【論 文
1
日本建 築 学 会 構 造 系 論文 報 告 集 第444号・
1993年2月JDurnat of Struct
,
Constr.
Engng,
AIJ,
No.
444,
Feb.
,
1993枠 組 壁
工
法 建
物
の
せ
ん
断 剛
性
に
及
ぼ す
直交
壁
・積載荷
重
の
影 響
に
関
す
る
実験 的
研
究
(
第
1
報
)
EFFECTS
OF
CROSS
・
WALL
AND
VERTICAL
LOAD
ON
LATERAL
STIFFNESS
OF
LIGHT
・
FRAME
BUILDING
(
Part
I
)
錨
木
o
鈴
翫
The effects of cross
−
wall and verticanoad on the lateral stiffness of the building are demons−
trated using the one
.
third models consisted of no・
openingbearing
walls to which thefloof
joists
are installed in perpendibular,
The
effects are examined.
in terms of Apparent Sheaτ Strain,
Actual
Shear
Strain
and Rotation Angle。
The results indicat.
e that the cross.
walls exert タgreater influence on thelateral
stiffness ofbuilding
rather than the verticalload,
and thatActual
Shear
Stiffness
closely relates to the distribution of shear strainsfor
the plywood・
sheathings of wa {}s.
Keyweizts
:light
・
frame
,
加 副 π晋” α〃,
Shear
・
snffneSS,
crOSS−
wall,
zertical ・1
・召4
m・del
枠組
擘
工 法, 耐 力 壁,
せ ん 断 剛性,
直 交 壁,
積 載 荷重,
模 型 §1.
緒 言 枠 組 壁工法を始め と す る小規模な木質構 造の水平力に 対す る構造 計 画は,
床 面・
小 屋 組 面 が 剛 強で あること を 前提 と し て, 構 造 物 内に配 置され た耐 力 壁に より水 平 力 に抵抗さ せ るg
とを 基 本 方 針 として い る の で,
構 造 物の 安 全 性 を考え るうえで は,
耐 力壁 単 体のせ ん断 性 状のみ な らず,
建 物 内に配 置さ れ た耐 力 壁のせ ん断性 能を把握 す ることは重 要なこ とである。枠 組 壁工法に よる建 物 全 体と しての水平力に対す る抵 抗 性 能お よ び建 物 内に配 置さ れ た耐力壁のせ ん断挙動 を 明ら かにす る た めに
,
実 大 建 物 を対 象と し た水 平 加 力 実 験 が 多 数 行われて きて い る1)”
’
9}。 その結 果,
各 種 仕 様の1
建 物の強 度・
剛性・
,
靱 性1〕}
9)の ほ か,
建 物内に配 置さ れ た個々 の耐 力壁の挙 動 がその配 置 位 置,
上部 横 架 材 (床 根 太・
屋 根 トラス )の有 無ま た は走 向方向,
垂れ壁・
腰 壁の有 無に影 響されること価 〕,
建物の せ ん断 性 状が面 材 張り仕 様と筋かい仕 様とで は異な ること7) , 建物の立 体 的 挙動 に床 組・
直 交 壁が関 係す るこ と4)・
9),
など が明 ら か に さ れ て きてい る。
しか し な が ら, 実 大 建 物 実 験で指 摘さ れ た諸因子の定 性 的・
定 量 的な影 響 度 合い につ いて は明ら か に なっ てい るとは言い難く,
ま た,
建 物 内の耐 力壁 の転倒拘束に効 果がある と考え ら れ る積 載 荷重 につ い て も,
その効果の 度 合い は確 認さ れて いない のが現 状であ る。.
こ の原 因とし て は,
実 大 実 験に は時 間・
費 用の点か ら 実 施上の制 約が あ nl t 特 定の条 件 下で設 計さ れ た建 物の 安 全性 を確 認 することに重 点が置か れ る たあ,
構造物の 挙 動に及ぼす諸 因 子め影 響を系統 的に解 明す る た めのア プロー
チが十 分にな さ れ ない こ と が考え ら れ る。
こ の実大実
験
の困難性を解消する一
つ の方 法 として模 型実験が あ り,
枠組壁工法の単 体 耐 力壁 を対 象とした実 験が筆 者1°)お よび安 村・
杉 山11 }・
12 ,によっ て実 施さ れ てお り, 実大 壁の定 性 的な性 状 を把 握す る た めの有 効な手 法 と考え ら れて い る。
さて,
水平力を受け る木質構造の許容せ ん断 耐 力を考 え る場 合, 剛性・
強 度;靱性め3
点か ら その安 全 を 確 認 す る 必要が あ る が,
枠 組壁 工 法の よ うに面 材 を釘 打ち し た構 造 物の許 容せ ん断 耐 力は,
せ ん断剛性 (許 容 水 平 変 位 )に よっ て決定さ れ ることが多く, せん断 剛性に及ぼ す影 響 因子 と その影 響 度 合いを 明らか にする こと は建 物 の合理的 設 計 を考え るうえ で重 要な ことであ る。,
以上の よ うな背 景 を踏ま え,
筆 者は,
壁 式木質構造 物 の水 平 力に対す る弾 性 挙 動に及ぼ す直交壁・
鉛 直 荷 重な どの 影 響 を実験 的に明 ら かにす ること を 目的と し て,
枠 組壁 工法に よ る 1/3 縮尺模 型を対 象とし て一
連の実 験を 行い,
速報と し て報告 し て きでい るが13)”
]7],
それ らの 結 果が あ る 程 度 ま と まっ たの で, こ こ に一
連の研 究とし て報告す る もので あ る。* 職 業 訓 練 大 学 校 建 築工学 科 助 教 授
・
工博 Assoc.
Prof.
,
Dept.
of Architdctural Engineering,
Univ,
oflndustrial
Technology
,
Dr.
E【1g.
