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59 20 : 50 : : : : : 2 / :20 / 25 GTP /28 5/3 5/4 5/8 6/1 1 7kg 6/9 :178.7cm :68.55kg BMI:21.47 :37.3 :78 / :156/78mmHg 1

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Academic year: 2021

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症  例

症 例:59歳,男性 主 訴:食思不振,微熱,倦怠感 既往歴:20歳代:十二指腸潰瘍 50歳:喘息  2005年9月:鼠径ヘルニア 2006年1月:胃潰 瘍 2006年4月:突発性難聴 嗜 好:アルコール:缶ビール2本/週,喫 煙:20本/日×25年 家族歴:父:脳出血 母:脳梗塞 弟:自殺 現病歴:これまでγGTP高値以外に検診な どで異常を指摘されたことはなかった。2006 年1月腹痛出現し某病院に入院。胃潰瘍を認め た。同年4/28肩の痛みに対し鎮痛薬を服用開始 後5/3より下肢の紫斑,5/4より食思不振,5/8 より倦怠感,微熱出現,6/1同院に入院した。 貧血,低蛋白血症,1 ヶ月で約7kgの体重減少, 尿蛋白を認めており,6/9当科に転入院した。 入院時身体所見:身長:178.7cm,体重:68.55kg (BMI:21.47)体温:37.3℃,脈拍:78回/分(整), 血圧:156/78mmHg,頭頚部:眼瞼結膜貧血あり, 眼球結膜黄疸なし,甲状腺腫なし,表在リンパ 節腫脹なし,胸部:肺雑音及び心雑音を聴取せ ず,腹部:右鼠径ヘルニア術創あり,その他異 常所見なし,四肢:浮腫なし,両下腿に多発性 の点状紫斑あり 入院時検査所見(表 1):1日約0.3gの尿蛋 白,尿沈渣で赤血球が1視野に30-49個認めた。 少なく,低蛋白血症,高γ-グロブリン血症, Cr1.6mg/dLと腎障害も認めた。CRP1.84 mg/dL, 血沈75mm/Hrと炎症反応亢進,IgG 3538mg/dL, IgE1180mg/dLとポリクローナル高γ-グロブリ ン血症,抗核抗体160倍と陽性,抗血小板抗体 陽 性,PAIgG3580ng/107Plt,C1q50μg/mL, 血 清アミロイドA蛋白66.8μg/mL,可溶性IL-2 受容体3241U/mLと高値であった。骨髄穿刺の 結果,形質細胞の増加はなく異型性も認められ なかった。 胸部レントゲンで両側CP-angleはやや鈍であ り,両側肺門リンパ節の腫大を認めた(図1)。 胸部CTでは縦隔内リンパ節の腫大(図2)と 両側腋窩リンパ節の腫大(図3)を認めた。 胸腹部CTでは,両側に胸水(図4),右葉に おける肝腫大と脾腫(図5)を認めた。 腎生検所見:PAS,PAM染色で確認できた 糸球体5個中1個は硝子化に陥り,2個に管外 性増殖性変化を認めた(図6)。PASにて軽度 のメサンギウム増殖性変化を認めた(図7)。1 個の糸球体で分節状に軽度の管内増殖性変化を 認めた(図8)。 管外性増殖性変化を認める糸球体周囲に形質 細胞を含む炎症細胞浸潤を認めた(図9)。検 体組織の一部で形質細胞の比較的多い部分を 認めた(図10)。Masson染色で間質の線維化 や尿細管の萎縮は軽度であった(図11)。細動 脈周囲の炎症細胞浸潤及び白血球の核崩壊を

