1
論 文】 日本建 築学会構 造系論 文 報 告 更 第 438 号・
1992年8月Jo
・
rnal ・f・
Struct.
C・ns[r、
Engng、
A【j,
N・,
438、
Aug.
,
1992粘 性 土
中
の
杭
の
繰 返
し
引抜
き
挙
動
CYCLIC
PULL
−
OUT
BEHAVIOR
OF
PILES
IN
COHESIVE
SOIL
稲 国 芳
*,岸 田 英 明
* *翫
勿
05雇 侃4
翫 漉 廂K
丑)A
Three types of pul1
.
outfield
tests were carried out to examine the performance of a closed イorm solution in estimatimg thedisplacements
of piles in cohesive soil subjected to regular cyclic axialloading
.
The test program included statlcloading
, creeploading
and cyclicloading
,
Discussion
was
focused
on theinterpretation
of the static loading test results.
The procedures are proposedto estimate the pile
displacement
under cyclicloading
from
the staticloading
test results.
The
re−
sultsindicate
that the calculated displacemerits of piles subjected to cyclic pull−
out loading are ingood agreement with the measurements
.
KeyWOizts
:pile
,
cycticload
, displacement, cohesive
soil
,
Pull
・
out test杭
,
繰 返し荷 重、
変位,
粘 性土,
引抜試験1.
は じめ に 筆 者らは前 報1 ]で,一
方 向の規 則 的な繰 返し軸 荷重を 受ける粘 土 中の杭の変 位 応 答の解 析 解を提 案し,
その妥 当性 を模 型 実 験で検 証し た。 この解は,一
定 軸荷重を受 ける粘 土 中の杭の即 時 変 位 応 答 式お よ び ク リー
プ変位応 答 式を拡 張す るこ とに よっ て得られ た もの で,
閉 解 と し て与えられて いる。 し た がっ て,
この解によ れ ば, 杭の 変位応答に影響 を 及 ぼ す 繰返 し荷 重の平 均 値,
振 幅,
波 形,
周期,
載荷時 間 お よ び杭を支え る地 盤 (粘 土 )の力 学 的特性 等の諸要因の定量的 評価が簡 単に行え る。
し か し な が ら,
前報i} で は以下の 2点が未 解 決の ま まで残さ れて い た。 小 型 模 型による実験結果との比較・
検討だ けで は, 解の妥 当性が真に検 証さ れ た と は言い難い。
解に含まれ る パ ラ メー
ター
の 実用 的 な 求 め 方が確 立 さ れて いない。 そこ で,
上 記の問 題を解決す ること を 目 的 として,
粘 性土 地 盤 に 打 ち 込 ま れ た8
本の鋼管 杭に各 種の引 抜き試 験を実施し た。
試 験 内 容は, 静 的 載 荷,
ク リー
プ載 荷お よび繰 返し載 荷である。
本 論は,
これらの笶 験 結 果と種々 の解 析 結 果につい て述べ た もの である。 な お,
こ こ でい う静 的 載 荷とは,
.
杭に荷重 を段 階的に作 用 さ せ, その荷 重 増 分および荷 重 保 持 時 間を すべ て一
定と す る試 験のこ と である。
ク リー
プ載 荷とは,
杭に速や かに荷 重を作用 さ せ, そ の荷 重を一
定に保 持す る 試 験 のこ とで あ る。
繰 返し載 荷 とは, 規 則 的で準 静 的な繰 返し荷重を杭に作用 さ せ る試 験の こ とで あ る。 以 下で は,
第2
章と第3
章で実験の概 要と結果を示す。 次に,
第4章で杭の変位応 答の解 析 解につ い て 簡単に 述 べ,
第 5 章で はその解に含ま れ るパ ラメー
ター
を求める た めの実用 的な方 法 を提 案する。 さ らに, 第 6章で は,
パ ラメー
ター
を決 定する具体 的な手 順につ い て説明 し,
計算 結果 と実 験 結 果の比 較を示す。
2,
実 験 概 要 実 験は埼玉県八 潮市で行っ た。
敷 地 は 「中 川 低 地」と 呼ば れる沖 積 低 地上に位 置す る。 試 験地点の 地 盤概 要を 図一
1に示す。
試 験 杭は,
杭 径 190.
7mm,
杭 長12 m (地 中部 1ユ.
3m ), 肉 厚 5.
3mm の 先 端 閉 塞 鋼 管 杭で あり, ドロ ップハ ンマー
により8本 打 設した。 試 験 杭の配 置 を 図一
2に示す。
杭をNo .
1〜
No.
8と し,
以 後,
試 験 杭は ロq、
lO
O
,
40β【k91/cm ’)
’
WP,
WL,
Wn (°
/・
} − o N_
va量凵eO 20 40 20 60 100 140 」_
_
L_
_
L_
_
L_
」_
_
」 」_
_
L_
一
L− ・
L−
」一
一
」一
一
」 (m} o 5 10 図一
1 地 盤概 要 + ジオ ト ップ 畔 東 京工業大学 教 授・
工 博 Geotop CorporationProf
.
,
TQkyo Institute of TechnoLogy,
Dr,
Eng.
ε ON ∈ Od
傘
N
α1
マ
N
α2
賀
N
…9
SamPling
傘
一一
一
一 一
命
一 一
命
一一 一
奇
No .
3
No .
4
No .
5
No .
6
No .
7
20m 20m 2.
Om 20m 図一
2 試 験杭の配 置 蚤一
1 引 抜き載 荷 試 験 条 件 Pile 閥o.
Test 閥o.
LoadingTe3to。
.
。
(tf)Q脚
P (tf)Qm.
(tf翼
)Q皿
【五 (tf) Loadin区 Ti皿e累( sec) 董 レ11−
21−
3 εreepCroepCreep12.
516.
Ol6.
5000 正2.
516.
Dl6.
5 且2.
516.
Ol6.
572001800480 22St 巳tic一
一
曽
皿
鼎
33−
−
13 2CyclicC7cHc10.
.
Ol353.
.
01303.
.
01657.
.
010562405040 44−
−
14 2CyclicC,clic9.
511,
04,
.
56014.
.
01705.
.
06120528005 55−
15−
25−
3CyclicCychcCyclic12.
512.
512.
51.
54.
55.
514.
017.
018.
011.
08.
07.
06120252Dl680 66S 胎tic一
一
77
−
17−
2CreepCreep12.
,
51700012 玉7.
.
5012.
.
072001860517 88−
18−
2CyclicCyc且ic10.
5M.
54.
.
54515.
.
Ol906,
.
