鳥取低平地 における衛星画像 の土地被覆分類
藤 村
尚・池添
保雄 。西村
土木工学科
強・木 山
英郎
Land Cover ClassincatiOn of Satellite lmages in Tottori Low Flatland
Hisashi FUJIMURA,Yasuo IKEZOE,Tsuyoshi NISHIMURA and Hideo
KIYAMA
Departinent of Civil Engineering,Faculty ofEngineering
Tottori University,Tottori,680,Japan
E…mail i fuiimura@CV tOtto五―
u.ac.jpAbstract i ln order to classify thc carth surface materials by using Satcllite image data,heir indi革 dual spcctral reaectance characteristics should be identified. This study aims to obtain the spcctral renectance curves of individual surface materials,that is,water arca,Breen area,artificiality arca,naked land area,coastal aeld area , rice field area in Tottori city Every surface material 、vas categorizcd by means of the decision tree classiflcation lnethod and neural network
Key words:Satcllitc image,Spectral rcaectance,Surtace inatcrial,Decision tree classification,Ncural network
1.は
じめ に 土地 被覆分類 は リモ ー トセ ンシ ングの陸 地 へ の応用 と して は最 も典型 的 な ものの1つ
で あ る、分 類 法 と して は,TMl∼
5,7の
バ ン ド の輝 度 値 特 性 か ら,各
分類 項 目の特 徴 をつ か む こ とに よ り分 類 す る方 法 や,バ
ン ド間四則 演 算 を行 う こ とで,各
分類項 目の反 射 強度 の 差 を求 め輝 度値 の特 徴 を よ り強調 す る こ とで 分類 を行 う方 法 な どが あ る、 また,最
尤法 や 最短 距離 法 な どの統 計 的手 法 を適 用す る分 類 法 もあ る、本 研 究 で は,鳥
取 砂 丘 にお け る衛 星画像 に ツ リー型 分 類 法 とニ ュー ラル ネ ッ ト ワー ク法 の2方
法 を用 いて,土
地 被覆 分類 を 行 った、両方 法 に に よ る画像 解 析 結 果 につ い て,比
較・ 検 討 す る.2.分
類法 の概 要 [1]2.1ツ
リー型 分類 法 画像 分類 手法 は大 き く,教
師付 き分類 法 と 教 師無 し分類法 に分 け られ る.教
師付 き分 類 図1
判 別 順 序法 とは
,各
分 類 項 目 ご とに教 師 デ ー タ を選 び,そ
の統 計 的 特徴 に基 づ い て未 知 のデ ー タ を分 類 す る も の で あ る.教
師 無 し分 類 法 とは, 分 類 す べ きデ ー タ群 (画像)に
お い て 似 た も の 同 士 の集 ま り (ク ラ ス タ)に
区分 して ゆ く 方 法 で,ク
ラス タ分 析 あ るい は ク ラ ス タ リン グ と呼 ばれ て い る。 ツ ジー型 分 類 法 は,教
師 付 き分 類 法 の 中 の1つ
の 手 法 で あ る。 ツ ジー型 分 類 法 とは,階
層 的 な判 別 手 順 で 分 類 を進 め, 1つ
あ るい は複 数 の変 数 (バ ン ドあ るい は何 らか の処 理 を行 っ た結 果 のデ ー タ)ご
とにデ ー タ を樹 状 に次 々 と分 割 して ゆ く方 法 で あ る,各
節 点 で用 い られ る変 数 お よ び境 界 の選 択 は,何
らか の分 離 の尺 度 が 最 適 とな る よ うに決 め て お く必 要 が あ る。 この 手 順 の組 み 立 て に よ っ て は,あ
