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Microsoft Word - 修士論文 小松晃明 #3376B5.doc

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(1)

クラミドモナスにおける

tRNA 型 polⅢプロモーターによる RNAi 誘起

RNAi induction by inverted repeat silencer construct bearing a tRNA‐type promoter in Chlamydomonas.

修士論文

高知工科大学 工学研究科基盤工学専攻 物質・環境システム工学コース

(2)

序論・・・・・・・・・・・・・ 1− 3 頁 材料と方法・・・・・・・・・・ 4− 13 頁 結果と考察・・・・・・・・・・ 14− 16 頁 まとめ・・・・・・・・・・・・ 17 頁 今後の実験・・・・・・・・・・ 17 頁 参考文献・・・・・・・・・・・ 18 頁 謝辞・・・・・・・・・・・・・ 19 頁 図表・・・・・・・・・・・・・ 20− 26 頁

(3)

[ 序論 ] 特定の遺伝子の発現を人為的に抑制させる事で、固体もしくは細胞レベルで の遺伝子機能の解析をすることが可能になる。RNAi は2本鎖 RNA の導入によ り、RNA と相補的な配列を持つ遺伝子の特異的な発現抑制が引き起される現象 であり、線虫によりそのメカニズムが明らかにされた。RNAi 反応は現在では、 分裂酵母を含む真菌類からヒトを含む哺乳類と広範な真核生物で見出されてお り、ウイルスに対する防御反応のひとつとして真核生物が出現した初期に確立 したプロセスといえる。 RNA 干渉反応は細胞内に 2 本鎖 RNA が導入されるとダイサーと呼ばれる RNaseⅢ様のリボヌクレアーゼによって二本鎖 RNA は 3’末端から約 21 23bp 塩基対の大きさに切り出しされsiRNA が生じる。siRNA はアルゴノートタンパ クをコンポーネントとしたRISC と呼ばれるタンパク複合体に取り込まれ RNP 複合体を形成する。この複合体はsiRNA と相補的な mRNA に結合して mRNA を切断することによって転写後抑制が引き起こされる。陸上植物ではこれに続 いた経路として、siRNA のアンチセンス鎖が mRNA に結合し、RNA を鋳型と するRNA 合成酵素(RdRP)の作用によって二本鎖 RNA が形成されることで二次 的なRNAi 効果が生じる。RNAi を人工的に誘起する手法として、人工的に合 成したRNA を細胞に直接導入するか、二本鎖 RNA を転写するコンストラクト を細胞に組み込む方法がある。 単細胞緑藻クラミドモナスは光合成機能を持つ真核モデル生物で、RNAi 経 路に関る重要なタンパクであるダイサーの遺伝子が3 つ、アルゴノートが 3 つ、 そしてRdRP が無い。RdRP が無いクラミドモナスで RNAi を人工的に誘起する には、二本鎖RNA を転写するコンストラクトをゲノムに組み込む手法が効果 的であると考えられる。RNAi 誘起コンストラクトの構造はターゲットとする mRNA の配列のセンス配列とアンチセンス配列をリンカーを介したインバーテ ッドリピート(IR) 配列に DNA コンストラクトを設計することで、転写された 産物はヘアピン構造の二本鎖RNA を形成し、ダイサーの標的になる。 しかし、クラミドモナスではヘアピンRNA を転写するようなコンストラク トをゲノム中に導入してもRNAi 効果は一過的で不安定なノックダウンしか実 現できない事例が現在まで報告されている。鞭毛を構成するタンパクであるセ ントリンに対して、IR を polⅡで転写される転写活性が高い rbcS2 プロモータ ーを使用してIR を転写し RNAi を誘起して鞭毛消失を行ったところ、体細胞分 裂を繰り返すと鞭毛の復活が起こることが報告されている。 本研究室でも、スペクチノマイシン(spc)耐性賦与遺伝子である aadA に対し

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rbcS2 プロモーターで aadA の ORF の N 末端の一部を除くほぼ全域(770bp)を IR に配置して RNAi を誘起した RNAi37 株では、継代培養を繰り返した際、RNAi 効果は変動することを確認している。バイサルフェイト処理を行いIR 内のメ チル化を確認したところ、RNAi 効果が高い株で CG 配列中の C の 15.3%、RNAi 効果の弱いでは53.4%のメチル化の蓄積を確認している。 そこで、本研究ではクラミドモナスでRNAi 法を用いて、安定かつ強力に標 的遺伝子を不活性化させる事を目的に実験を行った。クラミドモナスにおいて 強力なRNAi を長期にわたり誘起するには、DNA がメチル化されても転写頻度 が落ちることなく、なおかつ転写が完遂されることが必須である。RNAi37 株 ではノーザンハイブリダイゼーションによりヘアピンRNA が多量に検出され る事より、転写されたヘアピンRNA が核外に輸送されずに核内に蓄積してい ると考えられる。これより、ダイサーは核内には存在せず、転写されたヘアピ ンRAN が核外に効率的に輸送される事も必須であると分かる。また、標的 aadA 内にメチル化の蓄積がないことから、siRNA 依存的なメチル化の転写抑制も無 いと考えられる。 上記の事を踏まえて、本実験ではIR を転写するポリメレースを従来の polⅡ からpolⅢに変えて RNAi を誘起した。polⅢはスプライシングや翻訳に関わる 比較的低分子のRNA を転写するポリメラーゼで、タンパク質をコードする RNA を転写するpolⅡより転写量が多い事が知れている。polⅢで転写される 5SrRNA 遺伝子は陸上植物ゲノム中ではメチル化が蓄積している事よりpolⅢの転写は poⅡに比べメチル化に左右されにくい事が考えられる。ヒト細胞で tRNA プロ モーター直後にIR 構造を導入して RNAi を誘起した際ヘアピン RNA が核外に 効率よく輸送された報告がある事より、tRNA の核外輸送系に乗ったヘアピン の核外輸送を期待してtRNA プロモーターを選択した。 tRNA 遺伝子のプロモーター配列は tRNA 遺伝子の内部とすぐ上流に存在す る領域である。PolⅢは上流の TATA box と tRNA 遺伝子内部に高度に保存され たAbox と Bbox 配列を認識・結合し TTTT シグナルまで転写する。tRNA 前駆 体は5’側と 3’側が切断され後、成熟 tRNA となる。本研究では、tRNA の輸送 経路に乗ったヘアピンRNA の核外輸送を期待している為、3’端に連結された ヘアピンRNA が tRNA から切り離されてしまう事は弊害になる。そこで、tRNA のアクセプターステム部位を改変することにより3’側の切断が行われなくなる という報告を参考にした。使用するtRNA はクラミドモナスセンターのコドン 使用頻度表を元に使用頻度が高いアスパラギン酸のtRNA を使用して、アクセ プターステム領域を改変したプロモーターを6 種設計した。