010061203600冢
ln Case of Cycllc Loadin8 Tests,
t=
柯・
T(t: Loading Ti耻e
、
閥: 閧u■ber of Cycles,
T: PeriDd )番 号で区 別 する。 杭 打 設 終 了か ら22日経 過 後に実 験 を 開始し た
。
試 験は引 抜き載 荷である。
試 験 内 容 (表一
1 )は, 静 的 載 荷,
ク リー
プ載 荷および繰 返し載 荷である。 静 的 載 荷 試 験 杭 を 除き,
同一
の杭に連 続し て複 数 回載 荷し た。
こ れ らの載 荷 方 法につ い ては,
後 述の実 験 結 果と合わせ て説 明す る。
繰 返 し載 荷 試 験に お け る荷 重 (Q
。y,)は,
波 形を 正弦波と仮 定す る と時 間 (’
t
)の 関 数と して,
以 下の よ うに表せ る。
Q
。,。
;
Q
。。
e+Qanp
’
s 血 (2π置/T)……・
……・
(1 ) こ こ に,
Q
。
ve は平 均 荷 重,
Qa
。
p は荷 重 振 幅,T
は周 期 である。
したがっ て, 表一
1の荷 重 条 件は式 (1 )に従っ て表し て あ る。
す な わち, 繰 返し荷 重の 最大値 〔Qmax
) と最小値 (Qm
且。
)は それ ぞれ, 以 下の よ うにな る。
Qmax
[
=
Qave
十Qan
ρ……・
…・
・
……・
・
…………
(2 )
Qm
、。=Q
。 。e−
Q
。mp− …………・
・
…・
・
…・
・
・
・
…
(3
) ま た,
繰返 し載 荷 試 験にお ける載 荷 時 問とは,
繰返 し荷一 138一
慧
◎ 一o
図一
3 試 験に用いた規則 的な繰 返し荷 重Time
LoadCe田
〔Cen r Hok}了yp9) Hydra団ic Jack
〔Cen量er Hde Type⊃
11
i: Reao願on Beam
ii
τensionComec 髄 Tesl P恥 ∈ EOO 噂尸
Reac甎bπBeam唯黷
器
・・蕊
鼕
三三.
憩 oo卜 Reference8eam 一 匚 コ 一600nvn− 120dnn 図一
4 載荷試 験装置 重の 周 期 (図一3,T
= 120秒)と繰返 し回数の 積の こ とで あ る。 な お,
ク リー
プ荷重は,
式 (1
)においてQ
。mp=
0の場合に相 当す るの で,
Qave
=Qmex
=Q
皿
in と なる。静 的 載 荷 試 験は, 荷 重 増 分 を1
.
50 tf,
荷重保持時 間 を15分と し て 1サイク ル で行っ た。
ク リー
プ載 荷 試 験 で は,
所定の荷 重レベ ルま で速やか に載 荷し た後,
荷 重 を一
定に保 持し た。 繰 返し載 荷 試 験では,
クリー
プ載 荷 試 験と同 様,
所 定の荷 重レベ ル (Qave
)まで速や かに載 荷 し た後,
台 形 波に よる規 則 的な繰 返し荷 重 (図一
3)を す ぐに杭に作 用さ せ た。
し た がっ て, 所 定の荷 重 (Q
。
。
。
) を杭に作用 さ せ終え た時 点が繰 返し載 荷 開 始 (t=
0) と なる。
載 荷 試 験 装 置 を 図一
4に示 す。
載 荷に は セ ンター
ホー
ル 型の 油圧 ジャ ッキ を使 用 し,
載 荷 反 力は反 力 盤により 地耐力負担と した。
測 定 項 目は荷 重, 杭 頭 部4カ所の変 位お よび時間であり,10
秒 間 隔で計 測し た。
3.
実 験 結 果3.
1 静 的載荷試験 図一
5に杭 No.
2と杭 No.
6の静 的 載 荷試験結果を示20 15
ε
暑
・・§
5 0 24681012Disptacement
,S
(mm } 図一
5 静的 載 荷試験 (杭No.
2,
杭No.
6)の荷 重〜
変 位 曲 線 0 50
t α窟
ε
・ の ぐ.
芒 oE8 邸 弖 盟 O Ω8
」
O一
』
図 5 10 15 Load,
Q (tf) 20 静 的 載 荷 試 験 (杭 No,
2,
杭No.
6)のク リー
プ変位と 荷 重の関 係す
。 荷 重一
変 位 曲 線はい くぶん異なっ て い る に もか かわ ら ず,
両 試 験か ら得 られた極 限 荷 重 (Q
∂の値 (=
18.
Otf) は同じであっ た。 図一6
は,
図一5
の結果を も と に,
荷 重 保持時 間 中 (た だ し,載 荷 してか ら1分〜
15 分の 間)に発 生 し た ク リー
プ 変 位 〔△
S
∂と その 時の荷 重の関係を示 し た もの で あ る。 図一
6に示 す 方 法は慣 用の 降 伏 荷 重 判 定 法 2 )の ひ と つ (い わ ゆる AS /Alog t−
Q
法 )と本 質 的に同 じで あ る の で, 2本の直 線の交 点に対 応する荷 重 値は杭の降 伏 荷 重 (Q
。)に相 当す る。
両 試 験で得られた降 伏荷
重の 大 き さ (杭No .
2は 14.
4 tf,
杭No .
6は ユ4.
6tf)は,
極限 荷重の場合と同様, ほ ぽ同じであっ た。 し たが っ て, 本 実 験にお け る杭の降伏荷重は,
両 者の平均値 (=14.5
tf) で代 表す る。
3.
2 クリー
プ載 荷 試 験 図一
7(a}(b
)は,変 位と経 過 時 間の関 係と して表し た, 杭 No.
1と杭 No.
7の ク リー
プ載 荷 試 験 結果で あ る。
ク リー
プ載 荷は同一
の榔
こ複 数 回実 施しており,
いず れ も 荷重 を一
旦完 全に除 荷し た後,
次の載 荷を行っ た。 同 図に示 し た
OLR
(Over・
Load
Ratio
)3〕とは,
杭に作用 す る一・
定 荷 重を上述の降 伏 荷重で除 し た値の ことで あ る。
す な わ ち,
OLR
‘creeP )=
Qave
/Qy
(=
Qmax
/Qy
)…………・
(4 )tO 窟
89
ω 6蓄
墓
諠
4 冴 62 o O481204812
Elapsed Time
,
t〔XIO3 sec )図
一
7 ク リー
プ載 荷 試 験 ((a)杭No.
1, (b) 杭No.
7)の変 位.
〜
時 間 曲 線 図一
7(a)(杭NQ.
