• 検索結果がありません。

2016 標準新演習理科中2通年(01-05).indd

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2016 標準新演習理科中2通年(01-05).indd"

Copied!
21
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

学 習 内 容

1 炭酸水素ナトリウムの加熱 (P.20) ⑴ 炭酸水素ナトリウム…白色の粉末で,重そうともよばれる。ベーキン グパウダーなどのふくらし粉に含まれている。熱を加えると炭酸ナ トリウム,二酸化炭素,水に分解する。 暗記 ①炭酸水素ナトリウム…水に少 し溶け,弱いアルカリ性を 示す。フェノールフタレイ ン溶液を加えるとうすい赤 色を示す。 ②炭酸ナトリウム…水によく溶 け,強いアルカリ性を示す。 フェノールフタレイン溶液を加えると濃い赤色を示す。 ③二酸化炭素…石灰水を白くにごらせる。 暗記 ④水…青色の塩化コバルト紙を赤色(桃色)に変える。 ⑵ カルメ焼き…ザラメを湯でとかし,煮詰めて炭酸水素ナトリウムを加 えてふくらませた菓子。 2 酸化銀の加熱 (P.21) ⑴ 酸化銀…黒色の粉末。加熱する と銀と酸素に分解する。白い 物質(銀)が残る。 ①銀…みがくと光る。たたくとの びる。電流を流す。 ②酸素…線香を激しく燃やす。 3 化学変化と分解 (P.21) ⑴ 化学変化……元とは違う別の物質ができる変化。化学反応ともいう。 ⑵ 分解… 1 つの物質が 2 つ以上の物質に分かれる変化。加熱によって起 きる分解を熱分解という。 暗記 ・炭酸水素ナトリウム→炭酸ナトリウム+二酸化炭素+水 暗記 ・酸化銀→銀+酸素 暗記 4 水の電気分解 (P.22) ⑴ 電気分解…分解反応の一種で,電気を利用して分解する。 ⑵ 電極…電源の+極につないだ電極を陽極      電源の-極につないだ電極を陰極 ⑶ 水の電気分解…水酸化ナトリウムを加 えた水を,電気分解装置を使って電 流を流す→水素と酸素が発生する。 理解 陰極(-極)…水素が発生 陽極(+極)…酸素が発生 気体の体積…水素:酸素= 2:1 ・水酸化ナトリウムを加える理由…純粋な水は電気を通しにくいので, 少量加えることで電気を流れやすくしている。 理解 5 水以外の電気分解 (P.23) ⑴ 塩化銅水溶液の電気分解…塩化銅水溶液 (青色)に電流を流す→銅と塩素が発生 陰極…銅が陰極に付着する 陽極…塩素が発生 ①塩化銅…青色の結晶。水によく溶け,青色 の水溶液になる。 ⑵ 塩酸(塩化水素水溶液)の電気分解…うす い塩酸に電流を流す→塩素と水素が発 生する。 陰極…水素 陽極…塩素 発生する気体の体積…水素:塩素= 1:1  (ただし,塩素は水に溶けやすいため,実際 に集まる気体の体積は塩素の方が少なくな る。) 炭酸水素ナトリウム 二酸化炭素が発生 内側に水滴 がつく 炭酸水素ナトリウム 二酸化炭素が発生 内側に水滴 がつく 酸素 水 酸化銀 酸素 水 酸化銀 ゴム栓 酸素 火のついた線香 を入れると,激 しく燃える。 水素 マッチの火を近 づけると,音を 出して燃える。 目盛り 電源装置 (6V) 正面 陰極 陽極 ゴム栓 酸素 火のついた線香 を入れると,激 しく燃える。 水素 マッチの火を近 づけると,音を 出して燃える。 目盛り 電源装置 (6V) 正面 陰極 陽極 塩素 黄緑色の気体で, 水にとけやすい 水素 無色の気体 で,水にほ ぼとけない 陰極 陽極 塩素 黄緑色の気体で, 水にとけやすい 水素 無色の気体 で,水にほ ぼとけない 陰極 陽極 陰極 (−極) 陽極 (+極) 陽極付近の水 をとって,赤 インクの中に 入れると,色 が消える。 塩素が発生 (刺激臭) 銅が付着 (赤かっ色) 塩化銅 水溶液 陰極 (−極) 陽極 (+極) 陽極付近の水 をとって,赤 インクの中に 入れると,色 が消える。 塩素が発生 (刺激臭) 銅が付着 (赤かっ色) 塩化銅 水溶液

補足知識・留意事項など

<導入 1 > 菓子を作るときに,ベーキングパウダーを 混ぜて加熱すると,ふっくらと焼き上げることができる。 ベーキングパウダーを加熱したときに何が起こっている のだろうか。 1⑴ 実験の注意点。 ・試験管の口を少し下げる…発生した水が加熱部分を 急激に冷やして試験管が割れるのを防ぐため。 ・ガラス管を取り出してから火を消す…火を消して試 験管が冷えると内部の圧力が下がり,石灰水が逆 流して試験管が割れるのを防ぐため。 2⑴ 銀の 3 つの性質は金属共通の特性である。 ①みがくと光る…金属光沢 ②たたくとのびる…展性・延性 ③電流を流す…伝導性 ・酸化銀の熱分解では液体が発生しないので,試験管 の口を下に傾ける必要はない。 ・酸素は水に溶けにくいので,水上置換法で集める。 <導入 2 > これまでに学習した,炭酸水素ナトリウムの 加熱や,酸化銀の加熱のように,元の物質とは別の物質 ができることを化学反応という。化学反応とはどういう ものか学習していこう。 3⑴ 化学変化とは,元の物質とは違う別の物質ができる ことなので,別の物質ができない場合には化学変化と はいわない。 ・化学変化の例…塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜると 塩化ナトリウムと水が発生する。 ・化学変化でない例…水と砂糖を混ぜて砂糖水を作 る(水の粒子の間に砂糖の粒子が散らばっただけ), 小麦をすりつぶして粉にする等。 ⑵ 分解も化学変化の一種である。 ・熱分解でない例…水を加熱すると水蒸気になる。 4⑶・水素…マッチの火を近づけると音を出して燃える。 ・水酸化ナトリウムを加える理由…他の電解質を代用 した場合,水素と酸素以外の物質が発生してしま う。例えば水酸化ナトリウムの代わりに塩化ナト リウムを入れた場合,陽極から塩素,陰極から水 素が発生してしまう。 ・電流を流すときにピンチコックを開く…気体が発生 することで,H型ガラス管内の圧力が高くなるの を防ぐため。 5⑴ 銅…赤褐色の金属。みがくと光る。たたくとうすく のびる。電流を流す。  塩素…刺激臭のある黄緑色の気体。漂白作用がある。 水によく溶ける。有毒。 P.23 確認問題⑵ ①陰極 ②塩素  塩化銅水溶液の電気分解では,陰極に銅,陽極に塩 素が発生する。炭素棒は電気を通すため,電極として はたらくことができる。塩化銅水溶液の電気分解が進 むと,水溶液中の銅イオンが減っていき,水溶液の色 がうすくなっていく。 【指導のねらい】 ★分解反応について具体例を通じて学ぶ。 ★電気を使った分解反応について学ぶ。