本 報で は
,
床 根太走 向 方 向が耐 力 壁と直 交し て い る場 合の直交 壁の有無と直交壁の面 材 配 置,
鉛 直 方 向 等 分 布 荷重の大き さの 影響につ い て述べ て い るが,
こ の実験結 果の一
部につ い て は 既に文献14),
18}に発 表してい る。
§2.
試 験 体 2,
1 想定 原 型と試 験用模型 (1) 想 定 原 型 (実 大壁) 想定原型 は枠組 壁工法によ る床 組・
壁 組・
土 台などに より構成 さ れ た立 体 壁 組で,Fig.
ユ に示す よ うな平 面4500mmX4500
mm (合 板 1枚の基準幅 をP で表せ ば5P
×5P , この場 合P を900m 皿 とし て いる)・
壁 高さ 2430mm の もの である。
枠 組 材は 「枠 組 壁工法 構 造 用 製 材の 日本 農 林 規 格 」の 寸 法 型 式204
(壁 枠材用)お よ び寸法 型式210
(床根 太 類 用)と し,
壁下張り お よび 床下張り用 面 材は厚さ が そ れ ぞ れ 9mm,12mm
の構造用合板で構成され るものと し た。 壁 組・
床 組等の構成方 法は,
建 設省告 示 (昭和57
年 第 56号 ) 「枠 組 壁工法を用い た建 築 物の構造方法に関す る安 全 上 必 要な技 術 的 基 準 」お よ び住 宅 金融公庫 「枠 組 壁工法 住 宅工事共 通 仕 様 書」に準 じ たが,
1階床組を省 略して代わ りに 204材 1枚を挿入 し た点, 頭つ な ぎ材と し て寸法 型 式206材 を2枚 使 用し た床 組 と頭つ なぎ材 を ボル トで緊 結し た点が通 常の方 法 とは異なっ てい る。
こ れ らの点は, いず れも横 架 材の鉛 直面 内 曲げ剛 性に影 響 するが,
1階床 組を省 略し た代わり に土 台の背を通 常よ り大き く し たこと,
床根 太寸法が210
よ り も大きい場合 が あ ること を考え れば大き な 問 題 は ないと 思 われ る。
ま た,
床 組と頭つ なぎ材を ボル トで緊結し た理由は, 通常仕様の釘 打ち本数で は壁 組に十分 な せ ん断 荷 重 を加 え ら れ ない恐れ が あ る た め に取っ た措置であ る。
(2 ) 試 験 用模型 基 本 的に前 述し た想 定 原 型の部 材 寸 法を縮尺1/3
に し たもの である。 Table 1お よ びTable
2
に は,
材 料お よ び 釘の種 類と 打ち方 等が そ れ ぞ れ一
括表示し て あ る。 ま た,Table
3
には模型の釘寸 法 等が示 してあるが, 模型釘は原 則 と し て原 型の釘 長さ の 1/3の ものを使 用し た。Fig.
2および Fig.
3に は,
試 験 体の原 則 的な寸 法 等 が示し てある。 こ の立体 模型 と 原 型 (実 大)との 相 似則 につ い ては 議 論の あ る ところ で あ る が, 本研究は, 剛 性・
最大荷重・
せん断ひずみ等の 定量的な値その もの を議論の 対象と せ ず, 諸 因子の影 響 度 合い を定 性 的に と らえ る ことに主眼 を置い たもの で あ り,
前 述の よ う に本 実験と同様な木 材・
合 板・
釘 を使 用 した単 体 壁につ い て行わ れた筆者1°) お よ び安 村ら11)・
12)の報 告か ら み て,
本 模 型 実 験に お ける一 84 一
N S ING directionFig
.
1 Schematic diagram of assembly o{specimenTable
l
Materials anCl specification of specimen(unit :皿皿)
1/3 皿国 e1Prototype
Fra皿e :
口all studtOP
−
plate13 翼30 唄Ox90sole
−
plate 〔n。田inal 2x4〕tr 圸皿er stud
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一
一一
一
一
一
窄
噌
r一
一
一
一一
一
一
一
一
一
一
幽
一
一
一
一
一
upper tOP
−
Plate13x47.
540x143header 〔no田ina12x6 〕
Floor:
jDist13x80
40x241 〔no田inal 2x10〕Sheathi 3皿田
一
thick9 田皿一
thickply d Plwocd
Underla即ent 4m皿
一
thick12 皿m−
thick plywO plywOα1Sill 30x80 90x241
Shi衄 13x30 40xgO
B【)
1t
(stee1 〕 4鵬皿 (dia.
) 12旧田 (dia.
)騨asher (steeD 13xl3x1
.
540x 40x 4,
5Strap(stee1 ) 10x215xO
.
530x 650x 1.
6四〇te: Species of all 田embers is Hem
−
Fir.
Species of ply綱 is Lauan.
剛性に 及 ぼ す諸因 子の影 響 度 合いは実 大 実 験にお け る そ れ と定性 的な相 似 性が あると見る ことは妥 当性の あ るこ と と 思 わ れ る [付 録
1
)参 照]。2.
2
試験 体お よ び試 験 種 類本 研 究で は
一
連の実 験を行っ て い るが, シリー
ズ名 称 は単に実 験 実 施 順に付け たもの で,
シリー
ズ名 称 自 身にTable 2 NaMng schedu 且e in Prototype
Kember N己iling Fra皿e :
Plate to stud 2
−
{}N90−
Eoomer
−
stud to studCNgO−
F 3DD剛皿 o.
c.
sole
−
plate to shimCNgO−
F 250皿田 o.
c.
叩pe卜 tOP
−
Plaζe to lα 岡e卜 plateCN90−
F 250団旧 o.
c,
joist to joist 3−
CN90−
E Sheathing CN50−
F 貽ri毋e乞er 100mm o.
c.
interior 200田m o.
c.
Underlayment GN50−
F.
peri聴 ter l50皿m o,
c,
interior 200毋m o.
c.
