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Overseas Fishery Cooperation Foundation of Japan
評価報告書
― 2010 年度 研修生受入事業 ―
( 評価実施―2011 年 3 月:事業終了時 )
〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 漁船員養成(乗船)コース 受入国 及び受入人数 1 か国 (ミクロネシア連邦): 8名 研修期間 及び 研修場所 2010 年 5 月 17 日~2011 年 1 月 7 日 (236 日間) 一般研修: 5 月 17 日~8 月 6 日 ( 82 日間):日本水産㈱能力開発センター 技術研修: 8 月 7 日~1 月 7 日(154 日間):(社)海外まき網漁業協会所属まき網漁船 上位目標 関係途上国の沖合・遠洋漁業の振興と我が国遠洋漁業の維持・継続 研修目標 部員クラスの漁船乗組員の育成 期待された成果 まき網漁業の基礎知識及び船上における甲板漁労技術が習得される。 研修内容 1)一般研修: 学科講義(日本語基礎会話、まき網漁業の基礎的技術理論) 漁具取扱い実技(漁網修理、ロープ・ワイヤーの結索技術) 漁船機関及び船体保守作業実技 2)技術研修: まき網漁船での漁労実習(漁労技術及び漁船上の労働生活慣習) 関係途上国の研修生に対して「漁船乗組員としての資質」及び「漁労活動に従事するための 基礎能力」の習得を主眼とした研修を実施することにより、関係途上国の沖合・遠洋漁業の振 興に貢献し、当該国との漁業協定等漁業協力関係の存続・維持に寄与する支援プログラムであ る。 また、研修生 OB の我が国漁船への乗船により、漁船員不足に悩む我が国かつお・まぐろ漁業 を支援する。乗船コース
投 入 1)財 団 側 投入内容 人的な投入(講師等) 物的な投入(研修資材等) 一般研修 計5名 (日本語講師及び漁労技術 等の講師・専門家) ・日本語テキスト ・まき網漁具資材(魚網、ロープ・ ワイヤー等) ・漁船機関・船体保守資材(溶接 機材、機関モデル等) 技術研修 各実習船に1名の指導員 実習船に装備されている漁具、漁 労機器、航海計器類等を使用し た。 事業費 21百万円 2)受入対象国側 投入なし
1) 受入れ実施の妥当性
ミクロネシア連邦は、かつお・まぐろ漁業の開発振興を国の重要な政策としている。また国 内に就業の場が少ない若年層の雇用促進策の一環として、我が国の遠洋漁船(特にまき網漁船) への乗り組みを推し進めている。 本研修は、部員クラスの漁船乗組員の育成を目標としており、ミクロネシア連邦政府の漁業 振興政策及び若年層雇用促進策を人材育成の観点から支援するもので、妥当であった。2) 研修生選定の妥当性
研修生の選定基準は、18 歳以上 30 歳未満、高等学校卒業以上またはこれと同等の学力を有 すること、心身ともに健康で漁船乗組員になることを希望している者とした。 上記選定基準は、本コース研修で実施する学科講義の水準に見合う学力や乗船実習に求めら れる意欲及び体力を定めたものであり、研修目標である「部員クラスの漁船乗組員(の育成)」 に求められる一般的な資質である。 従って上記選定基準に基づき行われた研修生の選定は、研修目標との整合性が十分に認めら れ、妥当であった。妥当性
評 価 事 項
3)研修内容の妥当性
一般研修は、乗船実習の準備のためのまき網漁業知識及び日本語基礎会話訓練を学科講義で、 また船上で必要とされる漁網修理やロープ・ワイヤーの結索技術及び漁船機関・船体保守技術 を陸上で実習した。 技術研修は、まき網漁船に乗組み、各船の漁労長等が指導員となり、甲板部員に必要な漁労、 操船等の技術実習を行った。また、漁労等技術以外にも、船内での労働・生活慣習を習得した。 以上の一般及び技術研修内容は、まき網漁船の甲板部員に必要なまき網漁業知識及び甲板漁労 技術であり、研修目標である良質な部員クラスの漁船乗組員(の育成)の資質に直結するもの で、妥当であった。妥当性の総合評価
研修生受入国の人材育成ニーズを充足するため設定された研修目標と研修生選定方法及び研修内 容との整合性が認められ、かつ我が国かつおまぐろ漁船の乗組員ニーズにも合致しており、本研修 コースの実施については、十分な妥当性があった。研修の効率性
一般研修は、日本語講師を交代制で常時 1 名、漁労技術等の講義と実技には、分野別の専門 家4名を配置した。また、研修施設は、漁船員の技術訓練に使用されているものであり、教材 等も、予定している各学科講義あるいは実技に対応するものを準備した。 技術研修は、近海や遠洋海域でかつお・まぐろを漁獲対象とする我が国まき網漁船において、 当該漁船の漁労長や士官が指導員となり、実践的な指導体制をとった。 このように研修の効率性を左右する人的及び物的投入は、所定の研修期間及び予算の中で、 研修成果としてまき網漁業の基本知識の付与及び甲板漁労技術の習得を達成したので、本研修 の効率性は、十分高かったと判断される。研修目標の達成度
受け入れた研修生は、前述のとおり研修目標に適合する者を選定しており、研修内容及び研 修実施のための人的、物的投入も適切であった。期待された成果である「まき網漁業の基本知 識及び船上における甲板漁労技術の習得」も十分と認められ、研修目標は十分に達成されたと 判断される。目標達成度
効率性
上位目標に対するインパクト
研修目標である部員クラスの漁船乗組員の育成が達成されたことにより、ミクロネシア連 邦の沖合・遠洋漁船あるいは船員不足に悩む我が国かつお・まぐろ漁船に有為な人材が供給 されることになる。従って本研修は、上位目標である関係途上国(ミクロネシア連邦)の沖 合・遠洋漁業の振興と我が国遠洋漁業の維持・継続に対し大きなインパクトを与えると期待 される。研修生の自立発展性
研修生は、研修修了後、自国あるいは我が国かつおまぐろ漁船に乗り組み、それぞれの生産 現場で漁労長等の指導を受けながらその技術をさらに高めていくことになり、乗船就労の場 を通し、その自立発展性は十分に見込まれる。 〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 漁船員養成(陸上)コース(陸上訓練グループ) 受入国 及び受入人数 2 か国 (インドネシア共和国他) 6 名 研修期間 及び 研修場所 2010 年 6 月 30 日~8 月 26 日 (58 日間) 一般研修: 6 月 30 日~7 月 18 日 (19 日間) (研修場所: AOTS 東京研修センター) 技術研修: 7 月 19 日~8 月 26 日(39 日間) (研修場所: 日本水産㈱能力開発センター)自立発展性
インパクト
