「
What’s this? クイズ大会をしよう」授業実践報告
-小中接続を視野に入れて-
A Practical Report on the “What’s this?” Lesson:
Considering the Linkage of Elementary and Junior High
School English Education
川村 一代
皇學館大学
北岡 美代子
三重県伊勢市教育委員会
KAWAMURA Kazuyo
Kogakkan University
KITAOKA Miyoko
Ise Board of Education, Mie
キーワード:繰り返し,
5年生の復習,二種類のWhat’s this?
要旨
本研究は,「既習語彙の想起・再生」をねらった外国語活動授業実践の報告である。昨年度は“Hi, friends! 2”の Lesson 7「オリジナルの物語を作ろう」を二年間の外国語活動の総復習と捉え授業実践 を行った。今年度は外国語活動一年目である5 年生の復習がどの単元でできるかを考えた。5 年生は 6 年生より語彙を多く学ぶことから語彙を中心に復習することにした。そこで,使用する語彙数が他単 元に比べて多い“Hi, friends! 1”の Lesson 7「クイズ大会をしよう」をアレンジすることにした。Lesson 7 のテーマは「クイズ」であり,クイズに答えるためのヒントを出すときに,既習語彙の想起・再生 が自然な流れの中でできると考えたのである。児童は“Hi, friends! 1”に掲載されている様々なクイズ を体験しながら,“What’s this?”, “Hint, please.”, “That’s right.”, “Sorry. Try again.”などクイズで 使う英語表現に慣れ親しみ,クイズのヒントを聞いたり言ったりすることを通して既習語彙を復習し た。単元のゴールであるコミュニケーション活動として,自分たちで調べたクラスメートの好みを当 てるクイズ大会「フレンズクエスト」を行い,既習語彙に加えて既習表現の想起・再生も行った。さ らに,“What’s this?”という表現が二つの文脈で使われることにも着目し,二種類の“What’s this?”を
バランスよく体験させるよう授業を構成し,小中の接続を視野に入れた指導を実践した。
1. はじめに
学習において「繰り返し」は重要である。とりわけ外国語学習における「繰り返し」は学習の根幹 を成すものと言ってもよいであろう。語彙や表現を身に付けるには,何回も「繰り返し」聞いたり言 ったりする必要がある。様々な文脈で既習語彙や表現にいかに「繰り返し」触れるかが外国語学習成 功の鍵となる。小学校外国語活動では,5・6 年生を対象に週一回・年間 35 時間の授業が行われてい る。週一回・年間35 時間という非常に限られた時間の中で,いかに多くの「繰り返し」を仕組むかが 授業を構成する上で重要なポイントとなる。気が付いたら「何度も聞いていた」「何度も言っていた」 という活動や,「もっと聞きたい」「もっと言いたい」と思わせる自発的な「繰り返し」を楽しむ活動 を児童に提供したい。「繰り返し」を学習における重要な要素と考える我々は,昨年度,“Hi, friends! 2”の Lesson 7 「オ リジナルの物語をつくろう」を二年間の外国語活動の総復習と捉え,「既習表現の再生」をテーマに授 業実践を行った(川村他2014,川村 2014a,川村 2014b)。児童は,昔話「桃太郎」をベースにしたオ リジナル英語劇を,今まで慣れ親しんできた既習表現を駆使して創作し,台詞を何度も練習してみん なの前で披露した。昨年度の外国語活動二年間の総復習に引き続き,今年度は外国語活動一年目の復 習をテーマとした。5 年生が慣れ親しんできた語彙や表現の「繰り返し」が自然にできる単元はどこ かを考えた結果,Lesson 7「What’s this? クイズ大会をしよう」が 5 年生の復習の単元としてふさわし いのではないかという結論に至った。
2.5年生の復習としての Lesson 7
“Hi, friends 1!”の Lesson 7「What’s this? クイズ大会をしよう」は,“What’s this?”という表現を使 ってクラスのみんなと英語でクイズを楽しむ単元である。Lesson 7 の誌面をざっと見た感じでは,語 彙が多く紹介されているという印象を受ける。最初の見開き2 ページには物の一部が描かれている絵 カードが28 枚載っていて,それぞれの絵が何の一部かを当てるクイズとなっている。次の 2 ページに は教室や運動場にある色々な物が描かれていて,ポインティングゲームをすることになっている。 Lesson 7 では本当に語彙が多く紹介されているのか,“Hi, friends! 1, 2”の各単元の新出語彙数を調べ てみた。表1 は“Hi, friends!”の指導編に記載されている Let’s Play・Let’s Listen・Let’s Chant のスクリ プトにある単語と誌面に掲載されている単語を対象として,それぞれの単語が初めて登場した単元を 調べ,各単元にいくつ新出語彙が出てくるかをまとめたものである。
5 年生では 298 語,アルファベットと数字(1~20)を除いても 252 語が扱われている。6 年生では 新たに182 語が追加される。このことから 5 年生では 6 年生より多くの語彙を学ぶことがわかる。“Hi, friends! 1”の Lesson 7 では 31 の英単語が新たに登場するが,新出語彙数は色や形を扱った Lesson 5(33 語)や教科を扱ったLesson 8(54 語)の方が多い。表 1 の新出語彙には,挨拶,代名詞,be 動詞や Let’s Listen で一度聞くだけの単語も含まれている。そこで次に,“Hi, friends! ”のデジタル教材に収録
「
What’s this? クイズ大会をしよう」授業実践報告
-小中接続を視野に入れて-
A Practical Report on the “What’s this?” Lesson:
Considering the Linkage of Elementary and Junior High
School English Education
川村 一代
皇學館大学
北岡 美代子
三重県伊勢市教育委員会
KAWAMURA Kazuyo
Kogakkan University
KITAOKA Miyoko
Ise Board of Education, Mie
キーワード:繰り返し,
5年生の復習,二種類のWhat’s this?
