【論 文】
UDC :69T
.
322 :666.
972.
12 ;620.
193日本 建 築学 会 構造系論 文 報 告 集 第423号
・
1991年5月 Journal of Struct.
Censtr,
Engng,
AIJ、
No.
423,
May,
1991多粒 径 成 分
を
含
む
骨 材 粒 子
の
充 填 密 度
に
つい
で
COMPACTED
BULK
DENSITY
σ
F
AGGREGATE
WITH
RANDOMSHAPE
AND
WIDELY
RANGED
PARTICLE
SIZE
DISTRIBUTION
大 井 孝 和
*Takakazu
OOi
Anew concept
、
of mathematical model on the compacted bulk density (solid volume ratio )of aggregateis
proposed to investigate the complex nature of packing particles with.
randon shape and wide range grading.
The
model expressed as a second order polynomial of the sieve.
residuals (volume content ratiofor
each particle size )canbe
det6rmined
mathematicaLlyfrom
the constit μ.
tive combinations of the modelsfor
two particle size mixing,
whQse coemcients arbderived
from
three
basic
par母皿eters representing special characteristics of particles packing.
Properti
自s ofthese three parameters are studied through the derived values from experimenf と
l
resuLts,
and theirinfluences
on thebehavior
’
of the model (grading of the closest packing etc
.
)arediscussed
in
detai1
.
・
,
Key
ωOizlS ;ag97・egate,
aggregate grading,
solid・uolume ・ratio,
sieve analysis,
closestPack
ing, mix
Pro
} ortion 骨 材,
骨 材 粒 度,
実 績 率,
ふ る い分 け試 験, 最密 充 填,
調 合1.
序 論 骨 材 粒 子の最 密 充 填はコ ン クリー
ト調 合 理 論 を構 成 す る原則の ひ とつ で あ り,
この原 則の重 要 性は超 高 強 度 耐 久性コ ン ク リー
トの製 造に関する技 術 開 発におい て再び 認 識さ れ るであ ろう。 本 研 究は,
不 規 則な形 状 を持つ 粒 子で構成さ れ,
多.
くの粒 径 成 分を含む粒 状 物 質の充 填に つ いて,
最も単 純 化さ れたq
とつ の数 式モ デル を介 し て 考 察し ようとするもの である。
.
粒状 物質の充填に関して は,
関 連 する多くの分 野で研 究 成果の膨 大な蓄 積 が あり,
そ れ ら を ま と めた資 料 も多 い1J−
3)。
コ ン ク リー
ト工学の分 野に限っ て み て も,
骨 材 の最 良の粒 度 分 布 を得る た めの研究は,
既 に 百年の 歴史 を有 し て い る とい わ れ,
白 山に よる文 献4L5 }に は,
最密 充填に関 し て連続 粒 度と不 連 続 粒 度の優 位性を め ぐる問 題,
コ ンク リー
ト調 合 決 定にお ける理 論 的な方 法と半 経 験 的な方法の それぞれの発 展,
ある い は ま た,
各国の規 準の背 景を な す諸理論な ど が興 味 深く述べ ら れ て い る。
特に,
そ れ らの文 献で詳 し.
く紹 介さ れた フ ラン ス にお け るCaquot,
Faury
ら の コ ンク リー
ト調 合理論は,
米国 にお け る伝 統 的な半 経 験 的 調 合 決 定 法6窒 と もに, 骨材 粒 子の 密 実な充 填 をきわめて重 視す る もので あ る1)。
ま た最 近で は,
骨材 2粒 径 成分の混 合 理 論 か ら 出 発 す る Powers の方 法8}・
D ) を前田10}が 追 試し.
てい る。
骨材粒 子の集 合に対 して,
その特 性 を統 計 的な指 標 を 用い て表現した研 究 もある。
沓 沢はtl ),
粒子形 状のパ ラ メー
タ と して Waddel・
Krumbeinφ
定 義に よ るス フt
リ シ チー
蛾 と円 摩 度Rx を用い,
粒 度のパ ラメー
タに は メ ジア ン径 M,,
分 級 係 数 S。
の ほ か,
粒 度 分 布に関 す る標 準 偏 差 σ。 を 定 義して, 選 別し た川 砂 利およ
び 砕 石 の実 績 率と各パラメー
タとの関 係 を調べ た。
後 藤ら は更に組 織 的な研 究を行い1.
z.
}・
13 ),
JIS
ふ るい で 分 級し た骨 材 粒 子の個 数,
.
長 さ,
.