アクセプターステム部位を改変したtRNA 遺伝子の下流に aadA 5’側 ORF の 150bp で構成した IR DNA 配列を連結した RNAi 誘起コンストラクトをガラス

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ビーズ法でaadA 遺伝子がすでに導入されている 19P-(1030)株に導入した。得ら れた二次形質転換体から、導入コンストラクトが1 コピーで完全長導入された 株のみをサザンハイブリダイゼーション法により選抜した。次に、得られた株 をスペクチノマイシン含有寒天培地にスポッティングし、RNAi 効果を薬剤含 有プレート上での成長速度の差として検出した。 結果として6 種全てのコンストラクトで RNAi の誘起が認められたが、RNAi 効果は同一のコンストラクトでも異なることが分かった。これは、クラミドモ ナスではDNA コンストラクトがゲノム中にランダムに導入される為、RNAi 効果の違いは位置効果による転写量の違いに起因すると考えられる。また、同 一のDNA コンストラクトが導入された株を継代培養後に再クローン化すると、 サブクローン毎にRNAi の効果に変動が見られる株とそうでない株が存在した。 これは、polⅡ同様に DNA のメチル化が polⅢによる転写にも影響を及ぼした 結果であると考えられる。しかしながら、今回得られた株でRNAi37 株では得 られなかった様な強力にRNAi が誘起された株が得られた。その株は 24 回の体 細胞分裂を経ても安定的にRNAi を誘起できた。これより、polⅢ系 tRNA プロ モーターを使用したRNAi 誘起コンストラクトは従来の polⅡプロモーターに比 べ実用可能なツールとして使用できると言える。

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材料と方法 ] 培地組成 TAP培地(すべて1ℓ あたりの表示) Tris 2.42 g TAP salts 25 ml Phosphate solution 0.375 ml Hutner trace elements 1.0 ml 酢酸 1.0 ml

N-Free TAP

TAP培地組成のTAP SaltsのNH4Cl 15gをKCl 15gに変えたKCl-TAPSaltsを 用いてTAP培地を作成。 TAP salts (すべて1ℓ あたりの表示) NH4Cl 15 g MgSO4・7H2O 4.0 g CaCl2・2H2O 2.0 g Phosphate solution (すべて1ℓ あたりの表示) K2HPO4 28.8 g KH2PO4 14.4 g

Hutner trace elements(すべて1ℓ あたりの表示) EDTA, disodium salt 50 g

ZnSO4・7H2O 22 g H3BO3 11.4 g MnCl2・4H2O 5.06 g CoCl2・6H2O 1.61 g CuSO4・5H2O 1.57 g (NH4)6Mo7O24・4H2O 1.10 g FeSO4・7H2O 4.99 g

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寒天培地

TAP    1l Bacto-aga  10g

薬剤    X(以下)

ampicillin sodium(amp) (Wako) stock solution : 100 mg/ml

TAP/amp:100 _g/mlのampicillinを含むTAP Zeocin (zeo)(Invitrogen)

100 mg/mlの濃度で販売しているのでこれをstock solutionとして使用。 TAP/zeo X : X _g/mlのZeocinを含むTAP

Spectinomycin dihydrochloride(spc) (sigma) Stock solution : 100 mg/ml

TAP/spec X : X _g/mlのspectinomycinを含むTAP

DNA construct の作成

RNAi 誘起コンストラクトはターゲットとする aadA mRNA の下流 150bp(スタ ートコドンのA を+1 として 52bp)をリンカーを介して IR 配列になる様に設計 した。また形質転換体のセレクションマーカーとしてゼオシン(zeo)耐性賦与遺 伝子であるble が連結されている。ble のプロモーターは rbcS2 でありその転写 方向はIR とは逆向きである。

使用するtRNA は Chlamydomonas center のコドン使用頻度表をもとに使用頻 度の高いアスパラギン酸tRNA を使用した。作成方法を以下に示す。

特定部位をPCR 法で増幅しそれをメガプライマー法により連結・ライゲーシ ョンすることによってDNA コンストラクトを作成した。PCR には正確性の高 いDNA ポリメラーゼである pyrobest を用い、プライマーは全て最終濃度 0.2µM で用いた。また増幅されたDNA 断片は PCR の後、PCR pulification kit で精製し た。アスパラギン酸tRNA 上流 60bp-MCS-ターミネーターを持つ断片を作成す る為にアスパラギン酸tRNA 上流 60bp を含む人工合成 DNAtRNA/fragmentA

