著者
亀川 俊雄
著者別名
Kamekawa Toshio
雑誌名
経営論集
巻
14・15
ページ
1-22
発行年
1980-03-20
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005843/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止経 済的 富 の最 大 化 と経 済 利 潤 の最 大 化
一 経営経済的意思決定の基準をめぐって 亀 川 俊 雄 目 [1 ] 企業 目的と意思決定 巾 企業 目的 と分 析システ ム (2) 経 済利潤 と意思決定 (3) 会 計利益 と経 済利 潤 〔2 〕 企業 の経済利潤 と資 本収益性諸 指標のシステム (1)RI とROI (2) 経済的富・株価・ROI の諸関連 〔5 〕 結論 〔3 〕 経済的富と現金純収入 1 次 (1) 現金純収入の分析 (2) 現金純収入と生産関数 [4 ]R.W. スキャップソズの富の最 大化と経済利潤り 最大化 (1) 経済的富の最大化条件O 経済利潤の最大化条件 (3) 経済利潤と損益計算書 〔1 〕 企業目的と意思決定 (1) 企業目的と分析システム 経営 の経済目標にっい て相関連する経済尺度につい てのシステ ムを確立す ることは,経営 の仕事に従事しているト ップからロワーにい たる各層の管理 活動や執行活動などにおける経済的 意思決定の位置づけを明確にする上にお いて 乱 また,そ れぞれの層の行動が全社的な目的にいかなる経済的影響を もたらすかを明らかにす る上で も重要と思われる。また,この意思決定の基準 となるべき尺度は, それに対応して経済的業績あるいは経営業績economieDperformance,businessperformance の尺度ともなる。 この意味で, 会社 のト ップ・マネジメントの政策的決定から現場の能率的執行の決定を含む企 業の複数の目標システムについて,連鎖的な企業経営 の計量的経済分析シス テムの設計が望まれる。 このようなシステムは,経営者のみならず,゛企業外部の利害関係者にとっ ても,重要な情報を 提供する。企業目的が何であるか,それが下部の目標体 系といかなるかかお りを もっているかが明らかになれば,企業に対する総合−2 的 な 評価 と部 分的評 価 と の関 連を 明確にす るこ とを 可能 とす る とし, また, そ れがい か かる原因 で 成立し てい るか, 将来い か な る市 場 要因 や 内 部要因 の 変 化 に よって, そ の企 業が いか かる経 済的 変化を 蒙 るか が予 測 で きると思わ れ る から であ る。 筆 者はこ の意 味で, 利潤一 自己資 本利益 率一 総 資 本 (産) 利 益 率を頂 点と2 ) し か一 連の分 析 シ ステ ムの設 計を 試 みた。 小稿 では この 「 利 潤」 の概 念と, 経 営 財 務論に おい て 企業 目的 とみな され てい る経 済 的富economicwealth と の関 連につ い て焦点 をあ て, 利潤 や資 本収益 性諸 指 標を 含 めた一 連 の営利 性諸 指 標と の関 係につ い て検 討を加 え ること とす る・。(2 ) 経 済利 潤 と意 思決 定 と の分析 シ ス テ ムにお け る「利 潤」す なわち , 意 思決 定 や業 績評 価尺度 の た めに用 い ら れる利 潤 はい か かる概念 と測定に し た が う のであろ うか。 同じ く 利 潤とい っ て も, 様 々に 異な る内容を も ってい る。 利 潤を 中心的 に 取扱 う 学問 領域 とし て は, い うまで もなく, 会 計学 と経 済学に おい てで あ る。 また, 会 計学 におい て 乱 財 務会 計学 と管理会 計学 とに 分 かれ, 経 済学 にお いて も, マ クロ経 済学 と ミ クロ経 済学(企業経済理論)とに 分け ら れるが,いず れ の分 野で も利 潤 が用 い ら れ る。 し かし,そ れぞ れの利 潤 の概 念 は異 なっ ている も の と解 釈さ れ る。 意 思 決定等 に用 い ら れる利 潤は, 企業経 済理 論お よび 管 理 会計学 のそ れ と 同 一 の性 格を もつ と 解さ れ る。 こ れを 経済 利潤economicprofit と名づけ る。 財務 会計学 にお け る利 潤 は会計 利潤accountingprofit と名づ け て, こ れを 区 分す る。 会計 利 益( 以下会計学上の利潤は利益と呼ぶこととする)は, 制度上 決め ら れた会 計期 間 につ いて, 制 度的 目的を 遂 行す るた め, 特有 の公 準と原3 ) 則に 支え ら れた, 財 産評 価 と所 得 測定問 題 とが統合 さ れ て測 定さ れ る。 制度 会 計 にお け る会 計報 告 書は, 本質的に は 意思 決定 のため では な く, 制 度目的 に そ った事 後的 会 計報 告 書ex-postaccountingreports に ほか なら ない。 こ れに対し , 企業り 経済 理論に おけ る経 済利 潤は, 企業 の経 済行動 の分析を 目的 とし た事 前的 な概 念であ り, 意思決定 やそ れに 伴 う業 績 評価 の尺 度の理 論的 基 礎を 提 供す る。管 理の ために 作成 され る見積 財務諸 表 や予 算 書は,本 質 的に 企業 の経済 理論 と共通 の性格を もつ ものと みら れ る。 こ の よ うな見地 から の会計報 告 書 は, 事前 会計報 告書ex ・anteaccountingreports と名づ
経済的富の最大化と経済利潤の最大化3: けら れる。 企業 経 営にお け る意思 決定 のた めに は, 経 済 利潤 を報 告す る事前 合 計報 告書 と, そ れに 対応 し て, 業 績 評価 のた めに は ,経 済利 潤を 測 定した 事後 会 計報告 書 の作 成 が要 請さ れ る。そ れは, 企業全 体あ るい は,事業 部評 価 などに も同 様 のこと がい え る。(3 ) 会 計利益 と経 済利 潤 制度 会計 におけ る 利益 と経 済利 潤 と の間に は, 測 定問 題を め ぐっ て,2 つ の本質 的 なくい違 い があ る。 第1 は費用 の範 囲し た がっ て利 潤 の測定 値が 異な る とい うこ とであ る。 制 度 会計 におい て, 損益 計 算 のさい, い ろいろ な段階 で 利 益が 測定 さ れる。 た とえば ,「売 上総 利益」・「 営業 利 益」ぐ 経常 利益 」 あ るい は 「 純 利益」等 々 の ご とく ,これら の測定 概 念は, 経 済的ROI の代用 とし て の会 計的ROI 測 定 のた めに利用 さ れ うる から, そ の かぎ りに おい て, そ れぞ れ の特性に 応じ て,意 思決定 等に利 用さ れ ケる。 し かし , 企業 の総 合 的 評価 のた めに は, 経 済 利潤 の測定を 必 要 とす る。 こ の経済 利潤 測定に さい し ては, オ ポチ ュニテ ィー・ コ ストopportunitycost が差 引 か れれば ならな い。 モ の代 表的 な例 と し て,資 金 の オポチ ュ。ニテ ィ ー・ コストopportunitycostoffunds があげ4 ) ら れ る。 この種 の オポチ4 ニテ ィ ー・ コストぱ,資 本 コスト 測定 のさい 使用 され る資 金 の大 きさ に よって 決定 さ れる。 し た がって 経 済利 潤測 定 のさト , 総 資 本 (産卜 に 対す る資 本 コスト相 当 分り 利 子費 は費 用 とし て計 算さ れる。 資 本 コストは資 本市 場に お け る条 件を反 映し てお り, この資 本 コスト は,一IS, そ の企業にい つ ・ど れだ け の社 会的資 源を 利用し て よい か とい う標識 と もな り,い わ ゆる利 子 率 の機能を とお し て, 資源利 用 につ い て の時 間的 選好 の機能を 果し て く れる。そ の意味 で ,企業 のあげ た経 済 利潤 の大 きさ は, 社 会 への経済的 貢献 度を 示 す指 標と も考え ら れる。 この オポチ ュニテ ィ ー・ コ スト 控除 後 の経済 利潤 は, 制度 会計 の立場 か ら いえ ば, オポチ ュニテ ィ ー・ コストに 含 まれる必 要利 益 は, 自己 資 本利 益を 形成 する から,資 本主に 帰属 す る も のと考え ら れる。 し かし ながら ,意 思決 定 や業 績 評価 のさい に は, 両者 は区 分し て測定 さ れる 必要 があ る。 第2 の基 本的 く い違 い は,制 度 会計に おけ る利 益は 発生 主義 の 原則に もと づ く期間 利益を 測 定す る こ とを 目的 とし てい るの に 対 し, 経 済 価 値eco-nomicvalue, 経 済的 投資 利 益 率ROTreturnoninvestment, 経済 所
