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平成 29 年度 多摩市下水道事業会計 決算審査意見書 多摩市監査委員

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平成29年度

多 摩 市 下 水 道 事 業 会 計

決 算 審 査 意 見 書

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目 次

第1 審査の概要 ……… 1 1 審査の対象 ……… 1 2 審査の期間 ……… 1 3 審査の手続 ……… 1 第2 審査の結果 ……… 1 1 事業及び業務の概要 ……… 2 ⑴ 事業の概要等 ……… 2 ⑵ 業務の状況 ……… 3 2 予算の執行状況 ……… 4 ⑴ 収益的収入及び支出 ……… 4 ⑵ 資本的収入及び支出 ……… 5 ⑶ 特例的収入及び支出 ……… 5 ⑷ その他の予算事項 ……… 6 ⑸ 建設改良事業 ……… 7 ⑹ 職員数 ……… 7 3 経営成績 ……… 8 ⑴ 営業収益及び営業費用 ……… 9 ⑵ 経常利益 ……… 9 ⑶ 特別損失 ……… 9 ⑷ 収益性 ……… 10 ⑸ 経費回収率等 ……… 11 ⑹ 企業債及び他会計借入金 ……… 11 ⑺ 繰入金 ……… 11 4 財政状態 ……… 13 ⑴ 資産 ……… 14 ⑵ 負債 ……… 15 ⑶ 資本 ……… 16 ⑷ 財政状態の分析 ……… 16 ⑸ キャッシュ・フロー計算書 ……… 17 5 むすび ……… 19

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(注記) 1 当年度は、公営企業会計移行後、初めての決算であるため、前年度(平成28年度)の金額、 増減等を表示していないものがある。 2 文中に用いる金額は、原則として千円未満を四捨五入し、千円単位とした。このため、合計 と内訳の計、差引きが一致しない場合がある。 3 比率(%)は、原則として小数点第2位を四捨五入した。 4 構成比率(%)は、合計が 100 となるよう調整した。 5 「0.0」は、当該数値はあるが、表示単位未満のものである。 6 「-」は、該当数値のないものである。

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1 平成29年度多摩市下水道事業会計決算審査意見書 地方公営企業法第30条第2項の規定により審査に付された、平成29年度多摩市下水道事業 会計の決算について審査した結果、次のとおり意見を付する。 平成30年8月10日 多摩市監査委員 沢登 袈裟平 多摩市監査委員 橋本 由美子 第1 審査の概要 1 審査の対象 平成29年度多摩市下水道事業会計決算 なお、下水道事業会計は、当年度から公営企業会計に移行した。 2 審査の期間 平成30年6月6日から平成30年8月9日まで 3 審査の手続 審査にあたっては、市長から審査に付された決算書類及び決算附属書類が地方公営企業法、 その他関係法令に準拠して作成されているか、これらの書類の計数が会計諸帳簿と符合するか、 予算が適切に執行されたか、また、当事業の財政状態、経営成績等について、適正に表示され ているか確認するとともに、経済性を発揮し、公共の福祉を増進するように運営されたかを主 な視点として審査した。 なお、審査に際しては、関係職員からの説明を聴取するとともに、平成29年度に実施した 例月出納検査の結果を参考とした。 第2 審査の結果 審査に付された決算書類及び決算附属書類は、いずれも地方公営企業法、その他関係法令に 準拠して作成されており、関係諸帳簿及び証拠書類と照合の結果、いずれも誤りがなく、当年 度末の経営成績及び当年度末現在の財政状態を適正に表示しているものと認められた。 以下、審査対象事業の予算執行状況、業務状況、経営成績、財政状態等について、概要を述 べ、意見を付する。 なお、下水道事業は、平成29年4月1日から地方公営企業法を適用し、これまでの官公庁 会計から公営企業会計に移行した。このため、決算審査において、損益計算書等の地方公営企 業法の財務規定等に基づいて新たに作成するものについては、当年度の数値のみを記載した。

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2 1 事業及び業務の概要 ⑴ 事業の概要等 多摩市の下水道は、市域全体を汚水と雨水に分けて処理する分流式で整備されている。汚 水は、流域下水道乞田幹線又は大栗幹線に接続され、稲城市にある東京都の南多摩水再生セ ンターで処理し、多摩川に放流されている。雨水については、雨水管渠や水路を経由して大 栗川、乞田川に排水されている。 下水道の整備については、昭和49年に事業着手し、昭和59年から段階的に供用が開始 され、平成12年度に汚水整備がほぼ完了した。平成14年度には、行政サービスの一元化 のため、ニュータウン区域を東京都から市へ移管し、全市域が市の事業となり、事業計画認 可面積は 2,016.9ha となっている。 事業計画認可面積 2,016.9ha のうち 2,014.02ha が整備済みで下水道が使用可能となってお り、面積普及率 99.86%、人口普及率 99.99%である(平成29年度末現在)。なお、未整備と なっている区域は、畑で住宅がない区域や道路の境界が未確定のため整備できない区域など である。 雨水管渠及び汚水管渠の総延長がそれぞれ前年度よりも増加しているのは、民間開発等に より整備された下水道施設の受贈があったことによるものである。 下水道施設には、管渠、マンホールポンプ、雨水排水樋管、雨水排水ポンプ施設、水路等 がある。下水道施設の種類、総延長、箇所数は、次表のとおりである。 【下水道施設の状況】 下 水 道 施 設 平成29年度 平成28年度 増減 雨水管渠総延長(m) 227,759 227,741 18 汚水管渠総延長(m) 311,540 311,050 490 計(m) 539,299 538,791 508 水 路 総 延 長 ( m ) 21,480 21,480 0 マンホールポンプ(箇所)* 6 6 0 雨水排水樋管(箇所)** 5 5 0 雨水排水ポンプ(箇所) 3 3 0 *マンホールポンプは、道路内のマンホールに水中ポンプを設置したもので、低い位置にある区域の 汚水を高い位置にある管に送り込むための装置 **排水樋管は、排水が川・水路(支川)を流れ、より大きな川(本川)に合流する場合、合流する 川の水位が洪水等で高くなったときに、その水が堤内地側に逆流しないようにする施設 これまでの下水道整備により公衆衛生の向上と生活環境の改善、浸水対策等を進めてきた ところであるが、多くの下水道施設は、急速な都市化に対応するために、短期間に集中して 整備されたこともあり、平成31年度以降には、標準的な耐用年数50年を迎えるものが急