[5’-TATCGAATTCAAGAGCTCTCATCTCCAGCATCCGCCTCGGTTGCAGAGTGACA ACTCGACTGCGGTCGAGAACGTTGAGTCGGAT-3’](2µM)と MCS (BamH I/Pst

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I/Mlu I/Bgl II)・ターミネーターを含む人工合成 DNA tRNA/fragmentB

[5’-CACCGCGGTGGCGGCCGCTTAAAAAGGACAAAACGGAAGATCTTCCGACGC GTCGCTGCAGTTGGATCCGACTCAACGTTCTCGA-3’](2µM)を

UP/MCS/term/Fnew プライマー[5’-TATCGAATTCAAGAGCTCTCATCTCCAG-3’] とUP/MCS/term/Rnew プライマー[5’-CACCGCGGTGGCGGCC-3’]で PCR を行い、 アスパラギン酸tRNA 上流 60bp(EcoR I)・MCS (BamH I/Pst I/Mlu I/Bgl II)・タ ーミネーター(Not I)

[5’-TATCGAATTCAAGAGCTCTCATCTCCAGCATCCGCCTCGGTTGCAGAGTGACA ACTCGACTGCGGTCGAGAACGTTGAGTCGGATCCAACTGCAGCGACGCGTC GGAAGATCTTCCGTTTTGTCCTTTTTAAGCGGCCGCCACCGCGGTG-3’]持った DNA 断片を作成した。(図 1)

増幅されたDNA 断片を EcoR I と Not I で切断してセレクションマーカーで あるble が導入された pSP124s(Lumbreras et al.,1997(a))のプロモーター上流(AGT のA を+1として-175 部位)に導入する。(図 2)次に EcoR I と BamH I で切断 してtRNA/fragmentA 部位を除いた。 アクセプターステムが改変されたtRNA プロモーター断片は以下のようにし て作成した。 (以下、アクセプターステムとなる配列は下線で示す)。アスパラギン酸tRNA 配列を人工合成した断片[5’-GTCGTCATCGTATAGTGGTCAGTATCCCTGCCTGTCACGCAGGAGGCCGGGG TTCGATTCCCCGTGACGGC-3’]をテンプレートにして PCR によってアクセプ ターステムを改変した。改変パターンと作成方法は以下に示す。 Type I はアクセプターステム 7 bp を改変しないままプロモーターとして利用 した。プライマーセットはGAGAAC 配列を付加した tRNA/Asp/F1/new プライ マー[5’-GAGAACGATGAGTCGTCATCGTATAGTGG-3’]と BAmH I サイトが付 加されたtRNA/Asp/R1[5’-TTGGATCCGCCGTCACGGGGAAT-3’]で PCR を行っ た。Type Ⅱはアクセプターステムの構造部位 7 bp がミスペアとなるように改 変した。プライマーセットはtRNA/Asp/F1/new プライマー[5’-GAGAACGATGAGTCGTCATCGTATAGTGG-3’]と tRNA/Asp/nostem/R[5’-TTGGATCCATTATTCGGGGAATCGAACC-3’]で PCR を行った。Type Ⅲはアク セプターステムの構造部位2 bp をミスペアにしたプロモーターを作成した。プ ライマーセットはtRNA/Asp/F1/new プライマー[5’-GAGAACGATGAGTCGTCATCGTATAGTGG-3’]と tRNA/Asp/5bpstem/R[5’-TTGGATCCGTGCGTCACGGGGAATCGA-3’]で PCR を行った。Type Ⅳはアク セプターステムの構造部位を14 bp にしたプロモーターを作成した。プライマ ーセットはtRNA/Asp/F1/new

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プライマー[5’-GAGAACGATGAGTCGTCATCGTATAGTGG-3’]と tRNA/Asp/14bpstem/R[5’-TTGGATCCACGATGAGCCGTCACGGGGAAT-3’]で PCR を行った。Type Ⅴは アクセプターステムの構造部位の配列を全て変え、下から6・7 をミスペアに し、その上に7 bp を付加したプロモーターを作成した。プライマーセットは tRNA/Asp/M14-2/F1[5’-GATGATGATGACTCGTATAGTGGTCAGTAT-3’]と tRNA/Asp/M14-2/R1[5’-ATGAATATGACCGGGGAATCGAACCC-3’]で 1st PCR を した後、tRNAAsp/M14-2/F2new[5’-AGAACGATGATGATGACTCGTATAGTGGTC-3’]と tRNA/Asp/M14-2/R2[5’-TTGGATCCACGATGAATATGACCGGGGAAT-3’]で 2nd PCR を行った。Type Ⅵ はアクセプターステムの構造部位の配列をヒトのval tRNA に変えたプロモー ターを作成した。プライマーセットは tRNA/Asp/Val/F1[5’-TTGGTTTCCGTAGTGTCGTATAGTGGTCAG-3’]と tRNA/Asp/Val/R1[5’-GTTGGTTTTTGTAGTGCGGGGAATCGAACC-3’]で1st PCR を行い、 tRNA/Asp/Val/F2new[5’-AGAACGATGAGTTGGTTTCCGTAGTGTCGT-3’]と tRNA/Asp/Val/R2[5’-TTGGATCCGTTGGTTTTTGTAGTGCGGGGA-3’]で 2nd PCR を行った。これらの作成したtRNA プロモーターを tRNA/fragmentA の 3’と連 結して、EcoR I と BamH I で切断した後、EcoR I と BamH I で切断した

tRNA/fragmentB と連結した(図 3)。

次にセンスaadA 150bp、linker GFP 106bp、アンチセンス aadA を PCR で増幅 した。センスaadA は aadA 全域が導入されたプラスミド p679(Cerutti et al., 1997(a)) をテンプレートに5 に BamH I サイトが付加された’tRNA aadA/sense/F プラ イマー[5’-AAGGATCCGGTAGTTGGCGTCATCG-3’]と 5’にリンカーGFP 配列の 8 bp を付加した tRNA aadA/sense/R

