2.
福島第一原発1~4号機に係る賠償対応費用・安定化費用について
東京電力の説明
原価算入に否定的な意見
原価算入に肯定的な意見
<安定化費用>
福島第一1~4号機は、原災法および炉規
制法の義務に基づき、放射性物質の抑制・
管理、原子炉の冷却機能等の維持に取り組
んでいるところ。
廃止措置完了までの見積可能な資本的支
出は特別損失等で全額計上済みであり、原
価外の扱いとなる一方、今後長期に亘り経
常的に発生する放射線管理や滞留水処理
に係る委託費、修繕費、消耗品費等の安定
化維持に係る費用は、経常費用に整理。平
成24年度から26年度の3年間平均で、487
億円と見込む。
安定化維持は、事故の収束のため必要で
あるとともに 原子力事業者としての責務で
廃炉費用は特別損失で原価算入されな
いのであれば、安定化費用も同様の扱
いとすべきではないか。
福島第一の1~4号機の安定化費用や
賠償対応費用には、具体的にどのような
費用が入っているのか、詳細にみていく
ことが必要。
事故が起きなければこのような費用はか
からなかったため、事故処理費用は株主
が負担すべきである。それに備えて保険
をかけるための保険料は原価に算入で
きると考えられるが、今回はそうした保険
がなか たケ スであり 費用は株主や
安定化については、電気事業者としての事
業目的であるとともに、原子炉等規制法等義
務を果たすためのもの。事故という非能率的
な状態から安定状態にもっていく費用は特別
損失、安定的な状態を維持するための費用
は経常的な費用として原価性が認められる。
その後の将来的なランニング費用について
は、現時点で原価算入を認めないとしてしま
うと税金で賄うしかなくなり、選択肢を狭めて
しまう。賠償関連費用は経常的費用であり、
将来低減していく。営業費用として認識でき、
原価算入の可否については、賠償義務履行
責任という観点から容認できる。
たまたま東電管内に住んでいる人か 日本
あるとともに、原子力事業者としての責務で
あり、ひいては電気事業の一部であることか
ら、最大限の合理化を前提とした上で、安定
化維持費用の料金原価への算入をお認め
いただきたい。
<賠償対応費用>
今回の事故に伴い被害者の方々にお支払
いする賠償金自体は、特別損失に整理し、
原価外の扱いとしている。
一方で、請求書受付業務委託費用などの賠
償対応業務に係る費用は、当社として責任
をもって対応させていただく必要があり、相
当期間がかかる可能性があることから、経
常費用に整理。
これらの賠償対応費用は、平成24年度から
26年度の3年間平均で、278億円と見込んで
いるが、このように迅速かつ適切な賠償を実
施することが、原子力損害賠償支援機構法
41条の資金援助の要件であることから、料
がなかったケースであり、費用は株主や
国が負担すべき。たまたまこのタイミング
で東電管内に住んでいる住民が負担す
べきではない。
「能率的な経営の下における原価」は、
部分自由化で競争が入っている以上、競
争市場だったらどうか、ということが比較
の基準となり、特別損失でカバーする範
囲が広くなる。
特別損失に広く入れるのが妥当。廃炉費
用は将来世代も含め広い世代で負担し
ていくもの。
たまたま東電管内に住んでいる人か、日本
全体のいずれかが負担すべきかと考えると、
これまでの福島原発の受益者が負担するこ
とも考えられる。今料金で回収しないと、将来
の国民負担となるという視点もある。
除染費用や廃炉そのものの費用は原価に
入っていない。例えば、火力発電がトラブル
で壊れ、復旧費用は特別損失で手当てした
が、結果的に熱効率が60%から59%に下
がってしまった場合、その1%分を原価に入
れる理屈もあり得る。
本来は保険で対応ということだが、それがな
かった以上、今その費用を料金で回収するこ
ともあり得る。
3.