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3 激に増加する。このため、公共下水道が建設の時代から効率的な維持管理の時代になり、老 朽した施設の改築更新が課題となっている。 下水道事業の会計は、平成28年度までは官公庁会計方式に基づく下水道事業特別会計で 経理してきた。しかし、今後の計画的な改築更新、維持管理に加えて、常に企業の経済性を 発揮し、経営の効率化や将来にわたって安定したサービスを提供するための組織体制を構築 して公共の福祉を一層増進する必要がある。このため、経営状況を的確に把握し、限られた 財源をより有効に活用する仕組みとして、当年度から「多摩市下水道事業の設置等に関する 条例(平成28年12月26日条例第54号)」により地方公営企業法を適用し、公営企業会 計に移行した。 ⑵ 業務の状況 当年度における主な項目の業務量は、次表のとおりである。 【業務の状況】 区 分 平成29年度 平成28年度 前年度対比 差引増減 増減率(%) 行 政 区 域 内 人 口 A (人) 148,654 148,511 143 0.1 処 理 区 域 内 人 口 B (人) 148,641 148,498 143 0.1 普及率(B/A) (%) 99.99 99.99 0 0.0 水洗便所設置済人口 C (人) 148,328 148,200 128 0.1 水洗化率(C/B) (%) 99.79 99.80 △0.01 △0.01 全 体 計 画 面 積 (ha) 2,019 2,019 0 0.0 処 理 区 域 面 積 (ha) 2,014 2,014 0 0.0 年 間 総 処 理 水 量 D (㎥) 17,478,308 16,992,558 485,750 2.9 一日平均処理水量 (㎥) 47,886 46,555 1,331 2.9 年 間 有 収 水 量 E (㎥) 15,886,265 16,041,288 △155,023 △1.0 一日平均有収水量 (㎥) 43,524 43,949 △425 △1.0 有収率(E/D) (%) 90.89 94.40 △3.51 △3.7 *有収率は、処理水量のうち収益につながった水量の割合を示し、率は高いほどよいとされている。 当年度末における処理区域内人口は 148,641 人、水洗便所設置済人口は 148,328 人で、前 年度に比べて処理区域内人口 143 人(0.1%)、水洗便所設置済人口で 128 人(0.1%)それ ぞれ増加している。 当年度の年間総処理水量は 17,478,308 ㎥で、前年度より 485,750 ㎥(2.9%)増加したが、 年間有収水量は 15,886,265 ㎥、有収率は 90.9%となり、年間有収水量で 155,023 ㎥(△1.0%)、 有収率で 3.5 ポイント(△3.7%)それぞれ前年度より減少した。

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4 2 予算の執行状況 ⑴ 収益的収入及び支出(消費税込総額) 当年度の収益的収入及び支出の予算執行状況は、次表のとおりである。 【収益的収入】 (単位:円・%) 区 分 決算額 構成比 予算額合計 補正予算額 当初予算額 収入率 予算額に対する増減 営業収益 2,524,594,857 70.8 2,573,645,000 0 2,573,645,000 98.1 △49,050,143 営業外収益 1,042,685,888 29.2 1,041,251,000 1,966,000 1,039,285,000 100.1 1,434,888 下水道事業収益 3,567,280,745 100.0 3,614,896,000 1,966,000 3,612,930,000 98.7 △47,615,255 【収益的支出】 (単位:円・%) 区 分 決算額 構成比 予算額合計 補正予算額 流用増減額 当初予算額 執行率 翌年度 繰越額 不用額 営業費用 2,912,159,143 96.1 3,091,230,000 16,237,000 △11,613,000 3,086,606,000 94.2 0 179,070,857 営業外費用 108,917,252 3.6 109,019,000 0 11,613,000 97,406,000 99.9 0 101,748 特別損失 8,446,202 0.3 8,513,000 0 0 8,513,000 99.2 0 66,798 予 備 費 0 0 50,000,000 0 0 50,000,000 0 0 50,000,000 下水道事業費用 3,029,522,597 100.0 3,258,762,000 16,237,000 0 3,242,525,000 93.0 0 229,239,403 ※収益的収支とは、汚水等を処理するために必要な経費とその財源。収益的収入には下水道使用料、負担金、手 数料等を計上。収益的支出には、人件費、修繕費、動力費等が計上されている。 下水道事業収益の決算額 35 億 6,728 万 1 千円は、予算額を 4,761 万 5 千円下回り、収入率 は 98.7%である。 下水道事業費用の決算額 30 億 2,952 万 3 千円は、予算額に対する執行率が 93.0%で、不 用額は 2 億 2,923 万 9 千円である。不用額の主なものは、流域下水道管理費の負担金補助及 び交付金 5,574 万 3 千円、管渠費の修繕費の契約差金 4,053 万 2 千円等である。 営業費用から営業外費用に流用した 1,161 万 3 千円の内訳は、業務委託の契約差金等によ り不用額が生じたことで納付すべき消費税の増額分に対応する 1,160 万 4 千円、破産等によ る下水道使用料現年分の不納欠損増額に対応する 9 千円である。 下水道事業収益と下水道事業費用の収支差額は 5 億 3,775 万 8 千円の収入超過である。 なお、決算額の収支差額 5 億 3,775 万 8 千円と損益計算書(8頁)の当年度純利益 5 億 2,708 万 1 千円が一致しないのは、収益的収支の執行状況の金額に消費税分が含まれているためで ある。