要旨
本研究は,「既習語彙の想起・再生」をねらった外国語活動授業実践の報告である。昨年度は“Hi, friends! 2”の Lesson 7「オリジナルの物語を作ろう」を二年間の外国語活動の総復習と捉え授業実践 を行った。今年度は外国語活動一年目である5 年生の復習がどの単元でできるかを考えた。5 年生は 6 年生より語彙を多く学ぶことから語彙を中心に復習することにした。そこで,使用する語彙数が他単 元に比べて多い“Hi, friends! 1”の Lesson 7「クイズ大会をしよう」をアレンジすることにした。Lesson 7 のテーマは「クイズ」であり,クイズに答えるためのヒントを出すときに,既習語彙の想起・再生 が自然な流れの中でできると考えたのである。児童は“Hi, friends! 1”に掲載されている様々なクイズ を体験しながら,“What’s this?”, “Hint, please.”, “That’s right.”, “Sorry. Try again.”などクイズで 使う英語表現に慣れ親しみ,クイズのヒントを聞いたり言ったりすることを通して既習語彙を復習し た。単元のゴールであるコミュニケーション活動として,自分たちで調べたクラスメートの好みを当 てるクイズ大会「フレンズクエスト」を行い,既習語彙に加えて既習表現の想起・再生も行った。さ らに,“What’s this?”という表現が二つの文脈で使われることにも着目し,二種類の“What’s this?”を
バランスよく体験させるよう授業を構成し,小中の接続を視野に入れた指導を実践した。
1. はじめに
学習において「繰り返し」は重要である。とりわけ外国語学習における「繰り返し」は学習の根幹 を成すものと言ってもよいであろう。語彙や表現を身に付けるには,何回も「繰り返し」聞いたり言 ったりする必要がある。様々な文脈で既習語彙や表現にいかに「繰り返し」触れるかが外国語学習成 功の鍵となる。小学校外国語活動では,5・6 年生を対象に週一回・年間 35 時間の授業が行われてい る。週一回・年間35 時間という非常に限られた時間の中で,いかに多くの「繰り返し」を仕組むかが 授業を構成する上で重要なポイントとなる。気が付いたら「何度も聞いていた」「何度も言っていた」 という活動や,「もっと聞きたい」「もっと言いたい」と思わせる自発的な「繰り返し」を楽しむ活動 を児童に提供したい。「繰り返し」を学習における重要な要素と考える我々は,昨年度,“Hi, friends! 2”の Lesson 7 「オ リジナルの物語をつくろう」を二年間の外国語活動の総復習と捉え,「既習表現の再生」をテーマに授 業実践を行った(川村他2014,川村 2014a,川村 2014b)。児童は,昔話「桃太郎」をベースにしたオ リジナル英語劇を,今まで慣れ親しんできた既習表現を駆使して創作し,台詞を何度も練習してみん なの前で披露した。昨年度の外国語活動二年間の総復習に引き続き,今年度は外国語活動一年目の復 習をテーマとした。5 年生が慣れ親しんできた語彙や表現の「繰り返し」が自然にできる単元はどこ かを考えた結果,Lesson 7「What’s this? クイズ大会をしよう」が 5 年生の復習の単元としてふさわし いのではないかという結論に至った。
2.5年生の復習としての Lesson 7
“Hi, friends 1!”の Lesson 7「What’s this? クイズ大会をしよう」は,“What’s this?”という表現を使 ってクラスのみんなと英語でクイズを楽しむ単元である。Lesson 7 の誌面をざっと見た感じでは,語 彙が多く紹介されているという印象を受ける。最初の見開き2 ページには物の一部が描かれている絵 カードが28 枚載っていて,それぞれの絵が何の一部かを当てるクイズとなっている。次の 2 ページに は教室や運動場にある色々な物が描かれていて,ポインティングゲームをすることになっている。 Lesson 7 では本当に語彙が多く紹介されているのか,“Hi, friends! 1, 2”の各単元の新出語彙数を調べ てみた。表1 は“Hi, friends!”の指導編に記載されている Let’s Play・Let’s Listen・Let’s Chant のスクリ プトにある単語と誌面に掲載されている単語を対象として,それぞれの単語が初めて登場した単元を 調べ,各単元にいくつ新出語彙が出てくるかをまとめたものである。
5 年生では 298 語,アルファベットと数字(1~20)を除いても 252 語が扱われている。6 年生では 新たに182 語が追加される。このことから 5 年生では 6 年生より多くの語彙を学ぶことがわかる。“Hi, friends! 1”の Lesson 7 では 31 の英単語が新たに登場するが,新出語彙数は色や形を扱った Lesson 5(33 語)や教科を扱ったLesson 8(54 語)の方が多い。表 1 の新出語彙には,挨拶,代名詞,be 動詞や Let’s Listen で一度聞くだけの単語も含まれている。そこで次に,“Hi, friends! ”のデジタル教材に収録
表1 各単元の新出単語数 HF Lesson 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 語彙数 12 17 46 (26)注1 20 33 57 (31)注2 31 54 28 2 27注3 28 18 17 14注4 14注5 14 (43)注6 21 注1:1~20 の数を含む。カッコ内は数字を含めない数。 注2:アルファベット,pp.22-23 の街の絵にある英単語を含む。カッコ内はアルファベットを含めない数。 注3:pp.4-5 の街の絵にある英単語を含む。 注4:名所の名前(Great Wall など)は含まない。 注5:地名(Sydney など)は含まない。 注6:カッコ内はpp.26-27 の世界のお話を含む。 されている絵カードの枚数を数えてみた。絵カードになっている語彙というのは,各単元で扱われて いる単語の中でも,とりわけ児童に慣れ親しんでほしい語彙であろう。実際教室では絵カードが頻繁 に使われ,絵カードになっている語彙を中心に授業が行われるケースが多い。こうした理由から,絵 カードになっている語を学習語彙と呼ぶことにする。各単元における学習語彙数は,表2 のようにな っている。 表2 各単元の学習語彙数(絵カードの枚数) HF Lesson 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 語彙数 11注1 6 24 (4)注2 23 20注3 50 (24)注4 40注5 17 26 2 24 20 11注6 26 14 16 0注7 16 注1:登場人物のカードは含めない。 注2:1~20 の数を含む。カッコ内は数字を含めない数。 注3:T シャツのデザインは含めない。20 枚のうち 16 枚は赤い丸,青い星など,色と形の組み合わせであり, 扱われている色は8 色,形は 4 つである。 注4:アルファベットを含む。カッコ内はアルファベットを含めない数。“tomato”は普通の絵とシルエットクイズ 用の二枚あったので,一枚としてカウントした。 注5:絵の一部とパズルクイズピースは含めない。 注6:THIS IS ME の絵は含めない。 注7:世界の物語,桃太郎の場面を含めない。 絵カードになっている学習語彙は,“Hi, friends! 1”では 218 語ある。数字(1~20)とアルファベッ ト(26 文字)を除くと 172 語となる。“Hi, friends! 2”では 127 語が絵カードになっており,5 年生の 方が約50 語も多く語彙を学習する。この方法でカウントすると,“Hi, friends! 1” Lesson 7 の語彙数が すべての単元の中で一番多いことになり,語彙が多く紹介されているという印象は当たっていたと言 える。
5 年生では 6 年生より多くの新しい語彙と出会う。また,Lesson 7 までに慣れ親しんだ表現は,気
持ちや体調を伝える“I’m ~.”,数を聞く“How many?”, 好みを表す“like”を使った表現(“I like ~./ don’t like ~.”,“Do you like ~?”,“What ~ do you like?”)しかない。これら二つの点から,5 年生の 復習は,語彙に重きをおいて行われるべきと考えた。“Hi, friends! 1”Lesson 7 のテーマはクイズであ り,クイズの答えとなる語や答えのヒントを出すことを通して,クイズを楽しむという自然な流れの 中で既習語彙の想起・再生ができることから,Lesson 7 が 5 年生の復習をするのに最適と判断した。 クイズのやり取りは出題者と解答者がそれぞれ一人ずついれば成り立つ。すべての児童に既習語彙 を再生する機会をできるだけ多く与えるため,活動の形態はペアを中心に行うことにした。表3 は 5 年生と6 年生,各学年の復習の形態・内容などをまとめたものである。太字網がけは,重点を置く項 目を示している。 表3 総復習の視点 学年 5 年生 6 年生 復習単元 Lesson 7 What’s this? クイズ大会をしよう Lesson 7 We are good friends. オリジナルの物語をつくろう
Lesson 8 What do you want to be?