得eco-4 nomicincome, 経済 利 潤等いず れ の経済測 定値 も 現金 ベ ース で測定 さ れる。。 経済 価 値は通常 将 来 の純 収入 の流 列を 割引率 で割 引い た 現 在 価 値presentvalue とし て定 義づ け ら れる。 経 済的富economicwealth は こ の経 済価値 概 念を 適用し た もの であ り,企業 の立 場か らみ れば, 資 本の利 用に よって生 ず る将来 の現金 収 入 と投資 支出 の流列 の純現 在価 値netpresentvalue を 意 味し ,これを 企業 の富wealthoffirm と名づ け る。 所 有 者の立 場 か らみれば 。 資 本支 出 と将来 の配当全 収 入の流 列 の純 現在 価値 と な る の で, 所 有 者の富5)owner'swealth と も名づけ られる。 一 方, 経済 的ROI は, 資 産支 出に伴 う将 来 の現 金純 収 入の 流列 の合 計が ゼロと な る割引 率 とし て定義 さ れる。 この割引 率 は資 産支 出 に伴 う投 資 の利, 回 りに ほ かなら ない。 こ の利 回 りに は,生 産 のた め の資産 支 出につ い て も求 めら れるし, 株主 の出資 金につ い て も求 め られ る。 前 者 は簿 価に よる資産利 回 りま たは経 済的 資産 利益 率( 総資本利益率)よ 後 者 は簿 価に よる自己 資 本利 回 りまたは経 済的 自己 資 本利益 率 とい わ れる。 これ らの利 益 率 は, キ ャ ッツ6) ユ・フl=・ウの期 間中 一定 であ る とい う経 済的 特性を もう てい る。し かし,そ れを 母体 とし て, 短期 間 につい て, 期間ご との経 済的ROI も測 定 さ れうる。7) 会 計的ROI はそ の代用物( 写象)surrogate とし て利 用 さ れる ものと解 さ れる○・=・ そ れ に対し, 経 済所 得economicincome ぱ,将 来 の連 続す る各 期 間ご とに 測 定さ れる現 金 純 収入 の要素 とな る。 そ れは, 純 収 入の うち, 資 本価 値を 損 な うこ となく利 用 で きる 部分を 指 す から, 期 間的 ・経 済的ROI 測定 の基礎ノ とな る( 時価に もとづく期間利益率もしくは前記の簿価にもとづくROD 。経 済 利 潤 は各期 間ご と の所得 か ら資本に 対す る利 子費相 当 額を 控除 し た額 に相当す る。 こ の意味 で, 両者 は短 期 の期 間ご とに 測定 さ れる力気 資 本 の要因 を含 ん でい る とい う意味 では長 期的 性格を もっ 。 〔2 〕 企業 の 経済利 潤 と資 本収益 性諸 指 標の シ ステム(1 )RI とROT 投資 セン タ ーの業 績評 価尺 度とし て, 会計 的ROI (総 資本( 産)利益 率 − 自己資 本利 益 率に 相当 す る。 前者をROAreturnoninvestedassets, 後 者 をROEreturnonequity と区 別す る ごと がで き る。 い ず れも投 資利 益率ROI の 概念に 含 ま れる。) また はRIresidualincome (残余利潤)が用いら
経済的富の最大化と経済利潤の最大化5 五 る とい う。 この件 につ い ては ,マ ウ リご ルと アソツ ニ ーの調査 やi; ース と クールo 調査 報 告に もとづ く宮 本教 授の最 新 の研 究に よる と, ア メリカの大 企業1,000 社 の有 効回答 案 の うち,RI (RoIrRoA )との併用を含めて)を業: 績評 価尺 度 とし て利用 七 てい る企業 は,1966 年 で は27 %,1978 年 で は30 % に 漣 し てい るとい わ れる。七 かし, 業 績評価 尺度 の主 要 な座 はROI であ り, そ の利 用率 は1966 年 で は60 %,1976 年 で は65 %であ る とい わ れる。 この よ う 万に,投 資 責 任単位 もし くは事 業 部制評 価で はROI もし くはRI が,資 本 と の 関連 か ら収益 性指 標とし て用 い られる のに 対 し, 利 益 責 任 単 位profit8)center で は, 純利 益NI 等 の会計情 報 が用 い られる とし う。 ここで, 問 題に な る のは,投 資 責任 単位にお い て,ROI とRI のいず れが, 喋 績評価尺 度 とし て 優 れてい るか とい う比 較検討 が なさ れ うる こと と,投 資 責 任単位 で用 い られ るROI やRI と, 利益 責任 単位 で用 い ら れ る 純 利 益:ni
等 の関連 性に つい て であ る。 結論を 先に いえば , い ず れ の場合 で も,期 狽 的業 績評 価尺 度 とし て は, 上 位 の経済的 な総合 指 標 はRI であ り,ROI や 純利益 はRI の下 位的 指 標 とし て位 置づけ るべ きで あ ると解 釈さ れ る。 実務 こ的 な見地 から, あ るし は測 定 の客 観性 がえら れない とい う立場 か ら,ROI ノが よじヽかRI が よい か とい う問 題 は別個に 提 起さ れる問 題 であ るが,理 論的 忙 は両 者 は連 結し てし る尺 度 とし て とらえ るべきで は ない だろ うか。 そ の場 合に は,RI が上位 の尺 度と み なす べ きであ る, とい うのが 筆 者のいだ い て いる問 題 意識 であ る。
こ の よ うな問 題 意識 の もとにレ い まに 経済的RI ・ROA ・ROE ・純利 益 レNT・利子 控除 前利 益NOI の諸 関連 につし て, か んだ ん だモ デルを 設 計 し た上 で, そ れら の関 連性を 考 察す る こととす るよ 記 号(1)A ・瓦 総資産A す なわち総資本瓦 £ 負 債 £ 自己資 本 瓦 期間経済利潤(残 余利潤)G 利子 控除 前利益(営業 利益に等しいと仮定)NOT π 純利 益NIR 現金純収 入r 総資 本( 産) 利益 率( 経営 資本営業利 益率と同一 と仮 定)ROA =G /A