St l strap total lO−
ZN65−
E閥ail and nai 亘ing methGd : CN
− −
CXコm皿on 四ir6 nai1(numder means nominal length)
ZN
− −
Zinc−
coated co皿皿on wire nailE
− −
End−
nailing・
,
F−一
一
Face−
naillngTable 3 Specjfication of nail (unit :mm)
ProODtype O隱e
−
thi飼一
皿odelRatiotoProtot ンpe na冊e1 飢 9thdia
.
na皿e1e 皿9thdia.
le皿gthdia,
c国go
−〒
一
一
路F,
願
擢
驛
圏
63 4.
1曹
曹
一
.
−
3.
3N32−一
一
一
N22 32−,
,
騨
一
噛
22 1.
9−一
一
一
1.
’
50.
36一
一
一
一
一
_
0,
35O、
46−一
■
−
o.
46一
C国65−一
一
一
CN50502,
8 麟 171.
450.
340.
51Standard of 口ail : CN
−−
JIS A 5551,
N−
JIS A 5508,
零一
一
〇ut of Standard.
譲F
跼 CORNRR STσD W工T 日 2nlSPACER
_一
一層
一
ltee
!lilll
〔4695 }Fig
.
2 Detail of specimen1n { } tor proLoLype は余り意味が ない こと を お断り して お く
。
本 報で は, 無 開口耐 力 壁と各 種の面 材 配 置を もつ 直交 壁で構 成 され,
床 根 太が耐 力壁に直 交 して配 置さ れ てい る場 合 (A お よびJ
シ リー
ズ )につ い て述べ るが,A
シト
02し
STS 一 1543L3DO
娜
呷
”
300 150・ . 凾.齟 e ,r
l50 O O 口 o0o o頃
一
8oコ
o■
o0監
いし
囗口
岡
鴎
一
へ
8卜Ψ
▽
サ
ooo岡
on冖
oo 口 o 岫.
幅 ……
レ ○」
畢 ▲ O ξ 孀一
゜
・
匝
6『
▲障
18trnp O しVDT 「。
・
vcrti
=
bdteロlaCemtnt 囗 LVDT f
・
・
hOrttental
dtgpbaeemen
し
寵
umbOr
遍洞
〔 }旧
fer pm はypロ
・
Fig
.
3 Arrangement of straps and Linear Variable Differential Transfor皿ersTable4 Configuration Qf speci・nen 5aries
m囗e 日
己
11A
J
Bearlng
wall 助ra1 】eltQ loadmg direcLiQ冂
AY
−
YO
.
驪
驪
JY
−
YO
黼
r
Cross
wa !l
pe叩 end 正cularbo 且oadin 呂 d置recし10n …驪
・xb驪 墾
・x・鬮 圍
・x鬮 鬮
…馴隅
・x・團
……
…
[コ
…[
]
リー
ズは各部の変位測定に,
J
シ リ「
一
ズ は合 板のせ ん断 ひずみ測 定にそ れ ぞ れ 重点を置い た もの で あ るe 試験体形状の種 類は,Table
4に示した よ うに, 無 開 口耐 力 壁 (水 平 加力軸に平行な壁を呼ぶ)の両端に接 す る直 交壁の種類 により,
両シ リー
ズ と もに 5種 類に分 類 される。
この場合, 直交壁の形 状は引 張 側 (加 力点に近 い 側)と 圧縮側 (加 力 点か ら遠い側)と もに同じで あ る。 直 交壁の種 類に は, 直 交 壁 全 面に合 板を張っ た もの [XO],
部 分 的に張っ た もの [X1,
X2,
X3
],
枠組だ けで合 板がない も め [X5 ]の ほ か,
直交壁が ない もの [X8 ]が ある。一
85
一
直交壁の合 板は
,
あ る配 置 状 態の試 験 が終 了 後, 次の 配 置 状 態に な る よ う に部 分的に除 去す る方 法を採っ て い る の で,
各シ リー
ズの試 験 体枠組 は 1個であ る。 な お,
各 試 験 種 類 を 通じ, 合板を除去され た部分のたて枠は そ の ま まの位 置に存 在して いる。 鉛 直 荷 重は等分布で,
そ の 大き さ は総 和で 0〜
2 OOO kgf (模 型の実 床 面 積 換 算でO〜
890 kgf/m2,
耐 力壁 長さ 換 算で O〜
670 kgf/m )の範 囲であ る。 試 験 種 類の呼 称は, 次の例の よ うに定め た。 AY−
YO− XO −
1500 鉛直荷重の大き さ (kgf)直 交壁 :直交壁の状 態 (O
−
8 ) 耐 力 壁 :根太と の関 係 (X
:平 行,
Y 直 交 ) シリー
ズ名 (本報ではA ,
J
)と加 力 方 向 (X,
Y) §3.
試 験 方 法 (1
) 試 験 装 置 試験 装 置の概 賂は Fig.
4に示し た よ うに, 試 験 体を 布 基 礎 相 当 形 鋼に 4mm ボル トを用い て取 付け, 反 力フ レー
ム に取付け た水平 加 力 用 並びに鉛 直 加 力 用 オ イル ジャ ッキで加 力す る方法に よっ た。
検 力に はロー
ドセ ル (水平 用 :容量1
tf,
鉛 直 用 :容 量 5tf)を用い た 。 水 平 加 力に当たっ て は,
床 組に木 製 加 力 桁 (8cm 角 ) を取 付け,
プレー
トを介し て集 中 荷 重 を 加え る方 法で 行っ た が,
これ は床 組の面 内せん 断 剛性の影 響について は考え ない ことを意 味 する。 鉛直等分布載 荷に当たっ て は,
360mm 角の 9mm 厚 合板を合 計i6枚 床 組上に敷 き詰め, 各 合 板1枚 当た り 4点の集中荷重を加え る ように 6段の木 製 直 交 重ね梁 (総 重 量 :約 35kgf )を使用 し,
最上段の梁 中央 部に集 中 荷 重 を 加え る方 法に よっ た。
その場合, 鉛直荷重が常 時一
定 と なるよ うに定 圧 油 圧 ポンプを使 用し た。
ま た,
鉛 直 加 力 用ジャ ッキと載 荷 用 梁との間に は鋼 鉄 製 プレー
トとロー
ラを配 置し,
摩 擦による水 平 方 向 反 力zLdSnifOrrp
]Pt tiiSLetbvLed 幽din‘
em
閃
「or
d: LVDT
Fig
.
