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富有カキ果実の発育ならびに品質に及ぼす温度条件に関する研究-香川大学学術情報リポジトリ

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官有カキ果実の発育ならびに品質に及ぼす

温度条件に関する研究

中 傭 利 明

STUDIES ON THE EFFECTS OF THERMAl.

CONDITIONS ON THE GROWTH AND

QUALITY OF FRUITS OF FUYU KAKI

ToshiakiCHtけ0

日 次 緒 竃 第1率 萌芽,開花および結実に及ぼす温度の影響 第1節 萌芽,開花および結実に及ぼす影響 第2節 萌芽前からの加温が果実の肥大生長在らびに品質に及ぼす影層 第3節 考 察 第4節 摘 要 第2帝 果実発育期における温度が果実の肥大生長ならびに品質に及ぼす影響 第1節 発育第Ⅰ期の温度の影響 第2節 発育第ⅠⅠ期の温度の影響 第1項 夜温の影響 第2項 昼夜の恒温の影響 第3項 昼夜の変温の影響 第3節 発育第ⅠⅠⅠ期の温度の影響 第1項 夜温の影響 第2項 昼夜の変温の影響 第4節 果実の糖画分への14cのとり込みに及ぼす温度の影響 第5節 考 察 第6節 摘 要 第3苛 果実の脱渋に及ぼす温度の影響 第1節 発育第Ⅰ期の温度の影響 第2節 発育第トⅠⅠ期の温度の影響 第3節 考 察 第4節 摘 要 第4牽 果皮の着色に及ぼす温度の影響 第1節 発育第ⅠⅠⅠ期の温度が果皮の発色発現に及ぼす影響 第2節 発育第ⅠⅠⅠ期における採取果の果皮の朱色発現に及ぼす温度の影響 第1項 笛 宥 第2項 紅衣紋および荷頃子成場 第3節 産地を異にする果実の潜色および品質 第4節 考 察 第5節 摘 要 第5草 ビニール被覆加温栽培による果実の早期出荷 第1節 大型コンクリートポット植栽樹における実験 1 1 2 4 6 6 7 7 12 12 13 15 18 18 22 25 27 29 29 30 31 36 37 38 38 39 39 42 45 47 49 49 50

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第2節 成木園におけるビニール被覆加温栽培 第3節 考 察 第4節 摘 要 絵描要 文 献 英文摘要 53 56 57 58 59 62

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−1−− 緒 東洋原産のカキのわが国における栽培分布をみると,北は青森から南は鹿児島にまでおよんでいるが,その中 の甘ガキについてみると,その栽培北限は表日本では宮城県,英日本では山形県で,この両県でも海岸に近い気 温の高い−・部の地域に限られている. 一・般に,甘ガキは渋ガキに比べて,樹体の耐寒性,果実の脱渋の難易などの点から風土に対する適応範囲が狭 い2、7)‖ とくに,その経済栽培の適地となると,関束以南の地域で,主産地は漑戸内型および東日本型の黒潮の影 響を受けた海洋性気候で,四季を通じて比較的温和を気候地域に属している84)− カキの生産盈は第53次農林統計によると,264,100tで,甘ガキが54い7%を占めているが,その中でも官有は出 荷盈の70%を占めており,現在甘ガキの代表的品種となっている. ところで,富有の優良果の生産の温度条件として,過去の各地での栽培実敷から,年平均気温150C以上,4・− 11月までの在英期間の平均気温170C以上,8−11月の成熟期の平均気温180−190C以上,9,10月の平均気温210− 230Cおよび160C以上を必要とすると言われ19,2る・28・83,略84) ,それよりも低温であると,果実はたとえ着色して成 熟しても,脱渋不十分となって,甘ガキとしての価値を失う場合がある.また,逆に高温であると,果実の着色 が十分でをく,肉質が粗剛となって品質が劣る38,42〉これらのことから,富有の真の適地はかなり限定されるよ ・うである28). 上述のとおり,笛有の優良果の生産には,気温が極めて重要を環境要因であると思われるにも拘らず,その温 度条件に関する研究は他の果樹,すなわち,カンキツ類…い7・略55灘60・81・$8),ブドウ3=0・43・町8),モモ1) ,オウト ウ76),リンゴ77・79)に比べて少ない66)のが現状であり,富有ガキ果実の肥大生・長をらびに品質に及ぼす温度条件 を明らかにすることば,実際栽培上きわめて重要な意義をもつものと考えられる. このようを観点から,筆者はカキ富有桂を用い,その適地選定の基礎資料を得る目的で,果実の発育および品 質に及ぼす温度条件について各種の調査を行い,さらにはこれらの調査成績に基づき実際の応用的栽培をも試み た結果,みるべき,ニ,宣の知見を得たので,ここにその成果を取越めて報告するものである.. 本研究を行うにあたり,終始卸懇篤な御指導を戴いた京都大学名答教授小林草博士ならびに本稿の御校閲を賜 った京都大学教授苫名孝博士に対し,ここに淀んで感謝の意を表するい また,平素から絶えず御指導と激励を戴いた京都府立大学教授傍島善次博士,香川大学農学部教授葦澤正義博 士,同井上宏博士をらびに研究途上に御教示と御援助を戴いた静岡大学戯学部教授細井寅三博士,香川大学農学 部教授樽谷隆之博士,同助教授北川博敏博士および同教授谷利一・博士に対し,深甚の謝意を表する一. なお,成木閲のビニ・−ル被薇加温栽培については綾歌郡綾南町阻 新名一価氏の絶大をる御協力を戴いた.実 験に際しては専攻生各位の協力を得た.記して深謝の意を表する. 第1章 萌芽,開花および結実に及ぼす温度の影響 果樹における春季の萌芽前の気温と,萌芽または開花の早晩との関係を調べた成績は多いが,結果樹を用いて 温度処理を行い,萌芽,開花および結実について調べた成績はブドウ8い40・43,44) および温州ミカン41・4糾7・略55,56)の みで,カキの調査成績は乏しい. そこで,本章ではカキ富有樫の鉢植樹を,萌芽前より環境制御温室内に置き昼夜を通じて恒温条件下においた

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ー 2・− 場合の,萌芽,開花,結実率および果実の肥大,品質におよぽす影響について調査した結果を述べる 第l蔀 萌芽,開花および結実に及ぼす影響 温度の高低と,カキの萌乱 闘花の早晩および結実率との関係について,とくに,概算温度の見地から検討し た. 実験材料および方法 直径30cmの素焼鉢に壌土を用いて植栽した3年生の富有で,よく充実した結果母枝をもった樹を16樹選び, 1973年2月21日から果実の成熟期まで,ファイトトロンの150,200,250および300Cの自然光ガラス室内に各 区とも4樹宛搬入して,昼夜を通じた恒温処理を行った.なお,授粉樹として,禅寺丸を各温度処理室内に1樹 ずつ同日に搬入Lた 温度処理開始時から萌芽までの日数および萌芽から開花までの日数を調べるとともに,各温度処理区における 開花期の中期に各棟から5花ずつ採取して花器の重盈を測定した.その後,各区とも10花を選び,アルミ箔で包 んだデシケ一夕ー中で呼吸畳を測定した. 禅寺丸花粉の発芽率は,開花1日前の菅を採取して,室温で関節させて花粉を採り,0い3moJ.ショ糖添加1% 寒天培地に置床し,20OCで3時間,湿室においた後,1actophenoIcottonblueで固定染色して顕微鏡で調べた. 結実率は,各区とも全樹の開花数を毎日調べるとともに,3樹に禅寺丸の花粉を授扮した人工授粉区および1 樹を放任区として,開花3週間後の結実数を調べた.なお,花器の窓盈,呼吸の調査用に採取した花は,全開花 数から除外した 実験結果 萌芽および開花に要した日数 萌芽および開花に要した日数,100C以上の墳界温度は第1表および第1図のとおりであるい すなわち,萌芽 および萌芽から開花までに要した日数は高温区ほど短かくをり,負の回帰曲線が得られた.同期間の100C以上 の積算温度を見ると,萌芽には800−1000Cの間で平均900Cであり,萌芽から開花までには2759−3000Cの間 で平均3000C となって,処理温度の高低に拘らずほほ−・定の瘡静温度を要したい しかし,00Cを基準とした噴 穿温度をみると,両者とも低温区ほど大となり,負の回帰曲線が得られ,−・定借とはならをかった 花器の重恩および呼吸盈 官有の開花時の花器の盈盛および呼吸盈は,第2図に示すとおりである.すなわち,花器の重恩は処理開始か ら,萌芽および萌芽から・開花卦でに長期間を要した低温区ほどよく充実しており,150C区で汲もすぐれ,300C 区で劣った.花器の重畳と温度との間には負の回帰直線が認められた. 単位重恩当りの呼吸盈は,処理温度が高くをるにつれて増加し,両者の間に正の回帰直線が認められ,QlOを 第1表 萌芽および開花に及ぼす温度の影響 で 温度 の の ●C OC OC 5 0 0 5 5 3 2 1 nO O 6 4 1 1 90 15 20 25 30 0 0 0 0 9 ︿リリ l 注:温度処理開始期2月21日.

