合併 症 に よ って左右 され,し か もケ アの違 い に よ り排 便 の 内容が 大 き く変化 す ることが あ る。 また 胎便 と 光線便 や 飢餓 便 との鑑 別 が肉眼 的 に難 しい。 そ こで 対象 条件 をで きる限 り限 定 し,さ らに腸 管 機 能が 順調 に維 持 され て い ると判断 で き る普通 便 完全 排 泄の 初 日を胎 便の 排 泄完 了 時期 と した。 腸 管 栄養 の確 立は,経 腸栄 養摂 取 量が100ml/日 に 到達 した時 期 と した。 初回 排便 の時 期 に関 して,Jhaveriら は,27週 以 下 とそれ 以上 の群 で は有意 に前者 に生 後48時 間 以 降で の排泄 が 多 い ことを 証 明 してい る3)し か し 今 回の 調査 では28週 以 下のAGAの 超未 熟児 も82 %が24時 間 以内 で あ り,し か も在胎期 間 との 相 関 は認 め られ なか った 。 これ は検温 によ って 直腸へ の刺 激 が加 わ った こと も一 因 と考え られ る。 また初回 排 便 の時期 は移行 便 お よび普 通便 の排 泄 日齢 と相 関が な く,し か も経腸 栄 養開 始 日齢 と も相 関 がな か った。 これ らの点か ら,早 期経 腸栄 養確 立 の ために は,初 回胎便 排泄 時期 の み な らず, 胎便 総排 泄量 とその 期間 に対 す る評価 が さ らに必 要で あ る。 普 通便 の排泄 は在胎 期 間 が短 いほ ど遅 くな るこ とは,児 の未 熟性 か ら考 え て も当然 の結 果 と考 え られ る。 普 通便 の排 泄 日齢 と経 腸栄 養 開始 日齢 とは,経 腸栄 養 開始 日齢 が在 胎期 間 の影 響を 受 けない に も か か わ らず,デ ー タ上 相 関 し た 。 し か し1例 を 除 く と 相 関 が 認 め られ な くな っ た の で,今 後 の 検 討 が 必 要 で あ る 。 経 腸 栄 養 が100ml/kg/日 に 到 達 し た 日 齢 と は 正 の 相 関 が 強 く認 め られ,経 腸 栄 養 が よ り早 期 に100ml/Kg/日 に 達 す れ ば,胎 便 の 完 全 排 泄 も よ り 早 期 に 完 了 す る と評 価 で き る 。 乳 汁 の 種 類 に よ る 便 性 へ の 影 響 は,当 新 生 児 棟 の 生 後1か 月 間 の 経 腸 栄 養 は 母 乳 を 原 則 と し て い る の で,検 討 で き な か っ た 。 5.お わ り に 超 未 熟 児 に お い て 経 腸 栄 養 を 早 期 に 開 始 す る こ と は 難 しい 。 そ れ は著 しい 未 熟 性 に 加 え,超 未 熟 児 の 排 便 に 関 す る デ ータ や 文 献 が 少 な い こ と に も 関 連 し て い る 。 今 回 の 分 析 結 果 は,い くっ か の 検 討 課 題 を 残 した が,超 未 熟 児 の 経 腸 栄 養 や 排 便 の 評 価 に 役 立 て る こ と が で き る と 思 う 。 引 用 文 献 1)竹 内 徹 監 訳:ハ イ リス ク 新 生 児 の 臨 床,P.475 医 学 書 院 サ ウ ン ダ ー ス,1987.