る必 要 な 情 報 に つ い て 特別 に細 か く分 類 で き,ま
た 画 像 デ ー タ以 外 も分 類 基 準 に組 み 入 れ る こ とが 可 能 で あ る。ツ リー型 分 類 法 の 一 例 を 図.1に示 した 。 こ こで は,本
研 究 で の解 析 の 手 順 とそ の 内 容 につ い て 述 べ る 。(1)分
類 項 目 今 回 の 土 地被 覆 分 類 で は,水
域 。植 生 。砂 系 裸 地・田画・畑 。人 工 物 の7分
類 と した 。(2)教
師 デ ー タ の サ ン プ リ ン グ と選 定 教 師 デ ー タ の サ ン プ リン グ方 法 は,パ
ソ コ ン のCRT上
に合 成 フル カ ラー 画 像 を表 示 させ, そ の画 像 と国 土 地 理 院 発 行 の地 形 図 とを比 較 し,明
らか に そ の分 類 で あ る と思 わ れ る地 域 を各 分 類 にお い て,4地
域 サ ン プ リン グす る。 ま た,上
記 の 方 法 で サ ン プ リン グ位 置 を変 え て2つ
のパ タ ー ン の教 師位 置 をサ ン プ リン グ した 。 それ ぞ れ を教 師パ タ ー ンA,Bと
す る。(3)し
き い 値 の 決 定 しきい 値 に は,ス
ペ ク トル 値 そ の ものや, ス ペ ク トル 値 か ら算 出 され るNDVIな
どの 指 標 を用 い る こ とが あ る。 本 研 究 で は,サ
ン プ リン グ した 画 素 のTMl∼
5,7バ ン ドの スペ ク トル 値 の 平 均 値 と標 準 偏 差 を用 い た 次 式 を 用 い た 。 しきい 値=平
均 値 士標 準 偏 差(4)各
分 類 に お け る使 用 バ ン ドの 決 定 土 地 被 覆 分 類 にお い て,各
分 類 の 判 別 条 件 と して,TMの
1∼5,7のす べ て のバ ン ドを使 用 した 結 果 を 図,4に示 す 。同 図 に よ る と,1
分 類 につ い て6つ
の バ ン ドを全 て使 用 す る と どの分 類 に も属 さな い , ヽわ ゆ る未 判 別 の 部 分 が 非 常 に多 い 。 そ こで6つ
全 て を一 度 に使 用 す る の で は な く, 1つ
の分 類 項 目につ 40 80 120 160 図.2各
分 類 の し きい値 幅 (教師 位 置 パ タ ー ンB)
BAND l
→ 期 ← 睡 種 巡 駆 飢BAND 2
古畦
扁
BAND]
塾埋
辿
騨 “︲
砂系標なBAND 4
4 ― tt 4 4BAND i
4
―│
BAND 7
水域 ←_二植生 _エ ― ← ⊥菫_Ⅲ り糸家地 _ 輝 度 値鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 28巻 い て
1∼ 3つ
のバ ン ドを使 用 した. こ こで は,各
分 類 ご との判 別 に最 も適 して い る と思 わ れ るバ ン ドを以 下 に述 べ る方 法 で 選 定 した 。 まず,(3)で
決 定 した各 分 類 に お け る各 バ ン ド(TMl∼
5,7バ
ン ド)に
占 め るス ペ ク トル 値 の しき い値 の 幅 を,図
.2の様 な形 で 表 す 。次 に こ の 図 か ら,あ
るバ ン ドに お い て あ る分 類 項 目の しきい 値 幅 が他 の分 類 項 目か ら完 全 に独 立 して い る,ま
た は で き る だ け重 な り合 っ て い な い 部 分 を見 つ け 出す 。1分
類 につ い て この よ うに,で
き るだ け独 立 して い る しきい 値 幅 を持 っ て い るバ ン ドを1 ∼3つ
選 ぶ 。1つ
の分 類 項 目につ い て い くつ のバ ン ドを選 ぶ か は,(5)の
判 別 順 序 と も 関係 がす るが,独
立 して い る しきい 値 幅 を多 く持 つ て い る分 類 項 目につ い て は, 1つ
の バ ン ドで よい が,重
な っ て い る部 分 が 多 い 場 合 に,試
行 錯 誤 を繰 り返 して2,3バ
ン ドに ま で しば り込 む こ とにす る 。 今 回使 用 した 各 分 類 項 目にお け る使 用 バ ン ドを表.1に示 す 。 表.1
使 用 バ ン ド (教 師 位 置 パ タ ー ンB)
(5)判
別 順 序 の 決 定 判 別 順 序 の決 定 は,(4)と
