香川生物(ぬgawaSeibutu)(28):27−28,2001
香川県山本町におけるフクロウぶfr玩〟rαJe乃∫i∫のペリット分析
野 口 和 恵
〒760−8522 高松市率町卜1香川大学大学院教育学研究科生物学教室吉 村 正 則
〒763−0013 丸亀市城東町3−3−1労働福祉事業団香川労災病院薬剤部TheanalysisofthepelletintheUra10wIStrixuralensis,
COllectedfromYamamoto−Cho,KagawaPrefecture.
KazueNoguc姉βわわgわα化αム♂′αわr外fb∫喀′α血αおC♂〟′ぶち助g〟ルⅥ乙わ涙′∫わ) 7bね椚α出〟乃0−β・522ノ呼肌 MasanoriYoshimura,Dq,artmentqfPhaYmaCy,KagawaRosaiHo5PitaL 肋川g(‡∽e乃ゴー仇〃・ろノ呼肌 骨格標本と比較して,体サイズから以下の3つ に分けた。スズメ大,キジバト大,およびキジ バト以上である。昆虫類の種を残っていた頭部, および上麹から同定した。種ごと(鳥の場合は サイズごと)に骨格の各部位を合計して,最大 数をその動物の個体数とした。 ペリットに含まれていた動物は,噛乳綱薔歯 目アカネズミ4p¢ゐ肌〟5甲eCわ5叫アカネズミ属Apode〝Z〟5Sp.,カヤネズミ〟∼c′叩γ5∽血加,ク
マネズミ月α肋5用肋5,食虫目ヒミズひ/0かねん〟5 ね少〃血,モグラ属1種〟聯′〟Sp,′,鳥綱(種不明),および昆虫綱鞘竣目クロコガネ属
仇血′′ね旭s仲,および不明種2種であり,それ ぞれの個体数を表1に示す。 今回のペリット内容物には,坂出市の調査で は見られなかったカヤネズミやヒミズ,および モグラ属が,含まれていた(森井・塩入,1996)。 ここで山本町と坂出市とでは,山里と市街地と いう環境の違いがある。山本町の方が多様な生 日本におけるフクロウ∫か加〟′〝ね乃∫わの食性研 究には,今泉(1968),松岡(1977),米田他(1979), および森井・塩入(1996)などがある。そのう ち香川県での調査は著者が知る限り,森井・塩 入(1996)のみである。今回,フクロウの営巣 調査の際にべリットを採集した。そこで香川県 におけるフクロウの食性研究の一・端として,ペ リット内容物を報告する。 フクロウの営巣は香川県三豊郡山本町の竹 林内にあり,営巣周辺の木の下や食痕の下等で ペリットを発見した。採集日は2000年4月16日,5月3日,および5月7日で,個数は11個であ
る。持ち帰ったペリットをシャーレ内でくずし, 骨格と毛・羽毛に分けた。哺乳類の種を上顎骨, 下顎骨から同定した(阿部ほか,1994)。頭骨が なかったものについては,上腕骨や大腿骨,脛 骨,寛骨などを骨格標本と比較して屈まで求め た。鳥類の頭骨は残っておらず,種を同定でき なかった。鳥類の上腕骨,尺骨,および敢骨を ー 27 −OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
表1..山本町におけるフクロウのペリット内容物一種類と個体数. 綱 目 種 ヒミズ モグラ属 アカネズミ アカネズミ属 カヤネズミ クマネズミ 314112 【ル助血転用ゆ血血 肋gぞrαSp 4pode朋〟5甲eCわ∫〟5 4pode椚〟ぶSp 〟言c′0叩y5刑∼〃〟血5 月αf肋5/αJ血5 哺乳綱 スズメ大* 不 明 キジバト大* キジバト以上* 鳥 綱 クロコガネ属 鞘麹目 不明 不明 月bね〝女戒ねspp・ 昆虫綱 *:鳥類の種は不明一体サイズで分けたもの 物相を有して−いると推測でき,それがフクロウ の餌内容物に反映したと考えられる。しかし, 今回の報告は事例の記載にとどまる。 謝 辞 今回の報告にあたり,瀬戸内むしの会の三木 武司氏には昆虫の同定をしていただき,心から 御礼申し上げる。また,論文作成にあたって御 指導いただいた香川大学教育学部生物学教室 金子之史教授に感謝の意を表する。