プライマー[5’-GCAGCACGGCTCGCCGCGTTGTTT-3’]で PCR を行い作成した。アンチセンス aadA は p679 をテンプレートに 5’に EcoR I を付加した tRNA aadA/anti/F プライ マー[5’-TTGAATTCGCTCGCCGCGTTGTTT-3’]と 5’に MluI と KpnI サイトを付 加したtRNAaadA/anti/Rnew

プライマー[5’-AAGGTACCACGCGTGTAGTTGGCGTCATCG-3’]で PCR を行い作成した。リン カーGFP は pErCrGFP(Entelechon GmbH)をテンプレートに aadA 配列の 8 bp とサイトを付加したtRNAlinkerGFP/F

プライマー[5’-CGGCGAGCCGTGCTGCTGCCCGA-3’]と EcoR I を付加した tRNAlinkerGFP/R プライマー[5’-CGCGGAATTCGGTGACGAACTCCAGC-3’] で PCR を行い作成 した。センスaadA とリンカーGFP の2つの断片を PCR によって連結した後、 アンチセンスaadA 断片を EcoR I サイトでライゲーション(Ligation kit

(TAKARA))を行ってセンス aadA− GFP− アンチセンス aadA 断片を作成した(図 4)。作成したIR 断片を tRNA(Asp)上流 60bp-MCS-ターミネーター配列が導

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入されたプラスミッドのMCS サイトに BamH I と Mlu I で消化して IR 断片を クローニングした。作成したコンストラクトは大腸菌内で大量に増殖させ回収 した。  この様にして6 種のアスパラギン酸 tRNA を持った RNAi 誘起コンストラク トを作成した(図5,6,7,)。 19P(1030) 野生株のクラミドモナス (cc-124)に p-(1030)カセットが導入された株。この 株はスペクチノマイシン耐性賦与遺伝子aadA が導入された株で、スペクチノ マイシンを300µg/ml を添加した寒天培地上でも安定的なスペクチノマイシン耐 性を示す。Chlamydomonas genetic center より分与された。

GLE の調整 ガメトライシン(GLE)とはクラミドモナスの接合時に分泌される細胞壁溶 解酵素で形質転換時の細胞のプロトプラスト化に使用する。そしてCC-620mt+、 CC-621mt-は接合率が高い株として単離された株である。GLE の調整方法を以 下に示す。 まず、CC-620mt+、CC-621mt-をそれぞれ 500ml の三角フラスコを用いて TAP 200ml で対数増殖期まで培養する。培養した細胞を 200ml の遠心チューブに移 した後、遠心(4,000rpm 8 分)して細胞を集める。集藻した細胞をそれぞれ 400ml のN-Free TAP 培地で 20 時間培養する。遠心(4,000rpm 8 分)して細胞を集め、20ml のN-Free TAP 培地に溶かす。溶かした CC-620mt+、CC-621mt-を 500ml の三角 フラスコで混ぜて1 時間放置する。次に 50ml のコニカルチューブに移し、遠 心(5,000rpm 10 分)し、上澄を新しいコニカルチューブに移した後、再度遠心 (5,000rpm 10 分)する。遠心した上澄をフィルター(MILLIPORE Millex 0.45µm)で フィルター滅菌を行った液をGLE 液として使用する。 ガラスビーズによる19P(1030)核ゲノムの形質転換 ガラスビーズ法は微細なガラスビーズにより細胞膜に物理的に穴を開け、そ こからDNA を導入させる方法である(Chlamydomonas center text)。手法は以下 に示す。

2 106cell/ml まで培養した 19P(1030)株 50ml を遠心(3,000rpm-5 分)し、細胞 を集め、上精を捨て、沈殿したペレットをTAP 培地 600µl に縣濁する。そこに

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3.5ml の GLE を加え 30℃で 45 分置き、細胞をプロトプラスト化させる。次に 遠心して細胞を集め、TAP 培地で 2 度洗い、TAP 培地 500µl に縣濁する。縣濁 した細胞に直径0.5mm の滅菌されたガラスビーズ 300mg、PEG100µl、Kpn I で 切断したコンストラクトDNA 1µg を加え 20 秒ボルテックスし、TAP 培地 5ml を加え、6 時間培養する。PEG には細胞毒性あるので、培養後は細胞を遠心し た後、TAP 培地で 2 度洗うことで、PEG を除去する。ゼオシン 10µg/ml 含有寒 天培地にまき1 週間明所下でセレクションを行う。 PCR チェック用トータル DNA の回収 トータルDNA は SDS-phenol 法を用いて回収した。 10ml のチューブで培養した細胞を遠心(8000rpm-3 分)し集める。集めた細胞 にSDS-EB(2% SDS, 400mM NaCl, 40mM EDTA pH8.0 , 100mM Tris-HCl

pH8.0)800µl,proteinase-K(invitrogen)4.8µl を入れ、ボルテックスした後、65℃ で1 時間インキュベートする。

次にPCI(フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール 25:24:1)0.8ml を入れ30 分攪拌した後、遠心(5000rpm-5 分)し、上清を新たなチューブに移 し変える。等量の2 プロパノール入れて攪拌した後、遠心(15,000rpm-20 分)し、 沈殿したDNA を 70%エタノールでリンスし、TE バッファー(10mM Tris-HCl pH8.0,500mM EDTA pH8.0)に溶かす。