の 関連 性 が 大 き く,繰
返 して解 析 を行 う必 要 が あ るが,水
域 ・ 砂 系 裸 地・ 植 生 の3つ
の分 類 項 目につ い て は 特徴 的 な ス ペ ク トル 特 性 を持 っ て お リサ ンプ リングも比較 的簡 単 で あ るた めに,ま
ず この3つ
の分類項 目を判別 し,そ
の後 に残 り の分類項 目を判別 す るのが 良い 。解析 の結果, 今 回適 用 した判別 順 序 を図.1に 示 す 。2.2ニ
ュ ー ラル ネ ッ トワー ク 法 に よ る 分 類[2] 人 間 の脳 は プ ロ グ ラム を しな くて も,様
々 な仕 事 を こ なす 。 ま た,経
験 を積 み 学 習 を行 うこ とに よ り,次
第 に 間違 い を起 さな くな る. ニ ュ ー ラル ネ ッ トとは,こ
の脳 神 経 系 の仕 組 。機 能 の1部
分 を コ ン ピ ュー タ上 で 現 実 さ せ よ うとす る も の で あ る.ニ
ュー ラル ネ ッ ト ワー ク は,優
れ た判 断 機 能 や パ ター ン学 習 ・ 認 識 機 能 が 特 徴 で あ り,数
式 化 が 困難 な非 線 形 モ デ ル の 問題 に対 して 多 くの分 野 で適 用 さ れ て い る。 この 方 法 も,教師 付 き分 類 法 の1つ
で あ る。 ニ ュー ラル ネ ッ トワー ク法 は,教
師 デ ー タ を 階 層 型 ニ ュー ラル ネ ッ トワー ク に 学 習 させ る こ とで 画 像 の分 類 を試 み る こ とで あ る.ニ
ュ ー ロ ン (神経 細 胞)を
モ デ ル 化 した も の を基 に,階
唇 型 ニ ュー ラル ネ ッ トワー ク を作 る. 図.3は ラ ン ドサ ッ トのTMの
6つ
のバ ン ドか らな る教 師デ ー タ を ニ ュー ラル ネ ッ トに 学 習 させ た 場 合 のネ ッ トワー ク構 成 の例 で あ る 。 各 入 力 に対 して は必 ず 教 師 信 号 をつ け て,そ
の教 師信 号 は入 カ デ ー タ の分 類 項 目に対 す る 出力 層 の ニ ュー ロ ン の み が1で
,そ
の他 の ニ ュー ロ ン は0と す る。 そ のネ ッ トワー ク に教 師 デ ー タ を 学 習 させ る こ とで,教
師デ ー タ 以 外 の画 素 につ い て も分 類 す る こ とが 可 能 とな る。 こ こで は 、解 析 の 手順 とそ の 内容 に つ い て 述 べ る。 教 師 信 号 入 力 層 中間 層 出 力層 -1 -1-〕
― 〕
― 〕
― 〕
一 〕
図.3ニ ュー ラル ネ ッ トワー ク法 を 用 い た土地被 覆 分類 の例 沿 岸 n V A V A w w n v A v A w v l l 人 工 n V n V A Il w n u A v l l A = v 畑 田 圃 裸 地 植 生 水 域 半暢叫条r/FNo 使 用 バ ン ド ① (水城) band 5 ② (砂系裸地) band 3 ③ (植生) band l . band 3 ④ (田圃) band 5 , band 7 ⑤ (畑) band l , band 3 ⑥ (人工物) band 4 . band 5 ⑦ (沿岸) band 6 以外 すべ て用 い る(1)分
類 項 目 ツ ジー型分類 法 と同様 に,水
域 。植 生・ 砂 系裸 地・ 田画・ 畑 。人 工物・ 沿岸 の7分
類 と す る。(2)教
師 デ ー タ の サ ン プ リ ン グ と選 定 ツ リー型 分 類 法 と同様 の方 法 ほ ぼ 同位 置 で サ ン プ リン グす る.但
し,今
回 は1地
域 に つ い て,約
(6ピ
クセ ル)X(6ラ
イ ン)=3
6画
素 をサ ン プ リン グす る.(3)ネ
ッ トワ ー ク の 構 造 の 決 定 階 層 型 ニ ュー ラル ネ ッ トワー ク で は,ネ
ッ トワー ク の層 数 や 各 層 の細 胞 数 をい くつ にす る の か を決 め な くて は な らな い 。 土 地 被 覆 分 類 にお い て は,入
力 層 と出力 層 は使 用 バ ン ドの数 及 び 分 類 す べ く設 定 した 分 類 項 目数 に よ り決 定 す る。 ゆ え に,今
回 の 場 合 入 力 層 の細 胞 数 はTMの
バ ン ド 1∼5,7の
6個
,出