6 Ke 自己資 本利 益率ROE =π/E 一 Z 万 力 負債利子率 ト 。 自己資本コストすなわち自己資本に対して要求された利益率 総資本コストすなわち総資本に対して要求された利益率 なお,E ・πを会社が発行した株式数n で割った1 株当りに換算した値を それぞれ/ 云 ・ぶの記号で示すこととする。 さ て,G や π は , こ こ 懲は 短 期 の期 間 的 な営 業 利 益 お よび 純 利 益 を 意味= し て い る。 もし , そ の期 間 が 事業 年 度 も し く は 営 業 年 度 と し て,1 年 も し く は そ れ 以 内 の時 間 的 区 分 で あ る な らば , 通 常 短 期 的 概 念 の も ど に と ら え ら れ る。 し か し , こ れを 長 期 的 概 念 の も と に 転 換 し て 把 握 す る こ と も 可 能 で あ り。 す な わ ち 経 済 的ROI と の 関 連 性 を 導 入 す る こ と に よっ て , 長 期 的 な 時 間 の 概 念 を 含 め る こ とが 可 能 で あ る 。 い ま,G =Ar ………(1.01 )TC = 瓦E … ……(1.02 ) と し て 表 わ す な ら,G も π 乱 資 本 収 益 性 で あ るr や4 と の関 連 の も と に 把 握 さ れ る。 ま た (1.02 ) は ,r ・j や 財 務 て こ 率LIE の 経 済 変 数 を 含 め た, も の を 示 す と す れば , π=[r 十[r 一口LlE ]£ ………(1.03 ) と し て 表 現 す る こ と が 可 能 で あ る。 こ こ で ,r は ,i やLIE と 無 関 係 な , す な わ ち 企 業 の資 本 源 泉 の 選 択 い か ん , さ ら に は 金 融 市 場 の 変 化 と は 無 関 係犬 な 指 標 で あ り, す な わ ち 業 務 の 効 率 を 表 現 す る指 標 で あ る。`指 摘 し て お か なソ け れ ば な ら な い こ と は ,(1.01 ) や (1.02 ) の よ うにG や7C を 資 本 収 益 性 と 関 連 せ し め る こ と は , 経 営 に お け る 経 営 時 間 な い し は 広 義 の生 産 時 間 と の 関ソ 係 をG や πに か か わ らし め る とい う こ と を 意 味 し て い る 。 生 産 に は 時 間 が か・ か る と い う事 実 , す な わ ち , 経 営 に 投 入 さ れ た 費 用 か ら 販 売 に い た る ま で の9 ) 間 の 資 本 循 環 期 間を 要 求 す る。 そ こ に , 資 本 (産) の 概 念 が成 立 す る。 逆 攻 表 現 を 借 りる と, 資 産 は 将 来 の 費 用 で あ り, 未 償 却 費 用unamortizedcost と 名 づ け ら れ る の は , そ の 裏 返 し の 概 念 規 定 と も解 釈 さ れ る。 資 産 す な わ ち 資 本 の時 間 的 使 用 に 対 し , そ の 関 連 の も と に 利 子 が 賦 課 さ れ る。 こ の 意 味 で 。 川 こ対 し 金 融 市 場 に よ っ て £ に 卜
経 済的富 の最大化 と経済利潤 の最大化7 資 産 の 利 用 に 対 し て 賦 課 さ れ る利 子 は , 企 業 の全 資 産 し た が っ て 全 資 本 に 課 せ ら れ る必 要 が あ る。 す な わ ち , 負 債 利 子 のみ で は な くレ 自 己 資 本 す な わ ち 証 券 市 場 か ら 要 求 さ れ る 利 子 率 す な わ ち 自己 資 本 コ ス ト も チ ャ ー ジさ れ る こ とが 必 要 で あ る 。 経 済 的 なr や4 は 本 質 的 に は , 長 期 的 な 時 間を 含 め た 指 標 で あ り, そ れ を 母 胎 と し た 短 期 的 限 定 に お け る 経 済的r や4 が 求 め ら れ る 。 い ま単 純 化 のた め , 各 期 の 現 金 純 収 入R は , 再 投 資 仮 定 に よ り 企 業 の経 済 所 得G に 等 し く 。 ま た,Li を 控除 す る こ と に よっ て> π に 等 し い とし ,G,71(' よ一 定 と 仮定 す れ ば , A =Σ 戸1 -(1 十 約j ≒ 仏7Cj し た が っ て ,A =旦 £ 一 一 r π £e 一 ︱ r = G -A Ke 二 万 G =A 『 ■K=KeE … … …(1.03) とい う関 連が 成立 す る。 短期 の期 間 的 経済利 潤 瓦 は, 営 業 利益G か ら, 総 資 本 コス ト相当 分 の 利子費 を差 引 く ことに よって求 め られ るし ,あ るいは 純利益 π か ら自己 資本 コスト相当 分 の利 子費を 差引 くこ とに よって も求 め ら れる。 原則的 には,p =利 益 −(利子 率 ×資 本) ………(1.04)10 ) に よって測 定 さ れるこ と とな る。 こ の(1.04 ) に 示 さ れて い る“利 益” をG と解 す るか5T でと解す るか に よ り,“資 本” の概 念は 異 な って くる。 もし,G とし て とらえ るな ら, 資 本 はA =£十£ と なるし ,71 とし て とらえ るな ら, 資本は £ と な る。 し た が って,Pr は資 本収益 性 と の 関連 の もとで示 せば 。11) 次式 の ように 示 され る。 ら = 沙 一駅)A 犬 ッ……(1.05) れ =(/Ce−肌)£ ………(1.06) もちろ ん, 両 者は 同一 の経 済 内容を表 わ してい る式 であ る。(1.05 ) のr や
8 犬 ゐ か ら, 負債利 子 の要因を 除去 す るこ とに よ り, ただ ち に,(1.06 ) 式 が導か れ るこ とは い うまでもない 。 また,(1.06 ) のG をr,i,LIE と の関 連を 示 す (1.03) を 代入す るこ とに よっ て,(1.07 ) の ように表 わす こ とがで き る。 鳥 =[ 沙 十{r 一i')L/E]-ke ]£ ………(1.07) (1.05 ) ∼ (1.07 ) の式 は, 企業 の業 績評 価尺 度 とし て, 第1 に, (1.05) で は,Pr はr ,k,A の関数 と し て,(1.06 )・(1.07 ) で は>/Ce) 恥,E の 関 数 として とらえ ら れる。 こ のこ とは, いず れ のROI もRI の説 明変数 で あ る とい うシ ステ ムを 示し てい るも のに ほか な らない。 こ の ようなシ ステ ム は,Pr が よい か,r が よい か , む か よい か とい う選 択問 題 の提 起は, モ れ 自体無 意味 であ り,そ れ ら の変 遷が1 つ のシ ス テ ムの も とに理 解さ れ るべ き で あ る と解釈 され る。 力 や 恥 の計量 経済 学的 な測 定が, 実務上 歓 迎さ れな い とい う問 題 で・あ るとか , リス クの測定 が主 観的 に な りやすい とい う技 術的 問 題 のた め, いか な る変 数を 用い るべ きか とい うこ とは 別とし て, 短期 的な 期 間ご と の経済利 潤は,(1.05 ) や (1.06 ) の式 か ら, ヽ。 (1)Pr く; ………… (2)Pr くke<; …… の シス テ ムが成 立す る。 こ のシ ス テ ムから経 済利 潤 と諸 収益 性等や 資本 コス ト 等と の関 連,し た がって, 企 業 の経済 的 な 目的一 手段 の連 鎖関 係 の位 置づ け が, 経済 利潤 と期 間的ROI との関 連 で示 さ れるこ と と な る。 第2 に, (1.05 )では資 本源泉 の構造は,r に対 応す る ヵ の うち に 含 まれ てい るのに対 し ,(1.06 )・(1.07 ) は4 の うち に,r と ともにj やL/E の形態 で示 さ れる。 全 社的 な意 思決定 の基 準や 経済的 業 績 の尺 度 とし て は, (1.06 ) や (1.07 ) の 方が 優れ た尺 度を 提 供し てい る よ うに 思わ れる。 一方 , 個別 投資 提案 の決 定 と か,生 産す なわち業 務 の分析を 直 接 鳥 に かかわ らし め る 意 味 で は, (1.05 ) が 優れ てい る よ うに 思わ れ る。 (2) 経 済的 富 \・株価 ・ROI の諸 関 連 前 項で は, 単 純化さ れた モデ ル のもとに,Pr とROA お よびROE とそ れに対 応す る ゐ と 恥 お よびA と £ と の関 連を 明らか にし た。 さら に, こ の モ デルを 延 長し て,径 済的 富 ・株 価 と の関連 性を 追 求す る よう試 みたい。