多彩な臨床所見を呈したキャッスルマン病類似疾患に伴う腎炎の一例

菅 沼 信 也  金 光 峰 子  木 暮 照 子

小 俣 正 子  佐 藤 昌 志  

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(図12)。PAM染色にて係蹄にスパイク形成や GBMの断裂等は認めなかった(図13,14)。各 種免疫染色を行ったところ,間質における浸 潤細胞に細胞増殖能の指標とされているKi-67 陽性の細胞を認めた(図15)。酵素抗体法にて IgAがGBMに軽度陽性であったがIgM,IgGは 陰性であった。 以上より組織診断は間質の細胞浸潤を伴う半 月体形成性腎炎が考えられたが,採取された糸 球体が5個と少なく,蛍光抗体法及び電顕とし て提出した検体に糸球体が含まれておらず,確 定診断には至らなかった。 皮膚生検所見(図 16,17):下腿紫斑の皮 膚生検の結果,免疫染色にてIgA,IgM,IgGいず れも陰性で,血管周囲に単球,リンパ球,好中 球の浸潤を認めるものの血管炎の所見も認めず アナフィラクトイド紫斑の診断であった。 経過(図 18):6/15に腎生検施行後,6/17よ りPSL40mg/日の投与を開始した。その後症状 の劇的な改善が得られ,IgG,可溶性IL-6受容 尿検査 pH 5.0 比重 1.005 Prot 1 + Glu -OBR 3 + 沈渣 赤血球 30-49 /HPF 白血球 5-9 /HPF 扁平上皮 0-1 /HPF ガラス円柱 多数 上皮円柱 1-4 /HPF 尿定量 UV 1300 ml/day Prot 0.292 g/day 尿糖 0 g/day β2MG 306 μg/L BJ-Prot (-) 生化学検査 TP 7.9 g/dL Alb 2.5 g/dL T.Bil 0.6 mg/dL TTT 9.2 Ku ZTT 27.5 Ku AST 20 IU/L ALT 11 IU/L ALP 400 IU/L LDH 427 IU/L γ-GTP 85 IU/L CK 19 IU/L BUN 20.2 mg/dL Cr 1.6 mg/dL UA 11.3 mg/dL Na 137 mEq/L K 3.8 mEq/L C l106 mEq/L Ca 7.5 mg/dL P 3.6 mg/dL 蛋白分画 Alb 36.7 % α1-gl 3.3 % α2-gl 6.2 % β-gl 5.6 % γ-gl 48.2 % 血算 WBC 7340 /mm3 Hb 9.5 g/dL Ht 27.6 % Plt 7.0 万/mm3 MCV 85.8 fl MCH 29.5 Pg MCHC 34.4 % 血清学的検査 CRP 1.84 mg/dL ESR 75 mm/hr ferritin 244 ng/mL IgG 3538 mg/dL IgA 240 mg/dL IgM 55 mg/dL IgE 1180 mg/dL ANA 160 × RF 1 U/ml CH50 11 IU/L C3 12 mg/dL C4 0.8 mg/dL 抗dsDNA抗体 5 U/mL 抗Sm抗体 1 倍 MPO-ANCA 1.3 EU PR3-ANCA 4.4 EU 抗血小板抗体 (+) PAIgG 3580 ng/107Plt C1q 50 μg/mL SAA 66.8 μg/mL M蛋白 (-) 腎機能 24hrCcr 48.6 ml/min サイトカイン 可溶性IL-2R 3241 U/ml 糖代謝 HbA1c 5.6 % 骨髄像 有核細胞数 109000 /μl 形質細胞 1.2 % 異型性 (-) 心電図 正常洞調律 心拍数 78 /分 異常Q波 (-) 表 1.入院時検査所見

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体の低下,腎機能の改善,尿蛋白の減少が得ら れた。高γ-グロブリン血症,胸水,脾腫,全 身のリンパ節腫大などを認めたことよりキャッ スルマン病を疑い,ステロイド開始12日後の 6/29左腋窩リンパ節生検を実施した。その結果, リンパ節の基本構造は保たれており,濾胞間 組織にシート状ではないものの形質細胞を認め た(図19,20)。一部の濾胞においてのみ杯中 心へ侵入する血管を認めた(図21)。濾胞間組 織において著明な血管増生を認めた(図22)。 免疫染色にて形質細胞のマーカーであるκ鎖 とλ鎖が共に陽性であったが,形質細胞のモノ クロナリティーは認めなかった(図23)。臨床 的には多中心型キャッスルマン病(Multicentric Castleman’s disease:MCD)が考えられた。MCD は杯中心への軽度の血管増生及び濾胞間組織に 多くの形質細胞を認める(図24)1)。しかし,本 症例は杯中心へ進入する血管や濾胞間組織に浸 潤する形質細胞が少なく,ヒト化抗IL-6受容体 抗体の投与適応の有無決定のため大阪南医療セ ンター臨床検査科の中塚伸一先生にも診て頂い たが,キャッスルマン病の診断には至らず,原 因不明の反応性リンパ濾胞過形成と診断された。 ス テ ロ イ ド 開 始2週 間 後 も 血 中 のIL-6は 11.9pg/mLと高値であったが,ステロイドを継 続し,尿蛋白は陰性化し,低蛋白血症,貧血の 改善得られ,血中IL-6 1.4pg/mLと正常化が得 られた。しかし,ステロイド減量に伴い,再び IgG,可溶性IL-2受容体,アルブミンの低下傾 向,炎症反応の軽度上昇を来している。 図 1 図 2 図 3