1

物質の分解

◆指導ページ P.20 ~ 25 ◆ 

第 1 章 物質の成り立ち

(2)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

補足知識・留意事項など

<導入 1 > 中学 1 年のときに,物質は非常に小さな粒子で できていると習ったが,その粒子は原子や分子といったも のから成り立っている。原子や分子とはどういったものか 学習しよう。 1⑴⑶ 原子は 19 世紀はじめにドルトンによって提唱され, 周期表は,19 世紀後半にメンデレーエフが発見した。 ⑵ テキストに書かれている基本的な元素記号はよく使う ので暗記させる。 ⑶・原子の種類のことを元素と呼ぶ。このことから原子の 記号を元素記号という。 ・周期表の左側と右側の部分は縦の列で性質が似ていて, 真ん中の部分は横の列で性質が似ている。 ▼周期表 1 1 3 11 19 37 55 87 H 1.0079 Li Na K Rb Cs Fr 6.941 22.990 39.098 85.468 132.91 (223) 2 4 12 20 38 56 88 Be Mg Ca Sr Ba Ra 9.0122 24.305 40.078 87.62 137.33 (226) 3 21 39 57 ∼ 71 89 ∼ 103 Sc Y * ♯ 44.956 88.906 4 22 40 72 104 Ti Zr Hf Rf (261) 178.49 91.224 47.867 5 23 41 73 105 V Nb Ta Db 50.942 92.906 180.95 (262) 6 24 42 74 106 Cr Mo W Sg (266) 183.84 95.94 51.996 7 25 43 75 107 Bh Re Tc Mn 54.938 (98) 186.21 (264) 8 26 44 76 108 Fe Ru Os Hs (277) 190.23 101.07 55.845 9 27 45 77 109 Co Rh Ir Mt 58.933 102.91 192.22 (268) 10 28 46 78 110 Ni Pd Pt Ds (281) 195.08 106.42 58.693 11 29 47 79 111 Cu Ag Au Rg 63.546 107.87 196.97 (272) 12 30 48 80 112 Zn Cd Hg Uub 65.409 112.41 200.59 (285) 13 5 13 31 49 81 113 B Uut Tl In Ga Al (284) 204.38 114.82 69.723 26.982 10.811 14 6 14 32 50 82 114 C Uuq Pb Sn Ge Si (289) 2087.2 118.71 72.64 28.086 12.011 15 7 15 33 51 83 115 N P As Uup Bi Sb (288) 208.98 121.76 74.922 30.974 14.007 16 8 16 34 52 84 116 O S Se Uuh Po Te (291) 117 Uus (209) 127.60 78.96 32.065 15.999 17 9 17 35 53 85 F Cl Br At I (210) 126.90 79.904 35.453 18.998 18 2 10 18 36 54 86 118 He Ne Ar Kr Xe Rn Uuo (294) (222) 131.29 83.798 39.948 20.180 4.0026 ・水素原子 1 個はおよそ 1 cm の 1 億分の 1 の大きさしかな く,水素原子を 1 g 集めるには,6000 万× 1 億× 1 億個 もの数が必要。 2⑴ 分子の存在は 19 世紀前半にアボガドロが提唱した。 時系列的には,ドルトンの原子→アボガドロの分子→メ ンデレーエフの周期表となる。 ⑵ 状態変化とは,物質が固体,液体,気体の状態を行き 来することである。 ⑶⑷ よく使う化学式は暗記させておくとよい。 P.27 確認問題⑵ ①ア… H2,イ… O2,ウ… H2O ②ア…水素,イ…酸素,ウ…水  この他にも,二 酸 化 炭 素(CO2),塩 化ナトリウム (NaCl)などの基本的な物質については化学式を書ける ようにしておきたい。 3⑴・日常的に目にする物質はほとんどが混合物で,特別に つくらなければ純粋な物質を目にすることはほとんど ない。 ・水道水は,消毒に使われる塩化物などが微量に含まれ ているため混合物となる。化学実験などで使う水には そういった不純物を取り除いた純水が使われる。 <導入 2 > 物質には分子をつくる物質と,原子同士が集 まってできている物質がある。どのような物質が分子をつ くり,どのような物質が分子をつくらないのかを学習する。 4⑴・一般的に分子同士が集まる力より,原子が結びついて 分子をつくる力の方が強い。このことから,分子をつ くる物質の沸点や融点は低いことが多い。 ・水は例外的に,分子同士で集まる力の他に分子間で電 気的な引力がはたらくため,分子同士の間隔が離れに くい→沸点や融点が高い。

学 習 内 容

1 原子 (P.26) ⑴ 原子…物質をつくっている最小の粒子。 暗記 ①それ以上分割することができない。 ②種類によって質量や大きさが決まっている。 ③他の種類の原子に変わったり新しくなったりしない。 ⑵ 原子の記号… 1 文字か 2 文字で書き,最初 の文字は大文字で,2 文字目は小文字で 書く。(例酸素 O,炭素 C,銅 Cu) ⑶ 原子の性質 ①原子の大きさと質量…種類によって異なる が非常に小さい。 ②周期表…原子を原子番号の順番に並べた表。 ③原子番号…原子の構造に基づいてつけられた番号。 ④原子量…炭素原子を基準にして,それと比べた値で表される原子の 質量。 2 分子と化学式 (P.27) ⑴ 分子…いくつかの原子が結びつ いた粒子。物質の性質を表す 最小の粒子。 暗記 ⑵ 状態変化と化学変化 理解 ①状態変化…原子や分子の集まり 方だけ変わる。   (例水の蒸発 水→水蒸気) ②化学変化…原子の結びつきそのものが変わる。       (例水の電気分解 水→水素+酸素) ⑶ 化学式…原子の記号で,物質のつくりを表したもの。 ⑷ 化学式が表すこと 理解 ①原子の記号…物質をつくる原子の種類 ②右下の数字…物質をつくる原子の数 ③化学式を書くときは金属を先に書く。 非金属は C →N→H→ Cl → O の順に書 く。(例:◯ NaCl × ClNa) 3 単体と化合物 (P.28) ⑴ 物質の分解… 1 つの物質から,化学変化で 2 つ以上の物質ができる こと。(例炭酸水素ナトリウムの熱分解 炭酸水素ナトリウム→ 炭酸ナトリウム+二酸化炭素+水)理解 ⑵ 単体と化合物 ①物質の分類…物質は純物質と混合物に分けられ,純物質は単体と化 合物に分けられる。 ②単体…それ以上は別の物質に分解できない物質。1 種類の原子だけ からできている。(H2,O2,Ag など) ③化合 物 … 別 の 物 質 に 分 解 で き る物質。2 種類以上の原子か ら で き て い る。(H2O,AgCl, NaHCO3 など) 4 分子をつくる物質・つくらない物質 (P.29) ⑴ 分子をつくる物質・つくらない物質 理解 ①分子をつくる物質…分子が集 まってできた物質。非金属 の原子だけでつくられてい る物質が多い。 ②分子をつくらない物質…原子 が決まった割合で集まっ てできている物質。金属 原子を含むものが多い。 ⑵ 分子をつくる単体・つくらない単体 ①分子をつくる単体… O2,H2,N2,Cl2 など 暗記 ②分子をつくらない単体… Ag,Fe,Cu,Mg,Na,C,S など 暗記 ⑶ 分子をつくる化合物・つくらない化合物と化学式 ①分子をつくる化合物… H2O,CO2,NH3,HCl ②分子をつくらない化合物… Ag2O,CuO,MgO,FeS など 金属 カルシウム 銀 鉄 銅 ナトリウム マグネシウム Ca Ag Fe Cu Na Mg 非金属 硫黄 塩素 水素 酸素 炭素 窒素 S Cl O H C N 金属 カルシウム 銀 鉄 銅 ナトリウム マグネシウム Ca Ag Fe Cu Na Mg 非金属 硫黄 塩素 水素 酸素 炭素 窒素 S Cl O H C N H H 水素分子 水分子 アンモニア分子 酸素分子 二酸化炭素分子 H O H O O O C O H H H N H H 水素分子 水分子 アンモニア分子 酸素分子 二酸化炭素分子 H O H O O O C O H H H N

O₂

酸素 二酸化炭素

CO₂

酸素原子 2 個 酸素原子 2 個 炭素原子 1 個(1 は省略)

O₂

酸素 二酸化炭素

CO₂

酸素原子 2 個 酸素原子 2 個 炭素原子 1 個(1 は省略) 物質 純粋な物質(純物質) 混合物 単体 化合物 物質 純粋な物質(純物質) 混合物 単体 化合物 分子をつくる物質 分子をつくらない物質 水素 H₂ 酸素 O₂ 水 H₂O 二酸化炭素  CO₂ 銅 Cu 炭素 C 酸化銅 CuO 硫化鉄 FeS 単体 化合物 H H O O H O H O C O Cu Cu Cu Cu Cu Cu C C C C C C Fe S Fe S Fe S O Cu O Cu O Cu 分子をつくる物質 分子をつくらない物質 水素 H₂ 酸素 O₂ 水 H₂O 二酸化炭素  CO₂ 銅 Cu 炭素 C 酸化銅 CuO 硫化鉄 FeS 単体 化合物 H H O O H O H O C O Cu Cu Cu Cu Cu Cu C C C C C C Fe S Fe S Fe S O Cu O Cu O Cu 【指導のねらい】 ★物質を構成している原子と分子について学ぶ。 ★物質ごとの化学式が書けるようにする。

2

原子・分子

◆指導ページ P.26 ~ 31 ◆ 

第 1 章 物質の成り立ち

(3)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

学 習 内 容

1 化合 (P.32) ⑴ 化合… 2 種類以上の物質が結びつき,別の種類の物質ができる化 学変化。 ⑵ 化合物…化合によって できた物質。化合前 の物質とは異なる性 質を示す。 ①水素と酸素の化合   …水素と酸素の体積 比が 2:1 の混合気体に点火する。→水ができる。 暗記  水素+酸素→水 ②鉄と硫黄の化合…鉄と硫黄の混合物を加熱すると,熱と光を出し て反応する。→黒色の硫化鉄ができる。 暗記  鉄+硫黄→硫化鉄 ③銅と硫黄の化合…硫黄の蒸気に銅線を入れる。→黒色の硫化銅が できる。 暗記  銅+硫黄→硫化銅 2 酸素と結びつく反応 (P.33) ⑴ 酸素と結びつく反応…結びついた酸素の量だ け質量が増える。 ⑵ 酸化…物質が酸素と結びつく反応。 ①銅(赤褐色)+酸素→酸化銅(黒色)暗記 ⑶ 燃焼…激しく光と熱を出して酸素と結びつく 反応。 暗記  さび…金属が酸素とゆっくり結びつくとできるさびもある。 理解 ①鉄+酸素→酸化鉄(黒色) ②マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム(白色) ③炭素+酸素→二酸化炭素 空気 スチール ウール ①加熱後の質量をはかる。  →加熱前よりふえている。③電流を通す。 加熱前→電流が流れる。  加熱後→電流が流れない。   加熱前    ↓ 気体が発生する。 加熱後   ↓ 変化なし うすい 塩酸 ②うすい塩酸に入れる。 3 化学変化を表す式 (P.34) ⑴ 化学反応式…化学変化を,化学式を用いて表したもの。 理解  例 2H2 + O2 → 2H2O ①式の左側は反応前,右側は反応後の物質を表している。 ②「→」は反応の前後を表しているので,「=」ではない。 ③係数はその化学式の数を表している。2H2 なら,H2 が 2 個ある ことを示している。 ④式の左側と右側で原子の数は等しくなる。 ⑤式の係数は最も小さな整数を用いる。 4 いろいろな化学反応 (P.35) ⑴ いろいろな化学反応 ①水素と酸素の化合 2H2 + O2 → 2H2O ②鉄と硫黄の化合 Fe + S → FeS ③銅と硫黄の化合 Cu + S → CuS ④銅と酸素の化合 2Cu + O2 → 2CuO ⑤マグネシウムの燃焼 2Mg + O2 → 2MgO ⑥木炭の燃焼 C + O2 → CO2 ⑦酸化銀の分解 2Ag2O → 4Ag + O2