「夢宣言」をしよう 活動の形態 ペア グループ 個人 活動の内容 クイズ 劇 スピーチ 復習項目 語彙 疑問文とその答えの呼 応 語彙 平常文の応用 疑問文の応用 語彙 平常文(ある程度型にはま った形で使用) 文部科学省の指導案例の単元目標,「ある物について積極的にそれが何かと尋ねたり,答えようとす る」「ある物が何かと尋ねたり,答えたりする表現に慣れ親しむ」「日本語と英語の共通点や相違点か ら,言葉のおもしろさに気付く」に加え,今回の指導では「既習語彙の想起・再生を行う」という目 標も付け加えて指導にあたった。
3.二つの文脈における“What's this?”
3.1 小学校における“What's this?”
Lesson 7「What’s this? クイズ大会をしよう」の単元目標の一つは「ある物が何か尋ねたり,答えた りする表現に慣れ親しむ」ことであり,「ある物が何か尋ねる」表現として“What’s this?”がクイズと いう文脈の中で使われている。Lesson 7 の最初の見開き 2 ページでは,指導者が物の絵の一部を見せ て“What’s this?”と尋ね,それが何か児童が答える。Activity では,①物を黒く塗りつぶした絵を見せ “What’s this?”と尋ね,その絵が何なのか答えを当てる「シルエットクイズ」,②漢字を見せ“What’s this?”と尋ね,その漢字の読み方を当てる「漢字クイズ」,③三つのヒントを言い“What’s this?”と尋 ね,それが何のことを言っているのか当てる「スリーヒントクイズ」,④パズルのピースを見せて “What’s this?”と尋ね,ピースを組み合わせてできる四つのアルファベットを当てる「パズルクイズ」
表1 各単元の新出単語数 HF Lesson 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 語彙数 12 17 46 (26)注1 20 33 57 (31)注2 31 54 28 2 27注3 28 18 17 14注4 14注5 14 (43)注6 21 注1:1~20 の数を含む。カッコ内は数字を含めない数。 注2:アルファベット,pp.22-23 の街の絵にある英単語を含む。カッコ内はアルファベットを含めない数。 注3:pp.4-5 の街の絵にある英単語を含む。 注4:名所の名前(Great Wall など)は含まない。 注5:地名(Sydney など)は含まない。 注6:カッコ内はpp.26-27 の世界のお話を含む。 されている絵カードの枚数を数えてみた。絵カードになっている語彙というのは,各単元で扱われて いる単語の中でも,とりわけ児童に慣れ親しんでほしい語彙であろう。実際教室では絵カードが頻繁 に使われ,絵カードになっている語彙を中心に授業が行われるケースが多い。こうした理由から,絵 カードになっている語を学習語彙と呼ぶことにする。各単元における学習語彙数は,表2 のようにな っている。 表2 各単元の学習語彙数(絵カードの枚数) HF Lesson 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 語彙数 11注1 6 24 (4)注2 23 20注3 50 (24)注4 40注5 17 26 2 24 20 11注6 26 14 16 0注7 16 注1:登場人物のカードは含めない。 注2:1~20 の数を含む。カッコ内は数字を含めない数。 注3:T シャツのデザインは含めない。20 枚のうち 16 枚は赤い丸,青い星など,色と形の組み合わせであり, 扱われている色は8 色,形は 4 つである。 注4:アルファベットを含む。カッコ内はアルファベットを含めない数。“tomato”は普通の絵とシルエットクイズ 用の二枚あったので,一枚としてカウントした。 注5:絵の一部とパズルクイズピースは含めない。 注6:THIS IS ME の絵は含めない。 注7:世界の物語,桃太郎の場面を含めない。 絵カードになっている学習語彙は,“Hi, friends! 1”では 218 語ある。数字(1~20)とアルファベッ ト(26 文字)を除くと 172 語となる。“Hi, friends! 2”では 127 語が絵カードになっており,5 年生の 方が約50 語も多く語彙を学習する。この方法でカウントすると,“Hi, friends! 1” Lesson 7 の語彙数が すべての単元の中で一番多いことになり,語彙が多く紹介されているという印象は当たっていたと言 える。
5 年生では 6 年生より多くの新しい語彙と出会う。また,Lesson 7 までに慣れ親しんだ表現は,気
持ちや体調を伝える“I’m ~.”,数を聞く“How many?”, 好みを表す“like”を使った表現(“I like ~./ don’t like ~.”,“Do you like ~?”,“What ~ do you like?”)しかない。これら二つの点から,5 年生の 復習は,語彙に重きをおいて行われるべきと考えた。“Hi, friends! 1”Lesson 7 のテーマはクイズであ り,クイズの答えとなる語や答えのヒントを出すことを通して,クイズを楽しむという自然な流れの 中で既習語彙の想起・再生ができることから,Lesson 7 が 5 年生の復習をするのに最適と判断した。 クイズのやり取りは出題者と解答者がそれぞれ一人ずついれば成り立つ。すべての児童に既習語彙 を再生する機会をできるだけ多く与えるため,活動の形態はペアを中心に行うことにした。表3 は 5 年生と6 年生,各学年の復習の形態・内容などをまとめたものである。太字網がけは,重点を置く項 目を示している。 表3 総復習の視点 学年 5 年生 6 年生 復習単元 Lesson 7 What’s this? クイズ大会をしよう Lesson 7 We are good friends. オリジナルの物語をつくろう
Lesson 8 What do you want to be?
「夢宣言」をしよう 活動の形態 ペア グループ 個人 活動の内容 クイズ 劇 スピーチ 復習項目 語彙 疑問文とその答えの呼 応 語彙 平常文の応用 疑問文の応用 語彙 平常文(ある程度型にはま った形で使用) 文部科学省の指導案例の単元目標,「ある物について積極的にそれが何かと尋ねたり,答えようとす る」「ある物が何かと尋ねたり,答えたりする表現に慣れ親しむ」「日本語と英語の共通点や相違点か ら,言葉のおもしろさに気付く」に加え,今回の指導では「既習語彙の想起・再生を行う」という目 標も付け加えて指導にあたった。
3.二つの文脈における“What's this?”
3.1 小学校における“What's this?”
Lesson 7「What’s this? クイズ大会をしよう」の単元目標の一つは「ある物が何か尋ねたり,答えた りする表現に慣れ親しむ」ことであり,「ある物が何か尋ねる」表現として“What’s this?”がクイズと いう文脈の中で使われている。Lesson 7 の最初の見開き 2 ページでは,指導者が物の絵の一部を見せ て“What’s this?”と尋ね,それが何か児童が答える。Activity では,①物を黒く塗りつぶした絵を見せ “What’s this?”と尋ね,その絵が何なのか答えを当てる「シルエットクイズ」,②漢字を見せ“What’s this?”と尋ね,その漢字の読み方を当てる「漢字クイズ」,③三つのヒントを言い“What’s this?”と尋 ね,それが何のことを言っているのか当てる「スリーヒントクイズ」,④パズルのピースを見せて “What’s this?”と尋ね,ピースを組み合わせてできる四つのアルファベットを当てる「パズルクイズ」
が掲載されている。これらのいずれにおいても,クイズという文脈の中で,答えを知っている人が答 えを知らない人に“What’s this?”と聞く。“What’s this?”と尋ねる人は,それが何だか知りたくて聞く のではなく,「これが何だか当ててごらん」という意味で“What’s this?”を使う。つまりこの場合の “What’s this?”はより正確に言うと“Guess what this is.”という意味なのである。
小学校外国語活動において“What’s this?”は教室英語としてもよく使われる。指導者が絵カードや 実物を児童に見せ,“What’s this?”と尋ねる。答えを知っている指導者が“What’s this?”と児童に答え を促すのだ。この場合も指導者は,それが何だか知りたくて“What’s this?”と聞いているわけではな い。絵カードに描かれている物や実際にそこにある物を英語で何というか児童に言わせたくて,「これ を英語で何て言うのかな?」という意味で“What’s this?”と聞いているのである。つまりこの場合の “What’s this?”はより正確に言うと,“How do you say this in English?”という意味なのである。 このように小学校外国語活動注1においてはクイズや教室英語などで,答えを知っている人が答えを
知らない人に“What’s this?”と聞くケースが多い。しかし,“What’s this?”は本来,答えを知らない人 が答えを知りたくて発する表現で,こちらの使われ方の方が基本的なのではないだろうか。少なくと も,日常生活において,答えを知らない人が答えを聞くときに“What’s this?”が使われている以上, 児童には答えを知っている人が使う“What’s this?”だけでなく,答えを知らない人が答えを知りたく て使う“What’s this?”にも慣れ親しませたかった。そこで,「答えを知っている」人が使う“What’s this?” と「答えを知らない」人が使う“What’s this?”という二つの“What’s this?”を両方ともバランスよく 提示し体験させることができるよう図1 のような配分をイメージしながら指導に臨んだ。
図1. 二種類の“What’s this? ”の配分
3.2 中学校における“What's this?”
