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「蛋白質発現・相互作用解析技術開発」産業科学技術研究開発基本計画

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Academic year: 2021

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(健康安心プログラム) 「新機能抗体創製技術開発」基本計画 1.研究開発の目的・目標・内容 (1)研究開発の目的 本研究開発は、遺伝子やタンパク質等の生体分子の機能・構造解析等を行うとともに、 それらの研究を強力に推進するためのバイオツールやバイオインフォマティックスの 開発、成果を高度に利用するためのデータベース整備や先端技術を応用した高度医療機 器開発等により、テーラーメイド医療・予防医療・再生医療の実現や画期的な新薬の開 発、医療機器、福祉機器等の開発・実用化を促進することによって健康寿命を延伸し、 今後、世界に類を見ない少子高齢化社会を迎える我が国において、国民が健康で安心し て暮らせる社会の実現を目指すことを目的とする「健康安心プログラム」の一環として 実施する。 近年、抗体はポストゲノム研究に重要であるとともに、創薬や診断等への応用が期待 されることから、幅広い産業利用が期待されるため、極めて重要なものとなっており、 世界的にも研究競争が激化している。しかし、産業上有用と考えられるタンパク質やそ の複合体を特異的に認識する抗体を創製する際、抗原の産生が困難なことや、抗体の創 製が免疫寛容等により困難であることが技術課題となっている。このため、こうした課 題に対応し、創薬上重要なタンパク質やその複合体等の機能を有した抗原を系統的に産 生する技術や、様々な膜タンパク質等を抗原として特異性が高く、機能性の高い抗体を 創製する技術の革新が必要である。また、抗体の産業利用を促進するには、その高い製 造コストが大きな課題となっていることから、抗体創製の基盤技術の開発に加えて、ダ ウンストリームにあたる抗体製造プロセスにおける技術革新も同時に必要となる。具体 的には、抗体の製造コストの低減を図るべく、抗体の分離・精製技術について高純度精 製化、高機能化、低コスト化の技術革新が必要である。これらの技術革新により抗体を 活用した研究や創薬、診断を加速し、ポストゲノム研究の産業化を促進することが重要 である。 そこで、本研究開発は、創薬等のポストゲノム研究の産業化において重要と考えられ るタンパク質やその複合体等について、タンパク質を抗原として特異性の高い抗体を系 統的に創製するための抗原産生技術、抗原提示増強や免疫寛容回避等の基盤技術の開発 及び抗体の分離・精製を効率化するための技術を開発することを目的とする。 これにより、抗体を活用したポストゲノム研究の加速といった幅広い効果が期待でき るとともに、ポストゲノム研究や創薬及び診断において有用な抗体の創製が加速され、 個別化医療の早期実現や画期的な創薬等につながると同時に、国民が健康で安心して暮 らせる社会の実現に寄与することが期待される。 (2)研究開発の目標 最終目標(平成22年度末) 産業利用上重要なタンパク質やその複合体等を特異的に認識できる抗体を系統的に創 製するための技術を開発し、産業上有用なタンパク質を生体内における機能を有した 状態で500程度産生する。さらに、これを抗原として産業上有用な機能を有する抗 体を50程度取得することで、技術の有用性を評価する。また、抗体の製造コスト低 減に向けた抗体の分離・精製等を高効率に行う技術を開発し、既存のProtein Aクロマ ト担体の適用が困難な抗体(回収率50%以下)の抗体回収率を70%以上に向上する技 術を開発する。 中間目標(平成20年度末)