⑧炭酸水素ナトリウムの分解 2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O ⑨水の電気分解 2H2O → 2H2 + O2 ⑩塩化銅の分解 CuCl2 → Cu + Cl2 点火装置 水素と 酸素を 2:1 の 体積の 比で入 れる。 ビニルの袋 ここから 花火が出る。 塩化コバルト紙 →赤色に変化  (水ができた) 点火装置 水素と 酸素を 2:1 の 体積の 比で入 れる。 ビニルの袋 ここから 花火が出る。 塩化コバルト紙 →赤色に変化  (水ができた) 銅の粉末 ステンレス皿 銅の粉末 ステンレス皿

補足知識・留意事項など

<導入1> 熱分解や電気分解など,1 つの物質が 2 つ以上の 物質に分かれる化学反応を習ってきたが,2 つ以上の物質が 1 つの物質に変化する化学反応にはどんなものがあるのだろう。 1⑵①・水素と酸素の体積比は 2:1 で混合気体を作る。  ・点火すると音と光を出して一瞬で反応する。 ②・鉄と硫黄は質量比で 4:7 の割合で混ぜる。  ・反応が始まれば,自身の反応熱で反応が進むため,加 熱をとめる。加熱を続けると,熱で試験管が割れる恐 れがある。  ・硫化鉄…黒色,磁石につかない,塩酸に溶けて特有の 刺激臭のする気体(硫化水素)を発生させる。  ・硫化水素…特有の刺激臭(腐卵臭)がする。 ③・硫化銅…黒色,電気を通す。 2⑶ 鉄は赤さびと黒さびの 2 つのさびがある。 赤さび(Fe2O3)…赤く,非常にもろい。 黒さび(Fe3O4)…表面を黒さびでコーティングすれば,内 部が赤さびとなるのを防げる。   ①・酸化鉄…黒色,電気を通さない,塩酸に溶けない。  ・反応前の鉄は塩酸に溶けて水素を発生するが,反応後の 酸化鉄は塩酸と反応しないので注意する。 ②・酸化マグネシウム…白色,電気を通さない,塩酸に溶 けるが気体は発生しない。  ・マグネシウムは塩酸に溶けて水素を発生するが,酸化 マグネシウムは塩酸に溶けるが,気体を発生させない ので注意する。  ・マグネシウムは燃焼の際に非常に強い白い光を発する。 <導入 2 > これまでに様々な化学変化について学んできたが, これらを化学式で表現することで化学変化をより深く理解す ることができる。 3⑴ 化学変化の書き方は今後とても重要な基礎知識となるの で,しっかりとマスターさせたい。 ・化学反応式の間違った例   (誤)H2 + 12 O2 → H2O    式の係数は最も小さな整数となるようにする。   (誤)2H2 + O2 → H2O    式の左側と右側で原子の数を同じにする。   (誤)2H2 + 1O2 → 2H2O    係数の 1 は省略する。 4 各物質の化学式を確実に書けるようにし,化学反応式を書 けるようにしっかりと指導したい。 ・化学式を書く順番…金属→ C → N → H → Cl → O の順に 書く。 ・それぞれに出てくる物質の性質をここでおさらいしておく。  水素(H2)…非常に軽い気体。燃焼すると水ができる。  硫化鉄(FeS)…黒色の固体,塩酸に溶けて硫化水素を出す。  硫化銅(CuS)…黒色の固体,塩酸に溶けて硫化水素を出す。  酸化銅(CuO)…黒色の固体。  酸化マグネシウム(MgO)…白色の固体,塩酸に溶けるが 気体は発生しない。  酸化銀(Ag2O)…白色の固体。加熱すると銀と酸素に分解。  炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)…白色の固体。加熱すると 炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水に分解。 【指導のねらい】 ★物質の化合を,具体例を通じることで理解する。 ★化学変化を化学式で表した化学反応式で書けるようにする。

3

化合

◆指導ページ P.32 ~ 37 ◆ 

第 1 章 物質の成り立ち

(4)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

学 習 内 容

1 酸化 (P.38) ⑴ 酸化…物質が酸素と結合すること。燃焼のように激しい酸化反応もあれ ば,金属がさびるなどゆっくり進む酸化反応もある。 理解 ①激しく光や熱を発する酸化…マグネシウムや鉄の燃焼,木やガス,ガソ リンなどの有機物の燃焼。  例マグネシウムを空気中で加熱すると,激しく熱と光を発して白色の酸 化マグネシウムになる。 2Mg + O2 → Mg2O  ②おだやかな酸化…銅の酸化や鉄のさび,化学かいろなど。  例銅を空気中で加熱すると,熱や光は出さずに酸素と化合し黒色の酸化 銅になる。 2Cu + O2 → 2CuO ⑵ 酸化物…酸素と結合した物質。 暗記 ⑶ 酸素を用いない酸化反応…別の化合物から酸素原子を取り去って酸化す る。 理解  例火をつけたマグネシウムをドライアイスに入れると,マグネシウムが 酸化され,酸化マグネシウムと炭素が発生する。    2Mg + CO2 → 2MgO + C 2 有機物の燃焼 (P.39) ⑴ 有機物…炭素を含む化合物。砂糖や木材,ロウ,エタノールなど。 暗記 ①おもな構成原子…炭素,酸素,水素,窒素など ⑵ 有機物の燃焼によってできる化合物…主に二酸化炭素と水ができる。 暗記 ①二酸化炭素…必ず発生する。石灰水を白く濁らせる。 ②水…ほとんどの有機物から発生する。塩化コバルト紙を青色から赤色 (桃色)に変える。 ③その他…窒素酸化物や硫黄酸化物など。 3 還元 (P.40) ⑴ 還元…酸化物から酸素を除く化学反応。酸化と還元は同時に起きている 場合が多い。 暗記 ⑵ 酸化銅の還元…酸化銅を銅よりも酸化しやすい物質と加熱すると,酸化 銅から酸素が奪われ,還元される。 ①炭素による酸化銅の還元…酸化銅と炭素を混ぜて加熱する。酸化銅は還 元され銅に,炭素は酸化され二酸化炭素になる。 理解 ②水素による酸化銅の還元…酸化銅に水素を送りながら加熱する。酸化銅 は還元され銅に,水素は酸化され水になる。 理解 ① ② 2CuO + C → 2Cu + CO₂ 還元 酸化 CuO + H₂ → Cu + H₂O 還元 酸化 4 酸化(さび)と金属の製錬 (P.41) ⑴ 酸化(さび)…おだやかな酸化により生 じる。 ①鉄くぎのさび…鉄+酸素→酸化鉄 ② 10 円硬貨のさび…銅+酸素→酸化銅 ⑵ さび(酸化)を防ぐ方法…金属に空気が 触れないように膜を作るなどの工夫 をする。 ①塗料(ペンキなど)を塗る…金属が直接 空気に触れないようにする。 ②金属表面に被膜をつくる…アルミニウ ムの酸化被膜など,内部に空気が触 れないようにする。 ③酸化しにくい合金をつくる…数種類の 金属を混ぜることで性能が変わるこ とがある。 ④めっき(金属表面に別の金属を塗る)… トタンやブリキなど。 ⑶ 金属の製錬…鉱物を還元して金属を取 り出すこと。 例鉄の製錬…鉄鉱石(主成分:酸化した鉄)をコークス(主成分:炭素)とと もに高炉で 1500℃以上に加熱する。 鉄鉱石,コークス,石灰石 高炉ガス コークス 鉄鉱石 熱風 熱風 不純物 石灰石 酸素がのぞかれた鉄 とり 出し口 酸素 不純物 高炉でつくられた 鉄は不純物を多く ふくんでいて,も ろくてかたいので, 転炉とよばれる炉 で純度を高め,鋼 となる。 鉄鉱石,コークス,石灰石 高炉ガス コークス 鉄鉱石 熱風 熱風 不純物 石灰石 酸素がのぞかれた鉄 とり 出し口 酸素 不純物 高炉でつくられた 鉄は不純物を多く ふくんでいて,も ろくてかたいので, 転炉とよばれる炉 で純度を高め,鋼 となる。

