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作業評価の訓練に対する諸問題

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163

作 業 評 価 の 訓 練 に 対 す る 諸 問 題

工 藤 市 兵 衛

鈴 木 達 夫

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SUZUKI

This is a paper on th巴 problemsin the training of performance rating on the model of

the rating study of d巴alingcard3, JMA rating films and mundel time study rating practice films

1. 緒 国 情報化社会とも知識社会とも言われる今日,乙の激し い複雑な移り変りに対し如何にして従業員に対処し,組 織化し,有用化するか,これからの企業に課せられた重 要な問題意識である.要するに人聞が人聞を評価すると いう一つの事象の手続きが企業組織の運営に大きく左右 するからである. この事は現場作業における社内標準化担当者にも言え ることである.作業者に対し,公正な作業評価をするた めには生産に影響を及ぼす要因について熟達していなけ ればならない.たとえば,作業環境(温度・照明・騒音 ・換気) ,作業条件(設備及び工具,作業箇所のレイア ウト') ,作業者心理(働く意欲,適性であるか等〕等で ある. しかし,マンデJレによれば標準で定義されている ような作業能力をもち,標準で決められた通りの作業成 績を治めるのに必要なペースで作業をする作業者を観測 する乙とは現実にはほとんど不可能であると述べてい る.こζに標準化された一定の方法による作業の動作速 度を標準速度に比較して判定するレイティング技術のむ づかしさがあると言える. したがって,今回の報告は作業評価の訓練技術であ る. ① モデル作業,訓練(カード配り) ② JMAレイテイングフィルム訓練 ③ マンデJレレイテイングフィルム訓練 の3程の訓練結果と考察から企業における作業評価の諸 問題を訓練結果から論述する乙とlこする。

2

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作業評価訓練の手JII買

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1

モデル作業(カード配り作業)訓練 ① 表

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亡示すように四隅に52枚のトランプを配り終 るカード配り作業において100%を基準標準の作 業速度として80%~120% までの段階の作業速度 の勘を養成し,作業中の作業者は自己のペースを どのように評価しているかについて実験したもの である. ② 被験者にカード配り作業を5段階の作業速度で各 10回づっ繰り返して作業をさせ VTR (Video Tape Recocler cv-2000) に記録する. 1) 作業者が標準よりかなり遅いと思うペース (80) 2) 作業者が標準よりやや遅いと思うペース (90) 3) 作業者が標準であると思うペース (100) 4) 作業者が標準よりやや早いと思うペース (110) 5) 作業者が標準よりかなり早いと思うベース (120) ③ 後に再生した録画を見て,自己の作業速度をもう 一度評価する. ④ 正しいレート値〔カード配りで正常時間0.5分〕 iE貴時喧 x100=実際レート 観測時間 ⑤ 指示されたレイ卜値と再生後の自己 lζて評価した レイト値と実際の正しいレイ卜値の比較をする. 表 1 定の作業条件で52枚のトランプを 出るに 0.5分で完了する速度を際埠 速度とし、う

2

-

2

.

JMAレイテイングフィルム訓練 (3) ① フィルムにより実験の作業のレイティングをす る,

(2)

i64 工 藤 市 兵 衛 鈴 不 達 夫 但しこのフィルムは21程(表2)のモデノレ作業と 現場作業を16ミリ定速モータ付カメラで 1分間lMO コマで扱影してある. 名作業とも説明用の画面と5程の作業が各々速度

V

I

1直 の異った場面となって表われる.又,とれらの場面 は観測者が比較してレイティングをしないように3 つの作業をパラパラに組合わせている. 表

2

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各作業サイクルのワーク・ファクター選択時間値 ﹄ ド J a A I l -昔Ie 71-':':::

2

白 き口士口 め 台車への部品箱積み lセット 小物部品

1

1

回 1セット 1セット 0.0451 小物部品のカシメ 小物部品 0.0721 IV (i幾械時間0.0174を含む) 面 取 り 部品4個 (j幾械時間0.0140を合む)I 0.4455 13 旋盤 l乙加工品の取付け,取外し 加工品 1個 0.2070 14 ナットのスポット溶接 1セット 0.2554 V (機械時間0.0280含む)i 15 小型フOレスに加工品の取付け,取外し 加工品 1個 0.2169 (機械時間0.0630含む) タバコの移動 トランプ配り イ了 旋盤のバイト@ホルダーの交換 小物部品の組立 ギヤーの組立て フライス盤に加工品の取付け タイヤにディスク@ホイJレの取付け ¥I!j(

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反の送り山し ② 表3(こ示すレイテイング@データ用紙に作業名, 番号,観測者名を記入する. (レイティング@フ ィノレムl巻lとレイテイング@データ用紙1枚を使用 名 ワーク。ファクター l 選択時間値 サ イ ク ル 0.0146 0.4134 0.0640 カード52枚 歩 行 6111 小物部品 1セット ギヤー2個 (機械時間0.0084を含む) 加工品 1倍i 0.4396 1セット (機械時間0仰 を 含 む )I 0.4289 0.040,1 鉄 板 1枚 する〕 ③ フィノレム映写の冒頭の説明のためのシーンをよく 観察し,作業内特,作業の困難度及びレイティン

(3)

4¥有料消言日)叫エ類一門片山日刊寸川山部直尚

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フィルムレイテイングデータ用紙

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表 3

(4)