PCR による DNA コンストラクト導入の確認

PCR により ble とリンカーを増幅させ、電気泳動で確認、双方にバンドが出 た株のみを選択した。

ble の確認 は ble F プライマー [5’-GATGGCCAAGCTGACCAGCGCCGTTC-3’]と ble R プライマー[5’-TTAGTCCTGCTCCTCGGCCACGAAGT-3’]で 528bp を 検出した。リンカーの確認はtRNAlinkerGFP/F プライマー

[5’-CGGCGAGCCGTGCTGCTGCCCGA-3’]と tRNAlinkerGFP/R プライマー[5’-CGCGGAATTCGGTGACGAACTCCAGC-3’]で 118 bp を検出した。

サザンブロッティング用トータル DNA の調整

トータルDNA の回収方法は Current Protocols in Molecular Biology のプロトコ ル(PREPARATION OF PLANT DNA USING CTAB)に従って行った。手法は以 下に示す。

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得られた形質転換体をTAP 培地 50ml で対数増殖期まで培養し、遠心 (3,000rpm-5 分)で細胞を集め、ペレットを TEN バッファー (10mM Tris-HCl, 10mM EDTA,150mM NaCl pH8.0)で二度洗浄し、細胞を回収する。集めた細胞 にSDS-EB 800µl,proteinase-K 4.8µl を加え、65℃ 30 分インキュベートする。 等量のPCI を加え、30 分 攪拌した後、遠心(10,000rpm-5 分)し、上精を新たな チューブに移し変える。そこに等量のCIA (クロロホルム:イソアミルアルコ ール 24:1) を加え 30 分 攪拌した後、遠心(10,000rpm-5 分)し、上精を新た なチューブに移し変える。上清を65℃に温め、そこに 1/7vol の 5M NaCl と 65℃ に温めたCTAB/NaCl(10%(w/v) CTAB,0.7M NaCl)をその 1/10vol 加えよく混ぜ る。白濁した溶液に等量のCIA を加え、5 分振盪した後、遠心(5,000rpm-5 分) し、上清を新たなチューブに移す。そして、溶液と等量の CTAB precipitation バ ッファー(1%(w/v)CTAB,50mM Tris-HCl pH8.0,10mM EDTA pH8.0)を入れ 65℃ で1時間インキュベートする。この際、NaCl 濃度が 0.5M 以下であれば、CTAB とDNA が結合し、白い沈殿が生じる。その後、沈殿物以外の溶液を除き、500µl のHigh-salt TE バッファー(100mM Tris-HCl pH8.0,0.1mM EDTA pH8.0,1M NaC) を加え沈殿を溶かし、10mg/ml RNaseA(QIAGEN)2µl を入れ、56℃で 1 時間イ ンキュベートする。その後、エタノール沈殿を行い、1/10 TE バッファーに溶 かす。

DNA プローブの作成

DNA プローブは PCR DIG Probe Synthesis Kit(Roche 社製)を使用して作成 した。

aadA プローブは p679 をテンプレートに aadA probe /F プライマーCAGTGATATTGATTTGCTGGTT-3’]と aadA probe /R プライマー

[5’-TGGACAAATTCTTCCAACTGAT-3’]で aadA ほぼ全域 618bp を PCR ラベリング により作成した。

ble プローブはコンストラクトプラスミッドをテンプレートに ble F プライマ ー[5’-GATGGCCAAGCTGACCAGCGCCGTTC-3’]と ble R

プライマー[5’-TTAGTCCTGCTCCTCGGCCACGAAGT-3’] で 2nd exon から 3rd exon まで 528bp を PCR ラベリングにより作成した。

rbcS2 プローブはトータル DNA をテンプレートに rbcS2 DNA probe/F プライ マー[5’-GCAAGCTTGTACTACGACAACCGCTAC-3’]と rbcS2 DNA probe/F プラ イマー [5’-ATGAATTCCACGGAGCGCTTGTTGG-3’] で第 4 exon 224bp を PCR ラベリングにより作成した。

