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為 である. 第 二 に, 依 頼 がなされた 場 合, 依 頼 を 受 けた 側 はそれを 引 き 受 けないと 依 頼 者 に 嫌 われてしま うのではないかと 感 じる.つまり, 依 頼 には,Brown & Levinson がいうところの 積 極 的 面 子 (Positive face)

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Academic year: 2021

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1 .はじめに

 日本語学習者と日本語で会話をする際,流暢である にもかかわらず不適切,場合によっては不快な感じを 受ける表現を耳にする場合がある.その原因としては 様々なことが考えられるが,大きく関わってくる原因の ひとつに「ポライトネス」という人間関係を円滑にす るための言語ストラテジーがあると考えられる.特に, 日本語学習者の語彙や文法能力が高くなればなるほど, コミュニケーション能力の中でも待遇表現やポライト ネスに関する語用論的知識が必要となってくる.確か に,日常のコミュニケーションにおいて,伝達内容そ のものも大切であるが,それを相手にどのような言語 表現で伝えるかということも重要である.このことから 日本語におけるポライトネスの知識を身につけコミュ ニケーションを図ることが日本語学習者にとって極め て重要であると考えられる.そこで,この調査では, 日本語学習者の依頼表現の使用例をポライトネスの観 点から分析し,外国人への日本語教育に役立てること を目的として,依頼表現データの収集と分析を行った.

2 .研究目的

 本研究では,日本語母語話者と日本語学習者におけ る依頼表現の話し言葉を調査比較したいと考える.特 に,依頼表現について,日本語学習者の発話において 母語と日本語とで違いはあるのか,また,依頼する相 手(上下・親疎関係)によって表現の違いがあるのか を母語と日本語で比較・分析し解明したい.これらの 研究目的を達成することにより,少なくとも,(Ⅰ) 日本語の依頼表現を使用する際,学習者の母語がどの ように干渉するか,(Ⅱ)明らかな上下関係が自分と 聞き手の間にある場合,対等な場合と比べてどのよう な発話の違いが見られるか,の 2 点が明らかになると 考えられる.

3 .依頼表現

3 . 1 .依頼表現の定義と構造  蒲谷・川口・坂本(1998)は,「依頼表現」を,自 分の利益になることを相手が行動し,決定権を相手が 持つ表現であると捉えている.  「依頼表現」は,前置き・本題・終結という構造を持つ. 前置きには,「よびかけ」「謝罪」「状況説明」「理由説 明」などがある.日本語母語話者の場合,この前置き の部分で,相手の状況を探ったり,本題に入る前のポ ライトネスストラテジーを使っていると考えられる. 3 . 2 .ポライトネス  ポライトネスに関して詳細に検討したBrown &  Levinson(1987)によると,依頼という行為は相手の 「面子(face)」を脅かす行為の最も典型的な例として 挙げられている.この「面子」という概念を用いて依 頼行為がどのようにして行われるかを考察すると,次 の 2 点の特徴が観察される.第一に,依頼は自分の利 益のために,他者の領域を侵害して,他者に行為をさ せようとする行為である.そのため,依頼は,Brown  & Levinson  の「消極的面子(negative face)」,すな わち他者に邪魔されたくないという欲求を脅かす行

報  告

日本語学習者の依頼におけるポライトネスストラテジー

-日本語学習者の母語と日本語の比較-

和 田 由 里 恵

1)

, 堀 江   薫

1)2)

, 北 原 良 夫

1)2)

, 吉 本   啓

1)2)* 1)国際文化研究科,2)高等教育開発推進センター *)連絡先:980-8576 宮城県仙台市青葉区川内41 東北大学高等教育開発推進センター

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為である.第二に,依頼がなされた場合,依頼を受 けた側はそれを引き受けないと依頼者に嫌われてしま うのではないかと感じる.つまり,依頼には,Brown  & Levinson  がいうところの「積極的面子(Positive  face)」,すなわち,他者に受け入れられたい,好かれ たいという欲求を脅かすという側面もある.  このように二つの側面で相手のフェイスを脅かす依 頼という行為においては,なるべくその「面子を脅か す行為(Face Threatening Act)」を和らげようとして, さまざまな配慮がなされる.そのため,日本人母語話 者は多くの場合,直接的な依頼表現ではなく間接的な 依頼表現を用いる,または,前置きをして相手に気を 使わせない,自分の状況を察してもらう,断りやすい 表現を使う,といった方法を用いて,自分と相手のフェ イスを調節・維持しようとする.  ポライトネスストラテジーは言語によってどのよう にちがうのか,またその母語のストラテジーは第二言 語学習にも影響するのか.第二言語を習得する場合, すでに学んだ言語(母語)に関する規則,発音,文 法,言語行動などがそのまま持ち込まれることが多々 ある.敬語表現をもち文法的に近いといわれる韓国語 を母語とする人と,文法的にも遠いといわれる中国語 を母語とする人の間に違いがあらわれれば,母語の影 響があると考えられる.

