微生物に於けるピルビン酸代謝に関する研究 (第二報) 酵母Carboxylaseの反応機構の一考察-香川大学学術情報リポジトリ

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第6巻第2骨(・1954) 微生物に於けるセノし (第二報)酵母Carboxylaseの反応機構の・一・考察 山 中 啓 Studiesbn Ⅱ・On.the mechanismofyeastcarboxylase. By KeiYAMANAKA (LaboratoryofTechnicalMicobiology) (Received 217− INTRODtTCTION 前報に於てパン酵母より activeなApo−Carboxylaseを簡易に調製する方法に就いて報告した が,今これに・基きcarboxylaseの反応機構について驚干の検討を行ったのでその結果を報告する. 即ち Carboxylaseの 阻害剤と.して,Ag,Cu,Hg,モノヨpド薦酸等があげられているが,これ らは何れもSH毒であ、り,女carboxyla$eは■一つ又はそれ以上のSH基(Sulfh吏drylgr・dui))∵を 1) 活性基として反応に周∴与する事がKtJH雨等(1如8)に.より明ら如こされているめで,著者の得た MgCO8洗淋酵母について,SH基の存在如何について笑験を試みた. MATERIALS AND]M■ET且ODS 実験条件は何れも前報同様,酵母ほノくン酵母(オリエンタル)を使用した.阻啓剤とLてNa−p− Chloromercuribenzoate(以下pCMBと略称)のアルカリ性水溶液を用いた.これほSHに、特異的に 作用する阻啓剤であり,且つモノヨード酪酸の作用が不可逆反応であるに比して可逆反応であって, SH化合物,例えばシステイン,グルタチオン等に.より賦活する事が出来,且つ蛋白のSH基とも反 応する等の利点をもつものである. Ⅰ) 阻害の有無及びその濃度 pCMBの阻啓の有無を検討したのが第1表である.COタは30分借を示した. TableI.Inhibitionof Yeast Carboxylaseby pCMB.

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香川鼎立磨科大挙学術東食 218

_・4 即ち,pCMBK.よりMgCO8洗淋酵母のCarboxylaseは阻零され,その完全阻啓濃度ほ5・9×10M

であ、つた. Ⅱ) 賦活 1) 蹴活の有無

__4 pcMBを実験Ⅰの結果に儲い.5.9火IOM添加して完益に・阻蕃した後.システイン或はピクミンC

(Ⅴ・C)をこれと同嘩鹿又はそれ:昼上届い濃度で添加してCarboxylase作用の蹴活の有無せCO2ガ スを測定する方法で藤めたのが第Ⅱ表である.

−4 Tablel【.Recoveryofセ■6a占tcarboxylas占inムibit占dbypCMBof5..9×10Mn

CO金(メl左t2白:00C,in}30min。) Activator (Mol.) ・+co−Ca.50†+・Ⅴ巾B,50γ ・十CO−Ca.50γ

:り.‥−l、1しヾり、し・丁〉 CO2 1%of reCOVery

_4 +Cysteine2.4×10M _2 〝 10 M _2 V.C ユO M 6 0U O 4 7 0 5 _2 ・一i

CO2iLIwasobserbedwithCysteine(10M)+pCMB(5.9×10M),2..2;With Cysteine _ヱ、・■一之\ (10M)+co・Ca.(50r),59..1*;and withCysteine(10M)十CO−Ca.(50r)+Ⅴ・Bl(50.γ)