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サザンブロッティングによる確認により、コンストラクトのble 全域と RNAi 誘起コンストラクト全領域が1コピーのみ導入された株を選抜した。手法は以 下に示す。 制限酵素で完全消化したゲノムDNA 15µg をデシケーターで乾燥させた後、 TE バッファー 10µl に溶かす。溶かした DNA に 10 ローディングバッファー (TAKARA 製)2µl を加えてよく混ぜる。EtBr を含まない1%のアガロースゲル で電気泳動を行う。泳動条件は4℃、100v で BPB がゲル全体の2/3まで移動 した時に泳動を停止する。電気泳動が終了したら、ブロッティングバッファー (0.4M NaOH,1M NaCl)200ml にゲルを入れ、15 分振とうし、DNA の二本鎖 をアルカリ変性させ一本鎖にする。この作業を2度行う。メンブレンへのトラ ンスファーはキャピラリーブロットによって行った。ラップを敷いたトレイに ブロッティングバッファーを浸し、コの字型の台に3MM ペーパー(Whatman Chr)を敷き、3MM・ゲル・メンブレン(ハイボンドN+膜(Amersham 社製))・3MM 3枚・コンフォートペーパー・重り(500g)の順でセットし 16 時間トランス ファーを行う。使用したメンブレン・3MM は予め、ブロッティングバッファ ーで浸した状態でセットする。トランスファーが終わったメンブレンは、2 SSC(300mM NaCl,30mM C6H5O7Na3・2H2O)に3分浸した後、感熱滅菌機で 80℃ 30 分ベーキングし、DNA をメンブレンに定着させる。 ベーキングが終わったメンブレンは2 SSC に 5 分浸す。その後、メンブレ ンをシーリングバックに入れ、予め45℃にしておいたハイブリダイゼーション バッファー(ホルムアミド125ml,20 SSC 62.5ml,リン酸 H2 0.765g,リ ン酸Na2 2.73g,SDS 17.5g,10%ブロッキングバッファー50ml,トータル 500ml) 3ml を入れ、45℃のウォーターバスで 30 分プレハイブリダイゼーションを行う。 作成したDNA プローブ 2µl を PCR チューブに入れ、サーマルサイクラーで 95℃ -5 分変性させて急冷する。プレハイブリダイゼーション終了後、ハイブリダイ ゼーションバッファーを捨て、新たなハイブリダイゼーションバッファー2ml と変性させたDNA プローブを入れ、45℃で 16 時間ハイブリダイゼーションを 行う。 ハイブリダイゼーションを行った後、2 SSC,0.1%SDS 溶液でメンブレン を5 分振とうして洗う。この工程を 2 度行う。その後、予め 45℃に暖めた 0.1 SSC,10%SDS 溶液で 45℃15 分振とうし、非特異的に結合したプローブを 洗う。この工程を2 度行う。マレイン酸バッファー(0.1M マレイン酸,150mM NaCl,pH7.5)Tween-20 で3分振とうする。その後ブロッキング溶液(マレイ ン酸バッファー,10 blocking stock solution(スキムミルク 2g,10%Tween20 20ml, 10 PBS-20ml,滅菌水 160ml,トータル 200ml))20ml で、30 分振とうする。 その後、新たなblocking 溶液 20ml と抗体(Anti-Digoxigenin-AP, Fab

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fragments(Roche 社製))2µl を混ぜ、そこにメンブレンを入れ、30 分振とうする。 マレイン酸バッファー40ml,Tween-20 120µl で 15 分振とう。この工程を 2 度行 う。検出バッファー (0.1M Tris-HCl,0.1M NaCl,pH9.5)10ml で3分浸す。ハイ ブリバックに入れ、CDP-Star, ready-to-use(Roche 社製) を 0.5ml 入れる。CCD カ メラ(FujiFilm Las-1000)で検出を行った。 継代培養 形質転換で得られた株が継代培養に伴うRNAi 効果の変化の有無を確認した。 得られた株を約1年間amp 含有寒天培地上で継代培養を繰り返した。その株 を30ml の TAP 培地を入れた三角フラスコで液体培養しフルグロスさせる。フ ルグロスした細胞500µl を TAP 培地で 1/400 希釈した後、20µl を amp(100µg/ml) 含有寒天培地上に撒き、単一コロニー化させる。7 日後、単一化されたコロニ ーを無作為に8 コロニーピックアップする。 スポッティング 96 穴タイタープレートでサンプルの細胞をフルグロスさせた細胞を希釈 [(1/10・1/100・1/1000)又は(1/10・1/50・1/250)]し、各薬剤を含む寒天培地 に8µl をスポッティングする。スポッティング 7 日後・9 日後・10 日後に写真 を撮る。 RNA の回収 まずトータルRNA 回収用細胞の培養を行う。50mlTAP 培地で細胞を 100ml 三角フラスコを用いて振とう培養を行う。培養液50ml を 50ml コニカルチュー ブに移した後、8,000rpm 5min 遠心して細胞を回収する。培養液を捨て、TRIzol 1ml を加え穏やかに振りながらペレットを溶かす。8,000rpm 5 分遠心して上清を 2ml エッペンに移す。0.2ml の CIA を加え、15 秒振とうする。3 分放置した後、 12,000rpm‐15 分遠心する。上精を新たなエッペンに移し変え、0.5ml のイソプ ロパノールを加えてよく混ぜる。10 分 放置した後、12,000rpm 15 分遠心する。 生じたペレットを75%エタノールで洗って乾燥させる。滅菌水に溶かし、濃度 を測定する。 ノーザンハイブリダイゼーション

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サンプルRNA(ble mRNA 検出の場合はトータル RNA 15µg、rbcS2 mRNA 検 出の場合は3µg)を量り 7µl の超純水に溶かす。十分に溶かしたサンプルにロ ーディングバッファー[(ホルムアミド 25µl, 37%ホルムアルデヒド 8.3µl,20