4 .研究内容

 山岡・李(2004)によれば,日本語母語話者は,負 担の度合いにかかわらず上下関係にある場合や,あま り親しくない相手に対しては,「依頼」を言い出す前に, 「突然ですが」「急にすみませんが」などの「お詫び・ 謝罪型」表現を前置きとして使用し,突然依頼用件を 言われた被依頼者への配慮を表す傾向がある.このよ うな依頼の表現は,上下関係に表現の違いがある韓国 人日本語学習者は習得しやすいが,上下関係に表現の 違いのない中国人日本語学習者は習得が難しいのでは ないかと考えられる.

5 .研究方法

 前節で述べた研究目的を達成するために,本研究で は,話し言葉における依頼の際の表現に焦点を当て, 母語と日本語における相違点を明らかにする.調査手 順は概ね以下の通りである.  調査対象は,中国人日本語学習者18名,韓国人日本 語学習者 6 名の計24名である.調査対象を中国語母語 話者と韓国語母語話者としたのは,異なる母語をもつ 学習者の間でどのような母語の転移があるかを比較す るためである.一般に,韓国語の文法は日本語と最も 近く,中国語は遠いとされている.これらの言語の, 日本語との言語距離が異なることから,母語の影響に よるか否かの検証が可能である.  調査内容は,話し言葉における依頼の際の発話を回 答してもらうというものである.   5 種類の状況を設定し,その状況においてどのよう に発話するかを記入してもらう. 相手への負担度が小さいものから大きいものへ 5 つの 状況を設定した. A 1  ペンを借りたい A 2  借りる相手が使うかもしれない本を借りたい A 3  携帯電話を借りたい A 4  お金を借りたい A 5  紹介状を書いてほしい(先生のみ) 上記の設定において B 1  対等な関係で親しい B 2  対等な関係だが親しくない B 3  上下関係であるが親しい B 4  上下関係であり親しくない という 4 つの上下・親疎関係を想定して回答してもらう.  回答の依頼文を文の構造により,前置き部分,本題, 終結部分にわけ,前置き部分と本題の順番や表出方法 について分析する. C 1  本題 C 2  謝罪,本題 C 3  状況・理由説明,本題 C 4  謝罪,状況・理由説明,本題 C 5  状況・理由説明,謝罪,本題 C 6  前置き・本題 の 6 つの形にそれぞれを分類する.  山岡・李(2004)によれば,日本語母語話者の場合, 依頼の際に前置き部分で,まず相手に依頼をすること に対する謝罪表現をし,次いで状況説明または,理由

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説明をし相手への配慮を表現してから本題に入る場合 が多いが,中国人日本語学習者や韓国人日本語学習者 はどのような順番や配慮表現を使用して依頼の本題に はいるのか.また,相手への配慮として前置きで謝罪 表現を使用するのか.  上記の調査を行うことにより,日本語学習者が依頼 表現を使用する際に,どのような表現を使用するか, および母語とどのような相違点が見られるかが,ある 程度確かになると予想される.また,これにより,日 本語母語話者が日本語学習者と会話をする際に違和感 を感じる原因を明らかにすることができる.