補足知識・留意事項など

<導入 1 > 物質が酸素と化合することを酸化と呼ぶ。 酸化には燃焼のように熱や光を伴う激しいものと,鉄 がさびるようにおだやかなものがある。 1⑴・生物のからだの中でも,おだやかな酸化が起こっ ている。炭水化物を酸化して二酸化炭素と水に変 化させるときにエネルギーを得ている。 ・有機物の燃焼の際は二酸化炭素や水が発生する。  ⑶・酸素分子を用いなくても酸化が起こる点に注意する。 ・空気中の二酸化炭素濃度は 0.05%以下なので,空 気中で加熱しても二酸化炭素とはほとんど反応し ない。二酸化炭素と反応させたい場合はドライア イスを用いる。 2⑴・無機物と勘違いしやすい有機物。  例酢,プラスチック,天然ガス,メタン,尿素など。 ・炭素を含むが無機物として扱うものがある。  例炭素(単体),炭,ダイヤモンド,二酸化炭素, 一酸化炭素,炭酸,炭酸カルシウムなど。 ・有機物は古くは生物にしかつくれない化合物を表 す言葉だったが,人工的な合成方法が発見されて から現在の分類に変わった。  ⑵ 有機物を燃焼した際に発生する窒素酸化物や,硫 黄酸化物などは酸性雨の原因となったりして,大気 を汚染する物質の代表例である。 <導入 2 > 金属が酸化してさびついてしまうと,もろ くなったり,見栄えが悪くなったりと良くないことが 多い。酸化を防いだり酸化した物質を元に戻す方法は 無いのだろうか? 3⑵ 酸化銅の還元の際の注意点 ①ガラス管を石灰水から引きぬいてから火を消す…石 灰水が逆流してガラス管が割れるのを防ぐため ②火を消した後,ゴム管を目玉クリップでとめる… 酸素が中に入り込んで,銅が再び酸化されるの を防ぐため。 4⑵・トタン…金属表面を酸化されやすい金属でめっき する。めっき部分が先に酸化されることで内部 の酸化を防ぐ。(例トタン屋根) ・ブリキ…金属表面を酸化されにくい金属でめっき する。内部が空気に触れるのを防ぐ。(例ブリ キ缶) ・雨水や海水,体液は鉄の酸化を加速させるので, それらに触れないようにするのも酸化を防ぐこと につながる。 ⑶ アルミニウムの製錬では,アルミナに氷晶石を加 えて融点を下げた後融解させ,それから電気分解を 行なって純粋なアルミニウムを取り出している。こ の方法を溶融塩電解と呼ぶ。 【指導のねらい】 ★酸化と還元について,具体例を通じて理解を深める。 ★鉱物から鋼鉄を製錬する方法を学び,金属の酸化を防ぐ工夫について学ぶ。

4

酸化と還元

◆指導ページ P.38 ~ 43 ◆ 

第 1 章 物質の成り立ち

(5)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

学 習 内 容

1 化学変化と質量の保存 (P.44) ⑴ ふたの開いた容器で行う化学変化の前後の質量 理解 ①気体が発生する反応…気体が空気中に出て行く分軽くなる。 ②沈殿が生じる反応…反応の前後で質量は変化しない。 ③空気と化合する反応…化合した空気の分だけ重くなる。 ⑵ 密閉した容器で行う化学変化の前後の質量…物質の出入りがないの で,質量は変化しない。 理解 ⑶ 質量保存の法則…化学変化の前後で物質全体の質量は変わらない。    ⇔化学変化の前後で原子の種類と数は変化しない。 暗記 2 質量変化の規則性 (P.45) ⑴ 金属の酸化…金属の質量と,で きた酸化物の質量は比例する。 理解 ⑵ 化学変化にかかわる物質の比率 …化学変化では反応に関わる 物質の質量は常に一定である。 理解 ⑶ 生成する化合物の量…反応に関わ る物質を 1 つだけ増やしても,できる化合物の質量は変わらない。 理解 例銅を加熱したときの質量変化…酸素の量をいくら増やしても,でき る酸化銅の質量は一定。 ⑷ 金属の酸化にかかわる物質の比率 理解 ①銅と酸素は質量比 4:1 で反応する。 ②マグネシウムと酸素は質量比 3:2 で反応する。 3 発熱反応 (P.46) ⑴ 発熱反応…熱の発生する化学反応。発生する熱を反応熱という。 ①化学かいろの反応…鉄の酸化反応。鉄+酸素→酸化鉄+熱 ②鉄と硫黄の化合…少しの加熱で,反応熱によって反応が起こる。   鉄+硫黄→硫化鉄+熱 ③酸化カルシウムと水の反応…非常用・携帯用の食事を,火を使わず に温める。酸化カルシウム+水→水酸化カルシウム+熱 ④塩酸と水酸化ナトリウムの反応…中和が起こると熱が発生する。   塩酸+水酸化ナトリウム→塩化ナトリウム+水+熱 ⑵ 発熱反応でのエネルギー…発熱反応では 化学エネルギーの一部が熱エネルギー に変化して外に放出している。 理解   反応前の物質→反応後の物質+熱 ⑶ 人の呼吸…有機物を酸化させて得た反応 熱で体温を維持している。   有機物+酸素→二酸化炭素+水+熱 4 吸熱反応 (P.47) ⑴ 吸熱反応…熱を吸収する反応。吸収される熱も反応熱という。 ①塩化アンモニウムと水酸化バリウムの反応  塩化アンモニウム+水酸化バリウム+熱   →アンモニア+塩化バリウム+水 ②硝酸アンモニウムを水に溶かす…冷却パックに利用される。  硝酸アンモニウム(固体)+水+熱→硝酸アンモニウム水溶液 ③炭酸水素ナトリウムとクエン酸の反応  炭酸水素ナトリウム+クエン酸+熱   →クエン酸ナトリウム+水+二酸化炭素 ⑵ 吸熱反応でのエネルギー…吸熱反応で は熱エネルギーを外部から受け取っ て化学エネルギーを増加させている。 理解   反応前の物質+熱→反応後の物質 ⑶ 化学変化の起こりやすさ…以下の 2 つの 要素が影響する。 理解 ①反応熱…物質の化学エネルギーが下がる量が大きいほど化学変化は 起こりやすい。→吸熱反応は起こりにくい ②散らばりの度合い…粒子が散らばる反応ほど起こりやすい。 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0 0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 酸化マグネシウムの質量 ︹  ︺g マグネシウムの質量〔g〕 B A B−A=酸素の質量 A=マグネシウムの質量 B=酸化マグネシウムの          質量 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0 0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 酸化マグネシウムの質量 ︹  ︺g マグネシウムの質量〔g〕 B A B−A=酸素の質量 A=マグネシウムの質量 B=酸化マグネシウムの          質量 反応前 反応後 反応熱 発熱 化学エネルギー 反応前 反応後 反応熱 発熱 化学エネルギー 反応後 反応前 反応熱 吸熱 化学エネルギー 反応後 反応前 反応熱 吸熱 化学エネルギー

補足知識・留意事項など

<導入 1 > 第 2 課の原子・分子の範囲で,原子は種類ごと に質量が決まっていると習ったが,化学変化が起こった場 合の質量はどのように変化するのか調べてみよう。 1⑴①例炭酸水素ナトリウムにうすい塩酸を加える    →二酸化炭素が発生し,空気中に出て行く→質量が 減る     炭酸水素ナトリウム+塩酸→塩化ナトリウム+二酸 化炭素+水  ②例硫酸と水酸化バリウムを混ぜる    →白色の硫酸バリウムが沈殿→質量が増える     硫酸+水酸化バリウム→硫酸バリウム+水  ③例空気中で銅を加熱する    →銅と酸素が化合し,化合した酸素の分質量が増える    銅+酸素→酸化銅 2⑴ P.45 確認問題⑵ ① 7.5g  銅の質量と酸化銅の質量は比例関係にある。 ② 4:1 ③銅と化合する酸素を x g とすると,10:x = 4:1,  x = 2.5[g]となる。 ⑵ 化学変化にかかわる物質の質量の比率の例 ①鉄と硫黄の化合 化学反応式 Fe + S → FeS 質量比 7 : 4 : 11 ②銅と硫黄の化合 化学反応式 Cu + S → CuS 質量比 2 : 1 : 3 <導入 2 > 化学かいろや,吸熱シートは加熱や冷却してい ないのにもかかわらず,熱が変化する。これは一体どうい うことなのだろうか。 3⑴ P.46 確認問題⑵ ①鉄粉  鉄粉を磁石などで取り除くとまったく発熱しなくなる。 ②酸素(,と水)  化学かいろは鉄の酸化反応による発熱を利用している。   現在のかいろは単純に酸化鉄ができるのではなく,酸素と 水が同時に鉄と反応し,水酸化鉄ができる反応を利用して いる。