MOPS バッファー 2.5µl,10 ローディングバッファー (TAKARA 社) 10µl, H2O 4.2µl,(Total 50µl)]5µl を入れよく混ぜる。1%の MOPS 変性アガロースゲ ル(1 MOPS バッファー,2%ホルムアルデヒド)で電気泳動を行う。泳動条 件は4℃、100v で BPB が全ゲル長の2/3に達するまで行う。 電気泳動が終了したら、20 SSC (3M NaCl,300mM C6H5O7Na3・2H2O)200ml にゲルを入れ、15 分振とうし、ホルムアルデヒドを抜く。この作業を2度行う。 メンブレンへのトランスファーはキャピラリーブロットによって行った。ラッ プを敷いたトレイに20 SSC を浸し、コの字型の台に 3MM ペーパーを敷き、 3MM ゲル, メンブレン, 3MM3枚, コンフォートペーパー, 重し(500g)の準 でセットし16 時間トランスファーを行った。使用したメンブレンと 3MM は予 め、20 SSC で浸してからセットする。トランスファーが終わったメンブレン は、2 SSC を浸した 3MM ペーパーにのせ、UV 照射を 4 分行い RNA をメン ブレンに定着させる。乾熱滅菌機で80℃ 30 分ベーキングする。 ベーキングが終わったメンブレンは2 SSC に 5 分浸す。その後、メンブレ ンをシーリングバックに入れ、予め45℃にしておいたハイブリダイゼーション バッファー3ml を入れ、45℃のウォーターバスで 30 分プレハイブリダイゼーシ ョンを行う。作成したDNA プローブ 2µl を PCR チューブに入れ、サーマルサ イクラーで95℃ 5 分変性をさせた後急冷する。プレハイブリダイゼーション 終了後、ハイブリダイゼーションバッファー捨て、新たなハイブリダイゼーシ ョンバッファー2ml と変性させた DNA プローブを入れ、45℃で 16 時間ハイブ リダイゼーションを行う。 ハイブリダイゼーションを行った後、2 SSC 0.1%SDS 溶液でメンブレン を5 分振とうして洗う。この工程を 2 度行う。その後、予め 45℃に温めた 0.1 SSC,10%SDS 溶液で 45℃15 分振とうし、非特異的に結合したプローブを 洗う。この工程を2 度行う。マレイン酸バッファー,Tween-20 で 3 分振とうす る。その後blocking 溶液 20ml で、30 分振とうする。その後、新たな blocking 溶液20ml と抗体 2µl を混ぜた後にメンブレンを入れ、30min 振とうする。マレ イン酸バッファー 40ml と Tween-20 120µl の混合液で 15 分振とうする。この工 程を2 度行う。検出バッファー20ml で3分浸した後にメンブレンをハイブリバ ックに入れ、CDP-star0.5ml 入れる。CCD カメラで蛍光検出する。 [ 結果と考察 ]

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RNAi 誘起コンストラクト完全長 1 コピー株の選択

作成したtRNA プロモーターRNAi 誘起コンストラクトをすでに aadA が導入 された19P(1030)株にガラスビーズ法を用いて導入した後、ゼオシン含有プレ ート上でセレクションを行った。DNA 回収後 PCR により ble とリンカーの検 出を行った(図8)。Type Ⅰで 37 株, Type Ⅱで 52 株 Type Ⅲで 30 株, Type Ⅳ で51 株, Type Ⅴで 53 株, Type Ⅵで 43 株の計 266 株得られた(表 1)。得られ た株の中からセレクションマーカーからIR aadA までの完全長 1 コピー導入さ れた株をサザンハイブリダイゼーションにより選抜した。まず、トータルDNA をApa I と Bgl Ⅱで切断し ble プローブで検出することで完全長(1770bp)の検出 を行った。次にApa I のみで切断し、ble プローブでコンストラクトのコピー数 の確認を行った。次に、ゲノムDNA を Apa I と Bgl Ⅱで切断して作成したメ ンブレンを用いてaadA プローブで RNAi ターゲットである aadA 遺伝子の検出 を行い、19P(1030)との比較をすることで、ターゲット aadA の欠損が無いこと を確認した(図8)。次に Eco T14 I で切断し、aadA プローブで aadA を検出し てIR のコピー数を確認した。

この様にしてRNAi 誘起コンストラクトが完全長Ⅰコピー導入された株を Type Ⅰで6 株,Type Ⅱで 6 株,Type Ⅲで 6 株,Type Ⅳで 8 株,Type Ⅴで 4 株, Type Ⅵで 3 株の計 33 株得た(表1)。 スポッティング 得られた形質転換体33 株を、amp 100_g/ml、zeo 10_g/ml、spc 100,200,300_g/ml 含有プレート上にフルグロスさせた細胞を1/10 希釈でスポットして spc 耐性の 低下を確認した。全てのType で spc 耐性の低下が見られたことより、6 種のコ ンストラクトは全てRNAi を誘起できることが確認できた(図 9)。しかし、ア クセプターステムが同一のコンストラクトでも得られた株によってspc 耐性の 低下が著しいものと、そうでないものが確認できた。 Type 1 の6株を液体培地でフルグロスさせ、amp・zeo・spc のいずれかを含 む寒天培地に1/10,1/100,1/1000 希釈でスポッティングした。その結果 zeo 含 有プレートでの生育とspc 含有プレートでの生育に逆相関関係にあることが分 かった(図10)。zeo 上の生育が良い株は spc 上では生育が悪い事から ble 及び IR コンストラクトの転写量が高い事が予測され、コンストラクトがゲノム中の 転写活性が高い領域に導入されたことが示唆される。ゲノム中のどこにコンス トラクトが導入されたかによって、RNAi 効果は異なることが考えられる。

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継代培養を繰り返したときの RNAi 効果の変動

polⅢ転写によって RNAi が誘起された細胞が分裂を繰り返した際の RNAi 効 果の変動を検証した。約一年間継代培養を繰り返した株を単一コロニー化して 無作為に8 クローンを選択してスポッティングした。全ての株をスッポッティ ングした結果、6 種全てのコンストラクトでクローン毎に zeo と spc 上で生育 度合いが変動している事が確認できた(図11)。