福島第一原発5,6号機及び福島第二原発の減価償却費の取扱について
東京電力の説明
原価算入に否定的な意見
原価算入に肯定的な意見
福島第一1~4号機は水素爆発によ
る設備損傷や炉内への海水注入等
により、原状復帰困難のため廃止を
決定したが、福島第一5・6号機及び
福島第二は、原子力発電所としての
主要設備の損傷は認められておらず、
事故を起こした福島第一1~4号機と
は状況が異なる。
法的にも、原災法及び炉規制法上の
義務に基づく安全確保のための改良
工事の途上にあり、低稼働の正当な
理由を有すると考えられる。
設備の原状回復に係る費用は特別
損失として計上済みであり、これらは
原価不算入としている 方 改良投
レートベースに入れるものは、当然減価償却費にも入れるべきで、両者の扱いは一体であるべき。
他電力会社の原発との比較について、柏崎
刈羽なら分かるが福島第一の5,6号機と
第二を他の発電所と同等に議論できるかは
疑問。柏崎刈羽原発が動く可能性があるの
は納得するが、第一の5,6号機が動く可
能性があるというのはリーズナブルか。
原価算定期間に稼働が間に合わないのに減
価償却とレートベースに入れるのは整合性
が取れるか。原価算定期間の3年だけでな
く、もう3年考えても動かないと思う。現
在の停止が正当な事由に基づくとすると、
正当な事由でないものがなくなる。
法律解釈では、費用として認識しているのであ
れば計上する義務があるのではないか。
他電力の未稼働発電所との比較も含め考えるべ
き。福島第一の5,6号機、第二については、
いずれも冷温停止状態であり、単純に設備的に
は稼働できる状況で、1~4号機とは違うと認
識。
震災による停止であり、経営の自主的な判断と
して停止しているのと異なり、稼働しないこと
に一定の正当な理由がある。レートベースに入
れることの一つの理屈になる。
原価不算入としている。一方、改良投
資や震災とは無関係に機能維持のた
めに必要となる費用は、会計上、既
に経常費用として整理している。
これらを踏まえ、福島第一5,6号機及
び福島第二の減価償却費414億円
(平成24年度~26年度の3年間平
均)等の営業費の原価算入は、有識
者会議の提言に照らしても、整合的
と考えられることから、料金原価に算
入することをお認めいただきたい。
なお、事業報酬は、減価償却費と同
様、本来は原価に算入すべきところ、
今後10年間の扱いが未定であること
に加え、これら設備の「利益」を原価
算入しているとの誤解を招きかねな
いこと、今後の私どもの努力分として
福島第一の5,6号機と第二は、10年は
見通しが立たないと思うが、第一は32年
なので、10年後は40年を超す。政権が
変われば廃炉とする期間も変わるのかもし
れないが、40年廃炉が維持されるならば、
再稼働の可能性もない。
「能率的な経営の下における適正な原価に
適正な利潤を加えたもの」は、競争的な状
況を仮定している。事故のための修理費用
は入らない。償却自体そういった性質では
ない。投資家も当然こうした事故を考えて
投資すべきで、投資家を保護すると同じこ
とが繰り返される。
稼働する可能性があるのかわからないが、戦争
などが起こったときに最後の供給力として使う
なら無いこともない。
事業者としてレートベースから外す判断はあろ
うが、福島第一の5,6号機と第二については、
有識者会議の報告書によると、「改良工事中な
どの将来の稼働の確実正等を踏まえて、レート
ベースに算入することが適当である。」とあり、
改良工事も行っており、稼働する可能性があれ
ば入れてもよいのではないか。
福島にあることで再稼働についての納得性が得
られにくい点はあるが、供給計画を前提に設備
投資してきたものであり、投資が回収できない
ことをどう考えるかも判断のポイント。他電力
への影響も判断しないといけない。資本家とし
ては、リターンがあるから投資する。それがな
いものに対して投資はできない。
5.事業報酬率のβ値について
東京電力の説明
原価算入に否定的な意見
原価算入に肯定的な意見
料金算定規則及
び料金審査要領を
踏まえ、自己資本
報酬率並びに他人
資本報酬率を実績
に基づき算定し、
30:70で加重平均
することにより算出。
リスクを表すβ値
については、震災
後の当社のリスク
東電の自己資本報酬率
を6.32%と高く設定し
ているが、これだけ株主
に配当するという趣旨か。
銀行からの借入れの利
息も払うとすると、事故を
起こした東電の株主や銀
行の責任は果たせるの
か。
事業報酬は、一定の支払いをしないとその企業は成り立たないため、過大な
報酬は出さず、かつ、投資家へのリターンを保証するための投資家に対する
報酬といえる。
原子力損害賠償機構法が国会承認され、その中で動いているのであり、経営
責任の話をするのであれば、新規立法が必要。この委員会で議論するのは困
難。
事業報酬率を料金原価に入れるかどうかは、財務基盤と機構法の2点からの
議論。東電の安定的な財務基盤の確保のため、資本注入と一定の利益が必
要だが、具体的にどこまでの水準の利益が妥当かは論点。また、機構が賠償
を肩代わりしている状況を如何に早く脱却して、自ら資金調達できるようにする
かという観点から、ある程度事業報酬として認めなければならない。
β値について、震災の特殊要因を除いた直近の数字を用いるという意味では、
2012年の1月1日から12年の3月31日まで、あるいは、震災直後は異常値
として期間から外して過去3年間とするのがよいと思うが、震災が起きたことは
ある程度加味してもよい
後の当社のリスク
は極めて高くなっ
ており、本来、当社
固有のβ値に基づ
き、上限の1.0を用
いたいところ、電気
料金への影響を勘
案し、仕上がりの
事業報酬率が現行
の3.0%据置となる
9社平均の0.9を適
用。
ある程度加味してもよい。
β値はリスクに対応するものなので、時点によって変わる。金融のリスクはそ
の場その場で変わるため、あまり長い期間を取るのは適切でない。事業報酬
を削るよりは、総括原価の営業費を削るべき。資本費については、企業が成り
立つ上で必要なので、慎重に見ないといけない。
震災により今まで安心な投資先だった電気事業者が、そうでもないということを
示すことになり、それに応じて直近のβ値が大きくなるのは仕方ない。β値が
多少オーバーに反応している面もあると思うので、震災を無視せずにある程度
の長さの期間を取れればよいと思う。
β値は市場リスクを踏まえ、リスクプレミアムを付けることにより、ある種のイン
センティブになるようにしてもよいかと思う。
β値についてはその企業特有の事情で高くなっていても反映せず、一般の電気
事業者としての値を適用すべき。
β値が上がったときには、足下の期間で取り、下がったときには高かった頃も含
めて長期間で取るといった恣意的な対応は許されるべきではない。少なくとも5
~10年を取るべきであり、そうすれば当然震災もその中に入る。平成20年改
定は届け出のため、チェックしていないものの、過去の実績を踏まえてβ値0.