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ー・3・−・ CO2mg 15 花 1.0 の 呼 0.5収 皇 0 15 20 25 300C 温 度 300C 15 20 25 300C 温 度 第2図 花の重盈および呼吸丑に及ぼす温度 の影響 15 20 25 温 度 第1図 萌芽,開花に要する日数および療簸温度と処理温度と の関係 みると2り0−2,5の範囲にあった 1花当りの呼吸盈は250C区で最も大であり,ついで300C,200C区の順となり,150C区で放も少ない借を示 した. 花粉の発芽率および結実率 禅寺丸の花粉の発芽率は,第2真のとおりである.すをわ■ち,禅寺丸の雄花の開花は,官有よりもト2日早か った20OCにおける花粉の発芽率は,200C区および250C区ですぐれ,150C区および30OC区で劣った.花粉 第2表 禅寺丸花粉の発芽に及ぼす温度の影響  ̄ 開花期 粉 粉 発綱 日 偶 個 月 日 5.3 4.1 3.17 3.11 % 〝 59.8 387 70..4 486 70.7 436 53‖2 163 3 ︵︼U 8 ■4 5 2 1 1 0 0 8 5 4 5 4 2 4 5 3 4 3 7 6 6 6 ︵‖〇 .4 2 2 3 2 2 5 0 5 0 1 2 2 3 第3表 結実率に及ぼす温度の影響 開花数 落果数 結実数 結実率 佃 個 個 人工揆粉区 30.0 0.0 30.0 100.0 放 任 区 39…0 14.0 25.0 64.1 人工授粉区 27.3 9.0 18.3 67.2 放 任 区 37.0 37い0 0.0 0.0 人工按粉区 34.0 13り3 20い7 60.9 放 任 区 33..0 33.0 0..0 0.0 人工按粉区 33.7 32.7 1.0 3.0 放 任 区 37.0 37.0 0.0 0.0 注:結実率は開花21日後に調査した..

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− 4 − 管の伸長最も前■2区ですぐれ,ついで15◇C区の順となり,300C区では花粉値径の1.5−2l0倍程度で最も劣っ た. 人工授粉区および放任区の,開花21日後における結実率は第3表のとおりである.すなわち,人工授粉区の結 実率は150C区ですべて結実し,処理温度が高くなるにつれて低下し,200C区で672%,250C区で609%とな り,300C区では著しく劣り,わずかに3%であった.とくに300C区の大部分の花は,開花2−3日後に来校部 から脱落した. 放任区では150C区でのみ64い1%の結実を示し,すべて無核とをったが,他の3区ではすべて落果した 第2節 萌芽前からの加温が果実の肥大生長ならびに品質に及ぼす影響 実験材料および方法 第1節と同じ材料について,すべて落果した300C区を除いた3区について,結実調査後に各樹とも葉菜比を 20として,5−7果を残して他は摘果した後,果実の横径をキャリパ・−・で1週間ごとに成熟期まで測定した・ 各区とも果皮が黄色に着色した時期に,果実を採取してその品質を調べた巾 実験結果 果実の発育および生長周期 果実の横径の肥大曲線および生長周期の日数は,第3図および第4図のとおりである.すなわち,果実の初期 の肥大は200C区および250C区ですぐれたが,明らかに第ⅠⅠ期の肥大の緩慢期が認められた.これに対して 150C区では初期の肥大が前■2区に比べて劣ったが,第ⅠⅠ期がやや不明瞭となり,成熟期ではその肥大盈は他の 処理よりすぐれた. 第3図 果実の肥大生長に及ぼす温度の影響

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ーー・5 − 果実発育第Ⅰ期 同第Ⅰ期 同第Ⅲ期 第4図 果実の生長周期の期間に及ぼす温度の影響 注:図中の数字は日数を示す.. 果実の生長周期の期間を見ると,第Ⅰ期は150C区で73日,200C区および250C区で71日となり,自然条件 下の対照区と同期間となったL第ⅠⅠ期は150C区および200C区では35日,250C区で43日とをり,対照区より もそれぞれ11日および3日間短縮されたそして,150C区では開花後108日で,200C区では106日で第ⅠⅠⅠ期 に達したが,250C区では115日とやや遅れた.第ⅠⅠⅠ期は25OC区で22日,ついで,200C区の35日,150C区の 43日と処理温度の高い区ほど短かくなった. 果実の品肇 果実の成熟期,開花から成熟までの日数および果実の品質は,第4真に示すとおりである. 第4表 果実の成熟日数,品質に及ぼす温度の影響 可溶性 縦径 械径 着色 褐斑 渋味 固形物 合 盈 成熟 果実の 日 数 濃 艶 温 度 開花期 成熟期 % 16‖2 18.7 17.1 ℃ 月 日 月 日 15 5 5 10 2 20 4 3 8 20 25 319 8 2 + 十一 ±± C C 12 11 H 00660 9 5 4 7 7 7 日 g em 5い43 5.02 484 〇 一4 9 1 7 5 2 1 1 1 0 6 5 4 3 1 1 1 注‥褐斑の程度 土:わずかに認められる, +ヰ:多い. 渋味の程度 十:わずかに渋い, −:ない 果実の成熟日数は,開花の早い250C区で136日と最も早く,ついで,200C区で140日,150C区で151日と なり,いずれも対照区の17d−180日よりも著しく短縮された.一席平均蛮および果径は,150C区ですぐれ, 20OC区および250C区で劣った.果皮の着色は150C区および20OC 区で橙黄色となり,250C区では果皮の線色が退色して,淡黄色を呈 した程度であった 果肉の脱渋は,250C区で完了しており,200C区および150C区で は不十分であったが,可溶性固形物含史はいずれも16%以上ですぐれ た. 果実の成熟と項静温度 処理温度と果実の成熟までの間の街路温度との関係は,第5図に示 したとおりである、すをわち,100C以上の積算二温度は,150Cから 250Cまでの処理温度では正の回帰直線が得られ,着色して成熟する が,脱渋の点からみて,果実の成熟にはほぼ2,0000Cを要すると推察 される‖ ×1080c 積 算 温 度 15 20 250C 温 度 第5図 温度と果実の成熟まで の墳静温度との関係

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第3節 考

察 果樹の開花期の早晩と,開花前の−・定期閤の積弊温度との間に,密接な関係のあることはよく知られている、 カキの萌芽および萌芽一関花までの所要日数は,高温区ほど短かくなり,ブドウ56)および温州ミカン卵6)の結 果とほほ−・致している. カキの処理温度と萌芽および萌芽一関花までの日数,00C以上の積数温度との関係は負の回帰曲線が認められ た.−・方,永年作物の生理的零点を100Cとして,それ以上の積弊温度をみると処理温度の高低に拘らず,前者 では900C,後者では3000Cとなった.このことば栽培地の温度条件が異なれば,00Cを基準とした療欝温度で は,萌芽期または開花期を予測することが困難であり,100C以上の緻簸温度が安当であることを示しているよ うに考えられる.. また,花器の発育と温度条件をみると,高温区ほど花重は低下した.この点について,カキの花芽は萌芽暗か ら各器官が分化して,新栴の生長につれて急速に発育し,ほぼ6週目でその形態を完成することが知られている が18・88) ,本実験における150C区を除いた他の3区では,高温区ほど萌芽および萌芽一問花までの期間が短縮さ れ,花器の分化,発育も短期間になされたこと,さらには高温区ほど呼吸消耗が増大した結果,花器の小形化を きたしたものと推察される.とくに300C区では,花へ・の炭水化物の転流と呼吸消耗の均衡が開花期に崩れて, 開花2−3日後にはほとんどすべての花の脱落を生じたものと考えられる‖ 結実率についてみると,開花21日後では低温区ほどすぐれており,ブドウ鋸6)および温州ミカン58)の結果と ほほ−・致した.このことについても,高温条件下では同化と呼吸消費との均衡が崩れて落花したことが原因とを っているように思われる. 以上のことから,カキにおける開花期および果実の肥大の初期の適温は,禅寺丸の花粉の発芽率をらびに結実 率および初期の果実の肥大,成熟果の品質が,200C区および250C区ですぐれたことから判断して,ほほ200C から250Cの間にあるものと考えられる. カキ果実の肥大について,夏季の肥大の緩慢期,すなわち,第ⅠⅠ期の存在することばすでに認められてい る8帰5).. 本実験の結果,200C区および250C区では開花後71日日から肥大の緩慢化がみられ,明らかに第ⅠⅠ 期に達したが,150C区では同時期にわずかに生長停滞が認められたものの,その程度は前2区に比べると判然 としをい.をお,150C区では成熟果における果実肥大盈がすぐれたが,これは第ⅠⅠⅠ期が他の処理区より長い 期間を要したことによるものと思われる.しかしながら,脱渋程度,可溶性固形物舎監などからみて,その品質 はすぐれたものではをかった.. 果実の成熟日数についてみると,自然条件下で栽培された対照区に比べて,各温度区で相当の短縮をみた.こ れは,第Ⅰ期の日数は71−73日で大差がをく,むしろ第ⅠⅠ期および第ⅠⅠⅠ期の日数の短縮によってもたらされた ものである.酸果オウトウ78),リンゴ79)をどでみられるように,第ⅠⅠ斯,とくに第ⅠⅠⅠ斯の温度条件によって, それぞれの発育周期が短縮される事実が認められており,同様をことがカキにおいてもみられるのかも知れない. 以上の結果から,総合的な観点に立って,100C以上の境界温度と果実の成熟,品質との関係をみると,果実 の成熟は7550C−2,0400Cでみられたが,脱渋完了の点からみると,ほほ2,0000Cを必要とするようであった. これらの結果は,富有ガキ栽培の好適地判断の一頃料として,極めて示唆的であるように思われる・