表 面 積,
体 積,
粗 粒 率 な どに関す る統計量,
す な わ ち,
平 均 値,
標 準 偏 差,
ゆ がみ度,
尖 度 を計 算して, それ ら が 骨材の実 績 率に及ぼ す影 響を調べ,
粗 粒 率に関する標 準偏差SD
と ゆ が み度S
を用い て,
細 粗 骨 材の混 合によ る実 績率の増分を表し た。
筆 者らは先に ]4 )
,
ふ る い分 け た骨 材 3粒 径 成 分の混合 につ い て, 3 次ま でのすべての項を含む多 項 式に よ る回 帰分析 を 行い,
粒径比が実績率に及ぼす 影 響 を調べ た。
ま た,
統計的 検 定の結果,
こ の 回帰 式に お け る 3次の項 の係数がいずれ も有意で な かっ たことか ら,次
の実 験で は15) 回帰式の次 数を2
次まで と し,
7粒 径 成 分 を 含み,
連続 粒 度を な す混 合 骨 材の実 験 結果か ら, その回帰式の 幸 愛 知 工 業 大 学 工 学 部 建 築工学 科 教 授・
工博 P ・・f・
・
D・pt・
・f A・ch ・t・ct・ ・al E・gi・ee「i・g Facu]ty ・f E・gin・r・i・gAichi Institute of Techn6Logy
,
Dr.
Eng.
極値と して
,
不 連 続 粒 度と な る最 密 充 嗔の解 を得た。
こ れ が以下に述べ る数 式モ デルの原 型である。2.
数 式モデル の概 要 こ こでい う数 式モ デル と は,
細 骨材,
粗 骨 材およびセ メ ン トを混 合し た場合の よ うに,
広い粒 径 範 囲 を持つ粒・
状 物 質の充 填につ い て,JIS
ふ るい で分 級し たときの各 粒径成 分の含 有比率 X,と充 填 密 度Z
(実 績 率 )の関 係 を次 式の よ う なZ次 多 項 式で表 現す る もの である。
n n Z=
Z
]ΣA
丿X
,X
丿…・
・
…・
……・
・
…・
…………
(1 ) i=
1j=
t ここ に,
Z ;混 合 骨 材の実 績 率,
A,
J ;.
係 数,
X,,
濁 ;各 粒 径 成 分の絶 対 容 積による含 有 比 率,
す な わち,
連続 する n粒 径 成分 がある と き,
i=
1,
n ノ=
らn であ る。
ま た Xlを最 大 粒 径 成 分とする。 た だ し,
各粒径成 分の絶対容積の和が 1に なる とい う制 約か ら,
こ こでは Xiをimplicitに含ま れ る変数と し,
上 式で は形 式的に i,
jが 1のと きX‘
,
XJを1と す る。
(1
}式の係 数 ん丿は, 式の性質上,.
各単一
粒 径成分 お よ び2粒 径 成 分 混合の各組み合わ せにお ける充填 特性 か ら決 定で き る。
こ の こ とを, 簡単な 3粒 径 成 分 混 合の 場 合に例 をとりつ つ 示そ うIG )。
まず,
3粒 径 成 分の混 合 に対し,
(1
)式は (2)式のよ うに.
書 ける。
Z
==
11u 十!4nX
:十A
]zX3 十AnXl 十、
4,3X ,X, 十A3eX
葦・
・
t−・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2) 次に,
3粒 径 成 分か ら1成分 を 取 り除くことで,
(2) 式は 2粒 径 成 分混合の充 填 特 性を表す3
個の式に分 解さ れ る。
すな わ ち,Z
,2;A1
,十A
,2×2十A
,,Xl ………・
・
…tttt
(3
)Zi3
=A ,
,
十A ,
3Xs 十A33XS・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4)Zz3;
(A
,■十An
十ん2)十(− An
十An − 2An
十A2s
)Xa
十くAzz
十A33− A23
)X
;・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5) いま,一
般 的に n 粒 径 成 分が ある と き, i番 目の粒径 成分 (粗 粒)とノ番目の粒 径 成 分を混 合し た ときの充 填を (1
)式のモ デル を用いて次の ように書き表そう。
ZSJ; BO‘ ∫一
トBliiX」十正畫2“XS ・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
…
(6) 上式に お い て, Xi=
0の と き の Z‘,=BOw
は ‘番目の 粒 径 成分の実 績 率Z
‘,
ま た,X
∫=
1と おい て得 ら れ るZu =BOw
+B1
,」+B2
‘」はj
番 目の粒 径 成分の 実 績 率・
Z
,で ある。
図一1
に (6)式の グラ フを示す。 (3
)〜
(5
)式 をn 粒径 成 分 混 合の場 合に拡 張すれ ば,
上の (6
)式と (1 )式の係 数の関 係は次の ようにな る。
i=
1の とき,
BOw=:
AnBlu =
Al∫一・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt・
・
・
・
・
…
一・
・
…
〔7 )B2u =
んノi
≧2
の と き,BO
,,=
All十Au 十Ait
B1
‘∫竺一
141‘十、
4】丿一
2!1‘i十、
4‘,・
…
(8)B2
∫丿=Aii
十ん丿一
Aw あるいは,
A,
1;BO ,
j=BO .