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図 4 図 5 図 6 図 7 図 8 図 9

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図 10 図 11 図 12 図 13 図 14 図 15

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図 16 図 17 図 18 図 19 図 20 図 21

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図 22 図 23 図 24

考  察

キャッスルマン病においては,様々な自己抗 体が出現することが知られており,通常は慢性 炎症及びIL-6の骨髄における巨核球分化促進 により血小板増多を認めることも多いが,本例 では陽性であった抗血小板抗体に起因する血小 板減少2),これに伴う一過性の紫斑をきたした ものと考えられた。 Ki67染色がキャッスルマン病を含むリンパ 増殖性疾患の診断にも有用とする報告3)があ り,腎間質で陽性であったことからリンパ増 殖性疾患の可能性も考えられた。リンパ節生検 実施がステロイド開始12日後であり,リンパ 節生検結果はステロイドによる修飾も考えられ た。従って,ステロイド投与開始前にリンパ節 生検を行っていれば,MCDの診断が得られて いた可能性が考えられた。 ステロイド開始後,血清IL-6値の正常化とと もに尿潜血,尿蛋白の消失,腎機能改善が得ら れており,IL-6異常産生が腎炎にも関連したこ とが示唆される。 ステロイド開始後低補体血症の改善を認めた MCD症例が報告4)されている。本例において は,低補体血症,特に補体価はステロイド開始 後も全く変化がないが,その理由については不 明である。ステロイド減量に伴い,血清IL-6値 の上昇,貧血及び腎障害の再燃は認めていない ものの,炎症反応,IgG,可溶性IL-2受容体の 上昇,アルブミンの低下傾向を来しており,今 後注意を要するものと考えられた。

まとめ

多彩な臨床所見を呈したキャッスルマン病類 似疾患に伴う腎炎症例を経験した。リンパ節生 検を実施したのがステロイド開始後であり,リ ンパ節生検結果はステロイドによる修飾も考え られた。

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参考文献

1)東原正明,ほか.:Multicentric Castleman's dis-ease(MCD)―その病態についての最近の知 見―.臨床血液.;33(Ⅱ):1649-1660,1992 2)西本憲彦.:キャッスルマン病の病態と抗

IL-6受容体抗体を用いた治療.血液フロン ティア.;16(5):749-755, 2006

3)RJ Bryant, et al.:Ki67 staining pattern as a diag-nostic tool in the evaluation of lymphoproliferative disorders. Histopathology.;48(5):505-515, 2006 4) 秋元寛正,ほか.:細線維沈着を伴い膜性増 殖性糸球体腎炎様病変を呈したmulticentric Castleman's diseaseの1例.日腎会誌.;40(4):301-308, 1998

討  論

松井 ありがとうございました。キャッスル マンというのは非常に少ない病型かと思います けれども,臨床的にはキャッスルマンに非常に likelyであった。ただ,biopsyしてみたら,い まひとつはっきりしなかったかなというところ だと思いますけれども,どうでしょうか,今ま での中でご質問はありますでしょうか。では, まず向こうの先生から,はい,どうぞ。 角田 横浜栄共済病院の角田ですけれども。こ の方はシェーグレンのSS-A,SS-Bと,あとそ ういう症状はなかったのかというのは,いかが でしょうか。 菅沼 特に症状はございませんでした。一応 念のため,抗SS-A抗体と抗SS-B抗体をともに 測っておりますけれども,陰性でありました。 角田 われわれも同じような症例を持って,来 年のリウマチ学会で発表しますけれども,最 近注目されているのが,IgG4関連増殖性疾患 で,シェーグレンのような病態を呈するのです けれども,間質性腎炎とかリンパ節が腫れたり だとかというようなことがあるのだけれども, SS-A抗体とSS-B抗体も陰性で,自己免疫性疾 患は否定できる。だけれども,その中にIgG4 で免疫染色するとIgG4が染まるというような 疾患があるので,多分それに非常に近い疾患だ と思いますので,ぜひご検討されたらどうかと 思います。 菅沼 分かりました。残念ながらIFはできな かったのですけれども,PAPではIgGは陰性で した。ただ,IgG4とか,そういったサブタイ プについては検討しておりませんので,今後, 機会がありましたら,それもやってみたいと思 います。 松井 原先生,どうぞ。 原 虎の門病院の原ですが,私ももう少し若い 女性の方なのですが,同様な症例を経験してい ます。キャッスルマンという診断をつけるには, 最終的には病理組織診断が必要であり縦部腫瘍