我が国水産系企業の海外合弁方式による漁労事業に従事する漁船のうち、主にえびや底魚を対象 とした現地トロール漁船の乗組員(主として幹部クラス)の技術力向上を図り、当該国の漁業振興 を支援するとともに、海外合弁方式による我が国海外漁場の確保、維持に寄与する。陸上コース(陸上訓練グループ)
上位目標 関係途上国の沖合・遠洋漁業の振興 研修目標 良質な職長クラスの漁船乗組員の育成と技術力の向上 期待された成果 職長クラス漁船乗組員の甲板漁労あるいは漁船機関技術がブラッシュアップさ れる。 主な研修内容 1)一般研修 学科講義(日本語基礎会話、日本の水産概論、水産資源) 2)技術研修 学科講義と実技研修 (甲板漁労:漁網保守整備技術、航海計器取扱方法、トロール操業理論) (漁船機関:漁船機関保守整備技術、冷凍機・ボイラー・ポンプ保守整備 技術、溶接技術、舶用電気の理論等) 投 入 1)財団側 投入内容 人的投入(講師等) 物的投入(研修資材等) 一般研修 講 師:5名 日本語テキスト 水産専門講義テキスト 技術研修 指導員:4名(能開センター) センターの漁労及び漁船機 関の装備、機器類を使用し た。 事業費 16百万円 2)受入対象国側 投入なし
1)受入実施の妥当性
インドネシアの日系合弁企業及びモザンビーク政府は、その所属漁船、あるいは漁業海員 学校練習船に関し、その操業能力あるいは安全運航ノウハウを高め、乗組員、あるいは学校 指導教官の技術力の向上を図るため、我が国での研修を要望していた。本研修は、こうした 研修ニーズに応えるものであり、妥当であった。2)研修生選定の妥当性
研修生の選定基準は、18 歳以上 50 歳未満、原則として高等学校卒業以上又はこれと同等の 学力を有し、心身ともに健康としており、本研修を受けるに当っての研修生の一般的な資質を 定めている。妥当性
評 価 事 項
また受入れに当っては、研修申請書類により最終学校の専攻分野や受有している資格並びに 職歴を、研修目標に照らし合わせ審査し、選定した。 このような研修生の選定は、研修目標と整合しており妥当であった。
3)研修内容の妥当性
一般研修は、日本語基礎会話訓練及び水産専門科目として「日本の水産概論」「水産流通」「水 産資源概論」などの講義を行った。 技術研修は、沿岸・沖合漁業に関わる甲板、機関分野の技術力のブラッシュアップを目的とし て、漁網、漁具、航海運用計器、舶用電気、主・補機関、冷凍機、ボイラー、ポンプ、水産加 工・製造、細菌検査、製造処理機に係る座学と実技・実習を行った。 このような研修内容によりは、期待された成果である甲板漁労あるいは漁船機関技術のブ ラッシュアップが達成したと認められ、妥当であった。妥当性の総合評価
受入れ実施に係る受入国の人材育成ニーズの裏付け、並びに研修生の選定及び研修内容と 研修目標との間に整合性が認められ、本研修の実施については、十分な妥当性があった。研修の効率性
講師の投入について、一般研修での学科講義には、日本語専門講師を交代制で常時 1 名及び 水産専門講義には、科目ごとに講師を配置した。 技術研修では、甲板と機関両部門の学科講義と実習のため、大型漁船の乗船経験が豊富なベ テラン講師4名を配置した。 資機材の投入は、各学科講義に見合う研修教材及び技術研修場所である能開センターの施設、 機器が使用された。 このように本研修で行った人的及び物的投入は限られた期間及び予算の中で、研修生の技術 力ブラッシュアップの成果をもたらしたので、研修の効率性は高いと判断される。研修目標の達成度
本コース研修生が既に持っていた航海、漁労、機関、冷凍機等の技術・知識に加え、約2目標達成度
効率性
ヶ月に及ぶ講師陣の適切な指導により研修生の技術力のブラッシュアップが認められたの で、研修目標である「部員クラスの漁船乗組員の育成」は、十分達成した。
上位目標に対するインパクト
研修生は帰国後、インドネシアでは主要な地場水産業である現地合弁トロール漁業の生産現 場で、モザンビークでは漁業・海員教育機関でブラッシュアップした技術力をそれぞれの業務 を通じて活かすことになるので、上位目標である沖合・遠洋漁業の振興・開発に対しても、技 術的に大きなインパクトを与えることが十分期待される。研修生の自立発展性
研修生は、所属する合弁企業の漁業生産活動、あるいは漁業・海員教育活動に対するインセ ンティブとモティベーションを高めており、今後ともブラッシュアップした技術力をそれぞれ の職場で自立的に活用し発展していくことが期待される。自立発展性
インパクト
研修終了式で各自の成果を報告する研修生たち〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 漁船員養成(陸上)コース(船舶職員グループ) 受入国 及び受入人数 1か国 (インドネシア共和国) 3名 研修期間 及び 研修場所 2011 年 1 月 18 日~3 月 15 日 (57 日間) 一般研修: 1 月 18 日~1 月 22 日 ( 5 日間) (研修場所: AOTS 東京研修センター) 技術研修: 1 月 23 日~3 月 15 日 (52 日間) (研修場所: 日本水産㈱能力開発センター) 上位目標 関係途上国及び我が国の沖合・遠洋漁業の振興 研修目標 良質な士官クラスの漁船乗組員の育成と技術力の向上 期待された成果 外国人船舶職員承認制度(以下「承認制度」という。)に係る国内海事法令講習 (以下「指定講習」という。)修了試験に合格する。 主な研修内容 1)一般研修 「指定講習」受講準備のための講義・演習:日本語基礎会話、海事専門用 語 2)技術研修 ①「指定講習」を実施すること及びその修了試験合格のための講義・演習: 海上交通安全法、港則法、船舶安全法、船舶職員法、船員法 ②「承認制度」に係る承認試験(口述)準備: 日本語会話 注:日本水産㈱能力開発センターは、国土交通省の外国人船舶職員承認制度指定講習実 施機関としての認定を受けている。 投 入 1)財団側 投入内容 人的投入(講師等) 物的投入(研修資材等) 一般研修 講師 3名 日本語テキスト 技術研修 講師 3名 (航海、機関、試験対策) 海事専門用語日本語テキスト 国内海事法令テキスト 海技試験問題集 インドネシアの船舶職員資格を有するインドネシア人漁船乗組員を対象とし、我が国国土交通省 が定めた「外国人船舶職員承認制度」による承認の取得を目途とした研修を行い、以ってインドネ シア人漁船乗組員の能力の向上を計る。 また承認取得後は、我が国漁船の士官として乗船する途が開け、我が国かつお・まぐろ漁業を支 援する。
陸上コース(船舶職員グループ)
事業費 11百万円 2)受入対象国側 投入なし
1)受入れ実施の妥当性