A
,」=Blu
/4〃=B2u
Aw=
B21 ‘十B2w− B2w
(ただし,
ぢ毳
2,n−
1一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
9・
(9 ) 丿=
2, ni
〈ノ) これより,
2粒 径 成 分 混 合の モデル であ る (6 )式の係 数を決 定すれ ば,
(1)式の係数A
‘,は (9
)式の 関 係 に よっ て直ちに定ま る こ と が分か る。 な お,2
粒 径 成 分 混 合モ デル の 係数の決定につ い て は後 述す る。
さて, 混 合骨材の最密 充填粒 度とそ の実 績 率Zmax は explicit に含 まれ る変数X
∫, (i=2,
n)で (1 }.
式 を偏 微 分し て,
0とお いた n−
1個の式 を連 立さ せて解くこ とに より,
ひとつ の極 値 (最 大 値 )とし て求 め ら れ る。 変 数X
‘がいずれもその定 義 範 囲 内にある解 を 得る た め に は, 負値と なっ た粒 径 成 分の含 有 量 X を強 制 的に 0 と置い て , 順 次 極 値の 計算を すれ ばよ い。 (な ぜ な ら,
上に凸 な 2次 曲 面と な る関 数の極 大 値が ある変 数の定義 域の外にあ るとき, 関数の最大 値は その変数の定 義 域の 端にあるか ら)。
こ こ で再び 3粒 径 成 分 混 合の場 合 を例にと ろ う。 (2) 式をX
,とX3
で偏 微 分して,
そ れ ぞ れ を0 と置け ば,
21422×2十 〆L23」(h=一
/LI2…………・
・
………
(10
) 渦跼X2
十2A33
×3=一
! 3 こ れ を解い て, 最,
X,お よ び Xl=
1−
X厂 為 を 得る。
もし,
X2が負 値に なっ た と き は,
(2)式で X2=
・
0とお い て,X
,の極 値 を 求 めれ ばよいの である が,
計 算 機プ ロ グラ ミングでは 次 式の よ うにす る と便 利であ る。 1・
X2
+0・
λ』=
0…・
……・
…・
………
(1ユ> 0・
X2十2AzzX3=−
A13 こ の 解,
X2=
O,
X3=−
AiS/2 A,3 は (4 >式で示さ れ るZ13
の極 値と一
致す る。 Zmax’
’
Zi、
、
、
、
、
、、
、
xZj Xi
=
1 Xp Xt Xi・
O xj=
O xj=
1 図一
! 2粒径成 分 混 合に対 する (6) 式の モ デル3.
数 式モデルの基本的パラメー
タ2
粒 径 成 分 混 合の 充 嗔 特 性を表 す (6) 式のモ デル に は 3個の係 数 β砺,
Blw , B2w が ある。
こ れ らの係 数 は X 座 標の両 端に おけるZ
値 (Z
,:粗 粒 成分の実 績 率,
Z
」:細 粒 成 分の実 績 率 )および曲 線の頂 点の座標 (X.,
Z皿 x )の 3点 を選んで, 次 式の よ うに決定す るこ と が で きる。
B2w
=一
(2
Zmax− Zi− Z
ノ}一
12
一
一
2Zmax− Zt
Zmax−−Z
し)・
・
・
・
・
・
・
・
…
(12)Blp
=− B2i
」一
(Z
‘− Z
ノ)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(亅
3
)BOi
」〒Z
ピ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(.
ユ4) 実績 率Z
,,Z
,か らZm
。x へ の 増 分 (曲線の 盛り上が り) を評 価す る た め に は ;(12
)式右
辺第i
項を指 標と する 表現と,
第 2 項を指標と する表現が考えら れ る。
実 際に 実 験デL タに適用して調べ た とご ろ,
後 者の ほ.
うがZ
‘,Z
,値の 大き さに よ る影 響を小さ くで き るこ と が分かっ た。
Zp
を (15)式のホ
うに定 義すれ ば,
Zmax は (16) 式のように与え ら れ るaZ
ρ; (Zmax− 2r
、)Zmax− Z
」・
∴・
・
一・
tttttt
・
・
…
(ユ5
}ZmaX
= (Z
‘十Z
」)/2−
← (Zi− ZJ
) 2 /4十Z
ち・
・
・
…
(16 ) (ユ5 >式の根 号の中が非 負であ る た めに はZm
。x≧Z
‘か.