2)Jhaveri, M.K. and Kumar S.P. : Pas-sage of the First Stool in Very Low Birth Weight lnfant. Pediatorics,
79: 1005-1007, 1987. 第2群
4助 産婦 にお ける妊 産褥 婦 のケア能 力習得状況
(第1報)一 卒 後 一 年 間 の 習 得 状 況 の 変 化 国立仙台病院付属看護助産学校助産婦科 ○ 佐 々 木 和 子 ・内 藤 洋 子 日本赤十字社助産婦学校 平 沢 美 恵 子 国立公衆衛生院 新 道 幸 恵 東京大学母子保健教室 松 岡 恵 神奈川県衛生看護専門 学校付属病院 熊 沢 美 奈 好 1.は じ め に 助産 婦 と しての 専門 的 な役割 は,助 産婦 学 校 で 基 礎能 力を 習得 した後,卒 業後 に助 産 婦 と しての 経験 を 積み 重 ね る こと に よ って 次第 に取 得 さ れて い く。 しか し今 日 まで,そ の役 割 の取 得 の過 程, それ に影 響す る要因 や それ に要 す る期 間 等 にっ い て はあ ま り明確 には さ れて い ない 、一般 的に,役 割取 得 過程 に は,役 割モ デル の 存 在 や役 割 リハ ーサル の 有無,帰 属 集 団の 相互 作用, コ ミュニ ケ ーシ ョンの良否,役 割 の 受け 入れ等 が 影響す るとい わ れてい る。 そこで,新 卒の助 産婦 の助 産婦 と しての 専 門 的 役割 の取 得過 程 を職 場の 人間 関係 や 役割 モデ ル の 有無,職 場に お け る経験 内容,対 象 者の 性格 や 自 我状 態等 との 関 連性 を追 跡調 査 した。但 し,本 調 査で は,助 産 婦 の専 門的 役割 の うち,妊 産褥 婦の 看 護に 関す る ものの み を対 象 に し,役 割取得 状 況 と して は助産 婦 と しての能 力 の到達 度 や対象 者 の 仕 事 に対 す る意 識 を指標 と した。 2.方 法 国公 私立 の助 産婦 学校 計3校 の 昭和61年3月 卒 業生92名 中 調 査者86名 を対 象 に,質 問紙調 査を, 卒業前 と卒 業 後1カ 月 ・6カ 月 ・1年 目に行 った 。 調 査の 方法 は,卒 業前 は 直接 配布,卒 業後1カ 月, 6カ 月,1年 は郵 送 法を 用い た。 調査 の 内容 は, 卒 業時 及 び卒業 後 の 妊産 褥婦 の ケア能 力到 達状 況, 職 場の 人 間関 係,勤 務内容,仕 事 に対 す る意識, 仕 事上 の 困難 さ に対す る対処 方法,私 的生 活へ の 意 識,助 産 婦 にな った動機 と感 想,性 格(YG性 格 検査 を使 用),自 我状 態(東 大 と九 大の 診療 内 科 で共 同開 発 され た エゴ グ ラム を使用)で あ る。 3.結 果 ・考 察 回収数 は,卒 業 前86名(100%),1カ 月72名 (83.7%),6カ 月71名(82.6%),1年65名(75. 6%)で あ りそれ らを 分折 した 結果 及 び考察 は 次の とお りで あ る。 1)対 象背 景:平 均 年 齢は23.5才,住 居 の状 況 は 自宅及 び寮の 個 室 が多 く,59人(82.0%)で あ る。 これは 一年 間 ほ とん ど変化 が な い。看 護婦 歴 の ない もの は46人(63.9%)と 多 い 。看 護婦歴 の あ る もの25人(34.7%)の 平 均職 歴 は2.6年 で あ る。勤 務 して い る病 産 院 の規 模は200床 以上999 床 以下 が過 半数 を しめ,中,大 病 院 が多 い。勤 務 部 門は分 娩 を取 り扱 う部 門に勤 務す る もの が,各 調査 時点 と も最 も多 く86.1%を 占め てい る(表1)。 最 も多 い部 門は 産婦 人 科病 棟 で あ る。専任 婦長 の い ると こ ろに勤 務 してい る者85.9%の 婦長 が助 産 婦で あ るの は69%で ある 。勤 務体 制は 三交 代 が大 部分 で あ る。夜 勤 の 回数 は卒 後1カ 月を の ぞいて 表1調 査時 別の 勤務 部門 て は 準 ・深 夜 勤 と も に5∼9日 が 多 く 卒 後6カ 月 で 一 般 的 な 体 制 に な っ て い る 。 