4 Schematic diagram of test set・
up一 86 一
が大き く ならないよ うに留 意し たの で,
摩 擦に よる水 平 方 向 反 力は無 視し た [付 録2
)参 照]。 (2) 加 力 履 歴 と 最 大 加 力 荷 重 加力は一
方 向単調加 力と し た。 実験はせ ん断 剛性に注 目 し た もので あ り, 直交 壁の状 態 を 変 化さ せ て ゆ く方 法 を採っ てい る の で,
水平加 力は見掛けの せん 断 ひ ずみ 1/300 rad.
以 内 (比 例 限 度 荷 重 以 下 ) をめ どと して行っ た (実 験 手 順の関 係から一
部にそれを 超える場 合があっ た)。
結 果に及ぼす 繰 返し加 力の影 響を考 慮し て, 同一
試 験 種 類につ いては各 鉛 直載 荷 段 階につ いて水 平 加 力 を最 低 2回行うことと し た。
な お,
繰 返し荷 重の結果に及 ぼ す 影 響につ い て確 認実験 を行っ た が, 大き な影響は認 め ら れなか っ た [付 録3)参 照]。
鉛 直 荷 重と水 平 荷 重の加 力順 序は,
最初に鉛直荷 重を 所 定の大き さ まで加えた後, そ の状 態に対し て水平荷 重 を加え る手 順と し た。 こ こで,
本実験に お け る荷 重の大き さの意 味につ い て 述べてお く。
定 性 的な影響 を 調べ ることに主 眼 を おい た 本 実 験にお け る水 平 荷 重の大き さ は, 耐力壁に見掛け の せ ん断 変 形1/300 rad.
を 生じさせ る程 度の荷 重とい う 意 味で と らえ て お り,
必 ずしも実 大 壁 体に対 応させ た も の で はないe 同 様に, 鉛 直荷 重につ いても総 計O− 2
OOO
kgf
程 度 を加えた場 合の影 響 を 調べ ることに し てはい る が,
こ れ も必ずしも実 大 壁に対 応させ た もの で はない。
し たがっ て, 本 研 究で採 用し た鉛 直 荷 重の大き さを強い て意 味 付け れば, 耐 力 壁に特 定のせ ん断変形を生じ さ せ る水 平 荷 重の何 倍か の鉛 直 荷 重が作 用 してい る 場 合の性 状 をと らえ る観 点であると言え よ う。
(3) 変 位 測 定 [Fig.
3およびFig.
4参 照]変 位測定に は電 気 式変位 計 (Lineaf Variable Dif
−
ferential
Transfomer
:ス トロー
ク25 mm ま た は50 mm , 精 度1
/500
ま た は1
/200
mm )を用いた。A
シ リー
ズの測 定 位 置は, 水平変 位につ いて は各 耐 力 壁の中央部 付 近で上枠と下枠各 1ヵ所 を, 鉛直変位につ い て は耐力 壁・
直 交 壁の合 板 継 目の位 置の た て枠 (す な わ ち,
無 開 口壁の場 合 たて枠1本おき )すべ てを 測 定す るこ と を原 則と した の で, 測 定 点 数は水平・
鉛 直各 方向 合計 28 点 である。
J
シ リー
ズの場合に は合板の ひずみ分布を測定 する ことに主 眼 をおいたの で, 鉛 直方 向の変位 測 定は耐 力壁・
直交壁の両端の た て枠につ い てだ け行っ た。 なお, 変 位 計等の ゼロ調 整は鉛直荷重 を加え た後に 行っ た の で,
測 定し た各 点の変 位・
変 形に は鉛 直荷 重に よる沈み等の影 響は含まれ て いず.
し たがっ て, 測 定は 所定の鉛直荷重下に お け る水 平 荷 重によ る変 位・
変 形だ け につ い て行っ たこ と に な る。 (4 ) 合 板のせ ん 断 ひずみ 測定J
シ リー
ズにつ い て は,Fig.
5
に示す よ う に,
水平 加Defi「画tiDn l
Shearing strain of pLア wOod ∈ [8 cahcuLated
wiLh
6 and E3
by
followlng
equation
∈
=
[e广 61Fig
.
5 Arrangement of w孟re stπain gauges力 軸の片 側の合 板
11
枚に,
せ ん断ひずみ を測 定す る た めの2
軸ワイ ヤー
ス トレインゲー
ジ を各合板中央位置に 貼付し,
1ゲー
ジ・3
ワイ ヤー
法に よ り測 定し た。
§4
、 試験 結 果 測 定値に基づ いて,
見掛けのせ ん断ひずみ〔r),
回 転 角 (θ),
真の せ ん断ひずみ (r。:厳 密に言え ば曲げ変形 が含ま れ る),
回 転角比 (θ.),
中立点比 (xD の諸量 を, 次の (1 )〜
(5 )の各式を用い て求め た (Fig.
6 参照)。見 掛 けのせん断ひずみ r (Apparent Shear
Strain
)・
」
酬評
1
・ad.
一
〉・
∴,…・
・
……・
・
・
・
……・
(・〉 回転角.
θ(Rotatign
Angle
) δκ1Ph
− ■●レ δ 十 δL
+ γ1 δレ δ万2Fig
.
6・
Measurement points of displacements1
・重
・最
21k
’
i o o齟
500 1000 1500 2伽 VerrLea1[o己d( 臨r}Fig
.
7
Relation between Apparent shearstrain and vertica 且 load fQr
A
.
series I l l 膨κn▲
xz ムXJ Oκ5墨
渥II.
、
1
、1、
r
、
、
、
Ph三
60曜¶
一
噛
一
』
、
幽
.