147一.9.** _4 即ち,Ⅴ〃Cでほ何等効果が認められない.システインは10M添加しても効果が現われなかった

._2 が,10Mまで添加すると明らかにCO2の発生が認められた..即ち既宿されたものと解釈出来るが,こ

れは初めのえctivityの41∼′43%である,しかし、阻零しないものにシステインを同渡度添加すると CO如ミ減少するが,これを基準として賦括率を求める/と84∼98%に相当する,、故に・用いたシステイシ 及びⅤ.Cは何れも秤量直後に使用した. 2) 阻背部位の決定 pcMBに.よりCarboxylaseは阻零され,他方pCMBで阻零されたtarboxylaseはq/ステインIK て賦活される事より,Carboxylase作用にほ,SH基が関与すると.考えられる∴更にCarboxylase をapo−Carboxylaseと CO−Ca小とに・分けて考えた場合,その何れの部分に於てSH基が関与するか を決定するために.次の実験を行った. −4 即ち,上記の濃度のpCMB(5.9×10{M)にて阻零した洗源酵母にCO−ta・をこれより一・位高い磯度 で添加し,叉一・方CO−Ca.は今迄通り50ナとして洗瀬酵母の盈を鹿加した場合の各々のCarboxyras− eactivityを測定する方法を試みたぃその結果は第肛表の如(1である. TableⅡ.InhibitionofYeast Apo−Carboxy】ase by pCMB.

Reactioil llCO2(〝1)i%of recovery

−8 Washed yeast(100mg)十CO・Ca.(10M=815r) _4 〝 (〝)+co−Ca.(〝)+pCMB(5.9×10M) n (250mg)+co−Caい(50r)+pCMB( 〝 ) 一d 〝 ( 〝)・十pCMB(5.9×10M)

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欝6巻第2骨(1954) 2竣 即ち,pCMBに.よるCarbo文ylaseの阻審はCO;・C?.に含まれるであろうSH基に・対してではなく, af〉OJヒムrboxylaseのSH基に・対tて行われるものである. DISCtJSSION 2〉

前に/少し述べたが,Carboxylaseの阻啓剤と.しては古くよりⅠ.ハロゲン化酪酸等が知られてお 一礼 $) −2 4) −3

り,その他に.SbC18(10Mにて90%),・Na−Nitrite(10Mに.{:75%),モノヨード酪酸(2.5∼5×10Mに

5、−・l て100%),AgNo8,CuSO4,Hg(NO8)2(10Mにて100%),アセトアルデヒド(M/65∼M/160にて 6)7)−3

衷′−il%),カプリル酸(飽和に.て31%■),サルファチアゾール(5..5×10Mにて25%)等が報告され ている.これら阻啓剤(Cu,Hg,モノヨード酉普酸等)ほ同時に・叉何れも典型自勺なSIi凄として知られ ているのであるが,(アセトアルデヒドは平衡に関係し,サルファチアゾー・ルほCO−Ca,との類似構 造より来る捨杭作用である)しからばcar・boxylaseにはその存在するであろうSI‡基が活性の中心 8) となっているのでほないかと考えられる.既に.BARRON等(1945)により数多くのSH酵素(Sulfh一 新df・ylehzyine)を挙げられているが.その中に・tfルビン酸を代謝する酵素群が含まれており,Carb・ 0Ⅹylaseも当その一つとして発表されている・

1, 叉赤堀・上原(1946)は酵素Carboxylaseがpペンゾキノンに・より阻零されると.のKuHN等の

結果を追試して確めた上,システインにて庖濱されたCar・boxylaseを駄活し得る事,更にこの効果 ほチオグす云⊥ル酸でも見られるが,アラニンでは認められない点より,このシステインの作用は S由基に基くものと鹿定している..常に.システインのみにてCarboxylaseを促進する審を報告して いる一. これらの事実よりも,Carboxylase作用に於けるSH基の審要性は充分考えられるのであるが, MgCO8流派港によった酵母Carboxylaseについて検討してみたのである・ 今モノヨー ド酪酸と遼・元型グルタチオン(GSH)との反応を示すと. GsH+Ⅰ..’CH2COOH− GSCH2COOH+IH であって,これほ不可避反応であり,グルタチオン以外にシステイン,−磯アミン顆とも同様に反応 し,何れも不可逆反応であって且つそれに当量関係が成立する事がDICKENS等に・より証明されてい るが,可逸反応を行う阻啓剤であるところのp−ChloromerICuribenzoateを用いた結界,襲仝にI阻 啓される=*’を知った.更に.システインにより儲括の見られる事を認め,SH選のCarboxylaseに於け る位置を確め得たのであるが,・−・芳ピルビン酸の代謝索とⅤ・Blとの関聯ほCar’boxylase?み,にと ゞまちず,数多く考究されており,このⅤ..Blの作用磯掛こ於て:も又SH基の問題がとり上ばられて