小学校で“What’s this? ”が使われている文脈を見てきたが,中学校ではどのような文脈で“What’s this? ”が提示されているのであろうか。中学校 1 年生の検定教科書 6 冊について調べてみた(表 4 参 照)。
NEW CROWN,SUNSHINE,TOTAL ENGLISH,ONE WORLD,COLUMBUS では,「答えを知らな い」人が使う“What’s this?”が提示されている。いずれも異文化という文脈の中で,わからない物に
答えを知っている
“What's this?”
答えを知らない
“
What's this?”
表4 中学校教科書における“What’s this? ”の文脈 教科書 NEW CROWN NEW HORIZON SUNSHINE TOTAL ENGLISH ONE WORLD COLUMBUS 出版社 三省堂 東京書籍 開隆堂 学校図書 教育出版 光村 単元 Lesson 2 Part 2 Unit 4 Part 1 Program 5 -1 Lesson 4 C Lesson 2 Part 3 Unit 3 学習時期 一学期 (5月頃) 一学期 (6月頃) 二学期 (9月頃) 二学期 (9月頃) 一学期 (6月頃) 一学期 (6月頃) “What’s this?”が使わ れ て い る コ ンテクスト 「笑」という 漢 字 を 表 現 し た 絵 を ブ ラ ウ ン 先 生 が “What’s this?” と 聞 く。 折 り 紙 の 鶴 や ウ サ ギ を 見 せ て ケ ビ ン が ジ ュ デ ィ に“What’s this?”とクイ ズを出す。 国 際 フ ー ド フ ェ ス テ ィ バ ル で ナ ン を 見 た 武 史 が “What’s that?” と 聞 く。 浅草で,せん べ い を 見 た イ ン ド 出 身 の マ ヤ が “What’s that?” と 聞 く。 給 食 で 出 た 春 巻 き を 留 学 生 ボ ブ が “What’s this?” と 聞 く。 校 章 の バ ッ ジ を 渡 さ れ た ア メ リ カ 出 身 の テ ィ ナ が“What’s this?” と 聞 く。対して“What’s this?”(あるいは“What’s that?”)と尋ねている。一方,NEW HORIZON では,「答 えを知っている」人が答えを知らない人に答えを促すという文脈で“What’s this?”が使われており, この“What’s this? ”は“Guess what this is. ”という意味である。中学校で NEW HORIZON が使用され る場合は特に,小学校で「答えを知らない」“What’s this?”に慣れ親しむことの意義は大きいであろう。 次に,中学校では“What’s this?”という文がどういう扱いをされているかを調べた(表 5 参照)。 表5 中学校教科書の“
What’s this?
”という文の扱いNEW CROWN NEW HORIZON SUNSHINE TOTAL ENGLISH ONE WORLD COLUMBUS “POINT” と し て ,“What is [What’s] this?” が 取 り 上 げ ら れている。 「基本文」とし て “What is this?”が取り上 げられている。 特に取り上げ ら れ て い な い。 覚えたい文(目標 文 ) と し て , “What’s [What is] this?”が取り上げ られている。 「重要構文」と し て “What’s this?”が取り上 げられている。 「基本文」とし て “What’s this?”が取り上 げられている。
NEW CROWN,NEW HORIZON,TOTAL ENGLISH,ONE WORLD,COLUMBUS では,“What’s this?” という文が,それぞれ「POINT」,「基本文」,「覚えたい文」,「重要構文」「基本文」として取り上げら れている。一方 SUNSHINE では,キーセンテンスとして取り上げられていない。教科書の本文中に “What’s that?”という表現が出てきているが,キーセンテンスとして特別に扱われているわけではな い。SUNSHINE においては,小学校で“What’s this?”が扱われているため,中学校では“What’s this?” はすでにわかっているものとして特に取り上げていないのかもしれない。だとすれば,二種類の文脈 のではなく,「これが何だか当ててごらん」という意味で“What’s this?”を使う。つまりこの場合の
“What’s this?”はより正確に言うと“Guess what this is.”という意味なのである。
小学校外国語活動において“What’s this?”は教室英語としてもよく使われる。指導者が絵カードや 実物を児童に見せ,“What’s this?”と尋ねる。答えを知っている指導者が“What’s this?”と児童に答え を促すのだ。この場合も指導者は,それが何だか知りたくて“What’s this?”と聞いているわけではな い。絵カードに描かれている物や実際にそこにある物を英語で何というか児童に言わせたくて,「これ を英語で何て言うのかな?」という意味で“What’s this?”と聞いているのである。つまりこの場合の “What’s this?”はより正確に言うと,“How do you say this in English?”という意味なのである。 このように小学校外国語活動注1においてはクイズや教室英語などで,答えを知っている人が答えを
知らない人に“What’s this?”と聞くケースが多い。しかし,“What’s this?”は本来,答えを知らない人 が答えを知りたくて発する表現で,こちらの使われ方の方が基本的なのではないだろうか。少なくと も,日常生活において,答えを知らない人が答えを聞くときに“What’s this?”が使われている以上, 児童には答えを知っている人が使う“What’s this?”だけでなく,答えを知らない人が答えを知りたく て使う“What’s this?”にも慣れ親しませたかった。そこで,「答えを知っている」人が使う“What’s this?” と「答えを知らない」人が使う“What’s this?”という二つの“What’s this?”を両方ともバランスよく 提示し体験させることができるよう図1 のような配分をイメージしながら指導に臨んだ。
答えを知っている
“What's this?”
答えを知らない
“
What's this?”
図1. 二種類の“What’s this? ”の配分3.2 中学校における“What's this?”
小学校で“What’s this? ”が使われている文脈を見てきたが,中学校ではどのような文脈で“What’s this? ”が提示されているのであろうか。中学校 1 年生の検定教科書 6 冊について調べてみた(表 4 参 照)。
NEW CROWN,SUNSHINE,TOTAL ENGLISH,ONE WORLD,COLUMBUS では,「答えを知らな い」人が使う“What’s this?”が提示されている。いずれも異文化という文脈の中で,わからない物に 表4 中学校教科書における“What’s this? ”の文脈
教科書 NEW NEW SUNSHINE TOTAL ONE COLUMBUS
答えを知っている
“What's this?”