経 済的富 の最大化 と経 済利潤 の最大化9 記 号 (2)W 経済的富 沢 株価G 総資本コスト測定のさいの必要営業利益f 自己資本コスト測定のさいの必要純利益Va 総資産の時価 ‰ 総自己資本の時価 す でにふ れた よ うに,経済 的 に みる ならば , 企業 の最 終 目的 は 長期にわ た しる将来 の収支 の正 味現 在価 値 であ る経済 的富 の最大 化にあ るとい う仮説 が設 定さ れる のが, 財務論 の通 説 とみら れ るし, 長期 動 学的 見地 から, また, 国 民経済 の時 間を 含め た資源 の 最適配 分に 応え るとい う立 場レ す な わち国民 経 済的 要請に 応え るとい う立 場 から みて も合 理的 と 思わ れる。 こ の目的仮説 の もとで は, 企業 経営 のす べ で の職 能は こ の目的に 収斂 す る よ う調 整され る必 要か お る。 そ れで はレ 長期的 な経済的 富 と短 期的 経済 利 潤と め関 連を ど の ように とら えた ら よい だろ うか。 株主 側 か らみ れば ,初 期 の出資 額 £。に対し , 配当 金 流列を 報 酬 とし て受 取 るこ とに なる。 い ま> πのすべ てを 配当 金 として受 取 ると 仮定す れば, 株 主 の富 は, つ ぎ の方程式 で示 さ れ る。w= き こ 瓦 ∧ ………(1.08) した 力≒ て, 前 項にお い て, 乃 が期間 に わた って一 定であ るとし う仮定 の 屯とではづ w = 二 島 一五=Ve 一石 ………(1.09) であり,w は純利益 πを自己資本 コストで割引き, 期始の拠出額 £。を引 いた株主 の受取 る正味現在価値となる。 ま仏 元/恥=? ………(1.10) であるから,W =(P −£)n =VE −£ ・‥……(1.11) となる。P −E は,株価から1 株価当 り期始の簿価を差引いたものにほかな らないから,w は株主全体の受取る総利益と解釈さ れている。 ところで,
10 T;"rcell' であるから,(1.09) のW はっ ぎめように変形することがで きる。'W =(it,−瓦)El 臨=π−加島=ら/ 瓦 ………(1.12) すなわち,w は各期の自己資本利益の流列を割引率 瓦 で割引いた値(1 株 当りであれば株価れ) から, 各期 の必要利益 みめ流列を 瓦 で割引いた値すな わちE(l 株当りであれば,1 株当り簿価互)を引いた値に等しいこととなる。換 言すれば,w は各期 の経済利潤 瓦 の流列を 瓦 で割引いた ものにほかなら ない。 ここに短期の 瓦 の現在価値が 長期的なw であ ることが関係づけら れる。 几1.08)∼(1.12) を,7Tの代りにG を用いるとすれば,これらの式 に対応 して, ∞ w =Σ − G, y笥 (1 十kン −A W =G μ −ノ=VA −/W
=(f −ゐ)Aμ =G −Glk =VA −A
企業 が富 の最 大化を 終 極的 に 目指 す とす るな ら, … … …(1.13) … … …(1.14) ●●●●● (1.15) 企業 の富を 決定す る変数 である π の流列,したがってそ の背後にあるG,A,i,L/E, お よび 恥 に ついて考察を加えねば ならない。 より集約的にいえば,w はPr の 流 列 を 恥 で割引いたものにはかならないから, 資本 コストを一定と すれば利益政 策上各期 のら が大であ るほどW の値は大となるのであ るから, 企業が短 期の経営 目標として,Pr についての利益最大化政策をた て, それに成功す れ ば , 原 則 と し て , そ れ に 応 じ て 富 の増 大 を 確 保 で き る と 思 わ れ る。 〔3 〕 経済的富と現金純収入 (工) 現金純収入の分析 前項では,初期支出A あ るいは £ が1 回かぎ りで,経済所得G あ るいは πの流列は一定であ り,G や πが現金純収入と等しいとい う仮定,す なわち 企業成長率はゼ1==・とい う仮定 のもとに営利性指標の諸関連を考察した。 つぎに企業が最大化 目的を もう とい う仮説のもとに現金純収入の流列の内 容を検討することにす る。いま,j 期の経済所得 ら を想定し,前記の仮説 をゆるめ,各期のG は一定ではなく, さらに, 現金純収入は営業収支のみ,
経済的富の最大化と経済利潤の最大化11 ではな く,資 産購 入の ため の現金 支出 か ら 屯変 動す る と仮定さ れる。 こ の投 資の うち に は, 棚卸資産 ,固 定資 産 な ど の非 貨幣 資産 と受 取 勘定 ・現預金 な どの財 務資産 の増 加分を も含む。 こ れら の資 産 の取 得 は資 産 へ の支出とみ な され るから, 資金提 供 者に とっ ては現 金 支出を 伴 うこ とと なる。 い ま, ①生産物 の種 類 は単一 で あ り(多品種の問題に拡張することも可能であ り, 原理的には同じである。 この場合には, 売上・生産高は, 技術的には価格ベク トルと数量ベクトルの多種のインプットとアクト ナットに よる現金純収入の問題 とな る),③生 産物 の価 格・要素 価 格は一 定, す な わち,企業 は市場 か らの受手 と して の立 場を もつ も のとす る。 記号3 一 馬 = 現金純収入(y 期) 馬 = 販売価格(i 期) 硲 = 売上数量O) 硲 = 生産数量(・ク) フニ)。9 = 賃率(り/) 句 = 労働投入量(//) 几・3 材料の価格(j 期) 訂八 = 材料の仕入量(々)Mj = 材料の消費量(々) Pc.j ― 非貨 幣資産の価格(^^: ん'j 非貨幣資産の取得量(Oi'. り = 財務資産の価格レ)Am ・j 財務資産の取得量い) 爪・i ― 非貨 幣資産の有高量(j 期始) λ,.j 財務資産の有高量(j 期始)S 。・。,===製品在庫量( ダ)S{,., ・ ― 材料在庫量(^/:dn ニ 減価 償却率(非貨幣資産)dm = 貸倒等償去p率(財務資産) かくて,経済的富はっぎ の方程式から求められる。 ∞ w =Σ 瓦 i=o(1 十が)j (2.01) い ま ,ゐ を 一 定 と考 え る と,(2.01) の方 程 式 に お け るR, の方 程 式を(2.02) の よ うに と ら え る こ と が で き る 。 現 金 純 収 入 を 要 約 す る と , 売 上 高 一支 払 費 用 一資 産 取 得 へ の 支 出 =現 金 純 収 入 であ る か ら ,Rj
°PjQj −Pa ・jLj一P^ ヽjMj −P いjA いj 一Pd りAm.j ………(2.02) こ こ で , 財 務 資 産 のj 期 の取 得 量TJim, ■j} た と え ば 受 取 勘 定 や 現 ・預 金 のヽ 物量 的 増 加 分 とし て の 測 定 は , 結 局 貨 幣 単 位 で 示 さ れ る こ と と な る か ら , そ13)14) の貨 幣 単 位 で 測 定 し た 貨 幣 額 で 示 さ れ る 。( それが,1 円を物量単位1 と換算す るか1 万 円を 物量単 位1 と換算するかは別 として ,心 し前 者を とれば,Pa は1 円と い うことに なる。几 は各期一定 とみな されるc) 各 期 の 馬 を 測 定 す る 作 業 は , 実 務 上 で い え ばj 期 の資 金 繰 表 を 編 成 す る,