第4節 摘

要 カキの富有種の3年生の鉢植樹を,萌芽前から果実の成熟期まで,150,200,250および300Cのファイトトロ

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− 7 − ン内に置き,昼夜を通じた恒温処理を行い,萌芽,開花 結実および果実の肥大,品質を調べた. 1萌芽および萌芽から開花までの日数ほ高温区ほど短かくをったが,100C以上の積静温度は,処理温度の 高低にかかわらずそれぞれ900Cおよび3000Cとをった 2花器の竃藍および結実率は低温区ほどすぐれたが,300C区では開花直後にすべて落下した果実の初期 肥大は200C区および250C区ですぐれ,15OC区で劣ったなお,成熟期では15◇C区の果実肥大急がまさった が,脱渋程度,可溶性固形物含盈をど果実品質の上からは他の処理区より劣った 3:果実の成熟日数ば250C区で食も早く136軋 ついで200C区の140日,150C区の151日となり,自然栽 培の172日よりも20−35日間短縮された 4 果実の丑意は成熟目数の短かい区ほど小形化の傾向がみられた.脱渋は250C区で完了してこおり,その 100C以上の掛野温度はほぼ2,0000Cであった 第2輩 果実発育期における温度が果実の肥大生長ならびに 品質に及ぼす影響 普通,カキ果実の果径肥大曲線はこ屈のS字型を示すが絢6S),その生長周期は,開花後から7月までの発育第 Ⅰ期,8月から9月にかけて肥大がやや緩慢に覆る第ⅠⅠ期,その後再び肥大して成熟する第ⅠⅠⅠ期に分けられ てレ1る小 甘ガキの富有および次郎の成熟果の品質と,果実の発育期の温度条件との関係については,先述のとおり数多 く論ぜられている19,28,28・糾2・64).しかし,各接長期に応じた温度条件についての実験的研究は,ほとんどみられ 凌いのが実†計である. そこで,本章では,果実の発育乱 すなわち,第Ⅰ期,第ⅠⅠ期および第ⅠⅠⅠ期における種々の昼夜の温度処 理が,果実の肥大生長ならびに品質に及ぼす影響を調べた結果を述べる. 第1節 発育第Ⅰ期の温度の影響 実験材料および方法 鉢植えの3年生の官有の着果樹を供試して,第Ⅰ期の1970年6月22日から8月6日までの45日間,150,200, 250Cのファイトトロンおよび300Cのコイトトロンの自然光ガラス室を用いて,昼間(午前6時一年後6時)と 夜間(牛後6時一年前6時)に,それぞれの温度を組合わせた昼夜の変温処理を行った..温度処理後は,樹体を 野外の自然条件下で,果菜の成熟期まで管理した′ なお,1樹当りの潜果数は葉栗比を20として,着果数を8果 に調節した. 果実の肥大生長は,各樹とも生育中庸な4果を選び,椴径肥大鼠を1週間おきにキャリバーを用いて測定した¶ 温度処理後の果実の肥大生長は,その中の2果について成熟期まで調べたい 果実の品質は,温度処理終了時の8月6日および果実の成熟期の11月25日に,果実を採取して調べた.調査項 目としては,果実の立党,巣径を測定し,可溶性固形物含盈は屈折糖度計で,糖含曳はSomogyi法によって調 べた. 実験結果 果実の肥大 温度処理期間中の果実の肥大丑は,第6図に示すとおりである… すをわち,果英の肥大生長は,愚温200Cお

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ー 8 − 屋温20℃

/20 7/2 17 318/6

/20 7/2 17 318/6

/20 7/2 17 J] l二J J二J 目 第6図 第Ⅰ期の昼夜温が果実の肥大生・長に及ぼす影響 よび250Cの処理区ですぐれたのに対して,昼温300Cの処理区では,温度処理4週目から緩慢となり,とくに, 300欄300C区で若しかったまた,150−200C区および150−150C区では肥大が劣った。 温度処理後の果実の肥大生長は,第7図のとおりである.すをわち,温度処理終了時の一部果実の採取による 薬果比の増加の影響と,9月中旬までの高温条件(第5表)の影響を触視できないが,果実の肥大は,200−15。C 区および200−200C区で故もすぐれた 昼温250および300Cの処理区では,8月下駄9月中旬の間に肥大の緩 慢化がみられ,とくに,25O−250C区,250−300C区,300.25OC区および30。p30OC区で横着に認められ,かつ, その後の肥大も劣った. そこで,温度処理後の果実の肥大蒐と,温度処理期間中の昼夜の平均温度との関係をみると,第8図に示すよ うに両者の間には,工・=−0・824,Y=54.亜−1.08Ⅹと負の相関凋係ならびに回帰直線が認められた. 果実の重盛および品暫 温度処理終了時の,果実の蛮史および果径は第6表のとおりである.すなわち,果実の盃盈は250−250C区で 最もすぐれ,ついで250−20OC区,150−300C区の順とをり,150−200C軋150−150C区および30O−300C区で著 しく劣ったい

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ー 9 − lll111 11/25 /6 9/1110/2 11/25 /6 9/1110/2 40 肥 30 大 意20 /へ10 横 径 15 20 25 308C 平 均 温 度 第8図 第Ⅰ期の昼夜の平均温度と処理 後の横径肥大蕊との関係 8/6 9/1110/2 11/25 月 冒 8/6 9/1110/2 11/25 月 日 第7図 第Ⅰ期の昼夜温が温度処理後の果実の肥大生長に 及ぼす影響 弟5表二 8月−・11月の野外の温度条件 月 旬 別 平均気温 最高温度 最低温度 OC OC 33い1 25‖7 306 24.1 31、7 25.1 ●C 1−10 29 2 1トー20 27.1 21−31 28。1 31“8 23..2 29.5 22い3 25.5 20.5 1−10 27日3 9 11−20 25い5 21−30 224 242 15.1 228 15い3 20日9 9.9 1−10 19 4 10 11−20 187 21−31 15.3 9 4 7 ︵XU 6 ・4 1 1 1 7 7 7 0 3 2 0 0 0 1 2 3 1 ︻ 1 1 1⊥ 1 1 2 果形指数は高夜温区ほど小さくなり,腰高果となる傾向が認められた 果実の可溶性固形物合盈および糖舎監は,第7表のとおりである.すなわち,それらは8月上旬にはいまだ少 見であり,200・−200C区でややすぐれる傾向がみられた以外は,昼夜温の相遊の彫響は顕著ではなかった つぎに,昼夜の平均温度が同じで,昼温>夜温とその逆の場合の,果実の可溶性固形物および全糖倉見を比較

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・−10− 第6表 第Ⅰ期の昼夜温が果実の大きさに及ぼす影響 畳】夜温 果 実 盈 縦 径 横 径 呆形指数 ℃ 15−15 48.4(59…5) 20 48.5(59り6) 25 52.8(64.9) 30 76.9(94一5) 20一−15 63,.7(78.3) 20 66.4(81.6) 25 66.8(82…1) 30 61.9(76.0) 25−15 73.3(90.0) 20 79.3(97.4) 25 81.4(100) 30 65い0(79り9) 30−15 63.4(77い9) 20 61.6(759) 25 66.5(81.7) 30 52.9(65.0) Cm 4.88 143.5 4..94 145.7 5.01 141.5 5.59 138.7 5い36 147.2 5.42 143.9 5.41 140.1 5.43 134.4 5.53 138.9 5.75 141.6 5い77 140.3 5.21 126.1 5,36 144.8 5い23 139‖4 5い35 139.3 4.92 135.5 3¶40 3.30 3.54 4.03 3一.46 3.63 3.86 4.04 3..98 4.06 4.11 4.13 3.70 3.75 3.84 3..63 注:8月6日調査()の数字は250−250C区を100とした比数を示す 第7表 第Ⅰ期の昼夜温が果実の可溶性固形物および糖含蕊に及ぼす影響 畳一夜温 水分合盈 合 盈 ℃ % % 15−15 8742 108 20 87…58 118 25 88.59 9.8 30 90い79 7.6 20一−15 87.33 8.8 20 87。.07 118 25 88り38 TO,2 30 90.59 7い6 25−15 87小70 104 20 88.59 108 25 88.04 10‖8 30 88ハ62 9,6 30−−15 89、92 84 20 88…38 86 25 89.27 910 30 89り92 90 8 3 0 3 0 8 5 6 1 3 2 2 8 2 2 2 3 5 3 4 5 6 5 2 4 5 5 2 3 4 4 2 3 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 0 0 0 0 1 1 1 0 1 1 1 1 0 1 1 1 3 1 6 3 2 1 7 9 5 3 5 5 8 0 1 1 8 8 6 5 2 8 5 8 9 8 7 5 9 0 0 1 4 4 3 2 3 4 4 3 4 4 4 3 3 3 3 3 2 5 7 7 2 0 2 6 7 7 7 7 7 2 3 3 2 3 9 9 7 5 1 1 3 3 2 7 3 4 6 3 注:8月6日調査. した結果は,第8表のとおりである果実の盃蕊は,300Cと150Cの組合わせを除いた以外は,すべて昼温> 夜温ですぐれた.昼温150Cの場合は高夜温ほどすぐれ,とくに150−300C区で若しかった. 成熟果の品質を調べた結果は,第9表のとおりである.果実の重盈は,温度処理後の肥大がすぐれた200− 15CC区および200−・200C区で300g以上の大束となり,250−300C区,300−250C区および300−300C区で著しく 劣ったい経じて低温区ほど果実塞がすぐれる傾向がみられた,そこで,温度処理期間中の昼夜の平均温度と,成