”
.
… .
7〒、
ト.
驢
,
、
L
唱
一
−■
1
一層
匸
,
r,
’
■
’
一
・
嚊
.
_
・
一
伽書
(・ad,
)・
………・
一 ・
・
…一 …
(・〉 真のせ ん 断ひずみ r。 (Acturat
Shear
Strain
) ro=
:
r一
θ (rad.
)・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(3)回転角比 θ,(
RotatiQn
Angle
Ratio
)er_
旦_.
__.
…_.
.
………・
…・
・
…・
・
…・
・
…・
(4 )7
中立 点比 xn (
Neutral
P
・int
Ratio
)x.一 、
烹
……・
……
:
・
・・
……・
・
…・
・
……
t−一
(・) ここに, δm,
δ腱・
:壁 頭,
壁 脚それ ぞ れの水 平 方 向変位 δn,
δn :両 外 端た て枠それぞ れ の鉛直方 向変位h
:壁 頭・
壁 脚の変 位 計 間の鉛 直距 離1
:両 外 端たて 枠の変 位 計 間の水平 距 離 以 上の う ち,
回 転角比 θr は見掛けの せん断ひずみ r に 占 め る 壁体の 回 転角 θ の量 を表すパ ラ メー
ター
で, この値が大きい ほどr に含ま れ る θ の割合が大きい こ とを表す。
ま た,
中 立 点 比 Xn の値は壁の圧 縮 側 脚 部の 鉛 直 変位量と引張側 脚 部の そ れ と の関 係を表す パ ラ メー
ター
で,
中 立 点 比Xn の値 が0,
5
以 上の場 合に は引 張 側 脚 部の変 形 よ りも圧 縮 側 脚 部の変 形の大 きい こと を意 味 する と同 時に,
壁 体の回 転 時に お ける回転 中 心が見掛け 上 圧 縮 側 外 端か ら測っ て どの位 置にある かを 示 す もの で も ある。Fig,
7− Fig.
11に は,
A シ リー
ズの水 平 荷 重 (P∂600kgf
時の, 見 掛けの せん断ひずみ一
鉛 直 荷 重 (Pv
)関 係,
回 転 角〜
鉛 直 荷 重 関係,
真の せ ん断ひずみ〜
鉛 直 荷重関 係,
回転 角 比〜
鉛 直 荷 重 関 係,
中 立 点 比一
鉛 直 荷重関 係 がそれ ぞ れ示 して ある。 また,
Fig.
・
12に はA
シ リー
ズ のたて枠の鉛 直変 位 状 態を例 示してあ る。 な お, 試 験 体は水 平 加 力 軸 を含む鉛 直面に関して対 称 であ るの で, 図示した結果は対称点ま たは対称面に関す る平均 値 を用いた もの であるら ま た, 同一
試 験 種 類につ いて 2回 以 上の試験
を行っ てい るが,
実 験 結 果とし て採 用 した の はすべ て第 2回目の結 果である。
こ 蹉耆
L 暑。 蕊 0 500 1000 t5eo 2000 Ver匸ica口0国己【 L‘r〕 Fig.
8 Relation between Rotatioロ angle and vertiCal 10ad、
i・
l I xo‘
κ
z直
κ
3◇
κ
5■
纐」
、
・
、.
、
.
、
.
、
1
、
.
Ph・
600U∴
;
.
:
回
『
こ マ.
.
一一一
「
,
驢
.
一
P
」
一
「
−幽
辱
F一
.
(
Oo
」
.
齢
ー
O
冖
瓦
】
』」
目
牾」
鷁一
髷 昜[
噂
ヨ 帽o
.
50e looo・
15eo 2eoo Verしic己目Otd匸 」‘
r}Fig
.
g Re[ation.
between Actual shear strainand vertical
load
正δr A−
series【
嘱
了5 愚o,
5詈
’ ta 1.
t5 o0 510 且ooo t5eo looo
fertical]osi[ Ltt )
Fig
.
10 Re}at正on between Rotatien angle ratio and vertica !1oad {or A.
se「ies 2 宕 5 Oロ
o
コ 冨 = 呂〔
日
日り
診 コoo
=O
o
κn▲
x1ム
翼宕 ox50x
巳 Ph=
600瞳.
、
.
‘
.
一
噛
、
r
,
.
.■
■
L、
.
、
.
、
、
.
魑
F
一
、
、
.
唱
噌一
r
、
.
曽
、
辱」
、
噛
.
一
幽
一
.
_
.
一
.
1.
AY−
YO 【 図 ε 寄」
呂 窩O
罵 菖 器區
0 0 500 田 150D 言ooe 亨巳rtiea目oal 〔 」ユリFig
.
11 Relation between Neutral PointratiQ aRd ve【tical load for
A.
seriesgxo
▲
xzム
耶
◇
κ
5国
κ
監
」
P』耳
600ばA「
.
.
一
一鬘
一
,
包
塩.
・
ポ
.
・
ラ’
一
’
.
F.
_
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.
一一
.
一
.
曽
.
1’
.
’
.
恥・
ol
Pl=
60 咽L .
.
.
.
「
.
,
.
.
.
齟
馳
r
.
.
.
.
一
幽
.
.
.
L.
ゆxo‘
κzム
x3 ◇κ5 曜x8 → AY−
YO P甲
・
L500け 1 2l Ph弓
60曜 1.
.
」
.
.
■
”
t i 0.
耳
「
.
;
,
幽
.
,
.
o湘
色
κ
zム
κ
3 gx5卩
κ
日Fig
.
12 Vertical move 皿ent Qf studs fer A−
serles o 0 §5.
試験結果の考察 本 実験は比 例 限 度 内の性状に注 目 してお り, 荷重と 各 部の変形との関係に は ほ ぼ 1次 比 例の関 係が あ る と考え ら れ る。 し た がっ て,
以 下で は特 定の水 平 荷 重 〔P.〉が 600kgf 時の結 果に基づい て考 察を進める こと とする。 5.