12 こ と に ほ か な ら な い し ,PjQj ,Pa ・jLj,P いjχj … … に と づ く , 市 場 の 状 況 や 要 素 投 入 量 ・諸 資 産 の 在 庫 予 測 ・ 設 備 や 財 務 資 産 へ の 投 資 を 予 測 す る こ と に ほ か な ら な い 。(2 卜 現 金 純 収 入 と 生 産 関 数 丿 期 の純 収 入 は , 売 上 収 入 と そ れを 獲 得 す る た め の 財 や 用 役 や資 産 へ の支 出 と の 差 額 で あ る。 売 上 収 入 は , 製 造 業 等 の場 合 に は , 工 場 に お け る 製 造 活 動 や 管 理 ・販 売 部 門 に お け る 諸 種 の サ ービ ス 投 入 の活 動 の 結 果 で あ る。 売 上 収 入 の大 き さ は 製 造 部 門 に お け る 生 産 活 動 の 大 き さ に 依 存 す る 。 し か し ,j 期 の 販 売 量 硲 と 生 産 量Qj と は 期 始 ・期 末 に お け る 在 庫 品 の 変 化 分 だ け くい 違 い が 生 ず る。 い ま, 在 庫 品 の変 化 量 は 期 末 と 期 始 の差 で あ る か ら, く2.02) の販 売 量 は ,(2.01),(2.02) 式 に対 す る 制 約 式 と し て , つ ぎ の よ ケ に 表 わ す こ とが で き る 。Qj Qj −( 馬.J +l− 乱 丿 二 ………(2.03)j 同 様 の こ と 力乱 材 料 に つ い て も あ て ぱ ま る。 材 料 購 入 のた め の現 金 支 出:Mj と 生 産 のた め に 消 費 さ れ る 量 訂, と は 在 庫 品 の変 化 量 だ け く い 違 う こ と と な る 。 し た が っ て , 期 末 と期 始 有 高 の差 を 訂j に 加 減 す る こ と に よ っ て , つ ぎ の(2.04) の 制 約 式 を う る。Mj =訂j 十 凡 。i+i−^ いj) ‥… ……(2.04) ま た , 非 貨 幣 資 産 牛 財 務 資 産 のづ 期 の取 得 分 は , 期 末 有 高 か ら 期 始 有 高 を 引 い て 償 却 額を 加 え た も の に 等 し い か ら, つ ぎ の 制 約 式 が え ら れ る。An ―/inり+1−An ■j十dnA.n … ……(2.05) ■^.=ノ..?'+l− /.・J十/ 。/A …… …(2.06)15) つ ぎ に ,j 期0 生 産 量Q パ まつ ぎ の 生 産 関 数 の 形 態 で と らえ ら れ る 。Qj =F(L,M, 乱 ,& ,An,A よ ………(2.07) こ の生 産 関 数 の 特 色 とし て , 労 働 投 人 量 や 材 料 消 費 量 の ご と く フ ロ ー の 要 素 投 入 量 の み な ら ず , 製 品 在 庫 量 凡 , 材 料 在 庫 量>->&> 非 貨 幣 資 産 の 所 有 量On, 財 務 資 産 の 所 有 量S 、娯 要 素 投 入 量 の変 数 と し て 取 扱 わ れ て お り, い わ ゆ る資 産 ス ト ッ クか ら 流 れ る用 役 の生 産 性 を 認 め て い る。 製 造 部 門 に お け る 乱 や/i .の所 有 は 明 ら か に 製 造 活 動 の 円 滑 を 図 る と い う意 味 で 直 接 生 産 性 に 貢 献 す る。 ま たA は , た と え ば 工 場 に お け る 諸 用 役を 適 時 獲 得 す る 働 き を も ち , 生 産 活 動 の 円 滑 化 を 確 保 す る と い う意 味 で 同 様 の 働 きを も っ て い る。
経 済 的 富 の 最 大 化 と 経 済 利 潤 の 最 大 化13 し か し , 製 品 在 庫 量S 。 は , 生 産 ・ 販 売 の 両 活 動 を 円 滑 に 遂 行 す る と い う 機 一 能 を も っ て い る の で 必 ず し も 生 産 活 動 に の み 貢 献 す る わ け で は な い 。 配 をQ に 対 し 要 素 投 入 量 と し て 認 め る の は 簡 単 化 の た め の 便 宜 的 手 段 と し て 用j い ら れ る 。 分 析 の 前 提 と し て , こ の 生 産 関 数 は 凸 で あ り , プ ラ ス の 限 界 代 替 率 と 規 模 に つ い て 収 穫 が 非 逓 増 の2 次 微 分 が 可 能 な 関 数 と み な さ れ る 。(2.03) か ら(2.07) を(2.02) に 代 人 す る と ,j 期 の 現 金 純 収 入 は ,(2.02by の よ う に 表 わ さ れ る レR にP^F( 烏 ,Mj,Ar, ・J'-^m ・J, 配 り , 配 二) 一Pj(Sa り+1− 乱 り) ― 八 り 句 一 几 ・i(好 丿十 乱 り+1− 配 万) 一 八 リ(An 。J+1−
■i∠inり 十 貳An ・i)−? 衣λpi.i+1 −J^ .'j十tt。ノ .・j) … … …(2.02 的 こ こ で , 生 産 物 の 在 庫 品 の 変 化 額 は 販 売 価 格 弓 に よ っ て 評 価 さ れ て い る こ と に 注 意 し な け れ ば な ら な い 。 会 計 学 上 で は 実 現 主 義 の 原 則 に も と づ い て 原 価 で 測 定 さ れ る が,(2.02b) 式 で は, 生 産 高 基 準 に も と づ い て 鳥 で 評 価 さ れ る こ と に な る 。 な お , 現 金 純 収 入 の う ち に 生 産 関 数 が 含 ま れ る こ と は , 製 造 ・ 販 売 ・ 管 瓊 部 門 の 業 務 活 動 が そ の 中 に 集 約 的 に 反 映 さ れ て い る こ と を 意 味 し て い る こ と に 注 意 す る 必 要 が あ る 。 こ の 結 果 , 富 ・ 利 潤 ・ 利 益 率 等 は , た ん な る 財 務 的 意 思 決 定 ・ 財 務 業 績 を 示 す も の で は な く , 業 務 活 動 を も 統 合 し て い る こ と か 分 る 。 〔4 〕 μ.W. スキ ャップン ズの富の最大化と経済利潤の最大化(1) 経済的富の最大化条件 企業目的が株主 の富の最大化にあるとい う仮説にしたが うなら,いかなる 条件のもとに達成されるだろ うか。R.w. スキャップン ズは,y 期におけ る生産要素の結合条件として の富 の最大化条件と,j 期におけ る経済利潤の 最大化条件とを比較する。 このために, スキャップソ ズ・モデルでは,i−1 期とj 期 の2 期間の現金純収入を対象とする。 い ま,(2.01) 式 に,(1十だ)ダ16) を掛けると。w( 十聡)j=…… 十(1十聡)i?y-i十Rj 十・・・・・・ ・や…■‥(2.08)
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と な る。 このj −l 期 とj 期 の2 期間 のR を(2.02b) の方 程式 の形態で 表 現 す ると,w(
十k) =…‥・十(1 十垢[Pj-.F( £トi ,Mj-u ,An ・j一b /m'j-1,^ −j-l,馬・.・-) 一Pj−r(S・・j一Sa・i-l)一Pa り-l£j-i ト 一P い,-i(M,-, 十応.j 一& り_i) 一戸c・ゴーi(An・J- ノn・i-1十丿衣A ・.-) 一P 衣:-^.i−-^.・i-1十d。ノ^.。ト1) 〕 十〔P^F( £j,M ち,An. ル メm・i≫Sa・J,^ 心) し 一Pj(Sa づわ一応丿 一几 。貳丿一几・j(訂丿十Sいj+i−S 川) 一Pc・j(ン.n・J+i−/,j 十臨 /n・i) 一几(-^. 万 一^ 。。押 臨-A.m..j)] ………(2.09) 富 の最大 化条 件を 求 めるた めに,j 期 の各生 産 要素 に つい て,(2.09) を 各 投 入要素 に つい て偏 微分し て,そ の値を ゼ ロとお く と, dw( 十砂 ∂£j し た が っ て , な わ ち , = ? ………(2.10) 労働の限界生産物の価値はPa ・i' これを ら(1) とおく。 す Pj 皇 ―?o・j―C丿ト 他 の生産 要 素に つい て も, 同 様の条 件を あ て ぱめ る と,Fjjj ズン 丿 ―Pb.j ―r(2) 届 ノ ぜし =a 十聡)Pc・j-\一Pc'j(J-−<^n)―t^戸)d/ 笥゜jPf ニとぞし ー==(1 十齢)几 一几(l 二丿祐)=C 戸「 ト ∂ノm・j … … …(2.11) … … …(2.12) ●●●●●を (2.13) … ……(2.14) 弓 。芦 =a 十ん)PJ一1一馬 =c 戸) ………(2.15)dSa.jdF 十力)pb・i-l一p.・;=C丿) ………(2.16) ∂Sいj 以上6 個の投入要素についての偏限界生産物 の価値力い ら('),- …・,c 尹 に等しいとい う条件で,富の最大化条件が達成されることとなる。