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フィルムレイテイング

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53 4 回同 35 回目 ヮ“ 問4T 11-一=一{ロ一三河口

(5)

作業評価の訓練に対する諸問題 167 グ上の注文事項をよく理解する. ④ 作業のフィJレム映写. ① 1 巻の挟~後実際のレートが公表されるからレイ テイング・データ用紙上に記入する. ⑥ 各作業ごとに観測レイ卜と実際レイトの関係をフ。 ロットして自分のレイティング傾向をつかんでみ ること. ⑦ 結果の解釈をする, ③ レイティング訓練結果の統計的解析をする. (表4) (4) (5)

2-3

, マンデルのレイテイングフィルム訓練 ① グループ内でのレイティングコントロールについ 表 5使用した多像式フイノレムと評価用フイノレム No, 医 分 l 多 像 式 フ ィ ル ム カ ー ト ン 包 み の ラ ベ ル 取 り 2 II コ ッ プ 包 装 作 業 3 II 箱 の 移 動 作 業 l 評 価 用 フ ィ ル ム カ ー ト ン 包 み の ラ ベ ル 取 り 2 II コ ッ プ 包 装 作 業 3 1/ タンクヘッド、のプレス作業 4 /.1 ソ ー セ ー ジ の く く り 作 業 5 II 多軸孔あげ作業: フィルムNo 実 例J1直 A 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 表

B

レイティング訓練用紙 200 実 測 1 11

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(6)

168 工 藤 市 兵 衛 鈴 木 達 夫 表

7

レ イ テ イ グ 分 析 計 算 用 紙 (1) カートン包みのラベ、ル取り A B C D E 1 120 107 110 105 110 2 130 136 140 126 130 3 65 56 60 55 60 4 55 43 50 46 50 5 70 53 75 53 70 6 50 36 45 38 45 7 130 121 130 127 120 8

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100 98 100 95 90 9 100 107 110 103 100 10 85 66 85 64 80

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A 88655 K = 2jA 2 95349 A B C D E 1 109 97 100 95 100 2 93 97 100 90 93 3 96 82

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Rm=0.223X33.3= 7.4 F 90 120 60 50 65 40 105 70 80 70 F 82 86 88 91 112 111 85 @ @ 93 908 91 32 G 言十 X A

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討 く〉は支fより著しい値 L:o,.はXm // (いずれも20%以上) Xf = 101.4 Rf = 29.5 Xm

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Rf =101.4-0 .419X29. 5=89. 0 UCLRf =D. Rf =1.924X29. 5=56. 8 LCLRf =D 3 Rf =O.076X29.5=2.2

(7)

作業評価の訓練に対する諸問題 169 て解析する. ② マンデ、Jレ多像式フィJレムとマンデノレ評価用フィJレ ム を 使 用 す る ( 表5使用した多像式フィルムと 評価用フィルム) ③ 10名前後でグルーフ。を作る. ④ 多像式フィノレムによって,グループ内での標準速 度をきめ,これに習熟する. (10~15分間〕 ⑤ レイテイング訓練用紙(表6)~C::シーン 1~10 のレ イテイングを記入する. ⑥ レイティング分析計算用紙 (表7)~C::グループ。の 観測をまとめXを計算する. ⑦

A

(正しいレート〕が与えられる. ③

XA

欄に

X

A

を掛けた値を記入し,その合計を 下の計欄に記入する. ⑨ A2欄l乙Aを自乗した値を記入し,その合計を下 の計欄に記入する。

SXA

⑬ K =三百Eーの式より Kを求める. ⑪ KA欄l乙AとKを掛け合わせて記入する. ⑫下の表はよ表のそれぞれの実測値をそれに対応す るKAで割り100倍して%に直して記入する. ⑬ 各シ{ン別l乙横ζl合計して計欄iこ記入し,その平 均値をXf欄に記入する. ⑬横にながめて〔最大一最小)の値を宕のRf欄に 記入する. ⑮ Xfの平均をXf欄に記入する. ⑬ Rfの平均をRf欄

K

記入する. ⑫ 次l乙縦にみる.すなわち人別に各シーンの実測値 をKAの値で割り合計し計欄ζi記入し,その平均 値を玄m~と記入する.これらの総平均を Xm 欄 l乙 記入する. ⑬前と同様に各列毎に(最大一最小〕の債を下の R m欄に記入する. ⑬ とれらを合計し,平均して宕の方のR m欄に記入 する. ⑫ とれらの値を下方の式に代入してそれぞれの UC L, LCLを求める式の中のA2DsDujd2は表8より 求める. ⑧ SDを計算l乙求める. ⑨ 各人の XmがUCLXm と LCLXm~乙入っているか 各人のR mがUCLRmとLCLRm~と入っている か,検討する. の次に各シーン(作業ペース別)についてグルーフ。 の平均値とバラツキがUCLXfとLCLXf及びUC LRfとLCLRfである. 表B 数 値 表 サンプル サイズ n A2 Ds D4 d2 h 2 1.880 .0 3.268 1.128 3 1.023 .0 2.574 1.693 1. 77 4 .729 .0 2.282 2.059 1.46 5 .577 .0 2.114 2.326 1.29 口 .483 .0 2.004 2.534 1.18 7 .419 .076 1.924 2.704 1.11 8 .373 .136 1.864 2.847 1.05 9 .337 .184 1.816 2.970 1.01 10 .308 .223 1.777 3.078 .98 11 .285 .256 1.744 3.173 .95 12 .266 .284 1. 717 3.258 .92 13 .249 .308 1.692 3.336 .90 14 .235 .329 1.671 3.407 .88 15 .223 .348 1.652 3.472 .86 「註」※表5~ζ示してあるように, 評価用フィJレム 5巻について訓練したものであり,表7はその一 部であり,残りの分析計算用紙のデータは紙数 の関係上省いてある.

