 技 術 を 活 か し 、 ど う や っ て 独 自 の 作 風 を 生 み 出 す の か 。 師 の 作 品 と 比 較 す る こ と で 、 作 品 の 新 た な 魅 力 と そ れ ぞ れ の 作 家 の 創 意 を 感 じ て い た だ け れ ば 幸 い で す 。 第 五 展 示 室 で は 、 本 特 集 以 外 の 近 現 代 工 芸 作 家 の 作 品 、 漆 芸 ・ 染 織 ・ 金 工 ・ 木 工 も 併 せ て 展 示 し て お り 、 壁 面 展 示 ケ ー ス の 一 部 を 使 っ て 、 茶 道 具 の 取 り 合 わ せ 展 示 も お こ な っ て い ま す 。 水 指 は 飛 魚 を モ チ ー フ と し た 北 大 路 魯 山 人 の 作 品 で 、 海 面 か ら 跳 ね 上 が る 飛 魚 を 染 付 で す っ き り と 表 し た も の で す 。 金 沢 最 後 の 文 人 と 称 さ れ た 細 野 燕 台 を 介 し て 初 代 須 田 菁 華 に 師 事 し 、 陶 芸 家 と し て の 道 を 歩 み 始 め た 魯 山 人 は 、 常 に 実 用 を 意 識 し た 制 作 を 心 が け ま し た 。 夏 の 取 り 合 わ せ に ふ さ わ し い 水 指 で す 。 薄 茶 器 《 千 鳥 蒔 絵 棗 》 を 制 作 し た 松 田 権 六 は 、 漆 聖 - 漆 の 神 様 と も 呼 ば れ 、 近 代 漆 芸 に 大 き な 足 跡 を 残 し た 蒔 絵 の 人 間 国 宝 で す 。 浜 千 鳥 の モ チ ー フ の 千 鳥 を 蓋 に 、 砂 浜 を 螺 鈿 と 金 で 表 現 し て い ま す 。 特 集 と 併 せ て お 楽 し み く だ さ い 。 脇田 和 《二組の家族》 福島武山 《赤絵壺「かざはな」》
7月13日(木)~ 8月27日(日) 会期中無休
第4展示室
7月13日(木)~ 8月27日(日) 会期中無休
第5展示室
石川のやきもの
青と赤
脇田 和
―かくれんぼ―
六 月 十 日 に 金 沢 市 で 開 催 さ れ た 「 第 二 十 八 回 全 国 み ど り の 愛 護 の つ ど い 」 の 式 典 に 出 席 の た め 、 四 年 ぶ り に 来 県 さ れ た 皇 太 子 さ ま は 、 式 典 に 先 立 っ て 九 日 に は 、 石 川 県 文 化 財 保 存 修 復 工 房 を 視 察 さ れ ま し た 。 石 川 県 立 美 術 館 長 ・ 石 川 県 文 化 財 保 存 修 復 工 房 長 の 嶋 崎 丞 と 、 ( 一 財 ) 石 川 県 文 化 財 保 存 修 復 協 会 の 中 越 一 成 代 表 に よ る ご 案 内 で 、 秋 葉 神 社 ( 金 沢 市 金 石 ) が 所 蔵 す る 江 戸 時 代 後 期 の 「 紙 本 著 色 芝 居 絵 奉 納 絵 馬 額 」 の 、 絵 具 の 剥 落 止 め や に じ み 止 め の 修 復 作 業 を ご 覧 い た だ き ま し た 。 皇 太 子 さ ま は 「 ど の よ う な 絵 の 具 が 使 わ れ て い ま す か 」 「 次 に 行 う 作 業 は ど の よ う な 内 容 で す か 」 な ど お 尋 ね が あ り 、 「 根 気 の い る 大 変 な お 仕 事 で す ね 」 と 述 べ ら れ る な ど 、 修 復 工 程 に 高 い 関 心 を 示 さ れ ま し た 。 視 察 の 後 、 玄 関 前 で の お 見 送 り の 際 に は 、 修 復 作 業 に あ た っ た 川 口 法 男 技 術 責 任 者 や 梶 青 華 技 師 に 、 ね ぎ ら い と 励 ま し の お 言 葉 が あ り ま し た 。 ま た 、 一 般 の お 見 送 り の 方 々 お 一 人 お ひ と り に も 気 さ く に お 声 を か け ら れ る な ど 、 誠 実 で 温 か な お 人 柄 を あ ら た め て 感 じ る 一 時 で も あ り ま し た 。 皇 太 子 さ ま は 、 「 文 化 財 の 保 存 修 復 や そ の 技 術 を 継 承 す る た め に 若 い 技 術 者 育 成 に 取 り 組 ん で い る こ と 、 さ ら に は 全 国 初 の 修 復 作 業 の 常 時 公 開 に 感 銘 を 受 け る と と も に 、 あ ら た め て 文 化 財 を 後 世 に 継 承 し て い く こ と の 重 要 性 を 感 じ た 。 