答えを知らない
“
What's this?”
が掲載されている。これらのいずれにおいても,クイズという文脈の中で,答えを知っている人が答 えを知らない人に“What’s this?”と聞く。“What’s this?”と尋ねる人は,それが何だか知りたくて聞く のではなく,「これが何だか当ててごらん」という意味で“What’s this?”を使う。つまりこの場合の “What’s this?”はより正確に言うと“Guess what this is.”という意味なのである。
小学校外国語活動において“What’s this?”は教室英語としてもよく使われる。指導者が絵カードや 実物を児童に見せ,“What’s this?”と尋ねる。答えを知っている指導者が“What’s this?”と児童に答え を促すのだ。この場合も指導者は,それが何だか知りたくて“What’s this?”と聞いているわけではな い。絵カードに描かれている物や実際にそこにある物を英語で何というか児童に言わせたくて,「これ を英語で何て言うのかな?」という意味で“What’s this?”と聞いているのである。つまりこの場合の “What’s this?”はより正確に言うと,“How do you say this in English?”という意味なのである。 このように小学校外国語活動注1においてはクイズや教室英語などで,答えを知っている人が答えを
知らない人に“What’s this?”と聞くケースが多い。しかし,“What’s this?”は本来,答えを知らない人 が答えを知りたくて発する表現で,こちらの使われ方の方が基本的なのではないだろうか。少なくと も,日常生活において,答えを知らない人が答えを聞くときに“What’s this?”が使われている以上, 児童には答えを知っている人が使う“What’s this?”だけでなく,答えを知らない人が答えを知りたく て使う“What’s this?”にも慣れ親しませたかった。そこで,「答えを知っている」人が使う“What’s this?” と「答えを知らない」人が使う“What’s this?”という二つの“What’s this?”を両方ともバランスよく 提示し体験させることができるよう図1 のような配分をイメージしながら指導に臨んだ。
図1. 二種類の“What’s this? ”の配分
3.2 中学校における“What's this?”
小学校で“What’s this? ”が使われている文脈を見てきたが,中学校ではどのような文脈で“What’s this? ”が提示されているのであろうか。中学校 1 年生の検定教科書 6 冊について調べてみた(表 4 参 照)。
NEW CROWN,SUNSHINE,TOTAL ENGLISH,ONE WORLD,COLUMBUS では,「答えを知らな い」人が使う“What’s this?”が提示されている。いずれも異文化という文脈の中で,わからない物に
答えを知っている
“What's this?”
答えを知らない
“
What's this?”
表4 中学校教科書における“What’s this? ”の文脈 教科書 NEW CROWN NEW HORIZON SUNSHINE TOTAL ENGLISH ONE WORLD COLUMBUS 出版社 三省堂 東京書籍 開隆堂 学校図書 教育出版 光村 単元 Lesson 2 Part 2 Unit 4 Part 1 Program 5 -1 Lesson 4 C Lesson 2 Part 3 Unit 3 学習時期 一学期 (5月頃) 一学期 (6月頃) 二学期 (9月頃) 二学期 (9月頃) 一学期 (6月頃) 一学期 (6月頃) “What’s this?”が使わ れ て い る コ ンテクスト 「笑」という 漢 字 を 表 現 し た 絵 を ブ ラ ウ ン 先 生 が “What’s this?” と 聞 く。 折 り 紙 の 鶴 や ウ サ ギ を 見 せ て ケ ビ ン が ジ ュ デ ィ に“What’s this?”とクイ ズを出す。 国 際 フ ー ド フ ェ ス テ ィ バ ル で ナ ン を 見 た 武 史 が “What’s that?” と 聞 く。 浅草で,せん べ い を 見 た イ ン ド 出 身 の マ ヤ が “What’s that?” と 聞 く。 給 食 で 出 た 春 巻 き を 留 学 生 ボ ブ が “What’s this?” と 聞 く。 校 章 の バ ッ ジ を 渡 さ れ た ア メ リ カ 出 身 の テ ィ ナ が“What’s this?” と 聞 く。対して“What’s this?”(あるいは“What’s that?”)と尋ねている。一方,NEW HORIZON では,「答 えを知っている」人が答えを知らない人に答えを促すという文脈で“What’s this?”が使われており, この“What’s this? ”は“Guess what this is. ”という意味である。中学校で NEW HORIZON が使用され る場合は特に,小学校で「答えを知らない」“What’s this?”に慣れ親しむことの意義は大きいであろう。 次に,中学校では“What’s this?”という文がどういう扱いをされているかを調べた(表 5 参照)。 表5 中学校教科書の“
What’s this?
”という文の扱いNEW CROWN NEW HORIZON SUNSHINE TOTAL ENGLISH ONE WORLD COLUMBUS “POINT” と し て ,“What is [What’s] this?” が 取 り 上 げ ら れている。 「基本文」とし て “What is this?”が取り上 げられている。 特に取り上げ ら れ て い な い。 覚えたい文(目標 文 ) と し て , “What’s [What is] this?”が取り上げ られている。 「重要構文」と し て “What’s this?”が取り上 げられている。 「基本文」とし て “What’s this?”が取り上 げられている。
NEW CROWN,NEW HORIZON,TOTAL ENGLISH,ONE WORLD,COLUMBUS では,“What’s this?” という文が,それぞれ「POINT」,「基本文」,「覚えたい文」,「重要構文」「基本文」として取り上げら れている。一方 SUNSHINE では,キーセンテンスとして取り上げられていない。教科書の本文中に “What’s that?”という表現が出てきているが,キーセンテンスとして特別に扱われているわけではな い。SUNSHINE においては,小学校で“What’s this?”が扱われているため,中学校では“What’s this?” はすでにわかっているものとして特に取り上げていないのかもしれない。だとすれば,二種類の文脈
で使われる“What’s this?”に小学校で慣れ親しむことは重要である。
3.3 答えのいらない“What's this?”