3

.

訓練結果と考察

3

-

1

.

モデル作業訓練〔被験者

8

名)の結果と考察 表 9~乙示す官iI練結果が得られた .ζ の結果から以下の 考察が得られた. ①指示されたレート値と実際の正しいレート値との 関係 この関係は指示されたレート値に対して,作業者 がいかなるスピードで作業をするかを表わしてい る. a.全体的にみると図1の様に標準の 100に集中して いる.指示レート値の 100をみると実際レート値 の100に集中し,指示レートの110,100, 90の3つ をとってみても110,90は比較的バラツキが多い が100の場合には集中している. しかもζの集中 が土5で全体の 25%に達していると云う正確さで ある.又,指示レート90の場合には95を中心lとし て土10で分散し, 100の場合には100を中心にして 土5,110の場合には105を中心にして土10で分散 している.すなわち 110の場合は幾分指示より遅 く,反対に90の場合には幾分指示より早く 100を 標準として作業がなされている.このζとから, 実験前の練習が100に標準を置き, 又実験中を如 何に標準の100を意識していたかがよくわかる.

(8)

170 工 藤 市 兵 衛 鈴 木 達 夫 一 定 値 一 判 ト 一の一 一 己 レ 一 向 口 ↑ ん 一 川 唯 一

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9

実 数 被験者 A ハ リ ハ リ ハ U A U ハ リ ハ リ ハ り A U ハ リ ハ り ハ U Q U T よ ハ U n u u n u -o u n 4 1 4 噌 E 4 司 自 止 噌 E A 噌 E A 司 ' A 噌 E 4 4 a i 1 i ワ 白 つ ο A A R u n b n i o o q u A V 一 ー ょ っ 白 内 φ A 吐 民 U ρ 0 η 4 0 0 Q d n u 司 4 A 噌 E A B 110 100 90 110 90 100 120 110 90 100 C ハ リ ハ U A U ハ U ハ U ハ U ハ U ハ リ ハ リ ハ リ n ノ “ ハ u u n 〆 臼 ハ H V ハ u d 噌 l i ハ H V ハ u u ハ U v n ノ “ 1 1 1 1 1 1 1 一 4 i っ “ つ リ 4 4 F b ρ U ヴ i o o q u ハ U T i ワ ム η 0 4 占 F b ρ U η J O O Q U ハ リ 噌 E ム 一 噌 1 4 120 110 90 100 105 95 110 110 105 115 100 95 100 110 110 90 110 110 100 105 験 93 32.1 101 29.7 95 31. 6 103 : 29.2 103 29.1 91 33.0 99 30.2 98 : 30.5 86 35.0 92 32目7 115 99 115 100 95 108 106 101 95 118 結 果 G yiqLqδ ィ 告 に U ρ り ウ 4 0 0 0 u n U τ i 26.2 30.3 26.1 29.9 31. 7 27.8 28.3 29.8 31.7 25目4 日 110 80 90 110 100 80 100 120 90 110 27.1 28.8 31.0 30.1 32.6 28.7 30.9 37.0 28.9 34.9 29.9 29.9 27.4 31.3 30.5 33.5 31.6 30.7 28.4 27.9 31. 9 32.8 29目1 30.4 35.1 31.6 27.5 30.5 28.4

(9)

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-→実際の正しいレート値

自己の判定したレート値と実際の正しいレート値の関係 図

3

(10)

172 工 藤 市 兵 衛 鈴 木 造 夫 b.個人的に見ると図2.!C:示すように次のようになる. 1) 指示より幾分遅いが指示に合わせて作業する A.F 2) 指示より幾分早いが指示に合わせて作業する ー.B,D.rI 3) 指示lこ合わせて作業できない •••••••• C.G 4) 始め早いが後には指示に合わせて作業する . . .EJ-I. この要因を考えると 1),2)は対照的だが3)も含め,こ れは作業者自身のスピード感の個人差,運動神経の発達 の差異,気質(せっかちな人,のんびりな人,作業のき ちょう面な人,乱雑な人等)の違い等によると思われ る 4)は何か次の新しい動作にはいった時,作業者自身す ぐにその状況に適応するζとができずに情緒不安定にな ったと思われる.その他企業に於いての要因として熟達 度(この実験の前に作業者はどれだけの畳をどれだけの 聞でどれほど集中して作業したかが問題になる. )があ る. 又,心理的要因には作業者個々に仲間に対する競争 心,仲間の援助,集団の中の1個人としての自覚,監ノ[芽 者の作業者への関心,自己の仕事達成への欲望,完成後 の満足感,今までの仕事への自信等の複雑なものが入り まじって作業者は作業をしている.又,物理的要因に は,照明,騒音,作業者の机,椅子の高さ,広さ等が人 体に及ぼす影響, カメラの位置,大きさ, トランプの 色,形,等の作業者に与える感じ等も大きく作業に影響 を与えている. ζの様l乙作業者は桓々の要因lとより,詰Ij 限を受け作業をしている. ② 自己の判定したレート値と実際の正しいレート値 の関係.この関係は実際の正しいレートの再生録 画を見て自己が如何に判定したかを表わす, a図3から全体的にみると100以上と判定した数が多 く約70%(実際は40%位)と全体的に早いと判定 している.そして90~100を中心として 95以下の 場合と判定したものが実際より早く,旬以上の場 合と判定したものが予想外に遅く,実際のレート が95~100では 90~100 とかなりの広範聞のあい まいな判定をしているのがわかる, これらの要因は作業者1人1人が作業する姿( 指,子,腕,体,頭等)が全員違っていて,時間 より,しぐさに重点、を買いて判定した事又3 作 業者の中にはある時には早く,ある時には遅く作 業をしているので判定しにくし、動作があった事, 又, ζのような場合には特化中途で判定した事に よる園 主 ノ ハ U Z F b A せ