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・−11− 第8表 第Ⅰ期の昼夜温の相違と果実の可溶性固形物および 糖含盈 可溶性 畳一夜温 果実盈 固形物 合 最 OC g % 20−15 63,7 88 15−20 48一.5 11…8 25−15 73.3 10.4 15−25 52.8 98 25−−20 79.3 10り8 20−25 66.8 10.2 30“15 63..4 8.4 15−30 80.6 7.6 30−−20 61い8 8小6 20−30 61.9 7.6 30−25 6(;.5 9.0 25−−30 65,0 96 第9表 第Ⅰ期の昼夜温が成熟果の果重,果径および可溶性固形物含急に及ぼす影響 可溶性 果 色 固形物 合 盈 容 稀 指 数 横 径 縦 径 歪 実 果 温 夜 昼 ■ ̄ HCC ll 17.8 11.5 17.9 13 17.7 12,5 17.7 13 16 8 12 16い7 13 17小2 125 1716 12 16れ9 11−5 15.9 13 15.7 12.5 14.9 12 14い6 11.5 14..6 11.5 14−5 12 15.0 ℃ 9 7 5 8 0 1 0 3 4 7 6 7 2 5 4 3 3 6 9 2 00 6 4 9 1 3 1 9 1 3 1 6 4 5 4 5 5 5 5 4 5 5 5 3 5 5 4 3 5.42 5.65 5け93 6.20 6…55 6い38 6‖18 5..87 5.88 6..22 6.37 5.40 6‖32 632 5.47 5.15 0 6 4 1 5 9 4 0 4 4 0 6 0 6 7 5 1 2 3 5 00 7 7 4 ︼7 6 1 3 1 4. 5 0 8 8 8 QU 8 8 8 8 8 8 00 7 8 8 7 7 7 8 ︵U 5 8 7 2 .4 9 6 6 9 2 7 0 1 1 2 4 6 1 0 8 4 6 7 3 ︵b 3 6 9 5

2 2 2 2 3 3 2 2 2 2 2 1 9︼ 2 1 1

5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 5 0 1 2 2 3 1 2 2 3 1 2 2 3 1 ウ︼ 2 3 熟果の重放との間の関係をみると第9図のとおりで,両者の間には低夜温ほど大束とをり,負の関係が認められ た.ただし,昼温150C処理では高夜温ほど大果となり,正の関係がみられた 可溶性固形物含盈は,昼夜温の低い区ほどすぐれる傾向がみられたいそこで,温度処理期間中の昼夜の平均温 度との関係をみると,第10図のとおりで,両者の間には負の相関関係が認められた・ 以上の結果から,夏季の6−8月の昼夜温の高低が,果実の肥大に直接的な影響を及ぼすばかりでをく,秋季の 果実肥大および成熟果の品質にまでその影響を及ぼすことが認められた

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__..」 300C 15 20 25 300C 平 均 温 度 平 均 i丘1 皮 20 25 第9図 第Ⅰ期の昼夜の平均温度と成熟果の 第10図 第Ⅰ期の昼夜の平均温度と成熟果の 可溶性固形物含発との関係 蛮放との関係 第2節 発育第ⅠⅠ期の温度の影響 第1項 夜温の影響 実験材料および方法 鉢植えの5年生の富有の着果樹を,7月上旬に薬果比を20として着果数を5−7果に調節し,1967年8月3日か ら9月21日までの第ⅠⅠ期に相当する50日間,午後6時一年前6時までの夜間に,150,200,250および300Cに 調節した大型電気定温都内に搬入して,夜温処理を行ったL.昼間は,樹体を野外の自然条件下で管理した. 夜温処理後は,果実の成熟期まで,樹体を野外に置いて管理した. 果実の肥大は,横径肥大盈を1週間ごとにキャリバー・で測定した. 果実の品質は,夜況処理終了時(9月21日)および果実の成熟期(11月10[り に,着果数のほほ半数の果実を 採取して調べた.果皮のクロロフィル含蒐はSmith and Benitez62)の方法で,可溶性固形物含最は屈折糖度計で 調べた. 実験結果 果実の肥大 果実の横径肥大盈は第11図のとおりであるすなわち,処理当初から9月上旬までの5週間は,第ⅠⅠ期に相 当するため,夜温の相違による影響はほとんどみられをかったぃ 9月上旬以降になると,第ⅠⅠⅠ期に入って250C 区で旺盛別巴大を示したついで,20◇C区,150C区の順となり,300C区で劣った. 果実の重汲および品質 夜温処理終了時の果実の霊虫および品質−は,第10表のとおりである.すなわち,果実の盃鼠および果径は300 C区でやや劣った.果皮のクロロフィル合盈は着色の進んだ250C区で最も減少しており,可溶性固形物含畳も すぐれた,. 成熟果の品質は節11表のとおりであるけ すなわち,果実の盃蕊および果径は,夜温処理終了時に最も劣った

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−13嶋

/3 10 17 24 31 9/7 14 21

月 日 第11図 第ⅠⅠ期の夜温が果実の肥大生長におよほす影響 第10衷 第ⅠⅠ期の夜温が果実の品質に及ぼす影響 果実垂 縦径 夜温 樵径

果色富

水 分 ℃ g cm em mg % 15 909 448 5い91 淡緑色 12.66 13.3 83.31 20 90.4 465 5…85 淡緑色 12.40 13い9 82.99 25 88小0 4い46 5.91 淡黄緑色 6.29 151 81.69 30 84い5 4一33 5い80 決済蘭色 1039 14.5 82‖77 注:温度処理期間:8月3日−9月21日 果実調査月日:9月21臥 第11表 第ⅠⅠ期の夜温が成熟果の品質■におよぽす影響 可i容性 夜 塩 果実垂 縦 径 横 径 果 色 固形物 水 分 含 澄 em HCC l16 17.8 116 190 123 191 11.3 18−5 % % 81..64 79い65 78.98 81.10 5 0 5 0 1 2 2 3 7 6 7 3 3 9 3 9 1 1 1 1 4 9 8 4 3 2 1 9 5 5 5 4 3 8 4 7 5 3 4 9 7 7 7 6 注:果実調査月日:11月10日‖ 300C区で著しく劣った以外は,概して大差がなかった,果皮の新色は250C区ですぐれ,可溶性固形物含弦は 250C区および200C区ですぐれた. 第2項 昼夜の恒温の影響 実験材料および方法 鉢植えの5年生の富有の着果樹を,1970年8月6日から9月18日までの42日間,150,20◇,250C のファイトト ロンおよび300Cのコイトトロンの自然光ガラス室内に入れ,昼夜を通じて同じ温度で処理した.ただし,150C 区は8月21日に台風21号の強風で屋根ガラスが−い部破損したので,以後の温度処理はコイトトロンの150C室内 で行ったい 温度処理後は,樹体を野外において果実の成熟期まで管理したい

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−14−一 果実の肥大は,横径肥大蒐を1週間ごとにキャリバーで測定した 果実の品質の調査は,温度処理開始時,16日彼の8月22日,温度処理終了時の9月18日および果実の成熟時の 10月25日に行った 可溶性タンニン物質の定盤は北川出)の方法によって行い,果汁1mg中の可溶性タンニン物質の酸化に要する 0.05NKMnO4のmlで表わした糖含盈はSomogyi法で調べた 実験結果 果実の肥大 昼夜を通じた恒温が,果実の肥大生長に及ぼす影響は第12図のとおりである.す夜わち,温度処理当初の2− mm 15 肥 大10 敬 ←150C ←200C ←250C ←300C 5 ︵横 径︶ /6 14 20 29 9/4 11 18 月 □ 第12図 第ⅠⅠ期の昼夜の恒温が果実の肥大生長に及ぼす彫砂 3週間は30OC区ですぐれたが,8月下旬から150C区,20◇C区および250C区の順に旺盛別巴大を示して第ⅠⅠⅠ 期に入った,300C区では第ⅠⅠ期以降においても緩慢な肥大を示し処理終了時では汲も劣った 果実の蛮盈および晶貿 温度処理開始時および処理16日後の,果実の品質をみると第12袈のとおりである・すなわち,処理16日後の果 実の亜蓋および糖含盈は,各区の間にほとんど差がなかった.可溶性タンニン物質は,温度処理開始時にすでに 第12衷 第ⅠⅠ期の昼夜の恒温処理開始時および処理16日彼の果実の品質 可溶性 槻タンニン 合 盈 可i容性 温度 果実盈 栗色 固形物 合 盈 糖盈 全合 盈 帽合 .﹁ヲ 糖鼠 元 過合 温度処理開始時(8月6日) ●c グ占 m且● %

g %

2.61 温度処理16EI後(8月22日) 15 89.6 緑色 132 20 88。.8 緑色 120 25 100。.0 緑色 122 30 86,.8 線色 10.4 2 9 9 5 3 1 1 7 3 3 3 3 9 8 2 6 1 7 8 6 9 8 8 8 7 9 3 1 8 5 6 9 5 5 5 4 + + + + 0 2 7 9 4 6 5 6 00 8 8 00 注:褐斑:−:認められない,+:認められるり mJ*:果汁1mJ中の可溶性タンニンの酸化に要する005NKMnO4の滴定数.