休 日 は ど の 調 査 時 点 に お い て も5∼9日 が 多 い 。 2)主 な 業 務 内 容 の 経 時 的 な 変 化:主 な業 務 と し て,6カ 月 以 降 に70%の も の が 行 っ て い るの は 産 婦 の 看 護,産 婦 の 入 院 時 の 世 話,新 生 児 の 看 護 褥 婦 の 看 護 で あ り,1年 後 に は こ れ に 分 娩 介 助 が 加 わ る 。1年 間 通 し て少 な い の は,乳 幼 児 の 健 診 と 個 別 指 導 で あ る。 3)調 査 時 期 別 ケア 能 力 の 習 得 状 況 ケ ア 能 力 の 習 得 状 況 は 表2の よ う な妊 婦 の ケ ア 4項 目,産 婦 の ケ ア10項 目,褥 婦 の ケ ア5項 目, 新 生 児 の ケ ア3項 目,一 般 的 ケ ア4項 目合 計26項 目の 到 達 目標 の 自 己 評 価 に よ っ て 求 め た 。 そ の 評 価 は,「 で き た」 を1,「 だ い た い で きた 」 を2, 「で き な い 」 を3,「 未 経 験 」 を4と して 点 数 化 した 。 (1}卒 業 時 の 状 況:平 均 値 が2.0未 満 の 習 得 状 況 の 良 い 項 目 は 表2の よ う に26項 目 中9項 目で あ り,3.0以 上 で 習 得 状 況 の 悪 い 項 目 は3項 目で あ る 。 最 も よ い 習 得 状 況 を 示 した の はNa26の浣 腸 が で き るの1.2で あ り,悪 い の は,Na14の 仮 死 蘇 生 術 で 平 均3.7で あ る 。30%以 上 の 者 が 未 経 験 と 答 え た 項 目 はNa12,14,21の3項 目 で,そ の うち のNa 14と21は 一 年 目で も40%を 超 え て い る。 (2)卒 後1カ 月 の 状 況:習 得 状 況 の 良 い 項 目は 5項 目で,卒 業 時 か ら4項 目減 っ て い る 。 習 得 状 況 の 悪 い 項 目 は5項 目 で 卒 業 時 よ り2項 目多 く な って い る 。 未 経 験 の 多 い 項 目はNa1,2,4,12,14, 19,21の7項 目 で あ る 。
図1新 卒助産婦 の主な業務内容の経時的変化 (3)卒 後6カ 月の 状況:習 得状 況 の よい項 目は, 一 般 的 ケア の領域 の みの4項 目で ある。習得状況 の悪 い項 目は3項 目で1カ 月時 よ り2項 目減 った。 未 経 験の 多い 項 目はNa4,12,14,19,21の5項 目 であ る。 (4)卒 後1年 の状 況:習 得 状況 の 良い項 目は8 項 目,悪 い項 目は1項 目で 未経験 はNa14,21で あ る。 以上 の結 果 か ら,新 卒助産 婦 の ケア能力 の到 達 状 況 を考 察す ると,① 産婦,新 生 児 のケ アは,卒 業 時 よ り一 度悪 くな るが経 時 的に良 くな り、卒後 一 年で は よ くな ってい る。②妊 婦 のケ ア,褥 婦 の ケ アは,卒 業時 に産 婦,新 生 児の ケ アよ り到 達 状 況は 良い が,卒 業後 には評 価 が下 が り,1年 時 に お い て も卒業時 の評 価 には達 して い ない。③ 一般 的 なケア は,卒 業後1カ 月か ら経 時的 に良 くな り 一 年 時で は到達 状況 が最 も良 くな って い る。従 っ て,本 調査 に よ る到 達状 況は,経 験年 月 に対 応す る傾 向が 認め られ た といえ よ う。
第2群
5 助産婦 にお け る妊産褥 婦のケ ア能力習得状況
(第2報)― 影 響 要 因 の 検 討 神奈川 県衛生看護専門学校付属病院 ○熊 沢 美 奈 好 日本赤十字社助産婦学校 平 沢 美 恵 子 国立仙台病院付属看護助産学校助産婦科 内 藤 洋 子 ・佐 々 木 和 子 東京大学母子保健教室 松 岡 恵 国立公衆衛生院 新 道 幸 恵 1.は じめに 卒 業後1年 間 の,妊 産褥 婦,新 生児 に対 す る ケ ア能 力の 到達状 況 への 影 響要 因 と して,職 場 での 人 間関係 を6項 目と,仕 事 に対す る意 識を7項 目 取 り上げ,そ れ らと到 達 状 況 との 関連 性 につ いて 検討 した結 果 を報 告す る。 2.