6 .結果と考察

6 . 1 .韓国人日本語学習者の場合 6 .1 .1 .母語による依頼  韓国語母語による依頼において,相手への負担度の 低いA 1 「ペンを借りたい」の場合,対等な相手に対 しては,「ペンをかして」と,すぐに本題に入るケー スが66%と最も多い.しかし,あまり親しくない場合 や,上下関係にある場合には,「すみませんが」のよ うな謝罪のあとに本題に入る場合が66%~83%と多く なり,すぐに本題に入るケースが10%台に減っている.  A 2 「相手が使うかもしれない本を借りたい」の場 合には,対等で親しい相手に対しては,「すみませんが」 などの謝罪はなく,すぐに本題に入るケースが60%と 最も多く,対等で親しくない相手や上下関係にある相 手に対しては本を借りたい状況にあることを説明し て,依頼の本題に入っている場合が40%以上となる. この場合,説明の長さに差はあるものの上下・親疎関 係に関わりなく同様の依頼の仕方であった.  A 3 「携帯電話を借りたい」の場合は,対等で親し い場合,いきなり本題に入るケースか状況を説明して 本題に入るケースに分かれていた.しかし,上下関係 にある場合には,はじめに謝罪,次いで状況説明をし 本題に入っているケースが60%と増えてくる.  A 4 「お金を借りたい」の場合,対等な関係の場合 には親疎関係に関係なく,謝罪表現はなく,状況説明 をし本題にはいっているケースが60%になっている. 上下関係にある場合,特に親しくない上下関係のとき には,全員が丁寧に謝罪のあとの状況・理由説明を長 くし,本題に入っている.  A 5 「紹介状を書いてもらいたい」の場合,親疎関 係に関わらず,「お願いしたいことがあります」とい う前置きの次に状況説明などをして,本題にはいる ケースが60%であった. 6 .1 .2 .日本語による依頼  同じ状況で,韓国人日本語学習者が日本語でA 1「ペ ンを借りたい」という依頼を行う場合,「すみませんが」 や「悪いんだけど」といった謝罪のあとで本題に入る ケースが49%になり,謝罪を述べずに依頼本題に入る ケースは17%に減少した.また対等であまり親しくな い相手や上下関係にある相手に対しては,母語と同様 の数値が得られた.  A 2 「相手が使うかもしれない本を借りたい」の場 合,「もし使っていなかったら本を貸してほしい」と いう表現が最も多く60%だった.また,謝罪のあと に状況説明をし,本題にはいっているケースが40% であった.この場合状況説明のあとに謝罪という形も あった.  A 3 「携帯電話を借りたい」の場合は,対等で親し い相手に対しては,すぐに本題に入っているケースが 40%と多く,次いで,謝罪の言葉のあとに依頼本題, または,状況・理由説明のあとに依頼本題というケー スが20%程度ずつであった.そして,対等であるが親 しくない相手に対しては,「すみませんが」などの謝 罪のあとに依頼本題が最も多く,60%であった.しか し,上下関係にある場合,親しい相手に対しては詳し く状況を説明しているケースが60%で親しくない相手 に対しては20%であった.  A 4 「お金を借りたい」の場合には,韓国語での依 頼の場合,状況説明のあと本題にはいるケースが60% と多かったが,日本語での依頼の場合,謝罪をいれる ケースが多くなっている.  A 5 「紹介状を書いてもらいたい」の場合,韓国語 での表現とほぼ同様で,「お願いしたいことがあります」 という前置きにつづいて状況・理由説明をし本題に入 るケースが60%であった.このように見てくると,韓 国人日本語学習者は,母語の表現とほぼ同様の表現で 日本語でも依頼表現を使っているようである.唯一異