35 30 25 20 130 120 110 100 90 80 一 + レ ー ト 値 図

4

作業時間とレー卜値の関係 b目個人的に見ると凶2.で示すように次のようにな る圃 1) 全般的に幾分(又はかなり)実際より早いと 判定した ・・ぃ..A、C.F.G 2) 全般的に幾分(又はかなり〕実際より遅いと 判定した・・ ‘.E. 3) ほほ実際には近いと判定した町・0・ .・ ....F.H 1)は全体的に早くなった事を示している.又,どの 作業者をとってみても 1つの作業をかなり違った値 を判定すると, jミの動作も又違った値を判定するこ とになり,続いて2~5回追った値をとる.乙れは, 作業者の前のスピードで作業しているのが次の判定 の時のさまたげとなって新鮮な傑準的な自で判定で きないことを示している. ③ 作業時間とレートイ直との関係 この関係をr'gr4で示すとレート値が小さくなる 程, J段々時間が長くなっている乙とがわかる.実 際作業者にとって標準より少しでも早く作業する 乙とは作業者にとっては大変な苦労であり,まし て長時間持続作業では相当の努力を要する.それ を正しく評価するには少しの時間の短縮を良く評 価すべきである.

X.

評価側でも│時間が短縮されれは生産性も上 り,それだけ利益も多くなるから,時間が短縮さ れればされる程良く評価すべきである.もっとも

(11)

120 , 指江、され 7 こ レト i 直と 110 実際の正しい レ 卜 i 直の関係 100 一一指示 一一一実際 90 80 234 6 8 9 10 234 6 7 8 9 10 2 345 7 120 自己の判定した レート f 直と 110 笑際の正しい レ日卜(直の関係

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E-」刊 t1」 Z 』 33 レート値の関係 N 一一一指示 1

命 一ー一実際 90 80 2 345 678 自己の判定 120! レート値と 実際の正しい 110 レート値の関係 │ヘ 一一ー実際 100 一一一判定 90 I

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3 4 6 7 8 9 10 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ー一 吋 図 2 観測者のレート値の関係 に心

(12)

表10から,わかる乙とはまず正確度の高い作業(j_10 %~とある確率が80%~60% の作業〕はレイティングが あまい,からいにかかわらず,且つ又,その比率が低 い.そして,この傾向は極端のレイティングをした方 にわずかに多い.又,作業の内容を調べてみると複雑 な作業が多く,フィルムに撮影されているが体の上半 身,又は全身が多いことがわかる園すなわち,手先の 仕事であっても全体の動きを見る方が正確なレイテイ ングができることを示している. 正確度の高い (9作業)の分析 夫 1茎 木 鈴 市兵衛 藤 工 作業の質悪化を考えぬ場合である. 174 JMAレイティングフィルム訓練の結果と考察 JMAレイテイングフィルムは全7巻有りレイテイング フィノレム1巻にデータ用紙1枚を使用することになってい (止) る.従って,表3はデータ用紙結果の一部である. 表4は21種の作業のフィJレムレイティングX-R管理図の 訓練の結果である. 乙の結果から,以下の考察が得られた. a.まず全体を評価する前に個々の作業について 評価する.

3

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12一 一 一 一_ L斗 19一 一 一 一 一 乙 ふ 0.450 20一一一一一0 2一一一一ム C ト -[ 0.400 c u - [ 隆盛 Q 十 l ¥ ﹂ 震 騒 4 M 噂ム l ¥ ﹂ f J J U H ム ー ム ニ ¥ ﹂ 一 出

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5

正雄j支の 判 別 正確度の判別

(13)

作業評価の訓練に対する諸問題 175 表10 21 積 の 作 業 評 価 一 一 一 一 一

I

"c附ある予岬言)