経 済的富の最大化と経 済利潤 の最大化15(2) 経 済 利 潤 の 最 大 化 条 件 そ れぞ れ の 要 素 の 限 界生 産 物 の 価 値C 凪C 卯, ■:■…,C(^) ぱ , そ れ ぞ れ の 要 素 の潜 在 価 格shadowprice と も な るよ す な わ ち , イ ム プ リ シ ッ ト な レソ ト と な る 。 い ま , こ の シ ャ ド ウ ・プ ライ ス を 用 い て ,i 期 の利 潤 瓦 を 示 す とす れば ,Pr ゛PjQ^ 一Cy1) £j一Cj('回げj−C 丿 ■rxnり −Cy4) ノlm・j 一C'勁)Ofj・j一C(^) 瓦 り ………(2.17) で示 さ れ る。 こ の 利 潤 の 生 産 要 素 に つ い て の 最 大 化 条 件 は , 各 要 素 の 第1 次 の 偏 微 分 の 値 を ゼ ロに よ っ て 求 め ら れ る の で あ る か ら , そ れ ぞ れ のシ ャ ド ウ ・ プ ライ ス と な り, 富 の 最 大 化 条 件 と 一 致 す る こ と と な る。II ・ こ の こ と は , 短 期 の経 済 利 潤 最 大 化 条 件 と長 期 の 富 の最 大 化 条 件 に と っ て , 限 界 生 産 性 に つ い て の 第1 次 条 件 が 等 し い こ と と な り, 企 業 が 経 済利 潤 最 大 化 に 成 功 す れば , 富 の最 大 化 を も 確 保 す る こ と が 可 能 と な る こ と を 意 味 し ,(1.12) 式 で 示 さ れ た 算 術 的 表 現 と も 合 致 す る こ と と な る。(3) 経 済 利 潤 と 損 益 計 算 書 ス キ ャ ッ プ ソ ズ は ,(2.17) 式 に(2.11) か ら(2.16) 式 を 代 入 す る こ と に よ っ て , 経 済 利 潤 の 内 容を(2.18) 式 の よ うに 整 理 す る。p づ=〔P 刃 丿十Pj( 馬+1−Sl) 〕−[P ・・i-^j十几・jMi 十?,・jぬ-^ 。.j 十?4・jとZ,yla・j]一力(r)c。トX-^n・j十-*cZ・j_l/^7n・j十戸j_l^α'j 十?いj-l^ いj] 十〔(Pc ●J−Pc ●J-i)/、.J十(P. 一瓦-l)Sa.J 十( 几.J 一Pb ・j-)・s,・j] … ……(2.18)(2.18) 式 は , 経 済 利 潤 八 。ノが4 つ の要 因( 〔 〕で要約 されてい る) に 分 れ た変 数 グ ル ープ か ら 成 立 っ て い る こ と を 表 わ し て い る。 す な わ ち ,(:1) 第1 区 分 は ,j 期 に お け る売 上 高 と在 庫 品 の 増 減 分u 期 の販売価 格で 評価された 在庫価 格に よる) の会 計 であ る収 益 を 示 す 。(2) 第2 区 分 は ,j 期 に お け る賃 金 , 材 料 費 , 減 価 償 却 費 等 の , 当 期 価 格 に よ る 実 際 原 価 を 示 す 。 ト(3) 第3 区 分 は , 前 期 か ら 繰 越 さ れた 資 産 に 対 し , 資 本 コ ス ト んを 乗 じ た 資 金 の オ ポチ ュ ニ テ ィ ー ・ コ ス トを 示 し て い る。 こ の オ ポ チ ュ ニ テ ィ ー・ コ ス ト は , 前 期 に 資 産 を 売 却 し た ら, あ るい は 資 本 市 場 で 証 券 を 売
16 却したらえられたであろ う利益を示してい る。すなわち,当期に経営に 投下された資金の正常利益ともいえ る。 このオポチ ュニティー・コスト を差引 くことは,経済利潤が,事業 部制の業績評価などで広く論議され て い る残余利潤の性格を もってい ることを表わしている。 づ 峠 第4 の区分け,期始の非貨幣資産 の所有量に対し,前期と当期の価格 変化を乗じたもので/ 資産価額の差異にもとづくキ ャピタ ル・ ゲ イ ソ (あるいはロス)を示してト る。 この(2.18)を損益計算書の形態で表わした ものが次のとお りである。こ の損益計算書は生産高基準で示されてい る。 このモデルを売上 高基準に変え ることも可能と思われる。 損 益 計 算 書 売 上 収 入 完 成 品 在 庫 増 ( 販 売 価 格 ) べ 生 産 高 ) 十 製 造 原 価 労 務 費-ta.jhj 材 料 費 几 り 訂 丿 償 却 費 ( 非 貨 幣 資 産 ) ■*c・j心 ノ .・j 償 却 費 ( 貨 幣 資 産 ) ?d ■j臨/ ..J ( 営 業 利 益 ) キ ャ ピ タ ル .ノゲ イ ン 非 貨 幣 資 産 (Pc り 一 几 づ-i)-A、■j 期 始 完 成 品 在 庫 ( 均 一 弓 一i)& ・j 期 始 材 料 有 高 (p いJ 一 几 丿-l)Sいj ( 会 計 利 益 ) オ ポ チ ュ ニ テ ィ ー ・ コ ス ト 観 ?.・j-lA-n・j十Pd ・j-l-Amり 十Pj −lS いj 十Pb-J −lSb・J 経 済 利 潤EconomicProfit j 期間PjQj ( 生産 高基準) (S いj+l − 別 り) × × × × × ×-× × × × × × × × × × × ×-× × × 〔5 〕 結 論 筆者はかねてから,マネジメント・ コント= −ル・シ ステムの道具とし て,
経済的富の最大化と経済利潤の最大化17 一連 の分 析 シス テ ムを 設 計し た。 そ れは, 利 潤 ・企業 成 長 率・収 益性・経済 性・生 産 性 ・財 務安全 性 お よ び 市 場(生産市場・要素市場・金融市場・証券市 場) の要因 を 統合 す る形態 の分 析シ ステ ムを 意 図し た ものであ る。 この うち。 利潤 ・企業 成 長 率 ・資 本収益 性 (ROD は, 企業 の営 利 性原 理 の具 体的尺 度 であ る。 営 利 性を 示 す諸指 標の経済的 研究 は経 営 財務 論 の領 域にお いて, 精 密な分 析 が なさ れてい ると思 われ るので, こ の成 果を 参 考に し ながら, これ ら の指 標の 性格を 理解す べ きであ ると考 え る・。 この よ うな立 場 から みると, いず れ の指 標を, 企業 目 標 の尺度 と み なす べ きか とい う選択 原理 とし て取扱 うので はな く, 企業 の経済 目 標を 示す 最終 指 標が 確定 し た ならば,そ の目 標 を示す 指 標に 向っ て, すべ て の経 済指 標(たとえば,収益性・生産性・市場の諸 指標……) が 指向 ・収斂 す るもの とい うよ うに認 識す べ きでは ない かと思 わ17 ) れる。 こ の こと は企業経 営 の組織的 行動, す な わち, 組織 にお け る各 層の 行 動目 標が ,経 済的 に有 機的 ・合理的 にニ 企業 目的 に 指 向 ・収斂 し てい るとい う事 実 の反映 とし てとらえ た ことに ほか なら ない。 以上 の見地 から,営 利 性を 示す 諸変 数 乱 全 体 とし て,1 つ の統合シメ テ ムを形 成 す る も のとい う立 場を と るこ ととし てい る。 営利 性指 標 の うち, 短 期分 析 で は, 利潤を 最 上位にお い て,収 益 性は 説 明変 数 とし て取 扱 うシス テ ムで もあ る。(1.06 )・(1.07 ) 式 がそ れを 表 わ してい る。 この 利潤 は, 小稿 でか かげ る経 済 利 潤であ り, 残余 利 潤を 想 定し た もので もあ る。 また, 経済 的 富と 収益 性はと もに長 期動 学的 な モ デ ルで把 握す ること も可 18 ) 能 で あ る 。 ラ ー ナ ー/ カ ー ル ト ン の モ デ ル を 借 用 す れ ば , w= (l −T)( −&){r 十(r−OL/E]E 恥−(l−T) &沙十{r−O £/E} − £ … … …(2.19) とし て とらえ るこ とがで きる ものと考え てい る。 ここ で 成 長率g は, 税引 自己 資 本利 益 率と留 保率 みと の積 とし て, 次式 で示 さ れる。a =(l −T )ろr 十{f −OL/E] あるい は, 十 十g ニb 恥 とし て とら え る こと がで きる。g =0 ,b=0 ならば (2.19 ) は,(1.09)・ (1.11 )・(1.12 ) と同一式 とな る。 以上 の結 果, 匯 はす べて の営利指 標を 統合 す る も のと解 さ れる。