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の組織も採ってみましたが,またリンパ節から もキャッスルマンとは診断できないというケー スだったのです。  SLEの場合に稀にnonspecificのlymphadenopathy でリンパ節が非常に腫れる状態を経験すること があるのですね。私どもの症例はリンパ節の生 検でキャッスルマンとは言えないので,どちら かというとSLEに近い病態で,胸膜炎を起こし たり,それからserositisを起こしたりで,極め て似ています。  この方は実は皮膚生検をやっていらっしゃい ますね。epidermal-dermal junctionのところに, 免疫グロブリンとか補体とか,沈着はありませ んでしたでしょうか。そういうものがもし沈 着していれば,SLEの皮膚病変と考えられると 思います。先ほどIgG4というのでシェーグレ ンとの関連もあるというようなご説明があった のですが,SLE的に近い病態とは考えられない のかなというような印象があって,たまたま似 た症例を経験しておりましたのでうかがいまし た。 菅沼 SLEの診断基準に関しましては,血液異 常と尿異常,それから免疫異常は間違いなく あって,さらに胸水もありましたので,それは 漿膜炎ととれば,一応診断基準を満たします。 皮膚生検の結果では,先ほどお示ししましたよ うに,IgG,IgA,IgMに関しましては陰性であ りまして,補体についてはやっていないと思う のですけれども。そんなところでした。 原 どうもありがとうございます。 松井 はい,先生,どうぞ。 平和 横浜市大の平和です。SLEというのはな かなか難しいのですが,男性のSLEでこうい う感じですぐに薬が効く人というのはあまり経 験がないので,どうなのかなというのをちょっ と思いました。キャッスルマン類似ということ で質問させていただくと,ウイルス感染がよく 関係しています。この症例ではウイルスの抗体 価がどうかちょっと分からなかったのですが, 感染のチェックはどうでしたでしょうか。 菅沼 そうですね,感染症も最初は合併も疑い まして,各種培養は行ってはいるのですけれど も,そういった血中の抗体価については測って いません。海外では確かにherpesvirusの8です か,HHVの8が陽性であったり,HIVが陽性の 症例で特にこのキャッスルマン病が出てくると いう報告はありますけれども,日本ではそうと も限らないことも多いようなので,血清学的に は調べていないです。 平和 はい。分かりました。 松井 よろしいでしょうか。ほかに何かご質問 ありませんでしょうか。  そうしましたら,では,次に病理のほうに移 らせていただいてよろしいでしょうか。重松先 生,よろしくお願いします。 重松 なかなか難しい症例で。糸球体の数が ちょっと少なかったり,IFとかEMができな かったというのが,まあ原因の一部になってい るかもしれませんけれども,あまりclear-cutな 結論がちょっとつけにくいところです。 【スライド01】 お示しになられた,治療をやっ たあとのリンパ節の生検ですけれども,ちょっ と濾胞などは萎縮していますけれども,この 周りの新生血管ですね,この周りはかなりの hyalinousな変化があるので,ある程度キャッス ルマン類似のhyaline vascular-typeの病変を僕は 類推できると思います。 【スライド02】 そして,形質細胞などがある ということを先生はお示しになったわけです。 確かにそうです。そのほかにやはり何か変な異 型の細胞が結構あるのですね。だから,僕はこ れはキャッスルマンよりも,さらに何かリンパ 腫的なものが少し潜んではいないかというふう な気がいたしました。 【スライド03】 それで糸球体を見て,3つちゃ んとした糸球体があったのですけれども,み んなこういうふうな管内増殖性の変化を示して いました。一つだけcrescentになっているのが