1)は,
1回 目の荷 重を 7200 秒間載 荷し た後,
完 全に除 荷し たうえで約 9分 間 放 置し,
2回 目の荷 重を1800
秒 間 載 荷して再 度 除 荷し,
す ぐに 3回 目の 荷重を 載 荷 し た ところ,
480秒 後に杭は破 壊に至っ たこ と を表 して い る。
図一
7(b
)(杭 No.
7)は,
1回 目 の荷 重 を7200
秒 間載荷し た後,
完全に除 荷 した うえで 約 14分 間 放 置 し,
2回 目の 荷重 を載 荷 した とこ ろ, 1860
秒 後に 杭は破 壊に至っ た ことを示 し て い る (表一1
参照)。
杭 No.
1と杭 No.
7の 1回 目の載 荷 重の 大き さ (=
12.
5tf
)は同じであ るに もか か わらず,
得ら れ た変位応 答 (即時変位の大き さ,
ク リー
プ 変 位の経 時 変 化 )に は,
や や 差 が 生 じている。
これ は,
静 的 載 荷に おける 2 本の 杭の荷重〜
変位 曲線 (図一5
)の 差 異と同 様,
実 験 敷 地 内の地 盤 性 状の変 化に よ る もの と考え られ る。
いずれ に しろ,
静 的 載 荷に おけるク リー
プ変位 と荷重の関 係 (図一
6}が暗 示し てい る よ うに ,OLR
>1の条 件 下で は杭 は著しいク リー
プ変 位 を生じ,
甚 だしい場 合に は破 壊に・
至る こ と が わ か る。
3,
3 繰 返 し載 荷 試 験 繰 返 し載 荷 試 験は,
残 りの 4本の杭に対し て行っ た。
上 述の ク リー
プ載 荷同様,
繰返 し載 荷は1
司一
の杭に複 数 回実施 し て お り, いずれ も荷重を一
旦完 全に除 荷 し’
, 次 の載 荷に備え た。
表一
ユ に示し た よ うに,
杭 No.
3の 2 っ の試 験は,Q
。
mp の値は同 じで あ る がQ
。 。e の値を違え た荷 重 条 件で あり, 杭No.
8の 2つ の試験も同 様の条 件 で行っ た もの である。一
方, 杭No 、
4の 2つ の試 験は,
QmLn
の値は同じ で あ る も の のQma、
の値を変えて おり,
杭 No.
5の 3回の繰返 し載 荷は,
Qav
,
の値 を一
定と してQanp
の値を そ れ ぞ れ変 化さ せた試 験で ある。 図一8
(a)(b
)〜
9(a)(b
)に繰返 し載 荷 試 験 結果 を 示 す。
これ らの結果は,
ク リー
プ載荷の場 合と同 様,
変 位 と経過時間の 関係で表し て あ る。 繰 返 し載 荷にお け るOLR1
とは,
杭に作用 さ せ た繰返 し荷重の最 大 値 を 降 伏10 8 6 4 2
(
E
∈}
の げ = E Φ 0 偲一
量
O ω ⊆ F 己 00 開一
皀 の = 凵S
。゜ 0
4
8
120
4
8
12
。
Elapsed・Tim・
,
吐〔X103 sec,図
_
10図
一
8 繰 返し載荷 試験 ((a) 杭No.
3, (b) 杭No.
4〕の変 位一
時間応 答 曲線 10{
8嵳
薯
・1
・蠱
、 0 04
8
12 0 4 8 12日lapsed rre 量〔
X
「P3
8eo }図
一
9 繰 返 し載 荷 試 験 ((a>杭No.
5,
(b}杭N。.
8)の変 位一
時 間 応 答曲線 荷重で除し た値の こと で あ る。
す な わ ち,OLRtcyCidc
)=
Qmax
/Qy
・
…・
………・
…・
………
〔5 ) 繰 返し載 荷に伴う杭の変 位は,
後 述の図一
10 に示す よ うに, 繰 返し変 位 と累 積 変 位に分け て考え るこ と が で きる。
繰 返し変 位と は繰 返し荷 重 (荷 重 振 幅 )の変 化に 対 応して発 生する変 位の ことであり, その大き さ は変位 振幅と し て表さ れ る。
荷重 振 幅の大き さ が ゼロで あ る ク リー
プ載 荷で は,
繰 返 し変位 (変位振 幅〉の大き さ は ゼ ロ で あ る。
図一8〜9
よ り,
変 位振幅の 大 き さ は,
破 壊 間 際の不安定な部分 を除き, い ずれ の試 験に おい て も繰 返し載 荷 中 常に一
定である ことが わか る。
ま た,
平均荷 重 値は異な っ て い て も,
荷 重 振 幅の大き さ が同 じであれ ば変 位 振 幅の大き さは等し い こと がわ か る (杭 No.
3に お け る 試験No .
3−1
と3−2,
杭No .
8
に お け る試 験No .
8−
1と8−
2 )。
こ の こと は す な わ ち,
変位 振 幅の大き さは,
平 均 荷 重 値に は無 関 係で,
荷 重 振 幅の大きさ に の み依 存 する こと を意 味して いる。
図一
8〜
9に示し た繰 返し載 荷に お け る杭の累 積 変 位 曲線 (図一10
参照)は, 図一
7に示し た ク リー
プ載 荷の 変位〜
時 問 曲 線 (ク リー
プ 曲 線)と酷似 し てい る。
Time
一
方 向の規 則 的な繰返 し軸荷 重 を受け る杭の変 位〜
時 聞 応答曲 線OLR
〈1の繰 返し荷 重 下の杭で は,
OLR
〈1
の ク リ、
一
プ載 荷の場 合と同様,
今回の載 荷時 間の範 囲 内で は破 壊 の兆 候は まっ た く見ら れ ない (試 験No .
3−
1,
4−
1,
5−
1)。
上述の よ うに変位振幅の大き さは繰 返し載 荷 中 常に一
定 なの で,
規則的な繰 返 し引 抜 き荷 重 を 受 ける粘 性 土中の 杭が破 壊に至 る 場合に は, こ の累 積 変 位の増 大に よ る破 壊モー
ド と な る。OLR
>1
の 繰 返 し荷 重 下の杭 は,
OLR
>1の クリー
プ載荷の場 合 と 同 様, 著しい 累 積 変 位を生 じ,
甚だ しい場 合に は破壊 に至っ て いる (試 験No .
3−
2,
4−
2,
5−
3 )。 し か し な が ら,
杭No .8
で は, 2 回目の 試 験 (試 験 No.