10−11) いる.しかしこれらは、Car・boxylaseとの関聯を・一・応の考慮外においてⅤ・Blの作用機序を説明せん 13−17〉 と・したものであって・参考迄に例示すれば,LrpMANNによるdih増ro−Blと・の酸化還元儲がある

が,これは退元型BlがⅤ.Blの作用を示さない事より否定されている..倫このLIPMANNの訣・に礎 19)袖) って,CO−Ca.の酵素模型をLANGENBECK詮を改良してWEIL−MAI・HERBE(I940)は提案して 21〉

いる.常に可逆的なⅤ.Blの酸化還元系として提案されたのがZIMA,WIIJLIAMS(1941)、に・よるB/1 のチアゾール関原に基くThiol−Disufide系である小 しかしCO−Ca・をNa−alcoholate処理して ′Thiol型を得,更にLヨ∼ド酸化して Disulfide型を得,これらのCOl・Ca・カを検討した結果は, Z2) Thiol型はCO−Ca.と同校に活性であるが,Disulfide型は全く作用カを示さない専がKARRER等 (1946)により実証されで以乳Ⅴ..Blのこの酸化還元系が生体内でのそれに関与するとの詮の妥当

性が否定された..しかしこのCO−Ca..のDisulfide型をシステインにて還元して(生成シスチンは濾 2S)

別)作ったThiol型は・,CO−Ca・▲活性をもつも,常に純粋のものより′卜さかった番をKARRERは認 めている.,即ち,CO−Ca.のThiol−Disulfide系は単純にほ行われず,CO−Ca”の作用ほ・この系による

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香川鼎立選科大学学術報告 220 ものではないと結論されているわけで,Carboxylaseに.於ては,Riboflavin系の酸化酵素群及び ニコチン酸アミドを含むところのDPN,TPN系の酸化還元酵素群の如き,そ・の作用機構の∵中心恕 COenZymeに求める試みが現在否定されている段階にあって,牽かに登場したZIMA等のⅤ.Blの 12 ) Thiol−Disulfide系ほ.Ⅴ.Blそれ自体に閲しItほ.興味深い問題を多く提示したにもかゝわらず,Carb− 0ⅩylaseK.迄発展さす審が出来ない状態に.ある.以上の点より,Carboxylase作用の機構を解明する 2L 4〉 に.当’り,apO・Carboxylase にその活性の中心を求めてゆく方法があり,これについて三井は大豆 carboxylaseに.対するNaCNの態度より蛋白申のSH基を中心に.考慮して:いる.このSulfhydryl enzymeに・於けるThiol基の作用は,その酵素活性に直接関与するか,或いは酵素と基質と?結合 26) の行われる活性中心(activecenter)と.して位置する(locate)ものと考えられている様であり, 叉前記KtJHN等のキノン常によるCa‡も0Ⅹylaseの阻零は一つ或いはそれ以上のSH基の酸化笹よる ものとされているが,何れにしてもSH基がどの様な機構の下に作用するかに・関しては今後笹残され た課題であろう.

叉すステインに.よるCarboxylaseの歎活作用ほ,KuHN以外K.もKRUSLER,YouNG aホd 27) 28)

R王王OADS及びCA.JORIも認めている. CoNCI一心SION PCMBによる阻寄及びシステインによる既活作用よりMgCO8洗淋パン酵母のCar−boxylas寧の作 用がSH基に・基くものである事、を知った∴更にその活性SH基ほ.,ZIMA等の言う、ところのⅤ・Bl或い はCO−Ca.,のThiole−Disulfide系と.して’のSH基にあるのではなく,Apo−Carboxylase即ち蛋白の SH基に基くものである審を明らかに.した. 本実験を終えるに・当り,終始御懇篤なる御指導を賜った恩師京都大学農学部教授片桐英郎先生湛・鱒 甚の謝意を表する.叉pCMBを御提供下さり,SH基に関して種々御指導を賜った帝都大学食糧科学 研究所奏忠夫教授,叉Ⅴ.Blの作用機構その他に就いて御詮明を載いた京都大学農学部小出屈次氏の 御好窓に.対して御礼申し上げる. R e s u m e

Bymanometric observations,it wasfound that carboxylaseof dried yeast washed

with MgCO8、WaSinhibited bypCMB,anditsinhibition attained to99∼100% with

−4 finalconcentration、of5.9×10M pCMB.

