梵 行 に つ い て ( 幸 田)
梵
行
に
つ
い
て
幸
田
玄
達
( 1)梵
行
は
浮
行
と
も
意
課
さ
れ
ま
す。
サ
ン
ス
ク
リ
ッ
ト
の
ブ
ラ
フ
マ
チ
ャ
ル
ヤ
す
な
わ
ち
梵
行
に
は
三
義
( 2)が
あ
り
ま
す。
一
つ
は
ヴ
ェ
ー
ダ
學
習
の
た
め
に
師
匠
に
つ
く
學
生
期
の
そ
れ
で
あ
り、
二
つ
に
は
一
般
に
宗
敏
的
生
活
で
あ
り、
第
三
に、
凋
身
・
純
潔
・
禁
欲
・
節
制
を
意
味
し
ま
す。
ブ
ラ
フ
マ
チ
ャ
ル
ヤ
ー
( 3) と 女 性 名 詞 に な つ た 場 合 は 第 三 の 意 味 で 使 わ れ て い ま す。 エ ジ ャ ー ト ン の ブ ッ デ ィ ス ト ハ イ ブ リ ッ ド サ ン ス ク リ ッ ト ( 4) 僻 書 に は ブ ラ フ マ チ ャ リ ヤ と し て 出 て い ま す。 こ れ は パ ー リ ( 5)と
同
じ
形
で
す。
P
T
S
の
鮮
書
に
よ
り
ま
す
と、
特
に
佛
教
で
は
道
徳
的
生
活
・
聖
な
る
生
活
・
宗
教
的
生
活
を
意
味
し、
そ
の
目
指
す
と
こ
ろ
は
苦
を
脱
す
る
こ
と
で
あ
る、
と
あ
り
ま
す。
ブ
ラ
フ
マ
(
ン)
( 6)は
語
根
の
ブ
リ
フbrh
か
ら
來
た
中
性
名
詞
で
す。
こ
の
こ
と
か
ら
パ
( 7)ー
リ
の
ブ
ラ
ハ
ン
ト
と
い
う
形
容
詞
の
使
用
例
が
注
目
ざ
れ
ま
す。
ス
ッ
タ
ニ
パ
ー
タ
の
中
に
繹
尊
を
形
容
す
る
言
葉
と
し
て
ニ
ケ
所
出
て
い
ま
す。
﹁
汝
ら
よ、
こ
の
者
に
注
目
せ
よ
1
彼
は
愛
す
べ
き
で
( 8)あ
り、
偉
大 braha
で
あ
り、
清
潔
で
あ
る。
﹂
﹁
清
潔
な
る
眼
あ
り
( 9)よ
き
顔
あ
り、
偉
大 braha
で
端
正
で
威
風
が
あ
る。
﹂
( 10) と こ ろ で 梵 行 に つ い て ウ パ ニ シ ャ ッ ド の 記 述 を 見 ま す と 生 圭 Prajapatih の 三 人 の 子 孫-坤 ・ 人 ・ 阿 修 羅 が 父 で あ る ( 11) 生 圭 の 許 で 梵 行 に 佳 し て い た。 (Brhadaranyaka U p. 5. 2. 1) 梵 行 に よ り-こ の ブ ラ フ マ ン の 世 界 を 見 出 す も の に の み、 こ の ブ ラ フ マ ン の 世 界 が あ り、 す べ て の 世 界 に お け る 自 由 k a m a c -( 12) ( 13) c a m h が あ る。 ( O h a n o g y a d p. 8. 4. 3) ( 14) 更 に、 チ ャ ー ン ド ー ギ ヤ ウ パ ニ シ ャ ッ ド 第 八 篇 第 五 章 に ﹁ ア ー ト マ ン の 見 謹 と し て の 梵 行 ﹂ が 記 さ れ て い ま す。 そ こ で 梵 行 を 言 い 攣 え て (yad-tad) 祭 祀 ・ 長 期 祭 ・ 沈 獣 ・ 断 食 ・ i v ( 15) 森 林 佳 と し て い ま す。 そ し て、 そ れ は ま た 有 智 y a jn atr-y a jnah で あ り、 探 し て ︹ ア ー ト マ ン を 見 出 す こ と ︺istva-is ta m で あ り、 有 ︹ と な つ た ア ー ト マ ン ︺ の 保 護 s a t-trana -sattrayanam で あ り、 ︹ 獲 得 さ れ た ア ー ト マ ン を ︺ 思 惟 す る こ と m a nute-maunam で あ り、 ︹ ア ー ト マ ン の ︺ 滅 び ざ る こ と nanasyati-anasakayanam 等 で あ る、 と さ れ て い ま す。