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なるのは,母国の対等で親しい友人という設定の場合 で,謝罪の言葉のあとに依頼という形は,少ないよう である. 6 . 2 .中国人日本語学習者の場合 6 .2 .1 .母語による依頼  中国語母語による依頼において,相手への負担度の 低いA 1 「ペンを借りたい」の場合,対等で親しい相 手には,はじめから「ペンを貸して」と本題に入る場 合が68.8%と最も多く,対等でも親しくない場合には, 依頼の本題の前に「すみませんが」などの謝罪の言葉 を述べる場合が62.5%と多い.また,上下関係がある 場合には,親疎関係に関わらず,謝罪の言葉のあとに 状況・理由説明をし本題に入る場合が最も多く50%程 度になっている.  A 2 「相手が使うかもしれない本を借りたい」の場 合でも対等で親しい相手の場合には,はじめから「本 を貸して」と本題に入るケースが50%と最も多かった. しかし,対等でも親しくない場合には,「すみませんが」 のような謝罪の言葉を述べたあとで依頼本題に入る ケースが37.5 %で,また謝罪の言葉の後で状況・理 由の説明を行ってから依頼本題に入るケースが31.3% とほぼ同数見られた.上下関係においては,親疎関係 に関わらず,謝罪,状況・理由説明のあとに依頼本題 に入るケースが最も多く,40%に近い数字であった.  A 3 「携帯電話を借りたい」の場合には,対等で親 しい相手の場合,状況・理由説明をして依頼本題に入 るケースが最も多く37.5%で,対等で親しくない相手 の場合は,謝罪,状況・理由説明,そして依頼本題に 入るケースが75%であった.上下関係にある場合,親 疎に関わらず謝罪,状況・理由説明のあとで依頼本題 に入るケースが45%前後と多かったが,状況・理由説 明のあと依頼本題に入るケースも35%前後と多かっ た.  A 4「お金を借りたい」の場合,対等で親しい場合は, 状況・理由説明をし,依頼本題に入るケースが最も多 く56.2%,対等で親しくない場合は,「すみませんが」 のような謝罪の言葉の後に,状況・理由説明をし,依 頼本題に入るケースが最も多く56.3%であった.上下 関係にある場合には,親疎関係に関わらず,謝罪の言 葉,状況・理由説明のあとに依頼本題に入るケースが 56%~75%と大多数を占めた.  A 5 「紹介状を書いてもらいたい」の場合には,上 下関係で親しい相手に対しては,はじめから依頼本題 に入るケースが25%,状況・理由説明の後に依頼本題 に入るケースも25%,そして謝罪の言葉,状況・理由 説明,依頼本題に入るというケースが若干多く31.4% であった.しかし,上下関係で親しくない相手の場合 には,謝罪,状況・理由説明のあとに依頼本題に入る ケースが50%で最も多かった. 6 .2 .2 .日本語による依頼  中国人日本語学習者が,日本語でA 1 「ペンを借り る」用件を対等で親しい相手に依頼する場合,前置き がなく本題に入るケースがほとんどで62.5%あった が,親しくない相手に対しては,謝罪の前置きのあと すぐに本題に入るケースが56.3%と最も多い.また上 下関係にある相手の場合は,親疎に関わらず,謝罪の あとに状況・理由説明をし本題に入るケースが43.8 % ~50%と多い.しかし,親しい先生の場合は,いきな り本題に入るケースも18.8%と多く見られた.  A 2 「本を借りる」依頼においては,対等で親しい 相手には,状況説明をし本題に入るケースが56.3%と 最も多い.対等でもあまり親しくない相手に対して は,謝罪してから本題に入るケースが37.5%で謝罪し たあとで状況説明をし本題に入るケースの31.3%と同 様の数字となった.上下関係にある場合は,親疎に関 わらず謝罪,状況説明,本題というケースがほとんど で50%以上であった.  A 3 「携帯を借りる」依頼の場合は,対等で親しい 相手へは,いきなり本題に入るケースが25%,状況説 明して本題にはいるケースが37.5%と合計すると多数 を占めた.対等で親しくない相手へは,謝罪,状況説 明,本題というケースが43.8%と最も多かった.上下 関係のある場合は,親疎関係に関わらず,謝罪,状況・ 理由説明,本題というケースが43%~50%と多数を占 めた.  A 4 「お金を借りる」依頼の場合,対等で親しい相 手の場合,状況・理由説明をして本題に入るケースが 最も多く37.5%であった.対等で親しくない相手の場

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合と上下関係にあって親しくない相手の場合は,謝罪, 状況・理由説明の後本題に入るケースが50%~62.5% と最も多かった.上下関係にあって親しい相手の場合 は,謝罪,本題と状況・理由説明,本題と謝罪,状況・ 理由説明,本題のケースにばらつきがあった.  A 5 「紹介状を書いてもらう」の場合,上下関係の 親疎に関わらず,本題から入るケースが18.8%見られ た.また全体的なばらつきが見られるという特徴が あった.その中でも他に比べ若干数値が多かったのは, 「お願いがあります」ではじまる場合で,30%前後の 数値であった.  以上のことから,中国人日本語学習者は,日本語に おける依頼の際には,母語よりも丁寧な表現を多く使 用していることがわかる.また依頼の際には,謝罪の 言葉がない場合でも,状況説明をする場合が多いこと が観察された. 6 . 3 .韓国人と中国人の母語による依頼の比較  韓国語で依頼の際にもっとも注意をしていると感じ た点は,上下関係であった.親疎関係については,親 しい相手も親しくない相手も同様の依頼表現をしてい るが,上下関係がある場合には,丁寧に謝罪の言葉を 述べ,次いで状況・理由の説明についても詳しく述べ てから依頼の本題にはいり,依頼本題のあとにもお礼 や再び謝罪の言葉を発話する場合が多い.  逆に中国語の場合には,あまり上下関係による差は なかった.ほとんど同様の表現が使用されており,ど ちらかというと依頼の負担度が高いと感じられる依頼 の際に上下関係にある相手への説明が長くなっている ようであった. 6 . 4 .韓国人と中国人の日本語による依頼の比較  韓国人日本語学習者は,日本語での依頼の際の発話 は,母語である韓国語とほぼ同様の発話になっている ようである.  それに対して,中国人日本語学習者は,日本語での 依頼の際には,母語での依頼よりもより丁寧な表現を 使っている場合が多いようである.また,母語では,「す みませんが」などを使用しない依頼の場合でも,日本 語での依頼の際には,「すみませんが」「申し訳ありま せんが」を多く使用している.