Recovery ofpCMB・pOisoned enzymerevealed to41∼43%by the additionof Cystein

−一之 OflOM concentration,While any effect could not observed withVitaminC.

From theseresults,iti岳suggeSted thatinhibition of pCMB on carboxylase would attributable toits poisous effectonSH groups of carboxylase・mOlecule.In order to assertainwhichSHgroupincar・boxylasemoleculewould bepoisoned by pCMB;eXper・i− ments werecarriedout with differIent prOpOrtionofco−Ca.andapo−Ca.,anditsdecisive inhibition was observed withapo・Carboxylase,While any noticeable effect of pCMB COuldneverpointed out on co・Carboxylase.

RI王yERRNCES

(カ KIJ錮,R.,andBEINERT,H一.;C加∽小ββγ.,80,】皿(1947);(C‥A..42,1.223,1948) (2)Op♪E試技ぷI入相R,C..:爪絆㈲印加り招d〃椚l司花7点〟乃gβ紹,助励蛸朋拙仁町1421(1939).

(5)

第6巻第2骨(1954) (4)I.主p去。EIr;,RA.Aり′poTrER,Ⅴ.,RいandELVEEJ甜,C”A・:J・B・C・124,147(11939)・ (5)GREEy,DいE」・,HぷRBE軋DuandS℃BRA椚仏NY肌Ⅴ・‥gゐ吉成,憫,32フ(ユ・941) (6)SEVA。,M.G.,SEELBURNE,Mla壷細Ⅷb・:sl:†・i・こ、Gen:掬siot25・805(1942)・ (7)SEVAG,M・G・・,SEELBURNE,M・and叫P?,S”:J・BaciT!甲,65(1945)・ (8)BARR。N,E.,S.G.andSINGER,T∴卓;lI・汀B・・’cり157’i221;’241(1945)・ (9)赤頻四郎,上尿喜八郎:ビタミソB】研究特別委員会第8回記事(1946)・ 師 舘勇・小出眞次‥ビタミソ,4Nq・・4;写23,1951・ 佃 島馴厩雄‥化学の領域,2,25ユ(1948) 8勾 舘勇‥化学の領域,臨時増刊NO・・2,37一(1949)・ 任尋 LIP丸蝕汎F.:∧勉f〝タβ,138,109′7(Ⅰ936)・ 掴 −−−「バ以.,140,25(193フ)・ 昭l−−一輝− ,払ば・,140,早49(1937)・ a6)LIPMAN2q,F.andPERLn(A2”,G”:J・AC”S,60,2574(1938)0 仕切 STERN,K.C…,andM乱NICR,J”Lて:/・JB,C・・,131,597(1939) ㈹ BARRON,E・S小G・andLYnIA汎C…M・:&ienFe・92,337(1940)・ 8功 LANGEⅣBECE,W.:励g・d′月形年γ頑bJL,2, 餌 W肌_MALⅡERBE,H.:A勉励β,145,106(19季0)・ 釧 ZIMA,0小andWILLIAAIS,R・R:BeYl,73,94ユ(1940) 印▲KA甲汎PモuqdⅤISCOy甲甲声一M・:、旅奴c鹿沼・A申29・7⊥ユ・(1946)・ e頚 伽三井早苗、:日射ヒ学会第三年傘詣演穿旨集,42,ユ950・ 囲WA。HTMEISTER.C、A.andMYRBicE,K.:ArkEVn j(emi・,Mineケaろ・Geol,244,9(1946)・(C・A・姐 5929,1948). ¢㊥PR臆童s工恥rP…豆/andiIuyT血,F.E‖:A読札肋・βわd始加・,柑,1(194め・ 釦 KRUSLER,C.J…,YouzqG,N…F.andREOADS,C…P・:.J・B・C・・,143,465(1942)・ 鯛 CAJORI,F.A.:謝礼143,357(1942)・

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