以上,“What’s this? ”は,①知らないことを知りたいとき用いられる「答えを知らない What’s this?」 と,②知っていることを知らせたいとき用いられる「答えを知っているWhat’s this?」の二通りの使わ れ方があることをみてきた。①は答えを知りたくて聞く質問なのでイントネーションは半上昇となり, ②は質問と言うよりは答えを知らせたくて言っているのでイントネーションは下降となる。
これらに加えて“What’s this?”には,もう一つ,③答えがいらない「感嘆表現としての What’s this?」 がある。これは,例えば友達が新しい服を着てきたときに,“What’s this? You have a nice dress.”(まあ! すてきなドレスねえ。)とか,家族のだれかが新しい服を着ているのに気付いて,“What’s this? Not another new dress, I hope.”(あれまあ!また新しい服を買ったんじゃないだろうね。)なとど使われる ものである。この「感嘆表現としてのWhat’s this?」は小学校でも中学校でも登場しないため,今回は ここで触れるのみにする。
4 “Hi, friends! 1”Lesson 7 の実践報告
Lesson 7「What’s this? クイズ大会をしよう」では,今まで慣れ親しんできた語彙を中心とした 5 年 生の復習をねらいとして授業を構成した。その際,「答えを知っているWhat’s this?」と「答えを知ら ないWhat’s this?」の二種類の“What’s this?”にバランスよく慣れ親しむことができるように心がけた。 既習語彙や“What’s this?”を用い,児童の「伝えたい」「知りたい」を引き出し,豊かで心地よいコミ ュニケーションを体験できるよう(2012 直山),クラスメートの好みを調べて尋ね合う「フレンズク エスト」というコミュニケーション活動を英語で楽しむことを本単元のゴールに設定した。
4.1 対象
三重県伊勢市公立小学校の5 年生 27 名を対象に授業が行われた。担任(以下 HRT)主導で授業が 行われており,月に2 回程度 ALT(フィリピン人)が来校する。ALT が授業に参加する日は,季節や 催事,学校行事などを取り上げ,HRT が ALT と児童の橋渡し役になり英語でフリートークが行われ る。フリートークでは,フィリピンのことを紹介してもらうことも多い。4.2 「フレンズクエスト」と既習語彙の想起・再生
本単元のゴールに設定したコミュニケーション活動は,「フレンズクエスト」である。「フレンズク エスト」は,児童が調べたクラスメートの好きな物ランキングを当てるクイズで,クラスメートのこ とをもっとよく知ることを目的としている。 ランキングには“Hi, friends! 1”に掲載されている語や挨拶など授業中使われる語を中心に既習語彙 の想起・再生ができるような項目を選んだ。表6 はランキングの項目と想起・再生をねらった既習語 95 語である。このうち月の名前の 12 語は 6 年生の学習語彙となっているため,その 12 語を除くと 83 語となり,5 年生で学習する 252 語(アルファベット・数字を含まない)のうちの約 3 割にあたる。 27 人が 13 組(2 人組 12 組と 3 人組 1 組)に分かれて各ランキングの調査をしたが,そのうちの 3 組 については復習する適切な項目が無かったので,児童の希望する項目を調べさせた。「フレンズクエス ト」ではランキングの人数も当てさせるため,表6 には反映されていないが,数字の復習もねらって いる。 表6 「フレンズクエスト」のランキング項目と想起・再生をねらった既習語 ランキング項目 想起・再生をねらった既習語(カッコ内は“Hi, friends! 1”で登場する単元) 国 (country) Japan, America, Australia, Brazil, China, Finland, France, India, Kenya, Korea,Russia (L. 1)
果物 (fruit) apple, banana, peach, pineapple, kiwi fruit, lemon, melon, orange, grapes, strawberry, cherry (L. 4)
スポーツ (sport) baseball, soccer, basketball, swimming (L. 4) 動物 (animal) dog, cat, rabbit, bird (L. 4)
飲み物 (drink) juice, milk (L. 4)
色 (color) red, yellow, blue, green, white, black, orange, pink, purple, brown, gray, silver, gold, light blue, yellow-green (L. 5)
形 (shape) circle, triangle, square, rectangle, star, heart, oval, diamond (L. 5)
教科2 (subject) Japanese, math, science, social studies, music, home economics, calligraphy, P. E,
arts and crafts, English (L. 8)
月 (month) January, February, March, April, May, June, July, August, September, October, November, December
英語注3 (English) good, great, nice, happy, Thank you, good job, smile (L. 1, 2 など)
日本語 (Japanese) 児童の興味による項目。 麺類 (noodles4) 児童の興味による項目。 魚 (fish) 児童の興味による項目。 この二項目は三人で担当した。 キ ャ ラ ク タ ー (character4) 2 人組が 1 項目,3 人組が 2 項目を担当した。各組に封筒が配られ,封筒に「好きな○○ランキン グ」と自分たちが調査する項目を書いた。児童は自分の好きな○○を投票用紙に書き,各項目の書か れた封筒に投票した。「好きなスポーツランキング」であれば「野球」「バドミントン」など自分の好 きなスポーツを書いてスポーツランキングの封筒に入れた。投票は休み時間などを利用して行われた。 全員の投票が終わった後,自分たちが担当するランキングを開票し,配布されたランキング表に結果 を書き込み封筒に貼った(写真1 参照)。そして,クラスメートに当ててもらいたい箇所に付箋を貼っ た(写真2 参照)。授業では,この付箋を貼った部分のランキングや人数をクラスメートに当ててもら うのである。
で使われる“What’s this?”に小学校で慣れ親しむことは重要である。
3.3 答えのいらない“What's this?”
以上,“What’s this? ”は,①知らないことを知りたいとき用いられる「答えを知らない What’s this?」 と,②知っていることを知らせたいとき用いられる「答えを知っているWhat’s this?」の二通りの使わ れ方があることをみてきた。①は答えを知りたくて聞く質問なのでイントネーションは半上昇となり, ②は質問と言うよりは答えを知らせたくて言っているのでイントネーションは下降となる。
これらに加えて“What’s this?”には,もう一つ,③答えがいらない「感嘆表現としての What’s this?」 がある。これは,例えば友達が新しい服を着てきたときに,“What’s this? You have a nice dress.”(まあ! すてきなドレスねえ。)とか,家族のだれかが新しい服を着ているのに気付いて,“What’s this? Not another new dress, I hope.”(あれまあ!また新しい服を買ったんじゃないだろうね。)なとど使われる ものである。この「感嘆表現としてのWhat’s this?」は小学校でも中学校でも登場しないため,今回は ここで触れるのみにする。
4 “Hi, friends! 1”Lesson 7 の実践報告
Lesson 7「What’s this? クイズ大会をしよう」では,今まで慣れ親しんできた語彙を中心とした 5 年 生の復習をねらいとして授業を構成した。その際,「答えを知っているWhat’s this?」と「答えを知ら ないWhat’s this?」の二種類の“What’s this?”にバランスよく慣れ親しむことができるように心がけた。 既習語彙や“What’s this?”を用い,児童の「伝えたい」「知りたい」を引き出し,豊かで心地よいコミ ュニケーションを体験できるよう(2012 直山),クラスメートの好みを調べて尋ね合う「フレンズク エスト」というコミュニケーション活動を英語で楽しむことを本単元のゴールに設定した。
4.1 対象