研 究 方法 第1報 に述べ た調査 か ら得 られ たデ ータの うち, 到 達 状況 と影響 要 因 との 相 関係数 を求 め,t検 定 を行 った 。 なお,影 響 要 因 に関す る項 目は,「 は い」1か ら 「いい え」5ま で を5段 階 に 区分 し得 点 化 した 。 3.結 果 及び 考察 1)職 場 の人 間 関係 や仕 事 に対す る意 識の経 時 的 変化:職 場 の人 間 関係 に対す る評価 は,図1の よ うに1年 間 の どの調 査 時点 に おい て も普通(3 点)よ りも よい 。経時 的 な変 化で は,「 働 きやす い 雰囲 気」 を除 い て,ス タ ッフ間 及 び他職 種 との 意 見交 換,信 頼 関係,仕 事 の協 力,指 導助 言 シス テ ム,は 卒 業後1カ 月 時の 評価 が 最 も良 くな って い る。 仕事 に対す る意識 は,図2の ように 存在 価値 が 認 め られ てい る,仕 事 や職 場が 自分 に向い てい る, と思 ってい るもの が多 く,そ れ らの意 識 は,経 時 的 に やや 高 くな ってい る 。 しか し,仕 事 ぶ りへ の 満 足感 は経 時的 に高 くな ってい るが低 い 。一方, 仕 事の 失敗 が多 い,先 輩 に叱 られ る こ とが多 い と 思 ってい る もの も多 いが,前 者 は 経時 的 に減 少 し て き てい る。 しか し,後 者 には経 時的 な変 化 はみ られ ない。 必 要な 時 に必 要 な指導 助 言 を受 け てい るとい う意 識 の得 点 は年 間を 通 して高 い 。 2)職 場 の 人間 関係 と到 達 状 況:表1の よ うに 職 場 の ス タ ッフ同志 の 意 見交換 が 自由 な所 で は, 6カ 月 で,助 産 計 画の 立案,産 婦心 理 の アセス メ ン ト,分 娩 進行 に 伴 う胎児 診 断,褥 婦 の看 護計 画 の 立 案 がで きてお り,判 断 能 力 が高 め られて い る。 先輩 の 助言 システ ムの あ る所 で は,妊 婦 に 対す る 準備 教 育が で きて い る。 医療 行為 の 伴 う,産 婦 の 異 常発生 時 の救 急処 置,ハ イ リス ク新生 児 の援 助 の項 目では,医 師 との 意 見交 換 が活 発 な職 場 にお い て到達 状 況 が高 い。働 きやす い雰 囲 気の 職場 で は,1カ 月 時 には,妊 婦,褥 婦 の ケア各3項 目, 産 婦,新 生 児 の ケア各1項 目の 到達 状 況は 良 いが, 6カ 月 では2項 目のみ に な り,1年 で は0項 目 と な って い る。 これ は,経 時 的 に 職場 の 雰 囲気 が良 い とい う意 識 が増加 して い る こと に関係 があ る も の と思 われ る。 3)仕 事 に対 す る意 識 と到 達 状況:表2の よ う に 自己 の存 在価 値 が認 め られて い るの は,1カ 月 に 妊産 褥婦 の ケ アに 関す る5項 目の到達 状 況 と相 関 がみ られ るが,1年 で はみ られ ない 。仕 事 ぶ り の 満足 と相 関 が認 め られた のは,1カ 月 で妊婦, 褥婦,新 生 児 の ケア に 関す る項 目の到 達状 況 と比 較 的多 く,1年 では産 婦 の ケ アに 関す る項 目の う ち,産 婦 の健 康 診断,時 期 の 判断,計 画 に基 づ く 助 産 な どの到 達 状況 との 間に 認め られ た。仕 事 上 の 失敗 とは1年 で はほ とん どの項 目と負 の相 関 が 認 め られ た。 仕事 や 職場 が 自分 に 向 い てい る,と 到 達状 況 と の相 関 は両者 と も1カ 月時 は 多 いが,図1 勤 務 場所 の人 間関 係 に対す る意 識の 変化
図2 仕事 に対 す る意 識の変 化
表1 新卒 助 産婦 の職 場 の 人間 関係 に関す る意識 と到 達状 況 との相 関関 係(時 期別)
*P<0.05の もの み を取 り上 げ た。各 欄 内 の数字 は 第1報 の 表2の 到達 目標の 番号 を示 す 。 *△ は 負の 相 関を 示す 。
表2 新卒助産婦の仕事 に対す る意識 と到達度との相関関係
*P<0,05の もの の み を 取 り 上 げ た 。