8−
2)のQ
.値が極限荷 重 を 超 える繰 返し載 荷を3600 秒 間 継 続 し た もの の,
破 壊を示 す明 確な兆 候が得ら れ な かっ たの で, 途 中で載 荷 を中 止 し た。 これ は,
同一
敷 地 内 とはいえ杭 打 設 地 点 (図一
2} の左 側 と 右 側で は地 盤 性 状が や や異な り,
杭No .
8の打 設 地 点はこ の差 異が特に顕 著で あっ たもの と考え ら れ る。
杭 打 設 地 点 (図一
2)の 左側と右 側の地 盤性状の差 異は,
杭 No.
2に比べ て杭No .
6の荷重一
変位 剛 性 (図一
5)が大 きい こと,
および杭 No.
1
と杭No 、
7の 1回 目の 同じ大き さの荷重に よ る ク リー
プ 載 荷の 変 位 応 答 (図一
7)に違いが見られ るこ と か ら推 察さ れ る。
以 上の実験結果は, 安 定の確 保はも ちろ んの こ と過 度 の変形 を 防 止す る た めに も,
粘 性 土 中の杭に許容す る繰 返 し引 抜き荷 重 (す なわ ち,一
方 向の繰 返し軸 荷重 )の 最 大 値を降 伏 荷 重 以 下に設 定す ることが必 要であ ること を 示してい る。4.
解 析 解 こ こ で は,一
方 向の規則 的な繰 返 し軸 荷 重 を受 ける粘 土 中の杭の変 位 応 答の解 析 解 (閉 解 〉につ い て簡 単に述 べ る。
詳 細につ い て は, 前 報1 )を参 照さ れ た い。
なお,
杭に作 用す る規 則 的な繰 返し軸 荷 重は当 初,
起点であ る 平均 値 (Qave
)か ら増 加し始める場 合と減 少し始め る場 合 が あ る が, 本解析 解は, 図一
3に示す よ う に,
増 加し始 め る 場合の ものである。
一
140
一
図
一
10 は一一
方 向の規 則的な繰返 し軸 荷重 を受け る杭 の変 位〜
時 間 応 答 曲 線 を表 し た模 式図で あ る。A
点は 繰 返し載 荷開始直前に おける杭の変位を表す。 繰返 し荷 重に対 応 し て杭の変 位はB −C −D
点…
へ と変化す る。
上 下の点 線は,
繰 返 し変 位〜
時 間応 答 曲 線の包 絡 線であり,
こ こ で は そ れ ぞ れ繰 返 し荷 重の最大 値 (Qmax
)に おける 累 積 変 位 曲 線,
繰 返し荷 重の最 小 値 (Qmin
)に お け る累 積変位 曲 線 と呼ぶ。
以 下に示 すS
。
。
。
e.
とSt
。
we.
は,
こ れ ら2つ の累 積 変 位 曲線 を表す解析解である。
s
・pper一
ルB
” 置’鬻
β9°
砺 )・
(
tt
■)
1’
n ・c漉
』
1
−
n・
(
ti)
’−
n ただ し,
t
≧ T/4… ……
・
(6) ・_ 一 λ’
B
”梺
孵
’
Q
翻・
(
t
)
IJn + ・_C
−− S
・+1
罕
鞴
一
1
罕
器
訖
B1・
ti・
exp (β・
Qave
) T/4 +(μ一
λ)・
ρ
Q
α 2 ρQb1r
卯C
=
σ 側C
ただし, t≧3T /4・
・
・
〔7 ) こ こ に,Q
。
。
e :繰 返し荷 重の平 均 値 (平 均 荷 重)Qonp
:繰 返し荷 重の振 幅 (荷 重 振 幅 )Qm
。
x :繰 返 し荷 重の 最 大 値 (最 大 荷 重) (=Q
。 。e+Q
卿 )T
:繰 返し荷 重の周 期 t:載荷 時問S
。:繰 返し載 荷開始 直 前 (図一10
のA
点,.
t=0
)にお け る杭の変 位 a,b
:即 時変位パ ラ メー
ター
B
、,
β,
η:ク リー
プ変 位パ ラメー
ター
t1
:BI を定 義 する際の基 準 時 間 μ, λ : ク リー
プ変 位の応 答 倍 率 なお,
μ とλ は繰 返し荷 重 波 形によっ て決 定さ れる値で あり,
本 実 験で用いた台形 波の場 合,
以 下の式で表さ れ る。
exp (β・
Qam
ρ)−
1 μ= (1−
e>・
exp (β・
Qamp
)十 e・
i9
’
Q
。mp・
・
…・
…・
一 ……・
…・
・
……・
…
(8
) sinh (β・
Qamp
) λ=
(1一
θ)・
cosh (β・
Qam
ρ)十e・
fi・
Qamp
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9) ここ に, e は荷 重 波 形 係 数であり,
e;
Oの場 合に は矩 形 波に,
e=
1の場 合に は 三角 波に対 応 する。
今 回 用い た形 状の台 形 波 (図一
3>で は,
e=
O.
5で ある。 図一
10の 上下 の 点 線 の 差,
す な わ ち, S
。 ρ ρ。’ とSle
、,。
。の 差は繰返 し変位の両振幅(S
面 に対 応す る ので,
式 (6) (7)よ り,
蹄
昌
Q
纛
…・
……・
…・
一 …・
……・
…
(・・) と な る。 式 (10)の示 す 意 味は,一
方 向の規 則 的な繰返 し軸荷重を受け る粘土中の杭の変 位 両 振 幅の大き さが,
平 均荷重値に は無関係で荷重振 幅の大きさ に の み依 存 し,
繰 返し載 荷 中 常に一
定と な ることで ある。 変 位 振 幅 に関す るこの性質につ い ては,3.
3
の実 験 結 果の観 察に おいて,
すで に確 認し た’
eな お
,
本解 析解の適用 範 囲は,
杭の降 伏 値 (Q
の以 下 の荷重 領域で あ る。
5.
解 析 解のパ ラ メー
ター
を求め る実 用 的 な 方法 図一
11は杭に作 用す る典 型 的な軸 方 向 荷 重と その時 の杭の応 答 を表 し た模 式図 で あ る。
図一
U (a)〜
(c)の 左 側は杭に作 用す る荷 重 (Q
)一
時間(t
)関係を, 右 側は 杭の応 答で ある荷 重 (Q
)〜
変 位 (S
)関 係 を示してい る。
こ れらは,
粘 土 中の杭を対 象に し た各 種の載 荷 試 験で あ り,
冒 頭で述べ た静 的 載 荷 , クリー
プ 載 荷お よび繰 返し 載 荷にそ れぞれ対 応 する。 こ こ で前述の式 (1 )(もし く は,
図一
ll(C))に おい て荷重振 幅 (Q
。m。)が小さ く な る場 合 を想 定 すると,
そ の極限に おい て繰 返 し荷重は一
定 値 (=
Qa
。e} (図一11
(b
))と な る。
す な わ ち,
ク リー
プ載荷は繰返 し載荷の 特殊な場合に相 当す る。第4章で示し た解 析 解は,
ク リー
プ載荷と繰返し載荷の 上記の関 係に着 目し,
ク リー
プ(一
定荷重)載 荷にお け る粘土中の杭の 変 位 応 答 (図一
ll・
Q
0
.