地 味 で 根 気 が い る 仕 事 に 高 い 志 を 持 ち な が ら 、 そ の 大 切 な 課 題 に 取 り 組 ん で い る こ と を う れ し く 思 う 」 と 感 想 を 述 べ ら れ ま し た 。 こ の 秋 、 近 代 日 本 画 の 魅 力 を 紹 介 す る 企 画 展 「 燦 め き の 日 本 画 」 。 明 治 維 新 を 経 て 、 新 た な 局 面 を 迎 え た 近 代 日 本 絵 画 は 、 こ の 時 期 、 青 年 た ち の 熱 と み ず み ず し い 感 性 で 、 目 を 見 張 る 「 日 本 画 」 と な っ て 数 々 の 傑 作 を 生 み 出 し ま し た 。 そ の 様 相 は 文 字 通 り 燦 め い て い た の で す 。 本 展 で は 石 崎 光 瑤 と そ の 師 竹 内 栖 鳳 を 軸 に 、 近 代 京 都 画 壇 の 様 子 を 紹 介 し ま す 。 本 展 の 主 人 公 で あ る 石 崎 光 瑤 に つ い て 語 り ま し ょ う 。 光 瑤 は 明 治 十 年 、 富 山 の 福 光 に 生 ま れ 、 金 沢 で 琳 派 の 絵 師 山 本 光 一 に も 師 事 し た 北 陸 に ゆ か り の 深 い 作 家 で す 。 文 展 、 帝 展 で 特 選 と な り 、 幾 度 と な く 審 査 員 を つ と め る な ど 画 壇 の 中 央 で 活 躍 し た 作 家 と い え ま す 。 し か し 残 念 な が ら 、 近 代 日 本 画 を 語 る と き 、 同 時 代 に 生 き た 土 田 麦 僊 ら に 比 べ 、 と り あ げ ら れ る こ と が 少 な い こ と も 事 実 で す 。 本 展 で は 当 時 の 京 都 画 壇 ら し さ を 感 じ さ せ る 光 瑤 作 品 も 味 わ い な が ら 、 同 時 代 を 圧 倒 し た 《 熱 国 妍 春 》 や 《 燦 雨 》 と い っ た 代 表 作 を 通 し て 、 光 瑤 芸 術 の 粋 を 堪 能 く だ さ い 。 そ こ か ら 、 京 都 で 師 事 し た 竹 内 栖 鳳 の 指 導 性 を 感 じ る こ と も で き る で し ょ う 。 ま た 、 若 き 日 に 培 っ た 琳 派 的 感 性 が 大 い に 活 か さ れ て い る こ と も わ か る で し ょ う 。 そ し て 、 あ ら た め て 光 瑤 の 個 性 と 、 た し か な 画 力 を 知 る こ と と な る で し ょ う 。 次 回 は 、 光 瑤 を 初 め と す る そ の 時 代 の 画 家 た ち が 、 次 世 代 に 与 え た 影 響 を 紹 介 し ま す 。
皇太子殿下行啓のご報告
燦めきの日本画
―石崎光瑤と京都の画家たち―
石川県文化財保存修復工房
企画展Topics
平成29年6月9日(金)
9月23日(土・祝)~ 10月22日(日) 会期中無休
石崎光瑤 《燦雨》左隻、福光美術館石 川 県 立 美 術 館 友 の 会 で は 、 毎 年 秋 に 一 泊 二 日 の 日 程 で 、 学 芸 員 と 行 く 「 文 化 財 現 地 見 学 ツ ア ー 」 を 企 画 し て い ま す 。 第 四 十 八 回 の 今 秋 は 、 「 兵 庫 の 文 化 を 味 わ う ― 快 慶 仏 か ら ハ イ カ ラ 神 戸 ま で ( 仮 ) 」 と 題 し て 、 次 の よ う な 行 程 を 予 定 し て い ま す 。 ◆ 開 催 日 時 一 〇 月 二 一 日 ( 土 ) 午 前 七 時 頃 金 沢 駅 発 一 〇 月 二 二 日 ( 日 ) 午 後 七 時 頃 金 沢 駅 着 ◆ 訪 問 場 所 白 鶴 美 術 館 、 香 雪 美 術 館 、 兵 庫 県 立 美 術 館 、 浄 土 寺 、 篠 山 城 大 書 院 、 丹 波 古 陶 館 、 篠 山 能 楽 資 料 館 ◆ 移 動 方 法 貸 切 バ ス 具 体 的 な 旅 程 や お 申 し 込 み 方 法 等 に つ い て は 、 来 月 号 の 美 術 館 だ よ り で お 知 ら せ い た し ま す 。 皆 さ ま の ご 応 募 を 心 よ り お 待 ち し て い ま す 。 今 年 度 も 学 校 出 前 講 座 の 季 節 が や っ て 参 り ま し た 。 