Title
Decreased phospholipase D activities in ceramide-induced
apoptosis of RBL-2H3 mast cells( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
早川, 和喜
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)甲 第412号
Issue Date
1999-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/14709
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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 貞 早 川 和 書(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 412 号 平成11年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
Decreased phosph01ipase D activitiesin ceramide-induced apoptosis of
RBL・2H3 mast ce"$ 班別 英義 田澤 宮野 授授 教教 ) ) 査 査 主 副 ( ( 教授 藤 原 久 義 論 文 内 容 の 要 旨 近年,花粉症をはじめ種々のアレルギー疾患は増加傾向を示し,その病態の解明は多くの関心を集めている○ 鼻アレルギーなどのⅠ型アレルギー反応の中心的な役割を演じているマスト細胞の刺激応答には膜リン脂質が深 く関与しており,抗原刺激により種々の情報変換ホスホリパーゼ(A2,C,D)が活性化される。なかでも細胞 膜の主要構成成分であるホスファチジルコリン(PC)を主に分解し,セカンドメッセンジャーであるホスファ チジン酸(PA)と1,2一ジアシルグリセロール(1,2-DG)を産生するホスホリパーゼD(PLD)は分泌応答・ 細胞増殖・分化など迅速応答から中長期応答まで様々な細胞応答に関与することが示唆されており・細胞内情報 伝達における新規のシグナル変換酵素として重要視されている0ところで,今後の鼻アレルギー治療として炎症 を伴わず局所的にマスト細胞を調節し得る方法としてアポトーシスによる制御が注目されているが・マスト細胞 のアポトーシスについての知見は必ずしも多くない。セラミドは,多くの細胞系でアポトーシスのセカンドメッ センジャーとして作用することから注目されており,ラット好塩基球性白血病(RBL-2H3)細胞ではIgE刺激に ょるPLD活性化を抑制することが知られている。しかし,マスト細胞のアポトーシスにおけるセラミドの関与 については不明な点が多く残されている。 そこで本研究では,細胞膜透過性セラミドであるC2一セラミド(N-7セチルスフィンゴシン)を用いて・粘膜 型マスト細胞のモデル,RBL-2H3細胞のアポトーシス過程におけるPLDの関与について検討し・以下の結果を 得た。 研究方法と結果 1)RBL-2H3細胞のアポトーシスについて検討するために,細胞を無血清培地中で12時間培養乱25FLMのC2-セラミドあるいは非活性型のジヒドロC2-セラミドを処理し,位相差顕微鏡で形態変化を観察した。C2-セラミド 処理細胞では経時的な形態変化すなわち細胞の円形化縮小,培養皿底面からの離脱が観察された。一方・非活 性型のジヒドロC2-セラミド処理では,コントロール細胞と同様に明らかな形態学的変化は認められなかった0 2)アポトーシスに特徴的な核の変化を観察するために蛍光色素へキスト33258を用いて核染色を行った。コン トロール細胞では核に変化は見られないが,25〃MC2-セラミドで6時間処理した細胞では核の断片化や凝縮が 認められた。さらに,可溶化DNAの電気泳動を行い,顕著なDNAの断片化(1addering)が認められ・C2-セラ ミドによるアポトーシス誘導が確認された。一方,ジヒドロC2-セラミドで6時間処理した細胞ではコントロ ル と同様にDNAの断片化は認められなかった。 3)C2-セラミドによるアポトシス誘導の程度は,へキスト3325線色により核の断片化や凝縮をきたした細 胞数の変化で検討した。C2-セラミドにより濃度および時間依存的にアポトーシス細胞の数は増加し,25〃M C2-セラミド12時間後には全体の約50%に達した。 4)PLDは一級アルコールであるブタノール存在下ではホスファチジル基転移反応を触媒し・PAの代わりに ホスファチジルブタノール(PBut)を産生するため,これをPLD活性を指標としたo RBL-2H3細胞にはt少な くともGTPγSにより活性化されるGTP結合タンパク質依存型,オレイン酸により活性化されるオレイン酸依存 型,およびいずれにも依存しない(GTP結合タンパク質非依存型)3タイプのPIJD活性が存在した0
ー43-5)細胞を25FLMC2-セラミドで3時間処理してアポトシスを誘導すると,3タイプすべてのPLD活性は75∼ 95%阻害された。しかし・ジヒドロC2-セラミドはPLD活性に影響を与えなかった○また,正常のRBL-2H3細胞 の膜画分GTP結合タンパク質依存型PLD活性はサイトゾル画分の添加により活性化されるが,C2-セラミド25FL Mを3時間処理しアポトシス誘導した細胞のサイトゾル画分は・コントロール細胞のサイトゾル画分と同程度 に膜のGTP結合タンパク質依存型PLDを活性化した。従って・GTP結合タンパク質依存型PLDの活性低下に. サイトゾル画分の活性化因子の関与はないことが推測された。 6)50FLMのC2-セラミドは正常RBL-2H3細胞の膜画分のGTP結合タンパク質依存型PLD.GTP結合タンパク 質非依存型PLDの活性をそれぞれコントロールの20%・15%まで抑制し●これらの型にセラミドが直接的な抑 制効果を及ぼすことが示された。しかし・オレイン酸依存型PLDははとんどセラミ.ドにより抑制されなかった。 7)セラミドによるアポトシス誘導時におけるPLDのアイソフ*-ムPLDla,PLDlb,PLD2のmRNAの変 化をRT-PCRにて検討したところ・PLDla・PLDlbは時間依存性に減少し一12時間後には約1/5まで減少した。 一方t PLD2はむしろ増加傾向を示した。 考 察 以上の結果から・RBL-2H3細胞はC2-セラミド処理によりアポトシスをきたし,その過程でGTP結合タンパ ク質依存型PLD・GTP結合タンパク質非依存型PLD・およびオレイン酸依存型PLD活性の3つのタイプのPLD 活性を著しく抑制することが示された。また・それぞれのPLD活性の抑制はセラミドにより直接的,あるいは PLD自身の量的な調節をうけている可能性が示唆された。 論文幸査の結果と要旨 申請者早川和書はt粘膜型マスト細胞のモデル系のラット好塩基球性白血病(RBし2H3)細胞のC2-セラミド (N-アセチルスフィンゴシン)によるアポトシス誘導について検討し・アポトシスに伴いPLDの著しい活性 抑制が起こることを示した。さらに・セラミドによるPLD活性化抑制メカニズムを明らかにした。これらの知 見は・マスト細胞のアポトーシスシグナリングの解明に少なからず寄与するものと考えられる。 [主論文公表誌] DecreasedphospholipaseDactivitiesinceramide-inducedapoptosisofRBL-2H3mastcells 1998年6月発行 BiomedRes19:159∼170