7 .今後の課題

 今回のアンケートでは,日本語と母語の表現を同時 に記入してもらったため,日本語の表現が母語に影響 を与えてしまっている可能性がある.そこで,次回は, 母語による表現だけのアンケートを行いどのような違 いがあるかを再調査したいと考える.また今回は,日 本語学習者の母語と日本語の依頼表現の比較を行った が,この後,日本語母語話者にも同様のアンケート調 査をし,日本語母語話者の依頼における表現と日本語 学習者における依頼の表現の違いを分析する.また, 状況・理由説明の中で使われる文体についても詳しく 調査し日本語教育に役立てたいと考える.

謝辞

 本研究の調査は,東北大学高等教育開発推進セン ター,平成19年度高等教育の開発推進に関する調査・ 研究経費(研究課題名「日本語学習者の作文誤用例デー タベースの構築」)の支援を受けて行われております. [ 参考文献 ] 蒲谷宏・川口義一・坂本惠(1998)『敬語表現』大修館書店 山岡政紀・李奇楠(2004)「依頼表現の日中対照研究」北 京大学日本文化研究所・創価大学文学部(編)『日本語 言文化研究』第 5 集,p.131-160,北京学苑出版 山下みゆき(2000)「日本語学習者の意見文における前置 き表現の使用の実際」 第 8 回国立国語研究所国際シンポ ジウムにおける口頭発表.国立国語研究所,東京 Blum-Kulka, S., House, J. and Kasper, G., eds., (1989) 

Cross-Clutural Pragmatics: Requests and Apologies, Norwood, N. 

J. : Ablex

Brown,  P.  &  S.  C.  Levinson  (1987) Politeness: Some Universals in Language Usage. Cambridge: Cambridge 

University Press

Kasper, G. (1992) `Pragmatic Transfer.’Second Language Research, Vol. 8, No. 3, 203-231

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韓国人母語による依頼ー本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人日本語による依頼ー本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人母語による依頼ー謝罪、本題 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人日本語による依頼ー謝罪、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人母語による依頼ー状況・理由説明、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人日本語による依頼ー状況・理由説明、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人母語による依頼ー謝罪、状況・理由説明、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人日本語による依頼ー謝罪、状況・理由説明、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状

対等で親しい

対等で親しくない

上下関係で親しい

上下関係で親しくない

付録

韓国語母語話者における依頼

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韓国人母語による依頼ー状況・理由説明、謝罪、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人日本語による依頼ー状況・理由説明、謝罪、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人母語による依頼ー前置き、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 韓国人日本語による依頼ー前置き、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人母語による依頼ー本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人日本語による依頼ー本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人母語による依頼ー謝罪、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人日本語による依頼ー謝罪、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状

対等で親しい

対等で親しくない

上下関係で親しい

上下関係で親しくない

中国語母語話者における依頼

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中国人母語による依頼ー状況・理由説明、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人日本語による依頼ー状況・理由説明、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人母語による依頼ー謝罪、状況・理由説明、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人日本語による依頼ー謝罪、状況・理由説明、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人母語による依頼ー状況・理由説明、謝罪、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人日本語による依頼ー状況・理由説明、謝罪、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人母語による依頼ー前置き、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状 中国人日本語による依頼ー前置き、本題 0 20 40 60 80 100 ペン 本 携帯電話 お金 紹介状

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