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産業利用上有用なタンパク質やその複合体等を特異的に認識できる抗体を系統的に創 製する基盤技術として、系統的な抗原の産生技術、高特異性抗体を創製する技術、抗 体の機能向上の基盤技術を構築する。これらの技術を用いて、産業上有用なタンパク 質を生体内における機能を有した状態で250程度産生し、これを抗原として産業上 有用な機能を有する抗体を25程度取得する。また、抗体の製造コスト低減に向けた 分離・精製等を効率的に行うための基盤技術を開発し、既存のProtein Aクロマト担体 の適用が困難な抗体(回収率50%以下)の抗体回収率を60%以上に向上する技術を開 発する。 (3)研究開発の内容 上記目標を達成するために、以下の研究開発項目について、別紙の研究開発計画に基 づき研究開発を実施する。 ①系統的な高特異性抗体創製技術 ②高効率な抗体分離精製技術 2.研究開発の実施方式 (1)研究開発の実施体制 ①本研究開発は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO技 術開発機構」という。)が、単独ないし複数の原則、本邦の企業、研究組合、公益法 人等の研究機関(原則、国内に研究開発拠点を有していること。ただし、国外企業の 特別な研究開発能力、研究施設等の活用あるいは国際標準獲得の観点からの国外企業 との連携が必要な場合はこの限りではない。)から公募によって研究開発実施者を選 定後、共同研究契約等を締結する研究体を構築し、委託して実施する。 ②共同研究に参加する各研究開発グループの有する研究ポテンシャルの最大限の活用 により効率的な研究開発の推進を図る観点から、研究体にはNEDO技術開発機構が委託 先決定後に指名する研究開発責任者(プロジェクトリーダー)を置き、その下に研究 者を可能な限り結集して効果的な研究開発を実施する。 (2)研究開発の運営管理 研究開発全体の管理・執行に責任を有するNEDO技術開発機構は、経済産業省及びプロ ジェクトリーダーと密接な関係を維持しつつ、プログラムの目的及び目標、並びに本研 究開発の目的及び目標に照らして適切な運営管理を実施する。具体的には、必要に応じ て、NEDO技術開発機構に設置する委員会及び技術検討会等、外部有識者の意見を運営管 理に反映させる他、四半期に一回程度プロジェクトリーダー等を通じて研究開発の進捗 について報告を受けること等を行う。 3.研究開発の実施期間 本研究開発の実施期間は、平成18年度から平成22年度までの5年間とする。 4.評価に関する事項 NEDO技術開発機構は、技術的及び政策的観点から、研究開発の意義、目標達成度、成 果の技術的意義ならびに将来の産業への波及効果等について、外部有識者による研究開 発の中間評価を平成20年度、事後評価を平成23年度に実施する。なお、評価の時期 については、当該研究開発に係る技術動向、政策動向や当該研究開発の進捗状況等に応 じて、前倒しする等、適宜見直すものとする。

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得られた研究開発成果のうち、下記共通基盤技術に係る研究開発成果については、NEDO 技術開発機構、実施者とも普及に努めるものとする。 a)実現手法の確立、体系的整理 ・系統的な高特異性抗体創製技術 ・高効率な抗体分離精製技術 b)新たな特性データの取得・整備 ・診断・創薬ターゲットのデータの取得・整備等、本技術開発を通じて得られ る有用な情報 ②知的基盤整備事業又は標準化等との連携 得られた研究開発の成果については、知的基盤整備または標準化等との連携を図るた め、データベースへのデータの提供、標準情報(TR)制度への提案等を積極的に行 う。 ③知的財産権の帰属 委託研究開発の成果に関わる知的財産権については「独立行政法人新エネルギー・産 業技術総合開発機構新エネルギー・産業技術業務方法書」第26条の規定等に基づき、 原則として、すべて受託先に帰属させることとする。 ④成果の産業化 a) 受託者は、本研究開発から得られる研究開発成果の産業面での着実な活用を図るた め、本研究開発の終了後に実施すべき取り組みのあり方や研究開発成果の産業面で の活用のビジネスモデルを立案するとともに、立案した取り組みのあり方とビジネ スモデルについて、研究開発の進捗等を考慮して、本研究開発期間中に必要な見直 しを行う。 b) 受託者は、上記a)で立案した取り組みとビジネスモデルを本研究開発終了後、実行 に移し、成果の産業面での活用に努めるものとする。 (2)基本計画の変更 NEDO技術開発機構は、研究開発内容の妥当性を確保するため、社会・経済状況、内外 の研究開発動向、政策動向、プログラム基本計画の変更、第三者の視点からの評価結果、 研究開発費の確保状況、当該研究開発の進捗状況等を総合的に勘案し、達成目標、実施 期間、研究開発体制等、基本計画の見直しを弾力的に行うものとする。 (3)根拠法 本研究開発は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法第15条第1項 第2号に基づき実施する。 (4)関連指針の厳守 当該プロジェクトの実施にあたっては、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理 指針」(平成13年度文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)等、研究開発 関連の指針を厳守しなければならない。また、本研究開発成果の事業化においては、「経 済産業分野のうち個人情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイドラインの策 定について」(平成16・12・24製局第1号)を厳守しなければならない。 6.基本計画の改訂履歴 (1)平成18年1月制定。