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5 ⑵ 資本的収入及び支出(消費税込総額) 当年度の資本的収入及び支出の予算執行状況は、次表のとおりである。 【資本的収入】 (単位:円・%) 区 分 決算額 構成比 予算額合計 補正予算額 当初予算額 収入率 予算額に対する増減 他会計補助金 10,664,920 100.0 10,665,000 0 10,665,000 100.0 △80 資本 的収入 10,664,920 100.0 10,665,000 0 10,665,000 100.0 △80 【資本的支出】 (単位:円・%) 区 分 決算額 構成比 予算額合計 補正予算額 当初予算額 執行率 翌年度 繰越額 不用額 建設改良費 177,003,038 51.8 214,755,000 1,423,000 213,332,000 82.4 0 37,751,962 企業債償還金 164,542,738 48.2 164,543,000 0 164,543,000 100.0 0 262 資本的支出 341,545,776 100.0 379,298,000 1,423,000 377,875,000 90.0 0 37,752,224 ※資本的収支とは、主に将来の経営活動に備えて行う施設等の建設改良及び企業債に関する収入並びに 支出のことで、下水管の布設や処理場等施設の建設・整備をする長期間にわたる設備投資のための経 費と財源である。 資本的収入の決算額 1,066 万 5 千円は、予算額 1,066 万 5 千円に対し、収入率 100.0%で ある。 資本的支出の決算額 3 億 4,154 万 6 千円は、予算額 3 億 7,929 万 8 千円に対し、執行率 90.0% で、翌年度繰越額はない。不用額は 3,775 万 2 千円で、建設改良費の不用額の主なものは、 流域下水道費の負担金補助及び交付金 2,807 万 5 千円、管渠建設改良費の工事請負費 6,820 万円である。 資本的収入と資本的支出の収支差額は 3 億 3,088 万 1 千円の収入不足となり、不足する額 は、当年度分損益勘定留保資金 3 億 3,088 万 1 千円で補塡された。 ⑶ 特例的収入及び支出(消費税込総額) 特例的収入及び支出の予算執行状況は、次表のとおりである。 【特例的収入】 (単位:円・%) 決算額 予算額合計 補正予算額 当初予算額 収入率 予算額に対する増減 172,728,653 176,685,000 70,108,000 106,577,000 97.8 △3,956,347 【特例的支出】 (単位:円・%) 決算額 予算額合計 補正予算額 当初予算額 執行率 不用額 274,192,954 274,193,000 32,223,000 241,970,000 100.0 46

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6 下水道事業へ地方公営企業法を適用したことに伴い、法適用の日(平成29年4月1日) の前日の属する会計年度以前の会計年度に発生した債権に係る未収金又は債務に係る未払金 は、同法施行令第4条第4項の規定により、法適用日の属する事業年度の債権又は債務とし て整理することとされている。これにより当年度予算における未収金及び未払金の額は、そ れぞれ 1 億 657 万 7 千円及び 2 億 4,197 万円となり、当年度多摩市下水道事業会計予算第4 条の2に特例的収入及び支出として計上している。なお、未収金及び未払金は、前年度決算 の確定に伴い、それぞれ 7,010 万 8 千円及び 3,222 万 3 千円の増額補正を行っている。補正 額は、収入については、下水道使用料、支出については、工事請負費の予算積算時の見込額 と平成29年3月末時点の実績額との差額分である。 当年度末時点の貸借対照表において、未収金は 3 億 2,570 万 7 千円、未払金は 4 億 2,795 万 7 千円となった。未収金の主なものは、下水道使用料 1 億 8,556 万 9 千円、雨水処理負担 金 1 億 1,665 万 6 千円、他会計補助金 2,209 万 6 千円である。未払金の主なものは、流域下 水道維持管理負担金 1 億 6,873 万 1 千円、管渠等補修工事 8,289 万 2 千円、消費税及び地方 消費税 7,682 万 7 千円、財務会計システム業務委託料 3,056 万 4 千円、管渠等調査清掃業務 委託料 2,997 万 5 千円等である。 ⑷ その他の予算事項 地方公営企業法施行令第17条に規定する予算に係る事項の執行状況は、次のとおりであ る。 ア 債務負担行為 当初予算に計上した事項は、多摩市水洗便所改造資金融資あっせんに係る利子補給で、 期間は平成30年度から平成34年度まで、限度額はあっせん貸付残高の利子の一部であ ると定めたが、執行はなかった。 イ 一時借入金 当初予算において一時借入金の限度額は、1 億円と定めたが、執行はなかった。 ウ 予定支出の各項の経費の金額の流用 当初予算において、予定支出の各項の経費の金額を流用することができる場合は、営業 費用及び営業外費用の流用と定めていたが、納付消費税等の増額分に対応するため、営業 費用から 1,161 万 3 千円を営業外費用に流用した。 エ 議会の議決を得なければならない経費 流用が禁止され、議会の議決を得なければ流用することのできない経費として当初予算 に職員給与費 1 億 3,587 万 3 千円を計上し、958 万 5 千円を補正して 1 億 4,545 万 8 千円 としたが、流用はなかった。 なお、資本金については、期首残高は 155 億 585 万 7 千円であったが、地方公営企業法 適用前の下水道事業特別会計における多摩市下水道事業財政運営基金分を本来の目的の使