力 層 の細 胞 数 は分 類 項 目数 の7個
と な る。 しか し,中
間 層 の層 数 や 細 胞 数 を どの よ うに設 定 す るべ き か は,理
論 的 に も 明確 で は な い 。 そ こで 今 回 は,最
も基 本 的 な 中 間 層 が1つ
の3階
層 型 のネ ッ トワー ク と し,中
間 層 の細 胞 数 は30個
とす る。(4)学
習 学 習 アル ゴ リズ ム と して は,バ
ック プ ロバ ケ ー シ ョン (誤差 逆 伝 播 学 習)を
用 い た 。 こ れ は各 細 胞 相 互 の結 合 強 度,す
な わ ち荷 重 と しきい値 を変 化 させ る こ とに よ っ て 学 習 をお こ な う。 つ ま り,入
力 層 よ り入 力 され た信 号 は 中 間層,出
力 層 へ と前 向 き に伝 播 され,出
力 層 か らの 出力 信 号 と入 力 信 号 に対 応 した 教 師信 号 との誤 差2乗
和 が 最 小 とな る よ うに各 層 間 の結 合 強 度 を修 正 す る こ とに よ っ て 学 習 す る法 則 で あ る。 今 回 は,学
習 デ ー タ と して サ ン プ リン グ し た デ ー タ を そ の ま ま用 い た もの と,平
均 化 し た もの の2つ
のデ ー タ を用 い た 。 ま た,学
習 の 際用 い た係 数 は表 。2に
表 す 。 表 。2
パ ラ メー タ値 (係数) パ ラメー タ値 (係数) 過 去 の 重 み (α ) 0.8 学 習 速 度 (β ) 02 温 度(T)
1.0 打 ち切 り誤 差 0.1(5)解
析 対 象 地 の 判 別 学 習 させ た ニ ュー ラル ネ トワー ク を企 画 素(204800画
素)に
適 用 して 判 別 をお こ な う。(6)出
カ デ ー タ の 処 理 各 画 素 の 出力 値 は,各
分 類 にお い て0∼
1 ま で の 間 で 表 され る.こ
の 内,最
も1に
近 い 値 を取 つ た 分 類 項 目をそ の画 素 の分 類 とす る。3.各
分 類 法 の結 果 お よび 考 察(1)ツ
リー 型 分 類 法 の 結 果 お よ び 考 察TMl∼
5,7バ
ン ドす べ て を1分
類 に つ い て 用 い る 方 法[3]で行 っ た 分 類 結 果 を 図.4に
示 す 。 ま た, 2∼ 3バ
ン ドを用 い て行 った分 類 結 果 を 図 .5,6に 示 す 。 図 か ら,少
な い バ ン ドで行 っ た 分 類 結 果 が, 未 判 別 点 が 少 な く,ま
た 分 類 結 果 も比 較 的 良 好 で あ る。 特 に,教
師 パ タ ー ンBの
場 合 に つ い て この こ とが 顕 著 に表 れ てい る。 これ は, 教 師 パ タ ー ンBの
しき い値 幅 が 教 師 パ タ ー ンAの
しきい 値 幅 と比 較 して,各
分 類 項 目に お い て 全 体 的 に狭 くな っ て い るた め で あ る. この よ うに,全
バ ン ドを使 用 した 方 法 で は 教 師 デ ー タ の サ ン プ リン グ位 置 に よ り分 類 結 果 に大 き な 違 い が表 れ るが, 2∼
3バ
ン ドを 使 用 した 方 法 を用 い る こ とに よ つ て,比
較 的 良好 で 安 定 した分 頚 結 果 が 得 られ る。(2)ニ
ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク 法 の 結 果 お よ び 考 察鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 28巻 図
4各
分類 の判別条件 と して全バ ン ドを用いた 分類 (教師位置パター ンA)
図.5各分 類 の 判 別 条 件 と して 1∼3つ
の バ ン ドを用いた分類 (教 師位置パ ター ンA)
図6各
分 類 の判 別 条 件 と して 1∼3つ
のバ ン ドを用いた分類 (教師位置パター ンB)
図7ニ
ューラルネ ッ トワーク法 による分類 (生デ ータ)(教
師位置パター ンA)
図.8ニユーラルネ ッ トワー ク法 による分類 (平均 化データ)(教
師位置パター ンA)
図8ニ
ユー ラルネ ッ トワー ク法 に よる分類 (平均 化デー タ)(教
師位 置パ ター ンB)
サ ン プ リン グ した デ ー タ を