Q
・Q
,QsQ
,Q
Q
,、
.
0
Q
t
O
(
a
)
Static
Loading
Q 。
veQ
Si
「
k.
一!
,
/凵
(”Sd
S
Si
→トーSd一
爿t
o
(
b
)
Creep
Loading
O
叩 即蕊
+ α 亠 ■}
S
O
tO
S
.
(
c
)
Cyclic
Loading
図一
11 杭に作 用す る典 型 的な軸 方 向荷 重と その時の杭の応 答(
b
))を 表す以 下の式を,
繰返 し載 荷の 場 合に拡 張 し た もの である。
s=
Si十Sd−
、挈
Q
・B
高鬻
俗゜
Q
>焙
)
1”
n……・
……・
……・
・
…・
…・
……
(11
> こ こ に,S
は杭の変位, S‘は杭の即時 変 位,
Sd
は杭の ク リー
プ変位,
Q
は杭に作 用 する一
定 荷 重,
他の記 号 は第 4章の場 合と同じ で ある。
第 4章の解 析 解は式 (11) の純然た る拡張 なの で,
解の計 算に は式 (ll)に含 まれ る5
つの変 位パ ラ メー
ター
(a,b,
B
、,
β,
n}をそのま ま 用いること が可 能であ り,
かつ 他の パ ラメー
ター
は一
切 必要としない。 ゆ えに,
第 4章の 解 析 解のパ ラメー
ター
を求め るに は,
式 (11
)のパ ラ メー
ター
を決定す ればよ い。
前 報1)の模型 実験で は,
式 (11
)の右辺第二 項に含 ま れ る ク リー
プ変位パ ラメー
ター
(B
,,
β,
n)を 決 定 す る た め, 数多くの杭の ク リー
プ載 荷 試 験 を実 施し た。
し か し ながら,
実 際 問 題 として現 場で 多 くの杭に対 して ク リー
プ載 荷 試 験を行うことは容 易な ことで は な い。
そ こ で, 以 下で は,
式 (11)に含ま れ る 5つ の 変 位パ ラ メー
ター
を求 める た めの実 用的な方法を示す。 静 的 載 荷 試 験は,
図一11
(a)(b
)の比 較よ り,
段 階 的 な ク リー
プ載荷 試験す な わ ち ク リー
プ載 荷の集 合 とみな すこと がで き る。 ゆ えに,
短期の杭の ク リー
プ挙 動は静 的 載 荷試験 結 果か ら 推 定 可 能 と 考えられ る。
しか し な が ら,
静 的 載 荷 過 程の一
部を形成す る個々の ク リー
プ載 荷 に は,
最 初の載 荷の場合を除き,
そ れ以前の 載荷履歴 が 含ま れ るの で,
静 的 載 荷試 験結果 か ら 杭の ク リー
プ挙動 を適 切に評 価す る た め に は,
この載 荷 履 歴 をうまく取り 除く 必要が あ る。
既 往の研 究3)によれ ば,
こ の問 題は重 ね合わ せ の方 法 を用い る’
ことに よっ て,
以下の よ うに解 決で き る。
図
一
12は,
静 的 載 荷 試 験を行っ た際の杭の 変位一
時 間曲 線を表した模 式 図で ある。.
同 図の点線は,
任意のQ
,な る荷 重 段 階におい て,
所 定の載 荷 時 間が過ぎて も 荷重を増 減せずに載 荷 を継 続し た と仮定し た場 合の推定 曲 線 を表してい る。
こ こ で各荷重段階で共通の載荷 時間 〆 を任意に 選 び,
そ れ ぞ れのt
’
にお け る変 位 量 差AS
‘咽
信 Φ 算圖
OOq一
皀 ω「
O トー
t,
→l
ilme 図一
12 静 的 載 荷 試験の変位〜
時間曲 線の重ね合わ せ の方 法一
142
一
を求め て累加 す る と,一
点 鎖 線で示す曲 線 群を描く こと ができ る。 これ らの一
点 鎖 線は,
もしも杭 頭 部に載 荷 重 ゼロ の 状態か ら瞬 間 的に任 意 荷 重Q
‘を 加えて変 位の経 時変化 を 観察した・
と仮 定す れば,
そ の時に得られる であ ろ う変位〜
時 間 曲 線に相 当 する。 図一
12よ り,
静 的 載 荷 試 験結果か ら,
そこ で採用し た荷 重 段 階の数に相当す る 短期の 杭の ク リー
プ載 荷 試 験 結果が 得られ るこ と が わかる。 静的載荷試 験で用い られ る荷 重 段 階 数は通常8
段階以 上z) なの で,1
本の杭に静 的 載 荷 試 験を実施す るだけで,
後述の6.
ユで示すよ うに,
式 (ll
)(す な わ ち,
第 4章の解 析 解 }に含ま れ る5
っ の変位パ ラメー
ター
を すぺ て決 定で き る 。 通常の静 的載 荷 試 験か ら,
極限荷 重お よび降 伏 荷 重と合わ せ て,
繰返 し荷重 を受け る杭の変 位 応 答 計 算に必 要なパ ラメー
ター
が求め られるの で好 都 合で あ る。 これ ら のパ ラ メー
ター
を決 定する具体 的な手 順につ い て は、
次の 実験結果の解 析に お い て述べ るe 6.
実 験 結 果の解 析 6,
1 静 的 載 荷 試 験 本 節で は, まず, 図一
12に示 した重ね合わせ の 方 法 を適用す ることによっ て, 静 的 載 荷 試 験 結 果か ら履 歴の 影 響を除い た杭の変位〜
時 間 曲 線を求め る。 次に, こ れ らの変位一
時間 曲線をもとに, 式 (11)に含 まれ る5っ の変位パ ラ メー
ター
を決 定す る手 順につ いて述べ る。
(1) 履 歴の 影 響を除いた杭の変位〜
時 間曲線 図一
13(a)の太 実 線 (O〜900
秒間)は, 静 的 載荷試 験 (杭No 、
2)の各 荷 重 段 階に おける変 位一
時 間 曲 線の 実 測 値で あ る。
同 図の細 実 線 (0−
1800 秒 間 )は,
実 測 さ れ た各荷重 段 階の変 位一
時 聞 齢 線 を 指 数ク リー
プ曲me
‘) と仮 定し,
非 線 形 最 小二 乗カー
ブフ ィ ッ ティ ン グ5 〕 を行うこ とに よっ て得ら れ た 推 定 曲線で あ る (付録参 照〉。 これ らの推 定 曲 線 を 用い,
図一
12の方 法に従っ て 重ね合わ せを実 施し た結 果 (すな わ ち,
履歴の影 響を除 い た変位〜
時間曲 線 )が図一
13(b>で ある。
図一
13Ca) 6 4 2(
匸 ∈》
の ♂壅
隠 0 照葺
O 0 1 2 0 1Elapsed Time, t(Xlos sec }
図
一
13 静 的 載 荷試 験 〔杭 No.