外国人漁船員の我が国漁船士官クラスへの登用については、かねてからインドネシア側の要 望があり、また漁船員不足に悩む我が国かつおまぐろ漁業でも喫緊の課題となっていた。 本研修は、インドネシア船舶職員資格を有している者に対し、「指定講習」を修了させ、国交 省の「承認制度」に係る承認取得を支援するもので、インドネシア側のみならず我が国漁業の ニーズにも合致し、妥当であった。2)研修生選定の妥当性
研修生は、インドネシア船舶職員資格を受有する現役のインドネシア人漁船乗組員を対象と し、予め提出された研修申請書類内容を下記①~③の基準と照合審査し選定されたもので、本 コースの目的に合致し、妥当であった。 (選定基準) ① 18 歳以上 50 歳未満、原則として高等学校卒業以上、またはこれと同等の学力を有し、 心身とも健康である者 ② 我が国遠洋まぐろはえ縄漁船等の乗組員としての経験を有していることインドネシア 政府運輸省の海技資格「商船3級」以上の受有者で、かつ、我が国漁業団体が推薦す る者3)研修内容の妥当性
研修生の最終目的は、我が国の国交省が行う「承認制度」口述試験に合格し、我が国政府の 「承認」を取得することにあった。 本研修の内容は、この研修生の目的達成を支援するため、上記口述試験受験の前提となる 「指定講習」修了試験に合格し、かつ口述試験対策を行うことであり、次のとおりとした。 一般研修は、海事法規に関わる海事関連専門用語の修得及び日本語会話能力の養成を図っ た。 技術研修は、「指定講習」で履修を義務付けられている海事法規の「海上交通安全法」「港妥当性
評 価 事 項
則法」「船員法」「船舶職員法」「船舶安全法」 の講義及び演習を行い、「指定講習修了試験」 及び「承認制度口述試験」の準備を行う内容 とした。 このような本研修コースの内容は、「承認」取 得の前提である「指定講習」修了試験の研修 生全員の合格を成果としてもたらしたもので、 その妥当性は十分に高いものであったと認め られる。
妥当性の総合評価
研修ニーズが明確であり、研修生の選定及び研修の内容と研修目標との間の整合性も認められ ることから、本研修の妥当性は十分であった。研修の効率性
研修に係る人的な投入は、一般研修では、日本語専門講師を 1 名配置、技術研修では、甲板 及び機関グループに分けられた研修生に対し、大型漁船の船長や機関長経験を持つ我が国海技 資格受有者が、専任講師として講義と演習を行った。 研修資材などの物的な投入は、本研修が陸上における座学講義を主体とすることから、各科 目のテキスト類を主なものとした。 また実施した研修のレベルについて、研修生はインドネシア船舶職員資格受有者であり、既 に一定程度の知識・技術を備えていた。一方指導する講師、特に各専門科目の講師は、前述の とおり豊富な経験を持つ船長や機関長経験者であり、研修生に対し十分な指導が行われた。 以上から、研修に係る投入及び研修生と指導講師との間の研修指導にも問題はなく、研修実施 に係る効率性は、十分に高いものであった。研修目標の達成度
本研修は、我が国「承認制度」の承認取得を最終目的とする研修生を支援するため、承認取 得の前提となる「指定講習修了試験合格」を期待される成果に設定した。 上記成果は、研修の実施により予定した期間内に達成され、研修生は所定の海事関連知識を目標達成度
効率性
海事法規の研修を受ける研修生習得したので、研修目標とした士官クラスの漁船乗組員の育成及び技術力の向上についても、 十分に達成したと判断される。
上位目標に対するインパクト
最終目的である外国人船舶職員承認制度の承認を取得する研修生は、我が国遠洋漁船の幹部 漁船員として乗船することが見込まれるので、上位目標としたインドネシア及び我が国の重要 な沖合・遠洋漁業(の一つであるまぐろはえ縄漁業)の振興に人材供給の面から大いに貢献す ることが期待される。研修生の自立発展性
インドネシア船舶資格受有者が、本研修の支援を受け、我が国「承認制度」に基づく承認を 取得すれば、我が国漁船士官として登用される道が開かれ、彼らのインセンティブとモティベ ーションは確実に高まる。 インドネシア及び我が国まぐろ延縄漁業は、今後とも水産物を供給する重要な役割を担うも のであり、研修修了生は、その生産現場において研修の成果をますます発展させ、その技術力 を高めていくことが期待される。 〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 水産技術者養成(実習)コース自立発展性
インパクト
中国、東南アジア、南米及びアフリカ地域において、我が国水産会社の海外合弁あるいは技術 提携先である現地企業の製造担当部門の職員、技術者、製造員等の資質と技術力の向上を図り、 関係途上国の漁業振興を支援するとともに、海外合弁等方式による我が国の海外漁場の確保、維 持に寄与する。実習コース
受入対象国 及び受入人数 4か国 (モルディブ共和国他) 17名 研修期間 及び 研修場所 2010 年 8 月 4 日~11 月 25 日 (114 日間) 一般研修: 8 月 4 日~ 9 月 21 日 (49 日間) (研修場所: AOTS 東京研修センター) 技術研修: 9 月 22 日~11 月 25 日(65 日間) (研修場所: 推薦会社の研修センター、工場、事業所、事務所等) 上位目標 関係途上国の地場水産業の振興 研修目標 工場製造部門技術者等の育成 期待された成果 水産製造部門の職員、技術者、製造員等の技術力が向上する 主な研修内容 1)一般研修: 学科講義(日本語基礎会話、日本の水産概論、加工流通、品質 管理等) 2)技術研修: 学科講義と実技研修(品質管理技術、漁船機関・冷凍機保守・ 整備等) 投 入 1)財団側 投入内容 人的投入(講師等) 物的投入(研修資材等) 一般研修 講師 5名 日本語テキスト 水産専門講義テキスト等 技術研修 指導員:各工場、事業所、 研修センターに各 1 名 技術研修先の工場、事業所、研修 センターの装備、機器類を使用し た。 事業費 42百万円 2)受入対象国側 投入なし
1)受入実施の妥当性
我が国の水産系企業が関係する海外の現地合弁あるいは技術提携企業(以下「海外漁業合弁 等企業」という。)においては、技術者や製造員の技術力のレベルアップが課題となっており、 進んだ水産技術を持つ我が国での研修ニーズが大きい。 また近年水産製品に対する安全・安心な品質管理技術に対する大きな研修ニーズがある。本妥当性
評 価 事 項
研修コースによる研修生受入れは、これら関係途上国の地場水産業である海外漁業合弁等企業 の研修ニーズに裏付けられており、妥当であった。
2)研修生選定の妥当性