三重県伊勢市公立小学校の5 年生 27 名を対象に授業が行われた。担任(以下 HRT)主導で授業が 行われており,月に2 回程度 ALT(フィリピン人)が来校する。ALT が授業に参加する日は,季節や 催事,学校行事などを取り上げ,HRT が ALT と児童の橋渡し役になり英語でフリートークが行われ る。フリートークでは,フィリピンのことを紹介してもらうことも多い。4.2 「フレンズクエスト」と既習語彙の想起・再生
本単元のゴールに設定したコミュニケーション活動は,「フレンズクエスト」である。「フレンズク エスト」は,児童が調べたクラスメートの好きな物ランキングを当てるクイズで,クラスメートのこ とをもっとよく知ることを目的としている。 ランキングには“Hi, friends! 1”に掲載されている語や挨拶など授業中使われる語を中心に既習語彙 の想起・再生ができるような項目を選んだ。表6 はランキングの項目と想起・再生をねらった既習語 95 語である。このうち月の名前の 12 語は 6 年生の学習語彙となっているため,その 12 語を除くと 83 語となり,5 年生で学習する 252 語(アルファベット・数字を含まない)のうちの約 3 割にあたる。 27 人が 13 組(2 人組 12 組と 3 人組 1 組)に分かれて各ランキングの調査をしたが,そのうちの 3 組 については復習する適切な項目が無かったので,児童の希望する項目を調べさせた。「フレンズクエス ト」ではランキングの人数も当てさせるため,表6 には反映されていないが,数字の復習もねらって いる。 表6 「フレンズクエスト」のランキング項目と想起・再生をねらった既習語 ランキング項目 想起・再生をねらった既習語(カッコ内は“Hi, friends! 1”で登場する単元) 国 (country) Japan, America, Australia, Brazil, China, Finland, France, India, Kenya, Korea,Russia (L. 1)
果物 (fruit) apple, banana, peach, pineapple, kiwi fruit, lemon, melon, orange, grapes, strawberry, cherry (L. 4)
スポーツ (sport) baseball, soccer, basketball, swimming (L. 4) 動物 (animal) dog, cat, rabbit, bird (L. 4)
飲み物 (drink) juice, milk (L. 4)
色 (color) red, yellow, blue, green, white, black, orange, pink, purple, brown, gray, silver, gold, light blue, yellow-green (L. 5)
形 (shape) circle, triangle, square, rectangle, star, heart, oval, diamond (L. 5)
教科2 (subject) Japanese, math, science, social studies, music, home economics, calligraphy, P. E,
arts and crafts, English (L. 8)
月 (month) January, February, March, April, May, June, July, August, September, October, November, December
英語注3 (English) good, great, nice, happy, Thank you, good job, smile (L. 1, 2 など)
日本語 (Japanese) 児童の興味による項目。 麺類 (noodles4) 児童の興味による項目。 魚 (fish) 児童の興味による項目。 この二項目は三人で担当した。 キ ャ ラ ク タ ー (character4) 2 人組が 1 項目,3 人組が 2 項目を担当した。各組に封筒が配られ,封筒に「好きな○○ランキン グ」と自分たちが調査する項目を書いた。児童は自分の好きな○○を投票用紙に書き,各項目の書か れた封筒に投票した。「好きなスポーツランキング」であれば「野球」「バドミントン」など自分の好 きなスポーツを書いてスポーツランキングの封筒に入れた。投票は休み時間などを利用して行われた。 全員の投票が終わった後,自分たちが担当するランキングを開票し,配布されたランキング表に結果 を書き込み封筒に貼った(写真1 参照)。そして,クラスメートに当ててもらいたい箇所に付箋を貼っ た(写真2 参照)。授業では,この付箋を貼った部分のランキングや人数をクラスメートに当ててもら うのである。
写真1:ランキング封筒例 写真 2:ランキング封筒付箋付き例
4.3 中学校で学習する語彙との関係
今回対象とした児童が通うことになる中学校では,『NEW CROWN ENGLISH SERIES』が使用され ている。そこで,今回想起・再生をねらった既習語彙95 語が中学ではどの学年で扱われているのかを 調べ,表にまとめてみた。 表7 復習する語が中学の教科書で扱われる学年 学年 中1 中2 中3 教科書に出てこない 合計 語彙数 56 5 5 29 95 今回想起・再生をねらった語のうち56 語が中学 1 年で再登場する。これら 56 語を小学校で定着さ せておくことは,中学英語へのスムーズな移行の一助となるであろう。また,中学の教科書には出て こない単語が29 語も含まれている。これらのうち swimming, orange, pink, melon, strawberry などは日本 語のカタカナ語として馴染みのあるものであるが,square, rectangle, oval, light blue, yellow green など, 学習しないと認識できない語彙も含まれている。これから先6 年生,中学においても扱われない可能 性が大きいこれらの語を今回復習することは,意義深いと言えるだろう。
4.4 授業の内容
以下は全四時間で構成された授業の内容である。第一時と第四時にALT が来校した。 【第一時】児童はフリートークで“What’s this?”に出会った。HRT が ALT に柿とシーサーの置物をプレゼン トするという設定で「答えを知っているWhat’s this?」と「答えを知らない What’s this?」が提示された。 柿が選ばれたのは授業が行われたのが柿の出回る時期だったこと,シーサーが選ばれたのは社会で沖
縄を学習していたことによる。
HRT が柿の入った袋を ALT に見せて,“Guess. What’s this?”と ALT に尋ねた。「答えを知っている What’s this?」である。すると,ALT が児童に“Hint, please.”と助けを求めた。児童は,“Autumn fruit”, “Color, orange”などと一生懸命ヒントを出した。次にシーサーについては,それを見た ALT が“What’s this? ”と尋ねた。知りたい思いから発する「答えを知らない What’s this?」である。シーサーについて はfairy なのか god なのかなど説明が難しく,その分盛り上がった。このやり取りから,児童は“What’s this?”の意味についてほぼ理解したようであった。“What’s this?”はどんな時使うかを問うと,「クイ ズのとき」「分からんことを聞くとき」と答えた。 この後,Lesson 7 の絵の一部を見て,「くつは片方だとシュー,両方でシューズ」とか「英語の発音 はジェットコースターみたい」と,言葉のおもしろさに気付きながら,身近な語彙に慣れ親しんだ。 【第二時】 “Hi, friends 1!”に載っている「シルエットクイズ」「漢字クイズ」「スリーヒントクイズ」「パズル クイズ」をやり,答えを知っている人が使う“What’s this?”と“Hint, please.”,“That’s right.”,“Close.”, “Sorry. Try again.”などクイズで使う表現に慣れ親しみ,ヒントという形で既習語彙を繰り返し聞い て復習した。出題はHRT が行い,ヒントを出すとき既習語彙をできるだけたくさん使うよう意識した。 【第三時】 「答えを知らないWhat’s this?」に慣れ親しむことを目標とし,「背中の絵は何?」ゲームを行った。 このゲームには,既習語彙の復習と次時に行うコミュニケーション活動「フレンズクエスト」を円滑 に行うための予行練習としての目的が含まれている。HRT は“Hi, friends! 1”の児童用絵カードを中心 に児童が4 月から慣れ親しんできた語の小さな絵カードとセロテープを用意した。絵カードとセロテ ープを配り,ペアでそれぞれの背中に絵カードを相手に見せずに貼るよう指示した。児童は背中の絵 を指差しながら友達に“What’s this? Hint, please.”と聞く。聞かれた相手は例えば,“It’s a fruit. It’s yellow. It’s long.”とヒントを言う。その際,今まで慣れ親しんできた語彙を使うことを重視した。手持ちの語 彙で表現できないときはジェスチャーを使うよう指導した。ヒントを聞いて答えがわかれば“I know. It’s ~.”と答えを言う。答えが当たっていれば出題者は“That’s right.”,違えば“Sorry. Try again.”,惜 しければ“Close.”と言う。答えがわかったら HRT に答えを知らせ,当たっていれば新しい絵カード に付け替えてもらう。このゲームで,「答えを知らないWhat’s this?」や既習語彙,次時のアクティビ ティーで使う表現に楽しみながら慣れ親しめた。気付いたら「何度も聞いていた」「何度も言っていた」 という状況が展開された。ゲームは15 分間行われ,残りの時間は,次時のアクティビティー「フレン ズクエスト」の準備に充てた(4.2 参照)。 【第四時】 英語リーダーの児童が自主学習で天気記号を調べて HRT に見せにきたので,外国語活動の時間に “What’s this?”という表現を使ってみんなの前で天気記号のクイズを出すこととなった。この児童は 自分から希望して英語リーダーになって,毎時間号令をかけたり,挨拶,月日,曜日の確認を英語で