18 この期間的 経済 利潤 のも う1 つ の分 析 シ ステ ムは, ス キ ャ ップン ズ・モ デ ルで示 した ように, 生 産す な わち業 務 の分 析を 行 う便宜 的 理由 か ら, 資 金 の 調 達 源泉を資 本 コスト の うち に 含め, 生 産活 動に 焦点を あ て,ROA を 直接 総 資 本 コストに かか わらし め る方 式で あ る。 い ずれ のシ ス テ ムで も, 企業 の 最 終的 な総合 尺度 は経 済的 富に 収斂 す る も のとな り, ラ ーナ ー/カ ールトン・ モ デルと同一 の内容を もつ とみ ら れる。 この期間経 済利 潤は 企業 の物 的 生産 性を も統 合してい る。 そ れ は, スキ ャ ップソ ズの理論に おい て は生 産 関数 の形態 で利 潤最大 化問 題を 取扱 ってい る 事実を みて も明らか であ る。 し か も, この生産 関数 のうちに は, 要素 投 入量 とし て,労 働量や 材 料 など のフpa ーの投 入量 と, 資産0 スト ッ クとが 含 まれ る。平 均 分析で は, こ れは, 物的 フp 一生 産 性と物的 スト ッ ク生 産 性 の反映 で もあ る。 か くて , 損益 計 算書 か らえ ら れ る利 潤につ い て の会計│青報 は, た んに , 財 務の情報 の みな らず, 生産 の 情報, 市場 の情 報 ( たとえばspp 几 ……,i,P のごとO を 含 めた, 広い 意 味の経営 情報 の統 合的 表 わ れと解 す ることが 適当 と 思わ れ る。 経済利 潤最大を 目標 とす る企 業 の短期 利 益計画 は,長 期 の富 の最 大を もた ら す とともに, 経営 全 般 の調整を 必 要 とす るこ とと なる。 小稿 にお け るい ま1 つ の問 題 意 識は, 経 済的 富 ないし は 株主 の富 と短期 の 利 潤 と の関 連にっ い てで あ る。 経営 財務論 の うち に は, 近 代企 業 は利 潤最大化 に よる企業 目標は 否定 さ れ, す くなく とも, 理論 的 に は, 株主 の富 の最大化 が企業 の 行動基 準 と なるこ と が主張 さ れてい る。 た とえば,S.E. ボ ールテソ は, 短 期 の利 潤最大 化 の い ろい ろ の欠点をあげ , 径 営, 財務 の リス クを 含 まない とか,長 期的 な厚生19 ) の 犠牲を伴 う等 の説 明を し て い る。 し かし , この よ うな 説 明は利 潤概 念 と認 識 方 法の誤 解と 思わ れ る。 筆 者 の立場 は, 富 の最大 化は 長期的 経 済利 潤最大 化 と同一 のも のとし て把 握す るこ とにし てい る。(1.08 ) ∼ で1.11) がそ れ を 示 し てい る。 また ,長 期的 富 の最 大化 と,短 期 の経済 利 潤の最 大化 も原則 とし て一 致す るも のと理 解さ れる。(1.12 ) や (1.15 ) はそ の意 味 の算式 で あ る。かっ 経 済利潤 は, 費用 の測 定範 囲か らい え ば,残 余 利潤 と同 一で もあ る。 また, 特定 の仮 説 の もとに 吟味 さ れた, ス キ ャップソ ズの モ デルの もと で も両者 は一 致し て い る。 よ り拡 大さ れた 仮説り もとで も両者 が一 致す るか
経済的富の最大化と経済利潤の最大化19 ど うかは, さらに 検討を 加 え る必 要 があ ると 思わ れる。 企業 目的 と みら れる富 の測定 に は長 期 の経済所 得 の予測 が必 要であ る が, 現 実 の不確実 性下 の企業 に おい て は, こ の所 得の予 測 ぱ恣 意的 に陥 る可能 性j が多 い。 もし, 富 と利 潤 の最 大 化 の条件 が一 致す れば ,短期 の利潤に よって。20) 意 思決定 や経 済的 業 績 の測定 に 代用 さ れ うると 思わ れ る。そ の場 合に は, 同 時 に, そ の代用 として, 会 計的 利益 ・会計的ROI ・生産 性等 の経営 情報を こ活用し て,統 合的 分析が 必要 であ るとい うのが筆 者 のいだい てい る問 題意 識 であ る。 ・・( 付記・この研究は,昭和54年度,東洋大学国内研究制度に よるものである。)( 昭和54年11月6 日受理) 1) アソ ゾフは ,目標につい て,「企業 内で的 確に されてい るとき, 諸 目標はあ ら ゆ る意 思決定 の局面 のみな らず ,業 績評価 ・コン ト =t―ル・調整 の評価におけ る 多 角的利用 の道具となるこ と。 また, かれは, ソロモンのい う正 味現在価値 と 投 資の現在価値の差すなわち株主 の富におけ る欠点を考 慮して,企業 の全体的 目 的 に対 する比 較尺 度として平 均 自己資 本利益率theaveragerateofreturnsonequity を採 用してい る。 ただ し, 業 務上の責任を もっ てい るマネジメント階 層 は 他の分母(た とえば,資産利 益率そ の他を 暗示) が適当かも知れない,とい う/。 小 稿では ,後者 の,正 味現在価値か,利 益率か,い かかる分母かとい う選択の 問題 ではなく,そ れらが すべて,経 済的に 結合してい るとい う観点か ら吟 味を 試 みた。Ansoff ,H.I・,CorporateStrategy,1965 ,p.38,pp.40-41 ・広 田寿亮訳『企 業 戦略論』産能大,昭和52 年,38 頁,40-41 百。2 ) 拙稿「 意思決定 のため の経営 比率分析 の体系的 研究」『会計 』 森山 書店,昭和52 年10 月号,534-551 頁。3 )Shillinglaw,G.,TowardATheoryofDivisionalIncomeMeasurement,AccountingReview,April,1962,p.208.4 ) 経済学上 の利潤は,資 本に対 す るオポヂ ュニティー・コスト として の利子は費 用として取 扱われる。Dean,J.,Mana 詐rialEconomics,1951,pp.4-6. 田村市郎監訳『経営者 のため の経済学』関書院,昭和33 年,12-15 頁。Bohm,H.H.,Gewinn,RentabilitatskoeffizientOderkalkulatorischerBe-triebserfolg?ZfB ・,1962,Nr.11,S.670. 拙 著『利益政策 』日刊工業 新 聞社,昭和43 年,27-30 頁。 f k ∼ I / −