相 関 係 数 ○0.5未 満 △-0.5未 満 ●0.5以 上 ▲-0.5以 上 Nαの 数 字 は 第1報 の 表2の 到 達 目標 の 番 号 を 示 す 。
表3 新卒助産婦の仕事に対す る意識と職場における人間関係の相関関係 1年 では み られ な い。 これ は,1年 に な ると多 く の人 が仕事 や 職場 が 自分 に向 い てい る と思 ってい ることに よ る もの と思 われ る。 上 司先輩 に 叱 られ るは,経 時的 変化 が 無 い に も関 わ らず,1年 目に 主 と して産 婦,褥 婦 の ケア に関す る多 くの項 目と 負の相 関 がみ られ る。 こ れは,1年 目に なる と叱 られ ない こ とが到 達 状況 を良 くす るこ とを示 す も のと いえ よ う。 4)仕 事 に 対す る意 識 と職 場 にお け る人 間関係 表3の よ うに職 場 が 自分 に向 いて い る とい う意 識は,人 間関 係 全 ての項 目と相 関が み られ る。職 場 にお け る存在 価 値,仕 事ぶ りに満 足は,働 きや す い雰 囲 気 と相 関が 認め られ,仕 事 が 自分 に向 い てい るとい う意識 は,ス タ ッフ間の 協力 と相 関 が あ る。ス タ ッフ 同志の 意見 交換 が 自由 な職場 では 人 間関係 の 全項 目の得 点が よい 。職 場が 自分 に向 いてい る とい う意識 には,職 場 での 存在 価値 を認 め,仕 事 ぶ りに 満足 し,仕 事 が 自分 に 向いて い る と志 い,必 要 な指 導を 受 けてい るとい う意識 が関 連 してい る。 以上 の ことか ら,職 場の 人 間関係 は仕 事 に関す る意識の うちで も特 に職 場 が 自分 に向 いてい ると い う意識 に関連 してい るこ とが認 め られた とい え よ う。従 って,到 達状 況 を卒 業後 の早 い時期 か ら 高 め るため に は,職 場が 自分 に向 い てい る とい う 意 識が持 て る よ うな 人間 関係の 形 成が 必要 と思 わ れ る。 ―33―
第2群
6助 産婦 にお ける妊 産褥婦 のケア能力習得状況
(第3報)― 習 得 状 況 と 性 格,自 我 状 態 と の 関 連 性 国立公衆 衛生院 ○ 新 道 幸 恵 東京大学母子保健教室 松 岡 恵 日本赤十字社助産婦学校 平 沢 美 恵 子 神奈川県衛生看護専門学校付属病 院 熊 沢 美 奈 好 国立仙台病院付属看護助産学校助産婦科 内 藤 洋 子 ・佐 々 木 和 子 1.は じめ に 助産 婦 としての 妊産 褥 婦,新 生 児の ケ ア能 力 の 習得 状況 に,個 人の 性格 や 自我状 態が どの よ うに 関 わ ってい るか を調 査 した結 果 を報 告す る。 2.方 法 第1報 に 述べ た調査 デ ータの うち到 達状 況 とY G性 株検査 及 びエ ゴグ ラム との相関 係数 を 求め, t検 定 を 行 った。 3.結 果 ・考 察 1)性 格 の 自我状 態 の傾 向:YGの 得点の 平 均 値 を図1に 示 した 。 これか ら本 対象 集 団の 性格 傾 向 を 見 ると,情 緒安 定 性,社 会 的適 応性,向 性(衝 動 性 ・活動 性 ・主導 性)共 に平 均で あ るA類,平 均型 で あ り,調 和的 適 応的 な タイ プに属す る。 本 調 査の対 象 集団 の 自我状 態の 平 均値 は,図2 の よ うに,ど の 調査 時点 にお い て もNP(養 育的 親)を 頂 点 とす るな だ らか な山型 を示 してい る。 従 って,本 調査集 団の 自我状 態か らみた性 質 は, 気が 優 し く共感 的 で あ り,世 話好 き,他 者 肯 定的 とい え よ う。 なお,エ ゴ グ ラムの平 均 値の 調査 時 点 に よ る差 はみ られ なか った 。 2)性 格 と到 達 状況 との 関 連性:表1の よ うに 各 調査 時点 に おい て性 格傾 向 と到 達状 況 との間 に は 次の よ うな有 意 な相 関関 係 が認 め られた(p< 0.01,p<0.05)。 卒 業後1カ 月 目で は,性 格 と到 達 状 況で有 意 な 相 関関係 が 認め られ た のは抑 うつ 性 とのみ であ り, この 性格 傾 向の あ る場合 に は救 急処 置 やハ イ リス ク新 生 児の 援助 の到 達 状況 が悪 い。 