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7 途に使用するため、地方公営企業法第32条第4項の規定により平成30年第1回市議会 定例会で議決を受け、63 億 1,409 万 7 千円を利益剰余金へ振替えた。 オ 他会計からの補助金 一般会計からの補助金は、予算額 2,209 万 6 千円に対し、決算額は 2,209 万 6 千円であ る。収益的収入の 1,143 万1千円については、流域下水道維持管理負担金、企業債利息等 に充当し、資本的収入の 1,066 万 5 千円については、企業債償還元金に全額を充当した。 ⑸ 建設改良事業 当年度の建設改良費の決算額は 1 億 6,596 万 2 千円であり、管渠建設改良費として、平成 30年度以降に実施する連光寺6丁目地内雨水管整備の実施設計、流域下水道建設費負担金 の支払い等を行った。建設改良工事は該当がなかった。 ⑹ 職員数 当年度末の職員数は合計11人で、所属勘定別にみると、損益勘定支弁職員が8人、資本 勘定支弁職員が3人である。なお、下水道事業職員定数は、多摩市職員定数条例で14とな っている。 【職員数】 (単位:人) 区 分 平成29年度 損益勘定支弁職員 8(6) 資本勘定支弁職員 3(0) 計 11(6) ※職員数は公営企業管理者を除く。( )内は、再任用職員 ※損益勘定支弁職員は、経営や施設管理に関わる職員で、収益的収支から給料が支払われ、 資本勘定支弁職員は、拡張事業を担当する職員で、資本的収支から給料が支払われる。

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8 3 経営成績 当年度の損益計算書の状況は、次のとおりである。 【損益計算書】 (平成29年4月1日から平成30年3月31日まで) (単位:円・%) 科 目 金 額 平 成 2 9 年 度 構成比 営業収益 下水道使用料 雨水処理負担金 その他の営業収益 営業費用 管渠費 ポンプ場費 業務費 総係費 流域下水道管理費 減価償却費 資産減耗費 2,353,889,590 2,135,509,203 216,655,540 1,724,847 2,815,570,303 382,571,032 13,678,711 157,053,402 159,976,187 617,654,442 1,481,169,610 3,466,919 100.0 90.7 9.2 0.1 100.0 13.6 0.5 5.6 5.7 21.9 52.6 0.1 営業損失 461,680,713 - 営業外収益 受取利息及び配当金 他会計補助金 長期前受金戻入 雑収益 営業外費用 支払利息 貸倒損失 雑支出 1,042,694,202 510,279 11,431,009 1,021,978,440 8,774,474 45,486,494 32,082,002 8,750 13,395,742 100.0 0.1 1.1 98.0 0.8 100.0 70.5 0.0 29.5 経常利益 535,526,995 - 特別損失 8,446,202 - 当年度純利益 527,080,793 - 前年度繰越利益剰余金 0 - そ の他 未処 分利 益剰 余金 変動 額 6,314,097,161 - 当年度未処分利益剰余金 6,841,177,954 - (注)上記の金額には、消費税及び地方消費税が含まれていない。

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9 ⑴ 営業収益及び営業費用 ア 営業収益 営業収益は 23 億 5,389 万円で、主なものは、下水道使用料 21 億 3,550 万 9 千円で、営 業収益の約9割を占めている。その他は、一般会計からの公営企業繰出基準に基づく雨水 処理負担金 2 億 1,665 万 6 千円、手数料、雑収益等のその他営業収益が 172 万 5 千円であ る。営業収益は、営業費用に対し 83.6%となっている。 イ 営業費用 営業費用は 28 億 1,557 万円で、主なものは、減価償却費 14 億 8,117 万円で、営業費用 の約5割を占めている。その他は、多摩ニュータウン関連5市で負担している流域下水道 管理費 6 億 1,765 万 4 千円、下水道管の維持管理、修繕に関する費用の管渠費 3 億 8,257 万 1 千円、下水道使用料の徴収に係る委託料の業務費 1 億 5,705 万 3 千円、人件費などの 一般管理費である総係費 1 億 5,997 万 6 千円、建築物、機械、装置の除却損である資産減 耗費 346 万 7 千円等である。 営業収益から営業費用を差引いた営業損失は 4 億 6,168 万 1 千円である。 ⑵ 経常利益 ア 営業外収益 営業外収益は 10 億 4,269 万 4 千円で、内訳は長期前受金戻入が 10 億 2,197 万 8 千円で、 営業外利益の殆どを占めている。その他には、他会計(一般会計)からの補助金が 1,143 万 1 千円、受取利息及び配当金が 51 万円、雑収益が 877 万 4 千円である。 イ 営業外費用 営業外費用は 4,548 万 6 千円で、内訳は企業債の支払利息が 3,208 万 2 千円で営業外費 用の約7割を占めている。その他には、債務者の破産等による不納欠損分の費用として貸 倒損失が 9 千円、雑支出が 1,339 万 6 千円である。 営業外収益から営業損失及び営業外費用を控除した経常利益は 5 億 3,552 万 7 千円である。 ⑶ 特別損失 特別損失は 844 万 6 千円で、その発生が過年度に属するものや通常の経営に伴わない災害 損失等により臨時かつ巨額の支出が必要とされるもので、内訳は、賞与引当金相当額 789 万 1 千円、貸倒引当金相当額 55 万 5 千円である。 以上の結果、当年度の純利益は 5 億 2,708 万 1 千円となった。