Fe + 34 O2 + 32 H2O = Fe(OH)3+ 96 kcal/mol この問題でのかいろの成分ごとの役割。 ・鉄粉…これが酸化して発熱する。 ・活性炭…表面の微孔に空気を取り込んでいる。 ・食塩…酸化の反応を促す。 ・バーミキュライト…いわゆる保水土。水分を蓄える。 ・水…鉄がさびるのを助ける。 4⑶ 粒子が散らばる反応…気体が発生する反応,化合物の 種類が増える反応,水にとける反応など。 ・吸熱反応は粒子が散らばる反応であることを確認して おく。 ①アンモニア(気体)が発生した。→粒子が散らばった ②固体から液体(水溶液)になった。→粒子が散らばった ③二酸化炭素(気体)が発生した。→粒子が散らばった 【指導のねらい】 ★質量保存の法則を理解し,化学変化における物質ごとの質量比は一定であることを理解する。 ★化学変化に伴う熱の出入りについて理解し,具体例を学ぶ。

5 化学変化と物質の質量/化学変化と熱

◆指導ページ P.44 ~ 49 ◆ 

第 1 章 物質の成り立ち

(6)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

学 習 内 容

1 植物の細胞 (P.52) ⑴ 細胞…植物と動物のからだは全て細胞からできている。 ⑵ 植物の細胞のつくり…液胞, 葉緑体,細胞壁は植物の 細胞にしかない。 暗記 ①核…1つの細胞に1つある。 染色液によく染まる。DNA を含んでいる。 ②細胞質…核のまわりを満た している部分。 ③細胞膜…細胞質の外側のうすい膜。細胞質の一部でもある。 ④細胞壁…細胞膜の外側の厚い部分。からだを支える。 ⑤葉緑体…細胞質の内部にある緑色の粒。光合成を行う。 ⑥液胞…細胞質の内部にある。水分の調整,養分の貯蔵をしている部分。 2 動物の細胞 (P.53) ⑴ 動物の細胞のつくり 暗記 ①植物の細胞と共通のつくり…核,細胞質, 細胞膜は共通のつくり ②植物の細胞との違い…細胞壁,葉緑体, 液胞がない。 3 単細胞生物 (P.54) ⑴ 単細胞生物… 1 つの細胞でからだができている 生物。 暗記 ⑵ 単細胞生物の種類…植物と動物に分類できる。 暗記 ①植物…ミカヅキモ,クロレラ,ケイソウ,クン ショウモなど。 ②動物…ゾウリムシ,アメーバ,ツリガネムシなど。 ※ミドリムシ…葉緑体を持つので植物だが, べん毛を使って動くこともできる。 ※クンショウモ…複数の細胞からできてい る多細胞生物に見えるが,これはクン ショウモが複数集まっている一つの個体 に見えるためである。 4 多細胞生物 (P.55) ⑴ 多細胞生物…複数の細胞でからだができてい る生物。 暗記 ⑵ 多細胞生物のからだのつくり…細胞には,形 や大きさがちがうものがあり,それぞれの細 胞が役割分担している。 理解 ①組織…形やはたらきが同じ細胞が集まったもの。 ②器官…いくつかの組織が集まって,特定のはたらきをするもの。 ③個体…いくつかの器官が集まってできたもの。 細胞 組織 器官 個体 細胞 組織 器官 個体 アブラナ 根,茎,花など 葉 表皮組織 葉肉組織 表皮細胞 葉肉細胞 ヒト 心臓,肺,脳など 胃 小腸 筋組織 上皮組織 筋細胞 上皮細胞 核 細胞質 細胞膜 植物と動物の細胞に    共通するもの 植物の細胞に 特徴的なもの 液 胞 葉緑体 細胞壁 物質を貯蔵する。 光合成を行う。 細胞の形の維持。 核 細胞質 細胞膜 植物と動物の細胞に    共通するもの 植物の細胞に 特徴的なもの 液 胞 葉緑体 細胞壁 物質を貯蔵する。 光合成を行う。 細胞の形の維持。 核 植物と動物の細胞に   共通するもの 細胞膜 細胞質 核 植物と動物の細胞に   共通するもの 細胞膜 細胞質 消化のはたらきをするところ ゾウリムシ 水分の調節 をするところ 細胞質 核 口のはた らきをす るところ 運動のはたらきをするところ (せん毛) 消化のはたらきをするところ ゾウリムシ 水分の調節 をするところ 細胞質 核 口のはた らきをす るところ 運動のはたらきをするところ (せん毛) クンショウモ ミドリムシ クンショウモ ミドリムシ 心臓 卵 消化管 複眼 ミジンコ 第 2 触角 あし 心臓 卵 消化管 複眼 ミジンコ 第 2 触角 あし

補足知識・留意事項など

<導入 1 > 私たち動物のからだも,植物のからだも, 全て細胞からできている。動物と植物の細胞には何か 違いはあるのだろうか? 1⑵・植物の細胞を顕微鏡で観察する際のプレパラート の作り方 ①細胞をピンセットで採取し,スライドガラスに乗 せる。 ②核を観察するときは染色液を,他のつくりを観察 するときは水をたらす。 ③染色液を用いた場合は,よく染めるために,数分 間置いておく。 ④気泡が入らないように,柄つき針で端を抑えなが らカバーガラスをかぶせる。 ・染色液の種類による色の変化  酢酸カーミン溶液…赤色  酢酸オルセイン溶液…赤紫色  酢酸ダーリア溶液…青紫色 2⑴ P.53 確認問題⑵ ①図 2 ②ⅰ B 染色液で染まる部分は核  ⅱ D <導入 2 > 中学 1 年のとき,身のまわりの生物を顕微 鏡やルーペを使い観察した。それらの生物のからだは どのように構成されているのだろうか。 3⑵ P.54 確認問題⑵ ①ミドリムシ,②クンショウモ,③アメーバ, ④ケイソウ,⑤ツリガネムシ  テキストに書かれている単細胞生物はスケッチを 見て名前を答えられるように指導する。 ・ミドリムシは葉緑体で光合成を行い,デンプン 類を栄養として蓄えることができる。このよう に植物的な性質を持つ一方,べん毛を使い自由 に動き回り,植物の細胞にある細胞壁がないな ど,動物的な性質も持ち合わせている。 ・クンショウモは複数の細胞が集まっているので, 多細胞生物のように見えるが,これは一つ一つ の細胞が単体のクンショウモである。このよう に複数の個体がくっついたまま,一つの個体の ような状態になっているものを群体と呼ぶ。 4⑴・多細胞生物は単細胞生物と比べ,複雑な機能を持ち 環境の変化に強いなどのメリットがある。しかし, 個体数を増やしにくいなどのデメリットもある。 ・ミジンコは顕微鏡で観察するくらいの小さい生物 だが,心臓や消化器,触覚などの器官をもつ多細 胞生物である。 ⑵ P.55 確認問題⑵ ①図のようにアブラナは多数の細胞が集まってでき ている多細胞生物である。 ②表皮組織 ③葉脈…組織  葉…器官  葉脈は葉という器官をささえる組織である。 【指導のねらい】 ★植物の細胞と動物の細胞のちがいを理解する。 ★単細胞生物のなかまを覚え,多細胞生物がどのようにからだをつくっているのかを理解する。

6

生物と細胞

◆指導ページ P.52 ~ 57 ◆ 

第 2 章 動物のからだのつくりとはたらき

(7)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

補足知識・留意事項など

<導入 1 > 普段から栄養のバランスのとれた食 事をすることは,健康にとって非常に大切なこ とだ。食物にはどんな栄養素が含まれているの だろう。 1⑴ 炭水化物,タンパク質,脂肪は 3 大栄養 素と呼ばれている。炭水化物は,米や小麦と いった穀物類やいも類,糖類に多く含まれる。 タンパク質は牛肉や魚などの肉類に含まれる 他,大豆や卵,牛乳にも多く含まれている。 ⑵ 無機物は有機物のようにエネルギー源に なることはないが,血圧を調節(Na)したり, 細胞分裂を促進(Zn)したりする効果がある。 <導入 2 > 食物を食べて体内に取り込むだけで はからだに吸収されない。消化され,小さく分 解してはじめてからだに吸収される。消化のメ カニズムを見ていこう。 2⑴ 消化酵素の特徴 ・決まった物質にのみはたらく。 ・自分自身は変化せず,繰り返しはたらく。 ・体温と同じくらいの温度でよくはたらく。 3⑴ 消化酵素と温度の関係 低温 はたらきが鈍る 体温くらい 最も活性化 高温 ※変性して失活する ※一度変性してしまうと,再び温度を下げても 機能しなくなってしまう。つまり, 低温から体温くらいに戻す  …消化酵素は再び活発になる。 高温から体温くらいに戻す  …消化酵素ははたらかないまま。 4⑴ P.61 確認問題⑵ ①ⅰA:口 ⅱF:すい臓 ⅲG:小腸 ②ブドウ糖  デンプンはブドウ糖がいくつも繋がったもの。 ③アミノ酸  タンパク質はアミノ酸がいくつも繋がったもの。 ④a:毛細血管 ⑤柔毛  脂肪は毛細血管でなく,リンパ管に吸収さ れる。これは毛細血管が詰まらないようにす るためである。