研修生選定基準は、18 歳以上 50 歳未満、原則として高等学校卒業以上またはこれと同等の 学力を有し、心身とも健康である者とした。この基準は、我が国で研修を受ける前提としての、 年令、学力及び健康状態の一般的なレベルを定めている。 また研修生の技術レベルに関しては、研修の技術分野が区々であることに加え、関係途上国 の水産業の状況が多様であることから、明文化した選定基準とはせず、研修生の推薦機関であ る我が国水産系企業から提出される推薦書類に含まれる研修生候補の職歴等をチェックするこ ととした。 このような研修生選定基準及び事前に提出される研修生候補の職歴等の審査による研修生の 選定は、研修目標である工場製造技術者等(の育成)との間に整合性が認められ、妥当であっ た。3)研修内容の妥当性
一般研修は、水産に関する全般的な知識を涵養するための学科講義(日本の水産概論、水産 加工、品質管理、水産流通、水産資源)を行うとともに、技術研修時の日本語によるコミュニ ケーションの円滑化のために日本語基礎会話訓練を行った。 技術研修は、推薦・関係会社や団体の工場、事業所、事務所等において、研修生の専門分野 に応じた技術力をブラッシュアップすることを目的として、実技研修(ガス/アーク溶接、旋盤 操作等の漁船機関工場実習、加工用原料選定、加工作業、細菌検査、品質チェック、加工用機 械の整備等の加工関係工場等実習)が行われ た。 上述の一般及び技術研修内容は、成果として水産製造分野の技術力の向上をもたらしたと認め られ、妥当であった。妥当性の総合評価
研修ニーズが明確であり、研修生の選定及び研修内容と研修目標との間に整合性が認められ、 本研修コースの実施については、十分な妥当性があった。研修の効率性
効率よく研修実施するための人的及び物的投入は、次のとおり円滑に行われた。効率性
水産製造の現場で実地研修を受ける研修生一般研修は、日本語専門講師を交代制で常時3名配置するとともに、水産専門講義におい ても各科目毎に1名の講師を配置した。技術研修では、実技研修先の我が国水産系企業や団 体の工場などにおいて、専任の指導員を配置した。これら講師・指導員の配置に加え、研修 教材、研修資機材は計画通りに投入された。 また研修生の技術レベルと講師等の指導レベルとの間の適合性にも問題はなく、期待した 成果であった研修生の技術力向上は十分に得られたので、研修の効率性は十分に高いもので あったと判断される。
研修目標の達成度
本コースに受け入れた研修生は、海外漁業合弁等企業において中堅の技術者や製造員として の職歴や経験を有していた。このような研修生の技術的な下地に加え、65日間の学科講義や 実技研修による技術力の向上により、研修目標である現地漁業合弁等企業の製造員や技術者の 育成は、十分に達成された。上位目標に対するインパクト
本研修により海外漁業合弁等企業の生産分野を担う人材が育成されたことは、関係途上国の 地場水産業に有為な人材を供給することで、その振興に大きく貢献するものと期待される。研修生の自立発展性
研修生が本研修によって得た技術力向上の成果は、所属する企業の漁業生産活動に対する インセンティブとモティベーションとなって現れ、研修生は、それぞれの職場で今後とも自 立的にその技術力を伸ばしていくことが期待される。自立発展性
インパクト
目標達成度
〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 水産指導者養成(運営管理)コース 受入対象国 及び受入人数 6か国 (ブラジル連邦共和国他) 15名 研修期間 及び 研修場所 2010 年 8 月 25 日~10 月 8 日 (45 日間) 一般研修: 8 月 25 日~ 9 月 8 日 (15 日間) (研修場所: AOTS 東京研修センター) 技術研修: 9 月 9 日~10 月 8 日(30 日間) (研修場所: 研修生推薦会社の研修センター、工場、事業所等) 上位目標 関係途上国の地場水産業の振興 研修目標 良質な工場の職長クラスの育成と技術力の向上 期待された成果 工場の職長クラスの運営管理あるいは品質管理技術がブラッシュアップされ る。 研修内容 1)一般研修: 学科講義:日本語基礎会話 我が国の水産紹介:水産概論、加工・流通 品質管理、会計 2)技術研修: 学科講義と実技研修:品質管理、工場運営管理 投 入 1)財団側 投入内容 人的投入(講師等) 物的投入(研修資材等) 一般研修 講師 8名 日本語テキスト 各講義科目テキスト パソコン 技術研修 指導員:各工場、事業所、研 修センターに各 1 名 研修先の工場、事業所、研修セ ンターの装備、機器類を使用し た。 事業費 約24百万円 中国、東南アジア、南米及びアフリカ地域において、我が国水産会社の海外合弁あるいは技術提 携先である現地企業の製造担当部門の職員、技術者、製造員等の資質と技術力の向上を図り、関係 途上国の漁業振興を支援するとともに、海外合弁等方式による我が国の海外漁場の確保、維持に寄 与する。
運営管理コース
2)受入対象国側 投入なし
1)受入実施の妥当性
我が国の水産会社が海外で合弁形式や技術提携によって水産事業を行っている現地企業(以 下「海外漁業合弁等企業」という。)側には、安定した経営や工場運営を継続するために、職 員や技術者を日本に派遣して技術力のレベルアップを図りたいという要望が強い。 また、近年は水産製品に対する安全・安心な品質・衛生管理の徹底が求められており、こ れらの技術とノウハウについての研修ニーズにも大きいものがある。 本研修コースによる研修生受入れは、これら関係途上国の地場水産業である海外漁業合弁 等企業の研修ニーズとの整合性があり、妥当と認められた。2)研修生選定の妥当性
研修生選定基準は、18 歳以上 50 歳未満、原則として高等学校卒業以上またはこれと同等の 学力を有し、心身とも健康である者としている。この基準は、我が国で研修を受ける前提とし ての、年令、学力及び健康状態の一般的なレベルを定めている。 また、研修生の技術レベルに関しては、受入対象国の水産業の状況が区々であることから基 準として明文化せず、予め提出される研修申請書類の研修生候補の職歴等を審査し、本研修コ ースに適合する海外漁業合弁等企業の管理職又は管理職相当の職員及び技術者であることを確 認した。 このように、研修生選定基準及び研修生の職歴等の審査による研修生の選定は、研修目標であ る工場の職長クラス(の育成)に合致し、妥当であった。3)研修内容の妥当性
一般研修は、現地漁業合弁等企業の管理職員や技術者に求められる水産専門知識として、 「日本の海外漁業協力」「水産概論」「HACCP」「国際規格」「危機管理」「日本の魚食普及活動」 「日本の水産物マーケティング」「水産物加工」「品質管理」の講義を行うとともに、技術研修 時の日本語によるコミュニケーションの円滑化のために日本語基礎会話訓練を行った。 技術研修は、推薦会社・団体の水産加工場、事業所等において指導員の下で技術力のブラッ シュアップを目的として、加工用原料選定、加工作業、細菌検査、品質チェックなどの実務的 研修を行った。妥当性
評 価 事 項