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−15・−− 1.24mJと減少しており,処理16日後には各区とも皆無となって,温度処理の影響がみられず,官能検査による 渋味もまったくなかったい 果肉の褐斑は150C区および200C区でやや少なかった. 温度処理終了時の,果実の品質は第13表のとおりである,.すなわち,果実の重盈および着色は150C区で最も 第13表 第ⅠⅠ期の昼夜の恒温が果実の品質に及ぼす影響

可溶性 還元糖 非還元糖 全 糖

分二股 水食 斑 褐 色 果 盈 実 果 皮 温 固形物 含 畳 合 致 合 皮 合 蕊

一色

T15

% % 14‖88 ) 0 3) 15.65 9) 14.56 % % 12.04 2.84 (80‖9) (19.1 11..86 3.6 (76.7) (23. 11.91 3.74 (7611) (23. 6.45 8.11 (44.9) (55.1) 83.63 15.5 84.23 16.0 + + 色 茸 線 状 5 7 3 1 25 128.5 淡緑色 ++ 83.28 15.8 30 124.5 緑 色 ++ 87.61 13..2 注:温度処理期間‥8月6日一・9月18日. 調査月日:9月18日. 褐斑:+‥認められるが少ない, +十:中程度に認められる. ()中の数字は各区の仝塘含急に対する比数を示す すぐれ,ついで,200C区,250C区の順となり,300C区で最も劣った‖ 可溶性固形物含患および全糖含盈は200 C区ですぐれ,ついで,250C区の服となり,300C区では著しく劣った.全糖舎監に対する還元糖および非違元 糖含盈の百分比をみると,低温区ほど還元糖率が増加し,逆に非遼元糖率が減少した 成熟果の品質は,第14真のとおりである一.すをわち,果実の重恩は200C区で最もすぐれ,ついで,250C区, 第14表 第ⅠⅠ期の昼夜の恒温が成熟果の品質に及ぼす影響 糖盈 全含 珊盈 場合 ゴプ 糖敦 元 遭合 性物盈 溶形 可園舎 分魚 水合 斑 褐 色 果 垂 芙 果 皮 温 % % g HCC 8 ・ 06 1 6 4 00 −2 32 04誹 13.の 0 9 1 7 5 0 00 15 218 13 6 1 7 1 63 4 ・ ●4 21 20 250 13 + 81..42 19.0 25 224 12 ++ 80い70 18い9 30 149 7 ++ 83.52 15.4 14.70 (85.7) 13.93 (82..9) 9..19 (67.4) 16.80 13..63 2.87 (17.1) 4.44 (32.6) 注‥褐斑:+:少ない,++:中程度. ()の数字は各区の全糖含盈に対する比数を示す 150C区の順とをり,300C区で液も劣った.果皮の着色は,15OC区および200C区で十分な朱色の発現がみられ, 250C区でやや劣り,300C区では淡黄緑色を呈してはなはだしく劣った.可溶性固形物合法および全糖含盈は 150C区,200C区および250C区の間にはばとんど差異はみられをいが,300C区では劣った. 第3項 昼夜の変温の影響 実験材料および方法 昼夜温処理は,鉢植えの4年生の富有の着果樹を用いてニ,1968年8月7日から9月26日までの50日間行った. 昼温処理は午前6時から牛後6時まで,コイトトロンの250Cおよび300Cの自然光ガラス室を用いて2処理と して,夜温処理は午後6時から翌朝の午前6時まで,15◇C,200Cの定温室およびコイトトロンの250C,300Cの

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・−16−− 4処理として,それぞれの昼夜温を組合わせた8処理区を設けた. 温度処理後は,樹体を果実の成熟期まで野外で管理した. 果実の肥大は,横径肥大盈を1週間ごとにキャリパ・−で測定し,果実の品質の調査は,温度処理30日後,50日 後および果実の成熟期の11月19日に果実を採取して行った,可溶性固形物合致は屈折糖度計で,糖合史はSomo・・ gyi法で調べた. 実験結果 果実の肥大 昼夜の変温が果実の肥大生長に及ぼす影響は,貸13図に示すとおりである} すなわち,果実の肥大は8月下旬 までは各区の間にほとんど羞がをく,9月上旬になって250−200C区で旺盛となり,より早期に第ⅠⅠⅠ期に入っ て最もす−ぐれた,.ついで,25O−15◇C区の順となり,250−300C区および300CN300C区では,9月中旬に至っても 第13図 第ⅠⅠ期の昼夜の変温が果実の肥大生長に及ぼす影響 第14図 昼夜温処理後の果実の横径の肥大曲線

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−17− なお緩慢別巴大を続け,第ⅠⅠⅠ期の肥大を示さず,かつ肥大盈は放も劣った. 昼夜温処理終了時から,果実の成熟期までの間の果実の肥大盈は,第14図のとおりである.すをわち,温度処 理後の肥大は温度処理期間中の肥大が最もすぐれた250−200C区で,10月下旬まで最もすぐれ,11月上旬に緩慢 となって他の区よりも早期に成熟期に達した 果実の重恩および品質 温度処理30日および50日彼の果実の品質は,第15表のとおりである… すをわち,温度処理30日彼の果実の重患 は,250−300C区および300−300C区でやや劣った以外はほとんど差がなかったl.温度処理50日後では,250−20◇C 第15表 昼夜濫が果実の蛮風 可溶性固形物含盈および全糖含畳に及ぼす影響 温度処理30日後 (9月7日) 温度処理50日後 (9月26日) 畳一夜温  ̄ % % 12.0 11.60 11.4 10.16 10.6 9.10 10.3 8い81 11.2 10.08 11.1 9一.38 11い1 81.64 10り6 8い21 % 7 5 2 2 5 9 2 5 2 1 2 丘U O O 9 7 7 7 7 dU 7 7 6 6 6 4 0 8 1 4 3 0 1 2 3 0 7 1 6 6 9 8 7 7 8 00 7 7 1 5 7 4 5 3 3 9 0 0 0 0 1 0 0 0 9 9 8 7 00 8 8 6 5 0 5 0 5 0 5 0 1 2 2 3 1 2 2 3 25−1525−2025−2525−300C 30−1530−2030−2530−300C 畳一夜温 処理30日後 30−1530−2030−2530−300C 畳一夜温 処理50日後 第15図 昼夜温処理30日および50日後における果実の糖組成の変化

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・・川両・18−・ 区で最もすぐれ,ついで,25Ol−150C区,250L250C区の順となり,250−300C区および300−300C区ではなはだし く劣った. 可溶性固形物および全糖含盈は両時期とも高夜温区ほど劣った.. 仝糖に対する非還元糖の百分比をみると第15図のとおりで,両時期ともに夜温150C処理で最も少なく,高夜 温ほど増加した.とくに,処理50日後の昼温30◇C処理でその傾向が著しかったり そこで,昼夜の平均温度と,還元纏および非還元糖含盈との関係をみると第16図のとおりで,高温にをるにつ れて還元糖が減少し,非還元糖が増加した‖ 前者では負の,後者では正の相関関係ならびに回帰直線が得られた. % 8 楯6 含 4 盤 2 20 22,5 25 275 300C 20 225 25 27.5 300C

平 均 温 度

平 均 温 度

第16図 昼夜の平均温度と還元糖および非還元糖含盈との関係 成熟果の品質は第16表のとおりである.すなわち,果実の重畳,果皮の若色,可溶性固形物および全糖含蟄の 点から総合的にみて,果実の品質は,25◇−200C区で混もすぐれ,ついで,250−150C区,250−250C区の順となり, 250−300C区,300−250C区および300−300C区では著しく劣った 第16表 第ⅠⅠ期の昼夜温が成熟果の品質に及ぼす影響 元

鯛鼠

全 合

糖盈

畳一夜温 果実盈 % % % % g + 農12・7肌11・。 6 00 3 1 CJ O 9 7 1 2 つ▲ l ℃ 25−15 20 25 30 17.0 82.46 12.30 3.11 15.41 15.4 84.29 11.93 1.20 13.13 15.4 84.85 10.19 2.60 12.79 15一.4 83.04 10.16 2.54 12.70 84‖41 9.27 4.21 13.48 83.44 10.43 2.67 13.10 83.85 9.98 3.22 13.20 83.90 9.49 3.17 121.66 8 9 9︼ 0 4 3 4 4 1 1 1 1 + 5 5 3 1 1 1 1 1 1 1 一l l 3 0 3 00 7 ︵︼0 6 5 1 1 1 1 30−15 20 25 30 注:11月19日収硬調査 褐斑:+;少ない, +十:中程度. 第3節 発育第ⅠⅠⅠ期の温度の影響 第1項 夜温の影響 実験材料および方法 鉢植えの5年生富有の着果樹を,7月中旬に葉菜比を20として,1樹当りの着果数を7果に揃え,夜温処理前