2}の変位一
一
ee
間曲線 ((a)実 測 値 と推 定 曲 線,
(b)重ね合わ せ によ る結 果 )401 心
01
10401
〔
8
ω \ ∈5
も \ の鳳
2
醒
芒 oEgo 五 ω δ 図一
14 { 遭0
0
噌 ■ 4 卩{
8
ω \ εε
著 \ の隅
2
齷
芒 ωE8
102
Elapsed
Time,
t
〔sec )変 位 速 度 と経 過 時 間の関 係 (杭No
.
2)103
虫3610
,40
5
10
1520
Load
,Q
〔tf
} 図一
15 変位 速 度と荷重の関 係 (杭No.
2) (b
)の比 較 より,
両 者の変位応答は, 荷 重レベ ル が 大 き く な る につ れ,
大き く異な ることがわか る。
なお,
図一
13(b)では省略 し た が,
1.
5tfの荷 重 時の変 位〜
時間 曲 線は,
図一13
(a}の もの と同じである。
この 1.
5 tfの 荷重 時の変 位〜
時 間 曲 線は,
ほぼ直 線なの で,
以 下で示 す ク リー
プ変 位の解 析 (・
図一
14〜
16 >で は特に触れ ない。 (2
) 杭の変位パ ラ メー
ター
式 (
11
)を時 間に関して微 分し,
杭の ク リー
プ変位速 度(dS
/dt
)を求めると,
dS
/dt
;B
、・
exp (β・
Q
)・
(t
,/t) n………
(12
) と な る。
用い ら れて い る3
つ の ク リー
プ変 位パ ラ メー
ター
(B
,,
.
β,
n)の定 義は, 式 (12) を以 下の よ うに書き 直 すことで理 解で き る。 ln(dS/dt
)=ln
(B,.
)+β・
Q
+n・
1n(t
、)−
n・
ln
(t)・
………・
・
………
(13) すな わ ち,−
n は あ る値Q
にお ける1n
(dS
/dt
}〜ln
(t)
関係の傾きで ある。
βは基 準 時 間 t, にお け るln
6
4
2
(
∈ε
ω.
芒E80
五 ω δ )O
O .
5
1.
0
1.
5
Elapsed
Time
,t
{XIO3
sec 〕 図一
16 重ね合わ せ による結 果 (図一
13(b))と計 算 結 果の比較 (dS
/dt
)〜
Q
関係の傾きを表し て おり,
β’
がlog
(dS
/dt
)−
Q
関係の傾き な ら, β=
β’
×ln
lOで あ る。BI
は,ln
(dS
/dt
)〜
Q
関係に お ける切 片で あり,
t『tl,
Q
=
0
に お け る仮想変位 速 度と定 義さ れ る。図
一
ユ4−
15は,
重ね合わ せの方 法に よっ て得ら れ た 図一
13(b
)の結果か ら,
上述の定 義に よ る杭の クリー
プ変 位パ ラ メー
ター
を求め た もの であ る。
図一
14よ り,
変 位 速 度の対 数 は経 過 時 間の対数に逆 比例し て減 少し,
そ の逆 比 例 係 数 (n)は ほ ぼ一
定であることがわ か る。 ま た,
図一
15より変 位 速 度の対 数と荷 重の 間に直 線 関係 (傾きβ’
)が成立す ることがわ か る。
しか し な が ら,
杭の 降伏値 (=
14.
4tf)を超える荷 重 領 域と極 限 値 (=
18.
Otf)の1
/3
程 度 以 下の荷 重 領 域で は,
こ の関係は成 立 して い ない。 n とβの 両者は時 間 と 荷 重 レ ベ ル によ らず一
定と仮定さ れて い るの で,
式 (11>の適 用 範 囲は,
厳 密に言え ぱ,
図一15
め実線で示され た杭の降 伏値以 下の中 間の荷重 領 域に限定 さ れ ることに注 意する必 要が ある。図
一
16は,
式 (11)の右辺第二項によ るク リー
プ 変 位の計算値と重ね合わ せ に よる結 果 (図一
13 (b
))を 比 較し たもの である。 計 算に用いた ク リー
プ変 位パ ラメー
ター
は,
図一
14−
15か ら得ら れ た値で ある。
図L16 より,
計算 値と重ね合わ せに よ る結果は, 上 述し た よ うに,
図一
15の直 線 関 係か ら大き く逸 脱し た領 域の荷 重の場 合 は う・
ま く対応しない ものの,中
間の荷 重 範 囲では良く一
致し て いるこ と が わ か る。
一
方,
式 (11
)の右辺第一
項で表 され る杭の即 時 変 位 の パ ラ メー
ター
も,
ク リー
プ 変 位の場 合と同 様 ;重ね合 わ せ が成 立 するもの と仮 定す ることに よ り, 静 的 載 荷 試 験 結 果か ら求 めること ができ る。
す な わ ち, 杭の即時 変 位は,
図一
13(b
}に示 し た各 荷 重の経 過 時 間ゼロ に お ける変 位に対 応し,
重ね合わ せ を行う過 程で自 動 的に計 算さ れ る。 図一17
はこ の荷 重 と即時 変 位の関 係を示し一
143
一
20
15
( 慟 一 )100
ぢ8
』5
0
「2
3
4
1mmediateDisplacement
,S
l{mm ) 図一17
荷 重と即 時 変位の関 係 (杭No.
2) 表一
2 静 的 載 荷 試 験 結 果 から求め た杭の変 位パ ラメー
ター
PiIe 潤0、
B1罵 (●■ノ3ec ) β (1/tf) n a (闢 ノtf) b (1/tf) 261.
35且× 且0齣
4 7.
367XlO−
50.
.
18201970.
.
680671.
12× 且0−
1 9.
38×lo−
22.
D7Xio冒
2 1.