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(別紙)研究開発計画 研究開発項目①「系統的な高特異性抗体創製技術」 1.研究開発の必要性 抗体は生体内に存在する分子の一つで、近年、創薬及び診断等の産業利用上、極めて 重要であることが明らかになりつつある。しかし、抗体創製においては、次のような技 術課題があり、解決が求められている。①創薬等の標的として産業利用上極めて重要な 膜タンパク質等については機能を有した状態で抗原とすることが難しく、特に、機能発 現している複雑な複合体に対する抗体創製が困難であること、及び、②膜タンパク質は、 生物種間で保存されている領域もあることから、免疫寛容により特異性の高い抗体創製 が困難なケースが多く、動物種を変えても特異性の高い機能を有する抗体を得にくいこ とが課題である。 こうした課題に対応するため、産業利用上、重要な膜タンパク質や複合体が機能を有 した状態の抗原産生技術の開発、さらにその抗原に対して高特異性・高親和性を有する 抗体の効率的な創製技術の開発が必要である。 2.研究開発の具体的内容 系統的な高特異性抗体の創製技術を構築する為に、以下の技術開発を行う。 (1)膜タンパク質及びその複合体等の機能を有した抗原の系統的な産生技術 創薬標的となりうる産生が困難な膜タンパク質やその複合体等(G蛋白質共役型受容 体等)を、生体内における機能を有した状態で、系統的に産生する技術開発を行う。特 に、高い特異性を有する抗体の創製に適した抗原産生技術を開発する。 (2)高特異性・高親和性・高機能性を有する抗体の効率的な創製技術 抗原提示増強、免疫寛容の抑制等により、抗体が出来にくい標的に対する高特異性抗 体(人工抗体を含む)の創製技術の開発を行う。さらに、系統的に創製された抗体の特 異性・高親和性等の機能を高める抗体の改変技術の開発を行う。 (3)抗体を系統的に創製するための基盤技術及び創製された抗体の評価 (1),(2)で得られる技術を活用し、産業上有用な標的候補となるタンパク質やその複合体 を同定して得られた標的タンパク質に対して系統的に抗体を創製することで、抗原の系統 的産生技術及び抗体の出来にくい標的に対し高特異性抗体を創製する技術の検証及び実証 を行い、その有用性を評価する。さらに、創製した抗体の創薬標的に対する特異性や機能 を検証する技術を開発し、系統的に創製された抗体の特異性や機能の評価を行う。 3.達成目標 (1)最終目標(平成22年度末) 上記技術開発で得られる系統的な抗原の産生技術、高特異性・高親和性・高機能性 を有する抗体を創製する技術について基盤技術の有効性を評価するため、産業上有用 なタンパク質等を500程度産生するとともに、これを抗原として、産業上有用な機 能を有する抗体を50程度取得し、その有用性を評価する。 (2)中間目標(平成20年度末)