上述の研修内容は、研修生の品質管理や経営管 理技術のブラッシュアップという期待した成果 をもたらしたもので、妥当であった。
妥当性の総合評価
研修の実施に関するニーズの裏付け、並びに 研修生の選定及び研修内容と研修目標との間 に整合性が認められ、本研修コースの実施につ いては、十分な妥当性があった。研修の効率性
研修の効率性の判断要素の一つである人的及び物的投入は、つぎのとおり円滑に行われた。 まず一般研修は、日本語専門講師として交代制で常時3名を配置し、研修生をレベル別に3ク ラスに分けて指導した。水産専門講義は、9科目を設定し、それぞれの科目にベテランの講師 を配置した。つぎに技術研修では、推薦・関係会社や団体の工場、事業所等において経験豊富 な指導員が、現場を体験させることを重視した工場運営、品質管理、HACCP等に関する実 習・視察を行い指導した。 これら講師・指導員の投入に加え、研修教材及び関連施設・機器を適切に使用して、各カリ キュラムは、研修実施計画に沿って効果的に実施された。 以上の研修に係る投入に加え、研修生が現地漁業合弁等企業の管理部門の職員、技術者とし て既に一定レベルの知識・技術を有していることを踏まえた指導レベルをもって研修を実施し たので、研修の効率性は十分に高いものであった。研修目標の達成度
研修生は、管理部門の職員や技術者であり、既に工場製造ライン等の運営及び経営管理に係 わる専門的知識を有していた。これに加え、今回の研修で 30 日間に及ぶ生産工場や事業所の 経験豊富な工場長等のベテラン指導員による指導を受けたことによる成果として、それぞれの 品質管理技術がブラッシュアップされたので、研修目標である良質な工場の職長クラスの育成 は、達成された。目標達成度
効率性
各種講義を通じて水産専門知識を学ぶ上位目標に対するインパクト
研修生は、帰国後研修の成果を活かし、海外漁業合弁等企業の工場運営管理や製造部門の品 質管理等を担う人材として、上位目標である関係沿途上国の地場水産業の振興に大きく貢献す ることが期待される。研修生の自立発展性
研修生の品質管理や運営管理業務に対するインセンティブとモティベーションは、本研修に より確実に高まった。帰国後は、工場等の中間管理職としてさらに業務の効率化、高度化を図 ることが期待され、研修生の管理職としての自立発展性は、十分に見込まれる。 〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 水産指導者養成(技術普及)コース 受入対象国 及び受入人数 6か国 (ミクロネシア連邦他5か国) 6名 研修期間 及び 研修場所 2010 年 6 月 15 日~7 月 28 日 (44 日間) 一般研修: 6 月 15 日~7 月 13 日 (29 日間) (研修場所: 東京研修センター、日本水産㈱能力開発センター、水産大学 校) 技術研修: 7 月 14 日~7 月 28 日(15 日間) (研修場所: 沖縄県糸満漁業協同組合、民間 FRP 造船所) 上位目標 関係途上国の沿岸漁業の振興 研修目標 関係途上国の水産技術改良普及員の育成自立発展性
インパクト
本コースは、我が国と漁業協定を締結している関係途上国政府において沿岸漁業の開発・振興担 当部局に所属する水産技術改良普及員等を研修の対象とし、水産技術改良普及や指導体制の強化を 図ることにより、関係途上国の沿岸漁業振興を支援する。技術普及コース
期待される成果 水産技術改良普及員の沿岸漁業技術が向上する。 主な研修内容 1)一般研修: ・学科講義(我が国漁業を紹介する分野別講義) ・実技研修・講義 (海洋・資源調査関連技術) (漁船機関等整備保守技術、沿岸漁業の漁具等取扱い技術) ・日本語会話基礎訓練 2)技術研修: ・実技研修・講義 (パヤオ漁労技術、FRP ボート保守技術) 投 入 1)財 団 側 投入内容 人的な投入(講師・指導員) 物的な投入(研修資材等) 一般研修 講師 5名 主任指導員2名(水産大学校、 能力開発センター 各 1 名) 水産専門講義テキスト 水産大学校施設/機器類、小型調 査艇 能力開発センター施設、機器類 技術研修 主任指導員 2名 (糸満漁協及び民間 FRP 造船所 各 1 名) 実技研修各分野テキスト 漁協の施設、機器類、沿岸小型 漁船 民間造船所の施設、機器類、FRP 資材 事業費 14百万円 2)受入対象国側 投入なし
1)研修生受入れの妥当性
我が国と漁業関係のある沿岸諸国は、沿岸漁業の振興・開発を重要な政策として位置付けて おり、そのための人材育成に力を注いでいる。 その人材育成の具体的方策の一環として、関係途上国政府は、水産技術改良普及分野の技術 スタッフを日本に派遣し、我が国沿岸漁業の現状と技術を学ばせている。 本コースによる研修生受入れは、このような関係途上国の沿岸漁業振興に係る人材育成ニー ズと整合し、研修コースの実施については、十分な妥当性があった。2)研修生選定の妥当性
妥当性
評 価 事 項
研修生選定基準は、18 歳以上 50 歳未満、原則として高等学校卒業以上またはこれと同等の 学力を有し、心身とも健康である者としている。この基準は、我が国で研修を受ける前提とし ての、年令、学力及び健康状態の一般的なレベルを定めている。 また研修生の技術レベルに関しては、受入対象国の沿岸漁業の発達状況が区々であることか ら、選定基準には含めず、代わりに受入対象国政府から提出される研修生候補経歴書により、 大学での専攻分野や職歴等をチェックしている。 上述の研修生選定基準及び研修生候補の職歴等の審査による研修生の選定は、研修目標であ る水産技術改良普及員の育成との整合性が認められ、妥当であった。
3)研修内容の妥当性
一般研修は、まず東京研修センターにおいて、日本の漁業の現状を紹介する学科講義(日本 の水産概論、品質管理、水産増養殖、水産流通、水産資源及び沿岸漁業)を行った。 次ぎの研修場所である下関の水産大学校においては、改良普及業務の遂行に必要とされる漁 場調査等技術を中心とした講義及び実技研修(海洋及び資源調査、航海計器及び魚群探知機、 漁具・漁法、熱帯地域海洋気象、漁業管理)を行う。 さらに一般研修の最後として日本水産㈱能力開発センターにおいては、同センターの設備・ 機器を使用し沿岸漁業に関連した技術の講義及び実技研修(漁船機関、冷凍機、船外機保守取 扱い及びロープ・ワイヤー取扱い)を行った。また、技術研修の際必要なレベルの日本語基礎 会話訓練を行った。 技術研修は、沖縄県糸満漁協において研修生母国での改良普及現場での業務に必要な技術力 を身に付けるための実技研修(パヤオ漁業技術(漁具作成、操業)並びに小型 FRP 漁船船体修 繕)が行われた。 上述の研修内容は、研修生に水産技術改良普及分野の総合的な技術力向上という成果をもた らし、研修目標である関係沿岸国の水産技術改良普及員の育成を技術的に担保するもので、妥 当であった。妥当性の総合評価