学 習 内 容

1 食物にふくまれる養分 (P.58) ⑴ 有機物…炭素をふくむ化合物。蒸し焼きにすると炭(炭素)ができる。 ①炭水化物…ブドウ糖が 2 個以上集まったもの。エネルギー源となる。  ・デンプン…ヨウ素液を加える。→青紫色に変わる。 暗記  ・糖,麦芽糖…ベネジクト液を加えて加熱。→赤褐色の沈殿が生じる。 暗記 ②脂肪…脂肪酸とモノグリセリドが集まったもの。エネルギー源となる。 ③タンパク質…アミノ酸が複数集まったもの。エネルギー源やからだをつくる材 料となる。 ⑵ 無機物…有機物以外の物質(ナトリウム,食塩など)。主にからだの状態を整える。 ①カルシウム…骨の原料。 暗記 ②鉄…血液の成分の原料。 暗記 2 消化 (P.59) ⑴ 消化…食物を細かく分解するはたらき。 ①消化管…食物が通る 1 つながりの管。  口→食道→胃→小腸→大腸→肛門 暗記 ②消化液…消化器官から出される消化するための液。  唾液,胃液,胆汁,すい液など ③消化酵素…消化液にふくまれる,特定の養分を分解 する物質。  ・アミラーゼ…デンプンを分解。  ・ペプシン…タンパク質を分解。  ・トリプシン…タンパク質を分解。  ・リパーゼ…脂肪を分解。 ⑵ 消化系…消化と吸収する器官のまとまり。 暗記 ①口…食物をかみ砕き,だ液と混ぜて,デンプンを分解する。 ②胃…胃液を出してタンパク質を分解する。 ③肝臓…脂肪の消化を助ける胆汁を作り,胆汁は胆のうに一時蓄えられる。 ④すい臓…すべての養分を消化するすい液を出す。 ⑤小腸…小腸の壁の消化酵素でデンプンとタンパク質を分解する。 3 だ液のはたらき (P.60) ⑴ だ液のはたらきを調べる ①デンプンを分解…アミラーゼという消化酵素が,だ液には含まれている。デン プンが麦芽糖などに分解される。 暗記 ②消化酵素の性質…体温と同じくらい(40℃くらい)の温度で最もはたらく。温度 が高すぎるとはたらかなくなり,温度が低いとはたらきが鈍くなる。 理解 ⑵ 分解後の養分 暗記 ①デンプン…だ液,すい液,小腸の消化酵素によって,ブドウ糖に分解される。 ②タンパク質…胃液,すい液,小腸の消化酵素によって,アミノ酸に分解される。 ③脂肪…胆汁がすい液のはたらきを助け,脂肪酸とモノグリセリドに分解される。 4 吸収 (P.61) ⑴ 養分の吸収…養分は,小腸の壁から吸収され, 血液などで運ばれる。 ①柔毛…小腸の表面積を大きくし,養分の吸収の 効率を高めている。 理解 ②毛細血管…ブドウ糖とアミノ酸を吸収する。 暗記 ③リンパ管…毛細血管の間に通っている管。柔毛 で吸収された脂肪酸とモノグリセリドが再び 脂肪に戻り,リンパ管に入る。 暗記 ④大腸…水分を吸収する。 ⑵ 養分のゆくえ ①ブドウ糖…肝臓に運ばれグリコーゲンに合成され貯蔵される。必要なときに再 びブドウ糖に分解され,全身の細胞に運ばれる。 ②アミノ酸…肝臓に運ばれ,一部はタンパク質に合成され全身の細胞に運ばれる。 ③脂肪…血液と合流した後,全身の細胞で消費されたり,脂肪として蓄えられた りする。 口 小腸 胆のう 肝臓 大腸 すい臓 胃 だ液せん 肛門 口 小腸 胆のう 肝臓 大腸 すい臓 胃 だ液せん 肛門 小腸 毛細血管 筋肉 筋肉 リンパ管 ひだ 柔毛 小腸 毛細血管 筋肉 筋肉 リンパ管 ひだ 柔毛 【指導のねらい】 ★食物にふくまれる養分について学ぶ。 ★消化と吸収のしくみを理解する。

7

生命を維持するはたらき⑴

◆指導ページ P.58 ~ 63 ◆ 

第 2 章 動物のからだのつくりとはたらき

(8)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

学 習 内 容

1 呼吸 (P.64) ⑴ 細胞の呼吸(細胞呼吸)…細胞内で,酸素を使って養分(主に糖分と脂肪)を 分解し,エネルギーを得る。  養分+酸素→二酸化炭素+水+エネルギー 暗記 ⑵ 呼吸系 暗記 ①気管…口や鼻とつながってい る空気が通るための管。 ②気管支…気管が枝分かれした もの。 ③肺胞…気管支の先端にある小 さい袋。肺の内部の表面積 を大きくして,気体の交換 を効率的に行う。周りには毛細血管が網目のように張りめぐらされている。 ⑶ 肺呼吸(呼吸運動)…毛細血管を通して酸素と二酸化炭素を入れ替える。 ①気体を吸う…肋骨を上げ,横隔膜を下げることで胸腔を広げて肺に空気を 入れる。 理解 ②気体を吐く…肋骨を下げ,横隔膜を上げることで胸腔を狭めて肺から空気 を出す。 理解 2 血液 暗記  (P.65) ⑴ 血液の成分…固形成分(赤血球,白血球,血小板など)と 液体成分(血しょう)でできている。 ①赤血球…酸素を運ぶ。赤い色素のヘモグロビンをもつ。 ②ヘモグロビン…赤血球内にある成分。酸素の多いところ では酸素と結合,酸素の少ないところには酸素を放す 性質がある。→酸素の受け渡しを担う。 ③白血球…体内に入った細菌を食べて殺す。 ④血小板…出血したときに,血液を固めて止血する作用がある。 ⑤血しょう…養分や二酸化炭素などの不要物を運ぶ。約 90%が水でできて いる。 ⑵ 組織液…血しょうのが毛細血管から染み出し,細胞のまわりを満たす液。 細胞と血液の間で酸素や不要物を交換する。 ①リンパ液…組織液の一部がリンパ管に入ったもの。体内の水分循環に役 立っている。 ②リンパ管…全身を循環している。首の下の静脈と合流する。 3 血液循環 (P.66) ⑴ 血管 ①動脈…心臓から送り出される血管。壁が厚い。  ・大動脈…血液を心臓から全身に送る。 暗記  ・肺動脈…血液を心臓から肺に送る。二酸化炭素が最も多い血液が流れる。 理解 ②静脈…心臓に血液を送り返す血管。壁はうすく,血液の逆流を防ぐ弁がある。  ・大静脈…血液を全身から心臓に送る。 暗記  ・肺静脈…血液を肺から心臓に送る。酸素が最も多い血液が流れる。 理解 ③毛細血管…動脈と静脈を結ぶ細い血管。全身に網目状にある。 ⑵ 心臓…全身に血液を送るポンプの役割。 ①心房…血液が流れこむ部分。静脈とつながっている。 ②心室…血液を送り出す部分。動脈とつながっている。 ③拍動…心臓が規則的に収縮して血液を送り出す。 ⑶ 血液循環 ①体循環…全身に酸素を運ぶ道すじ。 ②肺循環…血液に酸素を渡す道すじ。 ③動脈血…酸素が多い血液。肺静脈と大動脈を流れる。 ④静脈血…二酸化炭素の多い血液。肺動脈と大静脈を流れる。 4 排出 (P.67) ⑴ 肝臓のはたらき…解毒する,胆汁をつくる,養分の貯蔵。 暗記 ⑵ じん臓のはたらき…不要物をこし出す,塩分濃度の調節,養分の再吸収。 暗記 ⑶ 輸尿管…じん臓からの尿をぼうこうへ送る。 ⑷ ぼうこう…尿を一時的にためておく。 ⑸ 排出系…じん臓,輸尿管,ぼうこうなどの排出器官の総称。 ⑹ 汗…血液中の不要物は汗腺から汗として排出される。 気管 肺胞 肺胞 呼気 吸気 CO2 O2 肺静脈へ 肺動脈  から 気管支 毛細血管 赤血球 心臓 気管 肺胞 肺胞 呼気 吸気 CO2 O2 肺静脈へ 肺動脈  から 気管支 毛細血管 赤血球 心臓 血しょう 白血球 赤血球 血小板 血しょう 白血球 赤血球 血小板