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研究開発項目②「高効率な抗体分離精製技術」 1.研究開発の必要性 抗体の需要は近年大幅に伸びているが、高品質な抗体を低コストで生産・供給するため のダウンストリームの技術の開発が強く要望されている。しかし、抗体製造の低コスト化 は容易でなく、製造プロセスにおける単位操作技術の抜本的革新が必要である。 抗体は培養細胞で生産されるが、その後の分離・精製工程が抗体製造の低コスト化を実 現する上で技術課題となっている。例えば、分離・精製工程における単位操作技術として、 アフィニティー・クロマトが挙げられるが、この単位操作プロセスが時として全分離精製 コストの8割以上になることもある。このアフィニティー・クロマトは、抗体分子と特異 的に結合するリガンドを有するビーズ(担体)を充填したものである。現在は、リガンド として主として天然型(及びその組換え型)の抗体結合性タンパク質(Protein A等)が用 いられているが、拡大する多品種抗体の低コスト生産に対応できなくなってきている。ま た、リガンドに結合した抗体の溶出工程では、溶媒・pHが過酷な為、抗体の不可逆的な 会合凝集・変性が起こりやすく、低収率や凝集体混入の原因となり、低コスト化のみなら ず安全性・信頼性を確保する上での課題ともなっている。 こうした課題を解決するためには、分離・精製工程における新規アフィニティー・クロ マトの開発を中心とした技術革新が重要である。具体的には、個々の抗体に対応するリガ ンド設計、担体基材の革新によるクロマトグラフィーの動的挙動の改良や溶出工程の最適 化等の開発を行い、今後拡大的に開発される多品種の抗体を高品質、低コストで製造する ための技術を確立する必要がある。また、抗体の分離・精製工程のこれらの技術を短期間 で最適化し、抗体の研究開発から量産開始までの時間短縮を図ることも重要である。 2.研究開発の具体的内容 分子特性の異なる個々の抗体の分離・精製工程に対応するアフィニティー・クロマト を中心とした製造技術の技術革新を行い、抗体分離・精製工程の最適化に係る設計時間の大 幅短縮化により、抗体製造の低コスト化を実現するため、以下の技術開発を行う。また、 技術開発を行うにあたり、抗体の実用化レベルの生産に適用可能な技術開発を目指し、得 られた技術を実際の製造システムへ適用することで、技術の検証及び実証を行い、その有 効性を評価する。 (1)タンパク質分子リガンド技術開発 多品種の抗体分子に対応する結合・解離特性の最適なアフィニティー・リガンド分子 の設計・創製技術の開発を行う。特に、迅速な分子設計のための多様なアフィニティー・ リガンド分子からなるライブラリの創製、部分構造最適化によるリガンドと抗体の結合・ 解離特性・安定性向上技術開発、及び、アフィニティー・リガンド分子の迅速選別技術開 発等を行う。 (2)高効率クロマト担体技術開発 精製操作時等にリガンド脱落が少なく、かつ、結合量を最大化するリガンド-担体結合 技術(固定化技術)を開発する。また、高効率固定化のクロマト担体表面修飾技術開発、 及び、スケールアップに必要なクロマトの動的特性改良技術開発等を行う。 (3)溶出工程技術開発 溶媒工学を基盤として、溶出工程における抗体の不可逆的な会合凝集・変性を抑制する ための支援技術を開発する。

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3.達成目標 (1)最終目標(平成22年度末) 抗体の大量生産(培養規模数千リットル以上)に対応する高品質で安全性に優れた製品 を低コストで生産・供給するための分離・精製技術を確立する。具体的には、アフィニテ ィー・クロマト用リガンドの選定から分離条件の設定までの工程を構成する単位操作それ ぞれについて最適化技術を開発することにより、分離精製が困難な新規抗体の分離・精製 工程の最適化に係る設計時間を3ヶ月に短縮するとともに、既存のProtein Aクロマト担体 の適用が困難な抗体(回収率50%以下)の抗体回収率を70%以上にする。 (2)中間目標(平成20年度末) 分離精製コストの低減および信頼性の向上を図るうえで重要な基盤技術を確立する。具 体的には、既存のProtein Aクロマト担体の適用が困難な抗体(回収率50%以下)について、 結合特性の一桁以上の改善を達成するリガンド創製技術を開発する。さらに、改善リガン ドを用いたアフィニテイークロマトシステムの開発により、60%以上の抗体回収率を達成す る。

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