1 た て枠の鉛 直 変位と壁 脚の回転 (1 ) たて枠の鉛 直変位Fig.
12
は,
A
シ リー
ズの 鉛直荷重がo
ま た は1500
kgf載 荷さ れ た場 合の, た て枠の鉛 直変位状態 を示し て いる が,
同 図よ り,
耐力壁たて枠の鉛直変位は,
鉛直荷 重の大きさ にかか わ らず水平方向に直線 的に変化して お り,
耐 力 壁 脚 部は 1枚の壁 と して回 転 するよ う な動 き を する こと が看 取 され る。 こ の こと は, こ の耐 力 壁に§4,
で定 義し た回転 角を適 用す る ことの妥 当性を裏 付け て い る。 次に,
直交 壁の た て枠の動きにつ いて み る と, 直交壁 の 面材が耐 力 壁に接 して張ら れて い る場 合 [XO ,
X2 ,
X3
]に は引 張 側 (加 力 点に近い側 ) 直 交 壁の た て枠の 浮 上り量はほぼ等しい が,
面 材のない場 合 [X5
]に は 耐 力 壁に接 する直 交壁たて枠の浮上り量 が大き く な る傾 向がみ られる。 こ の傾 向は,
鉛 直 荷重 が ない場 合に著 し いが,
鉛 直 荷 重が大き く な るにつ れて その差は小さ く な 3 e 2 T o e 弸 1勘 1鵬 VerLical ioad〔 L、
r)Fig
.
13 Relation between a (ratio of rotation )and veTtical load for A,
seriesI
l1 1層
丶
馳 .
o κo^
xzo κ5 0x5■
κ8、
.
−
丶.
、
.
、
Ph己
500頃r、
.
,
丶
、
、
1、
、
、
7、
、
.
、
、
魑
、
層
、
一
噛
曁.
1L
聖
.
.
、
曁
.
ら
:
τ
一
’
・
噛;
.
’
.
r =こ る。
こ れに対し, 圧 縮 側 直交 壁た て枠の沈み 量 は,
鉛直 荷重の大き さ・
面 材 配 置にかかわ らず耐 力 壁に近い たて 枠ほど 大き く,
離れ るに従っ て直線的に小さ く な る傾 向 がみ られ,
直 交 壁た て枠の鉛 直方向変位状態は引張 側 と 圧 縮 側とで は その傾向 が異な ることが わ か る。
(2} 中立 点 比Fig.
11
の 中 立 点 比〜
鉛 直 荷 重 関 係から,
[xo
] 直交 壁の場合に は鉛 直 荷 重に か か わ ら ず ほぼ 0.
45の値を と ること, その他の場 合は鉛 直 荷 重が増え るに従っ て 中立 点 比の値が増 加 する傾 向が あ る。 し か し,
いずれの場合 につ い て も, 中立 点の値t・
S
O.
5を超えず,
この こ と は,
壁の回転は壁 脚の沈み量 よ り も浮き上が り量に影 響を受 け ること, 鉛 直荷 重・
直 交 壁の存 在が壁 脚の浮き上が り 防止に対し効 果が ある こと を示唆し て いる。
(3
) 回 転角Fig,
13は, [xo 〕直 交 壁 〔全 面に合 板を張っ た も の)で鉛 直 荷 重の な い場 合 (
AY −YO −XO −O
)の 回転 角に対 す る各 試 験 体の そ れの 比 (a)を 図示 し た もの で ある。
Fig.
9お よ びFig.
13
か ら, 次の ことが言え よ う。 面材の あ る直 交 壁の場 合 [XO,
X2,
X3]には,
回転 角は鉛直荷重の大きさ に 1次 比 例し て小さ く な る と見て 良いが, その影 響は小さく,
また,
3
者の傾 向に大き な 違い は見 られ ない。
また,
面 材の ない直 交 壁 [X5
]の 場 合に は回 転 角の値は大き いが, 全 体の傾 向は直 交壁に 面 材の ある場 合に類 似して い る。 こ れ に対し,
直 交 壁の ない [X8
]につ いて は, 鉛 直 荷 重のない場 合には回 転 角の値が直交壁の ある場合の 3〜
3.
5 倍程度大きい。
し か し, 鉛直荷重が載荷さ れ る と 回転 角は減少す る傾 向が み られ る。
その 場 合, 鉛直荷 重がO〜
1 eOOkgf
の範 囲で は そ の大き さに比 例し て急 激に小さく な る傾 向が ある が,
鉛 直 荷 重が1 ooo kgf以 上に なると その減 少 率は小 さ く な る。 回転角の 大 き さ を,
面 材の あ る直 交壁の場合 と直交 壁 の な い場合とで単純に比較すると, 直交壁の効果は鉛 直 荷 重2000kgf に相 当す る といえ る。
以 上の ことをま と め る と,
回転 角は直 交 壁が ある場 合 に小さ く, また, 鉛 直荷 重の効 果は直 交壁の ある場 合に一
88
一
は小 さい とい え る。 5
,
2 せん断 剛 性に及ぼ す直 交 壁・
鉛 直 荷 重の影 響 (1 > 見 掛けのせ ん断 剛 性Fig
.
7の見 掛けの せん断ひずみ〜
鉛 直荷 重 関 係から, 直 交 壁の枠組・
面 材のない方が見 掛 けのせ ん断 剛 性 が小さい傾向が ある こと がわ か る。
次に,
鉛 直 荷 重の影 響につ い て み る と, 鉛直荷重が増 大 すれ ば見 掛け の 剛 性は増 大するが、
影響 度 合い は直 Fig.
14 交壁のない 場合を除けばそ れ ほ ど大 き く な く, 直交壁の ある場合に は鉛 直 荷 重の効 果は小さいこと を示唆し て い る。
(2 )’
真のせん断 剛性Fig.