写真1:ランキング封筒例 写真 2:ランキング封筒付箋付き例
4.3 中学校で学習する語彙との関係
今回対象とした児童が通うことになる中学校では,『NEW CROWN ENGLISH SERIES』が使用され ている。そこで,今回想起・再生をねらった既習語彙95 語が中学ではどの学年で扱われているのかを 調べ,表にまとめてみた。 表7 復習する語が中学の教科書で扱われる学年 学年 中1 中2 中3 教科書に出てこない 合計 語彙数 56 5 5 29 95 今回想起・再生をねらった語のうち56 語が中学 1 年で再登場する。これら 56 語を小学校で定着さ せておくことは,中学英語へのスムーズな移行の一助となるであろう。また,中学の教科書には出て こない単語が29 語も含まれている。これらのうち swimming, orange, pink, melon, strawberry などは日本 語のカタカナ語として馴染みのあるものであるが,square, rectangle, oval, light blue, yellow green など, 学習しないと認識できない語彙も含まれている。これから先6 年生,中学においても扱われない可能 性が大きいこれらの語を今回復習することは,意義深いと言えるだろう。
4.4 授業の内容
以下は全四時間で構成された授業の内容である。第一時と第四時にALT が来校した。 【第一時】児童はフリートークで“What’s this?”に出会った。HRT が ALT に柿とシーサーの置物をプレゼン トするという設定で「答えを知っているWhat’s this?」と「答えを知らない What’s this?」が提示された。 柿が選ばれたのは授業が行われたのが柿の出回る時期だったこと,シーサーが選ばれたのは社会で沖
縄を学習していたことによる。
HRT が柿の入った袋を ALT に見せて,“Guess. What’s this?”と ALT に尋ねた。「答えを知っている What’s this?」である。すると,ALT が児童に“Hint, please.”と助けを求めた。児童は,“Autumn fruit”, “Color, orange”などと一生懸命ヒントを出した。次にシーサーについては,それを見た ALT が“What’s this? ”と尋ねた。知りたい思いから発する「答えを知らない What’s this?」である。シーサーについて はfairy なのか god なのかなど説明が難しく,その分盛り上がった。このやり取りから,児童は“What’s this?”の意味についてほぼ理解したようであった。“What’s this?”はどんな時使うかを問うと,「クイ ズのとき」「分からんことを聞くとき」と答えた。 この後,Lesson 7 の絵の一部を見て,「くつは片方だとシュー,両方でシューズ」とか「英語の発音 はジェットコースターみたい」と,言葉のおもしろさに気付きながら,身近な語彙に慣れ親しんだ。 【第二時】 “Hi, friends 1!”に載っている「シルエットクイズ」「漢字クイズ」「スリーヒントクイズ」「パズル クイズ」をやり,答えを知っている人が使う“What’s this?”と“Hint, please.”,“That’s right.”,“Close.”, “Sorry. Try again.”などクイズで使う表現に慣れ親しみ,ヒントという形で既習語彙を繰り返し聞い て復習した。出題はHRT が行い,ヒントを出すとき既習語彙をできるだけたくさん使うよう意識した。 【第三時】 「答えを知らないWhat’s this?」に慣れ親しむことを目標とし,「背中の絵は何?」ゲームを行った。 このゲームには,既習語彙の復習と次時に行うコミュニケーション活動「フレンズクエスト」を円滑 に行うための予行練習としての目的が含まれている。HRT は“Hi, friends! 1”の児童用絵カードを中心 に児童が4 月から慣れ親しんできた語の小さな絵カードとセロテープを用意した。絵カードとセロテ ープを配り,ペアでそれぞれの背中に絵カードを相手に見せずに貼るよう指示した。児童は背中の絵 を指差しながら友達に“What’s this? Hint, please.”と聞く。聞かれた相手は例えば,“It’s a fruit. It’s yellow. It’s long.”とヒントを言う。その際,今まで慣れ親しんできた語彙を使うことを重視した。手持ちの語 彙で表現できないときはジェスチャーを使うよう指導した。ヒントを聞いて答えがわかれば“I know. It’s ~.”と答えを言う。答えが当たっていれば出題者は“That’s right.”,違えば“Sorry. Try again.”,惜 しければ“Close.”と言う。答えがわかったら HRT に答えを知らせ,当たっていれば新しい絵カード に付け替えてもらう。このゲームで,「答えを知らないWhat’s this?」や既習語彙,次時のアクティビ ティーで使う表現に楽しみながら慣れ親しめた。気付いたら「何度も聞いていた」「何度も言っていた」 という状況が展開された。ゲームは15 分間行われ,残りの時間は,次時のアクティビティー「フレン ズクエスト」の準備に充てた(4.2 参照)。 【第四時】 英語リーダーの児童が自主学習で天気記号を調べて HRT に見せにきたので,外国語活動の時間に “What’s this?”という表現を使ってみんなの前で天気記号のクイズを出すこととなった。この児童は 自分から希望して英語リーダーになって,毎時間号令をかけたり,挨拶,月日,曜日の確認を英語で
進めたりする係をしており,活躍の機会にさせたいと考えたのである。
次に,この時間に行う「フレンズクエスト」のやり方をALT と HRT がデモンストレーションした。 あらかじめ用意したクラスのご当地グルメランキングを使い,ALT は付箋がしてある箇所を指差し, “What’s this? Hint, please.”と聞いた。HRT が児童にヒントを求め,“one5”,“sweet”,「餅」などが飛
び出した。「餅」は英語で何と言うかという話になり,ALT や HRT がアシストしながら“rice cake” と言うことを学んだ。ヒントを理解したALT が“I know. It’s Tsuitachi-mochi注5.”と答え,HRT が“That’s
right. Do you like Tsuitachi-mochi?”と聞くと,ALT は“Yes. I do. I like Tsuitachi-mochi.”と答えた。ラン キング表には,投票者数も書かれている。ALT は付箋が貼られている投票者数の欄を指差し,“How many? Eight?”と聞くと,“Close. More.”と HRT が言い,答えが当たると HRT が“That’s right.”など と言うやり取りが交わされた。「フレンズクエスト」では語彙の復習に重点が置かれているが,デモ ンストレーションを通して,“Hello. How are you?”,“I’m ~. Thank you.”,“Do you like ~?”,“Yes, I do. / No, I don’t.”,“What ~ do you like?”,“I like ~.”,“How many?””など既習表現を使うようにも指導した。 アクティビティーでは,ペアが質問する側と質問される側に分かれ,質問される側は席に着き,質 問する側は各ブースを回った(写真3 参照)。
写真3:フレンズクエストの様子
質問する児童が空いているブースに行き,“Hello. How are you?”と挨拶を交わす。そして,ランキ ング表の付箋がしてある箇所で聞きたい部分を指差し,“What’s this?”と聞く(写真 4 参照)。 写真4:指を差して“What’s this?”と質問する様子 ヒントを言うとき,“It’s ~.”という表現だけでは対応できないケースがあること,そしてこのコミ ュニケーション活動で重視するのは語彙の復習であることから,ヒントは文ではなく単語だけでもよ いことにした。児童は「フレンズクエスト」を約10 分間行い,その後質問する側とされる側の役割を 交替し,さらに約10 分間「フレンズクエスト」を行った。