こ の 出 前 講 座 は 開 催 で き る 学 校 数 が 十 校 と な っ て お り ま す が 、 今 年 も そ の 枠 を 上 回 る 応 募 が あ り ま し た 。 今 ま で 開 催 し た こ と が あ る 学 校 の ご 応 募 も 多 か っ た の で す が 、 今 年 は 加 賀 市 か ら か ほ く 市 ま で の 未 開 催 校 を 中 心 に 開 催 い た し ま す 。 そ の 中 で も 内 灘 町 は 今 ま で 開 催 が 少 な か っ た 地 域 で 、 こ の 出 前 講 座 で 作 品 鑑 賞 の 楽 し さ を 、 た く さ ん の 子 ど も た ち に 伝 え て 行 き た い と 思 っ て い ま す 。 六 月 に は 十 五 日 に 加 賀 市 立 作 見 小 学 校 、 二 十 三 日 に は 内 灘 町 立 鶴 ヶ 丘 小 学 校 、 二 十 七 日 に は 加 賀 市 立 錦 城 小 学 校 で 開 催 い た し ま し た 。 こ の あ と 九 月 下 旬 か ら 十 一 月 に か け 残 り 七 校 で 開 催 予 定 で す 。
友
の
会
文
化
財
現
地
見
学
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告
ミ
ュ
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ジ
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ム
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学
校
出
前
講
座
い よ い よ 夏 休 み ! 兼 六 園 周 辺 文 化 の 森 を 満 喫 す る 「 夏 の ミ ュ ー ジ ア ム ウ ィ ー ク 」 。 当 館 関 連 イ ベ ン ト を ご 紹 介 し ま す 。 ◆ 講 演 会 「 い し か わ の 工 芸 の 巨 匠 に 聞 く 」 日 時 八 月 一 二 日 ( 土 ) 午 後 三 時 ~ 講 師 大 樋 陶 冶 斎 氏 ( 文 化 勲 章 受 章 者 「 陶 芸 」 ) 進 行 秋 本 和 美 氏 ( フ リ ー ア ナ ウ ン サ ー ) 会 場 県 立 美 術 館 ホ ー ル 、 定 員 は 先 着 二 〇 〇 名 、 要 申 込 ◆ 工 芸 制 作 体 験 ワ ー ク シ ョ ッ プ 「 加 賀 水 引 で あ わ じ 玉 の ネ ッ ク レ ス を 作 ろ う 」 日 時 八 月 一 二 日 ( 土 ) ① 午 後 一 時 ~ 二 時 、 ② 午 後 二 時 ~ 三 時 会 場 県 立 美 術 館 講 義 室 、 定 員 は 各 回 先 着 一 五 名 、 要 申 込 参 加 費 一 五 〇 〇 円 い ず れ の イ ベ ン ト も 、 お 申 し 込 み は 県 文 化 振 興 課 ( 〇 七 六 - 二 二 五 - 一 三 七 一 ) ま た は 兼 六 園 周 辺 文 化 の 森 ホ ー ム ペ ー ジ の イ ベ ン ト 申 込 フ ォ ー ム よ り 。 ◆ 夜 間 開 館 延 長 ! 八 月 四 日 ( 金 ) 、 五 日 ( 土 ) 、 一 三 日 ( 日 ) は 午 後 九 時 ま で 開 館 延 長 を 行 い ま す 。 午 後 六 時 ~ 九 時 ま で の 間 は 、 二 階 コ レ ク シ ョ ン 展 を 無 料 で 開 放 い た し ま す 。 ※ た だ し 「 こ れ ぞ 暁 斎 ! 」 は 午 後 六 時 で 終 了 し ま す 。夏
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石川県立美術館だより 第406号〈毎月発行〉 2017年8月1日発行 〒920-0963 金沢市出羽町2番1号 Tel:076(231)7580 Fax:076(224)9550 URL http://www.ishibi.pref.ishikawa.jp/ ご利用案内 コレクション展観覧料 一 般 360円(290円) 大学生 290円(230円) 高校生以下 無料 ※( )内は団体料金 毎月第1月曜日はコレクション 展示室無料の日(8月は7日) 今月の開館時間 午前9:30~午後6:00 カフェ営業時間 午前10:00~午後7:00 年中無休 8月の休館日は 28日(月)~ 30日(水)