仲 … ン グ か ら 一 お 一 軍 一 │ 保 守 的 か 蹴 か 1 タバコの移動 20

か ら い 15 極 端 2 トランプ配り 40 あ ま い 20 11 3 歩 行 40 11 3 /ノ 4 箱l乙部品を移しかえ

からし、 11 11 5 箱 詰 め 40 あ ま い 20 {呆 守 6 台草への部品積み 20 か ら い 13 極 端 7 ゴムホースにニッフ。jレ取付け 80 11 3 三日也 8 小物部品の穴サラエ 60 /ノ 1 極 立高 9 箱の計量と封印 60 11 7 ノ/ 10 薬ピンの箱入れ 40 あ ま い 18 立回立 通 11 小物部品のカシメ 20 か ら い 1 概 球I 12 面 取 り 40 あ ま い 5 保 守 13 旋盤に加工品の取付け取外し 60 11 15 中電 14 ナットのスポット溶接 40 11 13 11 15 小型プレスに加工品の取付け取外し 60 /ノ 13 保 守 16 旋盤のバイト・ホjレダの交換 80 1/ 3 極 t市 17 小物部品の組立 60 か ら い 13 ん' 18 ギャーの組立 20 あ ま い 19 1/ 19 フライス盤!C加工品の取付け 40 // 20 // 20 タイヤにディスク・ホイノレの取付け 80 // 6 保 21 鉄板の送り出し 80 か ら い 8 /ノ 一一一一一一一 平 均 47 あ 立 い 3 4 た l u を み ノ ン イ - ア イ レ

し 古 品 あ r a B l e s s r 、li l -¥ か ら い か ・5 保守的なレイティング ・・・・回一回目3 極端な w ・・・5 文,正確度の低い作業 (土 10% にある確率が20~0% の作業〕は, レイティングはからく評価した傾向が 強く,その比率についても10%以上全部上回ってい る.そしてこの傾向は極端なレイテイングをしている ものによっている. 正確度の低いもの (5作業〕の分析 日 … を し た 1 からい か ・・….4 保守的なレイテイング…...・H ・..0 極端な か ・・一 ...5 b 次に標準時間が作業によって異っているから,各作 業の標準を100とした迭さについて正確度の関係を 調べる. ζれをグラフで表わすと図5のようにな る.但し,正確度の 0 印は60~80% が:1:: 10% にある確率の作業 ム印は40%にある作業, x 印は 0~20% にある作業 を示す.ここからわかることは,正確度の高いと 乙ろは時間値が0.060~0.140であり,正確度の低 いと ζ ろは時間値が 0~0.20 のところと 0.180~ 0.190のところである. すなわち,あまり早い 1~2 秒に 1回の仕事でもあ まり遅い11秒前後に 1回の作業でも評価はしにく いが適当な 5~7秒に 1 回の作業速度だと測定が可 能であることがわかった.しかし,この結果は被 験者1人のデータから出たものであるから,イ也の 被験者の評価の際には個人差があるから違って来 るがこの傾向は起りうると考えられる. c.作業の個々の回数について調べて見る. 図6の〔正しいレイト値一観測レイト値〕 のグラ フより各作業を見ると一点だけ正常な位置から離 れたところに打点されている作業が種々ある.乙 れをよく見ると1回自に判定したレイ卜値か,又 は5回目に判定したレイト値になっている. 1回目 に違ったレイ卜値を打点するのは作業の標準速度 が知らされていても観測していて,はっきりわか らないし,又2回目花見ると標準が1回自に比べて 比較ができ,他の作業との関連もあり正確さが増 すためである.5回目に違った値を取るのは前4回

(14)

木 鈴 市兵衛 藤 工 176

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50 40 20 G 10 10 LCL O 文f-Rf管理図 Xm-Rm管理図 1120 3 -一ーーー一一一一… 一ー一一一一一一一_UCL一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 A C 110 100 B G 司ー一 LCL_ー一一一一ーーー一回一一一一ー一一一一一 120 γ9 7 F 5

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110 100 90 (2) 80 80 コップの包装作業 80 70 60 50 40 30 UCL -一一一ーーーー一一一一一一一一ーー一一ー B A Rm ーーーーー司ー一一一ー一一一一一ーー一一一 UCL Rf 80 70 60 50 40 30 20 LCL -一-ーーーー一一一ーーー一ー一ーーー一 10 -一一ーーーーー一ーー一ー一ーーー-ーーーーーー一一一一一一LCL O 10 各作業のXf-Rf管理図とXm-Rm管理図 (1) 図

7

(15)

作業評価の訓練lと対する諸問題 177 の標準速度を考え合わせると幾分かのとまどいが 生じるのと最終回であると云う気楽さがあると考 えられる. d.X-R管理図を評価する. (表4) @乙の管理図を見るとXニ104と100の標準に近い 平均値がある.しかし, Rニ 33と範囲において は相当の開きが見られる.すなわちこれは全体 としては標準に近い状態にあるのだが個々の値 を取って見るとバラツキが激しく 100の標準を 中心にして相当両側に分散していると考えられ る. 次にその分散の状態についてX管理図及びR管 理図のUCL,LCLを求め調べる. X管理図 ln=5のとき〕 UCL=X十A2R=104十0.58x33=(104ート 19.14) =123.14キ123 LCLニX-A:lRニ104-0.58 x 33 =84.86+85 R管理図 UCL=D4R=2.11X33=69.6当70 LCLニD3R=一一一 X27.4=一一一一 この値をグラフに取ってみると一応範囲内にあ るから正常な分散をしていると云える.

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X-

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管理図のこの傾向は前の作業別評価のと ころで平均を取ってみてもよくわかる.すなわ ち,正確度が土10%内にある確率が47%と半分 に過ぎず, 3%あまく評価している.又,図6の 観測レートと正しいレートのグラフを集計した グラフにおいてもよくわかることである.

3

-

3

.