補足知識・留意事項など

<導入 1 > 動物は酸素を吸って二酸化炭素を吐く。 呼吸で取り込まれた酸素はどのようにからだをま わっているのだろうか。 1⑴ P.64 確認問題⑵ ①細胞の呼吸 ②ウ:ブドウ糖,エ:脂肪   正確にはアミノ酸も使われる。アミノ酸が代 謝される際に有害なアンモニアが発生してしまう。 ③酸素,二酸化炭素 ⑵ 肺胞を取り巻いている血管が細い(毛細血管で ある)理由は,表面積を増やして気体の交換の効 率を上げるためである。 ⑶ 横隔膜の実験 ・底にゴム膜をつけた容器に 風船をつけたガラス管をと りつけ,密閉する。 ・ゴム膜を下げると容器の体 積が広がり,空気がガラス 管を通って,風船がふくらむ。 2⑴・赤血球は細胞だが,核を持っていない。核を持 たないことで体積を小さくして表面積を広くす るためだと考えられている。 ・ヘモグロビンは酸素と結びつくと鮮赤色で動脈 血の色になり,酸素を失うと暗赤色で静脈血の 色になる。 ⑵・小腸で養分が吸収される際,血管にはブドウ糖 とモノグリセリドが,リンパ管には脂肪が吸収 される。 ・リンパ液にはリンパ球という白血球の一種が含 まれ,異物を排除している。 3⑴⑵ 心臓と肺での血液の流れはよく確認しておく こと。 肺 全身 肺静脈 肺動脈 左心房 右心室 左心室 右心房 大動脈 大静脈 (二酸化炭素濃度最高) (酸素濃度最高) ・心臓のつくりの図は,図を見る人から見ると左 右逆になっている。これは心臓の持ち主にとっ ての左右で名前をつけているからである。 <導入 2 > からだが活動すると,からだに老廃物が 溜まる。それを排出するためにはじん臓の機能が欠 かせない。 4⑴①…アンモニアを尿素に変えたり,アルコールを 酢酸に分解したりする。 ②…古くなった赤血球を分解し,胆汁をつくる。 胆汁は脂肪の分解を手助けする。 ③…ブドウ糖をグリコーゲンに合成して蓄える。 ブドウ糖が血液に大量に含まれると血液が流れ にくくなるため,必要なときにブドウ糖に分解 する。 ⑵①…血液中の尿素などの不要物は尿として送られる。 ②…食塩などの無機物の濃度を調節する。余分な ものは尿として排出される。 ③…不要物以外に,水やブドウ糖,アミノ酸など の養分もじん臓でこし出される。その後,から だに必要な分は再び吸収される。 ゴム膜=横隔膜 容器=胸腔 ガラス管 気管 ゴム膜=横隔膜 容器=胸腔 ガラス管 気管 【指導のねらい】 ★呼吸のしくみと,血液の循環のしくみを理解する。 ★ひとのからだのじん臓,肝臓のはたらきについて学ぶ。

8

生命を維持するはたらき⑵

◆指導ページ P.64 ~ 69 ◆ 

第 2 章 動物のからだのつくりとはたらき

(9)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

学 習 内 容

1 感覚器官 (P.70) ⑴ 感覚器官…受け取った刺激は神経を伝わって脳へ送られる。 ・感覚細胞…特定の刺激を受け取るための細胞。 暗記 ⑵ 目…生じる感覚は視覚で,受け取る刺激 は光。 理解 ①水晶体(レンズ)…光を屈折させる。毛様 体という筋肉の収縮でピントを合わせ る。 ②虹彩…入る光の量を調節。 ③網膜…光を受け取る感覚細胞。 ⑶ 耳…生じる感覚は聴覚で,受け取る刺激は音。 理解 ①鼓膜…外界からの空気の振動(音)を捉える。 ②耳小骨…鼓膜からの振動を,うずまき管へ伝える ③うずまき管…音の刺激を受け取る感覚細胞。 ⑷ 鼻…生じる感覚は嗅覚で,受け取る 刺激はにおい。感覚細胞は鼻腔の 奥にある。 暗記 ⑸ 舌…生じる感覚は味覚で,受け取る 刺激は味。感覚細胞は表面の粘液 上にある。 暗記 ⑹ 皮ふ…生じる感覚は触覚で,圧力や痛み,冷たさや熱さを感じる感覚細 胞が分布している。 暗記 2 神経系 (P.71) ⑴ 神経系…神経細胞の集まり。 ⑵ 中枢神経…脳とせきずい。神経細胞が多く集まった部分。 ①脳…感覚器官からの刺激を感じたり,意識が生 じたりする。運動の命令を筋肉に出す。 暗記 ②せきずい…背骨の中にある。刺激や命令の信 号の中継をする。また,運動の命令を直接 出すこともある。 暗記 ⑶ 末しょう神経…中枢神経から出て,からだ全 体に分布している神経。 ①感覚神経…感覚器官からの刺激の信号を中枢神経へ伝える。 暗記 ②運動神経…中枢神経からの命令の信号を筋肉へ伝える。 暗記 3 運動のしくみ (P.72) ⑴ 運動器官…体を動かすための器官。骨格と筋肉などからなる。 ⑵ 骨格…体を支えたり,保護した りしている骨組み。体の内側 にある骨格を内骨格という。 ⑶ 関節…骨と骨をつないでいる部 分。この部分で体を曲げるこ とができる。 暗記 ⑷ 筋肉…筋肉が伸び縮みすることで,体を動かすことができる。 理解 ①骨格筋…骨格についている筋肉。自分の意志で動かせる。 ②内臓筋…内蔵を運動させる筋肉。自分の意志では動かせない。 ⑸ けん…筋肉が骨につく部分。(例アキレスけん) 4 刺激と反応(信号の伝わり方) (P.73) ⑴ 反応のしかた…刺激を脳が感知して,脳が筋肉へ命令を送る。 理解 ⑵ 反射…刺激に対して無意識に起こる反応。脳へ伝わる前にせきずいが命 令を出す。体を危険から守ったりする。(例熱いものを触ると思わず 手を引っ込める。)理解 刺 激 感覚器官 感覚神経 反 応 筋 肉 運動神経 遅れて届く せきず い 脳 脳へ 視神経 レンズ(水晶体) ひとみ 虹彩 網膜 (像を結ぶ) 約 25mm 脳へ 視神経 レンズ(水晶体) ひとみ 虹彩 網膜 (像を結ぶ) 約 25mm 約25mm においを感じる ところ 脳へ 脳へ 音を伝える骨 (耳小骨) 聴神経 うずまき管 鼓膜 嗅神経 約25mm においを感じる ところ 脳へ 脳へ 音を伝える骨 (耳小骨) 聴神経 うずまき管 鼓膜 嗅神経 せきずい 脳 小脳 大脳 間脳 中脳 脳幹 えんずい せきずい 脳 小脳 大脳 間脳 中脳 脳幹 えんずい うでをの ばす筋肉 (収縮し ている) うでを曲げる筋肉 (収縮している) のびている のびている けん けん 関節 うでをの ばす筋肉 (収縮し ている) うでを曲げる筋肉 (収縮している) のびている のびている けん けん 関節

補足知識・留意事項など

<導入 1 > 私たちは目で光を感じたり,耳で音を聞い たり生活の中で様々な感覚を持ちながら生活している。 このような感覚はどのようにして生まれるのだろうか。 1⑵・網膜に映る像は上下左右がさかさまの倒立像であ る。これを脳が修正して視覚として認識している。 ⑶・耳には音を聞く以外にも,平衡感覚を司る器官で ある三半規管を持つ。短い時間に何回も回転する などして,三半規管の感覚が狂うと,平衡感覚を 失ってしまう。 ・うずまき管の形の理由…強度が増え,スペースの 節約になるなどのメリットがある。 ⑸ 味覚は甘味,酸味,塩味,苦味,うま味の 5 種類が あるとされている。この 5 つの味覚を五基本味と呼ぶ。 <導入 2 > 感覚神経が刺激を検知し,からだを動かす には脳が命令を出さなければならない。刺激はどのよ うに脳に伝わり,脳の命令はどのように各器官に伝わ るのだろうか。 2⑵①脳は部分ごとに処理する内容や,役割が変わって くる。 大脳 感覚,運動,記憶,理解,判断,言語,思考など 間脳 刺激の信号の中継,内臓の機能や体温の調節など 中脳 瞳孔の大きさや眼球の運動の調節,姿勢の保持など 小脳 筋肉の運動の調節,からだの平衡の保持など えんずい 呼吸運動の調節,心臓の拍動の調節など ・脳は脊髄に近い部位ほど,生命の維持に必要なこ とを処理している。脊髄から一番遠い大脳部分で は発展的な行動を処理している。 ・間脳,中脳,えんずいをまとめて脳幹という。 ②脊髄は,排泄や排便などのときに命令を出す他, 反射行動のときにも脊髄が直接命令を出す。 ⑵⑶ P.71 確認問題⑵ ① A 感覚神経,B 運動神経,C 脳,D せきずい ② A,B ③ C,D ④大脳  どの部分がどの神経かを答えられるようにして, 刺激や命令が通る経路を確認しておく。 刺激:感覚器官→感覚神経→脳 命令:脳→運動神経→筋肉 3⑵ からだの部分によって役割や形が異なる。 ①頭骨…脳を保護している。 ②背骨…多くの骨が繋がっていて,曲げたりねじっ たりできる。体を支えたり,脊髄を保護したり している。 ③ろっ骨…心臓や肺を保護している。 ④骨盤…内臓を支え,足と胴をつないでいる。 ⑶ 関節には,両骨の間に潤滑油の役目を果たす関節 液(滑膜)が存在する。これにより,滑らかに関節を 動かすことができる。 ⑷⑸ P.72 確認問題⑵ ①縮む筋肉 A ②けん  腕を曲げるときにどの筋肉が縮み,どの筋肉が伸 びるのかを,実際に生徒に腕を曲げさせて確認する と良い。 4⑵ P.73 確認問題⑵ ①反応後 ②せきずい ③反射  脳が「熱い」と思ったときには,既に脊髄が筋肉 に命令を出している。 ④意識して起こる反応。  脳が「悲しい」と感じた後,涙が出た。  自分の意志とは無関係に涙が出ても,脳が感じた ことにより起こる反応は反射ではない。 【指導のねらい】 ★生活する上で生じる様々な感覚をどのように受けとっているのかを知る。 ★感覚神経が受けとった刺激が,どのように伝達され,処理されるのかを理解する。