8
の真の せ ん断ひずみ〜
鉛 直 荷 重 関 係か ら, 真の せん断 剛 性は直 交壁の ある方が大きいが,
その影 響 度合いは小さい こと が わ か る。
鉛 直 荷 重の影 響につ い て は, 直 交壁の な.
い場 合を除い て,
真のせ ん断 剛 性は,
鉛直荷重の大き さ にかか わ らず,
そ れ ぞ れ ほ ぽ一
定の値と なっ て いる。Fig
.
14 (3 )回 転角比Fig.
10の 回転角 比一
鉛 直荷重 関 係か ら・
t 回転角比の値は 鉛直荷 重が増えるに 従っ て低下 し, その度合いは直交壁のない場合に最も著しく直 交 壁 の面 材 が 増え るに従っ て小さ く な ることが わか る。
こ の こ と は,
回転 角 比が見 掛けの せ ん断ひずみ (回転 角と真 の せ ん断ひずみ の和 )に対する回 転 角と定 義さ れ て お り,
前 述し た回転 角お よび真のせん 断ひずみ に対 する鉛 直 荷 重の影 響度 合い を考え れ ば 当 然の こと と言えよ う。
な お,
t
本試 験体の範囲で の回転 角比の値は0.
5以 下で あっ た。
5.
3
立 体 壁の せ ん断 力分 布につ いて 前 節に おいて真の せん断剛 性 は直交 壁・
鉛直 荷 重の影 響を受け る こ とを指 摘し た が, 本 節で は こ の こ と につ い て,
壁 体の せん断 力 分 布の観 点か ら検 証す る.
(1) せん断ひずみ度 分 布 試 験 方 法の項で述べ た よ うに,J
シ リー
ズ につ い て は,
合 板の せん断ひずみ度 を測 定す る た め に2
軸ワイヤー
ス トレインゲー
ジが取 付けてあるが,
この測 定 値に基づ き,
次 式に より合 板の せ ん断ひずみ度 (Et)を計 算す る。
ε、
=
1
εち一 ・ 、,
、1
…・
…・
・
…・
…・
…・
…・
…・
・
…・
・
…・
(6) こ こに,
εt :各 合 板の せ ん断ひずみ度 (μ〉 εt,
1,師 :2軸ワイヤー
ス トー
レインゲー
ジの各 軸の 測定ひずみ度Fig.14
(a)〜
(e)に は,
直交壁種類ご とに水 平 荷 重 10e.
5 o.
51.
o Lea,
5 o.
51.
oDistribution of shearing strain of plywood at p
西
=
60D kgf for
J−
series (cont】nue ) 1005 o.
5 Leo.
5 晒 駈 幽1
1.
0 1.
nDistribution of shearing strain Qf p且ywQod at ph
=
600kgf forJ・
series 1囗 o,
5 o、
5Lo倒
「
「
1
(P,)600kgf を加えた場 合の せん断ひず み度 分 布が耐 力 壁 中 央 部の合 板の ひずみ (E、}を1 とし た比 率で示 してあ る。 ま た,
同 図に は 曲 げ 理 論に よ る 矩 計 断面の せ ん断応力 分布お よ び薄肉口 型断面が断 面中心 に せん断力 を受け た 場合の せ ん断応力分布 (以下では 「薄
肉断 面の分布」と 呼ぶ)が,
断面の最大 せ ん断応 力 を 1と して併せて描い てあ る。 同 図よ り次の こと が言え よ う。 直交壁 前面に合 板 を 張っ た [XO
]の場合,
耐 力 壁・
直交 壁の合 板に せ ん 断ひずみ が生 じ, その 分布形状は薄 肉 断 面の そ れ と酷 似し て い る が, 直交 壁につ い て は理論 よ り求め られ る せん断 ひ ずみ より小さ い。
ま た,
[XO] の場合,
鉛 直荷 重が増 大する に従っ て各
部の ひずみが相 対 的に低 下 す る傾 向が み ら れ る。
次に,
直 交壁 面材が減 少 し た[X1
]・
[X3
]は, 基 本 的に [XO
]’
と同様で は あ る が,
わずか な が ら矩 形 断 面の ひずみ度分布に近づ く 傾 向がみ ら れ る。
直 交 壁 枠 組だ けの [X5
]の場合には,
さ ら に, 矩 形 断面の それ に近づ く傾向が み られ る。
し か しな が ら,
直交壁の ない [X8
]の場 合に は,
薄肉・
矩 計 断 面いつ れ と も異なっ た傾向を示してお りt ま た,
分 布 形 状が水平 力に直交す る軸に関して対称で な く,
圧縮 側の方がひずみが大きい傾 向が み ら れ る。一
89
一
次に, 5枚の耐 力 壁 合 板の せ ん断ひずみ度を 比較す る と
,
直 交壁 種 類・
鉛 直 荷 重の大 きさに か かわ らず 耐 力壁 中 央に配 置さ れ た合板の せ ん断ひずみ度が最も大きい こ と が わ か る。試 験 体 種 類ご とに,最も大きい ひずみ度 (中・
央 部の合 板 )に対 する最 も小さい ひずみ度の比は,X8
の場 合0.
55倍,
X5 の場 合0,
6倍,
XO・X1 ・X3
の場 合 約0.
7倍であり,
直 交 壁の な い場 合に両 者の差が大き い。 ま た,
試 験 体 種 類ご との耐 力壁 合 板 5枚の平均せ ん 断ひずみ度に対す る最 大お よ び最 小ひずみ度の比は,
そ れ ぞ れ 1.
15,0.
8程 度で あ る。 (2
) 合板の せ ん断ひずみ度分布と壁 体の変 形との関 係 ここ で は, 合板の測 定ひずみ度と壁体全 体の変 形との 関係をひずみエ ネル ギー
法を 用い て調べ るこ とにする [Fig.
15参 照]。
一
般に,
せ ん断 力により微 小 距nt
dy
な る両断面に蓄 え ら れ るエ ネルギー
dU は次式で表され る。
・・
−
de
・・∫
・’・
・A
……・
・
一 …………・
(・) こ こに, G
せ ん断弾性 係数 ds ド ・!