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10 ⑷ 収益性 収益性については、総収益対総費用の総収支比率でみると 118.4%で総収益が総費用を上 回っている。営業収益対営業費用比率は 83.6%である。 【総収益・総費用】 (単位:円・%) 区 分 平成29年度 総 収 益 3,396,583,792 営 業 収 益 2,353,889,590 営業外収益 1,042,694,202 総 費 用 2,869,502,999 営 業 費 用 2,815,570,303 営業外費用 45,486,494 特 別 損 失 8,446,202 純 利 益 527,080,793 総 収 支 比 率 118.4 営業収益対営業費用比率 83.6 総費用の性質別内訳については、次表のとおりである。 【総費用の性質別内訳】 (単位:円・%) 区 分 平成29年度 構成比 人 件 費 113,541,070 4.0 委 託 料 299,414,982 10.4 賃 借 料 1,700,729 0.1 修 繕 費 269,664,934 9.4 流域下水道維持管理費 617,654,442 21.5 支 払 利 息 32,082,002 1.1 減 価 償 却 費 1,481,169,610 51.6 特 別 損 失 8,446,202 0.3 そ の 他 費 用 * 45,829,028 1.6 合 計 2,869,502,999 100.0 *その他費用の主なものは、流域維持管理負担金を除く、負担金補助及び交付金 1,425 万 3 千円、 控除対象外消費税額の雑支出 1,339 万 6 千円、材料費 850 万 3 千円等である。

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11 ⑸ 経費回収率等 経費回収率は、使用料で回収すべき経費について、どの程度使用料で賄われているかを表 した指標であり、100%以上であることが必要である。同指標は、有収水量1㎥当たりの使用 料(使用料単価)を有収水量1㎥当たりの汚水処理に要した費用(汚水処理原価)で除算し て算出する。平成29年度の経費回収率は、145.1%となり、使用料で回収すべき経費を全て 使用料で賄えている状況を示す 100%を超えている。 なお、経費回収率の算出の根拠となる使用料単価(使用料収入÷年間有収水量)、汚水処 理原価(*汚水処理費÷年間有収水量)については、次表のとおりである。 【経費回収率等】 区 分 平成29年度 経 費 回 収 率 ( % ) 145.1 使用料単価(円/㎥) 134.4 汚水処理原価(円/㎥) 92.6 *汚水処理費は、資本費(汚水に係る企業債利息及び減価償却費)と 維持管理費(管渠費、流域下水道管理費、ポンブ場費等)を合算した額 ⑹ 企業債及び他会計借入金 企業債の元利償還等は、次表のとおりである。なお、他会計からの借入金はない。 (単位:円) 区 分 平成29年度 平成28年度 増減額 借 入 額 0 0 0 元 利 償 還 金 196,624,740 232,892,668 △36,267,928 元 金 164,542,738 192,506,060 △27,963,322 利 息 32,082,002 40,386,608 △8,304,606 未 償 還 額 861,457,838 1,026,000,576 △164,542,738 ⑺ 繰入金 一般会計からの繰入金は、次表のとおりである。 (単位:円) 区 分 平成29年度 平成28年度 増減額 基準内繰入金 238,751,469 254,717,378 △15,965,909 基準外繰入金 0 0 0 繰 入 金 合 計 238,751,469 254,717,378 △15,965,909

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12 当年度の一般会計からの繰入金の合計は 2 億 3,875 万 1 千円で、前年度に比べて 1,596 万 6 千円の減少である。主な要因は、雨水処理経費の減によるものである。 前年度までの下水道事業特別会計では、一般会計からの繰入金は、歳入歳出決算上、歳入 区分に「繰入金」として合計額のみが記載されていたが、公営企業会計に移行した当年度で は、雨水処理負担金と他会計補助金に区分し、収益的収入と資本的収入として次のように計 上されている。 (単位:円) 区 分 負担金 補助金 計 収益的収入 営業収益 216,655,540 0 216,655,540 営業外収益 0 11,431,009 11,431,009 資本的収入 負 担 金 - - - 補 助 金 0 10,664,920 10,664,920 合 計 216,655,540 22,095,929 238,751,469 収益的収入の雨水処理負担金 2 億 1,665 万 6 千円については、修繕費、委託料、企業債利 息、職員給与等に充当した。 収益的収入の補助金 1,143 万1千円については、流域下水道維持管理負担金、企業債利息 等に充当し、資本的収入の補助金 1,066 万 5 千円については、企業債償還元金に全額を充当 した。 なお、公営企業会計と一般会計との間の経費負担区分を明確にするために、総務省から「地 方公営企業繰出基準」が示されており、例えば、雨水は自然現象によるものであり、雨水対 策は、浸水被害を防ぎ、その受益が広く市民に及ぶため、「雨水公費、汚水私費」の原則に基 づき、雨水処理に係る資本費及び維持管理費については、一般会計から繰出すべきとされて いる。本市では、雨水処理に要するものを「雨水処理負担金」、それ以外については、「他会 計補助金」として整理している。