85× 10−
2 I ReferenceTi
■e tt=
100 sec たものであ る。 荷重一
即時変位応 答を表す式 (ll
)の右 辺第一
項は 双曲線モ デル6〕で表さ れて い る の で, 即時 変 位パ ラ メー
ター
(a,b
)は簡単に求め られる。
表一2
に,
以 上の手 順に よっ て,
杭No .
2
と杭No .
6
の静 的 載 荷 試 験 結 果か ら求め た杭の変 位パ ラ メー
ター
の一
覧 を示 す 。 6.
2 ク リー
プ載 荷 試 験図
一
18〜
ユ9は,
ク リー
プ載 荷 試 験 (図一
7の杭No .
1, 杭 No.
7)に おけ る杭の変 位 速 度 と 経 過 時 間の関 係を両 対 数上で表し た もの で あ る。
両図 は, 静 的 載 荷 試 験結果 の解 析に お け る 図一
14に対 応する。
OLR 〈ユの 場 合 〔試験No .
1−
1と7−
1)の 傾き(ni)は,
表一2
に示 し た静的載 荷 試験 結果の解 析で得ら れ た値 (n)に ほ ぼ一
致して い る こと が わ か る。
この こ と は すな わ ち, 上 述の静 的 載 荷 試 験 結 果の一
連の解析が適 切に行 わ れ たことの一
端 を示して いる。
一
方,OLR
> 1の 場 合に お け る傾 き(nt,
n3}は,
OLR
< 1の結 果 (nO に比 較 し て, 小さ な値になっ てい る。
こ の傾き が小さい ことは,
変 位 速 度 が 時 間経過 に よっ て衰えに くい こ と を意 味 するの で,OLR
>1の杭で は 著しい ク リー
プ変位が発生す ることを表して いる。 さら に,
破 壊に至っ た場合 (試験No .
1−
3と7−2
)の杭の 変 位 速 度は,
時間経過 と と もに一
旦 減少してい くもの の,
最小値を示し て か ら増加に転じ てい る。 し た がっ て,
最 終的に杭は, 変位速度の大き さ が無限 大と な り,
破 壊に 至る。
こ こ で観 察され た こ の最 小 変 位 速 度は,
粘 土の ク一
144
一
4 414
φ0
0
0
0
嚠 ー 4 圓 ¶ 81
( O Φ ω \ ρ 僧一
ヒ)
一 ” \ ω 眉 σ 一 匡一
⊆ F一
Φ Oq一
α 皿 O10
102
103
10d
Elapsed
Time
, t 〔sec )図
一
18 変位速度と経 過 時 間の関 係 (杭No.
1)lo’
2 宕8
≧
9
弓510
−
3 \雪
垣
醒
芒lo−
428 』島
δ10−
s to102
10s
104
Etapsed
Time
, t (sec } 図一
19 変位 速度と経過時閧 の関 係 (杭No、
7) リー
プ破 壊lj・
S)に 特 有の最 小ひずみ速 度に対 応 するもの で あ る。
6.
3 繰返し載 荷 試 験 (1) 実 測 値と計 算 値の比 較 こ こ では,3.
3
で示し た繰返し載荷試験結果と計 算結 果を 比較す ることに よ り,
第4章で示し た解 析 解の妥当 性を現 場 実 験で検 証する。
解の計 算に用い たパ ラメー
ター
は,
静 的 載 荷 試 験 結 果の解 析によっ て得られた値 〔表一2
)で あ る。
なお,
比 較の対 象は,
4本の繰 返 し載 荷 試 験 杭におい て履 歴の影 響を含ま な い そ れぞれ の 1回目 の試験結果で あ る。
図一
20〜23
に実測値と計算値の 比較を示 す。
実 測値 は,
図一
10に示 す 載 荷 開 始直前のA
点の 変 位 (S
。)をゼ ロ とし,
繰 返し載 荷に伴 う変位〜
時間応答 曲線の み を示 し て あ る。 計算値は,
同様にS。
を ゼロ とし て,
式 (6) (7) より求め た結果で あ る。
計算に は,
敷地内の地 盤 性 状の差 異を考慮し, 各々の繰返し載荷試 験杭に近い方 の静 的載 荷試 験 杭か ら得ら れた パ ラメー
ター
を用い た。
3
2
」
■宕
ε
oリ ゼ o ∈ 。璽
島
δ0
2
4 6
Elapsed
Time , t 〔XIO3
sec }図
一
20 繰 返 し載 荷 試 験 (No.
3−
])の実 測 値と計 算 値の比 較 ( F■
F■
ア ω ♂ 匚 OF 匚 OO一
α ω旧
O 図一
21 32
1
0
2
4
6
Elapsed
Time,
t (X103
sec } 繰返 し 載 荷試験 (No.
4−
1)の実測値と 計 算 値の比較 す な わ ち,
試 験No .
3−
1と 4−
1に 杭No.
2の パ ラ メー
ター
を,
試 験 No.
5−
1と 8一
ユ に は 杭No
.
6の パ ラ メー
ター
を 用い た。
図一
20〜
23 よ り,
累 積変位の 計算 値は種々の 荷重条 件に おける実 測 値を う ま く追 跡で き ること が わ か る。
ま た,
変 位 両 振 幅の実 測 値は,
荷 重振幅の値が一
定であ る の で式 (10)で示さ れ るよ うに,
繰返 し載 荷 中 常に一
定 と なっ て お りt そ の大き さ は計 算 値と良い 対応を 示 して いる。 し た がっ て,
第 4章の解 析 解に よっ て, 規 則 的な 繰 返し引 抜き荷重 を 受 け る粘 性 土 中の杭の変位応 答は,
静 的 載 荷 試 験 結 果か ら十 分な精度で予 測で き ること が わ か る。
(2} 本 解 析 解の適 用性 第4章の解 析 解の適用範囲は,
厳 密に は この解の ペー
ス であ る式 (ll )が成 立する中 間の荷 重 領域 (6.
1
(2
) 参照)である が,
近 似 的に杭の降 伏 値以下の 荷 重 領 域 全 体と考え る こと が可 能で あ るv。
ゆ えに, 上 記の 4つ の 実測 値が計 算 値と良い一
致を示 し たの は, 試験NQ.
8−
1 の 場合を除き,
いずれ もOLR
〈ユ の条 件で あっ た た め である。
な お,
地 盤 性 状の 差異 (3.
3参 照 )を考 慮す る と,
試 験No .
8−
1も実 質 的に はOLR
〈1の条 件と推 察 され る。
一
方, 3.
3の実 験 結 果か ら わ か る、
よ うに,QLR
>1
の 繰返 し荷 重 下の杭は著しい累 積 変位 を生じ,
甚だ しい場 合には破 壊に至る。
しか しながら,
本 解 析 解は その性質宕
ε
の.