マンデルのレイティングフィルム訓練の結果と 考察 1. レイティング分析計算結果の検討 ③ 作業別分類による検討 1) カートン包みのラベノレ取り カートン包みのラベル取り作業では,カー トンがコンベアで流れてくるのを次のコンベ アに送る作業である. 各国の評価平均値Xfは100近くで割合正しい 評価をしており,又,評価値の平均Xfの幅が 広く,且つ平均値Xfの高いものにはほぼ範囲 がRfが大きく,平均値Xfの低いものについ ては範囲Rfが小さく正確に評価がなされてい る。又,観測者別に見ると平均X mは100近く にあるのだが各観測者の測定値の平均X mは 各観測者によって,かなりの差異 (90~1l0) が生じ,又評価が高い者に対しては範囲R m が広くあいまいな評価をし,低い評価者に対 しでは範囲がやや幾分か正確である.異常値 が少なく全体としては少し評価が甘い傾向に ある. (K=0.93) 2) コップの包装作業 コップ。の包装作業はコンベアーで流れてく るコップを 1個づっ一枚の紙に手き、わ良く両 手で包装して所定の場所におく作業である. 各回の評価平均値Xfは100近く評価をして割 合正しい.評価値の平均Xfは 観 測 の 最 初 は 異常値が多いが徐々に評価が平均より低くな ってきていて,又範問Rfは具常値を除くと 低く正確な評価がなされている.又,観測者 別にみるとX mは100近くで良い評価であり, 観測者測定値平均X mも100近 く に あ る の だ が範囲R mは観測者各個人によって,かなり の差呉 OO~70) がある.すなわち,観測者 全員としては正しい評価をしているが各個人 は割合あいまいな評価をしていることにな る.最初の数回ζl異常値があるが全体として は少し高い評価をしている (K=l目05) 3) タンクヘッドのプレス作業 タンクヘッドのプレス作業は 1個のタンクヘ ッドをプレスの上に設置し,プレスをかけ所 定の場所にプレスしたものを鼠く作業であ る. 各自の評価平均値Xfは100近くで割合正しい 評価をしている.評価値の平均Xfは 最 初 の 数回と終りの数回が幅広く変化しているが中 聞は安定している.又,範囲 Rfは数回を除 くとほぼ一定の値を示しているが全体的に値 が高く (Rfニ 40.0)あいまいな評価である. 観測者別にみるとX mはBが少し高いが他の 観測者はほぼ100~C:近い良い評価をしてい る.範囲R mは(平均Rm=46.7)全 体 的l乙 高く,各個人においてもかなりの差異 (30~ 70)があり,あいまいな評価がめだっ.異常 値が少し観測中l己表われているが全体として は少し高すぎる評価である (K=1.23) . 4) ソーセージのくくり作業 ソーセージのくくりは机の上K量かれたソー セージを作業者の前に持ってきて,両手で糸 でソーセージを縛って,所定の場所に置く作 業である. 各回の評価平均値Xfは (97.7)と少し低し、評 価をしている.評価値の平均Xfは 全 回 を 通

(16)

夫 連 木 鈴 市兵衛 lîli~ 文m-RmrrflJ!l-.:::) B 一一一ー----'"一一一一一 ー一一一一ー一 一一l'CL____t. 一一一 一一一一 4~ 8 一一 工 Xf-Rf

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7

(17)

作業評価の訓練に対する諸問題 179 じて各国毎IC著しい変化をしている (78~ 114)が終りの数回は平均値に近づいてきて いるし,又範囲Rfも全般的に高く (Rf=35) なっているが後半になって順々に安定してき ている.だから,もう数回観測したら正しい 評価が期待できた. 又,観測者別にみると支mはGが少し高いが 他の観測者はほぼ低い評価であり,全体的に Xm=97Jと少し低い.又,範囲R mは全般 的に高く (Rm=51.0)あいまいな評価をし ている.異常値は観測中聞に多いが全体とし ては少し低すぎる傾向である. (K=0.90) 5) 多軸孔あけ作業 多軸孔あけ作業は工作物を孔あけ機に設置し て,数本のドリノレにより工作物に孔をあけ, 加工されたものを所定の場所に置く作業であ る. 各国の評価平均値Xfは105.7と少し高い評価 をしている.観測値の平均Xfは最初数回と 終り数回が著しい変化をしているが中間の幾 回かはほぼ安定していて正しい評価へと近づ いてきている.又,範囲は平均Rf= 36.1と 全般的に高く,特lζ9回自には異常値を含ん でいるが (Rf=84), 8回自にはかなり良い 評価 (Rf= 17) とある.又,観測者別にみ るとXm=107.0と全般的に高い評価である, 範囲R mも全般的に高く (Rm=57.3) あい まいな評価である.異常値は最初と最後に少 しづつあるが全体としては高い評価である. (K=1.25) ③ 評価の正確を期するために多像式フィJレム(1)(2) と評価用フィルム(1)(2)を同一内容の作業内容と した場合と多像式フィルムと違った評価用フィ ルム(3)(4)(5)の場合との比較検討をする. (1) Xf-Rf管理図(図7(1)(2)(3)} a) Xf管理図をみるとXfが多像式フィルムと 評価用フィJレムが同一作業内容は)(2)の作業が ほぼ同一値を示しているのに対し, (3)(4)(5)の 評価用フィルムでは全作業が違った値を示 し,且つかなりの差異を生じている,又,正 確を見るために全回数の内 100::!::10以内に入 ノった評価回数を考える. 0 多像式と評価用が同一内容の ー 作業のレイティングフィルムの正確さ 100土10以内の評価回数_15 一 一一←ー=0.75 全評価回数 (=Xf) 20 0 評価用フィJレムだけの場合の ー レイテイングフィルムの正確さー 1坦主担盟Ô_g:l~J酉盟主空= !~ =0.63 全評価回数 30 すると評価用フィルムだけの(3)(4)(5)は如何に あいまいな評価をしているか,又,多像式と 評価用が同ーの作業内容の場合のフィルムは 作業を如何に正確に評価させているかと云う ことがよくわかる. b) Rf管理図も又, Rfは(1)(2)の作業がほぼ同 -値近くを示しているが, (3)(4)(5)の全作業が 違った値を示し,かなりの差異を生じてい る.又,全体的に(1)(2)の作業より10%も高く あいまいさが増している. 個別的に見ると(1)(2)の作業ではRfの値が最初 の間,著しく変化をしているが,途中から終 りにかけては評価の習熟もあり,範囲Rfも段 々少なくなり正確さが増している.一方,