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間質にも細胞浸潤があります。問題の一つは糸 球体にある細胞が,もし異型の細胞であれば, 今日の第1例目みたいな,ああいう糸球体に腫 瘍細胞が浸潤して,何か特異な腎臓の症状を呈 したというふうな形を考えることもできるので はないかというふうにも思いました。 【スライド04】 こういうふうにきれいに管内 にいますね。第1例みたいにmesangiolysisを起 こすほどのすごい変化ではありませんけれど も,明らかに管内増殖の変化はあると思います。 【スライド05】 これもそうですね。部分的に はかなり強い浸潤があるわけで,分葉の状態ま では行っていると思います。 【スライド06】 これも同じですね。3つほぼ同 じような変化だと言うことができると思いま す。 【スライド07】 一部はこういう癒着などもあ りますから,ある程度の糸球体障害があるよう な管内増殖性の腎炎があるということです。 【スライド08】 これは1つだけあったcrescentic な変化ですけれども,これは,残っている糸球 体の中にも,わずかですけれども,管内性の変 化がちょっとありますので,これもその経過で できたものだと言えるかどうか,まあちょっと なかなか難しいところがあります。間質にはか なり立派な細胞浸潤がありますね。 【スライド09】 この出てきている細胞が腫瘍 細胞なのか,キャッスルマンのlymphomaで見 られるような反応性のリンパ球の浸潤なのかと いうことですね。そのmonoclonalityを証明しけ ればいけないのですけれども,それがちょっと できないということです。 【スライド10】 CD3という形で見ますと,糸 球体の中にはちょっと見られないですね。周り には結構あるということですね。 【スライド11】 それからCD79,これも糸球体 の中の細胞には染まってきませんので,やはり 異型のリンパ球というか,そういうリンパ球型 の細胞が糸球体内に増えているのではない。 【スライド12】 これはUCHL,T細胞ですね。 これも間質にはあるのだけれども,糸球体の 中には有意に増殖しているとは,ちょっと言い がたいということです。ということで,わたし はこの病変は,何か感染を受けて,リンパ節も キャッスルマンlymphomaというか,キャッス ルマンのgiant follicular lymphadenopathyという ふうな反応性の変化がおきている。糸球体の変 化も,何か感染が関わっているのではないかと 思うのです。先ほどウイルスはどうかというよ うな話もありましたけれども,何かそういうふ うな感染症に伴った糸球体変化があるのではな いかと,そういうふうな印象を受けました。以 上です。 松井 ありがとうございます。山口先生,お願 いします。 山口 私はズルをしまして,実は帝京大の病 理の森(茂郎)先生にリンパ節を見ていただ きました。森先生自身がつくられた疾患概念で すので,本人に聞くのが一番で,「multicentric Castleman's diseaseでいい」というお墨付きを いただいた。 【スライド01】 2つ切片がある。腎周囲の結合 織で,massiveな炎症細胞浸潤がある。 【スライド02】 糸球体に,endocapillaryな増殖, あるいは内皮細胞も随伴して増えている感じが しました。間質性腎炎か,よく分からないが, massiveに領域的な,plasma cell主体で,リンパ 球も混ざって,密集している。 【スライド03】 糸球体には外来性の細胞が混 ざって,endothelの腫大が目立っている。キャッ スルマンで,IL-6とともにVGFも恐らく出て くると思うので,VGFもぜひ測っていただき たかったと思います。何かのcytokineが出たこ とによって,少し反応しているという印象です。 【スライド04】 間質のには形質細胞やリンパ 球増生が見られ,好酸球は僅かに認められます。 【スライド05】 糸球体には酵素抗体法ではIgs の沈着は見られません。 【スライド06】 B-cellマカー(CD79α)では 陽性細胞の浸潤がかなり認めます。

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【スライド07】 腎周囲組織への炎症細胞の密 集浸潤が見られます。 【スライド08】 その強拡大では,形質細胞が 主です。 【スライド09】 リンパ節の弱拡大では,リン パ実質の腫大と血管周囲線維化が見られます。 【スライド10】 postcapillary vemuleの増生が目 立ち,苦縮した二次細胞を認めます。 【スライド11】 腎型性のある形質細胞増生が 見られます。  以上,病理診断はMCDに伴う尿細管間質性 腎炎と腎周囲炎であり,糸球体はMPGN-likeな 病変を示した。

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重松先生 _01 重松先生 _02 重松先生 _03 重松先生 _04 重松先生 _05 重松先生 _06 重松先生 _07 重松先生 _08 重松先生 _09 重松先生 _10 重松先生 _11 重松先生 _12 山口先生 _01 山口先生 _02 山口先生 _03

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山口先生 _04 山口先生 _05 山口先生 _06 山口先生 _07 山口先生 _08 山口先生 _09 山口先生 _10 山口先生 _11

図 4 図 5 図 6 図 7図 8図 9
図 10 図 11 図 12 図 13図 14図 15
図 16 図 17 図 18 図 19図 20図 21
図 22 図 23 図 24 考  察 キャッスルマン病においては,様々な自己抗 体が出現することが知られており,通常は慢性炎症及びIL-6の骨髄における巨核球分化促進により血小板増多を認めることも多いが,本例では陽性であった抗血小板抗体に起因する血小板減少2),これに伴う一過性の紫斑をきたしたものと考えられた。Ki67染色がキャッスルマン病を含むリンパ増殖性疾患の診断にも有用とする報告3)があり,腎間質で陽性であったことからリンパ増殖性疾患の可能性も考えられた。リンパ節生検実施がステロイド開始12日後であ

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