つ.
Zmax
≧Z
,で な け ればな ら ないが,
実 際に は粒径比で 隣 接する 2粒 径 成 分の組み合わ せに おい ても,
それ に よ る不 都合
は ほ と ん ど起こ らな・
い。 実績 率 名 とZ
∫が特 に大き く相 違す る場 合は, 単 純に曲 線が上記の.
3
点を 通 るよ うに係 数 を 決めて い る。
(12 ト (14)式を用いて, (6)式の 2粒 径 成 分混合モ デルが一
応 確 定で き る。
ここで,
“各一
¥・
L 粒 径成分の実 績 率Z 、
iZ
,”
、
“
Zm 。
x の増 分の 指 標Zp
”
お よび “ 頂 点の X 座標 Xρ”
の 3 種類の特性 値群を本数式モ デル の基本 的パ ラメー
タと呼ぶ ことに し よ う。
; 各パ ラ メー
タの とるべ き値につ い て,
矢 作 川 産お よ び 天 竜 川 産の 川 砂・
川 砂 利を用い て行っ た筆 者らの実 験 デー
ダ4)・
15 )・
17 ) か ら調べ た結 果は次の と お りであ る。
ま ず
,
単一
粒 径 成 分の 実續 率Z
‘ (気乾状態,
ジッギ ン グ法お よび棒 突き法併用, 以下 同様 )と粒径 (mm , ふ るい 目の寸 法の中点で示す)の関 係 を 図一2
に示す。
こ れ より,
単一
粒 径 成 分の実績 率Z
‘は粒径と と もに減 少するこ と が わ か る。 こ の傾向は,
主と して細粒と粗粒 の形状の違いと,
粒子 間の摩 擦力などに打ち勝っ て充填 条 件を等しくする ため に必要
な力の差に よっ セ生 じ た も の と思わ れ る。実際の問題に本モ デル を 応用す る 場合は, 係数決 定に際 し,
パ ラ メt タZ
‘に そ れ ぞ れ適切 な条 件 の も とで測定さ れ た 実測 値を 用い るべ きで あ ろ う。
例え ば, 普通 ボル ト ラン ド セ メ ン トの実 績 率は,
メ ス シリン、
ダー
の水 中で静か に沈 降させ た場 合0.
38程 度,
空気 中 の乾 燥 状 態で軽く盛り上げたとき 0,
4程 度で あるが,
水 で捏ねて ペー
ス ト状にす れ ば0.
56程度,
高 性 能 減 水 剤 を加え.
る と0.
60以上に も な る。 次に, Zmax を評 価 するた めの指 標Zρ.
と粒 径 比 (隣 接.
す るふ るい 目の・
log
scale に よ る中 点に お い て最 大 粒 径 成分の粒犀
を 1と し,
以 後 順に粒 径些
1/2の ふ るい にと どま る成分の粒 径を粒径比 1/2Rの指数R
で表す。
R が 大ほ ど 粒径は小さい)の 関係を 図一3
に示す。
指 標Z
ρ O.
7 k“
a.
6
,
哥 O.
5 蝋0.
4
.
O.
3 粒 径 区 分 151413121110987e54321 ゜ 駒胃
し 馬.
’
.
毛 。 ・糎
セ
癖
マ
な 准 硬 お 斡 羅 う袰
蕋
! な薪
・
ミ
・ = 氣愛
ミ 煢 / 一 ! ’ ’.
〆
ノノ
ノ 20 の 係 5 国 ー 関.
の’
2 径 − 粒 3 と 伍 径 濫 率 80 粒 績 実 の 0 ふ 丿 る ノ 成 の 径 5e 粒一
上 単」
図 O.
2 爵 O.
且5 ゆ支
゜・
「婁
。.
。5.
.
勇
津
{
…
!
蛭
tr髭
幾
欝
さ
0 0 1 2 3 4 5 6 粒 径 比の指数 R.
図一
3 増分の指 標Zρ
と粒 径 比の指 数.
R の関 係 1 爵 1 0.
5 箏、
怠
●
…
・蟻
.
鮮 O D 1 2 3 4 5 6 粒 径 比の 指 数 R.
図一
4 頂 点の 」じ座 標Xpと 粒径比の指 数R の関 係 の値はR ・
=
4 (粒 径 比 1/ユ6)あた りまで比 例 的に増 大し,
.
それ以 後の増 大は緩 やか であ る。
これ は,
粗 粒の間 隙 を 充填すべ き細粒の粒径の影響 (粒子干渉)を示す もの に 他な らない6
また,R =
ユ.
(粒 径 比 1/2)で は逆に比 例 的 傾 向より低い値になっ てい る が,
そ の理由と して充 填 の幾 何 学 的 非 線 形 性が考え ら れる.