(

3

)

(4)(5)の作業は各作業によって該価の習熟度に も差が見られ,さまざまの異常値が発生して いる.且つ一度決めた標準と云うものにも確 信が少く.よく標準が決まらず,あいまいな 評価をしている. (2) Xm-Rm管理図(図7(1)(2)(3)) a) X m管理図を見ると(1)(2)のフィルムではX mの値がほぼ一定の値であり,又, (1)(2)両作 業の観測者の個人別の該価が(1)(2)とも近い値 を示している.(3)(4)(5)のフィルムではX mの 値にかなりの差異が見られ,観測者の個人別 評価のIJljが広く標準がまちまちである. Xf-Rf管理図の場合と同様正確さを調べて見る と(1)(2)のフィJレムの1.001と対し(3)(4)(5)のフィ ルムは0.8'7とやはり(1)(2)のフィルムの方が標 準が観測者にとって求め易いととを示してい る. b) R m管理図を見るとR mの値が(3)(4)(5)のフ イルムでは(1)(2)のフィルムより10%程度近 く,全般的にあいまいな評価をしている. 又,個別の値 (Rm)をとってみても(1)(2)の フィルムでは全般的に低く,且つ,中には割 合正確な評価をしている観測者もいるが(3)(4) (5)のフィルムでは全員全般的に高く (30以上 〕相当あいまいな評価をしている. に

) K

の値についての検討. (図的 Kは観測者全員の評価値lて対する真の値からの ズレの係数である.(1)(2)のフィルムで評価して いる時は+0.10の範囲にあり,やや正確であっ

(18)

180 工 藤 市 兵 衛 鈴 木 達 夫 140 Xf -Rf 管理図 Xm-Rm管理図 140 130 130 UCL D 120 110 100 (5) 90 多 80 軸 子L あ 100 It 作 叩 業 80 70 60 50 B = = /'片、¥ Xf Xlll

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90 10 80

A L F し H U 100 Rm 90 80 70 60 50 40 30 20 LCL一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 10 10 一一一一ー一一一一ー一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一LCL 図 7 各作業のXf-Rf管理図とXm-R血管理図 (3) た,しかし(3)(4)(5)のフィルムは土0.30の範囲に あり,真の{直と大きくズレてしまった. 文,

(

1

)

(

2

)

のフィノレムの真の値より,高く評価し ている. (2)はほぼ近いkの値を示し, (3)(5)のフィルムも ほぼ近い Kの値を示している.そして(2)の作業 と(3)(5凶作業とではほぼ0.15の格差が見られる が真の値より低く評価した(1)(4)ではあまり格差 が見られない.すなわち,多像式レイティング フィノレムと同ーの評価用フィJレムの場合は正確 さが増すが真の値より低い評価の場合はあまり 作用せず,真の値より高い評価作業に役立つこ の範囲も割合多像式フィルムと同一作業でない 評価用フィノレムと比べると幅が狭く正確な評価 ができる.評価用フィルムだけで評価させると ( )の数字は作業許弓 1.30 K (3) (5)

1

2

0

。〉 とがオコかる. ⑨ 以上の考察をまとめて見ると,多像式フィjレム と同一作業の評価問フィルムを使用すると各観 測者とも平均して真の値に近い速度標準を各自 設けて評何することができる固よって,評価値

(

4

)

8

kの値 0.80

(19)

作業評価の訓練に対する諸問題 181 各観測者lとより,又,各作業により,速度標準 がまちまちであり,又,同じ作業を10回続けて 評価しでも標準速度が定まりにくく不安定であ った.よって,各自の評価値の範囲も観測者に より,かなりの差異が生じ,全体としてあいま いな評価となる園