20 5)Solomon,E.,TheTheoryofFinancialManagement,1963,pp.20-25.E. ソ9 モン,別府祐弘訳『財務管 理論』同文 舘出 版,昭和46 年 ,26 一32頁。6 )Lerner,E.M.andW.T.Carleton,ATheoryofFinancialAnalysis,1966 .p.53. 石 黒隆司 ・宮川 公男訳『財務分析の理 論』東洋経済新報 社,昭 和47 年,57 頁。7 ) 会計的 測定に よる資 本利 益率と経済的資本利益率 または内部 利益率が基本的に 同一 のものなのか,異な るものなのかについて は論争かお り, 決着がついてい な い といわれ る。 次書に おいて詳し く紹介されてい る。 谷武幸著『事業 部業 績管理会計』千 倉書房,昭和51 年,59-82 頁 。8 )Mauriel,J.andR.Anthony, ・'MisevaluationofInvestmentCenterPer-formance, ”HarvardBusinessReview (March-April1966 ),pp.98-105. 宮本匠 章稿「業 績測定尺 度としてのROI 」『会計 』昭和53 年8 月号,194-198 頁 。9 ) 生産には時 間がかか るとい う事実か ら,費用は資本概念に転化 され る。したが・ つて,費 用×時 間に よって, 資本 の概念が成立するものと考え ることができる。 池田一新訳 『 ハイソ リッヒ・フ ォン・シし タッケルベル ク 理 論経 済 学 の 基回 礎 』文雅堂書店, 昭和32 年 ,99-110 頁 。Bohtn,H.J., “DieMaximierungderKapitairentabilitat",ZfB.,1961,Nr.2,S.489. <10 )Shwayder,K.,AProposedModificationtoResidualIncome-InterestAd-justedIncome,TheAccountingReview,April1970,p.299.11 ) 経済的r と内部干U益 率 ρ とでは, 企業 の成長 率g だけ くい違い が生ず る。 (1.05 )式や(1.06 )式は,g =0 の場 合を想定した ものであ るか ら,r ・=p となy る。Lerner/Carleton,op.cit.,pp.52-55. なお,9 ≒O につい て 乱 (1.05)式や (1.06) 式 と同様 の形 態の式 が誘導さ れる。 すなわち(1.06 )や (1.09)に対応し て,W =(凡 一恥)£/ 恥−g に転匪 できるし, また ,E. ソ9 モソ のて 単純成長 」 のモデルを 援用し て,(1.05)・ (1.06 )式に対 応 する形 態で, モデルの編成替えを試 みることもで きる。(記号は 小稿 の記 号に代え る。) ソl==・モヅ の単純成長 の モデ ルは, F = 脂 +b-ir辨biz一 一 ……… ① 恥 ただ し, 謂=Keノk。 ここで,V は単純 な投資 拡張に 伴う(すなわち,既 存資産につい て生 じた 利益と につい ては, 一 定め利益 留保率b, 留保額 £ か らの拡張 投資 され,その留保資 産 か ら生ず る利益はす べて配当 金に回 されると仮定したも のと解 釈さ れ る)。利,
経 済的富の最大化と経済利潤の最大化21 益の純現在価値であるが,既存資産 瓦 相当分を差引いた純現在価値はw に相 当 する。 したがって,W °勺タy上背 十賛 一等 ゜去{(心一恥)(£。十B/k 。)}……③ という形式で表現されうる。 したがって,ソロモンの「単純成長」のモデルの仮定のもとでは,期始出資額 £。と各期の利益留保額の期始の価値B ノkeについての各期の残余利潤 鳶 に相当 する(Ke一恥)(£。十B/ 恥)の現在価値がw になると考えられる。Solomon,E.,op.cit.,pp.59-62. 「訳書」71-75頁。12 ) ソロモンは,Profit-maχimizationvs.Wealth-ma χimizationについて,富の 最大化にしたがうべきことを説いているが,ここでい うProfit はTt を指してい る。しかし,もし,Profit が 八。と解すると異なった結論に到達するように思わ れる。Solomon,E.,op.cit.,pp.19-20. 「訳書」24-25頁。13 ) 企業が,特定期間について現・預金の保有量を増加した場合に,経営活動の準 備のために現金支出とみなされることは,一見奇異に思われるが,企業の現・預 金所有増は,資金調達源泉である £ または £ の増加を伴う。£ の増加であれば 利子量の増となるし,E の増加であれば,所有主の現金支出を伴うことになる。 また,経済的ROI の斉一性の面からみて 乱 このような測定は合理的と思われ ‥る。:14 )Scapens,R.W.,ANeoclassicalMeasureofProfit,TheAccountingReview,April1978,pp.448-469. 以下,スキャップソズのモデルに準拠しつつ,筆者の問題意識のもとに分析を 試みる。なお,スキャップンズの用いる記号は変えて用いることとする。:15 ) 生産関数の要素投入量のうち,非貨幣資産や貨幣資産のストックを独立変数と 認めるのは,それらの所有が生産に貢献するからである。たとえば,現・預金の 所有は, 賃金・経費への支払の円滑化を確保することによって生産に貢献するしへ 受取勘定の所有は,販売量の確保をとおして生産水準に影響を与える。経営資産 は,直接・間接的に生産活動に貢献するものと考えられる。16 ) スキャップンズは,割引率として,市場利子率r・(本稿の ゐ に相当)marketinterestrate を用いる。この バ よ,暗黙的には,真0 時間選好率therealrateoftimepreferencesp と,一般物価の比例的変化9 とに分たれるという。
22 かくして.r は次式に よって求め られる。(1 十r) =( 十ρ)(1十が) ● ● r=g 十ρl 十g) こ の式を(2.09 )に代 入す るこ とに よって ,期始 の資産 価額 (前期価 格×期姶 資産量)に ρl 十9 )を掛け たものを オ ポチ ュニテ ィー・ コスト とす る。これは資 産 の時価に時 間選好率を 乗じた分に等 しい 。こ の分 と,当 期の価格から前期価 格 の一般物 価上 昇分を乗じた ものを引いた,すな わち非貨幣 資産の相対的 価格変化 か ら,さらに貨 幣資産 の一般物価上昇分を引いた もめ( こ れは貨 幣所有に よるイ ン フ レ損失に当 る)を キ ャピ タル・ ゲイン とみなした 分とに 分け る。この ようだ 形 態で損 益計 算書を表示 してい る。17 ) こ のこ とは,経営経済の選択原理が利潤に あ ることを 前 提としてい る。すな ね ち ,経営経済が利潤,収益 性を選択すべき か, 経営の経済 性や生産性のい ずれを 選択 すべきか とい う問題ではなく,企業 の利潤は 経営の生 産性を 内包し てい ると い う事 実を 認め ること, また,企業が 適正な価 格設定[ 不 完全競争下におけ る適] 正 賃金・適正 な生産価格・仕入価格とい う制約条 件つ き) のもとに 高い利潤をあ・ げ るこ とは,共同経済的生産性に 貢献 するとい う立 場を と ることとなる。E. グ ーテンペ ル クの立場や ソロモン の財務論はこ の ような論理に したが うものと理解 され る。一方 ,ドイツの伝 統的経営経済学は,経 営経済は ,経 済性さらに はそ の 背 後にあ る共 同経済性あ るいは共同生 産性 の原理に したが って行動すべきであ る とい う異な る思潮もあ る。筆者は, ここでい う共 同経済性 (全 体経済的収益/ 全 体経済的投 入量)は,1 人 当 り実質GNP ・NNP に相当す るのでは ない かとい う 仮説を いだい てい る。Solomon,E.,op.cit.,pp.23-24. 池内信行 ・鈴木英寿共訳 『経営 経済学の基本問題 』森山 書店,昭和46 年,94頁。108 頁。 拙稿「企業 付加価値 の基 礎的概念につい ての若 干の疑問 」『会計』 昭和54年6 月 号,44-45 頁 。18 )Lerner/Carleton ,op.cit.,pp.193-96.19 )Boiten,S.E.,ManagerialFinance,1976,pp.16-17.20 ) スキ ャップン ズは, 経済的利潤 概念の有用性にっ き,「 経済利潤概念 の予備的 研 究では ,経 済利潤は,経済所得の測定を 試み るより,仮定 された状況では,簡: 単で あ るらしいこ とを示唆し てい る。」 と。 筆 者は経済利潤 の測定について 払 資 本 コストの客観的 証拠が得 難い とい う立場 から,経済利 潤実現の条件に最 も近 い自己 資 本利益率を総 合指 標として選択し,利潤 測定は解 釈論に 譲った。 犬Scapens,op 。cit.,p.462. 拙著『 体系 経営分析論』白桃書房, 昭和41 年 ,はしがき2 頁 ,54頁。