。 単一
粒 径成分に も存 在する隣 接する ふるい目の範 囲で の粒 度分 布の影響を消 去す れば,
図一
3の傾向は他の粒
径比を持つ ふ るい の系 列に も適用で き る もの と 思わ れる。
なお,
既 報te )で は図一
3の傾 向 を2本の直線
で近 似し た。
こ れ は少しばか.
り 大 胆な仮 定のよう.
に思われ るが,.
数 式モ デル の特 性を理 解するうえで 効果的で あっ た。
なお,
指 標 Z。
の実 験 値 は 2粒 径 成 分 混 合の実績率の測 定デー
タ をいっ た ん最 小 自 乘 法で 2次 式に近 似し,
そのZmax:
か ら計 算し た も の である。
上の計 算で同 時に求め た頂 点のX
座 標 鵜 と粒 径比一 13 一
R
の関 係は図一
4に示 す。X
ρの値は,2
粒 径成分の 混合 に お いて最 密 充 填とな る粒度のX
,値 (細粒成分の含有 比 率〉で あ り,
粒 径比の影 響を そ れほ ど受けず,
ほ ぼ0.
3
程 度であると 考えられて い る。 (12
)一
(14
)式に よっ て (6)式の係 数 を決 定す る と き は,X
ρの値を利用 し て い ない の で, 得ら れ た曲 線の頂点のX
座標は 必 ず し もX
ρ とは一
致せず,
主と して実績率Z
‘とZ
丿椙 互の関 係か ら定まる。
例えばZ‘=2
,の と き,X
ρは常に 0.
5 と な る。
もし,
Z‘,
Z,値へ の近 似 よ り も 頂 点の 座 標 (Xp,
Zmax)へ の近 似を優 先す る と き は , (13
) (14
)式の代 わ り に,
下記の (17 )(18
)式 を用いて係 数BltJ
お よ びBO
“ を 計 算 す れ ば よい。
Bltj=− 2B2
“X
ρ・
・
・
…
一・
・
t−tS−t・
・
・
・
・
・
・
…
一…
《17)BO
‘,=Zmax− 131t
∫X
ρ一B2
“X5−・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(18) な お,
本 数 式モデル によっ て最 密 充 填 粒 度 を 推 定 する と き は,
後述す る よ う にパ ラメー
タXp
の影 響 がき わ め て大きい の で,
図一
4に お ける Xρの実 験 値の傾 向を(19
) 式の よ う に 近似し,
(17
)(18)式と ともに用い る。 Xρ
=
(Xロ十 〇.
3R )ノ〔1十R )………・
……
(19 ) ここ に,
R は粒径比の指 数,
X,
は (ユ2)一
〔14)式によっ て係 数 を定め た (6)式の曲線の頂点の X 座標である。
・
こ こ で,
2粒 径 成 分 混 合の充 嗔 特 性を表 すこれ らの基 本 的パ ラ メー
タが,
n 粒 径 成 分混合モ デル の特性に及ぼ す影 響を調べ るた め,
(12 )(17
)(18 )式と (9>式を 用い て (1
)式の係 数を決定し, 最 密充填粒 度を求め る 計 算を実行してみ る。
煩 雑さを避け る た め,
計 算 条 件は で きる だ け単 純 化し,
7粒径成 分混合, パ ラ メー
タZ
、 は0.
58一
定,
パ ラ メー
タZ
。 と粒径 比の指数R
の関係 は 2本の 直 線で近 似,
比例 区間の 傾 斜 (AZ
ρ/AR
)=
0.
03
と 仮 定, 比 例 区 間の範 囲は限 界 粒 径 比R
.までとす る。
図一5
に は,
パ ラメー
タ X,
をひと まず0.
4に固 定し,
限 界 粒 径 比R
。を2か ら6の範 囲で変 化 させ た場 合の最 密 充 填 粒 度の変 化を示す。 得ら れ た結果 はいずれ も不 連 loo 80 §》
60 覈 40 20 粒 径 区 分 7 6 5 4 3 2 10 20§
40)
60 肆 80 O lOO O.
150.
30.
61,
22.
551020 粒 径 (ふ る い目) (mn ) 図一
5 7粒 径 成 分混合の最 密 充 填 粒 度に及ぼ す限 界 粒 径 比R、
の影 響一
14
一
100 L2 分 3 区 4 径 粒 567 80§
)
碍 60 顛 402。 0 20
§
40v 60肆 80 0 100 0。
150.
30.