斗
{a } 厂 ゆ (ロ
劭 } β (b
) 一 一 娠 磁■
刷
τ弖 τを 話 レ卩
一
■
●臣
1
・ 馗 F
含
f=
P髭)1
τ3 恥 f ;山iα監nes8 鈎 ⇒ ゆ ゆ 一 → η 吻 馳 看 腐 lC }Fig
.
15 Assumption on dist【ibution of shearing stress一
90
一
τ :せん 断 応 力度dA
:断 面 積 こ の エ ネル ギー
は, こ の断面に働くせん断 力F が断 面の微 小 長 さdy
に生じ た せ ん断変形d
δ と に よっ て な す弾 性 仕 事 (1/2・
F ・
d
δ}に等しいはずである か ら,
}
・
F …−
216
・・f
, rZ・
dA ・
…・
・
…・
…・
一
(・) が成 立する。
こ れよ り,
次の関係を得る。
£
一
。1
、∫
・ ・dA ………・
…・
………・
・
(・) 以上が材料力 学の教え るとこ ろ で あ る が (例えば且9 り,
い ま,Fig.
15〔b
)の よ う な 片 持 ち支 持 された部 材に外 力が作 用し て, 同 図 (c)の よ うな せ ん断 応 力 分 布と なっ た場 合に も(9)式は成 立す るはずである。 この状 態に (9 ) 式 を適 用す る と, 次の よ う に書くこ と がで き る。磊
一
f
,
。¥
・1
…t
−f
≡
54
・言・
………
(・・) こ こ に,
F :せ ん断 力G
:せ ん断弾 性 係 数 α :単位幅t
:厚さ こ こ で,
片 持 支 持の条 件よ り, 左辺の値は y軸 方 向 にp
い て一
定 値を とる の で, こ れを r。 とお く と, r。は 部材のせ ん断 変 形 角 を意 味し,
次の よ うに表すことがで き る。
・
一
{
蕩
一
島
写
・1
………・
…・
・
・
・
・
・
……・
…
(・1
) また,
F を一
定 値凡 に と り,rt=G ・
ε‘と すれ ば,(11 ) 式は次の よ うに表 現 され る。r・一 α
宏
G写
・1
……・
…・
・
・
………一 ・
(12) 上 式は,
部 材のせ ん断変形角 r。は各部のせ ん断ひず み度の2
乗の総 和 (Σε1
}に比例するこ とを 意 昧し てい る。
こ こ で,
上述の考え方を本 実 験に適 用し て み る。
す な わ ち, 合 板 釘打ち張 り壁 を厚さ tの断 面 を もつ 壁に置 換し て, せ ん断弾性係数G
を実験で求め ら れ た 合 板の せ ん断ひずみ度 (ε‘}に対 応さ せ た等価 せ ん 断弾 性 係 数GD
とする。 こ の こ とは,
各 部分の せ ん断 応 力 度 (切 と合 板のせ ん断ひずみ度 (ε‘)との間に τ‘=G
。・
ε、の関 係が成 立す る と仮定する こ と を意 味す る。 ま た,
こ の場 合の等 価せ ん断弾性 係数G
。の値は,
合 板・
枠 材・
釘に よ り構 成さ れ る合板釘打ち張り耐力 壁のせ ん断 性 能を す べ て含 んでい るもの と してと ら え ることにな る。 この考 え方によ れば, 実験で得 られ たFig.
14の合 板のせ ん断 ひずみ度 分布は, 建物全体と しての せ ん断 応 力 分布を表 して いることにもなる。 上 述の考え方によ れ ば, 水平力 を受け る建物 (耐 力壁) の せ ん断 変 形 角 (ひずみ )r。は各 合 板の せ ん断ひずみTable5 Comparison Qf ActuaL
−
Shear・
Strain between experi・
皿ent and calculationExper
正田entCalcul 肌ion τypeVertic 己1 1 ofcmssload
。
l
γ。D l (a) IRaLio ofl (b )2
レ
Ratio of 魁 〔a) wau (k区f) 〔x10’
∂rad.
)1・γ・ G γ 0 XO0 躙i
且 1L X1o2.
46 1 L.
03Lo 且 0.
98 X3o2幽
.
5g l LO9 1.
050,
95 X5o2,
57 1 1.
081.
05o,
田 X8o21
.
58 :.
1.
08 L.
06O,
98 XOo2,
38 ;1 1 11 5002.
26・
1 O,
95’
O.
93o.
98 10002.
u l o.
89o.
88o.
99 且5002.
06 1 0.
87O.
82O.
95 20002嚠
.
07 1 0.
87 O.
82.
O.
95 X 且 o 乳唱
46 1 L 且 1 5002.
27 : 0.
92o.
9Q0.
97 ユOOO2.
n 3 0.
85o.
820.
96 15002.
。7 : 。.
斟 1 O.
82o.
田 X3oa591
1 L 且 5002.
34 1 0,
90o,
911,
01 10002.
lg l o.
85o.
861.
02 15002脚
.
13 1 0,
82 O.
B1o.
99 20002幽
.
06’
O,
80 0、
78o.
98 X5o :2.
571
夏 11 5002.
35 : 0.
91D.
91L.
00 100021
.
1g l o.
85 0.
88L.
04 150021
.
17 1 0.
84 0.
82D.
98 X8oZ58i
1 11 5002.
41 11 0、
93 0.
98 且、
04 100D2亅
.
30」
D.
89 0.
931.
04 15002.
且7 1 0.
840,
87LO4 20002.
田 : 0.
83 1 o,
841.
01 Note,
D
・
脅
70 :Actual−
Shear−
Strain.
Dbserved by experi ロenし.
2)
,
‘
γo:
Actusl−
ShearrStrain 聞 ユcu且ated by.
図u &tion 〔L2)・
Ratio of
‘
γD 正s der正ved frem ratio of [Eε,
2 ].
度の 2乗の総 和 (Σε