4

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作業評価の問題点 3積の訓練結果から考察を論述してきたが,次に乙れ らの結果からの企業に適応する場合の作業評価の問題 点について上げることにする. ⑧ 観測者による場合 観測者も人間である以!と,評価をする場合に社 会的,心理的要求又は,主観的,観念的な見方 lとより適切な評価がなされない場合もある.社 会的要求lとより適切な評価がなせないのは,た とえば観測者が常に能率評定l乙重点、を置いて作 業を評価したり,原価の低減について,いつも 材料の歩留率の低い作業や予算の障害となる作 業について,経済的な方法を考えていたり,全 社的ζ他の工程のネックになる作業の改善を求l められていて,評価に極度に意識する場合や, 品質の劣悪な製品をよく生産する作業について 他の要因を考慮せずに評価した場合に実際と違 った値を評価する乙とがある.又,主観から, 観念的な見方にあるものとしては,製造畳の多 い作業,又はー単位当りの作業所要時間の短か いものについて生産体制がスムーズに流れてい たり又,機械設備について稼動率等について十 分認識せずに機械が生産体制に組み込まれてい るから,経済的,能率的,合理的な最善の方法 であると信じ,実際と違った評価をする傾向で ある. (特にコンベア一生産方式の場合)又, 作業者が熟練者であるとか,高給者であると か,高年齢者であるとか,欠勤率が低い者とか いった場合,作業者の作業を見ず,そういった 事柄によって判断することがあり,実際と追っ た評価がなされる.よって,そのためには,人 まずいつも観測者は常に機械設備,原価管理, 間工学,産業心理学その他,広く知識を身につ け,企業の方針に沿って,経営者の意見を取り 入れ,作業者の意見をフィードパックし,両者 の中間的立場に立って偏見を拾て,新たな公正 な自でもって作業を評価すべきである. ⑧ 対 象 作 業 に よ る 場 合 作業評価をする場合には,その目的が企業の生 産設計,作業,能率管理,原何管理,職務評価 のどれに向けられているのかによって対象作 業が異ってくる.もし適切な作業を選ばなかっ たら,単に評価は評価にとどまり,改善の資料 にもならず時間の浪費と経済的ムダになるーだ から,企業の運営を考え.目的に適合した作業 を評価する必要がある.たとえば,生産設計の 対象作業は評価し研究して効果が上がると考え られる作業,生産量の多い作業,工程のネック となり,他の工程にも悪影響を与えている作 業,熟練を要する作業である. 。 観 測 方 法 に よ る 場 合

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結 観測方法lとより違った評価をすることもある. 評価作業が多数の場合,回りの環境により,前 の作業の印象が深く残りそれを標準にして以後 評価したり,適切でない観測時間に評価すると 疲労,緊張等の生理条件により,両者の速度感 が異ってくる場合や,作業者に緊張を与えるよ うな方法で評価したり,評価水準があいまいな ものであったりする場合には実際と幾分か追っ た評価となる.よって,そのためには綿密な作 業評価計画が必要となる. 国 以上,作業評価の訓練として,モデノレ作業の訓練, JMAレイティングフィルムの訓練,マンデJレのレイテ イングフィルムの訓練の3種について,結果と考察をと 乙ろみたのであるが,企業における作業評価について, 現実への適応は中小企業の場合は時間的,経済的にいっ て,標準時間を決めたりする余裕がないのが現実であ る.又,ほとんどの企業が大企業の下請け的存在にて生 産をしている関係上,大企業の状況により,好景気の時 には能率よく,又,不景気の時にはゆっくりと生産し,企 業を維持して行く状態にある,よって,経営者は大企業 の受注通り生産することを指示し,従業員はその通り生 産し,普通は暗黙のうちに標準時間を決めている.大企 業の場合においてもあらゆる面が研究されているから工 場等では標準時間が決められている.しかし,大中小企 業を問わず,作業評価をするような作業は機械にまかせ た方が正確,高速,経済的便利であり,現実省力化が進 みつつあるが,その反面,作業者の単調作業はむしろ, 複雑化し,逆に増つつあるところに作業評価のむつかし さがある.作業評価は人間関係,人間工学,産業心理学 等の分野の開発により,それ以上に人間自体の重視され る方向へと研究が進められるべきであると考える. 最後にこの作業訓練の実験に協力された本学経営エ学 科3年生の学生に厚く深謝の意を表するとともに, 中で も北浦太加徳君lと厚く御礼申し上げる

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182 工 藤 市 兵 衛 鈴 木 達 夫

参 考 文 献

(1) Marvin E. Ml1nd巴1,“Motionand Time Stl1dy

principles and practice" Third Edition,

山内二郎監訳、動作・時間研究の理論と実際ミ紀伊 国書庖 P459参照 (2) インタやストリアノレ・エンジニアリング Vol.10No目2 1968 P42 (3) 日木能率協会レイティング研究会企画製作

M AレイテイングフィJレム使用解説書ミ 日本能率協会

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The Ml1ndel Time Stl1dy Rating Practice

Films使用解説書 日本能率協会 (5) インタやストリアノレ・エンジニアリング 1962 No,5 P439 (6) インタゃストリアJレ@エンジニアリング 1964 No,3 P241 (7) か 1964 No,4 P355 (8) 工藤,鈴木、標準時聞における評定に関する研究、 第1報 愛 工 大 研 究 報 告 No,3 1967 Pl71

表 1 0 から,わかる乙とはまず正確度の高い作業(j̲ 1 0   %~とある確率が80%~60% の作業〕はレイティングが あまい,からいにかかわらず,且つ又,その比率が低 い.そして,この傾向は極端のレイティングをした方 にわずかに多い.又,作業の内容を調べてみると複雑 な作業が多く,フィルムに撮影されているが体の上半 身,又は全身が多いことがわかる園すなわち,手先の 仕事であっても全体の動きを見る方が正確なレイテイ ングができることを示している

参照

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