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・−・19−− まで野外の自然条件下で管理した樹を供試した. 夜温処理は,第ⅠⅠⅠ期に相当する1967年9月21日から11月10日までの50日間,樹体を午後6時から翌朝年前6 時まで,100,150,200,および250C に調節した大型電気定温器内に搬入して行った.昼間は,棉体を野外の 自然条件下で管理した. 果実の肥大は,横径肥大盈をほぼ1週間ごとにキャリパ・−で測定した‖ 果実の品質は,夜温処理35日後および処理終了時に,可溶性固形物含意は屈折糖度計で,果皮の着色およびカ ロチノイドの定温はつぎの方法によ・つて調べた 果皮の潜色は,果実の赤道部の着色度をHort,.COlourchartと対照して比較観察した.果皮のカロチノイドは, まず,赤道部の果皮をうすく剥ぎ,石細胞屈までを果皮とするため,メスで注意して附著した果肉組織をこすり とった.この果皮1gをとり,乳鉢で少魔の石英砂を加えてエー・テル中で磨砕し,カロチノイドを抽出した.抽 出液が無色とをるまで4・・・5回抽出を繰り返し,エ、・−テル抽出液を合せてグラスフィルタ−・でろ過し,CO汗気流中 で減圧乾国し,少螢の石油エーテル(bp350−650C)に色素を転溶し,60%苛性加里メタノールを加えて暗黒, 室温で1晩 ケン化した.ケン化後,色素液を分液ロートに移し,ベンゼン,水を加えてカロチノイドを石油 エ・−テル ・ベンゼン屑に駐溶させ,さらに水を加えて苛性加里,メタノー・ルを除いた.色素液に無水菅硝を加え, 1時間放密して脱水したのち,グラス■フィルターでろ過し,再び,CO℡気流中で減圧乾回した.5−7mJの石油 エーテルに色素を溶解し,予め用意しておいた非活性アルミナカラム上に色素液を注ぎ,石油エ・−テル・エ、−・テ ル混液を展開剤として液体分配カラムクロマトグラフィー・法でカロチノイドを分離した(第17表). 第17表 カキ果皮のカロチノイドの分離 ラ 芸孟(石還望ル)エ讐攣芸濃 分配テスト 色素の同定 %(Ⅴ/V) 0 カロチン 20 石油エーテル 未同定 50 石油エ・−テル,メタノール クリプト キサンチン 1 黄褐色 2 欝褐色 425,450,475 3 橙黄色 425,450,475 色 400,410,425,435 70 メタノ・−ル 未同定 色 425,450,475 100 メタノール ゼアキサンテン 晋∵賢一 45Ⅶ 注:カラム:非活性アルミナ カロチンは,さらに,活性アルミナと非活性アルミナ(1:2)の混合カラムを用いて,β−カロチンとリコピン に分離した(第18表) 第18表 カロチンの再分離 カラム 吸収極大 展開剤の の 色 (石油エ・−テル) エーーテル合食 分配テスト 色素の同定 nm %(Ⅴ/V) 1a 黄褐色 425,448,475 20 石油エーテル β−カロチン 1b 鞋 色 445,470,500 50−100 石油エーテル リコピン 分離したカロチノイドは溶媒を減圧乾射し,石油エーテルで10mJの定容とした後,日立139型光竃分光光度 計を用いて吸収スペクトルを測定した(第17,18図) カロチノイドの同定はそれぞれの色素の吸収スペクトルおよび石油エ・−テル,90%メタノールによる分配テス トの結果により行い,定盤は各色素の梅大吸収波長における吸光度から,E王監ス備によって算出した.

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・−20−

第17図 カロチンの吸収スペクトル A:β−カロチン B:リコピン C:未同定

第18図 キサントフィールの吸収スペクトル D:クリプトキサンチン E;未同定 F:ゼアキサンチン

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ー2Ⅰ− 実験結果 果実の肥大 夜温が果実の肥大に及ぼす影響は,第19図に 示すとおりであるすなわち,果実の肥大は, 250C区で10月下旬以降に劣った以外はほとん ど差異が認められをかった. 果実の重盗および品質 夜温処理35日後および処理終了時の果実の品 質は,第19表のとおりであるい すなわち,処理 35日後では果実の盃盈はほとんど差がみられず, 可溶性固形物含虫では200C区ですぐれた 処理終了時では,果実の蛮盟,果皮の着色お よび可溶性固形物含盈からみて,果実の品質は 200C区で最もすぐれ,100C区で劣った. 果皮のカロチノイド含意は,第20表に示すと おりである。.処理35日後では,黄色色素の β− カロチン,クリプトキサンチンおよびゼアキサ ンチン含盈は,すでに相当最に達していたのに 対し’て,朱色の発現に関与するリコピン合意は, 12 肥 大10 盈 8 径 6 4

9/2128 10/612 19 27 11/3 10

月 日 第19図 第ⅠⅠⅠ期の夜温が果実の肥大生長に及ほす影響 いまだ少盈であった 処理終了時には,果皮の着色がすぐれた200C区でリコピン含急が敢も多く,ついで,150C区となり,100C 区では著しく少なかった.クリプトキサンチンおよびゼアキサンチン含盈は,高夜温区ほど増加した 第19表 第ⅠⅠⅠ期の夜温が果重,果径および可溶性固形物含丑に 及ぼす影響 可溶性 夜 温 果実垂 縦 径 横 径 果 包 囲形物 合 最 em cm HCC % ℃ g 処理開始35日後(10月24日) 10 112 4 61 15 108 4 41 20 112 4り58 25 111 4.41 5 5 1 8 6 6 7 5 1 1 1 1 4 4 2 9 7 3 5 4 6 6 6 6 1 ﹁▲ l ﹁⊥ 0 1 1 0 7 8 3 5 処理終了時(11月10日) 10 140 4.91 15 155 5い05 20 156 4‖95 25 156 5い11 1 2 ︵=0 6 7 7 9 6 1 1 1 1 5 5 0 5 0 2 4 1 1 1 1 1 9 1 2 ▲X︶ 9 3 3 1 6 7 7 7

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− 22 叫・ 第20表 第ⅠⅠⅠ期の夜温が果皮のカロチノイド含盈に及ぼす影響

夜温 β−カロチンリコピン 品ノス㌧

合計 キ.ン 喝/100g fw 0.40 7.70 0.63 6.86 1.56 8.31 1.02 8.03 ℃ 処理開始35日後(10月24日) 10 1.71 15 1.70 20 3.02 25 l.36 3.12 12.94 4.55 13.74 5.53 18..42 5.20 15‖61 処理終了時(11月10日) 10 2.91 15 3.20 20 4.59 25 2.73 5 ▲‖0 4 7 9 7 9 9 6 7 7 00 0.68 11.79 3.87 13.01 9.08 13.21 2.24 16.67 第2項 昼夜の変温の影響 実験材料および方法 鉢植えの3年生官有の潜果樹を,7月中旬に薬果比を20として着果数を8果に調節した.樹体は温度処理開始 時まで,野外の自然条件下で管理したり 昼夜温処理は,1970年9月25日から11月13日までの50日間,150,200,250Cのファイトトロンおよび300Cの コイトトロンの自然光ガラス宴で,昼間(午前6時ヰ後6時)と夜間(午後6時一年前6時)に,それぞれの昼−・ 夜温を組合わせた16処理区を設けて行った. 果実の肥大は,横径肥大盈を1週間ごとにキャリバーで測定した“ 果実の品質は,温度処理終了時に果実を採取して,重畳,果径,硬度,可溶性固形物含盈および糖含盈を調べ た.硬度は三木式果実検圧計53)を用いて測定した. 実験結果 果実の肥大 果実の肥大曲線は第20図のとおりである∴す射つち,第ⅠⅠⅠ期の横径肥大盈は10−15mmで,第Ⅰ期に比べ て約1/2にすぎなかった. 果実の肥大は200−20◇C区および250−20OC区で最もすぐれ,25O−300C区,300−250C区および300−30OC区 でははをはだしく劣ったとくに,後者は第ⅠⅠⅠ期の肥大のパター・ンを示さず,むしろ第ⅠⅠ期と同様に緩恒な 肥大を呈した. 昼夜を通じた恒温処理区の果実の肥大をみると,200−200C区で汲もすぐれ,ついで,150−150C区,250−250C 区の順となり,300−300C区で最も劣った. 果実の重圧および品質 温度処理終了時における果実の窒盈および大きさは,第21表に示すとおりであるすをわち,果実の重畳およ び容積指数(縦径×横径)は,横径肥大盈のすぐれた200−200C区および250−200C区で最もすぐれ,ついで, 150−250C区,250−150C区,150−20OC区の順となり,250−30◇C区,30O−250C区および300−30OC区では著しく 劣った. 果形指数は昼夜温の高い区ほど小となり,腰高果となる傾向が認められた. 果実の品質は,第22表に示すとおりである.すをわち,果実の硬度は,250−300C区,300−・250C区および300−