9

刺激と反応

◆指導ページ P.70 ~ 75 ◆ 

第 2 章 動物のからだのつくりとはたらき

(10)

標準新演習 理科中2 

 指導のポイント

学 習 内 容

1 セキツイ動物のからだのしくみ (P.78) ⑴ セキツイ動物…背骨を持つ動物。イヌ,ハト,トカゲ,カ エル,ブナなど。 暗記 ⑵ からだを支えるしくみ ①水中生活する動物…発達していない。 ②陸上生活する動物…あしが発達。 ⑶ 運動のしくみ…骨と骨についている筋肉をはたらかせる。 ①ひれ…水中を泳ぐ魚など。 ②つばさ…空中を飛ぶ鳥など。 ③あし…陸上を歩く動物。 ⑷ 前進の方法 ①からだを左右にくねらす…魚,イモリ,トカゲやヘビなど。 ②つばさをはばたかせる…鳥など。 ③足を交互に前に出す…イモリ,トカゲ,ニワトリ,イヌなど。 ⑸ 運動と感覚…目,鼻,耳,皮ふなどで刺激を感じ,えさをとったりする。 2 呼吸の方法 (P.79) ⑴ えら…魚やカエルの子など。水中で酸素と二酸化炭素の交換が行える。 暗記 ⑵ 肺…陸上で生活する動物。 暗記 3 メダカの観察 (P.79) ⑴ メダカのオスとメス ①背びれ…オスの背びれに切れ込みがあるが,メスにはない。 ②尻びれ…オスは平行四辺形,メスは三角形に近い形をして いる。 ⑵ メダカの特性…あまり頻繁に泳がず,その場に留まり続け ようとする。 4 動物の特徴 (P.80) ⑴ なかまのふやし方 ①卵生…卵を産むなかまのふやし方。陸地に生む動物の卵には殻があるが,水中 で産むものには殻がない。 暗記 ②胎生…母胎である程度育ててから産むなかまのふやし方。 暗記 ③ 1回に産む卵や子の数…産み放しの動物の卵の数は多く,子供を育てる動物の 卵や子の数は少ない。 ⑵ 外界の温度と体温 ①恒温動物…外界の温度に関係なく,体温がほぼ一定に保 たれる。 暗記 ②変温動物…外界の温度の変化によって,体温が変化。 暗記 ③体表…恒温動物の体表は毛や羽毛に覆われている。 ④外界の温度と活動…変温動物は外界の温度が下がると活 動できなくなる。 理解 5 肉食動物と草食動物のちがい (P.81) ⑴ 草食動物…植物を食べる動物。 ⑵ 肉食動物…動物の肉を食べる動物。 ⑶ 歯のちがい 理解 ①草食動物…草をかみ切るための門 歯と,草をすりつぶすための臼 歯が発達。 ②肉食動物…獲物を仕留めるための 鋭い犬歯と,肉を切り裂くため の臼歯が発達。 ⑷ 目のつき方のちがい 理解 ①草食動物…目が側方についており,視野が広い。 ②肉食動物…目が前方についており,両目で見える 範囲が広い。 ⑸ あしのちがい 理解 ①草食動物…ひづめがあるものが多く,長距離を走る のに適している。 ②肉食動物…鋭い爪があり,獲物をとらえるのに適している。 ⑹ 消化管の長さのちがい 理解 ①草食動物…草は消化しにくいので,消化官は長い。 ②肉食動物…肉は消化しやすいので,消化官は短い。 背骨 背骨 つばさ 背骨 イヌ トカゲ ハト 背骨 背骨 つばさ 背骨 イヌ トカゲ ハト オス 背びれ しりびれ しりびれ メス 背びれ オス 背びれ しりびれ しりびれ メス 背びれ 外界の温度〔℃〕 0 0 10 20 30 40 50 10 20 30 40 体温︹ ℃ ︺ トカゲ(変温) ネコ(恒温) ニワトリ(恒温) 外界の温度〔℃〕 0 0 10 20 30 40 50 10 20 30 40 体温︹ ℃ ︺ トカゲ(変温) ネコ(恒温) ニワトリ(恒温) 肉食動物 犬歯 臼歯 門歯 門歯 臼歯 草食動物 肉食動物 犬歯 臼歯 門歯 門歯 臼歯 草食動物 肉食動物 草食動物 立体的に見える範囲 肉食動物 草食動物 立体的に見える範囲

補足知識・留意事項など

<導入 1 > ヒトのからだには背骨がある。同じ ように背骨をもつ動物にはどのようなものがい るのだろうか。 1⑴・セキツイ動物は魚類,両生類,爬虫類,鳥 類,哺乳類に分けることができる。 ・セキツイ動物の特徴として,背骨を持つ, 脳と脊髄を持つ,ヘモグロビンを含む血液 を持つなどがある。 ⑵ 水中に住む動物は,水圧の中で生きている ので,重力に耐えるためのはたらきを必要と しない。 ⑷ イモリなどは,からだを左右にくねらせな がら,足を交互に前に出して前進する。 2 ・イルカやクジラは海で生活しているが,え らを持たずに,肺で呼吸している。 ・えらは水中でしか酸素と二酸化炭素を交換 できない。逆に肺は空気中でしか酸素と二 酸化炭素を交換できない。 3⑵ メダカはその場に留まり続けようとする性 質があるので,相対的に位置が変わらないよ うに,水の流れに沿って泳ぐ習性がある。 4⑴・卵は乾燥に弱いため,中身を殻や粘液で 覆って乾燥を防ぐ必要がある。 ・産む卵や子供の数が少ない動物ほど,子供 が親になるまで成長する割合は少なくなる。 ・魚類は総じて産む卵の数が多い。 ⑵ P.80 確認問題⑵ ①恒温動物 ②変温動物 ③Ⅰの型 ・哺乳類,鳥類は恒温動物で,魚類,両生類, 爬虫類は変温動物である。 ・恒温動物の中にもクマなど,冬眠して体温 が下がる動物もいる。これは食べ物の少な い冬に体温を下げることで,エネルギーを 消費しないようにしているためだと考えら れている。 <導入 2 > 草食動物と肉食動物では食べるもの が異なる。食べ物が異なることで,からだのつ くりに変化は見られるのだろうか。 5⑶ P.81 確認問題⑵ ① A 門歯,B 犬歯,C 臼歯 ②肉食動物  スケッチから,鋭くとがった犬歯や臼歯が あるので肉食動物の骨であることがわかる。 草食動物の臼歯は平たくなっている。 ⑷ ものを立体的に見ることで,獲物との距離 をより正確に把握することができる。これは 動く獲物を捕らえる肉食動物にとって有利に はたらく。 【指導のねらい】 ★セキツイ動物の特徴について学ぶ。 ★草食動物と肉食動物のちがいを理解し,それらの骨格の特徴を答えられるようにする。

10

動物のなかま⑴

◆指導ページ P.78 ~ 83 ◆ 

第 3 章 動物のなかま

参照

関連したドキュメント

・ 研究室における指導をカリキュラムの核とする。特別実験及び演習 12

卒論の 使用言語 選考要件. 志望者への

国際地域理解入門B 国際学入門 日本経済基礎 Japanese Economy 基礎演習A 基礎演習B 国際移民論 研究演習Ⅰ 研究演習Ⅱ 卒業論文

授業は行っていません。このため、井口担当の 3 年生の研究演習は、2022 年度春学期に 2 コマ行います。また、井口担当の 4 年生の研究演習は、 2023 年秋学期に 2

使用言語 日本語 選考要件. 登録届を提出するまでに個別面談を受けてください。留学中で直接面談 できない場合は Skype か

卒論の 使用言語 選考要件

(6) 管理者研修:夏に、 「中長期計画策定」の演習/年度末の 3 月は、 「管理者の役割につ