研修生の受入れと関係途上国の人材育成ニーズとの間の整合性は十分に認められる。また研 修生の選定及び研修内容と研修目標との間の整合性にも問題はなく、本研修コースの実施につ いては、十分な妥当性があった。1)投入の効率性
一般研修は、東京研修センターでは、5名の講師で6科目の水産専門講義を、水産大学校で効率性
は、主任指導員が主宰し、同校のベテラン教授陣を講師とした専門講義あるいは海洋調査等の 海上技術実習を実施する。さらに、能力開発センターにおいても、主任指導員が主宰し、漁労 と機関部門の講師3~4名が実地に即した講義と技術実習を行った。 技術研修は、沖縄の糸満漁協を拠点として、経験豊かな漁業者が、研修生を指導する。また 技術研修期間中には、糸満漁協近隣の民間 FRP 造船所の技術者が小型 FRP 漁船の補修方法を指 導した。 これら研修に投入される講師及び指導員は、沿岸漁業の振興業務、教育、訓練あるいは技術 協力に携わり、あるいは実際に沿岸漁業の現場で働いている者であり、それぞれの所属先の施 設や機器他を活用した研修を実施した。 また、研修に使用される講義テキストや各研修場所の施設・機器に問題はなく、本研修コース に係る投入は、水産技術改良普及員の育成という研修目標に対応し適正であり、効率性が図ら れた。
2)研修の効率性
研修生は、受入対象国政府の漁業関係部局の技術普及やメカニック部門の担当官であり、こ れまでの業務経験から培った技術を有し、本研修コースが用意する研修内容とのマッチングに 問題はないと判断される。研修内容と研修目標との間の整合性は、(1)妥当性の項で見たよ うに問題はないと判断されるので、本研修の技術的な効率性は十分でると認められた。効率性の総合評価
研修実施のための人的・物的投入及び研修生と研修内容との間のマッチングに問題はなく、 研修の効率性は十分であると認められた。研修目標の達成見込み
本コースの研修生は、既に自国の沿岸漁業の改良普及等に係る一定レベルの技術を有してお り、今回の研修により習得する技術を上乗せすることで、水産技術改良普及に携わる者として の資質が確実に高まることが期待される。 従って本研修コースは、研修目標である関係途上国の水産技術改良普及員の育成に十分貢献 した。目標達成度
上位目標に対するインパクト
研修生は帰国後、研修の成果を活かし、母国の沿岸漁業の技術改良普及業務の中心的な役割 を担う人材として活躍することが期待されるので、本研修の達成効果は、上位目標である関係 途上国の沿岸漁業の振興に大きなインパクトを与えられると期待される。研修生の自立発展性
受入対象国は、沿岸漁業の振興を重要な政策とし、その推進を図るための人材を育成するた めに研修生を我が国に派遣している。この沿岸漁業振興政策の下、帰国研修生は引き続き自国 の沿岸漁業者を指導し、必要な技術改良や普及業務に従事することとなる。研修生は、本研修 コースで培った沿岸漁業関連技術を自国の沿岸漁業に適応させる作業の中で、技術的な自立発 展性を発揮していくことが十分に見込まれる。 〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 水産指導者養成(資源管理)コース 受入対象国 及び受入人数 4か国 (コートジボワール共和国他) 5名自立発展性
インパクト
本コースは、地域漁業管理機関であるインド洋まぐろ類委員会(IOTC)と大西洋まぐろ類保存国 際委員会(ICCAT)のメンバー国政府に所属する水産資源担当の行政官や研究官を対象とし、わが 国の高度回遊性魚類の資源評価や管理方法を習得させることにより、関係国の水産資源管理や地 域漁業管理機関へ提供する漁獲情報の精度向上を図る国際協力支援プログラムの一環として実施 される研修である。資源管理コース
研修期間 及び 研修場所 2010 年 10 月 19 日~11 月 18 日 (31 日間) 一般研修: 10 月 19 日~11 月 2 日 (15 日間) (研修場所: AOTS 東京研修センター) 技術研修: 11 月 3 日~11 月 18 日 (16 日間) (研修場所:(独)水産総合研究センター/遠洋水産研究所) 上位目標 関係途上国の水産資源の持続的利用の促進 研修目標 関係途上国の資源管理を担う指導者の育成 期待される成果 漁業統計担当官の漁業統計技術が向上する。 主な研修内容 1)一般研修: 学科講義:我が国漁業の紹介(日本の水産概論、資源管理) 漁業統計概論(日本の漁業統計システム、地理情報システム (GIS)) 2)技術研修: 学科講義と演習:漁業統計各論(漁獲量推定方法、生物統計概論、延縄漁 業・まき網漁業の統計概論、海洋情報・海況概論等) 投 入 1)財 団 側 投入内容 人的な投入(講師・指導員) 物的な投入(研修資材等) 一般研修 講 師:10名 日本語テキスト 水産専門講義テキスト 漁業統計、GIS 関連テキスト 等 技術研修 遠洋水産研究所 指導員:1名 講 師:3名 パソコン 各種資源管理関連資料 等 事業費 6百万円 2)受入対象国側 投入なし
1)受入実施の妥当性
高度回遊性魚類の適切な管理を目指す地域漁業管理機関(インド洋まぐろ類委員会(IOTC) 及び大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT))は、それぞれのメンバー国に対して資源管理に 必要な正確な漁獲統計の提出を義務付けている。しかし開発途上のメンバー国は、人材不足か ら必ずしもその提出義務に応えられないため、我が国に統計担当官等を派遣し、我が国の漁獲 統計システムを学び、自国の統計体制の整備を図りたいという要望を持っている。妥当性
評 価 事 項
本研修コースによる研修生受入れは、関係 途上国の資源管理部門の人材育成ニーズに応 えるものであり、妥当であった。
2)研修生選定の妥当性
研修生選定基準は、18 歳以上50 歳未満、 原則として高等学校卒業以上またはこれ と同等の学力を有し、心身とも健康である者としている。この基準は、我が国で研修を受ける 前提としての、年令、学力及び健康状態の一般的なレベルを定めている。 また、本研修コースは、漁業統計分野に特化していることから、関係途上国政府や地域漁業 管理機関から推薦される漁業統計担当官や研究官を対象としており、事前に提出された研修申請 書類の経歴書で、さらに研修生の大学での専攻分野や職歴等をチェックした。 このような研修生選定基準及び研修生候補の書類審査による選定は、研修目標である資源管理 を担う指導者育成の前提となるもので、妥当であった。3)研修内容の妥当性