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13 4 財政状態 平成29年度期末の貸借対照表を期首貸借対照表と比較すると、次のとおりである。 【貸借対照表】 (単位:円・%) 科 目 平成29年度期末 平成29年度期首 比較増減 増減 比率 構成比 期末 期首 固定資産 有形固定資産 土地 建物 減価償却累計額 構築物 減価償却累計額 機械及び装置 減価償却累計額 工具器具及び備品 減価償却累計額 建設仮勘定 無形固定資産 地上権 施設利用権 ソフトウェア 流動資産 現金預金 未収金 貸倒引当金 29,147,152,012 26,795,448,675 2,046,343,283 92,085,119 △5,397,481 25,399,066,311 △1,306,106,154 582,879,766 △49,185,330 2,424,550 △618,300 33,956,911 2,351,703,337 33,985,123 2,317,373,142 345,072 7,599,518,174 7,274,423,045 325,707,129 △612,000 30,404,614,236 28,065,053,484 2,042,489,043 92,085,119 - 25,345,175,006 - 582,879,766 - 2,424,550 - - 2,339,560,752 50,952,208 2,288,070,704 537,840 6,766,557,823 6,589,873,018 176,684,805 - △1,257,462,224 △1,269,604,809 3,854,240 0 △5,397,481 53,891,305 △1,306,106,154 0 △49,185,330 0 △618,300 33,956,911 12,142,585 △16,967,085 29,302,438 △192,768 832,960,351 684,550,027 149,022,324 △612,000 △4.1 △4.5 0.2 0.0 皆増 0.2 皆増 0.0 皆増 0.0 皆増 皆増 0.5 △33.3 1.3 △35.8 12.3 10.4 84.3 皆増 79.3 72.9 5.6 0.3 0.0 69.0 △3.6 1.6 △0.1 0.0 0.0 0.1 6.4 0.1 6.3 0.0 20.7 19.8 0.9 0.0 81.8 75.5 5.5 0.2 - 68.2 - 1.6 - 0.0 - - 6.3 0.1 6.2 0.0 18.2 17.7 0.5 - 資産合計 36,746,670,186 37,171,172,059 △424,501,873 △1.1 100.0 100.0 固定負債 企業債 その他固定負債 流動負債 企業債 未払金 引当金 賞与引当金 預り金 繰延収益 長期前受金 収益化累計額 722,742,342 721,642,342 1,100,000 576,333,420 139,815,496 427,957,340 8,513,000 8,513,000 47,584 17,368,313,005 18,389,326,180 △1,021,013,175 861,457,838 861,457,838 - 438,735,692 164,542,738 274,192,954 - - - 18,322,632,143 18,322,632,143 - △138,715,496 △139,815,496 1,100,000 137,597,728 △24,727,242 153,764,386 8,513,000 8,513,000 47,584 △954,319,138 66,694,037 △1,021,013,175 △16.1 △16.2 皆増 31.4 △15.0 56.1 皆増 皆増 皆増 △5.2 0.4 皆増 3.9 3.9 0.0 3.1 0.7 2.3 0.0 0.0 0.0 93.0 98.5 △5.5 4.4 4.4 - 2.2 0.8 1.4 - - - 93.4 93.4 - 負債合計 18,667,388,767 19,622,825,673 △955,436,906 △4.9 100.0 100.0 資本金 剰余金 資本剰余金 受贈財産評価額 他会計補助金 利益剰余金 当年度未処分利益剰余金 9,191,760,182 8,887,521,237 2,046,343,283 1,781,385,624 264,957,659 6,841,177,954 6,841,177,954 15,505,857,343 2,042,489,043 2,042,489,043 1,777,531,384 264,957,659 - - △6,314,097,161 6,845,032,194 3,854,240 3,854,240 0 6,841,177,954 6,841,177,954 △40.7 335.1 0.2 0.2 0.0 皆増 皆増 50.8 49.2 11.3 9.9 1.5 37.8 37.8 88.4 11.6 11.6 10.1 1.5 - - 資本合計 18,079,281,419 17,548,346,386 530,935,033 3.0 100.0 100.0 負債資本合計 36,746,670,186 37,171,172,059 △424,501,873 △1.1 - - *期首の数値は、平成29年9月の第1号補正予算付属資料の開始貸借対照表を円単位で表記したものである。 *減価償却累計額、貸倒引当金及び収益化累計額の増減比率は、△を増加としている。

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14 ⑴ 資産 当年度末の資産合計は 367 億 4,667 万円で、期首に比べて 4 億 2,450 万 2 千円(△1.1%) 減少した。資産総額の約8割を占める固定資産 291 億 4,715 万 2 千円は、12 億 5,746 万 2 千 円(△4.1%)減少した。 有形固定資産に計上している土地は主に下水道用地で、当年度は、受贈財産の増により 385 万 4 千円(0.2%)増加した。総資産の約7割を占める構築物は管路施設であり、当年度は、 受贈財産の増により 5,389 万 1 千円(0.2%)増加した。 建設仮勘定は、建設工事にかかる費用を完成までの間、一時的に有形固定資産に計上して おく勘定であり、当年度の 3,395 万 7 千円(皆増)は、管渠建設改良工事に係る人件費が主 なものである。有形固定資産全体で 12 億 6,960 万 5 千円(△4.5%)減少したのは、当年度 分の減価償却が主な要因である。 無形固定資産に計上している施設利用権は、流域下水道施設利用権で、当年度は、東京都 流域下水道建設費負担金の支出に伴い 2,930 万 2 千円(1.3%)の増加となった。 流動資産は、現金預金が 6 億 8,455 万円(10.4%)、未収金が 1 億 4,902 万 2 千円(84.3%) 増加し、債権の不納欠損に備えるため貸倒引当金 61 万 2 千円(皆増)を計上したことにより 8 億 3,296 万円(12.3%)増加した。現金預金が 6 億 8,455 万円増加した要因は、18頁に 掲載したキャッシュ・フロー計算書のとおりである。 未収金の主なものは、下水道使用料 1 億 8,556 万 9 千円、雨水処理負担金 1 億 1,665 万 6 千円である。公営企業会計方式では、発生主義により経理を行うため、従来の官公庁会計方 式において出納整理期間で収納していたものを未収金として計上したものであり、下水道使 用料等の一部を除き全て収納済となっている。 当年度の下水道使用料の未収金の状況は、次表のとおりである。当年度の下水道使用料の 現年分と滞納分を合わせた不納欠損額は 56 万 4 千円、件数は 679 件であり、前年度に比べ て 14 万 4 千円(34.4%)増加した。不納欠損事由別では、667 件が消滅時効、12 件が破産 等によるものである。