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ー 23−− m15 ノ .\ へ払 9/25ユ0/9 23 11/6ユ3 /2510/9 23 11/613 /2510/9 23 11/6】3 月 日 /2510/9 23 11/613 月 日 第20図 第ⅠⅠⅠ期の昼夜温が果実の肥大生長に及ぼす影響 弟21袈 第ⅠⅠⅠ期の昼夜温が果実の大きさに及ぼす影響 畳一夜温 果実の盛儀 縦径 横径 ℃ cm cm LxT T/LlOO 15−15

g 2021.4(83)

5.18 8,07 41.8 156 20 218.0(83) 5,41 8持6 44り2 151 25 224.9(92) 5.41 8…40 45…4 30 205.3(84) 521 8.10 42巾2 20−15 215.9(89) 20 243..9(100) 25 205.7(90) 30 197.5(81) 4 7 7 5 5 7 2 1 4 4 4 4 7 1 0 0 4 5 3 3 5 5 5 5 9 ︵n︶ 6 2 2 6 0 8 ︵X︶ 00 8 7 25u15 218.4(90) 20 239‖5(98) 25 194‖4(80) 30 165..7(68) 3 6 9 6 5 5 4 4 1 1 1 1 8 0 2 2 2 5 8 4 ︵‖0 8 7 7 4 4 4 3 A▲ ︿b 1 7 7 3 1 ︵︰O ︵U 5 6 9 4 4 2 0 5 5 5 5 AV 9 8 8 7 7 6 6 一■ヽ ︵ ︵ ︵ 4 3 7 6 5 2 5 5 8 9 上U 6 ﹁▲ l l l 0 2 7 00 8 3 4 0 4 4 3 3 2 5 6 3 2 4 ∩︶ ﹁▲ 5 5 5 5 2 6 9 1 8 7 3 4 7 7 7 7 5 0 5 0 1 2 2 3 0 3 注‥()・内の数字は200・−200C区を100とした比数を示す、

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−24− 第22衷 第IlI期の昼夜温が果実の品質に及ぼす影響 可溶性 固形物 舎 監 実 登城温 分盈 水含 還元糖 非還元糖 合 致 ℃ 短 % % 151 85、24 11.74(87) 15,.5 85.90 11.26(82) 15.4 86..48 10.46(78) 15..1 85‖73 9.84(75) % 1..71(13) 13い45 243(18) 13,69 2..99(22) 13い45 3い34(25) 13、.18 15−15 20 25 30 3 7 ︵︶0 5 5 5 5 7 15小3 8540 11..66(83) 15.4 86.74 10…77(76) 15.6 87.24 9り53(66) 15..4 85‖31 8い91(64) 2.33(17) 13.99 3=41(24) 14.18 4.82(33) 14.35 51.09(36) 14.00 20−15 20 25 30 9 0 2 .4 6 7 7 ごU 148 86.16 10.30(83) 16.0 84‖71 9‖53(67) 17。.1 82‖85 9.73(60) 15.5 85.33 8い36(61) 2.06(17) 12.36 4、て8(33) 14.31 6.41(40) 16.14 5“44(39) 131.80 25−15 20 25 30 8 8 7 0 6 7 7 8 15.2 86い04 8“67(71) 15.0 85.08 10…11(74) 13.5 86.28 8.47(70) 12‖6 86.97 6い70(61) 3…59(29) 12.26 3‖56(26) 13,.67 3い62(30) 12.09 432(39) 11.02 30−15 20 25 30 6 5 5 5 7 7 8 8 注;()中は金場合厳に対する勉数を示す 15 20 25 平 均 温 度 15 20 25 ド 均 温 度 第21図 昼夜の平均温度と果実の硬度との関係 節22図 昼夜の平均温度と遼元糖および非道元枇 含丑との関係 300C区で8kg以上と硬く,肉質も組側であった.そこで,昼夜の平均温度との関係をみると第21図のとおりで, 両者の間には正の相関関係および回帰直線が認められた また,可溶性固形物および全糖含盈は,250−250C区で蔑も高く・,ついで,250−200C区,200−250C区の順とを

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−・25− り,300−250C区および300−300C区では放も劣ったり これらの結果からみると,果実の品質に関する限り,必 ずしも昼夜の温度較差は必要ではないように思われた. 全糖中に占める還元糖および非還元糖の百分率をみると,還元糖は高温ほど減少し,非還元糖は逆に増加した. そこで,昼夜の平均温度とそれらとの関係をみると第22図のとおりで,前者とは負の,後者とは正の相関関係お よび回帰直線が得られ,第2草第2節第3項の第ⅠⅠ期の昼夜の変温における結果(第16図)と同様の傾向を示し た1 つぎに,昼夜の平均温度が同じで,昼温>夜温とその逆の場合の果実の品質を比較すると,第23衷に示すとお 第23衷 第ⅠⅠⅠ期の昼夜温の相違が果実の品質に及ぼす影響 可溶性 硬 度 固形物 含 盈 果 実 重 義 平均温度 畳一夜温 % 15.3 13 99 155 13…69 % ’c ℃ 20−15 15−20 kg g 2159 69 218.0 5/7 14ノノ8 12..32 15.6 13.45 25−15 218.4 6、8 221.9 58 15−25 1(;.0 14.31 15.6 14.35 25−20 20−25 239小5 7.8 205.7 72 152 12.26 15,1 131.18 185.4 7.6 205.3 75 30−15 15−30 15.0 13.67 15.4 14,.00 30−20 20−30 192.3 7 5 19715 6..4 13.5 12.09 15.5 1380 165小7 8.5 165。7 8.0 30−25 25−30 りで,果実の蒐放は,25◇Cと200Cの組合わせでは昼温>夜温ですぐれ,他の組合わせではほとんど差異がを かった果実の硬度は300Cと150Cの組合わせを除いて屋温>夜温で硬くなった可溶性固形物および全糖含 盛は,150Cと25OC,150Cと300C,25OCと30OCの組合わせでば昼温く夜温ですぐれ,その他の組合わせでは ほとんど差異がみられなかったい 第4節 果実の糖画分への14Cのとり込みに及ぼす温度の影響 実験材料および方法 実験材料として,第2草第1節の第Ⅰ期,貸2節第2項の第ⅠⅠ期および第3節第2項の第ⅠⅠⅠ朔の温度処理 における,それぞれ昼夜を通じて同じ温度においた恒温処理区の実験樹を用いた14co2処理はそれぞれ8月2 日,9月5日および10月28日に行ったが,その方法はつぎのとおりである. 着果枝の先端の5葉を小型プラスチック製の同化箱に入れて,加熱用の按ろうで密封し,小型真空ポンプで同 化箱内を軽く減圧した三角フラスコ内でNa21ico3(1mci/ml)にHClO4を数滴加えて14co2を発生させ,そ の14co2を同化箱に導入したのち,同化箱を常圧にもどして午前9時から約1時間,光合成を行わせて14co2を とり込ませた小 弟実の採取は第Ⅰ期では処理2日後,第ⅠⅠ期では処理3日後,第ⅠⅠⅠ期では処理5日後に行った. 果実中の糖の抽出は,果肉10gを秤取して乳鉢中で石英砂を加えて磨砕し,300mgの三角フラスコに移して

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−26−− 5倍蕊の70%EtOHを加え,違蘭冷却器を付けて沸騰水中で30分間行ったのち,熟時にEtOH をろ過し,果肉 残液を同様にして抽出を3固練り返し行った70%EtOHろ液を合せて減圧浪縮し,EtOHを溜去,H20を加え て約100mJとし,IR−120H型およびIRA−4100H型イオン交換樹脂を加えてバッチ法で妨啓イオンを除去し た.再び減圧浪縮して液終の糖液盈を約1mJとした‖ この糖液を毛細管で東洋ろ紙Noい51にスポットし,ブタ ノール:酢酸:水,4:1:2(Ⅴ/V)の展開剤で上昇法により3蛮展開してペ・−パークロマトグラムを得た,.3% P−Anisidin−HClで発色させて,それぞれの糖の発色部を切り取って,液体シンチt/lNタl−・(5gPPO,0.3gPOPOP/ ヱトルエン)10mgを加えたバイエルに入れて,液体シンチレーションカウンター・を用いて14cのCpmを測定し た. 実験結果 第Ⅰ期における果実の糖画分への14cのとり込みの様相は,第24表のとおりである.すなわち,8月上旬のカ キ果実の糖の組成はショ糖とブドウ糖で構成されてこおり,果糖は検出されをかったい 第24表 第Ⅰ期の昼夜の恒温が14cの果実中の糖画分へのとり込みに及ぼす影響 温 度 シ ョ 糖 ブ ド ウ 糖 ■c cpm % cpm 15 1108×103 904 118×103 9.6 20 1lい17 87.4 1.16 25 9小65 86、0 1,56 30 1257 90.2 1.37 注‥8月2日とり込み, 8月4日調教 14cの大部分はショ糖にとり込まれて,ブドウ糖には96−140%にすぎなかったが,200C区および250C区 ではやや増加した ショ糖 果糖 ブドウ糖 ﹁ ↑ 0 80 40 糟 両 分 中 の ℃ 比 15 20 25 温 度 】5 20 25 300C 温 唆 第23図 第ⅠⅠ期の昼夜の恒温が14cの果実中の糖 第24図 第ⅠⅠⅠ期の昼夜の恒温が14Cの果実中の 画分へのとり込みに及ぼす影響 糖画分へのとり込み及ぼす影響