そして、Type Ⅲでは多くのクローンが zeo 上と spc 上での生育に逆相関関係 が現れた。中でもType Ⅲの strain3 はクローン間で zeo 上と spc 上での生育が 著しく異なっていた。IR は構造的にゲノム中では不安定であることが知られ、 継代培養を繰り返すことによってコンストラクトが欠損する可能性もある為、 PCR によって、ターゲット aadA を aadA probe /F と aadA probe /R のプライマー セット、リンカーをtRNAlinkerGFP/F と tRNAlinkerGFP/R のプライマーセット、 ble を ble F と bleR のプライマーセットで PCR を行い確認した。その結果、PCR チェックではType Ⅲの 8 クローンでは遺伝子の欠損は見られなかった。次に、 Type Ⅲの strain3 をノーザンハイブリダイゼーションにより ble DNA プローブ を用いて、ble mRNA を検出すると zeo の生育と正の相関関係が得られた。こ れはpolⅡの転写産物である ble mRNA 量が変動している理由として、ble 領域 のメチル化が頻度がクローン毎に異なっている可能性がある。表現系ではzeo とspc のグロス生育が逆相関関係にある事から、IR 領域内のメチル化頻度と ble 遺伝子内メチル化頻度は正の相関関係があると予測される。polⅢではメチル化 の影響を受けにくいと考えていたが、スポッティングの結果より、polⅢでも DNA のメチル化の影響を受ける事が示唆された。 表現系の数値化による6種のコンストラクトの優劣 表現系の数値化により6 種のコンストラクトの優劣を検証した。 得られた33 株を全てを単一コロニー化し、33 株 8 クローンを spc80,200, 300µg/ml を含む寒天培地にスッポッティングして 9 日後に観察した。spc 300µg 含有プレート上で生育する株をスコア3、200µg を 2、80µg を 1 として、生育 スコアの和をtype 別のスポッティング数で割り、type 別の平均生育スコアを示 した。(表)結果はType Ⅰが 1.875,Type Ⅱが 1.976,Type Ⅲが 1.666,Type Ⅳ が2.812,Type Ⅴが 2.343,Type Ⅵが 3.000 である。これより、type Ⅲが最も スコアが低く、RNAi が強力に誘発されていた(図 12)。

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見られ、Type Ⅳ,Ⅴ,Ⅵは RNAi の誘起は効果的では無い様に見られる。Type Ⅱ とType Ⅲに関してはアクセプターステムの改変による、3’切断が行われなく なり、ヘアピンRNA の核外輸送が効率的に輸送された事が考えられる。Type Ⅰ はアクセプターステムを改変していないことから、tRNA とヘアピン RNA は解 離されているが、切断されたヘアピンRNA が核外に輸送されている可能性が ある。また、Type Ⅳ,Ⅴ,Ⅵはアクセプターステムを 14bp と伸長した事によ って核外輸送がされていない事が考えられる。 polⅡとの比較 これまで述べてきたように、RNAi 効果を検証するには、1)ゲノム中に導 入される位置2),継代培養を繰り返した際のメチル化蓄積度合い,3)ヘア ピンRNA の核外輸送効率が上げられる。polⅢで RNAi を誘起しても以上の影 響により、効果には大きく変化することが考えられる。

本研究室でpolⅡプロモーターの中でも高い活性を持つ rbcS2 プロモーターを 用いてaadA 全域をカバーするような IR を転写して RNAi を誘起した RNAi37 株では、spc80 にスポットして 7 日後で生育しない様な強力に RNAi が誘起さ れた株は得られなかったのに対し、polⅢ転写ではいくつか得られた(図 13)(図 はTypeⅢの strain4)。 また、RNAi37 株では 24 回の細胞分裂を行った後、1/250 希釈した細胞を spc80µg/ml 含有培地にスポッティングを行い 10 日後に観察すると、スポット された株の中に大きなコロニーを形成する株現れた。それに対し、今回得たType Ⅲのstrain4 では一年にわたる継代培養を行っても RNAi 効果はクローン毎にほ ぼ一様であった(図14)。これは Type Ⅲの strain4 株では安定的に RNAi が誘 起されている事を示唆する。

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上記の結果より、pol Ⅲを用いても IR 配列特異的なシトシンのメチル化によ る転写抑制を受ける事が考えられる。また、RNAi 効果は誘起コンストラクト が導入されたゲノムの位置に左右される為、その強さと安定性の正確なpolⅡ との比較は困難であった。しかしType Ⅲでは RNAi37 株に比べ強力で安定的 なRNAi を誘起できる株が今回複数得られたことより、pol Ⅲ tRNA プロモタ ーを使用してRNAi を誘起する手法は有用であると考えられる。 [ 今後の実験 ] 現在までの実験では生育度合いによってRNAi 誘起を確認してきた。今後の実 験として確かにRNAi 誘起コンストラクトによって RNAi が誘起された事をノ ーザンハイブリダイゼーションによってsiRNA を検出することで確認する必要 がある。また、クローン毎のRNAi 効果の変動がシトシンのメチル化によるも のなのかを確認する事が必要である。 アクセプターステムを改変したコンストラクト毎の分子レベルでの比較を行 うなどの実験が必要である。本実験においてRNAi 効果を検証するには、1) 導入位置の違いによる転写量の違い,2)DNA のメチル化による転写抑制,3) 改変による転写活性の違いという要素が影響を与えると思われる。コンストラ クトの転写量についてはRan-on アッセイで調べることが可能であろう。tRNA の核外輸送系によって今回のRNAi コンストラクトの転写物が移送される効率 はDicer の突然変異体において細胞質内に蓄積されるヘアピン RNA 量を測定す ることで見積もれると思われる。 [ 参考文献 ]

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大濱武 教授、山崎朋人 博士(学術振興会特別研究員)にはこの研究を行う きっかけと数々の助言を頂きました。また北村直輝さん(本研究室4 回生)に はスポッティングデータを提供して頂きました。この場を借りてお礼を申し上 げます。

参照

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