61唖
22,
551020 粒 径 (ふ るい 目 ) (mm 》 図一
6 7粒径成分 混合の最 密充填 粒度に及ぼ すパ ラ メー
タXp
の影響 続 粒度に なっ てい る。一
般に,
n 粒 径 成 分 を 混 合 する場 合限界粒径比Rc
が (n−
1)以 上であれ ば最 密 充 填 粒 度 は最 大粒 径 成 分と最小 粒 径 成 分だ け を含む ように な り,
(n− 1
)IRc
が整 数に な る場 合は, その 数 だ け粒 度に不 連 続な区 間 (ギャ ップ)が 生 じ る。
(n−
1)/Rc
が整 数 にならない場 合は,
最 密充填の粒度分布は よ り複雑な規 則 性を示 す。 ま た,
パ ラメー
タXp
の値 を粒 径 比に無 関 係に一
定とし たと き は,
最 密 充 填の粒 度 分 布が各 単一
粒 径 成 分の実 績率Z
‘の値に か か わ らず 同じとな り,
Z‘の 値は そ の最 密 充 填 粒 度の実 績 率に の み影 響す る。 図一6
に は,
限 界 粒 径比R
。 を3と6
に限定し,
粒 径 比に無 関 係に一
定と し た パ ラ メー
タ X。の値を0.
3,
0.
4,
0.
5と変 化させ たと きの最 密 充 填 粒 度を示 す。 こ の図は 多粒 径 成 分 を混 合し た と き の最 密 充 填 粒度とパ ラ メー
タ Xρ (2粒 径 成 分の最 密 充 填 粒 度〉との基 本 的な関 係を 示 唆し てい る。
な お,
増 分の パ ラメー
タZp
の比例区 間にお ける傾 斜AZ
ρ/AR
と 限 界 粒 径 比R
。は,
そ れ らの値が大きいとき, 粗 粒の 間 隙に より多くの細 粒が充 填さ れ ること を示す も の であるか ら,
多粒径 成 分 混 合の実績率 を増 大さ せ る。
次に, 粒子の形 状が多 粒 径 成分混 合 時の実 績.
率Z に.
及ぼ す影 響 をどう評 価す る か とい う問 題の た め に,
沓 沢 に よ る次式tl)をこ こ で引用 し て お き たい。
A
=
60 iVWt………・
…・
・
一
・
・
…・
……・
……一
《20) こ こ に,
A :単一
粒径成 分の実績率 (%),
Vx,
Rx : それぞれ, 個々 の粒子の ス フェ リシ チー
お よ び円 摩 度を粒 子 群に.
つい て個 数で平 均したもの。
この式は,
粒子の形 状 を示すパ ラ メー
タ が定量的に評 価さ れ た と き,
単一
粒 径 成 分の実 績 率 Zeに及ぼ す粒 形 の影響を 示 す もの である。
2粒 径 成 分を 混合す る場 合, 細粒の粒 形が非 常に良 好 で,
そ の実繽 率Z
,が粗粒の実績 率Zt
よ りも高 けれ ば,
.
(12 )〜
(14 >式で係 数を決 定す るモ デル の パ ラメー
タX
。 はO.
5
よ り大と なる。
こ の傾 向は実 験で も認め ら れ る。
(19) 式はき わ めて簡 素な式で,
パ ラ メー
タXp
の挙 動丶
につ い て実 験デー
タ との幅 広い一
致を 目指す もの では な.
い が, (12
)一
(14
)式の モデル に よ るパ ラメー
タXp
の 傾 向 を修 正し て表現 す る もの であ る。
これ らの こ とか ら,
多粒 径成分 を 混 合 し た 場 合に お け る各粒径成分の粒形の影 響は,
本数式モ デル に おいて は,
基 本的
パ ラ メー
’
タの う ち,
パ ラ メー
タ Z‘,Z
,とパ ラ メー
タX
。に よっ て考 慮 さ れて いる とい うこと ができ る。
4.
実 験 デー
タ によるモデル の検 討 以 上の考 察に よ り,
本 数 式モ デルの特 性に及 ぼ す各パ ラメー
タの影 響が明ら かになっ たので, こ こ で い くつか の現 実 的なモデル を構 成し,
実 験デー
タの傾 向と 比較し て み よ う。
検 討の た めに用い るデー
タは既報]4 〕・
15 }・
ITIの もの である。
現 実 的なモ デル の パ ラメー
タの う ち,
各 単一
粒 径 成 分 の実 績 率 Z‘に は,
図一
2に点 線で示し た よ うな実 測値.