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ー 27 − 第ⅠⅠ期における果実の糖画分への14Cのとり込みの様相は,第23図のとおりである,すなわち,200C以上で は処理温度が高いほど,14cはショ糖に多くとり込まれ,ブドウ糖および果糖で減少した.この結果は第2節の 第13表,第16囲および第3節の第22表,第22図の全糖に対する還元糖および非還元糖の首分比の結果と−・致して いる.しかし,150C区では14cの大部分がショ糖にとり込まれており,低塩のためブドウ糖および果糖へのと り込みには相当の長時間を要す−るようであった‖ 第ⅠⅠⅠ斯における果実の糖画分への14cのとり込みの様相は,第24図のとおりである.すをわち,14cの52−60 %はショ糖にとり込まれてはいるが,温度の相違による影響が明らかではなかったこのことば,10月下旬にお ける果実中の糖の代謝は8月ないし9月ほど活発でなく,すでに成熟段階に達しているものと解釈された‖ 第5節 考 察 カキの生育期の温度条件に関する研究は傍島ら66)の新棉伸長潤および果突の発育第Ⅰ期の夜温についての成 紙のみで,果実発育の中期および後期の温度条件についての科学的根拠に乏しい. 本節ではカキ果実の発育期,すをわち,第Ⅰ期,第ⅠⅠ期および第王ⅠⅠ期における温度処理が,果実の肥大生 長と品質のいずれにより効果的を影響を及ぼすかについて考察する, 果実の肥大 第1節の第Ⅰ期の昼夜の温度処理における果実の肥大鼠は,250−250C区および250−200C区で汲もすぐれて いた.したがって,第Ⅰ期の果実肥大の好適温度は昼夜ともに250C,あるいは,昼温250C一夜温200Cであり, 傍島ら…のカキの果実の発育第Ⅰ期の夜温,小林ら89・43〉,新居ら55)の温州ミカンの果実肥大の適温とほぼ−・致 している. ところで,自然条件下における気温の日変化は,昼間に高く夜l郡こ低くをり,これを毎日繰り返す.そこで, 1日の平均温度が同じで,昼温>夜温とその逆の場合における果実の肥大を比較すると,150Cと300Cの組合わ せを除いて−昼温>夜温の場合ですぐれ,ブドウ48・44・58)および温州ミカン48,58)の成繊と−・致する、ただし,昼温 が150Cと低い場合には,高夜温区で肥大が促されるが,これは補温的効果を示すものと思われる1すなわち, 高夜温が樹体および果実の呼吸を促して代謝を活発にし,果実の肥大を・促進すると考えられる. 温度処理終了後から,果実の成熟期までの果実の肥大は,8月上旬−9月中旬の間の野外の高温条件にもかかわ らず,温度処理期聞中の昼夜の平均温度の低い区ほどすぐれ,明らかにその影響が成熟期にまで及んだ. 第2節の第ⅠⅠ期の夜温,昼夜を通じた恒温および変温処理における果実の肥大親は,あたかも肥大の緩慢期 に相当するため5−15mm程度と少なく,第Ⅰ期の25−35mmに比べて著しく少をくをっており,8月上旬から 8月下旬までの間では処理温度の相違による影響がほとんど認められない..その後,夜温処理で250C区,昼夜 の変温処理で250−200C区で旺盛となり,より早期に第ⅠⅠⅠ期に達したい また,昼夜変温処理における高温区の 250−300C区,300一之50C区および300−300C区では,9月中一下旬にをっても緩慢を肥大がみられるにすぎず, 第ⅠⅠ工期に適せず,しかも,温度処理後の肥大も劣った. したがって,第ⅠⅠ期の果実肥大の適温は200Cから250Cの範剛こあり,この温度におかれるとより早期に 第ⅠⅠⅠ期に適するものと考えられる.. これらのことから,6イ月の梅雨期の降雨の少ない年,あるいは,梅雨明け期の早い年には,7−8月の気温が 高温とをって,定一秋季の果実の肥大生長に対して惑彫啓を及ぼすことが推察され,香川県をどの暖地において, 大来生産が困難である要因の一つとして,夏季の高温が挙げられよう つぎに,第3節の第ⅠⅠⅠ期の果実肥大故をみると,7−15mm程度であり,第ⅠⅠ期とほほ同じ程度で第Ⅰ期よ

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−・28・】 りも少をいものである.昼夜の変温処理における肥大盈からみて,第ⅠⅠⅠ期の果実肥大の適温は200−200C,また は250−200Cであると考えられる. 以上の結果にみられるとおり,果実発育に対する温度条件は実験的には果実の各発育周期に対応した好適昼夜 温が認められるが,先述のとおり,実際的には温度の日変化は昼間に高く夜間には低くをるので,故終的には果 実の成熟期における肥大放および品質が問題となる−この点からみると,結局,カキ果実の肥大の適温は第Ⅰ期, 第ⅠⅠ期および第ⅠⅠⅠ期を通じて,200C−250C の範囲にあるといえ,他のブドウる7・絢40,卯4)および温州ミカ ン叫8,5岬)の調査結果と概して−・致するように思われるい ただし,カキでほ果実発育第ⅠⅠ期における250C以上の高温条件は果実の肥大生長を明らかに抑制す−るもの であって,カキにおける第ⅠⅠ期の発育停滞は高温条件 ̄F■でみられる現象であると考えられ,わが国におけるカ キ栽培上注目すべき問題である, 果実の品質 第1節の第Ⅰ期の昼夜変温処理終了時における,果実の可溶性固形物および全糖合鼠は,第ⅠⅠ期および第 ⅠⅠⅠ期の処理結果に比べて少なく,温度処理の影響が顕著ではなかった. このことについてみると,果実発育第Ⅰ期における肥大生長は,主して細胞分裂から細胞容療の増加に移りつ つある過程であって,果実発育と粉食盈の消長に関する稲葉ら18)の結果でもみられるとおり,未だ糖集積の果 実内代謝が活発でなく,この時期の温度条件は,むしろ肥大生長への影響が大きいことを示している. これに対して,第ⅠⅠ期以降では果実の肥大生長に対するよりは糖塊硫に対して藩按,温度条件が影響するこ とが認められ,果色,糖含駄,硬度などの果実品質に対する彫粋が大きいものと考えられるが,すでに述べたと おり,第2節および第3節の第ⅠⅠ期および第ⅠⅠⅠ期の温度処理の結軋 温度処理終了時および成熟果の重恩, 可溶性固形物および全糖含濃からみて,果実の品質に対する適温は総じて250C,または,昼塩25◇C夜温200C であり,肥大鐘長の適温とほぼ同様な結果を示した, このカキの果実品質に対する適温も,ブドウ8i・39,40,特損)および温州ミカン41・4$・55,56) の適温と−・致しているよう に.思われる なお,注目されることば,第1華で述べたとおり,萌芽から成熟期まで200Cおよび250Cの昼夜恒温処理で, 果実発育第ⅠⅠ潤および第ⅠⅠⅠ期の周期が短縮され,結果として果実の成熟日数が短かくなる事実,あるいは, 第工Ⅰ期以降の昼夜温処理で昼温250C一夜温200Cで品貿がすぐれ,かつ,成熟日数も短縮される事実から考え て,実験的研究の結果からは必ずしも著しい昼夜の温度較差は必要ではをいように思われた.この結果は,デラ ウェアブドウ8i・糾0,48,44)および温州ミカン41・町5,56)の報告と類イ以しており,昼間の同化総生産に好適な温度亀田 であれば,夜間の物質擬流と消費の温度は昼温に近い程,生産一消費が円滑に進むことを示すものであって,温 暖な温度条件を好むカキの生理的特性として興味あるところである つぎに,カキ果実の品質に混も大きな彫称をもつ,全糖含故に対する還元糖および非道元糖の百分比をみると, 第ⅠⅠ翔および第ⅠⅠⅠ期の温度処理の結果は同じ傾向が認められた.すなわち,処理温度の高い区ほど還元糖は 減少し,非違元楯は逆に増加し,それぞれ,拓い負および正の相関関係と回帰直線が認められた.. 果実への糖粂掛こついてみると,果実中の糖画分への14cのとり込みは,第ⅠⅠ期の結果と上述の全糖中に占 める還元糖および非還元糖の百分比の結果と−・致している.しかし,第ⅠⅠⅠ期の10月下旬の処理では,すでに果 実の熟度が相当に進行していたためか,温度処理の影群が不明瞭であったい このことから,カキ果実の糖含盈に 対する温度の影響は,8月から10月中旬までの間に効果的に作用し,それ以後では果実の熟度の進行につれてか をり低下することが明らかとなった.

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