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15 【下水道使用料の収納状況(消費税込総額)】 (単位:円・%) 区 分 平成29年度 平成28年度 前年度との比較 増減額 比 率 調 定 額 現 年 2,306,105,924 2,359,499,164 △53,393,240 △2.3 滞 納 175,337,369 102,923,725 72,413,644 70.4 合 計 2,481,443,293 2,462,422,889 19,020,404 0.8 収 入 済 額 現 年 2,123,640,320 2,186,807,685 △63,167,365 △2.9 滞 納 171,670,150 99,857,992 71,812,158 71.9 合 計 2,295,310,470 2,286,665,677 8,644,793 0.4 徴 収 率 現 年 92.1 92.7 △0.6 - 滞 納 97.9 97.0 0.9 - 合 計 92.5 92.9 △0.4 - 不 納 欠 損 額 現 年 8,750 0 8,750 - 滞 納 555,522 419,843 135,679 32.3 合 計 564,272 419,843 144,429 34.4 未 収 入 額 現 年 182,456,854 172,691,479 9,765,375 5.7 滞 納 3,111,697 2,645,890 465,807 17.6 合 計 185,568,551 175,337,369 10,231,182 5.8 下水道使用料の徴収業務については、「多摩市公共下水道使用料徴収事務の事務委託に関す る規約」により東京都水道局への委託により実施している。委託額については、次表のとお りである。 【下水道使用料徴収業務委託額】 (単位:円) 平成29年度 平成28年度 増 減 169,617,674 188,273,382 △18,655,708 ⑵ 負債 当年度の負債合計は 186 億 6,738 万 9 千円であり、期首に比べて 9 億 5,543 万 7 千円(△ 4.9%)減少した。これは建設改良等の財源に充てるための企業債の償還が進んだことが要因 である。長期前受金は、補助金等により取得した資産の減価償却にあわせて、順次、収益化 処理するものであり、収益化後の残高 173 億 6,831 万 3 千円は、期首と比べて 9 億 5,431 万 9 千円(△5.2%)減少した。

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16 ⑶ 資本 当年度の資本合計は 180 億 7,928 万 1 千円で、期首に比べて 5 億 3,093 万 5 千円(3.0%) 増加した。これは利益剰余金の当年度未処分利益剰余金に当年度純利益 5 億 2,708 万 1 千円 を計上したことによるものである。 なお、負債及び資本の合計 367 億 4,667 万円は、前述の資産合計と一致する。 当年度における資本金及び剰余金の変動は、次表のとおりである。 【資本金及び剰余金の変動】 (単位:円) 区 分 平成29年度末残高 平成29年度期首残高 変動額 資 本 金 9,191,760,182 15,505,857,343 △6,314,097,161 剰 余 金 8,887,521,237 2,042,489,043 6,845,032,194 資 本 剰 余 金 2,046,343,283 2,042,489,043 3,854,240 受贈財産評価額 1,781,385,624 1,777,531,384 3,854,240 他会計補助金 264,957,659 264,957,659 0 利 益 剰 余 金 6,841,177,954 0 6,841,177,954 減 債 積 立 金 0 0 0 利 益 積 立 金 0 0 0 建設改良積立金 0 0 0 未処分利益剰余金 6,841,177,954 0 6,841,177,954 資 本 合 計 18,079,281,419 17,548,346,386 530,935,033 当年度の未処分利益剰余金 68 億 4,117 万 8 千円は、「多摩市下水道事業の剰余金の処分等 に関する条例」により、減債積立金に 5 億 2,708 万 1 千円、建設改良積立金に 63 億 1,409 万 7 千円にそれぞれ積み立てる。 ⑷ 財政状態の分析 財政の短期的又は長期的な安全性について、当年度の財務比率は、次表のとおりである。 【主要な財務比率】 (単位:%) 区 分 平成29年度 流 動 比 率 1,318.6 自 己 資 本 構 成 比 率 96.5 固定資産対長期資本比率 80.6 *流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100 *自己資本構成比率(%)=(資本金+剰余金+繰延収益)÷(負債+資本)×100 *固定資産対長期資本比率(%)=固定資産÷(資本金+剰余金+評価差額等+固定負債+繰延収益)×100

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17 流動比率は、1年以内に支払うべき債務に対して支払うことができる現金等がある状況を 示す指標であり、数値が大きいほど支払い能力があり、100%以上であることが必要であると いわれている。当年度は 1,318.6%であり、十分な現金等を保有している。 自己資本構成比率は、総資本(負債+資本)に対する自己資本の占める割合で、その数値 が大きいほど経営の健全性が高いとされている。当年度は 96.5%で健全な状態である。 固定資産対長期資本比率は、固定資産の調達が自己資本と長期借入金によって調達されて いる部分がどの位あるのかを示す指標で、常に 100%以下であること、かつその数値が低い ほど財務の安全性が高いとされている。当年度は 80.6%で、安全性が高い状態である。 以上の財務比率から下水道事業の財政状態は、現在のところ良好であるといえる。 ⑸ キャッシュ・フロー計算書 キャッシュ・フロー計算書は、財務諸表のひとつで、企業の現金の受取りと支払いの状況 を示す資金収支表である。また、現金及び現金同等物の増減を一会計期間で示し、企業にど の程度の現金があるか示すものである。キャッシュ・フロー計算書では、会計期間における 資金の増減(収入と支出の状況)を業務活動、投資活動、財務活動の3区分に分けて表示す ることとなっている。 下水道事業本来の業務活動の実施によりどの程度資金を獲得したかを示す「業務活動によ るキャッシュ・フロー」では 10 億 484 万 1 千円を獲得したことになる。 将来の利益獲得のため設備投資にどの程度の資金を投入したかを示す「投資活動によるキ ャッシュ・フロー」では資金が 1 億 5,891 万 5 千円減少した。 業務活動や投資活動を維持するために行った資金の調達又は償還状況を示す「財務活動キ ャッシュ・フロー」では企業債償還により資金が 1 億 6,137 万 6 千円減少した。 当年度のキャッシュ・フローの状況をみると、下水道事業で獲得した 10 億 484 万 1 千円に ついて、設備投資で 1 億 5,891 万 5 千円、借入金返済で 1 億 6,137 万 6 千円を支出した結果、 6 億 8,455 万円の資金増となった。 以上の結果、3区分からの資金は、資金期首残高と比べて 6 億 8,455 万円(10.4%)増加 し、資金期末残高は 72 億 7,442 万 3 千円となった。当年度のキャッシュ・フロー計算書は、 次表のとおりである。