の傾 向 を 与え る。Zmax
の増 分の指 標Z
ρ につ いて,
基 本 的に は,
図T3 の実 測 値の各 粒 径 比ごとの平 均 を とるこ とにす る。
採用 したZ
,の値を衾一
1に示す。
ま た,
パ ラメー
タXp
の値は (19 )式によ る もの と する。
実 験 デー
タは,
既に述べ た ように矢 作 川 産 と天 竜 川 産 の粗 細骨材 を分 級し た 20 mm−
O,
15 mm の 7粒 径 成 分 につ い て, い ろいろ な組み合わ せ に よる 5 シリー
ズの混 合 実 験, 合 計557
調 合の測 定 結果 を含んで いる。 表一2
に は, 比 較の た めに実 験デー
タ か ら最 小 自乗 法 で求めた (1)式の係 数 (統 計モデル )と, 上記の 基 本 的パ.
ラメー
タか ら誘 導して得た基 本モ デル の係数を示 表一
1 増 分の指 標 Zρの粒 径 比に対す る傾 向 指 標 Zp R=
1 R;
2 R=
3 R;
4 基 本モデル 修正モデル 0.
0240,
039O,
0580.
082O.
0930.
1ユ80.
1220 」21 指 標 Zp R=
5 R・
6 以 上・
基 本モ.
デ ル 修 正モデル O,
1390.
143O.
1450.
146 100 80§
)
60 馴 40 20 粒 径 区 分 765432.
10 20§
40)
冊 60 留 80 0 1bO O.
15 0.
3 0.
6 1.
2 2.
5 5 艮0 20 粒 径 (ふ るい 目 ) (皿旧) 図一
7 現実的なモデルで推 定しtR 密 充填粒 度の比 較 す。
.
・
両 者の係 数 を一
致 させ る ために最 も大き な影 響 を 持つ の は パ ラ メー
タZ
。 と粒 径 比 R の関 係で あ る。 こ こ で,
統 計モデル か ら 2粒 径 成 分 混 合 式を逆 算し て推 定し た増 分の指 標Z
ρ を表 Ll に併 記し,
図一
3に鎖 線で記 入する。
この傾 向 を用い たモ デルを修 正モ デル と呼ぽう。
表一
2 現実 的なモデ ル に お け る (1)式の係数 係 数 統 計モ
デ
丿レ
」
基 本モ デル 修 正モデル All D.
62980.
6720O.
6730A12 0
.
MIO0,
0768O.
1248A13 0250 正 o
.
1671・
O,
2374
.
Al4 0.
45250,
25620.
3260 A15 0.
41530,
L
327互 o.
3244 A16 D.
46960,
36590.
3765 Al7 O.
47540.
.
3768o.
3794 A22一
〇,
1474一
〇.
D960・ .
.
.
O.
L560 A23−
A24一
D.
3皇47−
O,
3134一
〇.
23M−
0.
.
2354一
〇.
3277,
−
0.
2996 A25一
〇.
2238一
〇甲
2】14一
〇.
L679 へ26一
〇,
2189一
〇.
1636. 一
〇.
2435 A27F一
〇.
M67・
0.
1198一
〇.
1679 A33一
〇
.
’
3041一
〇.
2324一
〇.
3283i
A34一
〇.
6921一
〇.
5058一
〇.
6445 A35一
〇.
5486一
〇.
4886一
〇.
4849 A36一
〇.
3758一
〇.
4169一
〇.
4292 A37齟
一
〇.
3750一
〇.
3254一
〇.
3736 A44一
〇.
5172一
〇.
3731一
〇。
.
4728 A45.
O.
8501.
0.
7659一
〇.
8021 A46一
〇.
7558一
〇.
6982一
〇.
7184 A47一
〇.
5279一
〇.
5B29 :.
0,
5872・
A55一
〇.
4848一
〇,
4899一
〇,
4859 A56一
〇ド
8879.
−
o.
95L7一
〇.
9040 A57一
〇
.
7361
噛
一
〇.
8404一
〇.
74喧9 A66一
〇.
5618 「0.
5589一
〇.
5748A67
一
D.
9421一
LO461一
1.
oo64A77
一
〇.
58?5一
〇.
5842’
一
〇.
5883 椎足 値の標 準 誤 差 o.
0163o.
0379o,
D334 推 疋 値 の偏寄 り O.
OOOO0.
01B30.
Dl20 最 露 充 堀の翼 績 率 0.
755 o,
743 0.
752 loe 80§
sv
60 蛾 40 20 0 粒 径 区 分・
151413121110987654321 1520800■
31,
25ZO (鯉) 粒 径 〔団m) 0 20(
§ 40 6e 肆 鰹 SO IOO 図一
8 基 本モデル に よ る多 粒 径 成 分灘合 時の最 密 充 填 粒 度の推 定一
15
一
図
一7
は,
こ の各モ デル につ い て,
7粒 径 成 分 混 合 実 験に対す る最密充 填粒度の計 算 結 果を比 較し た もの で あ る。 ま た,
図一8
に は こ の基 本モデルを用い て推 定 し た 11,
13お よび15
粒径 成 分 混 合の最 密 充 填 粒 度 を 示 す。5.