-188-パ ー リ 語 で 記 さ れ た 四 つ の ニ ヵ ー ヤ 並 び に ク ッ ダ カ ニ カ ー ヤ ( 小 部) に は 随 所 に ブ ラ フ マ チ ャ リ ヤ い brahmacariya と い う 言 葉 が 記 さ れ て い ま す。 こ の こ と は P T S の テ キ ス ト の イ ン デ ッ ク ス を 見 れ ば わ か り ま す。 そ し て 調 べ て 見 ま す と こ の 言 葉 の 用 例 は 大 旨 ウ パ ニ シ ャ ッ ド の そ れ を 受 け て い る と 思 わ れ ま す。 イ テ ィ ゥ ッ タ ヵ に お い て ブ ラ フ マ チ ャ リ ヤ す な わ ち 梵 行 の 目 的 が 記 述 さ れ て い ま す。 實 に、 比 丘 ら よ、 こ の 梵 行 に 佳 す る は 自 制 samvara の た め 捨 ( 16) p a h a a の た め な り。 比 丘 ら よ、 こ の 梵 行 に 佳 す る は 人 を あ ざ む く た め に あ ら ず、 人 ( 17) に も の を 乞 う ja m -a p a n a た め に あ ら ず、 所 有 ・ 名 轡 ・ 名 聲 ・ 利 盆 の た め に あ ら ず、 ﹁ 人 は か く わ れ を 知 れ ﹂ と い う に あ ら ず。 實 に、 比 丘 ら よ、 こ の 梵 行 に 佳 す る は 秀 れ た 智 abhinna を 得 る た め ( 18) と 鏡 い 智 parinna を 得 る た め な り。 あ る い は ダ ン マ パ ダ 老 品 Jaravaggo に お い て 梵 行 を 行 c a rati ぜ ず / 若 い 時 に
富 spiritual, not worldly
( 19) ( 20) w e a lt h を 得 ず / あ る い は ス ッ タ ニ パ ー タ に お い て 執 着 lina か ら 心 を 開 放 す べ し / 多 く を 思 念 c im t ti す べ か ら ( 21) ( 22) ず。 / 健 康 で (汚 れ な く ・ 臭 稜 な く ・ 悪 臭 を 脱 し) 自 由 で / 梵 行 ( 23) を 心 の 支 え と す べ し。 ( 24) ウ パ ニ シ ヤ ヅ ド で は タ パ ス ・ ブ ラ フ マ チ ャ ル ヤ、 タ バ ス ・ ジ ( 25) ユ ニ ャ ー ナ ・ ブ ラ フ マ チ ャ ル ヤ、 タ パ ス ・ ブ ラ フ マ チ ャ ル ( 26) ヤ ・ シ ュ ラ ッ ダ ー と し て 列 記 さ れ て い ま す。 翻 つ て ク ッ ダ カ ニ カ ー ヤ を 調 べ て み ま す と ( 27)
タ
パ
ス
と
梵
行
と
/
聖
諦
を
見
る
こ
と
と
/
浬
繋
の
作
讃
/