本研修コースの研修内容は、一般研修では、我が国漁業の紹介を通じた水産の一般知識の付 与を目途として、日本の水産概論、日本の沿岸漁業、水産増養殖などの科目講義を、また漁業 統計の概要を理解するために、日本の漁業統計システム、地理情報システム(GIS))、リモー トセンシング、まぐろ資源の分布と生態、責任あるまぐろ漁業等の講義を行った。 技術研修は、専門的な漁業統計に関する学科講義と演習(まき網、延縄、竿釣り各漁業の漁 種別漁獲統計論から混獲調査・研究手法)を集中的に行った。また静岡地区において実際に漁 獲統計の集計から分析までの業務の視察も組み入れた。 以上のように、本研修コースの研修内容は、資源管理に必須な漁業統計分野の知識及び技術 に的を絞ったものであり、研修目標である関係途上国において資源管理を担う指導者の育成に 直結し、高い妥当性が認められる。妥当性の総合評価
研修生の受入れと関係途上国の人材育成ニーズとの間の整合性は十分に認められる。また研 修生の選定及び研修内容と研修目標との間の整合性にも問題はなく、本研修コースの実施につ いては、十分な妥当性があった。効率性
実際にコンピュータを操作して漁業統計システムを学ぶ研修の効率性
研修の効率性を左右する人的及び物的投入は、つぎのとおり円滑に行われた。一般研修は、 10名の講師を投入し、所定の科目講義を行った。 技術研修は(独)水産総合研究センター遠洋水産研究所において、高度回遊性魚類の資源評 価を専門とするベテラン講師4名を投入した。これら講師の投入に加え、テキスト類の投入も 適切かつ十分であった。 一方研修生の技術レベルも、設定した研修内容に適合しており、漁業統計技術向上の成果は 十分に得られ、研修の効率性は高かった。研修目標の達成度
来日前の基本的な統計知識に、今回の研修による専門的知識・技術を加えたことで、研修生 の漁業統計技術は確実に向上し、研修目標である資源管理を担う指導者(の育成)として十分 な資質を備えたと認められる。上位目標に対するインパクト
研修生は、帰国後研修の成果を活かした漁業統計業務を通じ、関係途上国の資源管理を担う 指導者候補として活躍することとなるので、上位目標である水産資源の持続的利用の促進に大 いに貢献すると期待される。研修生の自立発展性
研修内容の漁業統計技術は、途上国での習得が困難であり、研修生が今回の研修に参加した ことで、帰国後従事する資源管理業務に対するインセンティブとモティベーションを大いに高 めたと見込まれる。 また関係途上国の水産資源管理は未だ体制が整わず、管理の前提となる漁業統計システムの 整備が引き続き求められており、研修生は、習得した漁業統計技術を定着させる業務を通じ、 その技術的な自立発展性が十分に期待される。自立発展性
インパクト
目標達成度
〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 水産指導者養成(漁業管理)コース 受入対象国 及び受入人数 5か国 (ツバル他) 5名 研修期間 及び 研修場所 2010 年 6 月 23 日~12 月 6 日 (167 日間) 一般研修: 6 月 23 日~ 8 月 15 日 (5 4 日間) (研修場所: AOTS 東京研修センター) 技術研修: 8 月 16 日~12 月 6 日 (113 日間) (研修場所 : 鹿児島大学水産学部/漁業基礎工学講座) 上位目標 関係途上国の水産資源の持続的利用の促進 研修目標 関係途上国の漁業管理行政部門の中級・上級官の業務を担う指導者の育成 期待される成果 指導者候補生の漁業管理技術が向上する。 主な研修内容 1)一般研修 学科講義:我が国漁業の紹介(水産概論、沿岸漁業、増養殖、水産流通・ 加工論) 国際漁業管理論等 日本語基礎会話 2)技術研修 学科講義:水産学一般(大学院修士課程レベルの水産学諸科目) ゼミ :文献検索法、科学論文の読解力養成、個別課題研究 視 察:地区沿海漁業協同組合など 技術実習:定置網漁業及び海洋調査乗船実習 投 入 1)財 団 側 投入内容 人的な投入(講師・指導員) 物的な投入(研修資材等) 本コースは、我が国と漁業協定を締結している沿岸国、地域漁業管理機関や国際的な漁業関連会 議等の場において我が国に協調する沿岸国及び我が国の水産系企業が海外合弁事業を展開してい る国の政府スタッフ、特に行政職や研究職の幹部候補者を対象とし、当該国の漁業振興・開発及び 漁業管理の中核を担う人材を養成することにより漁業行政能力の向上を支援する。
漁業管理コース
一般研修 講 師: 8名 日本語テキスト 学科講義各テキスト パソコン 技術研修 鹿児島大学水産学部 指導員: 2名 講 師:10名程度 鹿児島大学水産学部の施設、 機器、備品、文献 等 事業費 22百万円 2)受入対象国側 投入なし
1)受入れ実施の妥当性
我が国と漁業関係を有する途上国は、自国水産業の振興・開発と適切な漁業管理制度の構築 を重要な政策として位置付け、先進国にそのための人材育成への協力を要望している。とりわ け、将来、幹部となる有能な若手スタッフを対象とした能力開発や国際感覚の習得が可能な長 期間の研修希望が強い。 本研修は、関係途上国政府スタッフを長期研修生として受け入れ、漁業が置かれている現状 のより深い認識と漁業管理に係る行政能力の向上を図るもので、関係途上国のニーズに合致し、 妥当であった。2) 研修生選定の妥当性
研修生は、18 歳以上 50 歳未満、原則として大学卒業以上又はこれと同等の学力を有し、英 語会話能力があり、心身とも健康であることという条件を満たした関係途上国の漁業担当部局 の行政官、研究官としている。 また予め提出される研修申請書類の学歴や職歴を上記各条件に照らし審査し、必要に応じ当 該国に照会するなど、厳しい選定を行った。 本年度受入れた研修生は、関係途上国政府水産部門の中堅幹部候補として相応しい者であり、 本研修コースの趣旨に合致し、その選定は妥当であった。3)研修内容の妥当性
一般研修は、AOTS 東京研修センターにおいて、技術研修の準備として、日本語基礎会話妥当性
評 価 事 項
能力の習得を目指すとともに、我が国漁業の紹介(水産概論、沿岸漁業、増養殖、水産流通・ 加工論)及び国際漁業管理論等の専門講義を行った。 技術研修は、鹿児島大学水産学部において、「漁業管理のあり方」をテーマとした大学院修士 課程レベルの専門科目の講義、演習、実習及び個別課題研究を行った。このうち技術研修での 専門講義は、漁具漁法学、海洋測器学、漁具設計学、沿岸環境工学、漁船工学、海洋資源学、 水産経済学、海洋生態学、魚類学、海洋微生物学、水産栄養学および水産食品製造保蔵学など 水産の各分野を網羅し、また実習として定置網操業及び海洋調査を、さらにゼミ形式で、文献 検索法、科学論文の読解力養成、個別課題研究を行った。水産関連施設の視察先は魚市場・漁 港及び水産高校などであった。 上記研修内容は、関係途上国政府の漁業管理行政部門の中級・上級官が必要とする幅広い漁 業・水産に関する知見を付与し、漁業管理施策の立案、実施に必要な論理構成力を強化したも ので、研修の成果として指導者候補生の漁業管理技術を向上させたと認められ、研修目標達成 のために妥当であった。