芒 ∈ Φ融
五 盟 O3
2
1
0
2
4
6
Elapsed
Time,
t{XIO3
sec }図
一
22 繰 返 し載 荷 試 験 (No、
5−
1)の実 測 値と計算 値の比較3
2
「
−{
E
三
goビ
o ∈ o ω 五 盟 O0
2
4
6
Elapsed
Time,
t〔XIOs
sec )図
一
23 繰 返 し載荷 試験 (No.
8−
1>の実測 値 と計 算 値の比 較 上,
い く ら繰 返 し荷 重レベ ル が大き く て も,
また い くら 載 荷 時間 が増え て も計 算 上の変 位は有 限 値を示し,
杭の 破 壊 を表 現す ることはで き ない。 ゆ え に,
本 解析解を適 用 する にあた っ て は,
F
の点に注意す ること が必 要で あ る。
7,
結 論粘 性土 地 盤に打 ち 込 ま れ た8本の鋼 管 杭に実施し た各 種の引 抜き載 荷 試 験 結 果と そ れ に対す る解 析 結 果 より
,
以下の結 論を得た。 規 則的な繰 返し引 抜き荷 重を受け る粘 性 土 中の杭の 変 位 振 幅の大き さは,
杭が破 壊す る し ない にか か わ らず,
常に一
定で ある。
降伏 荷重 を 超える 繰 返 し引抜き荷 重が作 用す ると,
粘 性 土 中の杭は著しい累 積 変 位 を生じ,
甚だ しい場 合に は破 壊に至 る。一
方,
降 伏 荷 重 以 下であ れ ば,
累 積変位 は 比較的 小 さ く 破 壊の兆 候は見ら れ ない。
第
4
章で示 し た解 析 解は,
規 則 的な繰返 し引 抜き荷 重 を 受け る粘 性 土 中の杭の変位 応答計算方 法 とし・
て有 効 であ る。
静 的 載 荷 試 験 結 果か ら,
杭の 極 限荷重およ び降 伏 荷 重と ともに,
上 記の変 位 応 答 計 算に必要なパ ラメー
ター
を求め ること が で きる。
謝 辞本 研究を ま と め るにあ た り, 千 葉 大 学工学 部 上杉守道
一
一
助 教授の助言を受け ま し た。 記し て謝意を表し ま す。 付 録 既往の研 究4[
・
9)に よ れ ば,一
定 軸 荷 重を受け る粘土中の杭の 変 位 (∫}〜
時 間 〔t}曲 線 (ク リー
プ 曲線}には,
以 下の 2種 類 がある。
S=Sl
十U ・
tn
(t)一…・
・
………・
…・
……・
…・
・
…・
…・
〔A1) S=
Sl十 V・
tW…………・
……・
・
一一………一…・
・
(A2 ) こ こ に,
S‘は杭の 即時変位、 U,
V,
W は定 数で あ る。 式 (Al
〕 は, 杭の変 位が時 間の対 数に対して直 線 的に増 加する場合 (対 数ク リー
プ曲 線 )を表 し て お り,
村 山・
柴 田9)に よっ て提 案さ れ た もので あ る。一
方,
式 (A2 )は,
杭の変位 が 時 間 と と もに 指 数 的に増 加する場 合 (指 数クリー
プ 曲 線 ) を 表して お り,
Edilら4〕に ょ っ て提案さ れ て い る。 時 間 を対 数にとっ た片 対 数上で, 対 数クリー
プ曲線は上述の よ うに直線と な る が,
指数 ク リー
プ 曲 線は依 然とし て曲 線であ る。
し た がっ て,
実際に得ら れ た杭の変位〜
時 間 曲線が ど ち ら の ク リー
プ曲 線に相 当する かを見分 け ること は 比 較的 簡単であ る。
その結 果,
本 実 験で得ら れ た各 荷重 段 階の実測 値 (図一
13(a) の太 実線)は,
指 数ク リー
プ曲線 〔式 〔A2 )}と判 定 された。
推 定曲線 (図一
13〔a}の細 実線 )を求め ること は,
上 述の実 測 値 を も とに,
式 (A2 }に おけ る V,
卯 の最 適値を各荷重 段 階ごとに決 定す ることであるe これに は.
Caceciら5 )の論 文に 掲載さ れて いるパ ソコ ン用の非線形 最 小二乗カー
ブフ ィッ ティ ン グの プログラム を用い た。
こ の プロ グラムは,
Simplex法と 呼ば れ る算 法 をベー
スに し たもの で ある。
詳 細につ い て は, 文 献5)を参照 さ れ たい。
こ の プログ ラム で は繰 返し計 算 を必 要と し,
その過 程にお け る結果は以下の よ う に表さ れ る。
V』_
Z 肱_
1SSR
,_
2 VN−
1 肱一
I SSR 胴 VN 防 SSR.
こ こ に,
V,
W は フ ィ ッティ ング定 数の 計 算 値,
SSR は残差 平 方 和であ り,
添 字の 1Vは繰 返し回 数 を表す。
繰返し計算の収 束条件は,
以下のようであ る。 上記の 3つ ( VN−
1,
V』.
,
}の中か ら最高 値(励 と最 低 値 〔−V ,.
)を見つ けだす。
VHと VLに対し て以 下の照 査を行 う。
VH−
v, 〈10−
s・
………・
……・
………・
・
…・
…・
(A3 ) 同様の操 作 〔一
)を W につ い て も行 う。
同様の操 作 〔一
) をSSR につ い て も行う。 V,
W,
SSR
が ともに式 〔A3 )に示 された 条 件 を 満 足す れば,
繰 返し計算は終 了す る。
な お, 式 (A3 }の値 (IO’
s) は,
Caceciら5)によ っ て推 奨さ れて いるもの で ある。
もしくは,
所 定の繰返 し 回 数(N)に達 し た ら計算を終 了す る。
Caceciらs)に よ れば,
繰返 し計 算は お お む ね 20Xrn2よ り 少ない回数で収 束 するとの ことである。
こ こ に,
m は フ a ッ ティ ン グ定 数 (V ,
W>の数 {=
2}であ る。
本 研 究では,
N−・
3eoと した。
最 終 的に,
フィッ テ ィン グ定数(y,
W)の計算値は、
以 下の よ うに得ら れ る。
VN十VN_
t十 VN_
:・
…・
………・
………・
……・
(A4 ) v=
3 鴎十 貼一
1十 嗾一
z・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
…
(A5 ) 膵=
3 参考 文 献 ) 1 ) 2 ) 3 ) 4 } 5 ) 6 ) 7 ) 8 ヌ 9 稲 国芳t
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