( 29) 法 行 と 梵 行 / こ れ は 最 高 の 力 (寳 石) と い わ れ る / タ パ ス に よ つ て 梵 行 に よ つ て / 自 制 s a m y a m a に よ つ て 中 庸 ( 30) d a m a に よ つ て / 眞 の バ ラ モ ン brahmanam uttamam と い わ れ る。 あ る い は 彼 は 最 高 の 智 veda に 達 せ し 者 ・ 梵 行 に 佳 す る 者 ︹彼 は 智 者 に て 清 浄 の / 行 に も 已 に 佳 し け り ︺ ( 31) 世 俗 を 窮 め し 者 ・ 彼 岸 に 到 り し 者 と 言 わ る ︹ 世 の 邊 窮 め 彼 の 岸 ( 32) に / 到 れ る も の と 読 か る な り ︺。 ウ パ ニ シ ヤ ッ ド に お い て は ﹁ 梵 行 に 佳 す る ﹂ す な わ ち ( 33) b s ahmacaryam vasati と な つ て い ま す。 ク ッ ダ カ ニ カ ー ヤ に ( 34)お
い
て
も
こ
の
形
を
踏
襲
し
て brahmacariyam vasati
と
言
つ
て
お
り
ま
す
が、
一
方、
﹁
梵
行
を
行
ず
る
﹂
す
な
わ
ち brahmacariyam
( 35)carati
と
言
つ
て
い
る
場
合
も
あ
り
ま
す。
前
者
は
﹁
佳
﹂
の
た
ち
ぱ、
後
者
は
﹁
行
﹂
の
た
ち
ば
と
規
定
で
き
ま
す。
ウ
ダ
ー
ナ
5
-6
に
優
婆
塞
蘇
那
と
比
丘
大
迦
栴
延
の
封
話
が
残
梵 行 に つ い て ( 幸 田)-189-梵 行 に つ い て ( 幸 田) さ れ て い ま す。 家 庭 に 佳 し つ つ、 ま つ た く 健 康 ( 一 向 圓 満) で、 ま つ た く 清 潔 ツ ヤ ( 一 向 清 浄) で、 光 澤 の あ る 眞 珠 の ご と き 梵 行 を 行 ず る c a r a ti こ と は 容 易 で な い。 蘇 那 よ、 生 涯 に わ た つ て 一 食 一 臥 の 梵 行 は た や す く は な い。 蘇 那 よ、 貴 方 は 諸 佛 の 教 え で あ る 一 食 一 臥 の 梵 行 を、 そ の 場 所 で ( 36) 家 庭 に あ る ま ま に て、 時 間 の 許 す か ぎ り k a a y g ta 信 實 行 せ よ
ウ
ダ
ー
ナ
第
三、
難
陀
品 Nandavaggo
に
お
い
て
比
丘
難
陀
は
﹁梵
行
の
窮
極
を
現
法
に
お
い
て
自
ら
識
a
b
ja
n
a
t
i、
艦
得
し
( 37) 修 得 し て 佳 し た v ih a s i。 ﹂ と 記 さ れ て い ま す。 ( 38) あ る い は 繹 尊 の 言 葉 と し て 私 に よ っ て、 こ の 梵 行 が 榮 え、 富 み、 有 名 と な り、 多 く の 人 の 所 有 と な り、 そ し て 接 が る。 す な わ ち、 人 々 に よ り て よ く 知 ら れ ス ベ シ る と こ ろ と な る 迄 は ︹ 今 者 要 當 廣 於 梵 行 演 布 畳 意 ︺、 パ ー ピ ( 40) マ よ、 私 は 般 浬 般 木 せ ざ る べ し。 と 記 さ れ て い ま す。 彼 ら は 梵 行 を 行 じ た り ( 41)-優
れ
た
る
慧
者
の
許
に
て。
わ た く し た ち は 梵 行 を 行 ぜ ん と ね が う ( 42)-世
奪
の
許
に
て。
1
荻
原
博
士、
實
習
梵
語
學
字
書
榊
博
士、
解
読
梵
語
學
語
彙。
c h a s t i t y ( 純 潔) c e l i b a c y ( 猫 身)。-190-I ﹁ 梵 行 の 力 ﹂-宇 井 博 士 / T h e true W a y t o t h e D r a h m a -p. 20 2, P TS. p. 2 8, 南 傳 大 藏 経 二 三、 二 七 五 頁 参 照。