妥当性の総合評価
研修生の受入れと関係途上国の人材育成ニーズとの間の整合性は十分に認められる。また研 修生の選定及び研修内容と研修目標との間の整合性にも問題はなく、本研修コースの実施につ いては、十分な妥当性があった。研修の効率性
研修実施のための人的および物的投入を見ると、一般研修では、日本語基礎会話に交代制で 常時1名の講師を、また日本の水産概論等の水産専門講義に7名の講師を配置した。技術研修 は、鹿児島大学の受入れ講座の教授 2 名を指導員とし、その他各専門分野の講師を配置した。 これら指導員及び講師に加え、研修教材や機材は、それぞれの研修内容に応じ適切に投入され たので、研修に係る人的および物的投入は、研修を十分効率的にしたものであった。研修生は、 (1)妥当性の項で述べたように関係途上国政府で漁業振興・開発あるいは資源評価及び漁業 管理業務を担っている第一線の行政官や研究官であり、目標達成のための研修内容に適合し、 研修生の資質が問題となって研修の効率を損なうなどのことはなかった。以上から本研修の効 率性は十分と認められる。研修目標の達成度
目標達成度
効率性
本研修が期待した成果として研修生の総合的な漁業管理技術が向上し、目標とした漁業管理 行政部門の中級・上級官の育成は、十分に達成された。
上位目標に対するインパクト
研修生を送出した途上国政府は、本研修で育成された中級・上級官候補生を漁業管理部門の 諸施策実施に投入することとしており、上位目標である「水産資源の持続的利用」を大いに促 進することが期待される。研修生の自立発展性
関係途上国政府の漁業管理を含む水産行政 ニーズは、漁業振興政策や水産蛋白の供給問題 などがあり、引き続き高いものがある。従って、 帰国後の研修生には水産行政の幹部行政ある いは研究官としての貢献が求められており、研 修生の自立発展性は十分にあると見込まれる。 〔研修生受入結果等の概要〕 研修コース名 水産指導者養成(LDC)コース(LDC: Least Developed Countries/後発開発途上国)
受入対象国
及び受入人数 3か国(タンザニア連合共和国他)3名
自立発展性
インパクト
本コースは、我が国と漁業関係を有する LDC(Least Developed Countries=後発開発途上国) の漁業開発行政を担当する政府職員等を対象としている。我が国の漁業管理や資源管理の進め方 を研修し、自国の漁業管理、資源管理能力を向上させ、水産資源の持続的利用の促進を支援する。 また、我が国と関係途上国との漁業協定の存続・維持にも寄与する。
LDC コース
研修期間 及び 研修場所 2010 年 10 月 19 日~11 月 18 日 (31 日間) 一般研修: 10 月 19 日~10 月 30 日 (12 日間) (研修場所:AOTS 東京研修センター) 技術研修: 10 月 31 日~11 月 18 日(19 日間) (研修場所:(独)水産総合研究センター/中央水産研究所) 上位目標 関係途上国の水産資源の持続的利用の促進 研修目標 LDC 諸国行政官の技術普及、資源管理等総合的水産行政能力の向上 期待された成果 我が国の漁業管理や資源管理の進め方の知見やノウハウが習得される。 主な研修内容 1)一般研修: 学科講義:我が国漁業の紹介(日本の水産概論、沿岸漁業、海 外漁業協力、増養殖等) 2)技術研修: 学科講義と演習:漁業管理政策 (9) 投 入 1)財 団 側 投入内容 人的な投入(講師・指導員) 物的な投入(研修資材等) 一般研修 講 師:6名 日本語テキスト 水産専門講義テキスト パソコン 技術研修 (独)水産総号研究センター・ 中央水産研究所 指導員:1名 講 師:4名 中央水研の施設、機器、備品、 文献 等 事業費 3百万円 2)受入対象国側 投入なし
1)受入れニーズの妥当性
我が国と漁業関係のある LDC 諸国は、水産業の振興・開発と適切な漁業管理制度の構築を重 要な政策として位置付けており、先進国に対しそのための人材育成協力を要望している。 その一環として政府漁業部局の中堅職員を我が国に派遣し、我が国の漁業の実態や漁業管理 システムを習得させ、スタッフの能力向上を図りたいとしていた。 本研修は、これら LDC 諸国の要望を満たすカリキュラムを設定しており、対象国のニーズに合 致し、妥当であった。妥当性
評 価 事 項
2)研修生選定の妥当性
研修生の選定基準は、18 歳以上 50 歳未満、原則として高等学校卒業以上又はこれと同等の学力 を有し、英語会話能力があり、心身とも健康であることとしている。 また受入対象国政府が推薦する漁業担当部局の中堅行政官の職歴等を審査し、中央水産研究所/ 漁業管理研究室で行う研修に適合するか否かを勘案し、研修生を選定しており、研修目標に合致 し、妥当であった。3)研修内容の妥当性
一般研修は、我が国漁業の実態を総合的に把握することを目標とした学科講義(日本の海外 漁業協力、水産概論、沿岸漁業、日本の水産物流通、責任あるまぐろ漁業、水産資源概論及び 水産増養殖)を行った。 技術研修は、LDC としての漁業管理システムの構築や開発行政部門の企画・立案能力を増進 させるために、「我が国の漁業管理の現状とあり方」を主テーマとして、集中講義並びに関連施 設の視察を行った。 これら研修の成果として、我が国の漁業管理や資源管理の知見やノウハウが習得され、研修 目標とした LDC 諸国行政官の技術普及、資源管理等総合的水産能力が向上したもので、実施し た研修内容の妥当性は高いと認められる。妥当性の総合評価
研修生の受入れと関係途上国の人材育成ニーズとの間の整合性は十分に認められる。また研 修生の選定及び研修内容と研修目標との間の整合性にも問題はなく、本研修コースの実施につ いては、十分な妥当性があった。研修の効率性
研修の効率性を左右する指導員及び講師などの人的投入及び講義テキストなどの物的投入 は、下記のとおり実施された。一般研修では、「日本の水産概論」等の講義にベテラン講師を 配置した。技術研修は、中央水産研究所の漁業管理研究室において、我が国の漁業管理制度を 専門とする研究者が指導員及び講師となり、所定の学科講義などを行った。講義テキストなど 投入された研修資材は、各専門分野のものを個別に準備した。このように、研修に係る人的及 び物的投入は、質量ともに十分であった。効率性
また本研修コースの研修生は、政府漁業部局で漁業の振興・開発や漁業管理分野の業務を担 っている中堅の行政官であり、用意した研修内容のレベルに適応し、十分な成果を上げたと認 められ、研修の効率性は十分高いものであった。