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18 【キャッシュ・フロー計算書】 (平成29年4月1日から平成30年3月31日まで) (単位:円) 1 業務活動によるキャッシュ・フロー(主要な営業活動によるキャッシュの増減) 当年度純利益 527,080,793 減価償却費 1,481,169,610 賞与引当金の増減額(△は減少) 8,513,000 貸倒引当金の増減額(△は減少) 612,000 固定資産除却費 3,466,919 長期前受金戻入 △1,021,978,440 受取利息及び配当金 △510,279 支払利息及び企業債取扱諸費 32,082,002 未収金の増減額(△は増加) △138,357,404 未払金の増減額(△は減少) 143,128,607 その他流動負債の増減額(△は減少) 47,584 小計 1,035,254,392 利息及び配当金の受取額 510,279 利息及び企業債取扱諸費の支払額 △30,923,599 業務活動によるキャッシュ・フロー 1,004,841,072 2 投資活動によるキャッシュ・フロー(設備投資や資産の運用によるキャッシュの増減) 有形固定資産の取得による支出 △28,010,170 無形固定資産の取得による支出 △132,004,930 負担金による収入 1,100,000 投資活動によるキャッシュ・フロー △158,915,100 3 財務活動によるキャッシュ・フロー(資金の調達や借入金返済によるキャッシュの増減) 建設改良目的企業債の償還による支出 △161,375,945 財務活動によるキャッシュ・フロー △161,375,945 資金増加額(又は減少額) 684,550,027 資金期首残高 6,589,873,018 資金期末残高 7,274,423,045

(23)

19 5 むすび 多摩市下水道事業の設置等に関する条例に基づき、地方公営企業法の規定を適用した初めて の決算については、次のとおりである。 営業収益が 23 億 5,389 万円、営業費用が 28 億 1,557 万円で、営業損益は 4 億 6,168 万 1 千 円の損失となり、営業外収益は 10 億 4,269 万 4 千円、営業外費用は 4,548 万 6 千円で、経常 損益は 5 億 3,552 万 7 千円の利益となった。これに特別損失 844 万 6 千円を加えると総収益が 33 億 9,658 万 4 千円、総費用が 28 億 6,950 万 3 千円となり、平成29年度の事業実施におけ る純損益は、5 億 2,708 万 1 千円の純利益を計上した。 当年度の主な工事としては、建設改良事業に該当する工事はないが、平成30年度以降に実 施する雨水管渠整備事業として、連光寺6丁目地内雨水管整備に係る実施設計が行われた。そ のほか保存工事として、管渠更生等補修工事、路面補修工事等に伴う鉄蓋交換工事などが実施 された。 汚水施設の人口に対する普及率は 99.99%、水洗化率は 99.79%となっている。また、当年度 末における管渠総延長は、汚水が 311.5km、雨水が 227.8 km の合計 539.3 km となった。 収益性については、総費用が総収益によってどの程度賄われているかを示す総収支比率は 118.4%で黒字となり、事業運営の基本となる汚水処理原価と使用料単価との関係では、経費回 収率が 145.1%となり、下水道使用料収入で汚水処理費が賄われている。 財政状態をみると、短期的な支払能力を示す流動比率は 1,318.6%、経営の健全性を示す自 己資本構成比率は 96.5%、固定資産の取得財源の面から財務の安全性を見る固定資産対長期資 本比率は 80.6%となっており、財政状態を示す各指標はいずれも良好である。 以上のように財政状態の良否を判断する財務比率や資本の状況等からすれば、下水道事業の 経営は健全であるといえる。しかし、下水道使用料収入の対象となる有収水量は、節水意識の 定着や節水機器の普及、機能の向上等により前年度より減少している。その一方で、地震対策 や施設・設備の更新需要の拡大、老朽化による維持管理費などの支出増加が避けられない状況 となっている。 下水道は、生活環境の改善や公衆衛生の向上、河川等の公共水域の水質保全、都市の健全な 発展等に欠くことのできない施設であり、市民生活を支える重要な社会基盤である。 今後の下水道事業については、人口に対する普及率が 99.99%と高水準に達していることや 機器類の節水機能の向上等により、下水道使用料収入の大きな増加は期待できる状況ではなく、 下水道管渠等の耐震化や老朽化した管渠の更新など維持管理の費用の増大が見込まれる。こう した状況を踏まえ、経営状況が良好な現時点で、平成23年3月に策定した「下水道プラン

(24)

20 2011」に加えて、将来を見据えた下水道施設に係る長寿命化(ストックマネジメント)計 画及び経営戦略を策定することとしているので、財政負担の平準化を見据えて、公営企業の理 念に基づき効率性、経済性を発揮して計画的かつ着実な取組みを進めてもらいたい。 下水道事業が官公庁会計から公営企業会計へ移行することによって、財務諸表等で経営成績 や資産、負債の状況を的確に把握し、より効率的かつ効果的な事業運営と経営の安定化に向け た取組みを望むものである。 また、市民が安全で快適な生活を送るため、生活環境の改善、公衆衛生の向上や河川などの 水質保全、浸水対策の整備を計画的に進めるとともに、下水道施設の耐震化や管渠の劣化状況 に応じた改築・改修に引き続き努められたい。 以上

参照

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