卒 業後6カ 月 で は,情 緒不 安 定 な傾 向(神 経 質)の あ る場合 に は,妊 娠 の心 理 社会 的 適応 状態 の 判 断 に基づ く保 健 指導 や 妊婦,家 族 の 人権 や胎 児 の生 命尊重 の能 力 到達 状 況 が悪 い 。社会 的不 適 応 傾 向(主 観 的, 非 協 調的)の あ る場 合 には,妊 婦 ・家 族 の 人権や 胎 児の 生 命尊 重 や助 産 計画 の立 案,実 施,評 価, 産 婦 の心 理 アセス メ ン ト,異 常 の 予 測 と予 防 的 ケ アの到 達状 況 が悪 い 。一方,活 動 的傾 向 があ る場 合 に は,妊 娠 経 過の 診 断及 び経 過 の予 測の 到達 状 況 が高 く,社 会 的外交 性 の あ る場 合に は,産 婦 の 心 理 アセ ス メ ン トの到 達状 況 が 良 い。 卒業 後1年 では,情 緒 不 安定 傾向(抑 うつ 性,神 経質)の あ る場合 に は,救 急 処置,産 後 の 性生 活 指導,新 生 児の 健 康状 態の ア セス メ ン トの到 達 状 況が 悪い 。 社会 的 不適 応 性(非 協 調 性)の あ る場合 に は,コ ミュニ ケ ーシ ョンの到 達状 況 が 悪い 。一 方,活 動 的傾 向の ある 場合 には,産 痛 緩 和 へ の 指 導,救 急処 置,褥 婦 の健 康診 査,新 生 児の 健 康状 態の ア セ ス メ ン ト,新 生 児室 の看 護 管理 の 到達 状 況が 高 く,の ん きな傾 向 が あ る場 合に は,救 急 処置 が 出 来 るの到 達 状 況が 良い 。 以上 の結 果 か ら,情 緒不 安 定 や社 会 的不適 応傾 向が あ る場 合 には,妊 産婦 の 心 理的 側 面の ケ アや 異常 時 の ケア ・救 急処 置等 に 関す る到達 状 況が 悪 い傾 向 があ るとい え よ う。 3)自 我 状 態 と到達 状 況 との 関連性:自 我状 態 (エ ゴグ ラム)と 到達 状 況 との 間に 次 の よ うな 有 意 な相 関関 係 が認 め られ た(表2)。 卒業 後1カ 月,6カ 月時 に は,CP(批 判的 親),A(大 人), FC(自 由 な子供)の 得 点 の高 い 場合 に到 達 状況図1 YG性 格検 査プ ロフ ィー ル
表1 到 達 度 と性 格傾 向(YG)の 相 関
表2 到 達 度 の高 い こと と相 関 の ある 自我傾 向
の 良い能 力 領域 が認 め られ た。CPの 場 合 には新 生児 の 看護 や分 娩 診断,産 婦看 護 に関 す る能力 と の 間 に,Aの 場 合 には 一般処 置 や新 生 児の 看護 に 関す る能 力 との 間に,FCの 場 合に は新 生 児の看 護 に関 す る能力 との 間 に相 関関 係が 認 め られ た。 卒 後6カ 月 目では,NPの 場 合に看 護の基礎 技 術領 域 の2項 目の 到達 度が 良 か った。 さ らに卒業後1 年 目では,Aの 得 点 が高 い場 合に は,新 生児 の看 護や 異 常時 の処 置 な どを 除 くほ とん どの到 達状 況 が 高 く なる ことが,NPで は心理 に関す る項 目,FC で は異 常 時の処 置 や新 生児 の看 護 に関 す る到達 が 良 い と状況 が 高 くな る ことが認 め られ た。 以上 の結果 か ら,助 産婦 と しての 社会化 の初期 の 段階 に おい て は,CPの 高 い 自我 状態 で は助 産 婦 の専 門 性の 高 い部 分 の到 達状 況 が良 い傾 向に あ ると い えよ う。Aの 高 い 自我 状 態は 助産 婦 と して の 社 会化の 初期 の段 階 では,看 護 の 基礎 能 力 に, 次 に新 生 児の 看 護能 力 に,そ の 次に は,助 産 婦 の 専 門性 の高 い部分 の 能 力に 到達 す るとい うよ うに, 経験 に比例 して到 達 能力 を 拡大 して い る傾 向 がみ られ る。 性 格 傾向 や 自我状 態 が 新 卒者 の 妊産 褥 婦や 新生 児の ケア能 力 の到 達状 況 に 関連 して い ると い う本 調 査結 果は,新 卒 者の 指導 や 環 境設 定 につ い て示 唆 を与 え る もの と思 われ る。 第3群