結 論 広い粒 径範 囲 と不 規 則な形 状 を持つ 粒 状 物 質の充 填 特 性を調ぺ る た め,
粒 径 比1/2の系 列の ふ る い で分 級し た 各 粒 径成分の含 有 比 率と充 填 密 度 (実 績 率 )の 関係 を 表 す (1
)式の よ うな 2次 多 項 式によ る数 式モ デルを提案 し た。
(1 )式は そ の係 数の性 質に よ り
,
(7)(8
)式の関 係 を用い て 2粒 径 成 分 混 合の (6
)式の モ デル に 分解で き, また (9)式の関係を用い て (6 )式の係 数か ら(1
) 式の モ デルを再 構 成す ること ができ る。
(
6
)式の 2粒 径 成 分 混 合モデル は3
個の係数を有し, これ らの係 数は 3種 類の基 本 的パ ラ メー
タによっ て決定 さ れ る。 実験デー
タか ら求めた 3種 類の基 本 的パ ラ メー
タZs,
Zp
お よびXp
は,
各 単一
粒 径 成 分ま た は2粒 径 成 分の各 組み合わ せ の粒 径 比ご とに,
それ ぞ れ 図一
2,
3,
4 に示す よ うな傾 向を示し た。
な お,
粒 子 形 状の影 響は パ ラメー
タZiお よ びXp
に よっ て間 接 的に評 価さ れ る。
本 研 究で は,
これ らの基 本 的パ ラメー
タの値が多 粒 径 成 分モデルの特性に及 ぼ す影 響 を調べ る こ と に よ り,
そ の複 雑な充填特性の一
端 を 明らか にする こと ができた。 また,
最密 充 填 粒 度の推 定 結 果が容 易に得 られ るこ と は 本 数式モ デルの特 徴で あり,
粒 子 充 填に関す る多くの問 題へ の応 用が期 待で きる。 この数式モデル を更に特 殊な条 件,
例え ば加 圧さ れ た 状 態や 超微 粒 子を含む場 合,
ある い は水 を 加えて の混 合 充 填な ど に適用す る場 合に も, 基 本 的パ ラメー
タに それ らの条 件 下で測定さ れ た値を与え る な ら ば,
本モデル の 適 合 性は保たれ る もの と 予 想 して い る。
コ ンク リー
ト調 合理論へ の応 用に際して は,
(1)式 の変 数 X‘を,
粗骨材, 細 骨 材,
セ メ ン トの ように あ る 範 囲の既 知の粒度分布をも っ た新しい変数に変換し なけ ればな ら ないが,
これに対して数 学的な 困難は 認 め ら れ ない。
参考文献 1}久 保 輝一
郎ほ か編 :粉 体,
理論と応 用,
改 訂二版,
§2,
§5,
§6,
丸 善,
1979一
16
一
2) Allel1
,
J.
R.
L.
:Sedimentary Structures,
TheiT Charac−
ter and Physical Basis
,
Developments in Sedimentology30
,
§4,
§5,
Elsevier,
1984 3} 例えば宇 梶 文 雄 : フ ィル ダム技術 ノー
ト・
材料の基 本と 実 際,
§1.
6,
日 刊 工 業 新 聞社,
1979 4) 白 山和 久 :各国の コ ン クリー
ト調 合法 (皿),
建 築 技 術,
No.
58,
pp.
67−
73,
1956.
3 5> 自 山和 久 : フランス にお けるコ ン クリー
トの 調 合 法 (1> (2),
セ メン トコ ン ク リー
ト,
No.
161,
pp.
25〜
31,
1960.
7,
No.
162,
pp.
28−
33,
1960.
86) ACI
Sta
皿dard
;RecommendedPractice
fer SeLectingProperties for Concrete(ACI 613
−
54)。
近 藤 泰 夫 訳 ;米 国コ ンク リー
ト協 会 標準 改 訂コ ン クリー
ト配 合 設計 法,
国民科 学 社,
付 録,
pp.
27−
82,
19557) Popovics
,
S.
:Concrete−
Maki皿g Mateiials,
§12,
§13,
McGraw
・
HilL,
19798) Powers
,
T.
C.
;Topics in Concrete Tech皿ology LGeometric Properties of Particles and Aggregates
,
J.
ofPCA R&D Lab
.
,
pp.
2〜
15,
]964.
1g)
Powers, T
.
C、
:The Properties ofFresh ConcTete
,
§1,
§6
,
John
Wiley& Sons,
196810) 前田孝